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ジャイアン「おいスネ夫!>>3しようぜ!」
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99 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/07(日) 14:43:11.44 ID:ZKSQ1isz0
出木杉「今度はヒンズースクワットか」
のび太「ふん、ふん」
出木杉「え、なんで急に足腰鍛え始めた?いや別に構わないんだけど、今の今までものすごいクズが考える方法で金を稼ごうとしていた奴と同じ奴とは思えない。大体筋トレとかいう地道な事しないだろそんな奴は」
のび太「ふん、ふん」
出木杉「なんだかよくわからんが凄く頑張っているぞ」
のび太「ふん、ふん」
出木杉「もう100回だ。うん、どうやら僕は彼のことを誤解していたみたいだ。彼はちゃんと何らかの目標があってヒンズースクワットなんてやっているんだろう。そしてその目標に向かって努力しているのだろう。いや見直したよ」
のび太「よし、100回。いやぁ、ドラえもんに『ハツメイカー』で作ってもらった『筋力増強注射』はすごいなあ。ヒンズースクワットを100回もやってるのに全然疲れない。これで明日のマラソン大会はばっちりだ」
出木杉「やっぱりクズだった!!筋力増強注射って要はドーピングじゃねえか!!っていうかチートする道具くらいは自分で作れよ!!『ドラえもんに作ってもらった』じゃないだろ!!」
のびママ「のび太ー、おつかい行ってきてー」
のび太「えぇ〜?……いや、そうだ。注射の威力を試してみよう。じゃあ最初から最後まで全速力で走ってみるか。じゃあ行ってきまーす」バタン
出木杉「野比くんが行ってしまったか。だが僕のやりたいことは『野比家の観察』だ。これからは野比くんの母君を観察するとしよう」
出木杉「ほう、のび太くんの母君は
>>101
なんてやっているのか」
安価
>>101
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/03/07(日) 15:06:46.63 ID:1Yvk/2qp0
ハワイアンキルト
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/03/07(日) 15:07:05.06 ID:A068zv8mo
政府の役人に未来の道具関連情報を定期報告
102 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/07(日) 15:38:38.04 ID:ZKSQ1isz0
あ、今気づいた
>>99
の最後の出木杉はのび太くんじゃなくて野比くんだった、誤字すまん
ママ「あ、そうそう。もう月末だったわ。定期報告をしないと」プルルルル
出木杉「ん?定期報告?」
ママ「……ええ、野比です……はい、お世話になっております。して今度は『ハツメイカー』で筋力増強注射なんてものを作らせまして……はい、泳がせておきますか……」
出木杉「会話の断片から察するに、野比くんの母君は政府の役人に未来の道具関連情報の定期報告をしていると考えるのが妥当だな」
出木杉「……そうか、前からおかしいと思っていたんだ。急に引き出しから湧いて出た青ダヌキを何の疑問ももたずに受け入れるわけがない。野比くんの家族はもともとドラえもんのことを知ってたってことか」
出木杉「いや母君何者だよ。だんだんこの家が怖くなってきたぞ。今も官房長官の名前とか出てるし」
出木杉「でもあんまり驚かなくなってきてしまった。なんだろう、野比くんの行動で驚き慣れてしまったのか」
ママ「はい、『フエルミラー』で人間を増やしたところ、複数の人格が……」
出木杉「というかマジで何なんだ?何か裏があるなこれ。これも前から疑問に思っていた。未来では簡単にタイムトラベルができるとするのなら、何故野比くんのところにだけ未来のロボットが現れたんだ?世界各地で未来人が蔓延ってもいいものを」
出木杉「……野比くんの母君は何者だ?」
のびママは
>>103
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/03/07(日) 15:51:09.48 ID:LwhMpgrQO
未来と過去を取り持つタイムパトロールの一員
104 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/09(火) 17:50:59.15 ID:Q4xm0x9U0
ママ「ところで……『スパイセット』って便利な道具ですよねぇ」
出木杉「ッ!?」
ママ「気まぐれに他人の家を覗き見ることだってできる。暇つぶしにももってこいです」
出木杉「くっ、早く逃げないと」カチャカチャ
ママ「いえ、特に深い意味は……はい、それでは」ピッ
出木杉「よし、部屋を出られた」
ママ「まあ逃げることないじゃないの」ヌッ
出木杉「わっ!!」
ママ「そこで見てるのは……のび太のクラスメイトの、出木杉くんだったかしら?」
出木杉「……なんで」
ママ「なんで分かったのか、ですって?ドラちゃんの道具はすべて私たちタイムパトロールが支給した物だからよ。本人は安物をレンタルしてると思ってるようだけど」
出木杉「管理者権限ってわけか……って、『私たち』ってことは」
ママ「そう、私もタイムパトロールの一員よ」
105 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/09(火) 18:00:59.67 ID:Q4xm0x9U0
ママ「詳しいことを話すと、さっき君も言ってた『なぜのび太のところにしか未来人が干渉してこないのか』」
出木杉「……」
ママ「私たちタイムパトロールは、ある日時空の歪みを察知した」
出木杉「時空の歪み……」
ママ「そしてそこからは、この今いる世界からは分岐した別の時間軸が生まれたの」
出木杉「それってまさか」
ママ「そう、ドラえもん達のいる時間軸。言わば『ifの22世紀』ってところかしら」
出木杉「……そうか。いくらなんでもたった200年程度であんな技術が開発されるなんておかしいと思ったんだ。文明の進歩するスピードが尋常じゃない」
ママ「察しが良くて助かるわ。そしてタイムパトロールはその時間軸とコンタクトを取った。するとその時間軸は存在が不安定だと発覚したの。なんでかって言うと、その時間はどの過去ともつながってない。独立している時間軸だった」
