村人「ま、魔物が襲ってきたぞぉ!」 俺「ふむ、ならば銃で撃ち殺せばいいのでは?」

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232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:21:05.79 ID:k3aOitDSO
俺「」ッドォン!!

上級冒険者「がっ!!?」ドサッ

俺「ふむ、終わりでは?」カチャッ

上級冒険者(………一か八か!)ゴウッ!

俺「」バッ
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:21:38.72 ID:k3aOitDSO
俺「」ベキィ!!

上級冒険者「ご、ばぁッ……!?」ベチャッ!

俺「」ゲシッ

上級冒険者「っぐ……!」

上級冒険者(……強い………!)
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:22:24.15 ID:k3aOitDSO
上級冒険者「………」

俺「」

上級冒険者(………。どうせ死ぬのなら…)

上級冒険者「華々しく、散ってやる!!」ヴゥン!

俺「」ピクッ

上級冒険者「俺ともども死ぬが良い………!!」キィィィンッ...



ドォオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:24:30.73 ID:k3aOitDSO
シュウウウウウ......


俺「」

俺「」チラッ

上級冒険者「」

俺「」

俺「」スタスタ
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:26:57.14 ID:k3aOitDSO
〜???〜


プルルルルル...


外科医「………」

ピッ

外科医「死にましたか。前評判とは裏腹に使えませんね」

外科医(とはいえ事実性の補強にはなりましたか。100年前の記録にすら出でる謎の人物……俺、その実力はとこしえを生きるだけはあると)

ガチャッ

助手「先生紅茶でーす!」

外科医「うん? ああ、どうも」カチャ

外科医(ま、金だけはたんまりとあります。さっさと次の者を送り込んでおきますか)ズズ...

……………
………
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:27:40.51 ID:k3aOitDSO
俺「」グダー


パカラッパカラッ...


御者「…うおっ!? あ、あんた何してるんだ? こんなとこで」ビクッ

俺「ふむ、どう考えても休憩しているだけでは?」

御者「いや休憩以前に全身ボロボロじゃねーか……駄賃払えるんなら街まで送ってやろうか? 病院行った方が良いぞ」

俺「ふむ、大丈夫なのでは?」

御者「そ、そうか? いや、でも……」

???「どうしたのですか?」ガチャ
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:28:34.01 ID:k3aOitDSO
御者「あ、いえその、そこに人が倒れていまして」

???「人が? ……そうですか、ならば私がもう1人分お支払いしましょう」

御者「え、あ、でしたら………おいそこの、この方が乗せてくれるってよ。遠慮なく乗ってったらどうだ」

俺「」チラッ


帝「まあ、酷い傷……お金の当てはありますか? わたくし簡単な回復魔法なら修めておりますから、応急処置くらいは致しますわ」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:29:43.64 ID:k3aOitDSO
パカラッパカラッ

帝「……一応これで殆ど塞がったかと思われます。ただ内出血や深い傷までは完全に治し切れたとは言えません、外傷だけが消えた形となります。必ず病院等には行ってくださいね」

俺「ふむ、回復魔法は良家の者しか習得出来ない筈では?」

帝「良家……そうですね、良家といえば良家の生まれなのでしょう、わたくしは。…とはいえもう尋常の人です、今は田舎町でしがない花屋を営む日々ですわ」

帝「あ、先ほどもお訊きしましたがお金の当てはございますか? なければお怪我の治療費くらいはお出し致しますが……」

俺「」ジャラッ

帝「その様子だと宜しい様ですね。安心しました」ニコッ
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:31:06.49 ID:k3aOitDSO
〜田舎町〜


御者「着きましたー、こちらでお降り下さーい!」

帝「ではわたくしはこの辺で。しっかり養生なさって下さいね」

俺「」コク

クルッ

スタスタ
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/01(火) 04:37:46.53 ID:aCq12GjDO
帝ちゃんって……某アリスソフトの懐かしのエロゲを思い出したよ
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:40:56.20 ID:k3aOitDSO
若医者「驚きましたね……相当高位の回復魔法が掛けられている、下手したら皇族や王族が修得するレベルの」

若医者「もしかしたら先程会ったとおっしゃられた人は、やんごとなき方かもしれませんよ。……正直こちらが施せる事は特にないですね、診療代を頂くのが憚られるほどだ」

若医者「とはいえ一応言っておきますと、組織の再生促進には食物が要ります。特に肉、蛋白質を含むものがいいですね。それらをこの1ヶ月ほどは意識して摂ると良いのではないでしょうか」

俺「」コク

スタッ

ジャラッ

若医者「どうも。良い旅を」

俺「」フリフリ

ガチャ
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:41:40.02 ID:k3aOitDSO
トコトコ


...ザッ ザッ

俺「」チラッ

俺「ふむ、わりに速いのでは?」


冒険者A「あぁ? 何言ってやがるこいつ」

冒険者B「いや、気付いているのかもしれないぞ? それか前任の奴が言ってしまったか」

冒険者A「あー、可能性としちゃ有り得るな」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:43:00.81 ID:k3aOitDSO
冒険者C「とりまやっちまわん? 時間惜しいわ」

冒険者B「そうだな。という事で理由は知らんが、依頼主がお前を引っ捕らえろと言っている。こちらは7人だ、無駄な抵抗はやめた方が賢明と思うが?」

冒険者D「別に抵抗しても良いけどなァ。他の奴が死ねば俺の金が増えるしよ」

俺「」カチャッ

冒険者E「あらら、刃向かっちゃうんですか」

冒険者C「うっわバカ過ぎ、7対1で勝てる訳ねーじゃん」

冒険者A「ま、そう言っちまったからには自分の言葉に責任持てよな。……んじゃ行くぜェ!!」バッッ!!
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:51:53.13 ID:k3aOitDSO
冒険者C「」

冒険者D「」

冒険者E「」


冒険者A「ゆっゆ、ゆ、許し………!」

俺「ふむ、そもそも俺は先程何も言っていなかったのでは?」ズドォンッ!!

冒険者A「ギュピぇッ」ブシャッッ!!!

ドチャッ


冒険者B「ば、ばかな……!!」
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:54:41.73 ID:k3aOitDSO
冒険者F「ひ……ひぃいいいいいいいいいいいいいっ!!?」ダダダダダッ!!

冒険者G「うわぁああああああああああああああああ!!!!」ダダダダダッ!!

冒険者B「お、おい!?」

俺「」パァン!! パァンッ!!

