このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください

【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

38 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/17(水) 21:43:38.08 ID:InZo0qy40

爆音。

痛みを感じるほどの轟音と共に凄まじい爆風で思わずへたり込んでしまった。
バラエティのジョークなんかじゃない、正真正銘本物の爆発だ。

樹里「……マジ、かよ」

今の一瞬、樹里が手を離すのが遅れ、逃げそびれていたら……
間近で衝撃を受けた樹里は無事ではなかっただろう。
それこそ、大火傷……で済めばいいレベル。

霧子「……怪我、ないかな……?」

樹里「あ……くそっ、足捻ったか」

智代子「あ、ああああああ……な、なにこれ……」

愛依「マジイミフなんだけど……」

甜花「じ、自爆……?」

小糸「ぴぇっ……」

透「え……モノクマ、死んだ?」
39 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/17(水) 21:45:13.49 ID:InZo0qy40

モノクマ「もー!こんなに早くスペアを出すことになるなんて!現代の若者はキレやすいって聞いてたけど限度があるよ、限度が!」

めぐる「わっ?!また出てきた!」

甘奈「一体だけじゃなかったの?!」

モノクマ「当然!モノクマは量産体制ラインが組まれて、学園の至る所に配備しておりますとも!」

樹里「マジかよ……」

咲耶「……つまり、逃げ場はないということだね」

モノクマ「ま、今ので分かったでしょ。ボクは本気だよ。さっき言った言葉もガチのガチ!誰かを殺さない限り、この学園からオマエラは出ることもできません」

樹里「……っ!」

モノクマ「それが嫌ならここでの生活を受け入れることだね!アーッハッハッハッハ!」

モノクマの笑い声だけが響く。
目の前で起きた非現実的な出来事、自分たちの身に降りかかった非現実的な運命。
いくつもの非現実が押し寄せたことで全員がパンク状態に陥っていた。
40 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/17(水) 21:47:50.75 ID:InZo0qy40
……それから、どれくらいの時間が経ったのだろうか。
モノクマがいなくなっても、私たちは何も言葉を発することができずにただ黙って立ち尽くしていた。

しばらく時間が経ち、体に走る最悪な熱が徐々に冷めていくと、次に湧き上がってきたのは、【疑念】。

気がつけば、全員が周囲を見渡していた。

今隣に立っている彼女ももしかすると殺害を企てているかもしれない。

万が一にもそんなことはない、そうは思っていても拭いきれない疑心暗鬼。
そんな暗く重たい心の靄が広がっていくのを感じる。

「……死にたく、ない」

それを口にしたのは誰だったか、私だったか。

もう昨日までの私たちじゃいられない。

ただ単純な【仲間】であることを剥奪された、私たち16人。

______そんな最悪で絶望的な合宿生活が幕を開けたんだ。

41 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/17(水) 21:49:56.54 ID:InZo0qy40
-------------------------------------------------


PROLOGUE

わたしたちの絶望学園

END

生存者数…16人


-------------------------------------------------
42 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/17(水) 21:53:07.89 ID:InZo0qy40
初回の更新はここまでです。
次回以降CHAPTER1に入ります。
スレタイに入れそびれましたが、ロンパSSの伝統に基づき進行は一部安価・コンマを採用予定です。
シナリオ自体が安価に左右されて変わるようなことはございませんが、どうかご参加いただけると幸いです。

ゆっくり更新していきます。
よろしくお願いします。
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/17(水) 22:17:43.86 ID:h0HJV0DLo
おつ
きたい
44 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 20:51:08.27 ID:JfSDS4Iy0
本日も21時より少し一章を更新します
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/18(木) 20:51:43.99 ID:BM5Jx7E8o
待機
46 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:01:30.25 ID:JfSDS4Iy0
-------------------------------------------------


CHAPTER01

絶望レッスン


-------------------------------------------------
47 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:02:16.09 ID:JfSDS4Iy0
あれからどれくらい時間が経ったのだろう。
私たちは体育館からモノクマが姿を消してからも無言のまま向き合っていた。

誰かが、もしかして……ここから脱出するために……

そう考えるとキリがない。
疑心暗鬼の渦の中、重苦しい空気だけが漂っていた。
しかし、そんな中彼女だけは意ともせず、ポツリと呟いた。

透「え?これいつまでやるの?」

(……!)

円香「……浅倉」

透「あー……いや、ここにいてもしょうがなくない?」

小糸「と、透ちゃん……」

透「ね、とりあえずは行こうよ。学校の中、見なきゃでしょ」
48 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:03:02.45 ID:JfSDS4Iy0
-------------------------------------------------

モノクマ「あ、そうそう。朝礼は済んだから体育館の鍵も開けといたよ。寄宿舎には一人一部屋用意してあるからそこで寝泊まりしてもらいます」

モノクマ「各自部屋にそれぞれの電子生徒手帳を置いてあるから受け取っといてよね!」

-------------------------------------------------

確かに、モノクマは最後にそう言っていた。

めぐる「うん!そうだね!とりあえずは探索から!」

灯織「め、めぐる……」

めぐる「もー、灯織?……それにみんな心配しすぎだよ!」

真乃「ほわっ……」

円香「……まあ、同感」

めぐる「おっ、円香もそう思う?」

円香「ここにいてもただ精神を消耗するだけ、殺しなんてそうそうすぐには起きないだろうし……できることからやるべきじゃない?」

樹里「……そっか、そうだよな」

霧子「うん……わたしも、賛成かな……」

摩美々「まぁそうだよねー、ここにいても仕方ないしー」
49 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:03:41.13 ID:JfSDS4Iy0
樹里「別にあいつが勝手に言ってるだけで脱出方法もあるかもしれねーしな!」

智代子「そうそう!わたしたち16人もいるんだし、きっと何か見つかるよ!」

灯織「うん……そうだね」

いつもの活気が戻ってきた。そう、私たちは283プロのアイドル……みんなの間にある信頼、絆はそう簡単に切られるものじゃない。

コロシアイなんか……絶対にしない。

さっきまでの不安がどこか遠くに行ったようで体が軽くなる。

真乃「灯織ちゃん、めぐるちゃん……絶対一緒に脱出しようね!」

めぐる「もちろん!モノクマの好きにはさせないからね!」

灯織「……うん、絶対に帰ってみせる」

私たちは体育館を後にした。
50 :お試しで安価を出してみます ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:04:40.00 ID:JfSDS4Iy0
【学校エリア 1F廊下】

灯織「ここが……希望ヶ峰学園……」

廃校と聞いていた割には学校自体は綺麗。埃っぽくもなく、照明も新しいものを使っているようでとても明るい。ただ、廊下にも窓はなく、乱暴に打ち付けられた鉄板が壁には並んでいる。まさに無機質といった言葉がぴったりな印象を受ける校舎。

咲耶「……どうする?ある程度分担した方がいいかな?」

樹里「だな……最終集合地点は寄宿舎方面として、後はユニットに分かれて探索するか?」

甘奈「うん、それがいいと思う……愛依ちゃん、甘奈と甜花ちゃん二人じゃ心配だから一緒に来てくれないかな」

愛依「オッケー、うちもさすがに一人じゃ心細いから頼むわ!」

透「じゃ、うちらはうちらだ」

灯織「イルミネも大丈夫」

咲耶「よし、それじゃあ学校エリアの探索が終わり次第寄宿舎エリアに向かうということで。そのあと情報の共有をすることにしよう」

そうしてユニットごとの探索が最初の方針に定まった。体育館前の廊下から3人、4人と消えていき……イルミネの3人が残った。

めぐる「よしっ、わたしたちも行こう!」

真乃「うん!脱出の手がかり、見つけないと……」

灯織「大丈夫、みんながいるから……」

(よしさっそく学校エリアの探索だ……どこから行こうかな?
1.玄関ホール
2.視聴覚室
3.購買

安価下2
51 :安価出そうにないので上から順に回します ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:15:16.13 ID:JfSDS4Iy0
【玄関ホール】

モノクマの口ぶりからして期待はしていなかったけど、それにしても異様だ。
学校の玄関なんて本来は靴箱が並んでいたりするものだけど、ここは巨大な金庫のようなもの、それこそ私が寝そべっても10人以上並ぶほどの横幅の壁が聳え立つのみ。

愛依「でっけ〜〜〜…………」

甜花「防衛、シェルター……?」

甘奈「こんなにめちゃでかい扉……見たことないよ」

灯織「アルストに愛依さん……」

愛依「おっイルミネっち、乙乙ー」

甘奈「おつー☆」

甜花「お疲れさま……」

めぐる「このでっかい金庫みたいなのが希望ヶ峰の玄関なのかな……?」

甘奈「みたいだね、そうとう扉自体分厚いみたいだし……甘奈たちでどうにかできるようなものじゃないみたい」

甜花「うん……電子ロックも何重で、セキリュティも万全……」

真乃「ほわ……ここからじゃ脱出は無理ってことだね……」

愛依「まーそりゃ普通犯人も玄関は真っ先に塞ぐよねー」

灯織「……ん?あちらのレターケースは?」

甘奈「あ、中見たけど何もなかったよ?」

灯織「そう……何の意味があるんだろう」
52 :安価出そうにないので上から順に回します ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:16:09.33 ID:JfSDS4Iy0
【視聴覚室】

すごい設備だ……
巨大なスクリーンはもちろんのこと、40席近くはあるだろう座席には、それぞれちゃんとしたモニターとスピーカーが備えられている。
一学校の設備にしてはかかっているお金が膨大にかかりすぎそうな気もするけど……

透「わお、映画見れんじゃんこれ」

円香「ほんと?」

雛菜「あ、これ知ってるやつ〜!雛菜映画館で見たよ〜?」

小糸「そ、そうなんだ……面白かった?」

雛菜「面白かったってパパが言ってた〜」

円香「雛菜は?」

雛菜「途中から見てなかったからわかんない!」

小糸「寝てたんだ……」

教室の前の方でビデオ棚を前にして雑談しているのはノクチルの4人みたい。

めぐる「ノクチルー!調査はどんな感じかなー?」

円香「……っ!まあ、ぼちぼち」

真乃「何か手掛かりになりそうなものとか……」

雛菜「今のところ無いですね〜」

灯織「そうですか……」

小糸「……ぁ……あの……」

めぐる「ん?どうしたの小糸?」

小糸「……これ……ひろ……」

真乃「メダル……?」

円香「……さっきからちょくちょく落ちてるやつ?悪趣味、モノクマ柄のメダル」

(なんのためのメダルなんだろう……)
53 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:17:12.46 ID:JfSDS4Iy0
【購買】

所狭しと並べられた和洋折衷の物品……
学校購買と言うにはあまりにも手広すぎるような気もする、というか甲冑とかは必要なの?

