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村人「ま、魔物が襲ってきたぞぉ!」 俺「ふむ、ならば銃で撃ち殺せばいいのでは?」
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82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 06:56:11.36 ID:oYnuwuluO
〜20年後〜
帝国中将「お互い老けましたねえ」
息子「ああ。……戦争の進捗はどうなっているんだ?」
帝国中将「依然圧倒的ですよ、当町産の武器は現文明の3歩は先を行っています。鹵獲されども解析なんざ出来やしませんし、最近は敵の魔力に反応して自動破壊される術式も開発しましたからね。出来てもモドキでしょうね」
息子「圧倒的というのは総合的にとかではなく、全方面にという事か?」
帝国中将「そうですよ。王国と都市国家連合は壊滅、連邦と合衆国と魔王軍は虫の息、精々海を隔てている共和国が頑張っているくらいじゃないですか?同じ環境の合衆国があれの時点で時間の問題ですけど」
息子「そうか……」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 06:57:12.73 ID:oYnuwuluO
帝国中将「しかし貴方も無欲ですね、なんだかんだこちらにまだひとつも頼み事してないじゃないですか? 交易による莫大な利益を免税や医療費控除、社会保障に使っているのもそうですが、肝心要の発展もあまり進めていない様ですし」
息子「特に危機もないしな……それに、急に発展させても町民が環境変化に着いていけないのは分かっているからな。遅々としているくらいが丁度いい」
帝国中将「そうですか。じゃあ今日はこの辺で、ここ風俗ありましたっけ?」
息子「入り口から左にある高層ビルの七階奥辺りに店舗が密集している、好きに選べ」
帝国中将「ありがとうございます、早速ちんちん扱かれてきますね」スタスタ ガチャッ
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 06:59:16.61 ID:oYnuwuluO
息子「はぁ……」
スタスタスタ
息子「ん? おお、俺さんか」
俺「」ヨッ
スッ
息子「酒か。どうも」
俺「」ヨッコラセ
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:00:02.08 ID:oYnuwuluO
息子「大陸も変わったな……今や帝国がこの大陸世界全土を統べようか、という所まで来ている」
俺「」
息子「それに生産場も帝都にある訳ではないからな……スパイが来ても作成図なぞ無いし、普通に感知魔法で捕まって何の成果も無くお縄という結果になっている」
俺「」
息子「俺さんのお陰であるのはわかっているが……町長だからかね、なんだか自分が世界を変えてしまった様な気がするよ………無論、いいベクトルにではなくね」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:00:51.74 ID:oYnuwuluO
息子「………。いや、湿っぽい話は止そうか。酒呑んでる時に気分暗くしても、な」
俺「」スッ
息子「? …ああ……」
息子「乾杯」
コツン
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:02:20.99 ID:oYnuwuluO
〜帝都〜
大臣A「大蔵の方は前年比9.6%増、比例して軍事費も上がる形となるな」
大臣B「にしても中将くん、君は凄いな。何処からアレだけの物を仕入れてくるんだ?」
帝国中将「軍務大臣に聞いてください」
大臣B「その軍務大臣は私だろうが……」
大臣C「さて帝様、如何いたしますかな? 先に共和国を潰しておくか、生意気にも同盟を組んだ合衆国と連邦を潰すか」
帝「………」
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:03:20.49 ID:oYnuwuluO
帝「魔王軍は、相手にしないのか?」
大臣A「失礼ながら帝様、魔王軍は人類共通の敵です。従って最後まで生かしておけば敵国全てのフラストレーションとなりましょう、今潰滅させるべきものではないかと」
帝「…………。大臣よ、今一度考えてくれ。我々は、人類は……争う必要があるのか?」
帝国大将「」ハァ...
官僚「」ヤレヤレ
大臣B「……帝様、何度も申し上げております通り帝国は現在人口爆発を起こしております。もはや総人口は20年前の10倍、5億人です。これら全てを余裕をもって収容するには、戦争による併呑しか有り得ぬのですよ」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:04:18.34 ID:oYnuwuluO
帝「……対話の道は、」
大臣C「皆無です。合衆国や共和国は我々を人種的に差別しておりますし、王国の人間も同様でした。相手から蔑視してくる様な状況でこちらが対話すべきとはどういう事です? 対話というものは互いへの正しき理解があって初めて成立するものですぞ」
帝「………」
大臣A「……今日も帝様はお熱が出ておられる様だ。休養させてはどうか?」
大臣B「異議なし」
大臣C「賛成ですな」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:04:51.60 ID:oYnuwuluO
帝「待て、余は……!」
近衛兵『』ザッザッザッ
大臣A「連れて行け」
スッ
近衛兵『』ザッザッザッ
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:07:13.18 ID:oYnuwuluO
帝国大将「……ふん。だからあのような小娘、列席させる事自体無駄だというに」ボソッ
他帝国中将「しきたりだから仕方ないんじゃないですか。邪魔なら今みたいにどっか行かせば良いのですし」ボソッ
帝国中将(相変わらず可愛くて勃起してしまった……)ボッキッキ
大臣C「………では、同盟そのものではなく連邦のみを叩くので?」
大臣B「が、妥当だろう。合衆国まで行くのはコストが掛かる」
大臣A「確かにな」
……………
………
…
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:08:39.06 ID:oYnuwuluO
息子「これは?」
帝国中将「バズーカの弾の大量発注書ですね。威力が高いのでかなり消費するんですよ」
息子「なるほど。分かった、すぐ手配しよう」
帝国中将「どうも。あと、新聞です」バサッ
息子「ん……む!? これは…」
帝国中将「1面にデカデカと載ってますね、『帝国政府、連邦への侵攻を計画中。遂に大国陥落か』。まあ今の帝国の力なら陥落なんて当然ですが」
息子「………」
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:10:14.44 ID:oYnuwuluO
帝国中将「おや、どうしたんですか顔悪くして? まさか良心の呵責に苛まれてるとかですか?」
息子「……長年付き合って来たんだ、分かっているだろう」
帝国中将「まあそうですね。でも貴方は一度悪魔に魂を売っちゃったんですよ? それならもう貫徹するしかないでしょう」
息子「……………」
帝国中将「まあ、悩むのは勝手ですからいつまでも悩んでていいと思いますけどね。悩まないよりは悩んだ方がのちの決定がより正確に下せるんです。だったらモヤついた事は沢山考えて考えて、考え抜いた末に対処すれば少しは納得して出来ると思いますよ? ズッ友からのアドバイスです」
息子「ああ。………ああ、そうだな……」
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:12:35.74 ID:oYnuwuluO
〜3年後〜
帝国中将「もう共和国も連邦も合衆国も全部攻略してしまいましたね。6、7割はこの町のお陰ですよ、ははは」
息子「そういえばお前は、ずっと敬語をやめないな。立場的にはもうおれは、下の下も良いところなのに」
帝国中将「自分にも義理って奴はありますよ。いつだったか町長殿が仰られた長年の付き合いって奴ですか、それも関係してはいますね」
息子「そうか…あとは魔王軍だけだな、自信の程はどうなんだ?」
帝国中将「もう9割9分8厘くらいは制圧済みですし余裕かと。あとは魔王城と城下町を浄化するだけですね、じょうかだけに。ふふ」
息子「……まあ、頑張れよ。死なない様にな」
帝国中将「最後の大仕事くらいは頑張りますよ……久し振りに暴れてやりましょうかね」ニィ
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:14:00.41 ID:oYnuwuluO
…
………
……………
火龍「」
巨人「」
オークキング「」
大蛇「」
帝国兵『』チャキッ!
