【リゼロSS】ラム姉様の華麗なる日常

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 17:44:23.87 ID:i5LdU/eiO

※4章〜5章の間の話なのでアニメ勢の方はネタバレ注意

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1608626663
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 17:46:28.38 ID:i5LdU/eiO
【1話目】

ロズワール邸随一の敏腕メイド

老若男女全てがひざまずき、森羅万象も讃える国宝級の可愛い女…


そう


「それがラムよ」


スバル「どうした姉様。朝から絶好調だな」

ラム「絶好調?笑わせてくれるわね、今ラムはとても怒っているわ」

ラム「バルスが不服そうな顔をしているから改めて私の華麗さを説いてあげただけよ」

スバル「色々ツッコミてぇが今はまぁいい……確かに俺が悪かったよ。俺が100%悪かった」

スバル「でもさ、ちょっとはしゃいでただけじゃん!そこまで怒らなくて良くない!?」

ラム「まだ言い訳をやめないのね、エミリア様とベアトリス様を見習いなさい」


エミリア「すごーく反省してます…」シュンッ

ベアトリス「…」シュンッ


ラム「ちゃんと大人しく自らの非を認めて二人ともいい子だわ。今日のお菓子抜きは撤回してあげましょう」

スバル「遠回しにエミリアたんまで子供扱いしてね?」

ラム「聞きなさいバルス。あなたが以前のように居るのか居ないのかよく分からない使用人の頃ならラムもここまでしつこく怒らないわ」

スバル「言い方…」

ラム「けど、今のバルスはエミリア様の騎士であり正式な主従関係。それを、あの朝みたいな情けない惨状、もし他の王選候補者にでも見られていたらどうするの。笑い事じゃすまないわよ?」

エミリア「はい…」シュンッ

スバル「本当にその通りでした…申し訳ありません…」

ベアトリス「正論なのよ…」



ペトラ「…あれ?皆さんどうしたんですか?」


スバル「おう、ペトラ」


ラム「…あぁ、ペトラはメィリィへの朝食を運んでいたから見ていないのね。いいわ、説明してあげる」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 17:47:41.19 ID:i5LdU/eiO
30分前…


エミリア「見てスバル!夜すごい雨だったのに綺麗に晴れてる、いいお天気ね!」

スバル「お天気ではしゃぐエミリアたんマジEMT…」

ベアトリス「またくだらないこと言ってるかしら」

スバル「俺も雨上がりの晴れた景色は好きだね。なんか雰囲気とかいいよね。ほら、ベア子も一緒に見ろよ」

ベアトリス「急に抱っこするんじゃないのよ!」

スバル「この方がよく見えるだろ?」

ベアトリス「…まあ、確かに悪くはないかしら。もう少しこうしているのよスバル」

エミリア「ふふ、二人はすごーく仲良しね」

スバル「ガキん頃、雨やんではしゃいで外で遊んで…カタツムリ見つけたり、泥だらけになって叱られたりしたっけ……」

エミリア「ふーん。私、パックから『汚れるから雨降ったあとあんまり外で遊ぶな』って言われてたから…」

スバル「あの過保護猫め…」

スバル「そうだ、ベア子!カタツムリいないか探してみようぜ、子供らしいことしよう!」

ベアトリス「そのカタツムリってなんなのよ…」

スバル「まあそれっぽい虫とか居るかもしれないし!行こうぜ、ベア子。雨上がりの庭を探検だ!」

ベアトリス「ちょっ、待つのよスバル!」

エミリア「探検面白そう、私も行く」

スバル「うん、エミリアたんも行こう!」



4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 17:48:21.94 ID:i5LdU/eiO
そして庭へやってきた三人