出木杉「それで、この時間とつなげようとした?」
ママ「そう。そこで、試験的に未来のロボットをこの時間に送り込むことになった」
出木杉「それが……」
ママ「ドラえもんよ」
106 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/11(木) 21:59:44.86 ID:2WaFfGjy0
ママ「そして、それと同時に『ifの22世紀』に蔓延っていたひみつ道具というテクノロジーをこの時間でどう活用できるか、の研究も始まった。でも悪用されちゃ困るっていうことで、明らかに時空の存続に関わるような使い方をできないようにタイムパトロールが改造したひみつ道具をドラえもんに持たせて、のび太に使うよう促させた。今していた電話はそれの定期報告よ」
出木杉「……なるほど。だから野比くんだったのか。純粋無垢な子供なら、子供たちの世界で上手く立ち回るだとか自分のささやかな欲求を叶えるだとかいうひみつ道具の使い方しかしない。間違っても犯罪まがいの事には使わないはずだ。それに野比くんなら、なおさら」
ママ「そう。のび太はひみつ道具の使用シミュレーションにまさに適格な人物だったの」
出木杉「……ちょっと待ってくれ」
ママ「……」
出木杉「今の言い方じゃあ、まるで数ある可能性の中から彼を『選んだ』みたいな口ぶりじゃないか」
ママ「ええ」
出木杉「っていうことは……」
ママ「そう。私はのび太の本当の母親じゃない」
107 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/11(木) 22:08:23.52 ID:2WaFfGjy0
出木杉「……」
ママ「意外ね。もっと驚くと思っていたのだけれど」
出木杉「驚いてますよ。感情を表に出さない訓練は嫌になるほどやってきた。でも、どうしてそんなことを僕に?」
ママ「長いことこんなことをやってるとね、秘密を共有する人間が欲しくなるものなの。政府の役人は人間味がない。タイムパトロールの仲間は年に数回、少ししか会えない。ずっと本当の自分を押し隠しているのは案外つらいのよ」
出木杉「僕が口の軽い奴だっていう可能性は?」
ママ「そこは対策をしてある。これを見て」
出木杉「……これは、『あらかじめ日記』」
ママ「そう。ここには『×月△日、出木杉英才は野比玉子から聞いたことを野比玉子以外の誰にも共有できない』と書いてある」
出木杉「なるほどね。そりゃ安心だ」
ママ「ああ、何だかすっきりしたわ。ありがとう」
出木杉「……野比さん」
ママ「まだ何か質問?」
出木杉「いや。ただ、
>>108
ってだけ」
ママ「ッ!?」
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/03/11(木) 22:12:36.06 ID:Ach6xzoYo
野比くんの本当のお母さんはどうしたのか
109 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/11(木) 22:28:20.68 ID:2WaFfGjy0
出木杉「いや。ただ、野比くんの本当のお母さんはどうしたのかってだけ」
ママ「ッ!?」
出木杉「その顔、やっぱり」
ママ「……何のことかしら」
出木杉「野比くんの本当のお母さんは」
ママ「……殺した、わけじゃない。ただ、消えただけ」
出木杉「へぇ」
ママ「歴史を書きかえた。もう『野比玉子』は私なの。あの人は誰の記憶からもどんな記録からも消え去った。この時間から消えた」
出木杉「最初からいないことになってるから殺したってわけじゃない、か。随分なことをするね、タイムパトロールってのは。存在を消した本人には記憶が残ってるってのもまた凄いやり口だ。一人の人間を消した罪悪感と贖罪の気持ちでこの仕事を辞めさせないってとこかな、辞めて秘密をバラされたら困るから。タイムパトロール、なんかヤバいことでもやってるんじゃないのかい」
ママ「……なぜ分かったの」
出木杉「あ、当たっちゃった?適当な推理だったんだけど」
ママ「あなたは想像以上の人間だったようね。いいわ、漏らされる心配もないしあなたにだけは言う。タイムパトロールの秘密」
出木杉「……」
ママ「……タイムパトロールは、
>>110
」
110 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/11(木) 22:41:00.80 ID:2WaFfGjy0
踏み台ー
もう離脱する
水曜日更新できんくてすまんかった
タイムパトロールの秘密いいやつ頼むわ
111 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/13(土) 17:44:04.54 ID:3soqpRJj0
さすがに無茶振りがすぎたか……?
一応安価
>>112
で仕切り直し
何日か待って来なかったら自分で考えるわ
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/03/13(土) 17:46:49.02 ID:QXT+cCcqo
宇宙の全可能性を管理下に置こうとしている
113 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/13(土) 19:09:25.62 ID:MPJbrVzq0
>>112
ありがとう レスしてみるもんやな
ママ「……タイムパトロールは、宇宙の全可能性を管理下に置こうとしている」
出木杉「宇宙の全可能性?」
ママ「ええ。タイムパトロールは唯一時空の中を自由に移動することができる存在。それを利用して、全ての可能性を管理下に置こうとしている」
出木杉「ふーん、要は宇宙の支配者になるってこと……まるでヒーローものの悪役かなんかみたいな目的だ」
ママ「本当なの。私はそれを知らずにタイムパトロールに入った。そしてタイムパトロールの秘密を知った時には、もう戻れなかった」
出木杉「玉子さんを消したから」
ママ「……そう」
出木杉「ふーん。ちなみにそれは何年くらいで達成されそう?」
ママ「遅くても、5年ほど」
出木杉「5年。ずいぶん短いタイムリミットだね」
ママ「あっさりしてるのね」
出木杉「まあね。それを知ったところでどうにもできないし」
ママ「それなんだけど、頼みがあるの」
出木杉「タイムパトロールを潰せ、って?」
ママ「……ええ」
出木杉「……初めっからそれを言うつもりだったのかい」