帝国兵『』チャキッ!
帝国兵『』チャキッ!
帝国兵『』チャキッ!
帝国大将A「魔王よ、既に勝敗は決した。残るは貴様だけだ」
魔王「………」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:20:14.53 ID:oYnuwuluO
帝国大将B「この屍山血河が築かれるまで耐え切った事には敬意を表そう……しかし帝国はそれを尚上回る。如何に貴様が魔族の王と言われる程の力を持てど、数と技術の前には無力なのだ」
帝国中将(数の暴力過ぎて見てられなかったんだがな)
魔王「……………我は」
魔王「我は、確かに亡びる。だが」スッ
帝国大将A「………む?」
ヴゥンッ!!
帝国大将B「! 総員、魔導術式準備!! 究極防禦式展ッ……」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:21:13.63 ID:oYnuwuluO
パチンッ
帝国大将A「………は?」
帝国大将B「………な?」
魔王「…………」
グラッ
ドサッ
帝国大将A「い、今のは……?」
帝国中将「………」
帝国中将「………いや、これは、まさか」
クルッ!!
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:22:13.15 ID:oYnuwuluO
…
………
……………
俺「」ピク
スタスタ
チョンチョン
息子「? なんだ、俺さん」
俺「」スッ
息子「外? ………」
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオ...!!!!
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:23:17.84 ID:oYnuwuluO
息子「………は? な、なんだあれは……隕石か!?」
俺「ふむ、核シェルターに避難すべきなのでは?」
息子「っ、すぐに建造しなければ! 1時間あれば足りるか……? いやそんな予測は後だ、俺さん手伝ってくれ!!」
俺「」コクッ
タタタタタッ...
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:24:23.37 ID:oYnuwuluO
ワーーーーーーー!!
コワイヨーーーー!!
ヒェエエエエエエエエエエ!!?
息子「順番に、順番に入って下さい!中には1億年分の飲食料に外部ビル群と変わらない施設が備わっています!WiFiもエリアごとに備え付けです!!順番ごとに入って下さい!!」
町人A「は、はやく俺を中に入れろォ!!」
町人B「お願いしますっ娘だけでも先に……!!」
町人C「押すんじゃねェ殺すぞ!!?」
町人D「なんだとテメェ死にてえのかァ!!?」
息子(ぐっ、誘導が難しい……!)
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:25:02.15 ID:oYnuwuluO
ォォォォ...!!
息子「………っ!」
息子(音が間近に聞こえてきた……! この速度だと……もって10分弱!!)
息子「皆さん、どうか理性を保って聴いてください!! 我先にと避難するのはおやめ下さい!! そうすればそうするだけ時間が延びてしまいます!! どうか皆さん、皆さん自身の為にも考えて避難して下さい!!!」
ワーワー!!
ウワァアアアアアアアアアア!!
息子「くっ、ダメか………!!」
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:26:30.54 ID:oYnuwuluO
スッ
息子「!」
俺「ふむ、拡声器を使えばいいのでは?」
息子「俺さん……良いのか!? 並ばなくて…」
俺「ふむ、お前を置き去りにして生き残ったって意味はないのでは?」
息子「…………ッッ!!!」
グッ
息子(俺さん……あなたは………やはり、凄いよ)
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:26:56.98 ID:oYnuwuluO
カチッ
息子『皆さん!!動きながらでも良い、どうか聴いて下さい!!!』
ビリビリビリィッッ
町人A「う、うわぁ!? 耳が……」
町人D「な、なんだってんだ……!?」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:28:25.97 ID:oYnuwuluO
息子『皆さん、隕石の衝突まで恐らく……あと8分あるかないか!! その中で皆さんが採るべき行動は何ですか!? 争う事か!? 蹴落とし合う事か!? ………違うだろうッ!!!』
息子『“みんなで生き残る事”!! それが皆さんが為すべき事で、皆さんが求める結果なんじゃないのか!!!??』
シーーーーーン...
町人B「……それは」
町人E「確かに………」
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:30:17.84 ID:oYnuwuluO
息子『おれは……おれは、町長だ! この町を管理し、潤わせ、発展させる事が義務だ! ……もちろんそれだけに時には皆さんを罰したり、条例で拘束したりもした……けど、おれのやった事全ては、私益や保身の為なんかじゃなかった! 常に皆さんを……この町の事を考えてやった事だ!!!』
息子『親父が死んで、村時代からこの町の事を考えて考えて、考え続けていたんだ……だからおれは、皆さんが無為に死ぬなんて許せないし、そんな事が許容される方が間違っていると思う!!』
息子『だから……だから皆さん!! どうかおれの最期の我儘を聞いてくれ………!!』
町人たち『…………』
拡声器「」ガチャンッ!
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:31:32.79 ID:oYnuwuluO
息子「おれは、皆さんに死んで欲しくないっっ!! だからっ、どうか、どうか………っ、全員、おれの為に、生き残ってくれ!! お願いしますッッ!!!!」ズザァッ!!
町人A「町長………」
町人F「あの小童が……よう、大きくなりおって」ウルッ
町人R「そうだ……町長は確かにあたしらに尽くしてくれた」
町人K「今度は、オレたちが報いる番なんだ……!」
ザッザッザッザッ...
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:32:14.10 ID:oYnuwuluO
俺「」ポンッ
息子「………」ガバッ...