冒険者F「あぎぇっ」ドサッ

冒険者G「ぐひッ」ドサッ

俺「ふむ、もう残っているのはお前1人なのでは?」カチャ

冒険者B「………!!」
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:55:51.87 ID:k3aOitDSO
冒険者B「…ま、待て。言おう、依頼主の情報を」

俺「」

スッ

冒険者B「………奴は医者だ。お前を拘束させる為に俺たちを派遣した。新王国郵便を利用して依頼書を出していた様だから、恐らく王国人と思われる」

俺「ふむ、俺を拘束しても特に意味はないのでは?」

冒険者B「先にも言ったが理由は知らん……俺たちは単なる雇われだ」

俺「」

俺「」クイッ

冒険者B「……いいのか?」

俺「」コク
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:56:55.08 ID:k3aOitDSO
冒険者B「そうか。……礼にもう一つ情報を与えよう、スマホを出せ」

俺「」スッ

冒険者B「ふるふるするぞ。LINEのアカウントを交換してくれ」フルフル

俺「」フルフル

ピコン

冒険者B「俺は一応こいつらのリーダー格だったからな、実は連絡権が与えられていた。奴の名前はそのアカウント名そのままの『外科医』だろう。今後に役立ててくれ」

俺「」グッ

冒険者B「ではな。殺そうとした身で言うのもなんだが……すまなかった」

ザッザッザッ...
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:57:46.87 ID:k3aOitDSO
俺「」スイッスイッ


アカウント名;外科医

一言コメント;お医者さんです。外科領域担当。国際信州学院大学医学部医学科卒。ツイ垢→@IamD0ct0r


俺「」ピッ

俺「」スタスタ...
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:59:42.70 ID:k3aOitDSO
〜1ヶ月後〜


助手「先生紅茶です! あんまり根詰め過ぎない様にして下さいね〜」

外科医「どうも。……ふむ。この動き、どうやら気付かれた可能性が高いですね」ペラ

外科医(流石に王国内部に侵入されたのは厄介ですね。これまでの失敗は許容範囲でしたが、ここからは用心しなければならないでしょうか)

外科医「ですがまあ、こういった障害があればこそ解剖時の満足感も巨きくなるというものです。艱難も一種のテイストとして楽しみましょうか」

外科医(…しかし、なんだか最近は調子が悪いですね。そろそろ四十路ですし、老化の所為でしょうか)
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:00:40.58 ID:k3aOitDSO
〜新王国大都市〜


ワイワイ

ガヤガヤ


ドカタ「……でよぉ!」

酔っ払い「ギャハハ、くそおもしれぇなそれぇ!」

ドカタ「あぁでもよぉ……おん?」


俺「」キョロキョロ
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:01:24.27 ID:k3aOitDSO
ノッシノッシ

ドカタ「おうあんちゃんどうした、なんか困ってんのか??」

俺「」クルッ

酔っ払い「おっ? どうしたどうした、なんかあったかぁ?」

ドカタ「悩みがあるんなら言ってみろよ! 暇だし特別に聞いてやるぜぇ、ガハハ!!」

俺「ふむ、この都市には闇病院などがあったりするのでは?」

ドカタ「闇病院……??」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:01:55.70 ID:k3aOitDSO
酔っ払い「ああそういやよぉ、聞いた事あるぜ! 確か商店街突き抜けたトコっによ、ヤミ医者がやってる病院があるんだと! で、確かそこの医者がマッドサイエンティスト?ドクター?だかで犯罪者御用達状態になってるってな!! ギャハハ!!」

ドカタ「おぉんじゃ確実にそこじゃねぇかぁ!!? ……お? いやあんちゃんなんでそんなトコ行くんだ??」

俺「ふむ、なんとなくとでも思えば良いのでは?」

酔っ払い「ギャハハハ、なんとなくか!!」

ドカタ「まー人間たまにはなんとなく闇病院行きたい日もあるわな!!」

ドカタ&酔っ払い『ギャッハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!』ゲラゲラ

俺「」スタスタ
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:02:26.33 ID:k3aOitDSO
〜路地裏〜


ッキィンッ!! ズバッ! ザシュッ!!


暗殺者A「いい加減にっ……往ねぇい!」ブォン!

俺「」フッ

暗殺者B「背後か!」ヒュッ!

俺「」ダァンッ!

キンッ!

暗殺者B「! 暗器を銃弾で撃ち落とすだと……!?」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:02:59.71 ID:k3aOitDSO
俺「」ドンドォンッ!

暗殺者A「くっ、うゥ!?」カッ、キィン!

俺「」ガチャッ ダダダダダダダダッ!!

暗殺者B「がっ、あががががががががッ!!?」ブシュウウ!!

暗殺者A「あ、兄者ぁ!?」

俺「」ポイッ ガチャガチャッ

暗殺者A「に、二丁拳銃………っぐ、兄者の仇ぃいいいいいいいいいいい!!!!」ドォッ!!

俺「」バッ
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:03:42.64 ID:k3aOitDSO
ダダァン!

ズバッ!!

俺「」

暗殺者A「…………」

ツーーー...

俺「」ポタ、ポタ...

暗殺者A「………………」

ガクッ

暗殺者A「浅手に……終わったか………!」ブシャアァッ!!

ドチャッ!!
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:05:32.67 ID:k3aOitDSO
外科医「彼等もやられましたか。かなり金が掛かったのですが」

外科医(…それにしても)

外科医「……どうも、今日は特に調子が悪いですね。私としたことが、病でも患ったのでしょうか?」

外科医「………」

外科医(逃げますか。普段なら私も魔法で対処出来たでしょうが、この状態だと一方的に殺されかねないですね。道具は鉗子やメス等必要最低限のみ持って行)サクッ

外科医「………な、に?」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:06:14.56 ID:k3aOitDSO
グラッ

トサッ


助手「バカですねー先生。いっつも素直にあたしの入れた紅茶を飲むんですから、衰弱させるのなんて簡単でしたよ」

外科医「……な………」

助手「あ、ちなみにあたし人間じゃないですよ。実はー……」シュウウウウ...
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:08:35.33 ID:k3aOitDSO
悪魔少女「………アクマ、でしたぁ! いやぁ〜、医者みたいな上流階級は回復魔法教えてくれるし寄生すると便利だね! 感謝感謝! お給与もうまうまだし♪」

外科医「き、みは………!」

悪魔少女「あぁ重ね重ね言うけど、回復魔法を教えてくれた事はほんとに感謝してるよん! 魔族やってたらフツーのはともかく高度なのはみんな知らないんで教えてくれないかんねぇ、先生はあたしのキチョーな糧となってくれたワケ! あいらぶせんせーべりべりだいしゅき♪って感じ!」

外科医「く………!」キィィィン!

悪魔少女「あ、それ無駄だよー」

バチッ!

外科医「………!?」

悪魔少女「診察に支障が出ない程度に魔力量を制限させちゃいました☆ あたしの使ったクスリ心身衰弱と魔力枯渇の効果があるかんね、この時の為に絶対抵抗出来ない様にしといたんだよ! ねね、すごいでしょ?」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:09:46.40 ID:k3aOitDSO
外科医「…………」

悪魔少女「と、ゆーことで先生用済みねー。来世で魔族にでも転生してきたら、まあ部下くらいにはしたげるよん」スゥウウウ...

外科医「……! や、め」

悪魔少女「死んどけ、糞袋」

グジュリッ!! グチャッ、グチュ、ブシュッ、ドヂュンッッ!!