エミリア「お日様気持ちいい〜」

スバル「あそこの植木の中とかなんか居そうじゃね?雨上がりだけに出る虫とか生き物居たりする?」

エミリア「うん、なんか殻付いててネバネバした感じのちょっと可愛いのとか…」

スバル「それカタツムリじゃね!?」

ベアトリス「スバルが一番子供みたいにはしゃいでるのよ」

スバル「そうだ、あそこの植木のとこまで競争しよう。子供は外を走り回るもんだ」

ベアトリス「べ、別にベティーは子供みたいに競争したいとか…」

スバル「じゃあ手ぇ繋いで走るか!!」

ベアトリス「そういう問題じゃないのよ!」

エミリア「ふふふ。私とも手、繋ご?ベアトリス」

ベアトリス「二人して何なのよ!止まるかしら〜!」


スバル「こうして三人で一緒に走ってると親子みたいだね、エミリアたん」

エミリア「そうね、スバルがお兄ちゃんでベアトリスが妹!」

スバル「待って、それだと俺とエミリアたんの関係は何!?」

ベアトリス「スバルが私の兄だなんて100年早いのよー!」

そうして三人で手を繋いで走る、そんな微笑ましい光景が繰り広げられていた……



しかし


ズルッッッ!!


スバル「あ…」

ベアトリス「……っ!?」

エミリア「きゃあっ!?」


スバルが足を滑らし



スバル「ずべああぁっ!?」

ベアトリス「ふぎゃーっ!」

エミリア「はぶっ!?」



三人揃って盛大に転んでしまった



水溜まりと雨でぐちょぐちょになった地面の上に
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 17:48:55.81 ID:i5LdU/eiO
スバル「あ…は、ははははは!」

エミリア「あはは、転んじゃった!」

ベアトリス「も〜…何が楽しいのよ!ベティー泥だらけになっちゃったかしら!」

スバル「ははは……悪い悪い。けど、今のベア子も子供らしくて悪くないぜ?」

ベアトリス「子供扱いすんじゃないかしら」

ベアトリス「スバルこそ顔が泥まみれで、ただでさえかっこよくもない顔が余計に酷くなったのよ」

スバル「お、言ってくれたなベア子!」

エミリア「あはは、本当だ。スバル顔泥だらけ、カッコ悪い」ニコニコ

スバル「エミリアたんに笑ってもらえて嬉しいが複雑な気持ちだよ…」

ベアトリス「…ふふ…」

スバル「へへ。笑ったなベア子、もっと笑おうぜベア子!」

ベアトリス「わ、わ、笑ってなんかないのよ!」

エミリア「笑って笑って」



「………全然笑えないのだけれど?」



ベアトリス「…っ!!」ビクッ

スバル「やべぇ、この声は…」

エミリア「あ、あのね、これは…えっと……」



ラム「主従揃って朝から泥んこ遊びですか?王選候補者とは思えない惨状ですね」

エミリア「う…その、ごめんなさい…」

ラム「そして何より」



ラム「その泥だらけの服や荒れた庭、誰が綺麗にすると思ってるんですか?めんどくさい仕事増やさないでください」

スバル「最後のが本音だよね?姉様」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 17:50:37.90 ID:i5LdU/eiO


ラム「ーーーということがあったのよ」

ペトラ「え………」

ラム「見なさいこの子の顔を。擁護してあげようにも擁護の言葉が見つからない困った顔をしているわ」

スバル「くうぅ…っ!ごめんなさい!」

ペトラ「その、元気なのはいいと思うよ!あ、思います!」

スバル「うん、フォローありがとう。でもいいよ、正直に言いたいこと言ってくれて」

ペトラ「泥だらけの服も荒れたお庭も綺麗にするの大変…」

スバル「本当にすみませんでしたぁっ!」

エミリア「ごめんね、ペトラ…」

ベアトリス「…ごめんなさいなのよ…」


ペトラ「あの、ラムお姉様。三人とももう反省してるみたいですし…」

ラム「そうね。優しいペトラに免じてこの辺りで許してあげましょう。バルス以外」

スバル「なんでっ!!?」

ラム「冗談よ」

スバル「姉様が言うと本当か冗談か分かんねぇよ…」

ラム「ハッ!」



ラム「…で、外で遊ぶのは構いませんが泥や水溜まりは避けてください。今度からはもう少し気を付けてくださいね」

ベアトリス「わかったのよ…」

エミリア「うん、わかりました。気を付ける!」

ラム「なんで主人に対しても子供相手みたいな注意しなきゃダメなのかしら…」

スバル「姉様、それせめてエミリアたん居ないとこで言おう?この子が主人だよ?」

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 17:51:20.94 ID:i5LdU/eiO
ビチャッ!ビチャッ!!