息子(……みんな、ちゃんと並んでくれている)
息子(……そうか………)
息子「みんなおれの気持ちを、解ってくれたんだな……」
俺「」コクッ
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:33:18.34 ID:oYnuwuluO
…
………
……………
町民たち「狭いっての!!」「押すな押すな押すな!!」「漏れる!漏れちゃう!!」「前めちゃくちゃ空いてんじゃねえか!?進めよぉ!!」「先頭がクソデブで無理なんだよ!!」「何でデブが一番前いってんだよ!!」
俺「」
息子「………もう入り切れないな」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:34:58.09 ID:oYnuwuluO
俺「」チラ
息子「いや、おれを除いてという話だ。最後の入れそうなスペースは……俺さんが使うべきだ」
俺「ふむ、お前は町長なのでは?」
息子「ははは……確かにおれは町長だが、俺さんはおれ以上に大事な人間だからな」
俺「ふむ、なら犯罪者を一人抜」ビッ
息子「俺さん、それ以上は言わないでくれ。おれは犯罪者だって1人の町民だと思っている……町長たるおれがそれを軽視するような事は出来ない」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:36:48.18 ID:oYnuwuluO
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ!!!!!!
俺「」ジッ
息子「……良いんだよ俺さん。おれはね、結局帝国の大戦を導いた人間だ……分かっていたんだよ、自分が既に善人ぶったクズだって事を」
息子「中将殿とは良い関係になれたし、町はそれなりに豊かになったが……それとは別に、おれの成した事は罪なき人々を殺す事と同義だ。けれど、もう死んだ命は甦らないし、だからと言ってのうのうと生き続けるなんて………おれの心が許しやしないんだよ」
息子「だから、ほら。俺さんは生きてくれ。そして……おれに、贖罪を果たさせてくれよ」
俺「ふむ、逃げているだけでは? 生きて罪を贖うという形もあるのでは?」
息子「逃げ、なんだろうな。生きて罪を精算するってやり方も………まあ、あるんだろうな。でもな」
ドンッ
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:37:32.82 ID:oYnuwuluO
俺「」クラッ
ギュムッ
息子「時間、ないみたいだ」ニコッ
ガチャン
ドッゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッ
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:38:23.18 ID:oYnuwuluO
ピコン
帝国臨時アカウント『【速報】帝国東部に隕石が衝突、帝都含む一部都市・町村が消滅』
ピコン
帝国臨時アカウント『帝は別荘で静養されており無事を確認、宰相含む全大臣は死亡を確認』
ピコン
帝国臨時アカウント『帝国は事実上、滅亡しました』
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:39:25.03 ID:oYnuwuluO
〜1年後〜
乞食「め、飯を……飯をお恵みくだされぇ………」
麻薬中毒者「ゲヘッゲヘッゲヘッ、イヒ、イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」
キチガイ「くっ……地球、膣内に射精すぞ!!!!」ドビュッ ベチャ!
死体「」プーン...
俺「」スタスタ
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:43:35.22 ID:oYnuwuluO
???「あ、あの……」
俺「」クルッ
剣士「その服……えとっ、お母さんの故郷の◯◯村の方じゃないですか? あ、いや、お母さんが出てったあと町になったんだっけ」
俺「」コク
剣士「あ、やっぱり! あの、お母さんそちらに行ってないですか? 最近帝都跡方面も行ってみたんですけど、見つからなくって」
俺「」
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:44:15.02 ID:oYnuwuluO
俺「」スイッスイッ スッ
剣士「………この、荒地は?」
俺「」
剣士「…………」
剣士「まさか」
俺「」コクリ
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:45:11.65 ID:oYnuwuluO
剣士「……そう、ですか。……じゃあ、お母さんは、ほんとに………」
俺「」
剣士「………あ、はは。いや、知りたい事は分かったので良いですよ。もうすっかり世紀末になってしまいましたね、お互い死なない様に、頑張っ、て……」クラリ
ガシッ
剣士「あ……」
俺「」グイッ
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:45:53.12 ID:oYnuwuluO
トコトコ
剣士「……このまま連れてって、えっちする、って事ですか?」
俺「」フルフル
剣士「そうです、か……あの、じゃあ、何処に?」
俺「」クイッ
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:46:55.52 ID:oYnuwuluO
〜宿屋〜
剣士「……ごめんなさい。実はその、あの隕石衝突直前お母さんと別れちゃって……それで私、衝突の瞬間には帝都の西部方面に居て。って事は、やっぱりお母さん、もう………って事なのかな、って。それで、私……」
俺「ふむ、お母さんとは25年程前に10歳辺りだった者なのでは?」
剣士「(は、初めて喋った)………た、確かに去年で34だって言ってました。もしかして、面識があるんですか?」
俺「」コク
剣士「そ、そうなんですね! あのあの、じゃあお母さんが行きそうな場所の心当たりとかありませんか!? 私、お母さんとほんとに会いたいんです! じょ、情報なら何でも良いんですっ、お願いしますっ!!」ガバッ
俺「ふむ、魔王討伐メンバーに居たのでは?」
剣士「魔王討伐メンバー……?」
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:48:53.77 ID:oYnuwuluO
俺「」スイッスイッ スッ
ニコニコ大百科『魔王討伐メンバー(まおうとうばつめんばー)とは; 魔王討伐メンバーとは、魔王城(↗︎)を攻略し魔王(↗︎)を討伐した帝国軍(↗︎)精鋭部隊及び一部の在野募集者の集まりである。後者に関しては単なる民間人という事ではなく、高名な冒険者や実力のある冒険者(↗︎)で構成されていた。魔王の死後は隕石の影響(↗︎)ですぐに散り散りになった。以下、参加した帝国軍の中尉(↗︎)以上と募集者全員の名を記載する……』
剣士「か、貸してくださいっ!!」
俺「」スッ
スイーーーーーーーーーッ...
……
◯◯ “龍殺し”。幼少の頃竜に父を殺され、強くなりたいと願う事となる。25歳の時、女性冒険者のみで構成されたパーティ(↗︎)9人のみで龍を討伐する。世界最強の女性冒険者TOP300(↗︎)において最高163位に選ばれた。現在合衆国首都にて活動中との情報あり。
剣士「…………!! あ、あった……!」
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:49:24.61 ID:oYnuwuluO
俺「ふむ、生きている模様なのでは?」
剣士「そ、そうっぽいですね! あのほんと、ほんとに助かりました! ありがとうございますっ!!」ペコッ
俺「」ブイ
スタスタ
剣士「えっ、あれ? あの、宿代…」
俺「」グッ
ガチャン
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:50:04.01 ID:oYnuwuluO
俺「」スタスタ
ドンッ
モヒカン「ってーなコラ……おいゴラテメェ何しとんじゃゴラァ!!?」
俺「」...ペコッ
モヒカン「あ?なんじゃそら、頭下げるだけでこのオレ様が許すとでも思ってんのかゴラァ!!!?」
俺「」ジッ
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:50:38.65 ID:oYnuwuluO
モヒカン「チッ……テメェの目ぇ気に食わねえなァ。おうゴラテメェ、普段なら10000発ぶん殴って肉塊にするだけで済ましてやっとこだがよ、テメェだけは50000発ぶん殴って肉塊ハンバーグn」ザシュッッ!!