ポトッ


肉塊「」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:10:38.30 ID:k3aOitDSO
悪魔少女「はーやったやった。上級回復魔法に一部の人間の魔法も覚えたし、これで次期魔王選でもご主人様の役に立てるかな? そろそろ旧魔王領に戻らないとなぁ」ガチャッ

悪魔少女「………んー?」クルリ

俺「」

俺「」チラ

肉塊「」ピクッ ピクッ

俺「」チラ

悪魔少女「………」
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:11:10.42 ID:k3aOitDSO
悪魔少女「あ、先生がなんか言ってた人? ごめんねぇ、先生ならもー殺しちゃったんだ☆ 聞いた感じあんまり仲良さそうじゃなかったしぃ………別に、問題ないよね?」ニヤ

俺「」

俺「」コク

悪魔少女「ありゃ、意外と話が分かる感じ? 人間にもアタマ悪くないのがいるんだねぇ〜」

俺「ふむ、さすがに俺が例外なだけでは?」

悪魔少女「まあそれもそっかな。フツーの人間は魔、即、斬ってな感じだもんね」
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:11:46.51 ID:k3aOitDSO
悪魔少女「じゃ、あたし消えますから。そこそこ急いでるし」バサッ

俺「」コクッ

悪魔少女「じゃね、変人さん」バッ!

バサッ バサッ バサッ...

俺「」

肉塊「」ピクッ ピクッ

俺「」クルッ

ガチャ

バタン
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:12:23.22 ID:k3aOitDSO
〜8年後〜


農民A「はぁ……最近は不作だっぺねぇ」

農民B「こういう時は俺さん呼べばいいんでねが?」

農民A「俺……? 誰だべそれ」

農民B「最近この辺に住み始めたあんちゃんだべ。色々教えてくれっかんなあ、おらも近所もみんな大助かりだべよ!」

農民A「へぇ〜?! そらいい、おらも世話になるっぺか!」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:13:31.41 ID:k3aOitDSO
コンコン

農民B「俺さんいるっぺか〜?」

ガラッ

俺「」コテン?

農民B「おぉいたいた、このあんちゃんが俺さんだべ!」

農民A「はぇ〜? なんじゃまだ若いっぺなあ……」
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:14:23.13 ID:k3aOitDSO
農民B「んで、何困っとるんだっぺか? 不作だったっぺか?」

農民A「おぉそれがな、近頃作物が育たんくてなぁ。別に土壌を変えたワケでもなし、さっぱり理由が分からんのだべ。俺さん、ていうんだっぺか? なんぞ解決策とかあるもんかぁね?」

俺「ふむ、この栄養剤を使えばいいのでは?」スッ

農民A「な、なんだべかこの小筒は?」

農民B「おお、そりゃおらも飢饉ん時ん為の予備に貰ったっぺ! たしか俺さん、作物を育て易くする薬品だって言ってたっぺなあ」

農民A「や、薬品だべか……大丈夫だべか? 少し不安だべ」
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:15:45.11 ID:k3aOitDSO
俺「ふむ、栄養剤は農薬とは違うので安心して良いのでは?」

農民B「その通りだべ! 農薬は作物に直接化学物質を散布する事によって虫害等を防ぐ代わりに人体に影響のある物質を付着させるっぺが、栄養剤はその名の通り植物の成長を促進させる働きのあるものだべ! 従って内包されるのは単純に栄養だけだべから、作物に特段異常を発生させる事もなければ味を変化させると言った事もないべ! 安心するといいと思うべよ」

農民A「お、おぉ??」

農民B「という事で俺さんにお礼を言ったらすぐ栄養剤を差しに向かうべよ! 不作はすぐに解決せんといかんからな!」

農民A「……よ、よく分からんべが貰ったからには試してみるべ! ありがとだべ、俺さん!」タタタッ

俺「」フリフリ
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:16:19.93 ID:k3aOitDSO
〜数ヶ月後〜


農民A「俺さんのおかげで早速芽が出揃ったべ!本当に感謝だべ!!」

俺「ふむ、別に大した事はしていないのでは?」

農民C「そんな事ないべ!俺さんおらたちみぃ〜んなを助けてくれたっぺ!!」

農民B「やっぱし俺さんしか勝たんっぺよ!!」

農民D「俺さんはこの村の英雄だべぇ〜〜〜〜!!」

ワイワイガヤガヤ...
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:17:41.13 ID:k3aOitDSO
ピク...

ザッ

ザッ

ザッ

ザッ...

ガサッ


ザッ!

巨熊「グゥウウウウウウウウウウウウウウウウ…………!!!!!!」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:18:14.13 ID:k3aOitDSO
農民D「ひ!? あ、あれは……」

俺「」コテン?

農民A「や、山の奥に住んどる大熊だべ! こ、この時期はまだ来んはずだったんじゃ……!!」ガタガタブルブル

農民B「と、とにかく逃げるしかないっぺ!! ややヤツは一通り暴れたら去っていくべ、だからまずは逃げっ」

巨熊「ゥゥゥ………グゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」ドゴォオオオオオオオオオンッッ!!!!!

農民C「ひっ……ひぃいいいいいいいいいいいい!!!??」ジョンジョバァーーーーー!!!!
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:19:14.72 ID:k3aOitDSO
俺「ふむ、射殺すれば良いのでは?」

農民D「む、無理だっぺ! 銃なんて持っとらんし撃ってる間に殺さ……!!」

俺「」スッ

農民A「え……こ、これは?」

農民B「短機関銃……だべか?」

巨熊「ゴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!」ダダダダダッ!!!!

農民C「ちちちち近付いて来たべぇ!!?」

農民A「………!!」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:19:55.25 ID:k3aOitDSO
俺「ふむ、早く殺さねば自分が殺されるのでは?」

農民B「ででっで、でも……」

農民D「お、おらたちに出来るわけが……」

農民A「………い、いや! おらぁ、やるっぺ!!」ガチャッ!

農民C「お、おめ正気だべかぁ!!?」

農民A「やらなきゃ自分が死ぬんだべ!おらぁ、かかさまの遺してくれた畑の為にも、支え続けてくれとる嫁ン為にも………ここで死ぬわけにゃあ、いかんのだべぇええええええええええ!!!!」ドドドドドドドドッ!!

巨熊「! ギッ、グオォッ……!!?」ブシュッ!!

農民D「き、効いとる……!?」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:20:48.36 ID:k3aOitDSO
農民B「………く、熊がなんぼのもんだべぇっ!! お、おらだって気持ちはおんなじだぁ!! 魔物でもないんだべ、恐れるこたぁないべぇ!!!!」ドドドドドドドドッ!!

農民D「……ち、ちくしょぉ!! こうなったらヤケクソじゃああああああああ!!!!」ドドドドドドドドッ!!

農民C「う、うう、うわあああああああああああああああ!!!!」ドドドドドドドドッ!!

俺「」ドドドドドドドドッ!!

