光彦「月影島に行きましょう!」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:32:31.92 ID:hyggTRQZO
コナン「おら!光彦死ね!」

光彦「痛いです!やめてください!」

コナン「そう言って心の中では喜んでるんだろ!」

光彦「そんなわけないでしょ!」

コナン「口答えするんじゃねえ!」ドゴォ!

光彦「痛い!!」

コナン「どうだ?キック力増強シューズで蹴られる感覚は?」

光彦「やめて・・・もうやめて・・・。」

コナン「うるせえ!!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1608467551
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:33:32.68 ID:hyggTRQZO
〜その後〜

光彦「うう・・・ぐすっ・・・。」

阿笠「ほら、これでよし。」

光彦「ありがとうございます・・・。」

阿笠「お礼なんて言わんでくれ、わしら大人がコナン君を止められないのが悪いんじゃ。」

光彦「博士は怖くないんですか?僕に手当てなんてしたら、博士も一緒に・・・。」

阿笠「わしはメカを作っておる、言わばコナン君のライフラインじゃ。ちょっとのことでは狙われんよ。」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:34:07.92 ID:hyggTRQZO
阿笠「わしがそもそもメカを作らなければ、君が傷つくことも無かったが・・・。」

光彦「そんなこと言わないでください!博士の発明のおかげで、僕らはいくつもの危機を切り抜けられたんです!」

阿笠「光彦君・・・ぐすっ・・・。」

光彦「・・・ねえ、博士。」

阿笠「何かね。」

光彦「コナン君は、どうして変わってしまったんでしょう?」

光彦「前のコナン君は、とても勇敢で心優しくて、人を傷つけて楽しむような人間ではなかったんです。」

阿笠「・・・・・・。」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:34:48.14 ID:hyggTRQZO
光彦「何か・・・彼の心を歪ませる出来事があったんでしょうか?」

阿笠「・・・あるとすれば・・・。」

光彦「!?」

阿笠「一つ心当たりがある。毛利君の仕事について行って、ある島に出かけた。」

阿笠「そこから帰ってきた彼は、以前とは雰囲気が変わっていた。」

阿笠「思えばあの時からか、彼が荒れてしまい、君を傷つけるようになってしまったのは。」

光彦「その島とは・・・?」

阿笠「名を、月影島という。」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:35:32.55 ID:hyggTRQZO
光彦「月影島・・・。」

阿笠「その島で殺人事件が起き、犯人は最後に自殺してしまったそうじゃ。」

光彦「もしかしてコナン君・・・目の前で犯人を死なせてしまったんじゃ・・・。」

阿笠「・・・服部君から聞いたことがある。コナン君が言っていたそうじゃ。」

阿笠「『犯人を推理で追い詰めて自殺させる探偵は、殺人者と変わらない』とな。」

光彦「コナン君・・・。」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:36:24.18 ID:hyggTRQZO
光彦「じゃあコナン君は、犯人を自殺させてしまって、その影響で心が壊れてしまったんでしょうか・・・。」

阿笠「かもしれん。」

光彦「もう元のコナン君には戻れないんでしょうか?」

阿笠「分からん。こればかりは彼自身の中でしか解決できんのじゃ。」

光彦「そんな・・・僕は友達なのに、何も助けられないなんて・・・。」

阿笠「光彦君、君はあんなにひどい目にあっているのに、まだ友達だと?」

光彦「当然です!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:36:55.61 ID:hyggTRQZO
阿笠「・・・もし・・・もし彼を助けられる手段があるとしたら、君はどうする?」

光彦「何が何でも助けます!」

阿笠「君の命が危険に晒されるかもしれんぞ?」

光彦「構いません!」

阿笠「・・・よし分かった。ならばやるぞ!」

光彦「?」

阿笠「地下室に来なさい。」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:37:37.00 ID:hyggTRQZO
〜地下室〜

光彦「何があるんですか?」

阿笠「わしも君と同じじゃ。例え危険なことであっても、コナン君を助けたい。」

阿笠「そのため日夜研究を重ねておった。」

阿笠「その成果がこれじゃ!」

光彦「これは・・・ベルトですか?」

阿笠「聞いて驚くな。これは時間遡行を可能にするタイムベルトじゃ!」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:38:14.16 ID:hyggTRQZO
光彦「もしかしてこれを使えば・・・過去に行けるんですか!?」

阿笠「そうじゃ!これで月影島で事件が起きる時間まで戻り、コナン君の心が壊れないようにする!」

光彦「これでコナン君は元に戻る・・・。」

阿笠「やるぞ光彦君!」

光彦「はい!」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:38:47.39 ID:hyggTRQZO
光彦「では早速・・・。」

阿笠「おっと待つんじゃ。」

光彦「え?」

阿笠「このベルトは時間移動はできるが、空間移動はできん。」

阿笠「実際に月影島まで移動してからじゃ。」

光彦「そうなんですか・・・。」

阿笠「それに準備もいるじゃろう。作戦実行は明日にしよう。」

光彦「分かりました。」

光彦(コナン君・・・必ず君を救ってみせます!)
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:39:24.28 ID:hyggTRQZO
〜翌日〜

コナン「よう光彦、おっはよ〜う!」ドォン!!