樹里「なんだこのゴチャついた空間……」

めぐる「あっ、放クラだ!どう?進んでる?」

凛世「脱出の、手がかりは……なく……」

灯織「そっか……難しいね」

智代子「わ!凛世ちゃん凛世ちゃん!」

凛世「智代子さん……?いかが、なさ……」

真乃「ほわっ……どうしたの?」

めぐる「あっ!それって凛世とチョコが好きな少女漫画だ!」

智代子「う、うん!そうなんだけど……!」

凛世「巻数が……飛んでおります……」

樹里「ん?どういうことだ?」

智代子「えっと……ナンバリングが変なんだよね……こんなに進んでたっけ……」

灯織「発刊年月日とか書いてないの?」

凛世「黒塗りされております……」

灯織「く、黒塗りって……今の時代に?!」

樹里「んん?どういうことなんだ……?」

54 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:18:17.17 ID:JfSDS4Iy0
-------------------------------------------------

灯織「学校エリアは一通り確認できたかな」

真乃「うん……空き教室が二つに、トイレ……何も手がかりはなかったね」

めぐる「うーん……でも部屋とかは本当にそのまんま学校!って感じだったよね」

灯織「本当に希望ヶ峰学園なのかな……」

めぐる「とりあえずは寄宿舎エリアに行ってみんなと合流する?」

灯織「うん……そうしようか」

-------------------------------------------------
55 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:18:42.89 ID:JfSDS4Iy0
【寄宿舎エリア 食堂前】

咲耶「やあ、イルミネも探索は終了かい?」

めぐる「うん、特に手がかりはなかったよー……ガックシ」

霧子「ごめんね……わたしたちも、特には……」

咲耶「ほかのユニットの報告に期待するしか無い、か……弱ったね」

灯織「そういえば寄宿舎エリアの方はもう見られたんですか?」

摩美々「ざっとはねー、それぞれの個室とトラッシュルームにランドリー。生活には最低限の施設が揃ってたよ」

めぐる「そっか……あくまでここで生活させる気なんだね」

そうして話しているうちに徐々に他のユニットたちも戻ってきて……全員が揃った。

樹里「おしっ、それじゃあとりあえず報告会にするか!」

摩美々「せっかくだし座ってやらない?すぐそこに食堂があるわけだしー」

愛依「あっ、ここってそうなん?」

甜花「疲れちゃった……甜花も、座りたい……」
56 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:19:40.82 ID:JfSDS4Iy0
【食堂】

咲耶「よし、それでは全員揃っているようだし報告をしてもらえるかな?」

真乃「あ、はい……えっと、イルミネが見た限りでは脱出のヒントになりそうなものはなくて……」

灯織「施設としては学校エリアには体育館、トイレ、視聴覚室、購買、玄関ホール、そして空き教室二部屋となっていました」

摩美々「そういえば気になったんだケド、入れない部屋があったよね?」

愛依「あったあった!確か保健室だったよね?」

めぐる「うん、現状は立ち入り禁止みたい……怪我しないようにしなくちゃね!」

円香「それでいえば廊下の突き当たり、二階に上がる階段にもシャッターがかかってた」

灯織「意図的に移動範囲を狭めてるんでしょうか……?」
57 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:20:21.43 ID:JfSDS4Iy0
咲耶「アンティーカから報告……というかこれを見てほしい」

甜花「電子パッド……?」

霧子「モノクマさんが言ってた、電子生徒手帳……早めに探索が終わったから、先に回収しておいたんだ……」

摩美々「モノクマの言う通り、一人に一つずつ用意されてるみたいー。で、大事なのはここ、校則一覧」

摩美々「大体はさっきのモノクマの話と一緒だケド、これ、どう思う?」

“【6】仲間の誰かを殺したクロは"卒業"となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。”

灯織「ほかの人にバレてはいけません……?」

咲耶「……殺人、とは別にもう一つルールがあるということだね」

霧子「バレたら、何かリスクがあるってことなのかな……?」

小糸「ぴぇっ……」

愛依「ま、気にしなくていいっしょ!そんなサツジンなんて起きない起きない!」

咲耶「そうだね、愛依のいう通り、本来なら気にする必要のない条文なのだけどね」

摩美々「……」
58 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:21:08.68 ID:JfSDS4Iy0
甘奈「えっと、甜花ちゃんと愛依ちゃんと一緒に甘奈たちも一通り見たんだけど、外の様子が見えるような窓は一つもなくて……全部鉄板が打ちつけられてた」

愛依「あれはダメだわ〜、そうとう分厚くできてるみたい。ドリルとかそういうのないと無理」

甜花「強力な武器か、専用スキルがないと……」

灯織「窓が無いとなると……外の情報も全く手に入れようが無いですね……」

霧子「おひさまは見れないけど、アナウンスはあるみたいだよ……」

灯織「アナウンス?」

咲耶「朝と晩に一回ずつ、時報のように鳴らすそうだ」

甘奈「甘奈も聞いたよ!朝7時と夜10時だったよね!」

甜花「夜10時からは夜時間って言って食堂が閉まっちゃうみたい……」

真乃「ほわっ……その間に食料の補充をするのかな……」

咲耶「なんにせよ時間の感覚はある程度の維持ができそうだ、時計もあることだしね」
59 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:21:42.35 ID:JfSDS4Iy0
樹里「アタシたちもだいたい一緒だな、発見があったとすれば……凛世、チョコ」

凛世「はい、こちらに……」

雛菜「あれ?その漫画って……」

凛世「はい、雛菜さんもお読みになられた……少女漫画でございます……」

智代子「これが購買に置いてあったんだけどね、発刊年月日が塗りつぶされてるの!」

樹里「しかも巻数が飛んであるみたいでよ、凛世もチョコも読んだことねー話らしい」

雛菜「じゃあまた後で見せてもらっていいですか〜?雛菜も続き気になってたので〜」

凛世「ええ……後でお部屋にいらしてください……」

摩美々「巻数が飛んでるってどういうことー?もしかして私たち未来にタイムスリップしたんですかー?」

灯織「た、タイムスリップ?!」

咲耶「フフ、流石にタイムマシンを使用して……とは考え難いけどね。私たちの無意識下で時間がかなり経っている……そういう可能性は考慮してもいいかもしれない」
60 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:23:01.92 ID:JfSDS4Iy0
透「あー……特に発見はないかな、うん」

咲耶「おや……そうかい」

円香「……強いて言うならこのメダル?そこら中に落ちてたやつ、みんなも見たでしょ?」

甜花「うん……何か、ゲームに使うのかな……」

雛菜「使い道は購買にありましたよ〜?」

灯織「購買?」

樹里「あ、あれか?!レジの上にあった……」

智代子「ガチャガチャ!」

透「うん、あれ、回せるみたい」

円香「どうせ対したものは出てこないと思うけど」

摩美々「爆弾が出てきたりして〜」

霧子「ば、ばくだん……」

灯織「娯楽……のつもりなのでしょうか。黒幕はこの学園に長期滞在させる気のようですし」

円香「……かもね」
61 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:23:50.85 ID:JfSDS4Iy0
咲耶「ありがとう、みんなのおかげでだいたいこの学園のことは把握ができたかな?」

摩美々「把握って……何もわかってなくないー?」

めぐる「うーん……まだまだ未知の世界だね……」

円香「唯一分かったことがあるとしたら、状況は絶望的ってことくらい」

小糸「……ぴぇっ……」

樹里「あー!そんな暗いこと言うなって!」

円香「事実でしょ、楽観視できる状況じゃない……身の振り方は考えておかないと」

円香さんの言葉に場が凍りつく……だけどその通りだ。
脱出の糸口が何もない以上、私たちに今ある選択肢はここでの生活を受け入れること。
……何があっても、殺しなんかじゃない。

