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シンジ「君が、葛城ミサトちゃんだね」
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695 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:37:02.08 ID:3d5dCKQ9o
ミサト「エバ…?」
レイ「その失敗作…。10年前に破棄されたの」
ミサト「…エバーの墓場…」
レイ「……そうね」
レイ「あなたのお母さんが消えたところでもあるわ」
レイ「あなたも見ているはずよ…あなたのお母さんが、魂を亡くした姿を…」
ミサト「……!」
シンジ「…、綾波!」
レイ「……こっちよ」
シンジ「……」
レイ「あなたが知りたかった真実…」
レイ「……」
696 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:38:02.01 ID:3d5dCKQ9o
ミサト「赤木…リツコ…?」
ミサト「……!!」
シンジ「まさか、ダミープラグの…!」
レイ「そう、ダミーシステムのコアとなるもの……その生産工場よ」
シンジ「これが…?」
レイ「ここにあるのはダミー。そして赤木リツコのためのただのパーツに過ぎない」
レイ「……人は神様を拾ったので喜んで手に入れようとした。だから罰が当たったの。それが15年前…」
レイ「せっかく拾った神様も消えてしまった」
レイ「……でも今度は神様を自分たちで復活させようとしたの。それがアダム」
レイ「そしてアダムから神様に似せて人間を作った。それがエヴァ…」
ミサト「ヒト…人間なんですか…?」
レイ「そう、人間なのよ。本来魂のないエヴァには、人の魂が宿らせてあるもの」
レイ「みんな、サルベージされたものなのよ」
697 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:39:13.57 ID:3d5dCKQ9o
レイ「魂が入ったのは赤木リツコ、一人だけだった……あの子にしか魂は生まれなかったの。ガフの部屋は空っぽになっていたのよ」
レイ「ここに並ぶ赤木リツコと同じ物には魂がない。ただの入れ物なのよ」
レイ「だから壊すの」
レイ「怖いから…」
リツコたち「……」
シンジ「……! やめるんだ、綾波!そんなことしたら…!」
レイ「したら、何…?入れ物が壊れるだけよ。この中には何もないの。ただ人の形をしたもの…」
レイ「……これ以上ない生命に対する侮辱よ…」
レイ「代わりはいくらでもいる。…そんなことはもう、言わせないわ…」
レイ「あの子が優しいんじゃない、私が愚かだった……」
698 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:40:15.45 ID:3d5dCKQ9o
レイ「…私たちのために死んだあの子は、もういないの」
レイ「…初めから、こんなもの……っ、作るべきじゃなかったのよ…!」
レイ「うっ、うぅ…うっ…」
ミサト「……」
シンジ「綾波…」
シンジ(エヴァに取り憑かれたヒトの悲劇……)
シンジ(僕も…同じか…)
弐拾参話分終わり
699 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:41:01.90 ID:3d5dCKQ9o
「リョウジ、お手柄だな!」
「ちょろいさ、こんなもん」
「よくやったな加持くん」
「当然です。それが俺の役目」
「フルスコアだ。その調子で頼むよ」
(リョウジ!)
(加持くん)
(兄ちゃん!)
700 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:42:01.76 ID:3d5dCKQ9o
病室
(沈黙)
古い倉庫
(沈黙)
仲間に駆け寄る加持
抱き上げる。血が滴っている
加持「はっ」
701 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:43:01.63 ID:3d5dCKQ9o
廃墟のバスタブ
加持「分かったんだ。俺は誰も守っちゃいない。守りたかったものはもういない。置いてきた……」
諜報課員「加持リョウジだな」
トウジ「諜報二課から。セカンドチルドレンを無事保護したそうや」
シンジ「……そう。ずいぶん…遅かったね」
トウジ「いけ好かん奴らや。地味な嫌がらせしくさって…」
シンジ「……」
シンジ(……そして今日、加持くんの代わりのフィフス到着…話が出来過ぎてる、これもシナリオ通りか…)
ミサト(ダミープラグ…赤木リツコ…魂の入れ物?父はいったい何をしているの…?)
過去の記憶。病室の母。安らかな寝顔
ミサト(何をしたの…!)