光彦「ぐえぇ!!」

コナン「ひゃはは!!いい声出すなあ!!」

光彦「くっ・・・。」

コナン「なあ、お前らもやれよ、ほら!」

歩美「え・・・。」

元太「けど・・・。」

コナン「ああ!?」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:40:05.04 ID:hyggTRQZO
元太「わ、分かったよ!」

光彦「元太君・・・。」

元太「・・・おら!」ドン!

光彦「痛っ!」

コナン「おいおい、突き飛ばすだけじゃ面白くないだろ?」

コナン「歩美ちゃん、手本を見せてやりなよ。」

歩美「う・・・うん。」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:40:51.87 ID:hyggTRQZO
歩美「えいっ!」ズゥン!!

光彦「あばぁっ!!」

コナン「流石歩美ちゃん、鳩尾に膝蹴り、クリーンヒットだ!!」

歩美「うん・・・ありがとう・・・。」

光彦(耐えろ、耐えるんだ。放課後に博士と過去に行って、コナン君を助ければ、すべて良くなる。)

光彦「運命は・・・変わるんだ・・・。」

コナン「はあ?変わるわけねえだろ!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:41:22.51 ID:hyggTRQZO
歩美「えいっ!」ズゥン!!

光彦「あばぁっ!!」

コナン「流石歩美ちゃん、鳩尾に膝蹴り、クリーンヒットだ!!」

歩美「うん・・・ありがとう・・・。」

光彦(耐えろ、耐えるんだ。放課後に博士と過去に行って、コナン君を助ければ、すべて良くなる。)

光彦「運命は・・・変わるんだ・・・。」

コナン「はあ?変わるわけねえだろ!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:42:32.89 ID:hyggTRQZO
コナン「お前は一生俺の玩具なんだよ!!」

光彦「くうっ!!」

コナン「お前の運命、推理してやろうか?俺は探偵だから分かるんだ!」

光彦「・・・・・・。」

コナン「小学生、俺の玩具として痛めつけられる。」

コナン「中学生、狂いだし、俺に服従することに生きがいを見出す。」

コナン「高校生、遂に精神が崩壊し、俺に感謝の言葉を述べながら自殺。」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:43:19.99 ID:hyggTRQZO
コナン「お前の人生、どうせ薄っぺらいんだ!」

光彦「その推理で・・・。」

コナン「あ?」

光彦「その推理で僕を追い詰めているとは、思わないんですか?」

コナン「・・・何が言いたい。」

光彦「その推理で僕が自殺に追い込まれたらって、考えないんですか!?」

コナン「・・・光彦てめえ!」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:44:04.36 ID:hyggTRQZO
歩美「コナン君、もうやめて!」

コナン「歩美!」

元太「俺も見てられねえ!」

コナン「元太まで!」

歩美「今まで怖くて言えなかった。けど、友達がこれ以上傷つくの、もう見たくない!」

元太「ごめんな光彦、痛かっただろ?」

光彦「歩美ちゃん、元太君・・・。」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:44:41.97 ID:hyggTRQZO
コナン「そうかよ、分かった。」

歩美「コナン君、今からでも・・・。」

コナン「じゃあ死ね。」

歩美「え?」

ドゴォン!!

歩美「」

光彦「・・・歩美ちゃん?」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:45:27.26 ID:hyggTRQZO
コナン「キック力増強シューズのレベルを最大にした。」

コナン「歩美の貧弱な体じゃあ、耐えられやしねえよ。」

元太「コナン・・・。」

コナン「元太、お前の体は無駄に頑丈だからな、何発もやらねえと・・・。」

元太「ひっ!」

光彦「元太君、逃げましょう!」

元太「・・・いや、光彦だけ逃げろ!俺はここで食い止める!」

光彦「何言ってるんですか!そんなことしたら元太君が!」

元太「今までお前を助けなかった報いだ!!」

光彦「そんな・・・。」

コナン「安心しろよ!どっちも殺してやっからよ!!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:46:28.25 ID:hyggTRQZO
元太「行け!光彦!」

光彦「ごめんなさい!元太君!」ダッ!