めぐる「でも!まだまだ諦めないよ!」

灯織「めぐる……」

めぐる「モノクマはああ言ってたけど警察だって絶対に動いてるし、プロデューサーたちも心配してくれてるはず!絶対に助けが来るはずだよ!」

真乃「ほわっ、そうだよね、わたしたちで脱出できなくても、周りの人がきっと……!」

咲耶「……フフ、そうだね。決して希望がないと言うわけではない。必ず活路はあるはずさ」

智代子「……とりあえずはここで暮らせるんだしね!生活にも不自由はしなさそうだし!」

甘奈「そうだね、しばらくは大人しくして……誰かの助けを待つのが一番!」

円香「……」

半ば空元気ではあったものの、めぐるのおかげで場の空気は持ち直した。
やっぱりめぐるはすごいな。
62 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:24:32.29 ID:JfSDS4Iy0
と、報告会を終えた時。

キーンコーンカーンコーン

小糸「ち、チャイム……?」

『夜時間になりました!夜時間の間は一定の区間は立ち入り禁止となります!……って!食堂に全員集まってるんじゃないよ!さっさと解散!』

『初日だから大目に見るけど、本来なら夜10時をすぎたら食堂は出入り禁止だからね!それまでに退出してないと、厳しいペナルティがあるからね!』

『それじゃあ早く寝るんだよ!おやすみなさい……』

灯織「……これは?」

摩美々「あー、夜時間だねー」

咲耶「電子生徒手帳の校則一覧にあったんだ……ほら」



“【2】夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。”



咲耶「ひとまず解散した方が良さそうだ、今日のところは各自自室に戻って、また明日から探索を再開しよう」

愛依「オッケー、絶対出口見つけるかんね!」

そうしてみんな、食堂を後にした。
63 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:25:38.35 ID:JfSDS4Iy0
灯織「それじゃ、みんな……おやすみ」

真乃「うん、灯織ちゃん……おやすみ」

めぐる「おやすみー!」

イルミネの3人とも離れて、ついに一人になる。

【灯織の部屋】

部屋に入った瞬間どっと疲れが押し寄せる。
ただでさえ理解の追いつかない状況に、コロシアイ……?
昨日までアイドルという華々しい舞台を目指して頑張ってきていた、夢を追うその最中だったのに突然崖から突き落とされてしまったような感覚。

____気を抜くとおかしくなってしまいそう。

ドサッ

ベッドに気絶するように倒れ込む。

こんなの悪夢だ。現実じゃない、現実であっちゃいけない。
でも、どれだけ否定しようとも自分が感じているこの恐怖は現実そのもので……

モノクマ「ところがどっこいこれが現実なのです!」

灯織「わあ!?」
64 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:28:03.98 ID:JfSDS4Iy0
モノクマ「あのさぁ……そんな拙いモノローグなんか見てる人興味ないんだよね。さっさとイベントだけこなして先進めっての」

灯織「な、なんのことですか……?」

モノクマ「ま、早い話がちゃんとやるべきことは先にやってくれってことだよ。ほら、自分の部屋に戻ったらやることがあるでしょ?」

灯織「手洗い、うがいですか……?」

モノクマ「うぷぷ……健全な学生としては正解!花丸をあげましょう!」

モノクマ「ってちがーう!なんで忘れてるのさ、電子生徒手帳だよ!」

灯織「電子生徒手帳……?」

(そういえば先程咲耶さんたちアンティーカが食堂でみんなに見せていた……)

モノクマ「各自ひとつずつ用意してるからちゃんと確認しておいて欲しいんだよね、ほらコレ」

(モノクマが手渡したのはスマートフォン大のタブレット端末。端末横のボタンを押すと起動した)

【風野灯織】

モノクマ「誰が落としてもすぐ持ち主がわかるように毎回起動した時には持ち主の名前が出るようになってるよ!」

灯織「なるほど……それは助かりますね」
65 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:28:36.62 ID:JfSDS4Iy0
モノクマ「で、せっかくだから見て欲しいところがあるんだけど……通信簿っての開いてみて」

灯織「通信簿……ですか?」

(モノクマに言われるがまま、画面をタップし通信簿というアプリを開く。すると出てきたのは私たち16人の顔と名前……そして超高校級の才能……?)

灯織「あの、この才能ってなんなんですか?身に覚えが無いんですが……」

モノクマ「うぷぷぷ……せっかく希望ヶ峰学園にいるのに、才能も何もなかったら損じゃ無い?せっかくだからオマエラの適性に合わせてこっちで才能を考えておいたんだよ!」

灯織「……どういう意味なのかさっぱりなのですが」

モノクマ「まあTRPGでもよくあるじゃん!与えられた役職をこなすうちに自分が本当にそれになって気分になる、自己投影っていうやつだね!」

灯織「……ええっと」

モノクマ「おっと、風野さんにこの話しても分からなそうだね!誰かとそんなゲームしたことないでしょ、どうせ」

(よくわからないけどバカにされてることだけはわかる……!)
66 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:29:21.70 ID:JfSDS4Iy0
モノクマ「ま、そういうわけで風野さんにもバッチリ才能を考えておいたよ!」

灯織「はぁ……」

モノクマ「ずばり!【超高校級の占い師】!どう、バッチリじゃない?」

灯織「占い師って……確かに占いは好きですけど、自分ではできませんし、別に占い専門というわけでは」

モノクマ「ダイジョーブダイジョーブ!元々3割しか当てられない雑魚が持ってたような才能だから素人の風野さんでもヘーキ!」

灯織「尽くおっしゃる意味が分からないのですが……」

モノクマ「電子生徒手帳には校則に通信簿、学園マップetc……色んな機能がついてあるからしっかり確認して肌身離さず携帯するように!」

灯織「は、はい!わかりました……」

モノクマ「返事だけはいいのが令和世代の若者だね!見せかけの誠実さはグッドだね!」

灯織「……それは、褒めてるんでしょうか?」
67 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:31:14.01 ID:JfSDS4Iy0
モノクマ「あ、あと最後に伝えとくけどシャワーは夜時間中は浴びられないからね?お湯が出ないようになるから、夜十時までにシャワーは終えておいてね」

灯織「シャワー……?」

確かに部屋の一角にはもう一つ空間がある。
おそらくあの部屋がシャワー室なんだろう。

モノクマ「あ、ちゃんとシャワー室には鍵を設けてるからね!そういう時でも安心だよ!」

灯織「どういう時なんでしょうか……?」

モノクマ「えーっと……伝えることはそれぐらいかな?まあ、気になることがあればまたいつでも呼んでよ。基本は参上するからさ」

灯織「いつでも、ですか?」

モノクマ「うん!ボクってばショートスリーパーだから!ナポレオンよりも短い睡眠時間で活動できるんだよ!」

灯織「……はぁ」

モノクマ「ま、そんじゃね!明日からも頑張ろうね〜!」

灯織「行ってしまった……」

(でもモノクマの言う通り、この訳のわからない状況下では情報が全て。手に入る情報はしっかり確認しておこう)
68 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:31:39.64 ID:JfSDS4Iy0
【マップ】

(まずはマップの情報……現状見れるのは寄宿舎エリアに学校エリア、ともに一階ずつみたい。それでも学校エリアは保健室、寄宿舎エリアは大浴場と倉庫が進入禁止になってる)

(生活に欠かせない要素ばかり禁止されているような気がするけど……これは意図的に?)

【校則】
【1】生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。
【2】夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。
【3】就寝は寄宿舎エリアに設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。
【4】希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
【5】学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。
【6】仲間の誰かを殺したクロは"卒業"となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。

(次に確認するのは校則……モノクマも言っていた【コロシアイ合宿生活】のルールだ)

(……本当にコロシアイをさせる気、なんだ。ただ殺人が強制ではないだけまだ救いはある)

(この校則の範疇で、どうにか脱出する方法を探らないと!)
69 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:32:10.01 ID:JfSDS4Iy0
【通信簿】
・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃
・【超高校級の占い師】風野灯織
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる

・【超高校級の幸運】園田智代子
・【超高校級の応援団長】西城樹里
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈

・【超高校級のギャル】和泉愛依

・【超高校級の???】浅倉透
・【超高校級のディベート部】樋口円香
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜
・【超高校級の学級委員】福丸小糸

※備考 オマエラの才能は学園長の独断と偏見で決定いたしました!
    こういうのはノリだよノリ!

(そして最後に通信簿……さっきモノクマに促されて私の部分は確認したけど、他のみんなにも才能が割り振られている)

(……備考欄にもある通り、本当に大した意味はないんだろう。浅倉さんのところが空欄になってる辺りかなり適当だし)
70 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:32:50.29 ID:JfSDS4Iy0
電子生徒手帳の情報を一通り確認し終え、再度ベッドに横になった。
……いまだに現実感がまるでない。
つい昨日……なんなら今朝まで普通の日常だったのに、急に監禁状態に加えてコロシアイ?
SF小説にしたってひどすぎる。
人権も何もあったものじゃない。
ため息が出て止まらない。

夢、こんなの夢じゃないとかおかしいでしょ……

これから私はどうなってしまうんだろう。
コロシアイ合宿生活最初の夜は、未知の恐怖と不安に対する無気力をかみしめる長い夜だった。
71 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/18(木) 21:37:43.97 ID:JfSDS4Iy0
短めですが以上で本日の更新分は終了となります。
昨日に引き続き舞台設定、登場人物設定の紹介で終わってしまいましたが……

次の更新以降、自由行動パートが登場する予定です。
自由行動パートは原作では通信簿でキャラの深堀などが行われますが、
シャニマス公式コミュとの食い違いを避けるために別の形で自由行動パートは代えようと思っております。
(そもそも安価が回らなければすっ飛ばしてストーリーだけなぞるかも)