モヒカン「………あ?」
俺「」ピク
ブシュウウウウウウウウウッッ
モヒカン「は……? なん、オレ、頭……ずり落ち…………て?」ズルッ
ブチャアッ!!
俺「」クルッ
剣士「あー良かったぁ、お兄さん大丈夫ですかっ!? 急に出ていくからびっくりしたんですよー」
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 07:51:55.10 ID:oYnuwuluO
休憩でぅ
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:01:16.11 ID:6//tlukOo
〜喫茶店〜
剣士「えっと、あのですね……その、さっきのお礼がしたくって。私お金も持ってないし……その、そういう事もちょっとまだ未経験なのでお断りなんですけど、腕は立ちます! ……人殺すのは慣れてるんでそっち方面でも良いんです、何かお礼出来ませんか?」
俺「ふむ、まずは自己紹介からなのでは?」
剣士「あっそうですね! えっと私剣士って言います、お兄さんは…」
俺「ふむ、俺で良いのでは?」
剣士「俺さん、っていうんですね! えとえとお若いですよねっ、もしかしてあんまり歳変わらないとか……?」
俺「」サァ?
剣士「非公開ですか……あはは、まだ好感度が足りないってとこですかね」
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:01:52.21 ID:6//tlukOo
俺「」スイスイッ スッ
剣士「ん? え、えと?」
俺「ふむ、俺の目的地はここなんでは」
剣士「合衆国……首都を、少し過ぎたところ? ほ、殆ど同じじゃないですか!」
俺「」コク
剣士「そそ、それならあの、私を護衛に出来ませんか!? もちろんお給金はいらないです、ただ出来ればその、お母さんがいそうな所を通って欲しいなぁ〜って……」
俺「」コク
剣士「お、俺さん………!! あ、貴方が神ですか!!!」
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:02:40.89 ID:6//tlukOo
〜広場〜
剣士「えーっとですね、確か合衆国への道は山岳部を越えるルートと港から行くルートで別れてたと思います! ただ海上経路は海賊や海の魔物で溢れてるので、多少は慣れ親しんでる山岳部ルートから行った方が安全だと思います!!」
剣士「あ、っていうか俺さん武器持ってますか? ないんなら私の短剣貸しますけど…」
俺「」ガチャ
剣士「こ、これって帝国軍が使ってたライフル銃じゃないですか!? な、なんでこんなの持ってるんですか!!?」
俺「」サァ?
剣士「そ、それも非公開ですか。割と真面目に気になるので早く好感度上げて訊いてみたいですね…」
剣士(てゆーかこれ本物なら、護衛要らないんじゃ……いやいや、そ、それでも1人旅よりは2人の方が心強いよね! うんそう思っとこ、私!)
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:03:12.55 ID:6//tlukOo
トコトコ
剣士「へぇ、お母さんとはそういう形で会ったんですね! …ん? いやいやでも待って下さい、それ歳が合わない様な……」
ガサッ!
剣士「」チャキッ!
俺「」カチャ
野盗A「ほぉ……なかなか観察力高ェじゃねえか」
野盗B「ガキ2人と思って余裕だと思ったが……こりゃ多少面倒かもしんねえな?」
野盗C「へ、いつも通りかかりゃ良いだけだ。さっさとやっちまおう、ぜ!!」バッ!!
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:03:58.20 ID:6//tlukOo
野盗A「あが……が…………」
野盗B「ひ、ぎぃ………」ビクビク
剣士「えっとじゃあ……貴方で良いです」グイッ
野盗C「ひっ」
剣士「あの、この辺の地図持ってませんか? あったらお金は取らないであげますよー」
野盗C「もももってねえ!! お、俺らは連邦から来た流れの盗賊なんだよ!!」
剣士「そうですかぁ」ベゴッ
野盗C「がふっ」ダラン
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:04:32.54 ID:6//tlukOo
剣士「あ、幾らありましたっ?」
俺「ふむ、1000G程度なのでは?」チャリン
剣士「私は500Gくらいなので、3人で500Gずつ持ってたって事になるんですかね? ……というか野盗ってすっごく汚いんですよね、はやく川でも見つけておてて洗いたいです……」
俺「」コクコク
剣士「それと地図がないので整地されてない場所に出たら一定方向を決めて歩かないとダメですね。途中で商人さんとかと会えれば、写しでも貰えると思うんですけど……この世紀末、商人さんもあんまり居ないですもんねぇ…」
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:05:07.19 ID:6//tlukOo
俺「」スイスイッ スッ
剣士「え? ……あ、Googleマップ! た、確かにその手がありました!! 何で気づかなかったんだろ……」ガサゴソ
俺「」チョンチョン バッテン
剣士「へ? あっ、充電切れたら確かにあうとですもんね。確かにこういう峠越えみたいな場合は交互に使った方が良いかもですね!」ポンッ
俺「ふむ、では準備も整ったので行くべきでは?」
剣士「そですね! じゃあれっつらご、です!!」
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:05:41.49 ID:6//tlukOo
〜夜〜
剣士「ふぁぁ……」
俺「」ポンッ
剣士「んぁ? あ、そろそろ交代の時間ですもんね……じゃあ遠慮なく寝させてもらいます、おやすみなさいぃ………」グテリ
俺「」ファサッ
剣士「むにゃむにゃ……」
俺「」
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:09:03.52 ID:6//tlukOo
俺「」ボーーー...