エミリア「ん?なんだろ?」

ベアトリス「泥のような音がするのよ」

ラム「………」ハアーッ

スバル「まさか…っ!」





シュッ!ビシュッ!シュッ!

ビチャッ!ビチャッ!!


ガーフィール「フンッ!どらァッ!!おらラァッッ!!!」

ビチャアッ!!!



ラム「…ねぇ……あのバカは何をやっているの?」

スバル「あ、あ〜…トレーニングしてんだろうな。特に今日は朝からテンション高かったし…ははは」

ベアトリス「あんなベチョベチョの地面で動き回るから泥だらけなのよ」

エミリア「あちゃ〜…」




ガーフィール「おォッ!ラム、大将!見てっかよォッ!?」

ガーフィール「俺は今日は朝から調子いいぜェッ!トレーニングも捗るってもんよォッ!!」

ビチャアァッ!!!



ラム「バカガーフゥッッ!!!」


このあと、ガーフィールはラムとフレデリカから叱られることになるのは言うまでもない。


1話目 おしまい
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 20:11:33.25 ID:C8ipQu9dO
【2話目】


ガーフィール「くっそォッ!まあッた負けちまったァッ!」

オットー「まだまだですねぇ、ガーフィールは。シャトランジ盤はもっと戦略を練ってですね…」

スバル「オットーのドヤ顔が気に入らねぇ。俺とオセロで勝負だ」

オットー「なんか訳のわかない理由で勝負を仕掛けられた!?しかもナツキさんの得意分野で!」

スバル「ったりめぇだ。シャトランジ盤じゃオットーには絶対勝てねぇ。だからオセロだ」

オットー「潔いのか潔くないのか分かんねぇ!」



ラム「あら、三馬鹿。真っ昼間から何をやっているの?」


スバル「会うなりいきなり三馬鹿て」

ガーフィール「もうちょい言い方ってェもんがあんだろうがよォ」

オットー「僕も馬鹿に入っているのが納得いかないんですが…」

ラム「なに?ラムに文句でもあるの?あまり生意気言ってるとオットーするわよ?」

オットー「オットーするって何なんですかねぇ!?」


スバル「今ので1オットー加算だな」

ガーフィール「あァ。今日で合計6オットーだぜ、大将」

オットー「あんたらの間で『オットー』はどういう意味の単語なんですかねぇ!!?」

9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 20:12:33.73 ID:C8ipQu9dO

ラム「…なるほど、最近仕事疲れが溜まってるオットーをリフレッシュさせてあげてたのね。てっきり仕事が嫌になって逃げ出したオットーが真っ昼間からゲームして遊び散らかしてるのかと思ったわ」

スバル「姉様、オットーは逃げたりなんかしないよ」

ガーフィール「あァ。オットー兄ィの根性は俺も認めてッからよォ」

ラム「そうね、確かにその通りよ。先程の発言は撤回しましょう、オットー」

オットー「いえいえ、ラムさんが本気で言ったわけじゃないくらい僕にだって分かりますから。あはは…」

ラム「あなたには一生ここに居て貰わなきゃ困るわ。今後ともロズワール様の為だけにその身を捧げなさい」

オットー「それ本気か冗談か分かんないのが怖いですよ!一生居るつもりはないですからねぇ!?」

スバル「そう言うなよオットー、連れねぇなぁ」

ガーフィール「俺達ァ、あれだオットー兄ィ。親友ってェ奴だ。なァ大将」

スバル「おうともよ!」

オットー「嬉しいけど複雑っ!!」

ラム「やっぱり三馬鹿ね」ハアーッ

オットー「呆れたような顔するのやめてくれませんかねぇ!?」

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 20:13:04.96 ID:C8ipQu9dO
スバル「そういや姉様こそこんなとこで遊んでていいの?」