巨熊「グ、グッ、グゥウウウウウウ………アァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」ダダダダダッ!!!!

ダダダダダッ...

ダダッ...ドスン、ドスン、ドスン...

...グラッ

ドォォォンッ!!
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:21:34.10 ID:k3aOitDSO
農民A「か……勝った?」

農民B「………勝った……」

農民C「こ、ころ、殺した……あの巨熊を………」

農民D「おらたちが……やったんだべ………」

俺「」コクッ

農民A「や、や……っ、」


農民たち『やったぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!』


農民B「今日は熊鍋じゃあ!!」

農民D「お、おら他ん村のヤツも集めてくるっぺ!!」タタッ
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:22:21.21 ID:k3aOitDSO
農民A「俺さんのお陰だべ……俺さんが後押ししてくれなかったら、おらたちみんな死んでたかもしれないべ!」

農民C「ありがたやぁ……ありがたやぁ………」スリスリ

俺「」フルフル

農民B「そう謙遜なさらんで良いっぺ、俺さんはやっぱりこの村の英雄だっぺ!!」

農民A「………。そういやぁこの村、まだ村長おらんかったっぺなぁ?」

農民B「あぁ、んだんだ」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:23:10.64 ID:k3aOitDSO
農民C「し、したら……俺さんを村長にするってぇのはどうだっぺか?」

農民B「おお、良い考えなんでねか!? 」

俺「」ピク


村長『俺さん、ありがとうな。これからも5人でずっと、困難を乗り越えていこう』ニッ


息子『俺さん……おれのやり方は、間違ってなかったよな?』


俺「」

俺「ふむ、俺はまだ数ヶ月しか住んでいないのだから適切ではないのでは?」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:24:33.57 ID:k3aOitDSO
農民A「いんや、期間なんぞ関係ないべ! おらたちみんな俺さんの人柄ぁ分かっとる!」

農民B「村の誰もが俺さんのこたぁ尊敬しとるべな!」

農民C「おら、文句言うヤツぁ居ないと思うべよ?」

俺「ふむ、本当に俺しか候補が居ないのか考えてみるべきでは?」

農民B「あぁそれは安心してくれていいべよ! みんなあったま悪ぃかんなあ、渉外活動? とか、なんたら管理とかってのが出来なくて立候補してないんだべ!」タハハ

農民A「という事で、村ん中でいっちゃんあたまぁ良い俺さんがなってくれたら大助かりなんだべ! もちろん強制はせんけど、前向きに考えてくれると嬉しいべよ!」

俺「」...コク

農民B「んじゃあ熊鍋作りにいっか! 女手も呼んでくるべ、他のヤツぁ大熊運ぶん手伝っとくれっぺ!!」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 05:27:05.34 ID:k3aOitDSO
球形の表面積の公式を言おうとしたけど高校数学とか忘れてしまったので休憩します
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/01(火) 05:39:59.96 ID:vvB0PgRmo
何故球が高校数学?と思って調べたらH23までは公立の数Tの指導要領に入ってたんだな
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/01(火) 06:25:20.86 ID:gybvKa7P0
最初の村の興亡は終わり、世紀末も終わり、外科医は決着をつける前に死に……一本筋の物語ではなく歴史が淡々と進む感じ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/06/01(火) 06:26:47.66 ID:/1N0LQtiO
ふむ、なんとなくアンタの文の感じは覚えがあるな処刑人だったこともあるのでは?
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 07:47:25.84 ID:GR0a4wLgO
これで2作目なんで違うと思います
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 07:48:22.22 ID:GR0a4wLgO

………
……………


俺『』ポカーン

役人『よォ、久し振りじゃねェか』

村人C『ガッハッハ! 俺さんがんなマヌケ面晒すなんて珍しい事もあるもんだなぁ!!』

村人B『村長や息子くんだと思ったか? 残念、俺たちだ』ニヤ

俺『………ふむ、どうやって』

村人B『まず前提として言っておくと、この世界は“夢”だ。全ては現在睡眠中の俺さんの深層心理が作り出した世界であって、現実ではない』
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 07:49:11.21 ID:GR0a4wLgO
村人B『故にここで起きる事は現実には一切影響しないし、全ては俺さんの脳内で進行された事となる。それ以上でもそれ以下でもない。……と、言っておこう』

役人『つっても夢っつーのには異世界と繋がる力があるとか言われてっかんな、もしかしたらオレらと会ってんのもある種の現実かもしんねェぜ? あの世と繋がれば会えるっちゃ会えっかんな、ククク』

村人C『ま、解釈の方は俺さんの方に任せるとするけどよ。……なんで俺らが出てきたか、分かるか?』

俺『』......コク

役人『ま、そりゃ分かっか。そうだ、今度はてめぇ自身が“村長”になるかもしんねーからだ』

村人B『お節介かもしれないが……取り敢えず、俺たちの伝えたい事を伝えに来たんだ。それを聞いて感じた事を参考に、村長になるかどうかを考えてくれれば幸いに思う』
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 07:50:56.82 ID:GR0a4wLgO
村人C『ほんじゃ俺から言うぜ。まず俺さん………実はな、俺はあんたが村長になろうがならなかろうが、どっちでも良いと思ってる!』

俺『ふむ、本当はどうでも良いのでは?』フッ

村人C『な訳あるかっての! いやな、いい意味で言ってんだぜ俺は? というのも俺さん、何やろうがそれなりに器用にこなせるじゃねえか』

俺『ふむ、そんな事はないのでは』

村人C『あんの。交易の時だってそう、あいつの側でアドバイスしてた時もそう、村に危機がやってきた時もそう。俺さんはいっつも、正しい事を言ってくれたんだ』

村人C『だから俺たちは楽しく生きられたし、村もあいつのガキんちょの代で町になるまで成長出来た………言っとくけどな? 俺さん自覚してるか分からんけどよ、村から町になるってのはすげー事なんだ。で、それに一役買った人間なんざ、どう考えてもすげー奴な訳だ』
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 07:53:23.47 ID:GR0a4wLgO
村人C『俺さん、これからはしばらく腰落ち着かせようと思ってんだろ? だからこんな農村に来た。けど農民たちを先導して、リーダーシップを示しちまった。だから村の奴らが言う様に村長になるのも良いと思うぜ、明らかに的確だわな』

村人C『だが、村長にならずとも俺さんには色々な道がある! 実力もあるからな、この村専属の冒険者になるも良し、銃火器を売って商人になるも良し、ガキんちょに教えてたみたいに勉強を教える様な人間になっても良いだろうよ!』

村人C『そう、あんたにゃ無限の可能性があんだ! なんでも出来て、なんでも目指せる! そして誰かの役に必ず立てる!そう、必ずだ! だったら村長っつーひとつの道に縛られずとも良いだろ? どうせ役に立てんだから、自分のやりたい事やったって良いじゃねえか。……ま、要するによ、』