702 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:44:04.21 ID:3d5dCKQ9o
レイ「葛城司令…」
葛城「……」
レイ「猫が…死んだんです。家で飼っていた……。とても可愛がっていたのに。突然、もう二度と会えなくなるんですね」
葛城「……君には、辛い役割を負わせた…」
レイ「いいえ…いいえ。私が望んだんです。後悔はありません」
葛城「……赤木リツコの容態は」
レイ「落ち着いています。記憶に…混濁は見られますが……」
レイ「……う…っ」
泣き崩れるレイ
703 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:45:02.16 ID:3d5dCKQ9o
レイ「……あの子をよろしく、と…!そう言われた日に破壊すべきだった!」
レイ「彼女は人間なんです!…代えのきく人形じゃない」
葛城「……すまない」
(ナオコ「…所長。お話があります」)
葛城「いつか君には真実を話す」
葛城「もう少しだけ……耐えてくれ」
閉まるドア
レイ「…う…っ、先生……」
レイ「教えてください…」
704 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:46:01.94 ID:3d5dCKQ9o
(通話)
カヲル「…そうだ、拘束だ。形式上のものでいい。…誰にも知られるな」
カヲル「ああ、頼んだよ」
葛城「……」
カヲル「…名目は破壊行為への懲罰…。不満だったかい?」
葛城「……いや」
葛城「そのほうが安全だろう…」
705 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:47:02.83 ID:3d5dCKQ9o
ミサト(どこに行ったんだろう…加持くん…)
ミサト(でも会ってどうするんだろう…リツコの話でもする…?)
ミサト(日向くんも青葉くんも…みんな家を失って他のところへ行ってしまった。友達は…友達と呼べる人はいなくなってしまった…誰も…)
ミサト(……リツコには会えない…その勇気がない。どんな顔をすればいいのか、分からない。加持くん、シンジさん、お母さん…私はどうすれば…どうしたらいいの…?)
マリ「しっあわせは〜あるいてこ〜ない」
マリ「だ〜からあるいていっくんだねぇ〜」
ミサト(…なに、この子…)
マリ「歌はいいよねぇ」
706 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:48:02.42 ID:3d5dCKQ9o
ミサト「……」
マリ「いいよね?」
ミサト「……」
ミサト「…私に言ってる?」
マリ「君しかいないジャン!」
ミサト「あぁ、そうね…まぁ…」
ミサト(なんなのこの子…)
マリ「……辛いから明るく歌うの。面白い文化だよね。せつな〜くてあったかくてさぁ…」
マリ「君はどう思う?葛城…ミサトちゃん」
ミサト「なんで、私の名前…」
マリ「なっんででしょ〜〜〜?」
707 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:49:07.59 ID:3d5dCKQ9o
ミサト「……まさか、あなた。新しいパイロット?」
マリ「そ。真希波マリ。よろしくねん♪」
ミサト「……」
マリ「…あっ!ちょっとー!」
マリ「待ちなってば」
(加持「最後のチャンスをくれ」)
ミサト(……)
708 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:50:10.39 ID:3d5dCKQ9o
トウジ「フィフスチルドレン…到着したそうや」
シンジ「真希波マリ…過去の経歴は抹消済み。リツコちゃんと同じ…」
トウジ「……ここが気になるな。生年月日、セカンドインパクトと同日…」
シンジ「…委員会が直接送ってきた子どもなんだ、必ず何かある…」
トウジ「マルドゥックの報告書も、フィフスの件は非公開になっとる。せやから……ちーとばかし、諜報部のデータに割り込んだ」
シンジ「なっ…、トウジ、そんな危ないこと…!」
トウジ「お小言はあとや。確かに危ない橋やったが…その甲斐はあった」
トウジ「…綾波レイの居場所」
シンジ「……!」
トウジ「フィフスのシンクロテスト。どないする」
シンジ「…小細工してもしょうがない…。見せてもらおう。彼女の実力がどの程度のものなのか…」
709 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:51:05.48 ID:3d5dCKQ9o
カヲル「…後、0コンマ3下げて」
ヒカリ「はい」
カヲル「……」
カヲル「このデータに間違いは…?」
トウジ「全ての計測システムは、正常に作動しとります」
ヒカリ「MAGIによるデータ誤差、認められません」
カヲル「……まさか、コアの変換も無しに弐号機とシンクロするとはね…」
ヒカリ「しかし、信じられません!…いえ、システム上、ありえないです…」