ママ「そう。あなたが野比家を観察しようとしたのも、『あらかじめ日記』に書いておいたからよ」
出木杉「全部計画通りってわけ。なんか腹の立つ話だね」
ママ「それはごめんなさい。でも私は本来この時間にいてはならない存在だから、限られた人間としか関われないの。あなたくらいしか頼れる人がいないのよ。だからお願い」
出木杉「頼み、か。僕はこれまでの人生の中でもたくさん頼みをされたことがある。宿題手伝ってとか、野球の助っ人をしてとか。全部なんてことはないことだ。僕には簡単すぎることだった」
出木杉「でも初めてだよ、この僕に一瞬でも『不可能』という言葉を想像させた頼み事は」
ママ「……そうよね、やっぱり荷が重すぎる」
出木杉「何を勘違いしてるんだい?僕は大いに宇宙を救う気だよ」
ママ「正気!?い、今ならまだ撤回できる。一時の感情に身を任せて人生を棒に振ることはないのよ」
出木杉「頼んできたのはそっちだろう。それに僕は味わってみたいんだ。『不可能』だと思ったことを実現できた時の達成感を。いいよ。僕はタイムパトロールを潰す」
114 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/13(土) 19:32:12.48 ID:FPms2Re80
ママ「……本気みたいね」
出木杉「ああ」
ママ「いつやるの?」
出木杉「作戦も練りたいし、そうだな……2週間後だ。それと、ひみつ道具のリストをこっちに送ってくれ。あと当日のためにコピーロボットも。ああ、あとスペアポケットも」
ママ「そう。じゃあ今送る」
出木杉「今?」
ママ「『どこでも窓』を使えば簡単よ」ヒョイヒョイ
出木杉「うわ、今言ったものが全部」
ママ「2週間後に決行ね。その時はスパイセットで見ているから」
出木杉「というか今気づいたんだが、もしもボックスを使えば全て解決じゃないか?」
ママ「駄目。ひみつ道具は全部タイムパトロールに改造されてるから」
出木杉「そうか、タイムパトロールに害をなすような使い方はできないのか」
ママ「そういう事。それじゃ、2週間後に裏山で落ち合いましょう」
出木杉「ああ」
115 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/13(土) 21:10:30.37 ID:FPms2Re80
〜2週間後〜
出木杉「ついにやってきたか、決戦の日が」
出木杉「この2週間練ってきた作戦がうまくいけばいいが」
出木杉「それはさておき、コピーロボットのスイッチオン」ピッ
コピーロボット「……」ピカー
出木杉「うおっ」
コピー出木杉「……」
出木杉「あ、できた」
コピー出木杉「僕は何をすればいい?」
出木杉「簡単なことさ。君は僕の代わりにいつものような日常を過ごしていればいい」
コピー出木杉「わかった」
出木杉「じゃ、行ってきます」ガチャ
〜裏山〜
出木杉「さて、着いた」
スパイセット「意外と早かったわね」
出木杉「お、玉子さん。待ちましたか」
スパイセット「いや、今来たところよ。同行できなくて申し訳ないけど」
出木杉「ま、それなりに頑張りますよ。宇宙を救いに行くなんてゾクゾクする」
スパイセット「じゃあ行きましょうか」
出木杉「よし。『どこでもドア』、タイムパトロールの本拠地に開け」ガチャ
出木杉(僕の人生で『できないかもしれないこと』をやりに行くのは初めてだ。何だか興奮してきたぞ)
出木杉(さて、タイムパトロール。せいぜい楽しませてくれよ)スタスタ
116 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/13(土) 21:11:43.88 ID:FPms2Re80
今日はここまで
ちな出木杉編でこのスレ終わりにする予定だからそこまでよろしくな
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/03/13(土) 22:33:58.35 ID:1uI7b3i8O
乙
しずかちゃんやドラミちゃんやセワシくんはやらないの?
118 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/14(日) 06:39:21.69 ID:b6WPk4Xy0
>>117
おつあり
まあこれで一区切りって感じだけどこれからもスレは立てるから気が向いたらドラスレもやるかもしれん
その時は酉一緒にするつもりだからわかると思う
かもとかつもりとか多くて申し訳ないが
119 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/14(日) 16:27:05.79 ID:Bl9cmng80
〜タイムパトロール本拠地〜
出木杉(よし、ここまでは順調だ)
出木杉(そしてすぐさま『透明マント』を被る。まあこれは侵入するなら定石だな)
出木杉(さて、僕の目の前には本拠地に行くための門とそれを守る見張りロボットがあるのだが)
見張り1「なあ、昨日のあれ見たか?」
見張り2「あのアニメだろ?見た見た。まさかあんなことになるなんてな」ペチャクチャ
出木杉(乗り越えてもバレなさそうだ。そーっと、そーっと)
見張り1「全てを封印するなんて言い出すんだもんな」
出木杉(バレてないバレてない)
見張り2「ああ、あいつの行動理念は分からないでもないけどもう少し伝え方はあったよなぁ」
出木杉(静かに静かに、音を立てずに)
見張り1「それにしても、ちゃんちゃらおかしいよな」
見張り2「ああ、おかしいや」
出木杉(……こっちを見た?まさか)
見張り1「透明になったくらいで隠れた気になってるなんてな」
見張り2「なぁ、そこの人間」
出木杉「……ロボットだしな、サーモグラフィかなんかを使ったのか」
見張り1「ご名答」ジャキッ
見張り2「こんな人間のガキ、応援を呼ぶまでもないか。おい、早いとこやっちまおう」ジャキッ
出木杉「機関銃か。マジにやる気だな」
見張り1「あったり前よォ!」バババババ
出木杉「『ヒラリマント』ッ!」ヒラリ
見張り2「何だと!?こいつ、ひみつ道具使いだ!クソッ、中々当たらねえぞ!」バババババ
出木杉「行け、『ころばし屋』!」チャリン
ころばし屋「……」バキューン
見張り1「おっ!?」ドテッ
見張り2「相棒!」
出木杉「余所見してる余裕は――」スッ
見張り1「イテテ……テメェよくも!」
見張り2「って何だこれは?……あッ、まさか!」
出木杉「ないんじゃあないのか?」ニヤリ
見張り2「『手りゅう弾』だ!」
見張り1「うっ、間に合わな」
ドゴォォォォォン!!!!