息子『時間、ないみたいだ』ニコッ
俺「」
ギリッ
……………
………
…
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:09:39.81 ID:6//tlukOo
チュンチュン
剣士「ふぁれ………?」パチクリ
剣士「…………」
剣士「……えっ、こ、私の交代次4時じゃ……!?」ガバッ
俺「」ヨッ
剣士「え、あ、おはようございます……って俺さんずっと起きてたんですか!?」
俺「」コク
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:10:27.74 ID:6//tlukOo
剣士「そんな……遠慮せず言ってくれれば良かったのに」
俺「ふむ、それより朝餉が出来ているのでは?」
剣士「えっ? ……な、何ですかこの茶色いの? 明らかにうん……」
俺「ふむ、何処からどう見てもただの薬膳料理では?」
剣士「………。いや、よくよく嗅げば良い匂いしますし、ほんとに普通の食べ物なのかも……えーいままよ!」パクッ
剣士(あ、おいし…)モグモグ
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:11:04.45 ID:6//tlukOo
剣士「ねぇ俺さん、あれなんていうんですか!? 見た目はちょっとうん……ですけど、味も香りも一級品ですよ!! 帝都辺りで流行ってたものですか!!?」
俺「」サァ?
剣士「それくらい好感度関係なく教えてくれたっていいじゃないですかぁ!!」プクー!
俺「」...ピタ
剣士「んへっ? え、何かありました?」
俺「」ジッ
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:11:33.54 ID:6//tlukOo
商人「ひぃいいい!こ、殺せ!早く殺せぇ!!」
護衛冒険者「黙ってろ!今必死で戦っt」
オーク「ゴァァ!!!」ドゴォ!!
護衛冒険者「ぶふぉッ!!?」ドサァッッ!
商人「ひ、ひぇえええええええええええええっっ!!!??」
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:12:09.51 ID:6//tlukOo
剣士「あー……どうしますか? その、個人的には干渉せずに待ってから身剥ぎがいいと思いますけど」
俺「」コクッ
剣士「あはは、俺さんはちゃんとこういうとこ分かってくれるので好きです。たまに居ますからねー、こんな時代でも夢見る人って……」
ウワァアアアアアアアアアアアアア!!!??
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:12:44.72 ID:6//tlukOo
商人「」
護衛冒険者「」
剣士「あぁ……傷口は直視しない様にして下さいね、色々と……えっと、垂れてますから」
俺「」コク
ガサゴソ...
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:15:41.04 ID:6//tlukOo
剣士「んと、そちらどうでしたか?」
俺「」ス
剣士「携帯食料と魔石ですか。後者は非常時の換金用ぽいですね、大きさがだいたい2000Gくらいのそれですし。あとは……あ、その剣質悪いです。捨てて良いですよ」
俺「」ポイッ
剣士「ちなみに私は宝石数点と魔石1万G分、幾らかのドライフルーツや携帯調味料をゲットしました! 結構いい感じの収穫ですねっ」フンス
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:16:10.45 ID:6//tlukOo
…
………
……………
剣士「うー……そろそろ夕刻ですねぇ、どうしますか? もう野宿しますか?」
俺「ふむ、もう少しで下山先の町に着くのでは?」スッ
剣士「あ、確かに。じゃあちょっと早めに行きますかっ、また俺さんに負担掛けさせる訳にもいかないですしね!」
タッタッタッ...
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 09:16:48.45 ID:6//tlukOo
〜宿場町〜
剣士「はぁぁ〜〜〜〜、ぎりっぎり夜になる前に着けましたねぇ、宿……」グデーン
俺「ふむ、チェックインは俺に任せてお前は休養すべきでは?」
剣士「申し訳ないけどお任せしますぅ〜……」ヨロヨロ
俺「」フリフリ
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/05/31(月) 14:25:24.08 ID:V+j+7ORI0
滅茶苦茶面白い
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/05/31(月) 14:26:20.48 ID:7oj68nPqo
長編でも大歓迎
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:26:10.46 ID:drkWW5Qoo
コケコッコーーーーーーー!!
剣士「おっはよーございますっっ!!」ビシッ!
俺「」ヨッ
剣士「今日も快晴で気持ちがいいですね! 何時ごろ出ますか?」
俺「ふむ、10時ごろが良いのでは?」
剣士「じゃあそうしましょ! ご飯食べたら私は替えのお洋服買ってくるので、門のとこで待ち合わせでお願いしますね!」
俺「」グッ
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:26:45.13 ID:drkWW5Qoo
剣士「そういえばこの先、確か比較的治安が良くて景気も良い都市があるんですよね! お母さんに会う事も大事ですけれど、正直ちょっぴり観光とかしてみたくなっちゃいますよね……えへへ」テクテク
俺「ふむ、ならば観光すれば良いのでは?」
剣士「へっ!? え、でも……俺さんの目的って、時間とか…」
俺「」フリフリ
剣士「…そ、そうですか? あの、じゃあ……ちょっと観光気分味わっちゃいましょっか、ふへへ」ニマニマ
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:28:10.99 ID:drkWW5Qoo
〜1ヶ月後〜
剣士「着きましたぁっ!! ここが前紹介してたとこです!! 海もあってお店もいっぱいあって、このご時世じゃ女の子にとっては天国みたいな場所ですよっ!!」ピョンピョンッ
俺「」スタスタ
剣士「………え? え、ちょ、俺さんどこいくんですか!?」
俺「」キョトン?
剣士「いやいや俺さんも一緒に居なくちゃダメですよっ! 1人じゃ流石につまんないかもですし、それに女の子1人にするのはだめ……ってゆーか私がかわいそーじゃないですか!!」
俺「ふむ、女性の買い物は長いのでは?」
剣士「いやまあそれはそうかもしんないですけど!! ……と、とにかく着いてきて下さいよっ!! 寂しいじゃないですか1人って!!!」
俺「」...コクッ
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:28:54.07 ID:drkWW5Qoo
おっさん「焼き鳥売ってるよーー!! 二度漬けオッケーだよーーーー!!」
おばちゃん「さあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい!! 獲りたて新鮮なお魚がたっぷりあるわよ〜〜!!」
ガキ「大麻売ってまーす! 地域最安値ですよー!!今が買い時でーーーす!! 」
剣士「わぁ……ほんとにお店がいっぱいですね! どれもこれも普通の街じゃ見かけない様なものばっかりですっ!!」
俺「」ムシャムシャ
剣士「て俺さんもうなんか食べてるんですかっ!? 早過ぎですよ!!」
俺「ふむ、もしかすると欲しいのでは?」ホイ
剣士「え、い、良いんですか? …じゃああの、遠慮なく」パクッ
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:29:47.31 ID:drkWW5Qoo
…
………
……………
剣士「た、食べ過ぎました……今日は動けましぇん………うぷっ」
俺「」スリスリ
剣士「ど、どうも……あぁ、手当たり次第食べてたのがまずかったんですかね……申し訳ないんですけど、今日はちょっとお休みを………」
俺「」コク
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:32:23.46 ID:drkWW5Qoo
〜ホテル〜
剣士「じゃあ私はちょっと本でも見ながら横になってますので……俺さんはこれからどうするんですか?」
俺「ふむ、適当に散歩するのでは」
剣士「そですか。まぁ、なんだかんだ言ってあれだけ賑やかなら1人で散歩するだけでも面白いと思います! 楽しんでって下さいねっ」
俺「」グッ
スタスタ ガチャン
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:32:56.64 ID:drkWW5Qoo
俺「」
プルルルル...