準備等ありますので次回更新は数日〜一週間ほど空くものと思われます。
ありがとうございました。
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/18(木) 21:47:34.92 ID:BM5Jx7E8o
おつおつー
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/19(金) 00:31:53.99 ID:3j3pwmS3o
乙乙
74 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/23(火) 22:29:11.86 ID:F99jlVVB0
木曜日21時より再開予定です。
よろしくお願いします。
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/23(火) 22:40:03.28 ID:INgxNBf4o
了解!
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/24(水) 03:27:47.25 ID:Om0NzhAj0
たのしみ
77 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 21:01:18.33 ID:QtSXNe+j0
それでは1章2日目より予定通り再開します。
78 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 21:04:18.78 ID:QtSXNe+j0
【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ〜!さぁて、今日も張り切っていきましょう〜!』

朝だ……

目を開けると真っ先に飛び込んでくるのが私を覗き込む監視カメラ。今までの人生で最悪の目覚め。

コロシアイ合宿生活……夢じゃなかった。

灯織「はぁ……」

ピンポーン

重いため息と共に体を起こすと、ちょうどインターホンが鳴った。

真乃「灯織ちゃん、おはよう」

めぐる「おはよう!灯織!」

扉を開けると、待っていたのはイルミネの二人。

灯織「真乃、めぐる……おはよう、今から食堂?」

真乃「うん、一緒にどうかなって」

灯織「ありがとう、すぐ準備するね」

ただ、イルミネの仲間がいてくれることだけは心強い。
こんな状況下でまだこうやって冷静でいられるのは真乃とめぐるがいてくれるから。

真乃「どう?灯織ちゃんは寝られた?」

灯織「……どうだろう、熟睡はしてなかったと思う」

めぐる「だよねー、監視カメラもあって落ち着かないよー!」

真乃「そうだよね……」

灯織「もうみんな食堂に集まってるの?」

めぐる「ううん!まだみんな揃ってないよ、大丈夫!」

灯織「良かった、じゃあ私たちだけでもひとまず先に行こっか」

真乃「ほわっ……食堂にティーパックがあったから紅茶を淹れるのはどうかな?」

めぐる「ナイスアイデア!」
79 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 21:08:06.12 ID:QtSXNe+j0
【食堂】

食堂に着くと咲耶さんと霧子さん、樹里と凛世が既に待っていた。

咲耶「おや、イルミネの朝は早いんだね」

霧子「おはよう……真乃ちゃん、灯織ちゃん、めぐるちゃん……」

樹里「おっす、イルミネー」

凛世「朝餉の支度は、済んでおります……」

めぐる「おはよーーー!!」

灯織「皆さんお早いですね…」

樹里「まあアタシとかは寮暮らしで染み付いてるからな」

真乃「他のみんなはまだ起きてないのかな?」

霧子「小糸ちゃんは……起きてるの、見たよ……」

咲耶「もう少しすればみんな起きてくるさ、気長に待つとしよう」


_____咲耶さんの言葉通り、


甘奈「おはよー☆」

甜花「あぅ……おはよう……」

智代子「おはようございまーす!朝ごはんこれから?もうお腹すいちゃったよー」


______徐々にメンバーは揃っていき、


透「ん、おはよ」

円香「おはようございます」

雛菜「おはようございま〜す♡」

小糸「……ぉ、ぉはよう……ます……」


_____三十分も経たぬ内に


摩美々「おはようございまぁす」

愛依「あれ?!うちが最後?!みんな早くね?!」


_____全員が揃った。

80 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 21:11:15.40 ID:QtSXNe+j0
咲耶「どうだい?みんなは昨日は寝られたかな?」

甘奈「うぅん……正直甘奈はほとんど」

灯織「私もです……」

愛依「アッハハ……状況が状況だかんね……」

円香「目を開けたらすぐ監視カメラが視界に入る状況で落ち着く方が無理」

霧子「どこを見ても……カメラがあるから……」

摩美々「プライバシーのかけらも無いよねー」

甜花「甜花、寝れなかったから……昨日は、電子生徒手帳をずっと弄ってた……」

智代子「そういえばみんな電子生徒手帳はもう確認した?驚いちゃったよね、通信簿!」

灯織「もしかして……才能のところ?」

智代子「うんうん!みんなにそれぞれ割り振られてて……」

愛依「うち、超高校級のギャルだって!見た目まんまじゃん!ウケる〜!」

智代子「私の超高校級の幸運ってなんなんだろう……実際別に運が良いわけでもないし……」
81 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 21:13:02.14 ID:QtSXNe+j0
摩美々「まあ適当っぽいけどねー……ノクチルなんかは特に」

円香「……ディベートなんかしたことない」

小糸「ま、円香ちゃんは……お仕事でもトークとか、すっごくうまいよ!」

円香「ディベートとはまた別でしょ?……小糸は、合ってるんじゃない?学級委員」

小糸「え、えへへ……そうかな……」

雛菜「あは〜?雛菜超高校級の帰宅部でしたね〜」

樹里「どういうことなんだよ……」

真乃「そういえば……っ!透ちゃんのところ、見れなかったんだけど……みんなはどうでしたか?」

灯織「確かに……私の端末でも見れなかった」

透「あー……うん、私からも見れなかったし、多分未定とか?」

円香「……」

甜花「一人だけ明かされない才能……!これは、後半に浅倉さん大活躍の予感……!!」

樹里「そもそも才能なんて言われても身に覚えもないっつーの」

甘奈「でも、モノクマが無意味につけたとも思えないし……きっと何か意味はあるよね?」

樹里「ろくな意味じゃなさそうだけどな」
82 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 21:15:25.89 ID:QtSXNe+j0
咲耶「さて、寝不足のところ心苦しいのだけど今日も探索をしたいんだ」

真乃「ほわっ……?」

雛菜「それ以外やることもないですしね〜」

甜花「うん……まだ、隠されたルートが残ってるかもしれない……」

めぐる「うんうん!じっとしてても、何も始まらないしね!」

凛世「はい……天は自ら助くる者を助く……凛世たちにできることから行わねば……」

灯織「そうですね……助けを待っていてばかりでは始まりません、自分の足で進んで、自分で確かめないといけませんよね」

摩美々「言うじゃん灯織―」

灯織「ちゃ、茶化さないでください!」

真乃「灯織ちゃん……すごくいい言葉だねっ!私元気が出たよ!」

灯織「真乃……」

雛菜「あは〜?朝からイチャイチャですね〜?」

智代子「よーし!それじゃあご飯を食べたらまた探索に出発だね!早くご飯を食べよう!」

樹里「ご飯と探索、どっちがメインだ?」

智代子「え、えへへ……お腹が空きまして……」
83 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 21:17:34.24 ID:QtSXNe+j0
透「あれ、そういえばご飯って」

凛世「材料はございましたので……簡単なものではありますが、凛世と樹里さんとで……」

樹里「おう、って言っても味噌汁ぐらいしか調理はしてねーんだけど……」

透「え、すご」

智代子「やった!出来立てのお味噌汁が飲めるなんて……ありがとう二人とも!」

咲耶「ああ、朝から二人の手料理が食べられるなんて……この学園にもこんな幸運があるんだね」

凛世「ふふっ……♪」

灯織「あっ……配膳、手伝います」

咲耶「……おっと、食事の前に一つ提案があるんだけど、いいかな?」

めぐる「提案?」

咲耶「ああ、今日のように朝の集合を習慣づけないかい?その方が、全員の安否確認も兼ねられるし、生活習慣の維持も望める……どうだろう?」

樹里「おー、いいんじゃねーか?」

甜花「毎朝……うぅ……頭が……」

甘奈「甜花ちゃんは甘奈が起こしに行くから大丈夫だよ☆」

灯織「私たちも賛成です」

愛依「ん、うちもいいと思う!」

咲耶「ノクチルのみんなはどうかな?」

透「大丈夫」

円香「浅倉が一番起きれるか心配でしょ」

透「ふふっ、そうかな」

咲耶「よし、それじゃあ決まりだね。概ね今日と同じ時刻……毎朝、朝8時を目安に食堂に集まることにしよう」

(毎朝の朝礼……しっかり出席するようにしないと。遅くても毎朝の7時半には来れるようにしておこう)
84 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 21:20:27.10 ID:QtSXNe+j0
摩美々「あ、それと追加で良いですかー?」

咲耶「摩美々?どうしたんだい?」

摩美々「もうみんな校則は確認したと思いますけどー、夜時間ってあるじゃないですかぁ」

愛依「えっと夜十時から朝7時……だったよね?」

摩美々「その時間は基本個室以外出歩き禁止にしませんかぁ?」

摩美々「その方が、殺す殺されるでびくびくする必要なくなると思うんですよねー」

甘奈「そっか、個室自体は安全だもんね」

咲耶「強制力はないが……全員が自制すれば抑止力はあるかもしれない、私は同意するよ」

灯織「ある程度行動はお互いに把握できた方がいいということですか……私も賛成です」

摩美々「おっけー、それじゃそういうことでー」

雛菜「え〜、雛菜日課のお散歩できないの〜?」

小糸「そ、そんな日課あったっけ……」

(夜時間の出歩き禁止……口約束上の事ではあるけど、守るようにしておこう)
85 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 21:25:16.46 ID:QtSXNe+j0
【灯織の部屋】

(……ふう、朝礼でいろいろ決まったこと、気を付けないと)

時計に目をやる。時間はまだ早い。

(……よし、このまま部屋でじっとしていても何も変わらないよね)

(せっかくだし、誰かと一緒に過ごしてみようかな?)