出木杉「爆発ってのはうるっさいな……それにしてもさすがヒラリマントだ、僕には傷一つついてない」
出木杉「この機関銃は使えそうだ。持っていくか」
玉子(やるわね……)
120 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/14(日) 22:09:07.56 ID:Bl9cmng80
出木杉「で、玉子さん。ボスはどこ?」
スパイセット「いきなりボス?」
出木杉「最初の頃のあなたみたいに何も知らされてない下っ端だって多いかもしれないしね。それに、統率者を失った軍隊は赤子同然だ」
スパイセット「そういうことなら、軍事隊長がいるのはそこを行って右に曲がって突き当りを左に行った先の部屋」
出木杉「オーケー」タタタタ
武装タイムパトロール「さっきの爆発音は一体……って、なんだこの子供は!」
出木杉「ヤベ、透明マント被るの忘れてた」
武装「こちら番号172!侵入者を確認!場所は」
出木杉「『ショットガン』ッ!」バシュンッ
武装「ぐっ!き、貴様ァ!」ジャキッ
出木杉「喋ってるヒマがあるのかッ!」ズババババ
武装「ぐあああああ!!!」バタ
無線「172!?どうした172!応答せよ!」
出木杉「無線か。よし、『コピーロボット』のボタンをこいつに押させる」ポチ
無線「172!」
コピー武装「こちら172。申し訳ありません、何でもありませんでした。新顔がいたもので」
無線「なんだよ、ハハハ。お前意外とそそっかしかったのか」
出木杉「172さんの株を下げてしまったが、まあいいや」
121 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/14(日) 22:10:05.47 ID:Bl9cmng80
今日はおわり
こんな牛歩で完結できるんかこれ
まあいつかはできるでしょ(適当)
122 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/15(月) 17:35:58.32 ID:Pe23u3Sa0
>>120
×『ショットガン』
〇『ショックガン』
今気づいた、すまん
123 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/15(月) 17:44:46.53 ID:Pe23u3Sa0
出木杉「右に曲がって突き当りを左に行った先の部屋……」
出木杉「あ、ここか。よし、行けコピー」
コピー武装「失礼します」コンコンコン
軍事隊長「入れ」
コピー武装「はい」ガチャ
出木杉(よし、透明マントを被って侵入)
軍事隊長「どうした」
コピー武装「実は」ウンタラカンタラ
軍事隊長「そうか……うん……ほう……」
出木杉(コピーに適当なことを喋らせておいて、僕はショックガンで奴を狙う)
コピー武装「そして」ドウタラコウタラ
出木杉(あいつ適当なこと言うの上手いな。コピー元がそうだったのか?)
軍事隊長「ところで……」
出木杉(おっ、体勢を変えたか。今だ!)
コピー武装「何でしょう」
軍事隊長「どうしてお前から……心臓の音がしない?」
出木杉(なッ!?)
コピー武装「心臓の音……ま、まさか。そんなはずは」
軍事隊長「やはり」ズイッ
コピー武装「うっ」
軍事隊長「カン違いじゃあないようだな……こんなに耳を近づけてもお前からは機械が動く音しか聞こえない。鼓動は……そっちの方から聞こえる」
出木杉「……」
軍事隊長「なあ、小さな侵入者さんよ」
124 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/15(月) 18:06:58.61 ID:Pe23u3Sa0
出木杉「体温の次は鼓動の音か。それはさすがに想定外だった」
軍事隊長「褒め言葉として受け取っておくぜ。何しろ俺は目がイカレちまってるからな、耳はよく聞こえるんだよ」スチャ
出木杉(だからサングラスを掛けていたのか……)
軍事隊長「さて、何の用があってここに来たんだ?見たところ、パンケーキと一緒に紅茶でもどうぞってムードじゃあなさそうだ……俺は紅茶はアールグレイが好きなんだ。お前さんはどうだ」
出木杉「……ダージリンかな」
軍事隊長「ほう、ダージリンねェ。好みが二つに分かれるところだよなァ、ダージリンとアールグレイって。っていうか俺さァ、紅茶にも花言葉みてーなもんは無いかとこの前調べてみたんだよ。でもこれがどうも無いらしんだよ。笑えるよなぁ、ありそうなもんなのに。そんでよォ、話は変わるけど俺ぁ野菜ん中だとアスパラガスが好きなんだよなァ。なんと言っても形が笑えるよなあれは。何だか笑えてこねえか?あの形は。あ、笑えない?全然?そうかそうだよな、ハハハハハ!!」
出木杉(……なんなんだ、こいつ?)