ピッ
元帝国中将『貴方ですか。今回も来るんですか?』
俺「ふむ、来ないというのは考えられないのでは?」
元帝国中将『そうですか。まあ、来てくれるのならそれは嬉しいんですけど』
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:34:41.80 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将『ただそれとは別に、今度の個体に限っては殺人歴が皆無です。先代より村や町の長の傍で仕えてきた貴方です、汚い部分は数多く見てきたのでしょうけど……今回は、本当の意味で手を汚す事となります。それを理解した上で参画するのですか?』
俺「」コクッ
元帝国中将『今相槌打ちました? あぁいえ、沈黙だろうが肯定の証ですよね。……目標は既にお伝えした通り、合衆国首都からやや北上した所に潜伏しています。既に”子どもたち“は我々で5体ほど殺しましたが…今回は混血なのでね、今までに前例がない。万全には万全を期すべきです』
元帝国中将『………貴方も私も、同じ者の手により町長殿という友を喪った者です。やるからには、必ずや仕留めましょう』
元帝国中将『魔王の子どもたちを、ね』
俺「」...コクリ
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:35:38.17 ID:drkWW5Qoo
〜翌日〜
剣士「今日こそはちゃーんと観光しましょう! お互い食べ過ぎはめっですよ? 昨日の私みたくなったらあうとですからねっ!!」ビシッ!
俺「」コクコク
剣士「そんじゃ行きましょう! どこから行きますか!? やっぱり海ですかね!? あ、あと動物園もあるみたいですよ!! 帝国の瓦解以降魔物だけになっちゃったみたいですけど、それでもみんな従順で人を襲わないらしいですってっ! ねね俺さん、はやく回りましょ!!」グイグイ
俺「ふむ、少しゆっくり行くべきでは?」ズルズル
剣士「何言ってんですか、今日は観光名所もお店も何もかも全部回りますよっ! ほら時間は有限なんですっ、早歩きで行きましょう!!」グイグイ
俺「」ヤレヤレ
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:36:10.36 ID:drkWW5Qoo
〜動物園〜
タタタタタッ...ピタ!
剣士「あーーっあれ!あれ見てください!! 俺さんあれかわいくないですかっ!? 」
彡(゚)(゚)「おん?」
俺「」フルフル
剣士「そうですか! 私もなんかずっと見てたらむしろ気味悪くなってきました。やっぱりキモいですね!」
彡;(゚)(゚)「!?」
剣士「あ、でもあっち見てください!あっちのはほんとにかわいいですよっ!!」ダダダッ
彡;(゚)(゚)「き、キモい……ワイキモいんか??」
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:38:19.21 ID:drkWW5Qoo
〜露天商通り〜
剣士「俺さんこっち見て下さい!! このナイフカッコ良くないですかっ!? 機能性も見た目も凄く良くってサイコーですよ!!!」パァァ
露天商「おっ、嬢ちゃんいい目してるね! それねぇ、実は知り合いの鍛冶屋が打ったもんなんだ。………というのも例の隕石事件で逝っちまいやがってね、誰か買ってくれねぇかなと思ってたところでなぁ」
剣士「そうなんですか……あの、じゃあ私買いま」
俺「」ジャラッ
剣士「あ、俺さん……」
露天商「…ほぉ。いや嬢ちゃん、そのあんちゃんに買わせてあげな。それでプレゼントとして貰ってやると良い」ス
剣士「い、良いんですか? 俺さん」
俺「」コクッ スッ
剣士「………っ、ありがとうございます、俺さんっ!!」
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:38:51.39 ID:drkWW5Qoo
〜海〜
剣士「俺さーん!こっちですよーーー!!」タタタッ
俺「」タッタッタッ
剣士「海にぃ〜〜〜〜、だぁ〜〜〜〜〜いぶっっ!!!!!」バシャーーーーンッ!!
俺「」バシャーーンッ
剣士「ぷはっ………ぶっふっ、俺さん口にカニ付いてますよ! カニ!」
俺「ぴゅみゅ、ゆっへはいへはやふほるへひはろへは?」
剣士「あっははははははははは!!! カニ、カニぃ、っははははははははははは!!!」
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:40:28.90 ID:drkWW5Qoo
…
………
……………
剣士「あー……楽しかったですねぇ。なんだか童心に帰った様な気分です」
俺「ふむ、荷物の量が多過ぎるのでは?」ドッサリ
剣士「まあ私も持ってるから良いじゃないですか。それにしても……ほんと、今日は楽しかったです! 俺さんと旅出来て本当に良かったと思います! 改めて、あの日の幸運に感謝しなくっちゃですね!!」ニッ
俺「」
俺「」フッ
剣士「あ! 今俺さん初めて笑った! 笑ったでしょ今!! 笑いましたよね!!?」
俺「」サァ?
剣士「絶対笑った!! 笑いましたよ今見たもん私!! にやってした!! ちょっぴり口角が吊り上がってましたよ!!!」
ゼッタイワラッテターーーーーー!!
フム、ソレハオマエノサッカクナノデハ?
チガウモーーーーーーーーン!!
……
…
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:41:33.15 ID:drkWW5Qoo
〜2ヶ月後〜
剣士「やっぱり高い馬車は快適ですねー、お尻痛くならないのは素直に嬉しいですっ」
俺「ふむ、次の都市まであと数時間で着くのでは?」スイッ
剣士「あ、そうですね。次は…おお、首都の中継都市です! ここを越えればもう首都ですね! 一月前に合衆国入りしたばかりなのに速いですねぇ」
俺「」コクコク
剣士「ここらへんで私は剣の更新でもしたいと思ってますけど、俺さんは何か予定とかありますか? なければ一泊してそのまま通過しちゃいますけど…」
俺「」フルフル
剣士「そですか! じゃあぱぱっと通り過ぎちゃいましょう!」
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:44:37.00 ID:drkWW5Qoo
〜都市内〜
剣士「すぴーーーーーーー…………」
元帝国中将『ああ、もう中継都市に入ったんですね。でしたら到着までもう1週間弱と言ったところですか?』
俺「ふむ、その辺りなのでは?」
元帝国中将『意外と速いですね。まあこちらもちょうど成員を集め終えたところです。みな大小の差はあれど高い実力を持つ者たちですよ……決行はきっかり1週間後の日にしたいのですが、可能ですか?』
俺「」コク
元帝国中将『頼みましたよ』
ブツッ
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:46:33.39 ID:drkWW5Qoo
ザーーーーーーーッッ...