コナン「おらあ!!」ドゴォ!

元太「ぐああああ!!!!!」

光彦(ごめんなさい、元太君!必ず過去を変えてみせますから!)

コナン「おらおらおら!!!」

元太「ぎゃああああああ!!!!!」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:47:10.17 ID:hyggTRQZO
〜阿笠邸〜

光彦「博士!」

阿笠「おや光彦君、どうしたのかね。出発は放課後じゃろ?」

光彦「いえ駄目です。今すぐ行かないと!」

阿笠「・・・分かった。話は車の中で聞こう!」

光彦「準備は?」

阿笠「最終調整が必要じゃが、時間が無いからこのまま行こう!」

光彦「はい!」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:48:00.81 ID:hyggTRQZO
〜車内〜

光彦「・・・ということなんです。」

阿笠「何と・・・そんなことが・・・。」

光彦「だから僕は・・・何としても・・・。」

阿笠「勿論じゃ、絶対に成し遂げねばならない。」

光彦「はい・・・あれっ、博士。」

阿笠「何かね?」

光彦「凄く後ろからですが、何かが超スピードでこっちに近づいてきてます。」

阿笠「まさか・・・。」





コナン「ヒャッハ〜!!」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:49:05.84 ID:hyggTRQZO
阿笠「間違いない、コナン君じゃ!スケボーで追いかけてきたんじゃ!」

光彦「どうして場所が分かったんでしょう!?」

阿笠「探偵団バッジは?」

光彦「電源を切ってます。」

阿笠「服に何か付いてないかね?ガムのような何かが。」

光彦「・・・あっ、背中に付いてます!」

阿笠「発信機じゃ!すぐに脱いで捨てるのじゃ、速く!」





コナン「服を捨てたな。発信機に気付いたか。」

コナン「だがここまで来れば十分だ。目的地も想像がつく。」

コナン「この方向だと港だが・・・どこか遠くに逃げるのか?」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:50:01.69 ID:hyggTRQZO
阿笠「まずいの、目的地がバレたかもしれん。」

光彦「大丈夫ですよ。月影島に向かうだなんて、コナン君でも想像がつきませんよ。」

阿笠「だといいが・・・。」

光彦「それより、月影島にはどうやって向かうんですか?元々放課後に行く予定でしたから、今の時間のチケットは無いでしょう?」

阿笠「いや、そもそも運航しているかどうか・・・。」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:51:11.35 ID:hyggTRQZO
〜港〜

阿笠「じゃから、そこを何とかしてくれ!」

係員「しかし、月影島への便は一日一つだけですので。」

阿笠「分からん奴じゃのお!」

光彦「博士・・・早くしないとコナン君が僕らを見つけてしまいます。」

阿笠「ええい、仕方があるまい!」

阿笠「光彦君、ここで時間移動じゃ!」

光彦「ええ!?でも時間移動の影響は計り知れないから、影響を抑えるため島に着いてからやろうって!」

阿笠「今コナン君に捕まれば元も子もない!リスクは承知の上じゃ!」

光彦「・・・分かりました!」

阿笠「早速準備を・・・。」

コナン「見つけたぞ!光彦!!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:52:05.21 ID:hyggTRQZO

光彦「コナン君!」

コナン「一体どこに行くんだ?ええ?」

光彦「博士・・・。」

阿笠「待ってくれ、最終調整をしとらんから起動に時間が・・・。」

コナン「博士〜!あんたまで俺の敵に回るのか〜!」

阿笠「コナン君・・・いや新一!」

コナン「おいおい、人前でその名前で呼ぶんじゃねえよ。」

阿笠「すまんかった。君の優れた頭脳を過信し、放っておいても心の整理がつくものと思っていた!」

コナン「何の話を・・・。」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/20(日) 21:52:44.82 ID:WYqyag7IO
灰原はどうしたん?
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:52:46.85 ID:hyggTRQZO
阿笠「君を歪ませたのはわしら大人じゃ。もっと気にかけてやれば良かったと、毎晩枕を濡らしていた!」

コナン「だから何を話して・・・。」

阿笠「必ず・・・必ず君を救ってみせる!」

コナン「博士・・・。」

光彦「コナン君・・・僕も頑張ります!」

光彦「コナン君は僕の・・・友達ですから!」

コナン「光彦・・・誰が勝手に喋っていいっつったよ〜!!」

光彦「ひい〜!!」

阿笠「よし、時間移動、実行じゃ!」

シュン
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:55:30.21 ID:hyggTRQZO
>>27
灰原は登場しません。劇中初期の設定のつもりで書いてます。
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:58:10.06 ID:hyggTRQZO
〜過去〜