軍事隊長「ちなみにこれは豆知識なんだが、アスパラガスって漢字だと竜の髭の野菜って書くんだぜ。いやァー、言い得て妙だよなァ。竜の髭。うん、あの形にぴったりだぜェ」
出木杉「……さっきから何が言いたいんだ?」
軍事隊長「アスパラガスも花が咲くからよォ、紅茶とは違って花言葉があるんだよ……何だか知ってるか?」
出木杉「花言葉?確か…………あッ、『私が勝つ』」
軍事隊長「さて……お前の墓前にはアスパラガスの花でも供えてやるよ。来な」
125 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/15(月) 22:23:48.22 ID:Pe23u3Sa0
出木杉(ん?ちょっと待てよ。アスパラガスの『形』がどうとか言っていたが、こいつの目は……)
軍事隊長「あ、ちなみに俺が失明しちまったのは5年くらい前のことだから、アスパラの形くらいは知ってんだよ」
出木杉(ああ、ムダな疑問だったか)
軍事隊長「本当は見えてるとか思われたら心外だからな。嘘をついてると思われんのは何より嫌いだ」
出木杉(ふうん、武士道ってやつ。奴なりの哲学があるってことかね)
軍事隊長「さて仕切り直しだ。一応言っておくが、俺に飛び道具は通用しないぞ」
出木杉「そりゃ怖いや。でも、ハッタリかもしれないなッ!」バシュンッ
軍事隊長「……」
出木杉「……本当だったか」
軍事隊長「ひみつ道具ってのはタイムパトロールに危害を加えられないように改造してあるってのは知ってるか?ま、そこら辺の下っ端には効いたかもしんねえけどよ。あいつら何億人もいるから、いちいち注射とかしてらんねえんだ」
出木杉(注射……たぶん、何らかの成分を注射してそれを持つ者には攻撃ができないように改造してるってことかもな)
軍事隊長「そういや、まだ名乗ってなかったな。俺はタイムパトロール軍事隊長、サナト・セルヴァン・ゴルーグ。気軽に名前で呼んでくれや」
出木杉「へぇ、ゴルーグさん。覚えとくよ、僕の名は出木杉」
ゴルーグ「出木杉ね。おい出木杉、これから戦うんだから手の内を明かしておくぜ。俺は刀使いでな、これが俺の愛刀だ」チャキ
出木杉「日本刀か。じゃ、『名刀電光丸』」
ゴルーグ「ほう。名刀電光丸と言えば、あれか。全自動で動かすことができる刀か」
出木杉「ああ。ま、あなたみたいな玄人と戦うには正攻法じゃ無理だろう?」
ゴルーグ「ま、たしかにごもっとも。でも、タイムパトロールの俺にその自動操縦機能が使えるかな」
出木杉「……」
ゴルーグ「そこは……気づいてなかったかァ!」ブンッ
出木杉「ふん!」ギィン
ゴルーグ「なにッ!?」
出木杉「はっ!」ザシュッ
ゴルーグ「ぐはぁぁぁっ!」ブシュッ
出木杉「……やった」
ゴルーグ「……へへへ、何だよ。注射の効果が切れたか?」
出木杉「いや。自動操縦機能はオフにしてある」
ゴルーグ「じゃあ、何故」
出木杉「剣技はさんざん練習したからな、こいつの自動操縦機能で。何回も振り回していれば大体太刀筋ってやつは覚えられる」
ゴルーグ「その剣技、二日三日で覚えたんじゃあなさそうだな」
出木杉「ああ、『逆時計』で何度も時間を巻き戻したから。実質1年間くらいは練習したんじゃないかな」
ゴルーグ「1年でそんな技術を……お前、面白い。面白いよ」
出木杉「玄人に言ってもらえると嬉しいよ」
126 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/15(月) 22:27:10.39 ID:Pe23u3Sa0
今日はおわる
は?こいつ目見えとらんのにアスパラの形知っとるやん!やべっ矛盾点回収せな!ってなったよゴルーグさん
うん、推敲大事
それはそうと一日にあんまり多い量更新できなくてすまない
時間がな、時間がないんだ
127 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/16(火) 22:38:30.53 ID:xZpPLARc0
ゴルーグ「俺も、ちぃと油断しちまったな。それほどの使い手とあらば、本気を出さない方が失礼ということよ」
出木杉「……油断、していたのか。あれほどの力で」
ゴルーグ「はッ!」ブンッ
出木杉「くっ!」シュバッ
出木杉(速い……避けるだけで精一杯だ)
ゴルーグ「おいおいどうしたぁ!?」ブンブンブンッ
出木杉「ぐあっ!!」ブシュッ
出木杉(くそ、当たってしまった。さっきも言ったがこりゃ正攻法じゃ勝てないな)
出木杉(…………閃いた)
ゴルーグ「はァ!」ブンッ
出木杉「ふっ」シュバッ
ゴルーグ「避けているばかりじゃあ勝てないぞッ!」
出木杉(よし、やれコピーロボット!)
コピー武装「……」ダダダダダ
出木杉(僕とコピーでこいつの周囲を走り回る!)ダダダダダ
ゴルーグ「……ん?」
出木杉(こいつは超人的な聴力で僕の位置を推し量っている。コピーと僕が同時に音を立てればどちらが僕かは分からないはずだッ!)
出木杉(そしてタイミングを見計らってショックガンでこいつの刀を撃ち落とす!こいつ本体には無理だが、刀ならひみつ道具の効果が発動できる!)
出木杉(よし、これで僕の勝ちだッ!)
ゴルーグ「……ほーう、なるほどね。そうきたか」
出木杉(今だッ!)バシュンッ
ゴルーグ「ふん!」ギィン
出木杉(か、刀でエネルギー弾を弾き飛ばしただとッ!?)
ゴルーグ「ははははは!!!!おい出木杉、お前なかなかやるな!!コピーロボットを使って攪乱させるとは!!俺にここまで食らいついた奴は久しぶりだぜ。でも今回は…………」
ゴルーグ「俺の勝ちだ」
128 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/16(火) 22:44:18.11 ID:xZpPLARc0
1レスだけで今日は終わるわ
いやもうマジで時間がないんだ、すまんな
一日50時間くらいあればいいのに
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/03/17(水) 01:26:59.01 ID:C5hYd+w00
乙
130 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/17(水) 22:06:49.79 ID:x8lynbhN0
ゴルーグ「はッ!」ゴォッ
出木杉(何ッ!?もの凄く的確に僕の方に……)
出木杉「があああ!!」ブシュッ
ゴルーグ「へへへへ……」
出木杉「……何だ、また鼓動の音か?」
ゴルーグ「そんなもん足音にかき消されて聞こえねえよ」
出木杉(それなら一体どうして……)
出木杉(こいつは僕を聴力じゃあないもので感知しているって言うのか?)
出木杉(……目が見えない人……目が……目が見えない……)
出木杉(……全く思いつかないな。はぁ、そういえば目が見えないと言えばコウモリ……)
出木杉(ん?コウモリ……コウモリ!?まさか!)
