村人「ま、魔物が襲ってきたぞぉ!」 俺「ふむ、ならば銃で撃ち殺せばいいのでは?」

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132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 09:09:03.52 ID:6//tlukOo
俺「」ボーーー...



息子『時間、ないみたいだ』ニコッ



俺「」


ギリッ


……………
………
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 09:09:39.81 ID:6//tlukOo
チュンチュン


剣士「ふぁれ………?」パチクリ

剣士「…………」

剣士「……えっ、こ、私の交代次4時じゃ……!?」ガバッ

俺「」ヨッ

剣士「え、あ、おはようございます……って俺さんずっと起きてたんですか!?」

俺「」コク
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 09:10:27.74 ID:6//tlukOo
剣士「そんな……遠慮せず言ってくれれば良かったのに」

俺「ふむ、それより朝餉が出来ているのでは?」

剣士「えっ? ……な、何ですかこの茶色いの? 明らかにうん……」

俺「ふむ、何処からどう見てもただの薬膳料理では?」

剣士「………。いや、よくよく嗅げば良い匂いしますし、ほんとに普通の食べ物なのかも……えーいままよ!」パクッ

剣士(あ、おいし…)モグモグ
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 09:11:04.45 ID:6//tlukOo
剣士「ねぇ俺さん、あれなんていうんですか!? 見た目はちょっとうん……ですけど、味も香りも一級品ですよ!! 帝都辺りで流行ってたものですか!!?」

俺「」サァ?

剣士「それくらい好感度関係なく教えてくれたっていいじゃないですかぁ!!」プクー!

俺「」...ピタ

剣士「んへっ? え、何かありました?」

俺「」ジッ
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 09:11:33.54 ID:6//tlukOo
商人「ひぃいいい!こ、殺せ!早く殺せぇ!!」

護衛冒険者「黙ってろ!今必死で戦っt」

オーク「ゴァァ!!!」ドゴォ!!

護衛冒険者「ぶふぉッ!!?」ドサァッッ!

商人「ひ、ひぇえええええええええええええっっ!!!??」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 09:12:09.51 ID:6//tlukOo
剣士「あー……どうしますか? その、個人的には干渉せずに待ってから身剥ぎがいいと思いますけど」

俺「」コクッ

剣士「あはは、俺さんはちゃんとこういうとこ分かってくれるので好きです。たまに居ますからねー、こんな時代でも夢見る人って……」


ウワァアアアアアアアアアアアアア!!!??
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 09:12:44.72 ID:6//tlukOo
商人「」

護衛冒険者「」

剣士「あぁ……傷口は直視しない様にして下さいね、色々と……えっと、垂れてますから」

俺「」コク

ガサゴソ...
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 09:15:41.04 ID:6//tlukOo
剣士「んと、そちらどうでしたか?」

俺「」ス

剣士「携帯食料と魔石ですか。後者は非常時の換金用ぽいですね、大きさがだいたい2000Gくらいのそれですし。あとは……あ、その剣質悪いです。捨てて良いですよ」

俺「」ポイッ

剣士「ちなみに私は宝石数点と魔石1万G分、幾らかのドライフルーツや携帯調味料をゲットしました! 結構いい感じの収穫ですねっ」フンス
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 09:16:10.45 ID:6//tlukOo

………
……………

剣士「うー……そろそろ夕刻ですねぇ、どうしますか? もう野宿しますか?」

俺「ふむ、もう少しで下山先の町に着くのでは?」スッ

剣士「あ、確かに。じゃあちょっと早めに行きますかっ、また俺さんに負担掛けさせる訳にもいかないですしね!」

タッタッタッ...
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 09:16:48.45 ID:6//tlukOo
〜宿場町〜


剣士「はぁぁ〜〜〜〜、ぎりっぎり夜になる前に着けましたねぇ、宿……」グデーン

俺「ふむ、チェックインは俺に任せてお前は休養すべきでは?」

剣士「申し訳ないけどお任せしますぅ〜……」ヨロヨロ

俺「」フリフリ
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/31(月) 14:25:24.08 ID:V+j+7ORI0
滅茶苦茶面白い
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/31(月) 14:26:20.48 ID:7oj68nPqo
長編でも大歓迎
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:26:10.46 ID:drkWW5Qoo
コケコッコーーーーーーー!!


剣士「おっはよーございますっっ!!」ビシッ!

俺「」ヨッ

剣士「今日も快晴で気持ちがいいですね! 何時ごろ出ますか?」

俺「ふむ、10時ごろが良いのでは?」

剣士「じゃあそうしましょ! ご飯食べたら私は替えのお洋服買ってくるので、門のとこで待ち合わせでお願いしますね!」

俺「」グッ
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:26:45.13 ID:drkWW5Qoo
剣士「そういえばこの先、確か比較的治安が良くて景気も良い都市があるんですよね! お母さんに会う事も大事ですけれど、正直ちょっぴり観光とかしてみたくなっちゃいますよね……えへへ」テクテク

俺「ふむ、ならば観光すれば良いのでは?」

剣士「へっ!? え、でも……俺さんの目的って、時間とか…」

俺「」フリフリ

剣士「…そ、そうですか? あの、じゃあ……ちょっと観光気分味わっちゃいましょっか、ふへへ」ニマニマ
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:28:10.99 ID:drkWW5Qoo
〜1ヶ月後〜


剣士「着きましたぁっ!! ここが前紹介してたとこです!! 海もあってお店もいっぱいあって、このご時世じゃ女の子にとっては天国みたいな場所ですよっ!!」ピョンピョンッ

俺「」スタスタ

剣士「………え? え、ちょ、俺さんどこいくんですか!?」

俺「」キョトン?