ラム「今ラムは見ての通り休憩中よ。そしてやらしい目を向けてくる男達に掴まってしまったか弱い女の子…それが今の私の状況よ」

ガーフィール「いや、自分からここに入ッて来たんだろッがよォ」

オットー「ブレないなぁ、この人は」

ラム「まあいいわ。私もシャトランジ盤、またはオセロを相手してあげてもいいわよ」

スバル「もしかして姉様もゲームに混ざりたかったの?」

ラム「ハッ!」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 20:13:34.21 ID:C8ipQu9dO
ーーーーー

オットー「くうぅ…強い…!」

ラム「さあ、どうするの?」

オットー「ならこうですよ!」

ラム「おっと、そう来たの。さすがに強いわね。危ない危ない。オットットー」

オットー「余計な一言付けるのやめてくれません!?」


ガーフィール「ラム、強ェな…俺じゃとても勝てッこねェよ」

スバル「あぁ。オットットーが苦戦するくらいだからな…」

オットー「真似しなくていいですよぉっ!!」


ガーフィール「そういや、いつもくっついてるベアトリスはどうしてんだッ?大将」

スバル「あぁ。ペトラの買い物に、エミリアたんと一緒にベア子も行かせたんだ。微笑ましいだろ」

スバル「ベア子も、たまには俺以外と過ごす時間を作ってやった方がいいからな」

ガーフィール「ッだなァ」


オットー「…あぁっ!勝ったぁ!」

ラム「くっ…!」


スバル「おぉっ!」

ガーフィール「やったじゃねェかよォッ!」



ラム「…もう一回よ!」

スバル「姉様もハマってんなぁ」



フレデリカ「こら、ラム!いつまで遊んでいますの!」

ガーフィール「あ、姉貴」


ラム「…」

ラム「私は休憩中よフレデリカ」

フレデリカ「休憩時間はもうとっくに終わりましたわ、仕事に戻りなさいラム」

ラム「…」


ラム「ハッ!」


オットー「素直に遅れてごめんなさいって言えないんですかねぇ…」

2話目 おしまい
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 23:00:34.74 ID:Hxw29vm3O
【三話目】