【自由時間開始】

-------------------------------------------------
自由行動パートについて

・自由行動は主に三つの行動が選択可能です。購買のモノモノマシーンを利用してアイテムを獲得する【ガチャ】、獲得したアイテムをプレゼントしたりシナリオに則した会話を行ったりする【交流】、そして行動を行わず時間がそのまま経過する【休憩】の三種類です。ガチャを回すには学級裁判パート他で獲得可能なモノクマメダルを消費します。

・ガチャでは原作『ダンガンロンパ』のモノモノマシーンから登場するアイテムを01~90まで原作のアイテム番号をそのままコンマに割り振ります。

・以前も申しあげたとおり、交流パートは本来原作では通信簿によるキャラの深堀となりますが、原作との食い違いを避けるためにそういった要素は排除します。アイテムを渡した際の反応やシナリオの進行度に伴う雑談のようなものとお考え下さい。内部パラメータのようなものとして信愛度を考えており、一定値に到達した際はお役立ちスキルを獲得できるようにしております。

・こちらも以前申しあげたとおりですが、自由行動パートはストーリー展開には一切関与しません。何があろうと既定のシナリオ通りに進行いたします。

・安価が回らない場合は強制的に【休憩】を選択し、ストーリーを進行いたします。

-------------------------------------------------

灯織「さて、どうしようかな……」

1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/25(木) 21:27:11.37 ID:M2QZk7HV0
2.樹里
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/25(木) 21:28:25.56 ID:VRqqFH7co
2愛依
88 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 21:38:42.95 ID:QtSXNe+j0
2 樹里選択

【食堂】

灯織「あ、樹里……ごめん、朝ごはんの食器洗いの途中?手伝った方がいい?」

樹里「え?あー……おう、それじゃあそっちのお盆、頼めるか?」

灯織「うん、任せて……」

樹里と一緒に食器洗いをして過ごした……

-------------------------------------------------

プレゼントを所持していないため、そのまま雑談パートに進行します

-------------------------------------------------

樹里「なあ、灯織……灯織はさ、どう思ってる?」

灯織「えっ?……あー、その……それはどういう質問です、かな……?」

樹里「……ぷっ!あははっ!なんだよその口調?」

灯織「えっ……あっ……ご、ごめん……」

樹里「いや謝らなくていいよ、やっぱテンパっちまうよな、こんな状況なら」

灯織「……うん、やっぱりまだ呑み込めないし……どうなるのか、すごく不安」

樹里「……そうだよな、コロシアイとか……急に言われてもわけわかんねーっての!」

灯織「だよね……生きる、とか……死ぬ、とか……全然考えたことなかったし……」

灯織「でも樹里はすごいよ……私は固まっちゃってたけど、モノクマに一人で立ち向かっていって……」

樹里「大したことねーよ、今となっちゃあんなみんなを危険にさらす真似、後悔してるぐらいなんだしな」

灯織「ううん……立派だよ、私じゃ、絶対できないから」

樹里「そう言ってくれると助かるけどな」

灯織「……私は、今も怯えてる……怖くて、不安で……」

樹里「……ホントだよな」

(あっ……勝手に不安だとかなんだとかしゃべっちゃったけど……樹里はユニットメンバーの果穂と夏葉さんが今そばにいない……)

(私なんかよりよっぽど不安なはずなのに……)

(何か私で元気づけられないかな?)

1.「樹里……わ、私で力になれることがあれば気軽に話していいから……」

2.「みんながいれば、絶対脱出できるから……大丈夫、安心して」

3.自由安価

↓1
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/25(木) 21:54:50.59 ID:M2QZk7HV0
1

連取不味かったらなんかいい感じにお願いします
90 :現状安価がそこまで回らないので連取も気にしていただかなくて大丈夫です ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:02:19.12 ID:QtSXNe+j0
1 選択

灯織「樹里……わ、私で力になれることがあれば気軽に話していいから……」

樹里「……灯織」

灯織「ご、ごめん……私じゃ差し出がましかった、よね……!じゃ、じゃあこれで……!」

樹里「あーおい!何逃げてんだ!灯織!」ガシィッ

灯織「じゅ、樹里……首締まるから……」

樹里「うわっ!?わ、悪い……あのなぁ灯織、そんなに後ろ向きに考えなくても大丈夫だぞ?」

灯織「え?」

樹里「灯織はさ、人に頼られる価値のある立派なアイドルだってアタシは思ってる」

灯織「……そんな」

樹里「灯織本人はそう思ってないかもしれないけど、ファンだってみんな灯織のことを慕ってるんだし、灯織のことがみんな大好きで……」

樹里「だって灯織はさ、どんな時だって逃げずに立ち向かってきただろ?」

樹里「そんな灯織に頼ってもいいって言われて……アタシ、滅茶苦茶嬉しかった」

灯織「樹里……」

樹里「だからまたお茶でも飲みながら、こうやって話をさせてくれ!」

灯織「……うん!」

(自分で頼って……って言ったのに、結局樹里に励まされた形になっちゃったな)

(でも……樹里の言う通り、もっと前向きに考えてもいいのかもしれない。こんな状況なんだし、強い気持ちを持たないと……!)
91 :購買選択時にメダルの初期所持数をコンマ値で決定する予定なので安価指定も気兼ねなくどうぞ ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:04:12.16 ID:QtSXNe+j0
【灯織の部屋】

樹里と食堂でひと時を過ごした後、部屋に戻ってきた……

(まだ時間はありそう、どうしようかな……?)

【自由時間開始】

灯織「さて、どうしようかな……」

1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/25(木) 22:07:26.63 ID:KhSYlJrc0
2 小糸
93 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:15:07.39 ID:QtSXNe+j0
2 小糸選択

【小糸の個室】

(せっかくだし……これまであまり交流のない福丸さんに話しかけてみよう……)

ピンポーン

小糸「は、はい……ぁぁ……かざ、の……さん……」

灯織「こ、こんにちは……」

小糸「……ぇ……っと……」

灯織「……」

小糸「……」

(……き、気まずい!)

気まずいなりに一緒の時間を過ごした……

-------------------------------------------------

プレゼントを所持していないため、そのまま雑談パートに進行します

-------------------------------------------------

小糸「……」

灯織「……」

小糸「……」

(ダメだ……無言に耐え切れない……でも……)

灯織「あの、福丸さん……」

小糸「ぴ、ぴぇ……な、なんでしょう……」

灯織「いえ、その……」

(この小動物のような反応に、かえって私も委縮してしまう……)

小糸「……」

(私だって人見知りする性質だから……福丸さんの気持ちは痛いほどわかる……)

小糸「……ぁ、あの……」

(自分で話せないことに罪悪感を感じたり……そのせいでかえって言葉が出なかったり……)

小糸「……あの……」

(うぅ……283に所属したばかりのころを思い出すな……)

小糸「あ、あの!」

灯織「ひ、ひゃい?!」

小糸「……そ、その……せっかくだし、ざ、ざ、ざ、雑談、でも……」

(び、びっくりした……)

(で、でも……福丸さんなりに気をまわしてくれたんだ……私もそれに答えないと)

1.「じゃあここは役立つ豆知識でも……」

2.「仲のいいお友達とかはいるんですか?」

3.自由安価

↓1
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/25(木) 22:25:15.97 ID:KhSYlJrc0
1
95 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:32:34.26 ID:QtSXNe+j0
1 選択

灯織「じゃあここは役立つ豆知識でも……」

小糸「……ぴぇっ?」

(雑談の力は私はあまり高くない……それなら、これまでに蓄積した引き出しで勝負する!)

灯織「福丸さんは普段揚げ物とかしますか?」

小糸「……え?」

灯織「揚げ物をすると、どうしても途中で衣が浮いて余分なゴミになったりしますよね?」

小糸「……ぇ、ぁ……は、はい……」

灯織「そんなときは冷や飯を入れるといいらしいですよ、お米があたりの衣のゴミごと吸ってくれるので掃除の手間が省けます!」

小糸「……ぇ……ぁ……」

小糸「…………」

小糸「……す、すごい……ですね……」

(よし、楽しく話せたみたい)

(うん、この感じなら私でも話せそう……)

灯織「続いてなんですけど……」

小糸「……つ、続くんだ……」

灯織「生卵は一度冷凍してから回答すると、白身はさらさらに、卵黄はねっとりとした味わいに……」

小糸「……あ、そうなんですね……ぁ……はい……」

(福丸さんも相槌を打ってくれてるし、楽しんでくれたかな……?)
96 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:34:04.71 ID:QtSXNe+j0
【灯織の部屋】

福丸さんに豆知識を披露し、楽しい時間を過ごせた……

ふと時計に目をやる……時刻は9時前。
そういえば探索にばかり気を取られ、まだ夕食を摂ってなかったな……
不思議なもので、気づくと気になり出すのか、急に空腹感が湧き上がる。

(……1時間後には食堂に入れなくなるし、何か食べておこう)

私は食堂に向かうことにした。
97 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:36:19.96 ID:QtSXNe+j0
【食堂】