剣士「いやいや俺さんも一緒に居なくちゃダメですよっ! 1人じゃ流石につまんないかもですし、それに女の子1人にするのはだめ……ってゆーか私がかわいそーじゃないですか!!」

俺「ふむ、女性の買い物は長いのでは?」

剣士「いやまあそれはそうかもしんないですけど!! ……と、とにかく着いてきて下さいよっ!! 寂しいじゃないですか1人って!!!」

俺「」...コクッ
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:28:54.07 ID:drkWW5Qoo
おっさん「焼き鳥売ってるよーー!! 二度漬けオッケーだよーーーー!!」

おばちゃん「さあ寄ってらっしゃい見てらっしゃい!! 獲りたて新鮮なお魚がたっぷりあるわよ〜〜!!」

ガキ「大麻売ってまーす! 地域最安値ですよー!!今が買い時でーーーす!! 」


剣士「わぁ……ほんとにお店がいっぱいですね! どれもこれも普通の街じゃ見かけない様なものばっかりですっ!!」

俺「」ムシャムシャ

剣士「て俺さんもうなんか食べてるんですかっ!? 早過ぎですよ!!」

俺「ふむ、もしかすると欲しいのでは?」ホイ

剣士「え、い、良いんですか? …じゃああの、遠慮なく」パクッ
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:29:47.31 ID:drkWW5Qoo

………
……………


剣士「た、食べ過ぎました……今日は動けましぇん………うぷっ」

俺「」スリスリ

剣士「ど、どうも……あぁ、手当たり次第食べてたのがまずかったんですかね……申し訳ないんですけど、今日はちょっとお休みを………」

俺「」コク
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:32:23.46 ID:drkWW5Qoo
〜ホテル〜


剣士「じゃあ私はちょっと本でも見ながら横になってますので……俺さんはこれからどうするんですか?」

俺「ふむ、適当に散歩するのでは」

剣士「そですか。まぁ、なんだかんだ言ってあれだけ賑やかなら1人で散歩するだけでも面白いと思います! 楽しんでって下さいねっ」

俺「」グッ

スタスタ ガチャン
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:32:56.64 ID:drkWW5Qoo
俺「」

プルルルル...

ピッ

元帝国中将『貴方ですか。今回も来るんですか?』

俺「ふむ、来ないというのは考えられないのでは?」

元帝国中将『そうですか。まあ、来てくれるのならそれは嬉しいんですけど』
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:34:41.80 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将『ただそれとは別に、今度の個体に限っては殺人歴が皆無です。先代より村や町の長の傍で仕えてきた貴方です、汚い部分は数多く見てきたのでしょうけど……今回は、本当の意味で手を汚す事となります。それを理解した上で参画するのですか?』

俺「」コクッ

元帝国中将『今相槌打ちました? あぁいえ、沈黙だろうが肯定の証ですよね。……目標は既にお伝えした通り、合衆国首都からやや北上した所に潜伏しています。既に”子どもたち“は我々で5体ほど殺しましたが…今回は混血なのでね、今までに前例がない。万全には万全を期すべきです』

元帝国中将『………貴方も私も、同じ者の手により町長殿という友を喪った者です。やるからには、必ずや仕留めましょう』

元帝国中将『魔王の子どもたちを、ね』

俺「」...コクリ
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:35:38.17 ID:drkWW5Qoo
〜翌日〜


剣士「今日こそはちゃーんと観光しましょう! お互い食べ過ぎはめっですよ? 昨日の私みたくなったらあうとですからねっ!!」ビシッ!

俺「」コクコク

剣士「そんじゃ行きましょう! どこから行きますか!? やっぱり海ですかね!? あ、あと動物園もあるみたいですよ!! 帝国の瓦解以降魔物だけになっちゃったみたいですけど、それでもみんな従順で人を襲わないらしいですってっ! ねね俺さん、はやく回りましょ!!」グイグイ

俺「ふむ、少しゆっくり行くべきでは?」ズルズル

剣士「何言ってんですか、今日は観光名所もお店も何もかも全部回りますよっ! ほら時間は有限なんですっ、早歩きで行きましょう!!」グイグイ

俺「」ヤレヤレ
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:36:10.36 ID:drkWW5Qoo
〜動物園〜


タタタタタッ...ピタ!

剣士「あーーっあれ!あれ見てください!! 俺さんあれかわいくないですかっ!? 」

彡(゚)(゚)「おん?」

俺「」フルフル

剣士「そうですか! 私もなんかずっと見てたらむしろ気味悪くなってきました。やっぱりキモいですね!」

彡;(゚)(゚)「!?」

剣士「あ、でもあっち見てください!あっちのはほんとにかわいいですよっ!!」ダダダッ

彡;(゚)(゚)「き、キモい……ワイキモいんか??」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:38:19.21 ID:drkWW5Qoo
〜露天商通り〜


剣士「俺さんこっち見て下さい!! このナイフカッコ良くないですかっ!? 機能性も見た目も凄く良くってサイコーですよ!!!」パァァ

露天商「おっ、嬢ちゃんいい目してるね! それねぇ、実は知り合いの鍛冶屋が打ったもんなんだ。………というのも例の隕石事件で逝っちまいやがってね、誰か買ってくれねぇかなと思ってたところでなぁ」

剣士「そうなんですか……あの、じゃあ私買いま」

俺「」ジャラッ

剣士「あ、俺さん……」

露天商「…ほぉ。いや嬢ちゃん、そのあんちゃんに買わせてあげな。それでプレゼントとして貰ってやると良い」ス

剣士「い、良いんですか? 俺さん」

俺「」コクッ スッ

剣士「………っ、ありがとうございます、俺さんっ!!」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:38:51.39 ID:drkWW5Qoo
〜海〜


剣士「俺さーん!こっちですよーーー!!」タタタッ

俺「」タッタッタッ

剣士「海にぃ〜〜〜〜、だぁ〜〜〜〜〜いぶっっ!!!!!」バシャーーーーンッ!!

俺「」バシャーーンッ

剣士「ぷはっ………ぶっふっ、俺さん口にカニ付いてますよ! カニ!」

俺「ぴゅみゅ、ゆっへはいへはやふほるへひはろへは?」

剣士「あっははははははははは!!! カニ、カニぃ、っははははははははははは!!!」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:40:28.90 ID:drkWW5Qoo

………
……………


剣士「あー……楽しかったですねぇ。なんだか童心に帰った様な気分です」

俺「ふむ、荷物の量が多過ぎるのでは?」ドッサリ

剣士「まあ私も持ってるから良いじゃないですか。それにしても……ほんと、今日は楽しかったです! 俺さんと旅出来て本当に良かったと思います! 改めて、あの日の幸運に感謝しなくっちゃですね!!」ニッ

俺「」

俺「」フッ

剣士「あ! 今俺さん初めて笑った! 笑ったでしょ今!! 笑いましたよね!!?」

俺「」サァ?

剣士「絶対笑った!! 笑いましたよ今見たもん私!! にやってした!! ちょっぴり口角が吊り上がってましたよ!!!」


ゼッタイワラッテターーーーーー!!

フム、ソレハオマエノサッカクナノデハ?

チガウモーーーーーーーーン!!