ペトラ「恋話しませんか!?」

ベアトリス「ベティーの自慢の髪の毛を弄くりながら何を言い出すのかしらこいつは」

ラム「男について語り合いたいだなんてはしたないわ…」

フレデリカ「まあまあ、それくらい良いでしょう。ペトラだってお年頃の女の子なんですから」

ペトラ「えへへ、ごめんなさい。こうやって女の子全員で集まるなんて珍しいなって思って……そういう話なんかも皆でしてみたいなって」

エミリア「そうね、ペトラ。女の子の友達で集まるの、私もすごーく新鮮」

ラム「エミリア様。私達は友達ではなく……いえ、やっぱいいです」

エミリア「それで、コイバナって何をするの?何をした人が勝ち?」

フレデリカ「いえ、勝ち負けを競うようなものではなく…」

ラム「最も濃い匂いの花を見つけたものが勝ちのガチンコレース…それがコイバナです」

エミリア「へー」

フレデリカ「エミリア様、ラムのからかいを真に受けてはいけませんわ」

ペトラ「好きな人のことを話したりするんですよ」

エミリア「好きな人?」

ペトラ「例えば私だったら〜…スバ…」

ペトラ「きゃー!やっぱ恥ずかしい!」

ラム「スバルでしょう?見てれば分かるわ。というかほぼ言ってるわ」

ペトラ「ベアトリスちゃんは!?」

ベアトリス「ふん、ベティーは恋なんか興味ないのよ」

ベアトリス「それなしで単純な好きで良いなら…にーちゃと。まあスバルかしら」

ペトラ「私は?」

エミリア「私は?」

ベアトリス「べべ、別に嫌いではないのよ!!」
フレデリカ「ふふふ」

ペトラ「フレデリカお姉様は?」

フレデリカ「私も参加したいのですが…ごめんなさいねペトラ。私も恋愛的な意味での好きな相手というのは居ないんです」

ペトラ「じゃあベアトリスちゃんみたいに他のでも…」

フレデリカ「そうですわね……それならやはりガーフでしょうか。何だかんだで可愛い弟ですよ」

ラム「そうね、ガーフは弟として見れば可愛いわ」

フレデリカ「それ本人には言わない方がいいですわよ?」

13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/22(火) 23:01:12.76 ID:Hxw29vm3O
ペトラ「ラムお姉様は…」

ラム「ハッ!悪いけれど、ラムはそんな恋愛話にうつつを抜かしたりはしないわ…ペトラ。ただ」


ラム「世界で最も尊い男性を挙げるならばそれはラムにとってロズワール様以外には有り得ない。例えば、まずロズワール様の…」

ペトラ「え、あ、はい…」

フレデリカ「どの口で言ってるんだ、ぐらいは言い返してもいいですわよペトラ」

エミリア「次は私の番?」

ペトラ「はい!エミリア様どうぞ」

エミリア「えっとね〜…好きな人は、スバル!」

ペトラ「う……やっぱかぁ…」

エミリア「それと、パックも好きだし〜」

ペトラ「え?」

エミリア「ラムもベアトリスもペトラもフレデリカも、オットーくんもガーフィールもパトラッシュちゃんも好き!」

ラム「…」

ベアトリス「…」

フレデリカ「まあ…」

エミリア「それとね、今は覚えてないけど。ずっと眠ってるレムのことも好きだったと思うの」

ペトラ「えっと…」

ラム「………」

エミリア「とにかく。私は皆のことがすごーく好き!」

ペトラ「ん〜…ま、いっか」

ベアトリス「まあ別に悪くないかしら…」

フレデリカ「うふふ、ありがとうございます。エミリア様」

エミリア「えへへ。みんな仲良くが一番ね!」

ラム「…今、珍しくバルスに少し同情しているわ…」

エミリア「え、なんのこと?」

ラム「いえ、何でもありません」

三話目 おしまい

男子の恋話編に続く

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/23(水) 13:28:55.28 ID:Jz9PfcsKO
【四話目】

スバル「なあ、オットー、ガーフィール。男同士もっと青春っぽいこと話さね?」

ベアトリス「ベティーの自慢の髪の毛を弄くりながら何を言い出すのかしらこいつは」

ガーフィール「青春だァ?大将。誰がケンカ強ェかッとかかァ?」

スバル「不良同士の青春ならそれでいいだろうけどここに居るのお前以外インドア派だからね。まあオットーは武闘派でもあるけども」

オットー「誰が武闘派ですか」

スバル「例えば、好きな女の子の話とかだ。恋話だな」

ガーフィール「んな、女みてェな会話してられッかよォッ」

スバル「おいおい、男子だってするぞ。なあ?オットー」

オットー「知りませんよ、僕そういう会話したことありませんし…そもそも商人の仕事やら今はここの仕事やらで、そんなこと考えてる暇も無いですから」

スバル「でもよ、やっぱ恋はいいもんだ。頑張れる気力にもなるしな。オットーは素材は良いんだからもっと顔キリッとさせて目立つ大活躍すりゃモテるぜ?もうそれこそハーレム築けるくらいにな」