シンジ「それでも…事実なんだ。事実をまず受け止めてから、原因を探ってみて」
710 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:52:01.79 ID:3d5dCKQ9o
マリ「君がリリスの器?」
リツコ「私は……赤木リツコ」
マリ「ん〜。やっぱ似た匂い…」
リツコ「……あなたは?」
マリ「私? ヒ・ミ・ツ」
リツコ「……」
カヲル「…フィフスが赤木リツコと接触したそうだよ」
葛城「…そうか」
カヲル「今、フィフスのデータをMAGIが全力を挙げて当たっている」あらっている
シンジ「にもかかわらず、未だ正体不明。何者なんだ…?あの子は…」
シンジ「ミサトちゃんも未だ戻らず、か……ダメだな…」
シンジ「……父親役が…聞いて呆れるよ…」
711 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:53:02.75 ID:3d5dCKQ9o
ヒカリ「現在、セントラルドグマは開放中。移動ルートは3番を使用してください」
マリ「おっまたー♪」
ミサト「…待ってないわよ。……ついて来ないで!」
マリ「な〜んでさぁ。仲良くしよ〜よ〜」
腕を回そうとするマリ。振り払うミサト
マリ「……」
ミサト「……」
マリ「つれないにゃ〜…なんで?」
ミサト「……」
ミサト「…知らない子だもの…」
マリ「……ふぅ〜ん?」
ミサト「……ついて来ないでよ」
マリ「あたしもそっちに用があるの〜」
712 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:54:05.84 ID:3d5dCKQ9o
マリ「…なんか、悩みごと?」
ミサト「……」
マリ「私でよかったら、聞くよ〜?」
ミサト「……」
マリ「……加持くんのことかな〜」
ミサト「…っ」
マリ「それとも、赤木リツコ?」
ミサト「なんで…っ」
(加持「俺は手を取ってもらえて嬉しかったよ…」)
ミサト「……あんたには、関係ないでしょ…!」
シャワールームを出るミサト
マリ「……」
マリ「…なるほど。繊細だねぇ」
713 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:55:01.64 ID:3d5dCKQ9o
マリ「ちゃんと乾かさないと、風邪引いちゃうよ?」
ミサト「…ついて来ないでって、言ってるでしょ」
マリ「…心配しなくても加持くんの居場所とったりしないよー」
ミサト「……、いいかげんに…っ」
ミサトの口に人差し指を立てるマリ
マリ「続きはさっ、私の部屋で話そーよ」
マリ「一人だと退屈なんだよね」
マリ「ほらっ!早く早く〜」
促すマリ。立ち尽くすミサト
ミサト(……)
714 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:56:02.92 ID:3d5dCKQ9o
ゼーレ「ネルフ。われらゼーレの実行機関として結成されし組織」
ゼーレ「われらのシナリオを実践するために用意されたモノ」
ゼーレ「だが、今は一個人の占有機関と成り果てている」
ゼーレ「さよう。われらの手に取り戻さねばならん」
ゼーレ「約束の日の前に」
キール「ネルフとエヴァシリーズを本来の姿にしておかねばならん。葛城、ゼーレへの背任、その責任は取ってもらうぞ」
初号機のケージ。
葛城「われわれに与えられた時間は残り少ない…」
葛城「希望であるロンギヌスの槍は手を離れた」
葛城「まもなく最後の使徒が現れる。今はそれを消すことだ」
葛城「……信じている」
葛城「…お前も、そうだろう…」
715 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:57:01.54 ID:3d5dCKQ9o
リツコ「私は…なぜここにいるの」
リツコ「なぜまた生きているの」
リツコ「何のために」
リツコ「誰のために…」
リツコ「フィフスチルドレン…」
リツコ「…あの子から、私と同じものを感じた…」
リツコ「なぜ…?」
716 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:58:01.72 ID:3d5dCKQ9o
シンジ「ここが街外れで良かった…。ペンペンが巻き込まれずに済んで…」
シンジ「…でも、この次の保証はないんだ…だから、明日からは伊吹さんちのお世話になるんだよ…」
シンジ「…しばらく、お別れだね…」
ペンペン「クワァッ」
シンジ「ペンペン……」ギュ…
717 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 16:59:02.54 ID:3d5dCKQ9o
ミサト「……こういうのって、普通お客が上なんじゃないの…?」
マリ「知らない子だも〜ん」
ミサト「……」
マリ「…それで、居づらくなって逃げ出してきたんだ?」
ミサト「あんたが無理やり誘ったんでしょ」
マリ「そりゃあ、君の中に逃げたいって気持ちがあったからデショ」
ミサト「……」
マリ「…図星?」