……
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:41:33.15 ID:drkWW5Qoo
〜2ヶ月後〜


剣士「やっぱり高い馬車は快適ですねー、お尻痛くならないのは素直に嬉しいですっ」

俺「ふむ、次の都市まであと数時間で着くのでは?」スイッ

剣士「あ、そうですね。次は…おお、首都の中継都市です! ここを越えればもう首都ですね! 一月前に合衆国入りしたばかりなのに速いですねぇ」

俺「」コクコク

剣士「ここらへんで私は剣の更新でもしたいと思ってますけど、俺さんは何か予定とかありますか? なければ一泊してそのまま通過しちゃいますけど…」

俺「」フルフル

剣士「そですか! じゃあぱぱっと通り過ぎちゃいましょう!」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:44:37.00 ID:drkWW5Qoo
〜都市内〜


剣士「すぴーーーーーーー…………」


元帝国中将『ああ、もう中継都市に入ったんですね。でしたら到着までもう1週間弱と言ったところですか?』

俺「ふむ、その辺りなのでは?」

元帝国中将『意外と速いですね。まあこちらもちょうど成員を集め終えたところです。みな大小の差はあれど高い実力を持つ者たちですよ……決行はきっかり1週間後の日にしたいのですが、可能ですか?』

俺「」コク

元帝国中将『頼みましたよ』

ブツッ
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:46:33.39 ID:drkWW5Qoo
ザーーーーーーーッッ...


剣士「今日は雨ですかー……鍛錬はあんまり出来ないかなぁ」ハァ

俺「ふむ、自重トレーニングをすればいいのでは?」

剣士「まあ今日はそうなりますよね。馬車の中なんで、その辺が限界になりますし」

剣士「……あ、そいえばそろそろちょっとくらい教えてくれてもいいんじゃないですか? 俺さん、わざわざ首都じゃなくて外れたところに行く理由って何なんですか?」

俺「」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:47:23.49 ID:drkWW5Qoo
俺「ふむ、知り合いがそこにいるからでは」

剣士「知り合い……? 俺さん、帝国の生まれですよね? なのに合衆国に知り合いが居たんですか?」

俺「」コク

剣士「へぇ…交友関係広いんですね俺さん! 俺さん結構寡黙な方だからあんましお友達居ないかと思ってましたっ、てへへ……」

俺「」ジトッ

剣士「………そ、そんな目で見ないで下さいよ! ご、ごめんなさいって、ね? ねっ」

……………
………
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:47:59.70 ID:drkWW5Qoo
〜森〜


パチパチ...

剣士「………」

俺「」

剣士「時間的には、明日でお別れなんですよね」

俺「」コク

剣士「……この3ヶ月間、楽しかったですね」

俺「」コク
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:50:17.98 ID:drkWW5Qoo
剣士「俺さん……私ね、今までこんなに楽しく過ごしたこと、なかったんですよ」

剣士「昔からお母さんは放任主義で、毎日近くの訓練所に通わされて。もちろんご飯は3食作ってくれたし、遊ぶ時はしっかり遊んでくれたんですけど……それでも、触れ合いの時間って言うんですか、そういうのが私、足りなくって」

剣士「たった3ヶ月。たったの100日足らずです。…私には、この100日足らずの日々が、黄金の様に輝いて見えました」

クルッ

剣士「……俺さん、あのっ!」

俺「ふむ、相手はよく考えて選んだ方がいいのでは?」
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:51:00.26 ID:drkWW5Qoo
剣士「…………」

俺「」

剣士「………私の為を思って言ってくれてるのは分かってます。でも、言うだけなら自由じゃないですか。私、本当に俺さんには感謝してるんですっ」

俺「ふむ、感謝とそれは違うのでは?」

剣士「……俺さんは………私のこと、嫌いですか?」

俺「」フルフル

剣士「だ、だったらっ」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:51:55.01 ID:drkWW5Qoo
俺「ふむ、お前はまだまだ若いのでは? それゆえに、事物を正しく見れないという事が多々あるのでは?」

剣士「間違ってません。俺さんは絶対、いい人です。断言できます」

俺「ふむ、過ごした日々が短すぎるのでは? 正常な判断が出来ていない可能性の方が高いのでは?」

剣士「………」

剣士「わかりました。……でも、それなら、」


バッ




チュッ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:52:24.00 ID:drkWW5Qoo
俺「」

剣士「………これくらいは、許して下さい」

俺「」

剣士「……私はもう満足しましたので、俺さんは先に寝て良いですよ」

俺「」

俺「」コクッ
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:53:12.63 ID:drkWW5Qoo
剣士「…………」

剣士「…………」

剣士「これ……フラれちゃった、って事だよね………」

剣士「あはは………」

剣士「あは……は…………」ポロッ

剣士「……………ぅ……っふ……うぅ……」ポロポロポロ...
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:53:57.22 ID:drkWW5Qoo
チュンチュン


俺「」ス

剣士「……これ、なんですか? 手帳?」

俺「ふむ、お前はカレーの作り方を知りたがっていたはずでは?」

剣士「カレー……? …………」

剣士「あっ、あの時からちょくちょく出してくれてたあのうん……みたいな薬膳料理ですかっ!?」

俺「」コクコク

剣士「…はは……昨日のあれがあったっていうのに、これですか……いやまあ、もちろん嬉しいには嬉しいんですけど」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:54:52.56 ID:drkWW5Qoo
俺「ふむ、カレー以外にも俺の作れる物数種が記載されているのでは?」

剣士「あっほんとだ……わ、このオムライスっていうの美味しそうですねっ」

俺「ふむ、それとあのナイフを俺だと思って持っておくと良いのでは?」

剣士「…………。俺さん」

俺「」ザッ

剣士「あっ……」

俺「」チョイチョイ

剣士「…………」

剣士「……ええ。今、行きますっ!」
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:55:37.56 ID:drkWW5Qoo
〜首都〜


変態「おっぱいまんこまんこちんこ!!ヘイ!!おっぱいまんこまんこちんこォ!!!!」

狂人「おまんこしょっぱッぴィィィィーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!???? 舐めたらホッケッキョーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!! ズッコンバッコンズッコンバッコンチンゲッ!マンゲッ!!」