村人C『自由に生きろ、ってこった! 面白おかしく楽しく生きてよ、後悔しない人生を歩んでほしい!! それが、俺の伝えたかった事だ。……あとはもう何も言わねえ、俺さんの意思できっかり決めてくれ』

俺『』

俺『』コクッ
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 07:55:53.54 ID:GR0a4wLgO
村人B『次は俺だ………とその前に、俺さんは運命という物を信じるか?』

俺『ふむ、あまりよく考えた事はないのでは』

村人B『はは、そうか。実はな、俺は理詰めで物事を考えるタイプなんだが……運命だけは、信じているんだ』

村人B『デジャヴとか世界何分前仮説とかそういった話をするつもりはない。オカルティックというよりはもっと現実的で、紐帯の存在する話をしようと思っている。出来るだけシンプルにな』
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 07:56:31.08 ID:GR0a4wLgO
村人B『俺さん、今回の状況……“似ている”と思わないか?』

俺『』...コク

村人B『俺さんもそう思ってくれているか、なら話は更に早くなる。そう、俺たちの暮らしていた場所も”農村“だった。そして当時数ヶ月前に何処からともなく現れた俺さんを頼りにしていたのも、今回の彼らの状況と一致する。挙句は“巨熊”という脅威が“ゴブリン”という脅威と重なっている』

村人B『そう、微妙に似ているんだ。決定的に違うのは、村長の座が空席という事だけ……つまり、あいつが居ない事だけだ』

村人B『もちろん科学的根拠などは一切ない。というか出しようがない。だが俺はこれを、一種の運命と捉えた』
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 07:58:29.68 ID:GR0a4wLgO
村人B『先述した様にこれはオカルト的なそれではない。ただ、俺には偶然にも状況が一致した様に見えた。他の誰でもない、俺さんを従来と同様のスポットを当てた形としてな』

村人B『………いや。運命というよりかは、俺自身が興味を持っているだけなのかもしれない。こうまで似通った状況を経た結果、村長というポストに俺さんが座る。この状況に、どうしようもなく興味を駆り立てられている自分がいる。ワクワクする自分がいるんだよ』

村人B『だから……そうだな、婉曲化させずに言うべきか。俺は、俺さんが村長となった世界を見てみたい。もう共に生きる事は出来ないが、それでも……この世界から、俺さんの村長としての生き様を見届けてみたい。そんな一心が、心の奥底に芽生えているんだ』

村人B『俺も彼ら同様、強制する気はない。だが、できるならば……あいつの居ない時代で、あいつの代わりを務めた俺さんがどうなるか。その先にある未来を、見せてくれると嬉しい。……俺の話は終わりだ、あとは役人の話を聞いてやってくれ』

俺『』...コクリ
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 07:59:23.03 ID:GR0a4wLgO
役人『次ぁオレか。つーか最後だな? んじゃ最後なりにキレーに締め括ってやっとっすっか』

俺『ふむ、お前が綺麗に締め括るなど出来ないのでは?』

役人『いきなり辛辣だなてめぇ……なんか性格悪くなったか? いーけどよ』

役人『ま、本題入るか。オレもそいつみてぇにシンプルだ、まずてめぇは“何“だ?』

俺『ふむ、説明が足りないのでは?』

役人『いんだよこれで。ほら単純に考えて単純に答えろ、思った事を言やァいい』
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:00:30.24 ID:GR0a4wLgO
俺『ふむ、人間、なのでは?』

役人『そ。てめぇは人間なんだよ俺。んでオレの話もそこを突くだけになる』

役人『てめぇはよ、別に聖人君子とかそんなんじゃあねえ。単に出来る事が多いだけでメンタリティはそんじょそこらの一般人となんら変わりゃしねえ訳だ』

役人『人並みにムカつくヤツはぶっ飛ばしてえと思うし、人並みに殺してえヤツは殺してえと思う。時には理不尽に誰かをブチ殺した事もあんじゃねぇか?』

俺「」...コクッ

役人『だろォな。ウン十年過ごしてきたんだ、てめぇのやる事なんざ手に取るように分かる』
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:01:53.81 ID:GR0a4wLgO
役人『てめぇは確かに出来る事は多い。“特別な力“があったりもすんだろ? けどよ、出来る事が幾らあっても人格には大きな差はねえ訳だ。知能指数300超のヤツが必ずしも超人的な人格を持つと思うか?世界を支配した独裁者は?あらゆる魔法を極めたヤツは?地上最強の人間は?』

役に『答えはノーだ。そんな絶対はねえ。いかに一定の分野に優れてて、更にそれが人類の限界を数次元分超えてようが、それが人格を同位階に引き上げる道理はねえ。多少影響は与えるかもしれねぇがな』

役人『おんなじだ。てめぇは言うほど大した目で見られる様なヤツじゃあねえし、手放しでてめぇを崇拝する様なヤツぁ単にてめぇの事を理解してねーだけだ。ま、生きてる年数が違ぇからその辺は仕方ねぇかもしれねぇがな』

俺『』

役人『だがな』
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:04:21.41 ID:GR0a4wLgO
役人『だからっててめぇは、悪そのものな訳じゃねえ。好きなヤツは人並みに助けようとするし、友情や義理にはしっかり従う心もある。余程じゃなきゃ悪人を許す心も持ってるし、深慮が出来ねぇバカって訳でもねぇ』

役人『てめぇはな、良くも悪くも”人間“なんだよ。人間の価値観で全てを行使し、人間として行動しているだけの単なる”人間“、それがてめぇだ。オレは村長になれなるなの話はする気はねぇ、そこの筋肉バカと違ってマジでどうでも良いかんな』

村人C『筋肉バカて』

役人『ただ、覚えとけ。もしくは自覚しろ。てめぇは所詮人間でしかねぇ。オレみてぇな根はクズのゴミとは違う、あいつみてぇな根は善人のフツーのヤツ気取ったのとも違う、言うなれば全値が平均値のザ・人間。それだけ理解して生きろ』

役人『そーすりゃ少なくとも間違える可能性は下がっだろ? 過度に自分が踏み込むべきでない領域に踏み込まなくなるし、マジのクソになりかけた時に踏み止まれる。全てニュートラルを基準にして行動出来んだ』
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:05:11.90 ID:GR0a4wLgO
役人『んで、オレの話はほぼこんだけな。特に含蓄もなし、いい話もなし。ただ、”行き過ぎるな“。そんなもんだ』

役人『ま、何になろうが勝手だ。この世はオープンワールドで、人生には無尽の可能性と選択肢がある。そン中から無難で、けどプラスになる選択肢を選んで生き延びていく。そうやって目の前に進んできゃいんだよ』

俺『……ふむ、お前にしてはやけに親身になって考えているのでは?』ニヤ

役人『は、それ言うならてめぇもキメェニヤつき顔浮かべてんだろが』

パァァ...

