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キョン「少し席を外すぞ」涼宮ハルヒ「あんたは私を楽しませてくれないの?」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/11/23(月) 18:49:00.81 ID:A+4cVPJUO
「お前はいつも憂鬱そうだな」
「ほっといてよ」
あれはまだ俺が涼宮ハルヒと知り合って間もなかった頃の話だ。
振り返るとそこにいたどえらい美人はいつもしかめ面で現状を憂いているように見え、それが俺には勿体ないと思えてならなかった。
「少しは笑ってみたらどうだ? せっかくの整った顔立ちが台無しだぜ」
「ふん。意味もなくケラケラ笑うほど私は暇じゃないし頭からっぽでもないのよ」
恐らくこの時、ハルヒはどうすればこの退屈な世の中を変えられるかを暗中模索していたのだろう。それにしても愛想のない女だ。
「いいか、涼宮。頭からっぽの方が夢や希望を詰め込めるという利点があってだな……」
「じゃあ、頭からっぽのあんたの頭蓋骨の中にはどんな夢や希望が詰まってるわけ?」
「それは……」
「ふん。どうせ、いやらしいことでいっぱいに決まってるわ。わざわざ外科手術するまでもなく丸わかりよ。手の施しようもないわ」
人間とは理性ある獣である。
高度な知性によって律している本能の中には当然、三大欲求のひとつである『性欲』も含まれており、つまり脳内の3分の1がピンク色だとしても何らおかしな話ではないわけで。
「うるさいわね。ロボトミー手術でそのピンク色の部分を切除すればいいじゃないの」
「恐ろしいことを言うなよ」
「晴れて改造人間になれたら少しは見直してあげるわ。だってその方が断然、今の平凡なあんたよりも夢や希望があるもの」
このように涼宮ハルヒとの会話は果てしなく不毛であり、到底建設的なものとは言えなかったが、それでもわりと俺は楽しんでいた。
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