(´;ω;`)「俺はハゲじゃねぇ……俺はハゲじゃねぇんだッッ!!!!!」


剣士「こ、こっちもかなり荒れてますね……」

俺「」コク

剣士「……いつ、別れますか? その、出来ればもっと一緒に居たいん、ですけど…」

俺「ふむ、せめてお前のお母さんと会うまでは一緒に居てあげるべきでは?」

剣士「!! 俺さんっ……」パァァッ
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:56:17.46 ID:drkWW5Qoo
俺「ふむ、取り敢えずまずは首都内の冒険者が集う所から潰していくべきでは?」

剣士「あ、そうですね! お母さんお酒が好きだったし、おっきなバーや人気のバーとかに居るかもしれません!」

俺「ふむ、とはいえまずは冒険者ギルドから向かうべきでは?」

剣士「そですね! じゃあ早速向かいましょうか!」


剣士(………お母さん、いきなりは会わないでくれると嬉しいな)
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:57:20.81 ID:drkWW5Qoo
〜ギルド〜


受付嬢「確かに彼女はこの都市で活動していると思いますが……申し訳ありません、ギルド内には居ないですね」

剣士「(ほっ……)あの、でも何時間前に見たとか何日前に見たとかは分かりますか?」

受付嬢「履歴を照合します、少々お待ちを………ああありました、2日前にコボルトの定期駆除作戦に参加した模様です」

剣士「その後どこに行ったとかは……?」

受付嬢「それに関しては不明ですが……ただ彼女はよく訓練場や酒場に居ます。その方面を当たってみるのは如何でしょうか?」
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:58:13.53 ID:drkWW5Qoo
剣士「酒場の方は予想通りですけど、訓練場ですか……先に訓練場を一番大きな所から順々に行きましょうか? 居酒屋さんやバーは数が多過ぎて辛いでしょうし…」

俺「」ピクッ

俺「」クルッ

剣士「? 俺さん、どうかs」


ガキィンッッ!!!!


傭兵「………てめえ、何故あたしの娘とここに居る?」

俺「」ギギギギギッ...!!

剣士「!? お、お母さんっ……!!?」
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:58:52.85 ID:drkWW5Qoo
傭兵「おう愛娘、大丈夫だったか? 待ってろよ、今すぐこいつの素っ首刎ねて殺」

剣士「ま、待ってよ!! その人は、俺さんは悪い人じゃないよっ!! 私をここまで連れてきてくれたんだよっ!!!」

傭兵「なに……?」

俺「」ジッ

傭兵「………」


スッ
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 16:59:39.28 ID:drkWW5Qoo
傭兵「あんた、どっかで会った事あるな。どこだったかは忘れたが……だいぶ昔の気がするぜ」

俺「ふむ、故郷の村の事を思い出すと良いのでは?」

傭兵「…………」

傭兵「………! 村長に付き従ってた、アイツか。見た目が変わってねえから一瞬ビビったぞ」

剣士「あ、ほんとに会った事あったんだ……」

剣士(ていうか、そしたらつまり何歳なの俺さん……?)
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:01:14.79 ID:drkWW5Qoo
傭兵「…うん、娘も無理矢理言わされてるとかもなさそうだしあたしがミスっちまったっぽいな。いや失敬失敬、マジ悪かった」タハハ

俺「」グッ

傭兵「おっ心広いなあんた。将来大成するぜ……ってしてるかもう」

傭兵「ッと、それと娘よ」クルッ

剣士「あ、はい……?」

ダキッ

剣士「あ……」

傭兵「悪かったな、今まで探してやれなくて。本当に、ごめんな」

剣士「…………うん」グスッ


……………
………
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:02:16.53 ID:drkWW5Qoo
傭兵「……なるほどな。したらあんたはここで別れる形になると?」

俺「」コクッ

剣士「…………」

傭兵「……ん〜〜??」

傭兵「…ああ、そういう! ハッハッハ、残念だったな娘よ! この人ぁ少なくともあたしがクソガキの頃から村で重役張ってたヤツだぜ、確実に既婚者だろーよ! 諦めとけ!」ガッハッハ

剣士「え………う、嘘? 嘘ですよね、そんな事言ってな…」

俺「ふむ、俺は一度も結婚していると言っていないのでは」

剣士「あ、で、ですよね? はは……」ホッ

傭兵「えっ結婚してねぇの? マジ? 意外なんだが……」
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:03:28.04 ID:drkWW5Qoo
俺「」スッ

剣士「!」

傭兵「ん? もう行くのか? 急ぎの用でもあるってか?」

俺「」コクッ

傭兵「そか。じゃここでお別れだな」

剣士「………」

傭兵「お? どうした娘よ、ンな顔して。告んのか? ん?」

剣士「………ううん、もう言う事は言ったから」

傭兵「おお、そーなのか。じゃあ気持ちよく送り上げてやんねーとな」

剣士「うん」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:03:56.34 ID:drkWW5Qoo
トコトコ

剣士「俺さん」

俺「」

剣士「………」フゥ

剣士「……ありがとうっ!」

俺「」

俺「」グッッ!!
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:05:30.83 ID:drkWW5Qoo
剣士「……行っちゃった」

傭兵「しゃあねえわな。ま男なんて星の数以上ある訳だ、そう気にするこたねーよ」

剣士「でも……」

傭兵「だぁーらウジウジすんな! お前の見た目は一級品だ、それは親のあたしが保証する! でもな、世の中にはどう足掻いても手に入んねえ男も存在する。ただそれは必ずしも容姿やガタイの良いヤツとは限んねえし、当然これは女にも言える」

傭兵「合わなかっただけなんだよ、お前は。それか向こうの見る目がなかったか。そんだけだ」

剣士「……………」

傭兵「手に入んねえもん見て焦がれたって意味はねえ。それよかやるべきは、現状自分が成長出来る部分を伸ばすこった。そうすりゃもっといい男が寄ってくるかもしんねえし、あの男も振り向いてくれるかもしんねえぞ?」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:06:36.30 ID:drkWW5Qoo
剣士「そう、かな」

傭兵「そうなんだよ。…つーか飯でも食わねえか? あたしまだ昼食ってねんだよ、久し振りに親娘二人で食おうぜ、な!」

剣士「……あ、いやちょっと待って、お母さんそういえば何で合衆国にずっと居たの? 私が帝国領にいるの、知ってたよね?」

傭兵「ん、ああ……それがなぁ、知り合いにどうしてもって誘われてよ。幾つかちょっとでけぇ依頼受けなくちゃなんなかったんだ、ふるさとにも関係してたしな。で、それが済んだらちゃーんと探しに行こうと思ってたんだぜ?」

