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式波・アスカ・ラングレー「またね、シンジ」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2021/04/03(土) 21:29:18.78 ID:4B3dgK4pO
私はどうなってもいい。ただシンジのために。
人を捨て全力を出し尽くし、今度こそ死を覚悟した私は気がついたら大人になっていた。
傍らにはシンジが座っていて、裂けたプラグ・スーツから覗く肌を隠そうと寝返りを打ち、自分が恥じらっているのだと自認した。
「僕もアスカのこと、好きだったよ」
シンジに好きだと言って貰えて嬉しかった。
自分にしか出来ないことを見つけたシンジが、今度こそ私を助けてくれて、嬉しい。
頑張った甲斐があったと思った。見返りは求めるなと言われていたけど、やっぱりご褒美があると報われた気持ちになれる。幸せだ。
「ちょ、アスカ、何漏らしてんのさ!?」
「……こっち見ないでよ」
いけない。止めないとと思えば思うほどに溢れてくる。恥ずかしくて死にそうだけど、どうしようもないじゃない。好きなんだから。
「私の嬉ションよ? ちょっとは悦んだら?」
「フハッ!」
シンジの哄笑を聞きながら、私はエントリー・プラグごと第三村へと送り届けられた。
『フハハハハハハハハハハハッ!!!!』
「もう……黙ってなさいよ、バカシンジ」
役割をこなし、やり終えた達成感が高笑いの残響と共に胸に残っている。終わったのだ。
「お疲れさん。それで、首尾は?」
「上々よ」
「そいつは結構」
たまたま近くに不時着したこともありケンスケの手を借りてエントリー・プラグを出る。
詳細を話す前に、ケンスケにお願いをする。
「シャワー貸して。あと、着替えも」
「やれやれ。碇は本当に罪な男だよ」
ケンスケの苦笑に釣られて、くすりと笑う。
シンジはたしかに罪を犯したかも知れないけど、私はもう、それを笑って許せるくらいに成長したことが実感出来て、誇らしかった。
「またね、シンジ」
またどこかで、シンジと出会えることを夢見て、エヴァの存在しない世界で生きていく。
【アスカ、嬉ションの向こうに】
FIN
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