オットー「僕がモテる訳ないじゃないですか。いちいちからかうの止めてもらえませんかねぇ」

スバル「いや今のは結構真面目に言ったんだけど…」

ベアトリス「弄られ体質が身に染み付いちゃっているのかしら」

ガーフィール「もッと自信持てよ、オットー兄ィ」

スバル「まあ気を取り直して。気になる女の子について語り合おう」

ガーフィール「フンッ、俺の気になる女なんざ今も昔も…」



ラム「面白そうな会話をしているわね。ラムにも聞かせなさい」

ガーフィール「げ、ラム!」

ラム「げ、とは何かしらガーフ」

スバル「何ってそりゃあ…なぁ?」

ラム「ガーフのこれから話すであろう気になる女の子ご本人が登場したからかしら?」

ガーフィール「ああ、もうそうだよチキショオッ!おめェ分かってて今乱入して来たッだろ!?」

ラム「いえ、残念ながらたまたまよ。オットーの不運がガーフにも回ったわね」

オットー「しれっと何言ってくれるんですかねぇ、この人は」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/23(水) 13:29:24.13 ID:Jz9PfcsKO
ラム「まあ邪魔するつもりはなかったのよ。続けてどうぞ」

ベアトリス「自分の話題が出されるの分かってて、ここまで堂々とできるの凄いのよ…」

ラム「安心なさい。ラムは口が堅いから聞いた話を無闇に他人に吹聴したりしないわ。そして話してる途中におちょくりもしない」

スバル「姉様の口の堅さに関しては信頼してるけど、おちょくりは絶対にしてくるよね?」


ガーフィール「…大将、俺ァ、ギブだ。変わッてくれ」

スバル「おう、仕方ねぇ。任された」

ラム「バルスの恋話?ハッ!どうせ、いやらしく鼻の下伸ばしながらエミリア様のことばっかり語るのでしょう。朝から晩まで」

スバル「舐めんなラム。朝から晩どころか一週間ぶっ続けで語れる」

ラム「ふん。ラムはロズワール様のことなら一年語れるわ」

スバル「ぐっ…なら二年だっ!」

ラム「ロズワール様五年。レム五年」

スバル「ぐっ!エミリアたん五年、レム五年、ベア子五年で十五年だあっ!!!」

オットー「なんの勝負ですかこれ!?」

ベアトリス「訳わからんのよ」

ガーフィール「なら俺ァ100年だぜェ!ラムゥ!」

オットー「あんたまで混ざらなくていいんだよ!!」

ラム「あなたもツッコんでばかり居ないで恋話したらどうなの?」

スバル「そうだよ、ちゃんと混ざれよオットー」

オットー「僕には訳の分からないバトルが始まったようにしか見えなかったんですがねえ!!」

ラム「あとバルス。悪い虫がレムを五年も語ることは許さないわ」

スバル「悪い虫は酷くね!?」

スバル(…まあ、記憶なくしてもレムへの愛情が深いのは嬉しいけど…)

ラム「何をニヤニヤしているの?まさか私にボロクソ言われて嬉しいの?ドの付く変態ね、最悪だわ」

スバル「姉様、あんま言われたらさすがの俺も傷つくよ」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/23(水) 15:12:06.72 ID:/r5A7JBuO
スバル「…で、オットー。別に好きな女の子でなくてもいいんだ。うちの陣営内で『この子なら付き合ってもいいかなー』って子でも居ないの?」

オットー「そんなこと考えた事もないですからねぇ」

ガーフィール「じゃア一人一人挙げてみッか」

スバル「んだな。じゃ、まずはベア子」

オットー「いきなり何なんですか。考えるまでもなく年齢的になしでしょう」

ベアトリス「そもそも仮にベティーが大人だったとして、オットーは勘弁なのよ。ごめんなさいかしら」

オットー「そしてなんか勝手にフラれたんですが!?」

スバル「そもそも俺の娘はやらん」

オットー「あんたは何なんだ!!」

ラム「では次に行こうかしら……ペトラなんてどう?」

オットー「あんたらは僕をどうしたいんですかねぇ!?」

ラム「いい子よ?」

オットー「いい子なのは分かってますけど!そういう問題じゃないでしょう!!」

17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/23(水) 17:40:33.87 ID:Sh+EO1MuO
ガーフィール「ンじゃあ、姉貴なんかどうよ?」