剣士「えっと、その大きな依頼って?」

傭兵「あー……言っていいのかこれ? いやまあ家族だから良いか、つーのもさ……」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:08:28.47 ID:drkWW5Qoo
〜テント群〜


元帝国中将「お待ちしてましたよ。……相変わらず、若々しい風貌ですね」

俺「ふむ、まだ少ないのでは?」

元帝国中将「普段は首都で過ごして貰ってますから。ここでずっと過ごすのも退屈でしょう」

元帝国中将「あと俺さん、弾先に買っても良いですかね? 可能なら点検めんどいんでライフルと拳銃の方の交換もお願いしたいんですが」

俺「」ガチャガチャッ スッ

元帝国中将「どうも。弾は…」

俺「」スッ

元帝国中将「ありがとうございます。いやあ、それにしても世の中もだいぶ変わってしまいましたねえ」ガチャコンッ
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:09:29.68 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「帝国以外が全て死に体の状況だったのを、最後の最後魔王の魔法で首脳部をやられ帝国すらブチ壊されたんですからね。世紀末になるのも当然と言えば当然ですか」

元帝国中将「まあ、腕力に物言わせてそこいらの幼女を衆人環視の中強姦出来る様にもなったので単に悪化しただけとは言いませんけど。……いやもちろん町長殿が殺された事の方がデカいですからね、それ込みでも魔王に感謝なんかしませんよ?」

俺「ふむ、お前結構クズなのでは?」

元帝国中将「分かりきってた事でしょうに。というか自分は確か、ファーストコンタクトが金と引き換えに地竜を討伐するとかそんな形だったでしょう? だいぶ昔からクズだったって事ですね」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:11:44.21 ID:drkWW5Qoo
俺「」ハァ

元帝国中将「そうため息なんかつかないでくださいよ。……ああそうそう、これメンバーの数と名前です。作戦内容等もそちらの用紙に記載してあるので、よく読み込んでおいて下さいね」スッ

俺「」コク

元帝国中将「それでは自分は失礼しますよ。もう40半ばですからね、最近体にガタがきてて本当にきついですよ……」スタスタ

俺「」ペラ


作戦参加者;
重戦士
ハゲ
……


デブ
傭兵
弓士


……


俺「」

俺「」ペラ
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:13:09.99 ID:drkWW5Qoo
〜決行日〜


元帝国中将「さて、全員集まったか? ……よし、欠ける事なく全員集合している様だな」


傭兵「……あんた」

俺「」ヨッ

傭兵「そこそこ腕は立つと思ったけどよ……まさかこんな危険な作戦に参加するとはなあ。あの子、お前が死んだって知れば悲しむぜ?」

俺「」

傭兵「は、死なんて微塵も考えてねぇって顔だな。ま良いんじゃねえの、そういうヤツのが生き残る事も多々ある」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:15:09.32 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「……ではこれより、作戦内容の再説明を行う。手元の用紙を見て欲しい」ペラ


俺「」ペラ

傭兵「」ペラッ


元帝国中将「今回行うのは洋館への急襲だ。非常に強い結界が張ってある為に普段こそ侵入出来ないが、ここに集まった70余名の内29人が魔術師、更にその内12名が高名な実力者だ。30近くの高密度の魔法攻撃を喰らえば、流石の魔王の子の張った結界とて崩壊するだろう」

(´・ω・`)「質問。敵戦力はどの程度よ?」

元帝国中将「魔王の子とそれらを護らんとする準四天王クラスが2体、あとは有象無象が40以上。魔力感知で得た情報なので精度は保証しない、最低限この程度であると思ってくれ」

筋肉男「うーむ、その準四天王程度っていうのはよく分からんな。どれくらいの実力なんだ?」

元帝国中将「亜龍と龍の境目程度だと思えば良い。非常に厄介だがこの場に集っている者たちならば対処は出来る程度のはずだ」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:18:04.31 ID:drkWW5Qoo
フード男「……報酬については確と払えるのだろうな?」

元帝国中将「無論だ、我々にはスポンサーが付いている。この混沌の時代を生き残る程の富豪たちだ、金を出し惜しむという事はないだろう」

フード男「ふん、ならば良い」

元帝国中将「他に質疑等ないか? ………なければ突入時の行動内容を説明するが、まず各自先程配られたアサルトライフルとスマートフォンを肌身離さず持っていてくれ。前者は魔法を込められる人間は込めて攻撃する事、後者は所持していない人間の為に一応配給しておく事とする。ちなみに通信料金は来月分までしか払っていないので留意しておく様に」

元帝国中将「では本旨に移る、最初は結界を破壊する為の人員29人と万が一の為の入り口-結界付近を見張る役8人を配置。残りの35+α人で洋館内に侵入、うち気配察知に長けた者5人が斥候役を務めて貰う。ただし敵が既に臨戦態勢であり、布陣を何らかの形で展開していた場合は総員攻撃を開始する事。魔術師の仕事は他の人員に遠距離攻撃手段がある為に結界破壊で終えても良いが、当然やる気があるのなら以後の作戦に加わっても良い」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:21:18.14 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「とはいえ重傷を負ってもその場で治療される訳ではない事を理解しておけ。制圧がなによりも最優先だ、戦闘可能人員が殺傷問わず15を切らない限りこちらが退却する事はない。…洋館内は感知魔法での空間把握によると3階建てに30程度の空間が点在する事が判明している、どの階も10室構成だ。地下の存在も考慮し1階のみ最低15人配置とするが、2、3階は10人程度で探索を行え。会敵した場合は臨機応変に対応、不味いと思えば素直に助けを求めろ。作戦に支障を来たさず目的を遂行する事を第一に考えてくれ。ここまでで質問は?」

重戦士「結界付近の見張りが多過ぎる気がするが?」

元帝国中将「洋館周辺は別個に魔物が出現する事に加え既に夕刻である事、精鋭揃いとはいえあの質の結界を破壊するとなれば疲労する者も居る事も予想される。そう言った者の警護の意味でも8人は多くはないと言える筈だ。他にはあるか?」

シーン...

元帝国中将「そうか。では突入を開始する……各員の幸運を祈るぞ」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:22:25.79 ID:drkWW5Qoo
ザッザッザッ...