俺『』ピクッ

村人B『………時間か』
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:05:41.41 ID:GR0a4wLgO
俺『ふむ、そろそろ目覚めるという事なのでは?』

村人C『だろうな。……短時間とはいえ、久し振りに話せて楽しかったぜ俺さん!』

役人『ちなみになんであの2人がいねェのか、分かるか?』

俺『』フルフル

役人『「自分たちが会うべきはもっと後だろうから」、だとよ』

村人C『はは、いつ聞いてもかっこつけてんな』
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:06:43.62 ID:GR0a4wLgO
村人B『とはいえ、翻って言えばいつかあの2人とも同じ形で会う事になるだろう……おっと、夢という形でな』

村人C『…今度こそマジでお別れって事だな』

役人『暫くはこっち来んじゃねえぞ? あんな事言ったあいつらがカワイソ過ぎるぜ』

俺『』コク

パァァァァッ...

村人B『……では』

村人C『おう』

役人『ああ』


四人『『またな!』』
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:07:16.69 ID:GR0a4wLgO
ガバッ!!


俺「」

俺「」チラ


シーン......


俺「」

グッッ
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:08:01.67 ID:GR0a4wLgO
〜1週間後〜


農民A「ほんじゃあ新たな村長の誕生を祝ってぇ〜〜〜!!」

農民B「けんぺぇ〜〜〜〜〜い!!!!」

農民C&D『かんぱ〜〜〜〜〜い!!!!』カチーン!

俺「」カチン

ワイノワイノ
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:08:31.39 ID:GR0a4wLgO
俺「」ペコリ

隣村農民「へぇ〜、このにいちゃんが村長を!?」

隣々村村長「わっかいのぉ〜〜……大丈夫なんか?」ボソッ

老爺「ふぉっふぉっふぉ、まあ見とりんしゃい。この人ぁ本物じゃて」

隣々村村長「そうかぁ? あんさんが言うんなら間違いはないと思うがのぉ……」

隣村村長「まあ、お手並み拝見と行こうではありませんか」フッ

……………
………
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:09:20.01 ID:GR0a4wLgO
〜1年後〜


隣村村長「……では、とどのつまり?」

俺「ふむ、こちらの納税をそちらが一部負担する代わりに芋・青菜類を提供するという形が最善なのでは?」

隣村村長「…そうですね。結局その形が一番いいかもしれません」

俺「ふむ、ではこの様な形で終了という事で良いのでは?」

隣村村長「分かりました。納税の件と、都市部方面行き道路の整備はこちらが請け負っておきます」

俺「」コクッ
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:11:38.00 ID:GR0a4wLgO
〜隣村〜


隣々村村長「んじゃあ茸類はそういう事で…と、そういやぁ例の新村長、上手くやっとるらしいのぉ?」

隣村村長「そうですね……いえ、本当に驚きましたよ。初めこそ拙かった部分も散見されたが、今や普通に『村長』になっている」

隣々村村長「じゃのぉ。評判が悪いという噂もきかんし、ありゃ正しく本物かもしれんなぁ」

隣村村長「ですね。それにあの村も以前までは特徴のない村でしたが、この頃は建築から整地作業、並びに治水作業に精力的になっています。出生率も上がったとの事です」

隣々村村長「うむ。明確に成長しとるな、あの村は」

隣村村長「これからは本格的にあの村に注目した方がいいかもしれませんね……」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:12:17.35 ID:GR0a4wLgO
〜村内〜


トンテンカン

農民A「おーーーい! そっち頼むっぺぇ!!」

農民B「どれ運べばいいっぺかぁーーー!!」

農民A「そっちの四角い木材を頼むべーーーーー!!」

ザックザック...

農民C「ふう……こんなもんだっぺか?」

農民D「うーん、もうちぃっとやるべきじゃないっぺか?」

農民C「そうかぁ? んじゃもうひとがんばりするっぺな!」


俺「」ジーッ
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:12:51.97 ID:GR0a4wLgO
スタスタ

農民A「んん? おお、俺さん! もう仕事は終わったっぺか?」

農民B「お疲れ様だべ!」

俺「ふむ、俺も手伝うべきでは?」

農民A「とんでもないべ! 俺さんも書類仕事で疲れてるべ? 無理にやる必要はないべ!!」

俺「」フルフル

ガシッ

農民B「お、俺さん……良いっぺか??」
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:13:28.50 ID:GR0a4wLgO
俺「ふむ、書類仕事だけでは体も鈍るのでは?」

農民B「俺さん……やっぱり俺さんが村長になって良かったべぇ!!」ブワッ

農民A「そんじゃ一緒に運ぶべ! そんで今日はおらの嫁が羊肉で野菜シチューを作るべよ!! 俺さんもご相伴に預かってくれだべ!!」

俺「」コクコク

農民B「……俺さんの方が目上なんだからご相伴に預かってくれは日本語的に違うっぺよ?」ボソッ

農民A「へっ? に、日本語ってなんだべ?」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:14:14.46 ID:GR0a4wLgO

………
……………


農民A「これで全員分の新築が完成したべ〜!!」

農民D「俺さんのお陰だっぺなぁ!!」

俺「」フルフル

農民B「そう謙遜する事もないべ!俺さんはほんと良く頑張ったべよ!!」

タッタッタッ

農民C「俺さ〜ん、お客様が来てるっぺよ〜〜!!」

俺「」コテン?
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:15:40.45 ID:GR0a4wLgO
元帝国中将「どうも」

俺「ふむ、世紀の犯罪者がそう易々と出歩いてはいけないのでは?」

元帝国中将「こんな老人を見て特級指名手配犯と思う輩などいませんよ。……さて、お互い7人目を殺して以来ですね」

俺「」コク

元帝国中将「ご存知の通り、自分は残りの魔王の子が居ない事を確認したので犯罪者になった訳ですが……まあ、最近はちんちんも衰えてきましてねえ」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:16:46.33 ID:GR0a4wLgO
俺「」ハァ

元帝国中将「いやふざけた話ではないのですよ。幼女や少女を犯す為に磨き続けた剣の腕ですが、些か磨き過ぎたようですね……もう、比肩する相手も居ない」

元帝国中将「ちんちんは萎びれ純粋に実力面での相手も居ないとなれば、あとは隠居しか道はないでしょう。………という事でこちら村長になられた事のご祝儀です、多分7000万Gくらい入ってますかね? それと引き換えにとでも思って、ここで住まわせてくれませんか?」ドンッ

俺「ふむ、別に金は要らないがここでは窮屈なのでは?」

元帝国中将「窮屈くらいがちょうど良いんですよ、世俗離れにはね。それと金の方はどうか受け取って下さい、これは自分の最低限の礼儀みたいなものですから」

俺「」...ジャララッ

元帝国中将「それで良いんです。ではこれから何十年かお世話になりますね、村長殿」ニヤ
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:18:28.07 ID:GR0a4wLgO
〜3年後〜


農民D「みんなぁ〜〜〜〜! つ、ついに産まれてくれたっぺよぉぉぉ〜〜〜〜〜〜!!!」ビエーン!!