光彦「あれ・・・。」

阿笠「ふう、どうやら無事に着いたようじゃな。」

係員「うわっ、あなたたち一体どこから!?」

阿笠「何を言っとるんじゃ、今来たばかりじゃろうが。」

係員「えっ、えっ?」

阿笠「疲れとるんじゃよ、ちょっとは休みなさい。」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 21:59:06.28 ID:hyggTRQZO
光彦「あの、博士。」

阿笠「何かね。」

光彦「いきなり顔、覚えられてませんか?」

阿笠「仕方ないじゃろう、こうするしかなかったんじゃ。」

光彦「この時間、本来僕らは別の場所にいる、なのに同じ人間が別の場所に存在していることが知られたら・・・。」

阿笠「大混乱になるの。」

光彦「だから島に行ってから時間移動しようとしたんでしょ?」

阿笠「うむ、あっちでの目撃情報が本土にまで来ることはまず無いじゃろう。」

阿笠「それと念のため、変装の道具も持ってきたぞ。わしはサングラスとかつらじゃ。」

光彦「僕は眼鏡と帽子ですね。」

阿笠「服も持ってきたぞ、着替えよう。」

阿笠「これで潜り抜けられるといいがの。」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:00:27.31 ID:hyggTRQZO
〜十分後〜

阿笠「さて、まず島に行かねばならんが、その前に今回の計画を説明しよう。」

光彦「はい、お願いします。」

阿笠「そもそもコナン君の心が壊れてしまったのは何故か、おそらく犯人を推理で追い詰めて死なせてしまったからじゃろう。」

阿笠「それを避けるためには、何をすればいいと思う?」

光彦「う〜ん、事件が起きる前に犯人を説得すればいいのではないでしょうか?」

光彦「そうすれば事件自体起きません。」

阿笠「確かに、それができれば最良じゃろう。じゃが上手くいくと思うか?」

阿笠「人を殺すというのは生半可な覚悟で実行できるものではない。」

阿笠「何も知らない赤の他人であるわしらが説得を試みて、思いとどまってくれるじゃろうか?」

光彦「それは・・・難しいと思います。」

阿笠「うむ。だから犯人が殺人を犯す直前で食い止め、警察に拘束してもらう。」

阿笠「力ずくで止めてしまい犯人の無念は晴れないが、誰も傷つかないのが一番じゃ。」

光彦(本当にそれでいいんでしょうか?説得する方法があるんじゃないでしょうか?)
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:01:45.55 ID:hyggTRQZO
阿笠「わしが知っているのは、犯人が浅井成実(せいじ)という医者で、男性であるが女性として振舞っていたこと。」

阿笠「犯行の動機は家族を殺した者たちへの復讐。」

阿笠「そして殺されたのは次の3人じゃ。」

阿笠「川島英夫、村長選立候補者の一人で、第一の被害者じゃ。」

阿笠「黒岩辰次、同じく村長選立候補者の一人で現村長でもある。第二の被害者じゃ」

阿笠「そして最後の被害者、西本健。無職じゃ。」

阿笠「これ以外の情報は公開されておらん。」

阿笠「コナン君たちも事件のことを話そうとせんから、詳しいことは分からんかった。」

光彦「いつ事件が起きるのかも分からないとなると、ずっと見張っているしかありませんね。」

阿笠「そうじゃの。とりあえず今は島に行こう。」

光彦「はい、あの便でしょうか?」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:02:35.06 ID:hyggTRQZO
〜船上〜

光彦「そういえば博士、コナン君たちは今どこに?」

阿笠「確か今日この日、島へ出発したはずじゃ。」

光彦「あれ、島への便は一日一つだけって・・・。」

阿笠「・・・・・・あ。」

小五郎「ったくよ〜、世間じゃ花見だってのに、何だってこの名探偵毛利小五郎が、あんな島に出向かなきゃいけねえんだ。」

阿笠・光彦(やっぱり乗ってる〜!!)

光彦「どうするんですか博士!」

阿笠「お、落ち着け、まだバレておらん!」

小五郎「一週間前に届いたあんな手紙のせいでよ。」

光彦(手紙?)
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:03:29.90 ID:hyggTRQZO
小五郎「確か・・・麻生圭二っつたか。自分勝手な依頼人だぜ。」

光彦(どうやら麻生圭二という人の依頼で島に来ているようですね。)

蘭「いいじゃない、伊豆沖の小島でのんびりできるんだから。ねえコナン君?」

コナン「うん!」

光彦(コナン君!)