元帝国中将「ああ俺さん、貴方と自分は3階ですよ」ボソッ

俺「ふむ、3階が“居る”可能性が高いからでは?」

元帝国中将「その通りです。1、2階は恐らく下級魔族が待ち構えてるだけでしょう、どうせ狙うなら魔王の子ども本人、いえ本体ですからね。情報も混血という事くらいしか流通していませんが、他の子どもの様に自身のテリトリーを広げると言った様子もないので雑魚の部類でしょう。油断は出来ませんが、警戒し過ぎて消極的な展開にする程の相手ではないですよ」

俺「」コク

元帝国中将「他所に危害こそ加えてはいませんが、我々にとってはあの魔王の子というだけで『敵』ですからね。申し訳ありませんが、死んでもらいましょう」ニィィ
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:24:15.73 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「では魔術師諸君、頼む」

黒衣女「魔王の血族め、あなたたちのせいで私の商売上がったりよ……!! 我が黒焔にて滅びなさい!!」ギュオッ!!

精神異常者「ブツブツブツブツブツ...」ズズズ

学徒「もう少しでボクが学園首席になる筈だったんだ!! それをあのクソ魔王は邪魔しやがった!! 絶対に……絶対に許さないぞぉッッ!!!!」ッドォオオオオオオオッッ!!!!

令嬢「魔族など穢らわしいだけよ。さっさと死に絶えなさい」キィィィンッ...


ヒュオオオオッ!!
ズドォンッ!!
ッゴォッッッ!!
ドガァッ!!
パァンッ!!
ガギギギッ!!
ヒュインッッ!!
ドゴォオオオオンッッッ!!!
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:25:30.50 ID:drkWW5Qoo
シュウウウウウ...


ピキッ
ピキピキッ


バキィイイインッ!!


元帝国中将「……結界が、開いた」

傭兵「よおおおし、行くぞぉおおおおおおおお!!!!」

料理人「40年育ててきたわしの鍋が猛威を振るう時がきたわい……!!」

デブ「餅は餅屋」ニチャア

筋肉男「我が筋肉……亡き妻の為に捧ぐ!!」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:26:05.25 ID:drkWW5Qoo
バタァンッッ!!


軽戦士「」ガチャッ キョロキョロ

フード男「敵影確認出来ず。このまま進むぞ?」

元帝国中将「ああ。ここで1階担当は別れてくれ、上階担当は斥候を前に進むぞ」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:26:36.74 ID:drkWW5Qoo
シュタタタタタッ...

俺「」ピクッ

元帝国中将「! 伏せろ!!」

バッ


ヒュンッ ドゴォンッッ!!
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:27:57.54 ID:drkWW5Qoo
吸血鬼A「ちっ、人間め……なかなかやる」

吸血鬼B「お嬢様は必ずお守りするぞ! 決して、王統を………魔王様の血を絶やしてはならぬ!!」

鎖鎌使い「うるせぇ死ねッ!!」ブンッ!!

吸血鬼A「お前が死ね!!」ッドォン!!

鎖鎌使い「ぼぎョえっ!!?」ブシュウッ!!

元帝国中将「! 死者が出た! 総員警戒域を上げろッ!!」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:28:37.51 ID:drkWW5Qoo
俺「」スッ ズドォンッ!!

吸血鬼B「がはっ!?」ドチャッ!


吸血鬼A「!? おい、おm」

傭兵「余所見してる暇なんざねぇぞッ!!」ドヂュンッ!!

吸血鬼A「ぐぁァ!? ば、ばか……な………!」ドサッ
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:29:27.73 ID:drkWW5Qoo
(´・ω・`)「2人だけかな?」

元帝国中将「いや、」


バサッ! バサバサバサッ!!


吸血鬼C「よくも同志を……!!」

吸血鬼D「………殺す」ギロッ

吸血鬼E「地獄の苦しみを味わって死ね……」


元帝国中将「……悪いが2階組に任すぞ?」

重戦士「あいわかった」ガシャン

弓士「気をつけて下さいねー」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:30:19.92 ID:drkWW5Qoo
〜3階〜


元帝国中将「ふん」ザシュ!!

吸血鬼K「う……ぐ………」

傭兵「こうしてみると人間と大差ねぇな、吸血鬼もよ……」

吸血鬼N「ゆ、許し……」ズバァッ!!

ドサドサッ


俺「ふむ、この先に居るのでは?」

(´・ω・`;)「この先、すげー魔力感じる……十中八九居るわこれ」

精神異常者「ブツブツブツブツブツ...」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:31:44.61 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「………突入するぞ。全員、準備は良いか」

俺「」コクッ

呪術師「」コクッ

元帝国中将「…………」グッ


ギィィィィ...
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:32:10.20 ID:drkWW5Qoo
魔王娘「…………」

元帝国中将「……お前が、魔王の子か?」

魔王娘「そうだね」

元帝国中将「ならば、悪いがここで死んで貰う。最期に何か言いたい事があればその程度は聞こう」

魔王娘「そっか。じゃあひとつだけ、言わせて貰いたいのだけどさ」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:33:10.04 ID:drkWW5Qoo
魔王娘「わたしは、人間に害を与えたかな?」

元帝国中将「………」

魔王娘「もちろんお父様は殺しまくったろうね。先祖の方々もそうだろうし、他の魔族や魔物だってそうだろうけど。ただね、わたしは生を受けて……人間のお母様のもとで生まれてさ、ただひとつだけ守り続けた事があるんだ」

魔王娘「『人を害すな』。お母様がわたしに遺してくれた言葉だよ」

元帝国中将「それで?」

魔王娘「いや、だからさ。今までは守り続けてきたんだ。吸血鬼なのに人間の血を吸わず、動物や魔物の血を吸ったりさ。部下にもそれを徹底させて、絶対に人間に近付かない様にもしたよ。結界も張って向こうから干渉出来ない様にもした」
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:33:45.52 ID:drkWW5Qoo
魔王娘「なのに、これだ。わたしが魔王の血統だからって理由で不当に攻め込み、部下も殺し、全てをめちゃくちゃにした。君たち、人間が」

元帝国中将「………」チャキッ

魔王娘「ふざけてるよね。わたしたちは、何もしていないよね。……わたし、もう、我慢しなくて良いよね?」

ズズズズズ...!!
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:34:30.86 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「魔術師は総員自身に魔導障壁を展開!! 残りは敵の攻撃に備えよ!!」バッ!

精神異常者「」ヴゥン!

呪術師「………!」ヴゥン!

(´・ω・`;;)「」ジャキッ!