出木杉「……引っかかることはあった。僕が最初にあんたに出会ったとき、あんたは僕のことを『小さな』侵入者って言ったよな。目が見えないはずのあんたが。ということは、あんたは『聴力』以外に周りの様子を感じる術をもってるんじゃあないか?」
ゴルーグ「ほう、そこまで気づいちまったか」
出木杉「ここで、コウモリは目が見えない。でも洞窟や森の中をどこにもぶつからずに飛び回れる。それはなぜか?」
出木杉「そう……」
出木杉・ゴルーグ「「『超音波』を使っているから」」
131 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/17(水) 22:25:38.87 ID:x8lynbhN0
出木杉「ッ……やっぱり」
ゴルーグ「適当な推理にしちゃあよくやった。俺の能力を見破ったのはお前が初めてだ」
出木杉「どうして超音波なんて。人間のなせる業じゃあないだろう」
ゴルーグ「Time surgery――時間を自由に行き来できるようにするための手術みたいなもの――を受けると、まれに能力が発現する奴がいるらしい。俺もその一人だったってこった」
出木杉「……くそ、とんだ後出しジャンケンだ」
ゴルーグ「はっ、違えねえ」
出木杉「だが、そうと分かればどうにかできるかもしれん」
ゴルーグ「そうかよ。俺も舐められたもんだぜ」
出木杉(でもダメージは互角……とは言えないか。こっちが若干不利)
出木杉(こうなったら……)
どうする?安価
>>133
※先述のようにひみつ道具はタイムパトロールに危害を加えるような使い方はできないため、武器系のひみつ道具(無敵砲台、空気砲、熱線銃、ジャンボガン等)を直接ゴルーグに使うことはできない またもしもボックスやあらかじめ日記や独裁スイッチ等の時空改変系も無理
なお先ほど出木杉がやろうとしたようにゴルーグの刀にショックガンを撃つなどの『直接』攻撃じゃなければひみつ道具も使える
132 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/17(水) 22:27:37.07 ID:x8lynbhN0
久しぶりに安価振って寝る
これは踏み台な、じゃまた明日
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/03/19(金) 11:36:06.63 ID:gCDKTGyWO
トリセバッグでのび太の担任
(ブチギレ状態で周り見えてない)召還
倒すのは無理でも効果は抜群のはず
134 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 20:41:13.48 ID:UwmoKswo0
出木杉(『取り寄せバッグ』、これを取り寄せてくれ)
ゴルーグ「あ?何やってんだ……ほう、バッグ?ひみつ道具でバッグと言えば、なんでも欲しいものを取り寄せられるとかいうのがあったな」
出木杉「その通り……さあ、こいっ!」ズボッ
〜のび太たちのクラスの教室〜
先生「……野比はまだか」イライラ
児童1「今日も遅刻じゃないですか?」
先生「まったくこれで何度目だ!」
児童2「198回です」
のび太「すいませーんちょっと遅れましたー」
先生「んんんんんんん」
一同(あ、爆発寸前だ)
先生「……」ヒュン
一同「えぇ!?!?先生!?」
のび太「今のは……取り寄せバッグ?いや、考えすぎか」
〜出木杉ら〜
ゴルーグ(奴は一体何を取り寄せたんだ……ん?)
先生(ブチギレ状態)「……」
ゴルーグ(人?少し体格は大きめか。40代くらいのおとk)
先生「野比ィィィィィ!!!!!!!!」
ゴルーグ「!?!?!?」」キーーン
先生「また今日も遅刻しおってぇぇぇ!!!それに昨日絶対に出せと言ったプリントが出ていないぞ!!!!!」
ゴルーグ「うっ、な、なんなんだこいつ」キーーン
出木杉「聞こえすぎる耳が仇となったな!今だぁぁぁ!!」ダダダダダ
先生「これを出さなくて迷惑するのは私じゃないんだ!!!!分かるか!!!!!縄跳びを仕入れる業者の方に迷惑がかかるんだ!!!!!!」
ゴルーグ「うぐっ」フラフラ
出木杉「飛天御剣流もどきぃぃぃぃ!!見様見真似・龍槌閃んんん!!!!!」ズドォォォォォン
ゴルーグ「ぐはぁぁぁぁぁ!!!!」バタッ
135 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 20:57:11.67 ID:UwmoKswo0
先生「……ん?なんだここは」
出木杉「あ、忘れてた」
先生「あれ、出木杉?出木杉じゃないか」
出木杉「『どこでもドア』、学校まで」ガチャ
先生「?」
出木杉「……さて」
ゴルーグ「……」
出木杉「気絶している……」
ゴルーグ「……ハッ」
出木杉「気づいたか」
ゴルーグ「なぜ俺は生きている」
出木杉「峰打ちだ」
ゴルーグ「なぜ止めを刺さない」
出木杉「人まで殺す覚悟まではないよ。犯罪だから」
ゴルーグ「……珍しいよ、お前。人を殺さない、いや殺せないのに強い。そんな奴初めてだ」
出木杉「どうも。じゃあな、あんたのことは覚えておくよ」
ゴルーグ「待てよ」ゴソゴソ
出木杉「?」
ゴルーグ「こいつを持ってきな」スッ
出木杉「それは……地図か?」
ゴルーグ「ああ。俺はお前に敬意を表する。今の俺はタイムパトロールの軍事隊長だとかじゃねえ、サナト・セルヴァン・ゴルーグという1人の人間だ。俺はお前を応援する」
出木杉「……うん。ありがとう」
ゴルーグ「おう。心配すんな、気絶して強奪されたことにしとく」
出木杉「それは、僕の凶悪性が増しちゃうな」
ゴルーグ「ははっ、そりゃそうだ。そんじゃ、本当にじゃあな。いつかまた会えると嬉しいぜ」
出木杉「僕も、いつか会えたら嬉しいよ」ガチャ
出木杉「……ふぅ」
スパイセット「まさか、ゴルーグ隊長を破るなんて」
出木杉「敵ながら天晴だったよ。立派な武士道を貫いていた。僕もゴルーグさんに敬意を表する」
スパイセット「そう。あの人はタイムパトロールの中でも本当にいい人だから。全宇宙の可能性だとかそういうことには興味がなかった」
出木杉「やっぱり」
スパイセット「ええ……じゃあ、お喋りはこの辺にして」
出木杉「ああ、いよいよタイムパトロールを潰す」
136 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 21:13:01.14 ID:UwmoKswo0