剣士「今日は雨ですかー……鍛錬はあんまり出来ないかなぁ」ハァ
俺「ふむ、自重トレーニングをすればいいのでは?」
剣士「まあ今日はそうなりますよね。馬車の中なんで、その辺が限界になりますし」
剣士「……あ、そいえばそろそろちょっとくらい教えてくれてもいいんじゃないですか? 俺さん、わざわざ首都じゃなくて外れたところに行く理由って何なんですか?」
俺「」
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:47:23.49 ID:drkWW5Qoo
俺「ふむ、知り合いがそこにいるからでは」
剣士「知り合い……? 俺さん、帝国の生まれですよね? なのに合衆国に知り合いが居たんですか?」
俺「」コク
剣士「へぇ…交友関係広いんですね俺さん! 俺さん結構寡黙な方だからあんましお友達居ないかと思ってましたっ、てへへ……」
俺「」ジトッ
剣士「………そ、そんな目で見ないで下さいよ! ご、ごめんなさいって、ね? ねっ」
……………
………
…
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:47:59.70 ID:drkWW5Qoo
〜森〜
パチパチ...
剣士「………」
俺「」
剣士「時間的には、明日でお別れなんですよね」
俺「」コク
剣士「……この3ヶ月間、楽しかったですね」
俺「」コク
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:50:17.98 ID:drkWW5Qoo
剣士「俺さん……私ね、今までこんなに楽しく過ごしたこと、なかったんですよ」
剣士「昔からお母さんは放任主義で、毎日近くの訓練所に通わされて。もちろんご飯は3食作ってくれたし、遊ぶ時はしっかり遊んでくれたんですけど……それでも、触れ合いの時間って言うんですか、そういうのが私、足りなくって」
剣士「たった3ヶ月。たったの100日足らずです。…私には、この100日足らずの日々が、黄金の様に輝いて見えました」
クルッ
剣士「……俺さん、あのっ!」
俺「ふむ、相手はよく考えて選んだ方がいいのでは?」
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:51:00.26 ID:drkWW5Qoo
剣士「…………」
俺「」
剣士「………私の為を思って言ってくれてるのは分かってます。でも、言うだけなら自由じゃないですか。私、本当に俺さんには感謝してるんですっ」
俺「ふむ、感謝とそれは違うのでは?」
剣士「……俺さんは………私のこと、嫌いですか?」
俺「」フルフル
剣士「だ、だったらっ」
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:51:55.01 ID:drkWW5Qoo
俺「ふむ、お前はまだまだ若いのでは? それゆえに、事物を正しく見れないという事が多々あるのでは?」
剣士「間違ってません。俺さんは絶対、いい人です。断言できます」
俺「ふむ、過ごした日々が短すぎるのでは? 正常な判断が出来ていない可能性の方が高いのでは?」
剣士「………」
剣士「わかりました。……でも、それなら、」
バッ
チュッ
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:52:24.00 ID:drkWW5Qoo
俺「」
剣士「………これくらいは、許して下さい」
俺「」
剣士「……私はもう満足しましたので、俺さんは先に寝て良いですよ」
俺「」
俺「」コクッ
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:53:12.63 ID:drkWW5Qoo
剣士「…………」
剣士「…………」
剣士「これ……フラれちゃった、って事だよね………」
剣士「あはは………」
剣士「あは……は…………」ポロッ
剣士「……………ぅ……っふ……うぅ……」ポロポロポロ...
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:53:57.22 ID:drkWW5Qoo
チュンチュン
俺「」ス
剣士「……これ、なんですか? 手帳?」
俺「ふむ、お前はカレーの作り方を知りたがっていたはずでは?」
剣士「カレー……? …………」
剣士「あっ、あの時からちょくちょく出してくれてたあのうん……みたいな薬膳料理ですかっ!?」
俺「」コクコク
剣士「…はは……昨日のあれがあったっていうのに、これですか……いやまあ、もちろん嬉しいには嬉しいんですけど」
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:54:52.56 ID:drkWW5Qoo
俺「ふむ、カレー以外にも俺の作れる物数種が記載されているのでは?」
剣士「あっほんとだ……わ、このオムライスっていうの美味しそうですねっ」
俺「ふむ、それとあのナイフを俺だと思って持っておくと良いのでは?」
剣士「…………。俺さん」
俺「」ザッ
剣士「あっ……」
俺「」チョイチョイ
剣士「…………」
剣士「……ええ。今、行きますっ!」
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:55:37.56 ID:drkWW5Qoo
〜首都〜
変態「おっぱいまんこまんこちんこ!!ヘイ!!おっぱいまんこまんこちんこォ!!!!」
狂人「おまんこしょっぱッぴィィィィーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!???? 舐めたらホッケッキョーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!! ズッコンバッコンズッコンバッコンチンゲッ!マンゲッ!!」
(´;ω;`)「俺はハゲじゃねぇ……俺はハゲじゃねぇんだッッ!!!!!」
剣士「こ、こっちもかなり荒れてますね……」
俺「」コク
剣士「……いつ、別れますか? その、出来ればもっと一緒に居たいん、ですけど…」
俺「ふむ、せめてお前のお母さんと会うまでは一緒に居てあげるべきでは?」
剣士「!! 俺さんっ……」パァァッ
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:56:17.46 ID:drkWW5Qoo
俺「ふむ、取り敢えずまずは首都内の冒険者が集う所から潰していくべきでは?」
剣士「あ、そうですね! お母さんお酒が好きだったし、おっきなバーや人気のバーとかに居るかもしれません!」
俺「ふむ、とはいえまずは冒険者ギルドから向かうべきでは?」
剣士「そですね! じゃあ早速向かいましょうか!」
剣士(………お母さん、いきなりは会わないでくれると嬉しいな)
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 16:57:20.81 ID:drkWW5Qoo
〜ギルド〜
受付嬢「確かに彼女はこの都市で活動していると思いますが……申し訳ありません、ギルド内には居ないですね」
剣士「(ほっ……)あの、でも何時間前に見たとか何日前に見たとかは分かりますか?」
受付嬢「履歴を照合します、少々お待ちを………ああありました、2日前にコボルトの定期駆除作戦に参加した模様です」
剣士「その後どこに行ったとかは……?」
受付嬢「それに関しては不明ですが……ただ彼女はよく訓練場や酒場に居ます。その方面を当たってみるのは如何でしょうか?」
172 :
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[saga]:2021/05/31(月) 16:58:13.53 ID:drkWW5Qoo
剣士「酒場の方は予想通りですけど、訓練場ですか……先に訓練場を一番大きな所から順々に行きましょうか? 居酒屋さんやバーは数が多過ぎて辛いでしょうし…」
俺「」ピクッ
俺「」クルッ
剣士「? 俺さん、どうかs」
ガキィンッッ!!!!