傭兵「……えげつねぇな、これ」グッッ
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:35:43.99 ID:drkWW5Qoo
魔王娘「ねぇ、だからさ………わたしも、復讐して良いよね?」

パチンッ

ヴンッ ヴンッ ヴンッ


元帝国中将「! 魔弾だ、避けろッ!!」


魔王娘「」スッ

ヒュンッ ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンッ!!


傭兵「っちィ!!」バッ!

軽戦士「ぐがぁっ!?」ドシュッ!

俺「」サッ

フード男「っぎゃッ」ブシャッ!!
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:36:28.06 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「アサルトライフルを構えろ!! 撃ち殺せ!!!」

俺「」ドドドドドドドドッ!!

料理人「鍋もクソもないわい! ありゃ正真正銘単なるバケモンじゃァ!!!」ドドドドドドドドッ!!


魔王娘「ウザいなぁ……」パチンッ

グググッ...

カランッ カランッ
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:37:03.05 ID:drkWW5Qoo
呪術師「!? バカな……空間魔法の使い手だと!!?」


魔王娘「そんな大層なものじゃなくて、風魔法の高等応用だよ」パチンッ

傭兵(次はなんだってんだ……!?)

キランッ

狩人「………?」

ピシュンッ

(´・ω・`;)「………」

(´・ω・`;;)「………え」

ドサッ
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:37:29.71 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「……今のは」

魔王娘「次は火魔法と光魔法を複合利用して風魔法で速度強化、更に独自の術式構成で微調整を施しただけの単なるレーザービームだよ。……まさか、これを恐れる程度でわたしに挑んできた訳じゃあるまいね?」

元帝国中将(…………)

元帝国中将「俺さん」ボソッ

俺「」チラ
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:38:28.17 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「はっきり言って、あの少女……やはり『弱い』です。確かに魔法のレパートリーは厄介ですが、内に入り込みさえすれば容易に殺せると思います。少なくとも自分の実力なら」

俺「」

元帝国中将「しかし自分も指揮や味方の被弾阻止でかなり忙しい、動き回りながら作戦立案は現実的ではありません。そこで、」

俺「ふむ、まずはアサルトライフルで牽制をすれば良いのでは?」

元帝国中将「…ほう。既に作戦があると?」

俺「」コク
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:40:15.10 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「ならば貴方にすべて委ねましょう。わかっていると思いますが我々が魔王の子と会敵しているという事は下の階に準四天王格が居るという事です、指揮能力が十全でない中で下の者たちを呼ぶのは酷というか、無理ですよ」

俺「」コクッ

元帝国中将「なら町長殿の右腕たる俺さんの事だ、大丈夫でしょう。任せますよ……総員、アサルトライフルを再度構えよ!! 弾幕を展開しろ!!」

精神異常者「」ドドドドドドドドッ!!

傭兵「めんどくせえヤツだぜ……!」ドドドドドドドドッ!!


魔王娘「無駄だと言っているのに」パチンッ

グググググッ

カランッ カランッ カランッ...
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:41:09.53 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「諦めるな! 弾が尽きるまでとにかく撃て!! 相手も弾を防いでいる間は攻撃が出来ない、魔力もいずれ枯渇するだろう! それを狙え!!」

魔王娘「………ばーか」


俺「」スタスタ

スイッスイッ スイッ

プルルルルル...

ピッ

オペレーター『はいジャパネットたかたです!』
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:42:32.21 ID:drkWW5Qoo
俺「ふむ、確か無人ステルス爆撃機が数機残っているのでは?」

オペレーター『そうですね、在庫まだ残っていますよ! お値段なんと12億9800万Gです!』

俺「ふむ、買いなのでは」

オペレーター『購入ありがとうございます! 速達にいたしますか、普通にいたしますか?』

俺「ふむ、速達しかないのでは」

オペレーター『了解しました! では今すぐ機体ごと出荷致しますね〜!』ピッ


...ォォォォォ......

俺「」クルッ
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:44:22.08 ID:drkWW5Qoo
ドドドドドドドドッ!!


魔王娘「……いつまで撃ち続けるのさ? 確かにわたしの魔力は減っていっているけれど、そちらの方も弾数は有限のはずだが」

元帝国中将「………」

魔王娘「ああ、それしか採る手段がないという事だったりするのかな。だとしたら哀れだね、お父様の子を討つという名分の為に無意味な領域まで踏み込み過ぎた結果、自分たちが自滅するっていうんだからね」

元帝国中将「………む?」ピコン


元帝国中将「グループLINE? ……もしや」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:48:42.91 ID:drkWW5Qoo
俺『ふむ、一旦全員洋館の外に逃げるべきなのでは?』


元帝国中将「……は?」


傭兵@一児のママ『意味わからん』

🥩いきなりステーキ大社長👨‍🍳🥩『お前さん逃げるんか❗️😡』

ちゅーじょー『どういう事ですか。説明をお願いします。』

俺『🪟』


元帝国中将「窓?」チラ




無人ステルス爆撃機「」ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:49:17.15 ID:drkWW5Qoo
傭兵「」クルッ

呪術師「」クルッ

狩人「」クルッ

料理人「」クルッ

精神異常者「」クルッ

元帝国中将「」クルッ


ダダダダダダダダダダッ!!!!
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:50:38.42 ID:drkWW5Qoo
魔王娘「…………は?」

ピコン


執事『何故か人間どもが逃げていきます・・・』


魔王娘「………」

魔王娘「え、いや、まさか、勝ったってk」



ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッ!!!!!!



魔王娘(…………え………?)


ヂィッ
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:52:08.14 ID:drkWW5Qoo
狩人「………な、なんだあれは?」

俺「ふむ、無人ステルス爆撃機なのでは?」

重戦士「なんと……あんなものが投入されれば、銃以上に戦争の歴史を塗り替える事になるぞ………!!!?」

黒衣女「な、なによ今の…大規模爆破魔法?」

傭兵「や、館が跡形もねえぞ……なあこれ、死んだのか? 魔王のガキも」

令嬢「生命反応は皆無よ。おそらく死んだ、でしょうね」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:52:39.21 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「」チョイチョイ

俺「」スタスタ

元帝国中将「……あんな物があるなら先に教えてくれれば良かったじゃないですか?」ボソッ

俺「ふむ、無闇やたらに使えば世界中が更地になるのでは?」

元帝国中将「いやまあそれはそうですけど…まあ良いです、ともかくありがとうございます。自分たちが活躍する機会は、結局ないままで終わりましたが」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:54:11.13 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「…………」