阿笠(うう・・・またあの頃の新一が見られるとは・・・。)

光彦(感無量です!)
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:04:24.38 ID:hyggTRQZO
〜村役場〜

小五郎「もっとよく調べてください。現にこうして彼からの手紙が・・・。」



阿笠「なんじゃ、様子がおかしいの。」

光彦「まさか依頼人はもう死んでるとか・・・。」

阿笠「ははは、まさか。」



主任「あ、麻生圭二だとぉ〜!?」

阿笠・光彦「!?」

主任「そんなはずはない・・・だって彼は十年以上前に・・・死んでいるんですから・・・。」

阿笠「まさか・・・。」

光彦「大当たりでしたね・・・。」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:05:08.75 ID:hyggTRQZO
主任「あの・・・詳しい話は奥で・・・。」

小五郎「はい・・・。」

コナン「・・・・・・。」

光彦「どうしましょう、奥に行ってしまいます。」

阿笠「じゃがこれ以上近づくと、わしらのことがバレてしまうぞ。」

光彦「・・・う〜ん。」

???「・・・・・・。」グビッ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:05:59.24 ID:hyggTRQZO
光彦「うわ、あの人昼間からお酒飲んでますよ。」

阿笠「もしや、あの人は!」

光彦「知っているんですか?」

阿笠「最後の被害者、無職の西本さんじゃ。」

光彦「それじゃあ、詳しい話を知っているかもしれませんね。」

阿笠「よし行くぞ。酔ってるみたいじゃから意外とすんなり話してくれるかもしれん。」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:06:36.75 ID:hyggTRQZO
阿笠「すみません、ちょっといいですか?」

西本「ん?」

光彦「無職の西本さんですよね?」

西本「何だと!喧嘩売ってんのか!」

光彦「ご、ごめんなさい!」

阿笠「これこれ、無職の人に無職と言っては失礼じゃろう。」

光彦「そうですね。配慮が足りませんでした。申し訳ありません。」

西本「あ、ああ。分かればいいんだ。」

阿笠「ところで、麻生圭二さんについてお聞きしたいんですが。」

西本「麻生だとっ!?」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:07:34.05 ID:hyggTRQZO
阿笠(やはり何か知っておるようじゃな。ここは鎌をかけてみるか。)

阿笠「十年以上前に死んだという麻生さん、あの事件は貴方と川島さん、黒岩さんが仕組んだんじゃろう?」

西本「ど、どうしてそれを!?」

阿笠(ビンゴじゃ!)

阿笠「安心してくれ貴方を捕まえようだなんて思っておらん。むしろ逆、守りに来たんじゃ。」

西本「守りに?」

光彦「実は、貴方たち3人が殺されるという情報が入ったんです。」

西本「じゃあ・・・麻生はやっぱり生きているんだ!!」

光彦「落ち着いてください。殺そうとしているのは・・・。」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:08:23.49 ID:hyggTRQZO
阿笠「待つんじゃ、光彦君。」

光彦「どうして?犯人を教えてあげれば、殺されずに済むかもしれないのに。」

阿笠「それでは犯人が逆に殺されてしまうかもしれん。」

阿笠「誰も傷つかない、それが最良じゃろ?」

光彦「・・・そうでしたね。」

西本「おい、さっきから何を二人でこそこそ話してる。」

阿笠「ああ、気にせんでくれ。こっちの話じゃ。」

阿笠「それより貴方のことは必ず守るから、事件について詳しく聞かせてくれんか?」

西本「ああ、分かった。」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:09:03.25 ID:hyggTRQZO
西本「・・・というわけなんだ。」

光彦「そんなことで同級生を!?」

西本「ゆ、許してくれ麻生!俺は・・・俺は!!」

阿笠(麻薬売買に協力しないからと、家族諸共口封じのために殺すなんて・・・下衆が。)

光彦「博士・・・こんな屑を助けなくちゃいけないんですか?」

阿笠「・・・そうじゃ。それがコナン君のためなんじゃ。」

西本「お願いだ・・・助けてくれ・・・。」

阿笠「分かっておる。」

光彦「・・・・・・。」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:09:39.74 ID:hyggTRQZO
〜その後〜

光彦「何だか僕、犯人に同情しちゃいます。」

阿笠「では殺人を見逃すかね?」

光彦「それは・・・絶対に駄目です。」

阿笠「どんな理由があろうとも、人を殺してはいかん。」

光彦「はい・・・。」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:10:48.91 ID:hyggTRQZO
阿笠「麻生さんのことは分かったし、次は犯人の浅井成実さんを探そう。」

光彦「確か医者でしたよね。どこかの病院に勤めてるんでしょう。」

阿笠「一つ一つ見ていくかの。」



島の漁業を守るために、この清水正人に清き一票を!!