出木杉「で、コピーくんさ」
コピー武装「はい」
出木杉「僕この宇宙語かなんかの言葉が読めないんだけど、君なら読めるよな。この地図代わりに読んでくれない?」
コピー武装「わかりました」
スパイセット「あら、私じゃ不足?」
出木杉「スパイセットじゃここはこれでこれはこうでって指さして説明できないだろう」
スパイセット「まぁ、確かに」
コピー武装「えーと、何処へ行くのです?」
出木杉「ボスんとこ」
コピー武装「マジですか」
出木杉「マジもマジマジ大マジよ。さっきは軍隊の統率者を潰した。今度は組織の統率者だ……で、どこ」
コピー武装「これです」
出木杉「そう。じゃ、行くか」
137 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 21:21:38.86 ID:UwmoKswo0
武装「あっ、侵入者」
コピー武装「はっ」ズダダダダダダダダ
武装「……」バタッ
出木杉(近くで見てると割と怖い)
出木杉「ん、あれは何だ?」
スパイセット「さっきゴルーグ隊長も言ってた『Time surgery』を行う機械。この中に入ると自動で始まる。あなたもやってみる?」
出木杉「冗談。へぇ、まるで繭みたいだな」
コピー武装「それもいいですけど、早く行きましょう」
出木杉「うん」タタタタ
武装「ん?あれは侵入者じゃ」
コピー武装「はっ」ズダダダダダダダダ
武装「あべし」バタッ
コピー武装「お前はもう死んでいる……」
出木杉(倒れた後に言うことではないんだけどなそれ)
138 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 21:43:27.91 ID:UwmoKswo0
出木杉「ここか……」
コピー武装「どうするのです」
出木杉「うーん、玉子さん」
スパイセット「何?」
出木杉「ボスって一体どんな人?知ってることだけでいいんだけど」
スパイセット「私も又聞きの又聞きみたいな話だけど。彼もまた『Time surgery』で能力が発現したひとりだっていうのは確実だと思う」
出木杉「そうか……不確定要素だな。ボスにまでなったんだから相当な能力に違いないし」
スパイセット「ええ。だから、最初にそこのコピーを行かせるってのはどう?」
コピー武装「え、俺?」
出木杉「なるほど。よし、じゃあお前ボス殺して」
コピー武装「は!?」
出木杉「いや、本当にやれって言ってんじゃない。殺されかけたら絶対に能力を使うだろ?だからだよ」
コピー武装「あぁ、そういう。じゃ行ってきます」
スパイセット「ちょっと待って、今コピーロボットの視覚と聴覚を共有するから」
出木杉「うぉ。おー、すごいな。見える見える」
コピー武装「失礼します」
ボス「……」
コピー武装(威圧感すごいな……)
コピー武装「実はその……」
コピー武装(うーんどうしよう、緊張してきた)
出木杉「何やってんだあれは。どうせロボットなんだからドーンと行けよ」
ボス「……」
コピー武装「……ボス、死んでください!!!」ジャキッ
ボス「……」
コピー武装(うっ!!やっぱり威圧感がすごい!常軌を逸した能力を持っているんだろうと思わせる自信が感じられる!!!)
コピー武装「くっ……」ガタガタ
ボス「……どうした?殺すんじゃあなかったのか」
コピー武装(もし撃ったらどうなってしまうんだ!?その能力とやらで死ぬのか!?俺は本当はロボットかもしれないが自我がある!!番号172と同じ人格を持っている!!人間とどう違うって言うんだ!!死ぬのは嫌だッ!!!!)
コピー武装「あう、ああ、うう」ギギギギギ
出木杉「おい、何やって」
コピー武装「……」ヒュゥゥン
出木杉「電源が落ちた……?」
スパイセット「……情報を処理しきれなかったのかしら」
出木杉「なんて奴だ……」
139 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 21:50:11.67 ID:UwmoKswo0
ボス「……」
出木杉「コピーは電源オフだし、僕が行くしかなくなったな。少なくともすごい威圧感があるってことだけわかれば収穫だ」
スパイセット「じゃ、頑張って」
出木杉「ああ……」
出木杉(しかし、どうやって入ってく?僕が失礼しますも変だしな)
出木杉(えぇい、もう奇襲だ)
出木杉「うおおお覚悟ぉぉぉ!!!」ガチャァァァ
ボス「……」
出木杉「うっ!」
出木杉(なるほど、こりゃ威圧感がすごいや。チビっちまいそうなほどだよ。体がこいつと居ることを拒否してるって感じだ)
ボス「ほう、覚悟ときたか。で、私が何の覚悟をすればいいんだ?」
出木杉「その前に、あんたの能力って何?」
ボス「教えると思ったか?」
出木杉「一片も思っちゃいないよ」
出木杉(
140 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 21:51:07.84 ID:UwmoKswo0
あぁぁぁ途中だぁぁぁ
ちな今日明日明後日辺りに終わるかもだぜ
141 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 22:16:00.15 ID:UwmoKswo0
出木杉(どうしようか、突破口が見つからない)
ボス「ところで」
出木杉「……ん?」
ボス「お前、ゴルーグの奴に勝ったみたいだな」
出木杉(あの部屋に監視カメラの類は無かったはずだが……あッ!?まさかこいつの能力、千里眼か何かか!?いや、あるいは過去や未来を見通す能力の可能性もある!くそ、一体どっちだ)
出木杉「あ、あぁ……それがどうかしたか?」
ボス「いや。あいつは強かっただろう。3箇所も傷を負っているようだな」
出木杉(これは暗に『そんな体で挑んで勝てるのか?』と言っているのか?)
ボス「フフフ……」
出木杉(くっ、どうにもこうにも話が進まない。こうなったら)
出木杉「名刀電光丸」チャキッ
ボス「ほう、ゴルーグを倒した刀か」
出木杉「…………うおおお!!!」ダダダダ
ボス「いいのかッ!?」
出木杉「ッ!?」
ボス「私に攻撃して、いいのか?」
出木杉「な――」
出木杉(ま、まさか能力は『見通す』力ではない!?攻撃をコピーするとか、反射するとか、あるいは攻撃した人間を殺す能力!?十分にあり得る!!こいつはここまで登り詰めた人間だ、何ら不自然ではない!!)