オットー「フレデリカさんですか…まあ、悪くはないですね。この陣営の中じゃ一番安心感があります。しっかり者で真面目な良い方ですし…」

ラム「良かったわねガーフ。お兄ちゃんが増えるわよ」

ガーフィール「本当の兄ちゃんになンのァ複雑だなァ…」

スバル「つまりガーフィールの家に遊びに行くたびオットーも居んのか…いつまでも一緒に遊べるなっ!」

オットー「いやなに勝手に話を進めてるんですか。あくまで陣営の中では女性として悪くないって話ですからね?」

スバル「じゃあラムは?」

オットー「ラムさんですか…」

ラム「ラム様よ」

オットー「何故に!?」

ラム「寛大な心を持つラムは何を言われても怒らないわ。性的な視線を少しでも向けてきた瞬間その目を潰すけれど」

オットー「おっかないですよ、この人っ!!結婚しようなんて言った瞬間様々な罵倒が飛んできそうですよ!?」

ラム「そこまではしないわよ。ただ国を1つでも差し出せば、ギリギリ考えてあげる余地を許してあげないこともないだけね」

スバル「すっげぇドヤ顔ですっげぇ事言ってる」

オットー「もうツッコむ隙すら与えない勢いですね…」

ラム「ハッ!」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/23(水) 18:10:19.58 ID:Sh+EO1MuO
ラム「なら最後に、エミリア様はどうなの?」

スバル「おいこらオットーてめぇ」

オットー「僕まだ何も言ってないですよねぇ!?」

ベアトリス「反応が速すぎるのよ」

スバル「分かってらぁ、冗談だ。ほら言ってみろオットー」

オットー「そうですねぇ、エミリア様の頑張り屋で優しいところは僕も高く評価していますよ。立場だけでなく純粋に僕個人としても彼女を応援したいと思っています」

スバル「えー。その個人としても応援したいとはどういう意味でしょうか?」

ベアトリス「スバルちょっと顔怖いかしら」

オットー「心配しないでくださいよ、あくまで人として尊敬してるってだけの話ですから」

スバル「ははは、そうかそうか!だよな、エミリアたんは応援したくなるよな!よく分かってらっしゃる、さすが親友っ!!」

オットー「ははは…」

ガーフィール「…で、結婚相手として見たらどうなンだよ?」

オットー「あー…」



オットー「いや、それは無いですね。なんというかエミリア様は……気分としては頑張ってる子供を見守ってる感覚に近いです」

ガーフィール「あー…」

ラム「その通りね」

ベアトリス「分かるかしら」

スバル「やべぇ、その意見には俺も何も言えねぇ…」


四話目 おしまい
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/23(水) 19:27:33.19 ID:Sh+EO1MuO
【五話目】

この日、ラム、フレデリカ、ペトラは食堂と厨房の大掃除を行っていた。



ラム「ふー………ペトラ、あとはここ任せたわ…」

ペトラ「はい。休んでてください、ラムお姉様」

フレデリカ「…ペトラ、もう少しラムに厳しく言ってもいいんですわよ?」

ペトラ「…ラムお姉様のお身体のことを知らないときは言いそうになりましたけど。今はあの人の事情も少しは知っていますから」

フレデリカ「そう…ペトラはいい子ですわね」



ラム「はあ…」グタァッ

フレデリカ「て、ラム!さすがにそんなはしたない休み方は看過できませんわ!なんですのその高慢な女王様の様な座り方は!」

ラム「いいのよ、私はラムなのだから」

フレデリカ「本当に可愛いげのない子!」



フレデリカ「…ではペトラ。私は厨房の方へ行ってますので、こちらは頼みますね?」

ペトラ「はい!」



ラム「………」



ペトラ「んっしょ、よいしょっ」


ラム「………」



ペトラ「んん〜〜〜っ!!」


ラム「…ペトラ。そんな大きな荷物無理して運ぶことは無いわ。後でフレデリカに任せておきなさい。ふらついてるじゃないの」


ペトラ「でも、フレデリカお姉様にここは頼まれたから…少しでも」


ラム「頑張りと無茶は違うの。転んで下敷きになっても知らないわよ」


ペトラ「大丈夫ですっ!」


ラム「ペトラ…」


ゴンッ!!!