傭兵「………てめえ、何故あたしの娘とここに居る?」
俺「」ギギギギギッ...!!
剣士「!? お、お母さんっ……!!?」
173 :
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[saga]:2021/05/31(月) 16:58:52.85 ID:drkWW5Qoo
傭兵「おう愛娘、大丈夫だったか? 待ってろよ、今すぐこいつの素っ首刎ねて殺」
剣士「ま、待ってよ!! その人は、俺さんは悪い人じゃないよっ!! 私をここまで連れてきてくれたんだよっ!!!」
傭兵「なに……?」
俺「」ジッ
傭兵「………」
スッ
174 :
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[saga]:2021/05/31(月) 16:59:39.28 ID:drkWW5Qoo
傭兵「あんた、どっかで会った事あるな。どこだったかは忘れたが……だいぶ昔の気がするぜ」
俺「ふむ、故郷の村の事を思い出すと良いのでは?」
傭兵「…………」
傭兵「………! 村長に付き従ってた、アイツか。見た目が変わってねえから一瞬ビビったぞ」
剣士「あ、ほんとに会った事あったんだ……」
剣士(ていうか、そしたらつまり何歳なの俺さん……?)
175 :
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[saga]:2021/05/31(月) 17:01:14.79 ID:drkWW5Qoo
傭兵「…うん、娘も無理矢理言わされてるとかもなさそうだしあたしがミスっちまったっぽいな。いや失敬失敬、マジ悪かった」タハハ
俺「」グッ
傭兵「おっ心広いなあんた。将来大成するぜ……ってしてるかもう」
傭兵「ッと、それと娘よ」クルッ
剣士「あ、はい……?」
ダキッ
剣士「あ……」
傭兵「悪かったな、今まで探してやれなくて。本当に、ごめんな」
剣士「…………うん」グスッ
……………
………
…
176 :
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[saga]:2021/05/31(月) 17:02:16.53 ID:drkWW5Qoo
傭兵「……なるほどな。したらあんたはここで別れる形になると?」
俺「」コクッ
剣士「…………」
傭兵「……ん〜〜??」
傭兵「…ああ、そういう! ハッハッハ、残念だったな娘よ! この人ぁ少なくともあたしがクソガキの頃から村で重役張ってたヤツだぜ、確実に既婚者だろーよ! 諦めとけ!」ガッハッハ
剣士「え………う、嘘? 嘘ですよね、そんな事言ってな…」
俺「ふむ、俺は一度も結婚していると言っていないのでは」
剣士「あ、で、ですよね? はは……」ホッ
傭兵「えっ結婚してねぇの? マジ? 意外なんだが……」
177 :
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[saga]:2021/05/31(月) 17:03:28.04 ID:drkWW5Qoo
俺「」スッ
剣士「!」
傭兵「ん? もう行くのか? 急ぎの用でもあるってか?」
俺「」コクッ
傭兵「そか。じゃここでお別れだな」
剣士「………」
傭兵「お? どうした娘よ、ンな顔して。告んのか? ん?」
剣士「………ううん、もう言う事は言ったから」
傭兵「おお、そーなのか。じゃあ気持ちよく送り上げてやんねーとな」
剣士「うん」
178 :
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[saga]:2021/05/31(月) 17:03:56.34 ID:drkWW5Qoo
トコトコ
剣士「俺さん」
俺「」
剣士「………」フゥ
剣士「……ありがとうっ!」
俺「」
俺「」グッッ!!
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 17:05:30.83 ID:drkWW5Qoo
剣士「……行っちゃった」
傭兵「しゃあねえわな。ま男なんて星の数以上ある訳だ、そう気にするこたねーよ」
剣士「でも……」
傭兵「だぁーらウジウジすんな! お前の見た目は一級品だ、それは親のあたしが保証する! でもな、世の中にはどう足掻いても手に入んねえ男も存在する。ただそれは必ずしも容姿やガタイの良いヤツとは限んねえし、当然これは女にも言える」
傭兵「合わなかっただけなんだよ、お前は。それか向こうの見る目がなかったか。そんだけだ」
剣士「……………」
傭兵「手に入んねえもん見て焦がれたって意味はねえ。それよかやるべきは、現状自分が成長出来る部分を伸ばすこった。そうすりゃもっといい男が寄ってくるかもしんねえし、あの男も振り向いてくれるかもしんねえぞ?」
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2021/05/31(月) 17:06:36.30 ID:drkWW5Qoo
剣士「そう、かな」
傭兵「そうなんだよ。…つーか飯でも食わねえか? あたしまだ昼食ってねんだよ、久し振りに親娘二人で食おうぜ、な!」
剣士「……あ、いやちょっと待って、お母さんそういえば何で合衆国にずっと居たの? 私が帝国領にいるの、知ってたよね?」
傭兵「ん、ああ……それがなぁ、知り合いにどうしてもって誘われてよ。幾つかちょっとでけぇ依頼受けなくちゃなんなかったんだ、ふるさとにも関係してたしな。で、それが済んだらちゃーんと探しに行こうと思ってたんだぜ?」
剣士「えっと、その大きな依頼って?」
傭兵「あー……言っていいのかこれ? いやまあ家族だから良いか、つーのもさ……」
181 :
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[saga]:2021/05/31(月) 17:08:28.47 ID:drkWW5Qoo
〜テント群〜
元帝国中将「お待ちしてましたよ。……相変わらず、若々しい風貌ですね」
俺「ふむ、まだ少ないのでは?」
元帝国中将「普段は首都で過ごして貰ってますから。ここでずっと過ごすのも退屈でしょう」
元帝国中将「あと俺さん、弾先に買っても良いですかね? 可能なら点検めんどいんでライフルと拳銃の方の交換もお願いしたいんですが」
俺「」ガチャガチャッ スッ
元帝国中将「どうも。弾は…」
俺「」スッ
元帝国中将「ありがとうございます。いやあ、それにしても世の中もだいぶ変わってしまいましたねえ」ガチャコンッ
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