元帝国中将「とりあえず、首都に戻りますか。スポンサーの方々にも報告しなくてはいけませんし、死者の遺族の方にも色々やらなくてはならないですしね。それにまだ子どもたちは残っていますし………俺さんは諸々が終わった後、どうするんですか?」

俺「ふむ、しばらく当てもなく世界を回るだけでは」

元帝国中将「そうですか。自分は魔王の子どもたちを征伐し終えたら……そうですね、極悪犯罪者にでもなりますかね。彼との義理が切れればあとは、自分も自由に生きて良いと思いますし。普段はちんちんがイライラしてしょうがないんですよ」

俺「」...ヤレヤレ
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:55:32.61 ID:drkWW5Qoo
元帝国中将「俺さんも一緒にやりますか? どうせ今回で黒く染まってしまったんですし、あの爆撃機があればレイプ以外にも何でも出来ますよ」

俺「」フルフル

元帝国中将「まあそうでしょうね、いや分かってましたよ。貴方は出来る事こそ超人じみてたり機転が利いたりしますが、メンタルは常人側ですからね。多少ワルくても、大きく堕ちる事はないというところですか」

俺「」

元帝国中将「ともかく、帰りましょうか。……ああそうだ、今日は居酒屋行きませんか? 昔の話を肴に呑みましょうよ」

俺「ふむ、それは良いのでは?」


ザッザッザッ...
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/05/31(月) 17:56:01.47 ID:drkWW5Qoo
チーズ休憩丼
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/31(月) 19:00:23.43 ID:V+j+7ORI0
チート持ち(なのか?)の主人公が一人いても世の中ままならねぇな
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/05/31(月) 19:04:09.90 ID:KVvSpvjb0
なんで書き溜めてそうなのに一気に投下しないんだ?
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/05/31(月) 21:33:26.12 ID:kGRUTZb20
1にだって事情はあるだろ…書き貯めてたら全部一気に吐き出さなきゃいかんルールなんてないぞ
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:07:26.10 ID:k3aOitDSO
〜17年後〜


少女「ねぇママ、こっちこっち!」

剣士「こーら、そんなに慌てないの。ママは逃げないんだからゆっくり行きましょ」

少女「えー? まぁ別にいいけどさぁ……あてっ」ドンッ

剣士「あ、すみませんうちの娘が……えっ?」

俺「」ペコリ

スタスタ...
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:08:01.97 ID:k3aOitDSO
剣士「………」ポカーン

少女「……マ、ママ?」

剣士「……はっ!?」

ダダダダダッ!!

ガシッ!

剣士「ちょ、ちょ、あの、すみません! 貴方は……俺さん、ですよねっ!?」

俺「」サァ?

剣士「その肩のすくめ方覚えてますよ!! お、俺さんなんでこんなところに居るんですか!!?」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:08:44.45 ID:k3aOitDSO
少女「えっと、ねぇ、その人ママの知り合い?」

剣士「知り合い……っていうかなんというか……なんだろ、初恋の人って言いますか何と言いますかぁ……えとえと、あの……」

俺「ふむ、口調が戻ってるのでは?」

剣士「あ、これは……ってやっぱ俺さんで合ってるじゃないですかぁ!!」

少女(ママが敬語使うとこ久し振りに見た……)

……………
………
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:11:11.17 ID:k3aOitDSO
剣士「……そうですね、最近は各国景気も回復してきてますからね。私も首都に住んで、今は夫とお母さんと娘の4人で一緒に暮らしてます」

俺「ふむ、やはり良い相手と出会えたのでは?」

剣士「結果的には………そうですけど。でも俺さんも十分魅力的だと思いますよ? これは心底から思ってる事です、ほんとです! いつまでもお若いですし気配りも出来ますし、真面目に相手探せば絶対良い人が見つかりますよっ!!」

少女「むっちゃ力説するねママー」

剣士「……言い忘れてたけど、パパには内緒だからね。この人と会った事」

少女「なんで?」

剣士「チョコアイス2個買ったげるから」

少女「いえすまいさー!」ピシッ!
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:11:47.46 ID:k3aOitDSO
剣士「ところで俺さん、最近何してるんですか? お母さん曰くなんか俺さん想像よりやばい人だから普通の生き方はしてないとか言ってましたけど……」

俺「ふむ、世界旅行の様なものでは?」

剣士「せ、世界旅行ですか? 俺さんらしいというかなんというか……っていうと、今回も旅行のついででここには立ち寄った、みたいな?」

俺「」コクコク

剣士「はぁ……なんだか羨ましいですね、自由って」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:13:22.57 ID:k3aOitDSO
剣士「あ、かなり話し込んじゃいましたね……ええと、今日は楽しかったです! 久し振りに俺さんと話せてよかったです、ほんとに!」

俺「」グッ

剣士「また機会があれば是非寄ってくださいね! 待ってますよ!」フリフリ

少女「ばいばーーーーーい!!」フリフリ

俺「」フリフリ



剣士(………夫にも、内緒ですけど。今も持ってますよ、俺さんの買ってくれたナイフ)ニッ

ナイフ「」キランッ
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:14:23.57 ID:k3aOitDSO
〜草原〜


俺「」トコトコ

俺「」

俺「」クルッ

俺「ふむ、出てくるべきでは?」ガチャッ


???「…………いつから気付いていた?」

俺「ふむ、首都外に出た時には尾け始めていたのでは?」

???「……………」


スッ
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:19:01.27 ID:k3aOitDSO
上級冒険者「流石は長きを生きる化け物か。この程度の気配遮断は見破れるという事だ」

俺「」コテン?

上級冒険者「惚けるな、お前が少なくとも100年以上前から存在しているというのは分かっている」

俺「」

上級冒険者「………俺は依頼でお前を拘束する為に来た。その依頼人が漏らした事だ」
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:19:42.17 ID:k3aOitDSO
シャキン!

上級冒険者「大人しく従えば何もしない。が、抵抗するのなら多少痛い目を見てもらう」

俺「」

バッ!

上級冒険者「…阿呆め」シュタッ!

ッキィンッ!!

上級冒険者「ふん!」ヒュオッ!
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/06/01(火) 04:20:10.52 ID:k3aOitDSO
俺「」サッ パァンッ!!

上級冒険者「」フッ ズバッ!!

俺「」キィンッ!

上級冒険者(!? 俺の速度に反応出来るとは……)

俺「」カチャッ ドォンッ!

上級冒険者「ぐっ……!?」ブシュッ...!
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