ズルッ!!


ペトラ「きゃ…っ!?」


ラム「っ!!!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/23(水) 19:28:11.36 ID:Sh+EO1MuO


ペトラ(タンスにぶつけちゃった、あ、荷物が…下敷きに、タンスの上のものも……ダメ、間に合わな……)



ガタンッ!
ガラガラッ!!ガシャッ!!



ペトラ「…っ!!!」



ペトラ「…あ……れ?」


ラム「はあ…はあ…っ、バカね。だから言ったでしょう…」

ペトラ「ラムお姉様!?私を、助けるために…っ」

ラム「わかった?もう無茶はしないこと…まったく…」

ペトラ「ごめんなさい、ラムお姉様!ごめんなさい!…ありがとう…」

ラム「…ふん…」

ペトラ「大丈夫…ですか?立てますか…?」

ラム「…ちょっと横になりたい、このまま休ませて……」


バタンッ!!


フレデリカ「ペトラ!大丈夫ですか!?何か大きな物音が…っ」


フレデリカ「って、ラム!?床で寝るだなんて言語道断ですわよっ!!?」

ペトラ「あ!フレデリカお姉様、違うの!これには訳が…!!」

ラム「…」


五話目 おしまい
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/23(水) 20:01:29.77 ID:Sh+EO1MuO
【六話目】

今日はラムの隣町への買い出しにエミリアも付いてきていた


ラム「…なぜエミリア様も付いてきてたんです?ラムは別に構いませんが」

エミリア「たまには気分転換に外に出たかったし、ラムと二人でお出掛けもしてみたかったの」

ラム「…前の王都の時みたいにはぐれないでくださいね」

エミリア「うん、大丈夫!」



「おや、エミリア様…お久しぶりです」


ラム「!」

エミリア「あ!」


ユリウス「まさかこのような場所でお会いするとは」

エミリア「ユリウス、久しぶりね!」

ユリウス「変わらずのようで何よりです」

エミリア「ユリウスは何をしてるの?」

ユリウス「この付近に住んでいる商人の方とアナスタシア様が交渉をしていらっしゃり…私はその護衛として参りました」

エミリア「なるほど」

ユリウス「ラム女史も魔女教との戦いの時…少しだけ顔を合わせた以来ですか」

ラム「ええ。覚えて頂いていて光栄です。まったくバルスにもその礼儀を見習わせたい」

ユリウス「ふ…ナツキ・スバル殿も騎士になったとお聞きした彼は元気だろうか?」

ラム「はい。バルスは相も変わらずバルスで本当に困ったバルスです」

ユリウス「なるほど、変わらず彼は元気と」

エミリア「凄い、今ので伝わってる…」

ラム「それと、彼が敬称で呼ばれるのは何だか気味が悪いです」

ユリウス「ふ、実際に彼にも文句を言われそうですよ…礼儀として初めはそう呼びますが」

22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/23(水) 20:04:39.76 ID:Sh+EO1MuO
書き溜めてメモしてた分を間違えて消しちゃったので、また明日投下します
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/24(木) 11:45:43.67 ID:KfcGZPsZO
面白い
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/24(木) 13:37:27.15 ID:QwI0H8A5O
ユリウス「そういえば、この町では最近スリや盗みが流行っていると聞きます。一グループによる犯行と疑われては居ますが……お気をつけください」

エミリア「まあ…分かったわ、ありがとう。気を付ける」

ラム「その様な輩は見付け次第ラムが徹底的に制裁を加えますので御安心を」

ユリウス「貴女のような方が側に居れば安心ですね」

エミリア「うん、ラムはすごーく頼りになるの」
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