赤ん坊「ぅ〜………」

農民B「おお、やったべな!!」

俺「ふむ、おめでたいのでは?」パチパチ

農民A「嫁さん頑張ったなあ!! ほれ、粥だべ!! しっかりそしゃく?して食べるべ!!」

嫁さん「あらま、ありがとうごぜえますだぁ」ニコリ

農民C「あっはっは、これでみーんな子供出来たって事になるべな〜!!」

農民A「うんにゃ、それは違うべ!! 俺さんが……俺さんが出来とらんべ!!」

俺「」ピクッ
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:20:18.56 ID:GR0a4wLgO
農民B「あぁ、そういやそうだべなぁ」

農民D「俺さん、結婚はしないだべか? 俺さんとなら村の女手でも諸手をあげてくれると思うべよ!!」

農民C「結婚は良いべよ〜!! 毎朝嫁のうんまい飯も食えるし、愛する子どもも出来る!! 毎日が輝いて見えるべ!!」

農民A「時期は好きにすれば良いと思うだべが、いつか必ず結婚くらいはしとくべきだと思うべよ! これは人生経験うんぬんというよか、俺さんの遺伝子がこの世に遺らねぇと勿体ねえだべ! 俺さんみたいな偉大な人の種こそが後世に残っていかなきゃならないんだべ!!」

農民B「まあ前向きに考えてくれると嬉しいべな! 俺さんが結婚すれば、そんだけで村民みんな安心するはずだべよ!」

俺「」...コク

……………
………
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:23:10.56 ID:GR0a4wLgO
俺「」スタスタ

シュバッ!

俺「!」ッキキィンッ!!

元帝国中将「おお、流石に衰えませんか。不意の一撃を防がれたのはショックですが」

俺「ふむ、何か用なのでは?」

元帝国中将「いえ別に。ただ見掛けたのでやってみただけです」

俺「」...ヤレヤレ
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:25:20.54 ID:GR0a4wLgO
元帝国中将「……ほう、結婚の事を話していたと?」

俺「」コク

元帝国中将「まあ、その辺については助言できる事はないですねえ。自分は犯した女の数こそ多いですが、結婚する前に捨てたか殺したかのどちらかですので」

俺「」ジトッ

元帝国中将「といっても、深く考え過ぎなくても良いんじゃないですか? 時期が来たら『あっこいつ犯したいな』とか思う女性が現れる筈ですよ。自然とね」

俺「」

元帝国中将「さて、私は行きますが。俺さ……いえ村長殿、既に知っておりますか?」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:26:08.27 ID:GR0a4wLgO
俺「」コテン?

元帝国中将「そうですか。最近景気回復後の安定が続いたからか、戦争の機運が高まっているそうですよ。既存国家は当然として新国家の神皇国、学園都市国家も例外ではありません。何処かが争いを始めれば、新王国も流れに乗らざるを得ないでしょうね」

俺「ふむ、それは新聞社や週刊誌の販促誘導なのでは?」

元帝国中将「ところがどっこいそうでもないのですね。数年前、自分がとある貴族令嬢をレイプしに某公爵邸に侵入した時見掛けた文書に興味深い事が書かれていたのですよ」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:27:30.03 ID:GR0a4wLgO
元帝国中将「もちろん詳細は覚えていないので朧げなのですが、そこには“共和国に不当な経済制裁を行われた為に条約を一部破棄した”だとか“神皇国の宗教団体を取り締まったら自国籍の人間を拘束された”とか……まあ要するに、戦争とまでは行かずとも紛争の近因としてなら成立するであろう事が羅列されていました」

元帝国中将「ここから考えるに、戦争が行われるというのもまるきり嘘とは思えないのですよね。この村は比較的王都とは離れていますが、旧王都とはかなり近いです。旧王都もそれなりの騎士団を保有しておりますので、戦時はついでにとここも攻撃される可能性が低くはないです。町長殿のお父上が建てたと言われるあの町の砦の様な、少なくとも中規模魔法攻撃くらいなら防げる防衛機構は造るべきだと思いますね」

俺「」コク

元帝国中将「では今度こそ行きますね。山菜でも取りに行ってきます」

俺「」フリフリ
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:38:32.70 ID:GR0a4wLgO
〜1年半後〜


ザーーーー...

農民A「ふぁぁ……今日は暇だっぺねえ」

農民D「雨だからだべね。別におらたちご本とか読めるわけじゃなし、晴耕雨読もクソもないべな」

俺「」ペラッ、ペラ...

農民B「でも俺さんはなんか読んでるべ。よくわからんけど凄いべ」

農民C「そもそも何でみんなおらの家に集まってるんだべ??」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:39:03.84 ID:GR0a4wLgO
農民A「まあ良いでねが、それよかs」ガラララッ!!

王国兵「こちらに居られましたか、村長殿!」

俺「」ピク

農民C「わ、な、なんだべか?」

王国兵「こちらの手紙をお読み下さい、王国政府からのお達しです! ……受け取りましたね、では失礼します!」ガラッ

農民D「なんだったっぺか今の」

農民B「ともかくその手紙読んでみるべ! なんか面白そうだべ!!」

俺「」コク
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:39:57.36 ID:GR0a4wLgO
ピリッ スッ

農民B「えーとなになに……『我が新王国に生きるすべての国民へ。これより新王国は学園都市国家と開戦をする運びとなった。ついては、戦時中に於ける食料・武器の確保と非常時の徴兵準備を各市町村で行って欲しい。なお戦時中は税の取り立てを行わない事とする』………」

農民C「………えっ?」

農民A「せ……戦争………?」

農民D「戦争が、起きるっぺか……?」


俺「」



グシャッ
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:40:34.53 ID:GR0a4wLgO
スタスタ

農民D「お、俺さん何処行くっぺか?」

俺「ふむ、急ピッチで砦と村周縁の外壁を建造しなければならないのでは?」

農民A「そ、そうだべな……村を守る為に、おらたちも動かないといけないべ」

農民B「とっというかヨメや息子にもこの事伝えなきゃだべ!!」

農民C「お、おらも村のみんなに伝えてくるべ〜〜!!」ダダダッ
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:41:11.22 ID:GR0a4wLgO
エッセ、ホイセ!
カンカンカン!!
ヨイショ、コラショ、ドッコイショ!!