ボス「躊躇っているのか」
出木杉「……」
ボス「まあ、話をしようじゃないか」
出木杉「……」コクリ
ボス「私が宇宙の全可能性を管理下に置こうとしているというのは知っているな?」
出木杉「ああ」
ボス「元々この組織を作ったのは私じゃない、私の父だ」
ボス「父は偉大だった。複数の時間軸の存在を発見し、時空を移動できる技術を開発し、持ち前のカリスマ性でこれほどの大きな組織を作り上げた」
ボス「だから私も、同じものを求められた」
ボス「何をするにもすぐに父を引き合いに出される。もちろん私も父のことは誇りに思っていたし、最初の頃はまだ我慢できた。私に父と同じことを期待する周りの気持ちも理解できた」
ボス「でも、時が経つにつれてそれは変わっていった」
ボス「誰も『私』という人間を見ていない。見ているのは『タイムパトロール創設者の息子』。私は次第に父の偉大さを恨むようになった」
ボス「しかし、そこでそれをバネに成長するというのが月並みな展開だろう」
ボス「だが私はそんな平凡な人間ではない。私はこう思った」
ボス「『私を苦しめた父の偉大さを最大の侮辱と共に汚そう』と」
142 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 22:31:15.72 ID:UwmoKswo0
出木杉(こいつ、極悪人ってわけでもないんじゃあないか?
出木杉(今の話、誰が悪いわけでもない。偉大な父が悪いわけでもない、父とこいつを比較した周囲がすべて悪いわけでもない、こいつが父の元に生まれた運命が悪いわけでもない)
出木杉(こいつが父の偉大さを汚そうと思ったのも、メンタルの問題だろう。普通の人間なら3km走るのは苦労すれどできるだろうが、喘息持ちでさらに熱が40度ある人間にはほぼ不可能と言っていい)
ボス「わかってくれたか?私がなぜ宇宙の全可能性を手中に収めようとしたか。もちろん褒められた行為じゃないってのはわかってるさ、でもそれならこの気持ちをどこへぶつければいいと言うんだ?私は弱かった。私にはこれしかなかったんだ」
出木杉(確かにな……むしろこいつは被害者とも言えるかも)
ボス「でもこのことは言わないでくれ。私は変な同情を買うのが嫌いなんだ」
出木杉「そうだな。誤解していて悪かった……」
出木杉(…………ん?)
出木杉(…………ん?)
出木杉(…………んんんん?????)
出木杉(もしかして……)
出木杉(
143 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 22:32:02.16 ID:UwmoKswo0
っだーもうShiftの野郎……
カッコ多いとミス増えるんだよ、すまん
144 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 22:48:54.34 ID:UwmoKswo0
出木杉(もしかして僕、今……)
出木杉「……あのさ」
ボス「なんだ?」
出木杉「もしかして今……」
ボス「……」
出木杉「……僕のこと、『上手いこと誤魔化した』んじゃあないか?」
ボス「………………」
出木杉「いや、それなら全部説明がつくぞ。最初のゴルーグさんに勝ったっていうのも透明ペンキを塗った監視カメラか何か付けてれば見られる。攻撃していいのかとか何とか言ってたのも、あれ全部ブラフなんじゃないか?」
ボス「…………………………」
出木杉「とするとあんたの能力は……『巧みな話術』ってとこか?」
ボス「………………………………」
出木杉「……え?あのー」
ボス「……………………………………」
出木杉「おーい」
ボス「…………………………………………な」
出木杉「え?」
ボス「………………………………………………なんでわかった?」ダラダラ
出木杉「……いや図星かよぉぉぉぉぉ!!!」
ボス「え、なんで!?だって今までずっとこれで通ってきたんだけど!?マジでバレちゃった!?!?えっちょっと待ってちょっと待ってありえないありえない」
出木杉「うーん、お前さぁ……」
ボス「ええええええーと、とっとととりあえずその刀をしまって」
出木杉「飛天御剣流・九頭龍閃んんんん!!!!」
ボス「ぐっはあああああ!!!!」ドォォォォン
145 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 22:57:00.04 ID:UwmoKswo0
出木杉「とんだ大嘘つき野郎だった……」
スパイセット「えぇ……本当にやっちゃったのあなた……」
出木杉「むしろなんでアレが今までうまくできてたのかが疑問だよ」
スパイセット「それまでにあいつの話術はすごかったってことでしょう。何たって能力だし」
出木杉「僕がたまたま冷静になって考えたから見破れた……」
スパイセット「いや、うん。本当凄いと思う。ありがとう。ボスがいない今、じきにタイムパトロールは崩壊するでしょうね。あなたのおかげよ」
出木杉「そうか。じゃあ、僕の役目は終わりかな」
スパイセット「ええ……お疲れさま」
出木杉「意外とあっさりしていたがな……あ」
スパイセット「どうかした?」
出木杉「いや。うん、ちょっとトイレ」
スパイセット「そう。トイレなら、地図のそこ。あー、その人の絵が描いてあるところ。日本と大体同じマークの」
出木杉「そうか。悪い」スタスタ
146 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 22:57:35.24 ID:UwmoKswo0
出木杉(この繭のような機械……)
出木杉(
147 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 22:59:35.26 ID:k13T4UEJ0
最後の最後ォ!!
出木杉(この繭のような機械……)
出木杉(この機械を使えば……)
出木杉(時空を移動する力が手に入る)
出木杉「宇宙の全可能性……フフ、悪くない」
おわり
148 :
◆pYYJkGKpMM
[saga]:2021/03/19(金) 23:04:38.81 ID:UwmoKswo0
これにて終わりぃ!!
安価スレは初めてだけど思いもしない方向に話が飛んで行くから面白かったよ
>>118
でも言ったけど気が向いたらドラスレも立てるからそん時はよろしくな
ついでにこれからも酉同じにしてss書くからちょっと覗いてくれると嬉しい
すごく楽しかったよ。このスレを一目見てくれた人、安価取ってくれた人、このスレに関わってくれたすべての人達ありがとう!!感謝しかない!!お前ら最高だ!!
じゃあまたいつかな
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