食堂に入ると、示し合わせたわけでもないのに真乃が座っていた。
そしてその向かいには摩美々さん?少々変わった取り合わせ。

真乃「あっ……灯織ちゃんっ!」

灯織「真乃……摩美々さんも、どうしたんですか?」

摩美々「ふふー気になるー?」

二人はどうやら真乃の指先で何かしているらしい。
夕食を食べるついでに二人の遊びの場に同席させてもらうことにした。

真乃「灯織ちゃん、見て……っ!摩美々ちゃんがネイルをしてくれたんだ」

灯織「ネイル……うわぁ、綺麗……」

摩美々「どうしても閉鎖空間じゃ気が滅入っちゃうでしょー?真乃も元気なさそうだからちょっとねー」

真乃「ありがとうございます……っ!私あんまりネイルとかやったことないから新鮮で……」

摩美々「今回にはネイルグルーを使ったやつだから、外す時はお湯で接着剤を溶かしてねー」

真乃「は、はい……っ!」

摩美々「これ、私もう使わないからあげるねー」

真乃「い、いいんですか……っ」

灯織「良かったね、真乃!」

摩美々「ネイルにも色々種類があるから試してみるといいよ、こういういわゆる付け爪タイプは気軽に色々試せるから楽なんだけどねー」

真乃「ほわっ……マニキュアとはまた違うんですよね……っ」

(真乃、楽しそう……)

ユニットの垣根を超えた交流はこれまでにもあったけど、こんなに何日も朝昼晩を他の誰もいない、私たちだけで過ごした日々はそうそうなかった。もちろん状況が状況だけに喜べた物ではないんだけど、その中でも育まれた、決して何物にも負けない絆が私たちにはある。

___モノクマなんかに、負けはしないんだ。
98 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:39:01.52 ID:QtSXNe+j0
【灯織の個室】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま〜す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

(ふぅ……)

ご飯も食べれてお腹いっぱいだし、真乃の楽しそうな顔も久しぶりに見れて良かったな。
……明日からも、頑張らないと。

灯織「はぁ……」

起きていても気が沈むだけ、か。
仕方ない、無理やり自分を寝かしつけよう。

大丈夫、絶対この生活も終わりが来るから。
99 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:42:58.80 ID:QtSXNe+j0
___

_____

_______

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ〜!さぁて、今日も張り切っていきましょう〜!』

(今日から朝礼が始まるんだよね、よし)

【食堂】

灯織「おはようございます」

咲耶「やあ、灯織。今日も早いね、よく眠れたかい?」

灯織「……昨日よりはマシ、ぐらいですが」

咲耶「そうか……無理はしないようにね」

灯織「お気遣いありがとうございます……」

私が到着した後、徐々にメンバーが揃い、朝礼が始まった。

咲耶「みんな、出席ありがとう。来てくれると信じていたよ」

咲耶「朝礼と言っても格式張ったものでもない、安否確認が目的だしね。後は自由にしてくれて構わないよ」

めぐる「よし、真乃、灯織!ご飯一緒に食べよー?」

真乃「ふふ……もちろん!」

灯織「うん、取ってくるね」

和気藹々とした朝食。この瞬間だけはコロシアイ合宿生活なんて状況にいることを忘れられる。
100 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:44:16.94 ID:QtSXNe+j0
朝食を終えると、話の流れでこの生活をけしかけた犯人、モノクマの正体についての話題になった。

咲耶「しかし……このコロシアイをけしかけているのは誰なんだろうね」

霧子「咲耶さん……?モノクマさんだよね……?」

摩美々「モノクマを操ってる犯人のことでしょー?」

咲耶「ああ、こんな大きな学校を一つ占拠するなんて、並大抵の人間じゃない」

甜花「しかもモノクマの操作センス……並のゲーマーじゃない……!!」

樹里「そもそもゲーマーなのかよ?」

甘奈「大丈夫、甜花ちゃんが操作したらモノクマももっと滑らかな動きになるよ!負けてない!」

甜花「にへへ……」

樹里「なんの話だよ……」

智代子「ていうかモノクマ自体が謎だよね……あんなに精密なロボット、見たことないし……」

霧子「おしゃべりもできる、ロボットさん……」

灯織「……確かに、あそこまでの技術が日本にあるとは知りませんでした」

真乃「でも、そんな技術を使ってコロシアイ……なんて……」

愛依「どっからそんな発想になるんだろねー、怖くね?」
101 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:45:44.53 ID:QtSXNe+j0
智代子「むむむ……あ!もしかして!」

樹里「ん?どうしたんだよチョコ」

智代子「犯人!わかったかもだよ!」

樹里「はぁ?!」

灯織「ほ、本当……?」

智代子「ふっふっふっ……名探偵園田智代子がお答えいたしましょう……ずばり、犯人は……」



智代子「【ジャスティスブラック】なのです!」



灯織「ジャスティス、ブラック……」

(私でも聞いたことがある……)

(ジャスティスブラックは今巷を賑わせている連続殺人鬼のあだ名だ。戦隊ヒーロージャスティスVのお面をつけていることから付けられたあだ名)

(未だにジャスティスブラックは捕まっておらず、放クラのみんなはそれに怒っていたっけ……)

樹里「果穂も好きなジャスティスVの名前を汚してる、あの殺人鬼が……?」

智代子「うん、一説によるとジャスティスブラックはテレビ関係者っていう話もあるしね……それならお金も持ってるだろうし、カメラとかも準備しやすいんじゃないかな!」

灯織「うーん……どうだろう、さすがにちょっと飛躍してるかな……」

智代子「あれれ!」

咲耶「とはいえ私たちの想像もつかないような相手であることは間違い無いだろうね」

めぐる「うーん……どんな人なんだろう」

摩美々「世界を裏で牛耳るお金持ちが、私たちを賭けの対象にしてるとかー」

智代子「だ、ダークすぎない?!」

摩美々「宇宙人に連れ去られて、人体実験の途中とかー」

智代子「まさかのロボトミー?!」

黒幕について考えても答えは出ることもなく、朝礼はそのまま解散になった。
102 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:48:11.33 ID:QtSXNe+j0
【灯織の部屋】

(チョコの言ってた黒幕がジャスティスブラックという説……流石に無い、よね?そんなこと……)

(でも、モノクマなんて存在にこんな状況に陥れられてる以上、『ありえない』なんて考え方はリスキーかも)

(……)

(……なんだかソワソワしてきちゃったな、時間もあるし何かしよう)

【自由時間開始】

灯織「さて、どうしようかな……」

1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/25(木) 22:49:21.38 ID:aL4yYqyco
1
104 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:53:24.98 ID:QtSXNe+j0
1 選択

【購買】

(そういえばここにあったガチャガチャ……まだ回したことがなかったな)

(なんだかゴテゴテした装飾がついてるけど……ホントに大丈夫?)

(もし役立つものが手に入るなら……今後も利用したい)

(そういえば探索中に拾ったメダル……いくつあったんだっけ)

【メダルの所持数をコンマで決定します】

【直下のコンマ下一桁の値の枚数と同じだけの枚数を灯織は所持します(0は10枚判定)】

直下コンマ↓
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/25(木) 22:54:23.91 ID:KhSYlJrc0
106 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 22:59:18.11 ID:QtSXNe+j0
【コンマ判定 1枚】

(ありゃ……あの時福丸さんに譲り受けた一枚だけだったか……)

(仕方ない、これで回すしかないよね)

-------------------------------------------------

モノモノマシーンに挑戦します

回す際は枚数分コンマ判定を行い、それに応じたプレゼントが獲得できます。
原作ダンガンロンパのモノモノマシーンより排出されるアイテムを番号順に00~90まで割り振ります。
91~00は別途シャニマスに類するアイテムを用意します。

-------------------------------------------------

【一枚消費します】

↓直下コンマで判定
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/25(木) 22:59:33.57 ID:M2QZk7HV0
ほい
108 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 23:04:14.06 ID:QtSXNe+j0
【57】昭和ラジオを獲得しました!

(な、なんだろう……この古めかしいラジオ……)

(いや、私から見たら価値がわからなくても、もしかしたら好きな人もいるかもしれないし……)

(誰かにプレゼントしてみるのもありかな?)

【モノモノマシーンを終了します】

-------------------------------------------------

灯織「さて、時間はまだあるけどどうしようかな……」

× (選択不可)1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/25(木) 23:07:43.21 ID:KhSYlJrc0
2智代子
110 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 23:12:21.03 ID:QtSXNe+j0
2 智代子選択

【玄関ホール】

灯織「チョコ?こんなところでどうしたの?」

智代子「あ、灯織ちゃん!……うーん、探索のし忘れで抜け道を見落としてたりしないかなーって思って来ちゃいました!」

灯織「えっと……それで抜け穴は?」

智代子「へへ……もちろんございませんでした……」

灯織「そ、そうだよね……」

智代子「ううん、不肖園田智代子、こんなところでは諦めません!今ここに、希望ヶ峰学園探検隊を結成いたします!」

灯織「ち、チョコ?!」

智代子「灯織ちゃん、片っ端からもう一度探索してみよう!」

灯織「……え、ええ……?!」

チョコと一緒にどこか抜け道がないか一緒に探して過ごした……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在【昭和ラジオ】を所持しています

1.渡す(プレゼントパートに進行します)
2.渡さない(雑談パートに進行します)

↓1
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/25(木) 23:12:39.03 ID:VRqqFH7co
2
112 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 23:21:37.86 ID:QtSXNe+j0
2 渡さない

智代子「灯織ちゃん……私、とんでもないことに気づいてしまいました」

(いつになく深刻な表情だ……)