農民A「そっちの壁頼むべー!! おらぁ鉄扉の補強すっぺ!!」

農民D「頼んだっぺ〜〜!!」



隣村村長『なるほど……そちらにも来ましたか、例の手紙が』

俺「」コク

隣村村長『………。いや、こればかりは仕方がない。我々もできる限り協力し合いましょう、互いの村民の為に』

俺「」コクリ ピッ
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:42:44.39 ID:GR0a4wLgO
ザッ

元帝国中将「もう建造に取り掛かっているのですか。早いですね」

俺「」クルッ

元帝国中将「こんにちは。学園都市国家と争うのだそうですね」

俺「」コク

元帝国中将「学園都市国家は18歳以下の男女によって構成される国家です。19歳以上は特例もしくは研究職としての滞在しか認められておらず、その若さゆえに非常に好戦的で成長著しい国家といえます。主に魔法や学問に強く戦闘も魔法を中心にしてくるでしょう」

俺「ふむ、もしや入国経験があるのでは?」

元帝国中将「当然あります。15年以上前でしょうかね? 建国時に学徒議員を何人か犯しました。いえほんとキツくて気持ちよかったですよ、瑞々しさ溢れる膣内を堪能出来ました。まあ抵抗されたので全員殺したのですが」

俺「」ハァ
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:43:29.28 ID:GR0a4wLgO
元帝国中将「なんですかその目? もうやってないんだからいいじゃないですか」

俺「ふむ、そういう問題じゃないのでは?」

農民B「俺さん終わったべ〜〜! 迎撃ミサイルとバリスタもしっかり付けてあるべ!!」

農民C「ほ、ほんとにこれで良いんだべか、俺さん?」

俺「」グッ

元帝国中将「ほう、完成しましたか。……懐かしいですねえ、あの町の砦と殆ど同じだ」

俺「」コクコク

元帝国中将「これなら万が一攻撃されても村は大丈夫かもしれませんね。まあ、一番良いのは何もされない事なんですが」
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:45:01.95 ID:GR0a4wLgO
〜数ヶ月後〜


TV『……次のニュースです。先日開戦が決定した新王国と学園都市国家に続き、合衆国と共和国の開戦も決定されました。他にも様々な国家・組織が戦闘を行っており、これは人類史上稀に見る世紀の世界大戦となる見通しを………』

農民A「遂に、始まっちまったっぺ……」

農民B「田んぼと家族だけが心配だべな……」

農民C「で、でもあの砦があれば大丈夫だべ! おら昨日壁ぶん殴ってみたっけんど、逆におらの拳が折れかけたべ!」

農民D「おめバカだべか??」

俺「」チラ
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:46:03.32 ID:GR0a4wLgO
シーーーーン...

俺「」

俺「」フゥ

農民B「…俺さん、どうしただべか? 気分悪いだべか?」

俺「」フルフル

農民A「でも気持ちはわかるべ……いつ攻撃か来るか心配でならんべよ」

農民D「いうても、流石に今日明日は来ないんじゃないべか? 距離的にも無理があると思うっぺよ」

農民C「だと、良いんだっぺが………」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:46:44.61 ID:GR0a4wLgO
〜翌々日未明〜



...ッドォオオオオオオオオオオオンッッ!!!!!



俺「」ガバッ!

ガチャッ


ダダダダダッ!
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:47:36.76 ID:GR0a4wLgO
シュタッ

元帝国中将「起きてましたか。わざわざ起こしに行く必要はなかったですね」

俺「ふむ、状況は?」

元帝国中将「焦ってちょっとフレーズ崩れてますよ……大丈夫です、まだ一撃目ですから。音の割に被害は皆無です、砦の表面が温まった程度でしょう」

俺「ふむ、取り敢えず女子供、老人を集めて」

元帝国中将「予め建設しておいたシェルターに入れておく、必要がありますね」
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:48:31.93 ID:GR0a4wLgO
農民A「大丈夫、大丈夫だっぺよ! おらぁ死なん、なんたって天下無敵の俺さんが先導してくれるんだからな! 2人とも、静かにここで待ってるっぺよ!!」

嫁「………死ぬんでねえべよっ!」

坊主「おっとう……絶対生き残るっぺよ!! 絶対だぞ!!」

農民D「……これで全員、入っただべか?」

農民C「たぶん、そう思うべ」

農民B「俺さん、すぐに砦に行って応戦するべ!! いまだに攻撃も続いとるべ、いかに堅牢でも何もしなくちゃマズイっぺよ!!」

俺「」コクッ!


ダダダダダッ...
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:49:10.69 ID:GR0a4wLgO
学徒兵A「砦を突破しろ! 食料を奪え!!」

学徒兵B「死ねェ王国の猿どもがぁ!!」ドガァン!!

学徒兵C「なによあの町砦かったいわね!! なんかムカつくわ!!」


農民C「ま、魔法がズコバコ撃たれてるべ……」

農民D「どどど、どうやって浮いてるべかあいつら??」

農民A「お、恐れちゃダメだっぺ!! バリスタで撃ち落とすべぇ!!」
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:49:50.43 ID:GR0a4wLgO
ズドォン! ズドォンッ!

学徒兵B「うぎッ!?」ブシュ!

学徒兵D「あぎゃァ!!?」ドスッ!!

学徒兵A「!? 反撃に転じてきたか……!」

学徒兵C「猿の癖に調子乗んじゃ、ないわよっ!!」キィィィンッ ヒュオッ!!
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:50:47.04 ID:GR0a4wLgO
農民D「ほげっ!?」ザシュウッ!!

農民A「!!? お、おいしっかりするっぺ!!」

農民D「あ……ぉ、ぁ……」ガクッ

農民B「お、おい…………おいっ!!?」

俺「」...ギリッ!

ガチャッ ガチャッ!

ドドドドドドドドドドドドッッ!!!!
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:51:48.92 ID:GR0a4wLgO
学徒兵A「がはぁっ!!?」ブシュッブシュッブシュウッ!!

学徒兵C「ひぁッ!?」ブシュッグジュッ!!

学徒兵E「オゴッ!?!?」パァンッ!!


農民C「………ちッ、ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」ズドォンッ!

農民B「ゆ、ゆ、許さねぇ………許さねぇべええええええええええええええええええ!!!!」ズドォンッ!

農民A「………クソがぁあああああああああああああああああああああ!!!!???」ズドォンッ! ズドォンッ!
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:52:31.42 ID:GR0a4wLgO
学徒兵F「ひ……ひぃいいいいいいい!!」パチンッ

パキパキパキッ...ヒュンッ!!

農民B「が!!?」ザクッ!

農民A「!? こ、氷の矢……!!?」

俺「」ガバッ!

農民B「うぎ………ッ、お、俺さん………おらなんかにゃ構わず、奴らを……奴らを………!!」ドクドク...

俺「」...ギュッ!

クルッ

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッ!!!!!!!
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 08:54:20.05 ID:GR0a4wLgO
学徒兵長「なに? ある村だけが落とせない?」

学徒兵G「はい。異常にしぶとく、また比例して被害も甚大となっております。このままでは方面軍の3〜5%程度を失う可能性も…」

学徒兵長「ふむ……別にそこは重要拠点となる場所でもないのだな?」

学徒兵G「食糧は多い様ですが……あとは砦が有効利用出来るかというところでしょうか」

学徒兵長「そうか、なら退かせろ。ただし最後の最後で大規模魔法でも撃たせてやれ、ただ単に撤退させるだけでは士気の低下に繋がるだろう。軍人といえど我々は所詮ガキだからな、ストレスは適宜発散させる必要がある」

学徒兵G「了解です。では、その旨伝えに向かいます」スゥッ ヒュウウウウッ...
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