光彦「なんですか、あれ?」

阿笠「選挙カーじゃ。村長選が近いらしい。」





成実「私は医者の浅井成実!!ちゃんと医師免許持ってます!!」

小五郎「あ、ドクターでしたか・・・。」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:11:49.75 ID:hyggTRQZO
阿笠(まずい、コナン君たちじゃ!)

光彦(あれ、今浅井成実(なるみ)って・・・。)

阿笠「あの人が犯人の・・・。」

光彦「とても人を殺すようには見えません・・・。」

阿笠「油断してはならんぞ。本性を隠しているだけかもしれん。」





小五郎「前の村長の三回忌・・・?」

成実「ええ、今夜公民館で法事をやる予定なんです。」

小五郎「なるほど、行ってみます。ありがとうございます。」

成実「いえ、どういたしまして。」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:12:35.36 ID:hyggTRQZO
成実「あれが毛利小五郎・・・。」

阿笠「すみません、いいですか?」

成実「はい、何でしょうか?」

阿笠「あなたが浅井先生ですか?」

成実「ええ、そうですが。」

阿笠(なるほど、ここでは『せいじ』ではなく『なるみ』と呼ばせているのか。)

光彦「今の人たちに話していたこと、僕らにも教えてくれませんか?」

成実「ええ、公民館で前村長の三回忌があるから、村長候補の三人に会える、って話したわ。」

阿笠(ではそこで殺すのじゃな。)

光彦「博士、僕らも行きましょう。」

阿笠「うむ。」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:13:48.08 ID:hyggTRQZO
光彦「あの、浅井先生。」

成実「何?」

光彦「復讐なんて・・・良くないです。」

成実「・・・・・・。」

光彦「他にも道は・・・。」

阿笠「光彦君!」

阿笠「すみません、子供の戯言です。聞き流してください。」

成実「はい・・・。」

阿笠「光彦君よ、言いたいことは分かる。じゃがわしらには止められん。」

光彦「・・・はい、分かってます。」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:14:47.70 ID:hyggTRQZO
〜公民館〜

阿笠「入り口から入ると怪しまれるから、どこかの窓から様子を見よう。」

光彦「それ逆です、博士。」

阿笠「公民館の裏はすぐ海じゃから、そっちから回るとしよう。」

光彦「はい。」

光彦「ここが裏手・・・。」

阿笠「ピアノが見えるの。演奏会場か?」

光彦「へえ、ちょっと見てみましょうよ!」

阿笠「これ!見つかったらどうする!」

光彦「大丈夫ですよ!今法事の準備中で、誰も入ってきません!」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:15:28.32 ID:hyggTRQZO
光彦「田舎だからか、戸締りもしてないですね。」

光彦「防犯意識が希薄なんでしょうか・・・。」

光彦「それにしても埃だらけですね、掃除すればいいのに。」

光彦「あれ、ピアノの下に白い粉が・・・。」

阿笠「これこれ、早く戻らんと見つかってしまうぞ。」

光彦「ねえ博士、この白い粉はなんでしょうか?」

阿笠「ん?砂糖か何かか?」ペロッ

光彦「そんなものがあるわけないでしょ。」ペロッ
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:16:03.32 ID:hyggTRQZO
阿笠「・・・・・・。」

光彦「・・・・・・。」

阿笠「・・・・・・。」

光彦「・・・・・・。」

阿笠「ほら、出るぞ。」

光彦「はい。」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:16:47.56 ID:hyggTRQZO
〜その夜〜

光彦「ねえ博士。」

阿笠「何じゃ。」

光彦「殺人を犯す直前で食い止めて、警察に捕まえてもらうんですよね?」

阿笠「そうじゃよ。それが一番良いんじゃ。」

光彦「僕思ったんですけど・・・。」

阿笠「・・・・・・。」

光彦「犯人に味方すればいいんじゃないですか?」

光彦「殺人計画を成功させて、コナン君が真相を突き止められないようにする。」

光彦「犯人の無念は晴らせる、屑は消える、コナン君は正常のまま。」

光彦「これが一番なんじゃないですか?」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:17:45.56 ID:hyggTRQZO
阿笠「光彦君・・・君は天才じゃ!!」