灯織「ど、どうしたの?……もしかして、この学園生活を打破する秘密か何か……」

智代子「えっ」

灯織「えっ」

智代子「ううん、違うの違うの!ごめんね、大したことじゃなくって……いや、私からすれば大したことなんだけど……」

灯織「こ、こちらこそごめん……勝手に先走っちゃって……き、聞かせてもらえる?」

智代子「うん……灯織ちゃん、それはね?」

灯織「……うん」ゴクリ



智代子「いまこの学園には、糖分を摂取する手段がありません」



灯織「……え?」

智代子「甘いものがないんだよー!チョコはおろかドーナツもタピオカも!お菓子というお菓子が見当たらないよー!」

灯織「えーっと……それって大事……」

智代子「大事だよ!」

灯織「だよね、大事だよね、うん……」

智代子「いい?人間は三日も糖分を摂取しないと死んでしまうといわれています」

灯織「どこ情報なのそれ……」

智代子「今日で二日目……デッドラインだよ、灯織ちゃん!」

灯織「だ、だからって……チョコ、間違ってもコロシアイなんか考えちゃダメだからね!」

智代子「あー違うの違うの!そんな深刻な話じゃなくてー!」

智代子「ただ、糖分を摂取しないと……こう、気分も上がらないですし……パフォーマンスも下がりますし……」

灯織「もう、夏葉さんがいないからって……」

智代子「ああっ!今のは夏葉ちゃんにはオフレコね!」

(流石に当分のためにいますぐどうこうってことはないと思うけど……チョコは甘いもの好きだし、今の生活は苦しいかも)

(私が何かしてあげられることってないかな……)

1.料理に砂糖を多めに入れてみるとか……
2.運動しよう!
3.自由安価

↓1
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/25(木) 23:26:55.46 ID:/6q2B6Xn0
3 ないなら作ればいいじゃない。一緒に作ろう
114 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 23:36:19.54 ID:QtSXNe+j0
3 選択

智代子「うう……糖分が、糖分が足りなイ……私ガ、人デナクなる前二早ク……」

灯織「チョコ、らしくないよ」

智代子「ふぇっ?!」

灯織「ないなら作ればいいじゃない、一緒に作ろうよ」

智代子「り、料理かー……」

灯織「確か厨房に卵も牛乳も砂糖もあったよね……小麦粉もあれば簡単なパンケーキぐらいなら作れそうだよ」

智代子「な、なるほど……消費者から生産者に……」

灯織「それに今なら283アイドルのみんなの力を借りていろんなお菓子が作り放題……どうかな?」

智代子「うん!すごくいいアイデア!やろうやろう!」

(よかった……すごく喜んでくれた)

智代子「そういえば前も放クラのみんなで桜餅を作ったりしたことがあったなぁ……」

灯織「283のユニット、みんな仲がいいから一緒に料理とかよくしてるよね」

智代子「そういえばノクチルもこの前小糸ちゃんがクッキー焼いてたの見たな……」

灯織「そうなんだ……福丸さん器用なんだ……」

智代子「よし、誘ってまいります!」

灯織「えっ?!も、もう?!」

智代子「善は急げだよ灯織ちゃん!さっそくお菓子パーティの開催だよ!」

灯織「えっ、ちょっ……」

(行ってしまった……こういうときの行動力はすごいな、チョコは社交性も高いし……)

(まあ、この場合は……動機の主たる部分はお菓子なんだろうけど)
115 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 23:39:24.89 ID:QtSXNe+j0
【灯織の部屋】

283のみんなで集まってお菓子を作って過ごした……

(ついつい食べ過ぎてしまった……私も久しぶりのお菓子でテンションが上がってた……)

(……運動しないとね)

-------------------------------------------------

灯織「さて、時間はまだあるけどどうしようかな……」

× (選択不可)1.購買でモノモノマシーンに挑戦する
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/25(木) 23:47:46.79 ID:VRqqFH7co
2ひなな
117 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/25(木) 23:52:24.94 ID:QtSXNe+j0
2 雛菜選択

【雛菜の部屋】

(う……緊張する……ノクチルの中でも、失礼ながら一番話しかけるのに勇気がいるというか……)

(同級生のはずなのに……なんなんだろうこの感覚)

ピンポーン

雛菜「はい〜?……何か用ですか〜?」

灯織「……あ、あの……もしお暇でしたら……その……」

雛菜「暇じゃないですよ〜?」

灯織「えっ……あっ……」

雛菜「こんな緊急事態に暇な人っています〜?」

灯織「……そ、そうですよね」

雛菜「ん〜……用事、ないんですか〜?」

灯織「あの、その!い、一緒に……過ごさせて……もらえたらと」

雛菜「ふ〜ん……」

灯織「い、イヤだったら……お気になさらないでください、すぐさま退散しますので……!」

雛菜「……う〜ん、入って〜?」

灯織「えっ」

雛菜「雛菜の部屋でおしゃべりでもします〜?」

市川さんの部屋でおしゃべりさせていただいた……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
現在【昭和ラジオ】を所持しています

1.渡す(プレゼントパートに進行します)
2.渡さない(雑談パートに進行します)

↓1
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/26(金) 00:03:04.53 ID:xLfafYvy0
2
119 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 00:11:23.84 ID:9WXccj5H0
2 渡さない

雛菜「〜〜♪」

(市川さん、すごい豪胆さだ……私が目の前にいてもまるで意に介さず自由に過ごしている……)

(……でも、物怖じしていては何も進まない、なにか話してみよう)

灯織「い、市川さん……アイドルになってみてどうですか?」

雛菜「え〜?」

灯織「そ、その……これまでの学校生活と何か変わったりだとか……」

雛菜「ん〜、そりゃまあ変わりましたね〜」

灯織「……」

灯織「え、えっと……どうでしょう、アイドルは楽しいですか?」

雛菜「ん〜、楽しいんじゃないですかね〜」

灯織「そ、そうですか……よかったです……」

(……ダメだ!まるで響いてる感じがしない!)

(市川さんの視界に入ってるんだよね……?私……)

雛菜「……あの〜、別に無理して話そうとしなくていいですよ〜?」

灯織「えっ……?」

雛菜「雛菜たちは雛菜たちでそれなりに楽しくやってるので〜、別に無理して合わせてもらわなくても〜」

(ち、違う……そんなつもりじゃ……気を使わせてしまっている?!)

1.「な、仲良くなりたいんです!」
2.「ノクチルの皆さん、とっても仲がいいですよね」
3.自由安価

↓1
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/26(金) 00:11:56.24 ID:fukScsJJo
1
121 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 00:19:39.10 ID:9WXccj5H0
1選択

灯織「な、仲良くなりたいんです!」

雛菜「……っていうと?」

灯織「その、別に事務所の先輩だから、とか……こんな状況だから、とか……そんな社交辞令みたいな意味ではなく……」

灯織「純粋に、同年代の学友として……市川さんのことともっと仲良くなりたいと思ってるんです」

灯織「言葉足らずで誤解をさせてしまっていたらすみません……ですが、私はその、友達に……なれたら、と……」

雛菜「……そうですか〜」

(そ、そうですかって……)

雛菜「……ごめんなさい」

灯織「えっ?い、市川さん?」

雛菜「雛菜の態度、やっぱり失礼だったりするんですかね〜?」

灯織「い、いえそんな……」

雛菜「雛菜たち、アイドルになっても今の関係性を変えたい〜とかそんなに思わないから冷たく感じられてたりするのかな〜って」

灯織「そうは思いませんが……その、お話しする機会がもう少し増えたら嬉しいな、とは……」

雛菜「あは〜?」

灯織「……これから、もっと仲良くなりたいんですが」

雛菜「そうですね〜、他のアイドルの皆さんとももっと雛菜も仲良くなりたいですし〜」

雛菜「また誘って下さ〜い」

(うっ……追い出されるように別れてしまった)

(ただ私の思っていることはしかり伝わった……と思う)

(ただ、市川さんにとってはあくまで『他のアイドルの皆さん』……なのかな)
122 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 00:22:02.57 ID:9WXccj5H0
【灯織の部屋】

市川さんとのやりとりに歯がゆさを感じながら自分の部屋に戻った……

-------------------------------------------------


ピンポンパンポーン

(あれ?まだ夜時間には早いよね?)

そんな私の違和感を裏付けるように、いつもとは違うアナウンスが流れ始めるのであった。

『えー、校内放送です』

『オマエラこんばんは、モノクマ学園長から皆さまにお話がございます』

『至急体育館までお集まりください!来なかったら……分かってるよね!』

(こんな時間に呼び出し……限りなく嫌な予感がするけど、行くしかない……)


モノクマに危害を加えられるかもしれない、私はその程度の警戒心で自分の部屋を後にした。



_____でも、私の見通しは甘かった。

これが全ての始まり。あの惨劇が巻き起こるその前ぶれだったんだから。
123 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 00:27:48.91 ID:9WXccj5H0
今回の更新はここまでになります。
次回は動機発表〜(事件発生)を目安に進めていく予定です。

続きは2/26(金)21:00〜更新予定です。

それではおやすみなさい……

124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/02/26(金) 00:29:59.57 ID:xLfafYvy0
乙です
次回も楽しみにしております
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/26(金) 00:48:16.04 ID:fukScsJJo
おつですー
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/02/26(金) 08:44:57.77 ID:W4rWMc0so
乙乙
127 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:02:21.02 ID:9WXccj5H0
予定通り続きより再開します。
128 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:03:54.63 ID:9WXccj5H0
【体育館】

体育館に着くと、もうみんな集まっていた。突然の呼び出しに、みんな不安げな表情。

甜花「甜花、もうおやすみモードだったのに……」

樹里「なんだってんだよ……こんな呼び出し」

霧子「なんのお話なんだろう……」

と、私が合流するとすぐに。
それは始まった。

モノクマ「時は金なりと言いますが、実際のところ時とお金は同価値ではございません」

モノクマ「銀行じゃ時間は引き出せないし、目覚まし時計の中にお金は詰まっていません。入ってるのはブッサイクなこまごましい機械だけなのです!」

モノクマ「インテリぶった輩が考えた言葉なんてこんなものなのです、よよよ……」

智代子「またなんか訳のわからないこと言ってる!」

樹里「でやがったなモノクマ……」

モノクマ「ワオ!あいも変わらず敵意むき出しだね!魚肉ソーセージみたいに剥き身だね!」

めぐる「魚肉ソーセージって全体包まれてない?!」

モノクマ「まあそうカッカしないでよ!今日はオマエラにプレゼントがあるんだからさ!」

灯織「プレゼント……?」
129 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:08:39.41 ID:9WXccj5H0
モノクマ「うんうん!このコロシアイ合宿生活も始まって数日経つけどさ…………」

モノクマ「ぬるいよ!ぬるすぎるよ!冬場のお風呂ぐらいぬるぬるだよ!」

透「すぐ冷めるよね、冬は」

円香「……」

透「いてっ」

モノクマ「アイドルたちのワクワク共同生活〜なんて食傷気味なわけ!もっとみんなは血みどろで本性むき出しなスリリングが見たいわけ!」

樹里「なにを言われようがアタシらに殺し合う気はないからな」

めぐる「うんうん!絶対!」

モノクマ「はぁ……凶器も環境も充実しているのにオマエラと来たら誰も殺し合う素振りすらないんだよ……萎えちゃうよね」

モノクマ「でも分かったんだよ!動機が足りなかったんだよね!」

小糸「ど、動機……」

雛菜「人を殺す理由ってことですか〜?」

円香「それならこの生活自体がそうなんじゃないの?……監禁したから、ここから出たければ人を殺せ」

透「あー……モノクマも言ってたしね」

モノクマ「外の世界に出たい……それじゃ弱かったんだよ。オマエラってば仲良しでお人よしみたいだからさ!」

モノクマ「だから考えました!それに加えてもっと強力な動機、オマエラの絆を引き裂くぐらいのやつね!それが足りなかったんだ!」

灯織「なっ……!」

甜花「絆を……」

甘奈「引き裂く……」

_____とてつもなく嫌な予感がする。
喉の奥がひりついて、呼吸が浅くなる。
130 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:10:30.83 ID:9WXccj5H0
モノクマ「お手元の電子生徒手帳をご覧ください!」

促されるまま電子生徒手帳に目を落とす。
すると、

ピロリ

電子音と共に画面上には何かファイルが浮かび上がってきた。

凛世「こちらは……?」





モノクマ「これが動機……【秘密】だよ」





灯織「秘密……?」

モノクマ「オマエラがお友達にも言わずにひっそりと抱え込んである秘密……それがそのまま書かれているファイルだよ!」

円香「……っ!!」

愛依「なっ……マジ?!」

樹里「そ、そんなの嘘っぱちだろ!」

モノクマ「うぷぷぷ……まあ信憑性は見てもらえれば一目瞭然!」

モノクマ「このボクの千里眼にかかれば分からないことなんてないんだよ!」
131 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:14:00.17 ID:9WXccj5H0
一斉にどよめく体育館。
それもそのはず、抱え込んだ秘密が今目の前にあるといわれて冷静でいる方が無理だ。
私も、その心当たりがないのに胸騒ぎが止まらない。

これが、動機……人を殺しに駆り立てる動機……





……これが?

めぐる「あれ?……でも、それと動機になんの関係性があるの?」

モノクマ「はぬ?」

真乃「うん、既にモノクマが私たちの秘密を知っているなら……動機にはならないよね」

そう、二人の言う通りなのだ。
むしろ【秘密】が本当に動機なのだとしたら、モノクマがそれを知っている時点で動機としての意味は失効しているも同然。

冷静になってみると……
動機としてはむしろ弱いのではないかとすら思えてきた。


モノクマ「なるほどなるほど、そういうことですか」


しかし、モノクマは私たちのそんな疑問にも明確な回答を用意していた。


モノクマ「ならばお答えしましょう!その『秘密』……実は」
132 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:14:44.32 ID:9WXccj5H0







モノクマ「ファイルの受信者【以外の誰かの】秘密なのです!」






133 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:16:52.20 ID:9WXccj5H0
灯織「……!?」

モノクマ「櫻木さんなら櫻木さん以外の、八宮さんなら八宮さん以外の。残り15人のうち誰かの秘密が書いてあるのです!」

モノクマ「おっと、今この瞬間から自分の電子生徒手帳を他人に見せるのは禁止だよ!そうでなきゃ意味がないからね!」

【校則が追加されました】

“【7】自分の電子生徒手帳を他人に見せることは禁止します。プライバシー保護の意識を高く保つよう心がけてください。”

モノクマ「どう?他人に知られたくない秘密、それが既に他人に知れ渡ってる……」

モノクマ「ソイツが別のやつに言いふらしたらジ・エンドだね!人の口に戸口はつけられないからね!」


なるほど、モノクマはなにも秘密を人質に強請ろうとしているわけではない。
自分で言ったとおり、私たちの絆を引き裂くことが目的。
それならば、疑心暗鬼な状況を生み出そうということ。
134 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:18:12.23 ID:9WXccj5H0


樹里「……ふふ」

モノクマ「……なに笑ってんのさ」





……だけど、これでも拍子抜け。





樹里「バカだな、モノクマ!アタシたちがそんなことで仲違いするとでも思ってんのかよ!」

モノクマ「はぬぅっ?!」

咲耶「ああ、どうやらキミは私たちの間の信頼というものを少々低く見過ぎているようだね」

めぐる「うんうん!自分の秘密を他の人が知ってるからって仲が悪くなんかならない!」

甘奈「甘奈たちはむしろ、それを乗り越えちゃうんだから!」

愛依「むしろもっと仲良くなっちゃったりして!」

真乃「動機なんて言うからびっくりしちゃったけど……大丈夫そうだねっ!」

透「うん、問題なし」
135 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:22:36.53 ID:9WXccj5H0
モノクマ「なんだよ!なんなんだよ!せっかく人がコロシアイしやすくしてやったってのにさ!」

雛菜「人じゃなくてクマだけどね〜」

モノクマ「あーオマエ、揚げ足まで取りやがったな!コケにしやがって……もう怒ったぞー!」

樹里「あーあ、せっかく呼び出したのに全部台無しだな」

霧子「これなら、大丈夫そう……!」

モノクマ「怒ったクマー!」


と、怒鳴るだけでモノクマはそれ以上はなにもしてこず……その姿を消した。


智代子「……行っちゃった」

真乃「……終わったのかな?」

愛依「アッハハ!なーんだ、そんな心配する必要なかった系じゃん!」

甘奈「そうだね、一安心だよー」

咲耶「この程度で信頼が揺らぐとは甘く見られたものだね」

灯織「はい……この程度で殺し合うなんて……ありえません」

樹里「そもそもそんな秘密自体がアタシには無いしな!」

めぐる「わたしも身に覚えがあんまり無いかなー」

凛世「このまま共同生活も、つつがなく行えますでしょう……」

モノクマの用意した動機。
それは思っていた以上にあっさりとしたもので、差し迫った恐怖すら感じることもなく、平和的にやり過ごすことができるものだった。

みんながそう感じたのか、体育館には和気藹々としたムードすら生じ始めていた。

136 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:27:16.79 ID:9WXccj5H0

摩美々「ストップー」


だけど、摩美々さんだけはそんな私たちを窘めた。


咲耶「摩美々?」

摩美々「あんまりそれ以上言わないほうがいいんじゃない?」

愛依「え?」

摩美々「自分ではそうかもしれないケド、他の人がどんな秘密を持ってるのかはわかんないじゃない?抱え込んでる人を追い込みかねない発言はやめたほうがいいよねー?」

(……!!)


そうだ、私はそんな秘密に身に覚えがないからこうして笑っていられるけど、内心不安な人ももしかするといるかもしれない。

そんな人にこのムードはむしろ危険だ。追い詰めてしまうことにもなりかねない。


めぐる「そ、そっか……」

摩美々「別に秘密があること自体は悪いことじゃないんだしー、この場以降もう触れない方がいいんじゃない?」

円香「……そうですね、自分の尺度で物事を判断しすぎるのは良くないかもしれません」

樹里「そうだな……悪ぃ」

咲耶「摩美々の言うことにも一理あるね……今回の動機については今後言及は避けよう、それとできれば他の人の秘密とやらも見ない方が望ましいね」

灯織「……そうですね、お互い信じ合うためにも」

凛世「先ほど追加された校則により……口頭以外での流出は避けられます……それがよろしいかと……」

智代子「うん!それじゃあ他の人の秘密は見ない!口外しない!……ってことで!」

摩美々「異議なーし」

灯織「うん……!」



摩美々さんの言葉で冷静になることができた。
あのまま別れていれば、もしかすると思い詰める人も現れたかもしれない。



でも、こうして秘密は相互不可侵だと口約束を取り決めた以上、その心配はない。



私たちは本当の意味でモノクマの動機提供をやり過ごすことができたんだ。


137 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/02/26(金) 21:28:06.69 ID:9WXccj5H0





透「……秘密、ね」




652.51 KB Speed:0.7   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)