光彦「ですよね!」

阿笠「わしも薄々気づいていた。やはりそうするべきじゃ!」

光彦「何だか頭が冴えてきたっていうか・・・。すごく気分がいいです!」

阿笠「わしもじゃ、最高の気分じゃ!」

光彦「今なら何だって出来そうな気がします!」

阿笠「必ずやり遂げられるぞ!」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:18:17.72 ID:hyggTRQZO
川島「ふふふ。」

光彦「誰か出てきますよ。」

阿笠「村長候補の川島さんじゃ。」

川島「私に何の御用ですか?まさか次期村長に媚を売るつもりで?」

阿笠「他にも誰かいるのか?」

川島「浅井先生・・・。」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:18:58.70 ID:hyggTRQZO
成実「・・・・・・。」

光彦(まさかここで・・・川島さんを殺すつもりなんじゃ・・・。)

光彦(ぐふふふふ!!!)

成実「・・・そんなつもりじゃ・・・。」

川島「では何故?」

成実「・・・・・・。」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/20(日) 22:19:19.16 ID:24KaA7H2O
(アカン)
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:19:47.59 ID:hyggTRQZO
成実「私の本当の名前は・・・せいじ。」

川島「?」

成実「麻生成実(せいじ)です。」

川島「麻生・・・まさか!?」

成実「そう、麻生圭二の息子だ。」

川島「じゃあ私に復讐を・・・。」

成実「・・・そのつもりだった。」

川島「何!?」

成実「最初は殺してやるつもりだった。」

成実「けどできない、俺は医者なんだ。例え憎い奴でも、命を奪うなんてできない!」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:20:49.32 ID:hyggTRQZO
川島「・・・・・・。」

成実「だから・・・お願いだ。自首してくれ・・・。」

川島「・・・・・・。」

阿笠「いかんのお〜!!」

川島「!?」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:21:32.05 ID:hyggTRQZO
阿笠「こんな屑は死ぬべきじゃ。そのために今日まで生きてきたんじゃろ!」

成実「貴方は!?」

阿笠「今ここで殺さんと、今度は君を殺しに来るぞ〜!」

川島「何だと!?」

阿笠「川島さん、あんたはここで死ぬんじゃ!」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:22:18.44 ID:hyggTRQZO
阿笠「光彦く〜ん!」

光彦「は〜い!!」ドゴォ!!

川島「ぐはあっ!!」

光彦「ひゅ〜!キック力増強シューズで人間を蹴るのは最高ですね!」

川島「お前ら・・・何を・・・!?」

阿笠「よ〜し、海に引きずり込むぞ!」

川島「ごぼぼぼぼ!」

阿笠「苦しいか!苦しいか!」

光彦「お前らのやったことに比べれば可愛いもんだ!」

成実「ああ・・・ああ・・・。」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:23:03.24 ID:hyggTRQZO
光彦「念入りにもう一度蹴っておきますね〜!」ドゴォ!!

阿笠「ナイスじゃ!」

川島「」ピクッピクッ

阿笠「そろそろ死んだじゃろ〜!」

光彦「いえ〜い!!」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:23:43.04 ID:hyggTRQZO
阿笠「さて、この後はどうするんじゃ?浅井先生。」

成実「へっ!?」

阿笠「考えてるんじゃろ?殺人計画を!」

成実「そうですけど・・・。」

光彦「教えてください!僕、先生の味方ですから!」ニコッ

成実「ひっ!」

光彦「どうしました?」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:24:59.65 ID:hyggTRQZO
成実「あの、死体をピアノのところまで運んで、テープレコーダーで月光を流します。」

阿笠「なるほど〜!月光か〜!良い曲じゃ!」

阿笠「じゃあ運ぶぞ。」

光彦「あ、後は僕たちがやるんで、先生は戻っていてください。」

成実「あ、はい。」

阿笠「よいしょ、よいしょ。」

光彦「重いですね〜。博士、後お願いします。」

阿笠「いや、ええ〜!?」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:25:33.36 ID:hyggTRQZO
〜その後〜

キャアァァァァァァァァ!!!!

コナン「遅かったか!!」

小五郎「川島さん・・・。」

成実「あの、私が検死をします!」

小五郎「あ、ああ・・・お願いします。」

成実「・・・ダメです、死んでいます。」

蘭「そんな・・・!!」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:26:43.90 ID:hyggTRQZO
小五郎「蘭、派出所に連絡を!」

蘭「う、うん!」

小五郎「公民館の玄関には俺たちがいたから、この部屋の扉に鍵が・・・。」

コナン「掛かってないよ!」

小五郎「じゃあ外部犯の犯行だな!」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:27:21.03 ID:hyggTRQZO
コナン「そうかな?」

小五郎「あ?」

コナン「見て、外につながるドアからピアノまで、引きずられた跡がある。」

コナン「これって一度外に出て、そこで殺してから引きずってきたってことでしょ?」

コナン「外部犯なら、わざわざ中に運んでくる必要は無いよ!」

小五郎「確かに、見つかるリスクが高くなるようなことはしないよな・・・。」

コナン「おそらく外部犯に見せかけて、公民館にいる人が殺したんだ!」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:27:56.54 ID:hyggTRQZO
成実「あの・・・。」

小五郎「何か分かりましたか?」

成実「はい、死因は溺死です。コナン君の言うように、外で殺害されたと思います。」

成実「それと体に二か所、打撲の跡がありました。新しい傷なので、殺されたときのものかと。」

小五郎「大の男に打撲を二つ・・・犯人は男だな・・・。」

コナン「うん・・・引きずった跡から見て犯人は一人だから、女性二人がかりってのもないね。」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:28:48.02 ID:hyggTRQZO
蘭「お父さん、おまわりさん連れてきたわよ!」

駐在「え〜と、私を呼んだのは?」

小五郎「この私、毛利小五郎です!」

駐在「おお〜あの有名な宇宙飛行士の!」

小五郎「ちがうって・・・。」





小五郎「とにかく今日はもう遅いので、事情聴取は夜が明けてからにしましょう。」

小五郎「すぐに帰って、戸締りしてください!いいですね!」

コナン「僕たちも戻ろうか。」

蘭「ええ、成実先生も戻りましょう?」

成実「え、ええ・・・。」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:29:59.53 ID:hyggTRQZO
〜帰り道〜

成実「じゃあ、私はこっちですので。」

成実「早く事件を解決してくださいね。」

小五郎「勿論ですとも!」

成実「それじゃあ!」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:30:25.62 ID:hyggTRQZO
成実「・・・・・・。」

阿笠「見事じゃのう!」

成実「!?」

光彦「まるで事件に無関係かのように振舞っていましたね。」

阿笠「心の中でガッツポーズしてたじゃろ!?」

成実「誰が!!」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:31:01.50 ID:hyggTRQZO
阿笠「ところで、わしら今夜泊まるところが無いんじゃよ。」

成実「それが何だよ。」

阿笠「泊めてくれんかの〜!」

光彦「男同士だし、いいでしょ〜?」

成実「なっ!?」

阿笠「もはや君とわしらは運命共同体、お互い近くにいた方が都合がいい。」

成実「・・・分かった。ついてこい。」

光彦「楽しみですね〜!」

成実「・・・・・・。」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:31:56.86 ID:hyggTRQZO
〜その後〜

成実「ここが俺の家だ。」

阿笠「両親とは一緒に暮らしておらんのか?」

成実「ああ、親は本土で暮らしていてな、俺も週末には帰ってるんだ。」

光彦「バイトの医者みたいですね。」

成実「・・・・・・。」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:32:32.01 ID:hyggTRQZO
〜その晩〜

阿笠「ぐごごごごご!!!!」

光彦「zzzzzz」

阿笠「ぐごごご・・・は、何じゃ今の音は!?」

阿笠「ああ、わしのいびきか。」

阿笠「おや、先生がおらんぞ。」

阿笠「光彦君、起きるんじゃ。」

光彦「ぐへへ、コナン君、靴を舐めるだなんて、プライド無いんですか〜?」

阿笠「気持ち悪い夢見てないで、さっさと起きんか!」ペチン

光彦「はにゃ?」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:33:09.86 ID:hyggTRQZO
光彦「どうしたんでしょう、こんな夜中に。」

阿笠「もしや、次の殺人の準備か?」

光彦「分かりました!きっと公民館に向かったんですよ!」

阿笠「なるほど!わしらも手伝いに行こう!」

光彦「すべては復讐達成のために!」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/20(日) 22:33:14.76 ID:24KaA7H2O
これはコロコロされても文句言えないクズ彦
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/20(日) 22:33:42.74 ID:hyggTRQZO
〜公民館〜

小五郎「二年前に亡くなった前村長の亀山さんの死因ですが、本当に心臓発作で?」

成実「ええ、あの方は以前から心臓が悪くて。」





阿笠「おや、コナン君たちもおるぞ。」

光彦「流石ですね、これが連続殺人になると気付いたんでしょう。」
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