ミサト「知らないわよっ。もう寝る」
マリ「え〜」
718 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:00:01.62 ID:3d5dCKQ9o
マリ「……」
マリ「とりゃっ」
ミサト「ちょっ…!自分のとこで寝なさいよ…!」
マリ「ん〜?寒いから。ここで寝る」
ミサト「…パーソナルスペースってもんがあるでしょっ」
マリ「い〜じゃんい〜じゃん〜。袖振り合うも多生の縁、って言うし」
ミサト「意味分かんないわよ、もう」
ミサト「だったら、私は上に…」
マリ「うにゃっ!」
ミサト「!、ちょっと…!」
マリ「い〜じゃん。あったかくて、やわらかいし…」
マリ「あたしも柔らかいっしょ?うりうり〜」
ミサト「ちょっと……、もう…」
719 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:01:05.76 ID:3d5dCKQ9o
マリ「お? 大人しくなった」
ミサト「……馬鹿らしくなっただけよ。まともに取り合うのが」
ミサト「……はぁ…」
マリ「ん〜…ぬくぬく」
ミサト「……」
ミサト(誰かと寝るなんて、いつぶりかしら…)
ミサト(生温かい…人の呼吸、落ち着かない…)
ミサト(いや、落ち着くの…?誰かの体温)
ミサト(鼓動……)
ミサト(……)
ミサト「……おかぁ、…さん…」
マリ「……」
720 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:02:02.07 ID:3d5dCKQ9o
シンジ「どうだった、あの子のデータ」
トウジ「これや。イインチョに借りた」
シンジ「これは…!」
トウジ「…公表できんのも納得や、こんなもん…」
シンジ「理論上ありえない…エヴァとのシンクロ率を自由に設定できるなんて」
シンジ「それも、自分の意志で…!」
トウジ「謎やな…探れば探るほど」
シンジ「……もう、正攻法ではいかないか…」
721 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:03:02.20 ID:3d5dCKQ9o
レイ「……よく来られたわね」
シンジ「…聞きたいことがあるんだ」
レイ「…ここでの会話は録音されるわ」
シンジ「構わないよ。あの子の…フィフスの正体は何なの?」
レイ「……」
レイ「……おそらく、最後のシ者…」
722 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:04:01.89 ID:3d5dCKQ9o
マリ「さ…行くよ、アダムの分身。そしてリリンの僕…」
空中に踏み出すマリ。
トウジ「エヴァ弐号機、起動!」
シンジ「そんな…!? 加持くんは!」
ケンスケ「303病室です。確認済みです!」
シンジ「じゃあいったい誰が…!」
ヒカリ「無人です、弐号機にエントリープラグは挿入されていません!」
シンジ(誰もいない?フィフスじゃないのか……!?)
トウジ「セントラルドグマに、A.T.フィールドの発生を確認!」
シンジ「弐号機!?」
トウジ「…いや、パターン青!間違いない!使徒や」
シンジ「使徒……!」
シンジ「あの子どもが…!」
723 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:05:02.91 ID:3d5dCKQ9o
オペレータ「目標は第4層を通過、なおも降下中!」
ケンスケ「だめです、リニアの電源は切れません!」
オペレータ「目標は第5層を通過!」
カヲル「セントラルドグマの全隔壁を緊急閉鎖!少しでも時間を稼ぐんだ!」
アナウンス「マルボルジェ全層緊急閉鎖、総員退去、総員退去!」
カヲル「……まさか、ゼーレが直接送り込んでくるとはね…」
葛城「連中は予定を一つ繰り上げるつもりだ。われわれの手で…」
724 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:06:01.46 ID:3d5dCKQ9o
ゼーレ 02「最後の使徒がセントラルドグマに侵入した。現在降下中だ」
ゼーレ「予定通りだな」
キール「葛城。君はよき友人であり、志を共にする仲間であり、理解ある協力者だった。これが最後の仕事だ。初号機による遂行を願うぞ」
ケンスケ「装甲隔壁は、エヴァ弐号機により突破されています!」
トウジ「目標は、第2コキュートスを通過!」
葛城「……!」
葛城「エヴァ初号機に追撃させろ」
シンジ「はい!」
葛城「…いかなる方法をもってしても、目標のターミナルドグマ侵入を阻止するんだ」
725 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:07:03.18 ID:3d5dCKQ9o
シンジ(……使徒はなぜ、弐号機を…!)
カヲル「まさか…弐号機との融合を果たすつもりなのか」
葛城「あるいは破滅を導くためか…」
ミサト「あの子が、使徒……?」
ミサト「…嘘よ。だってあの子は…」
シンジ「本当なんだ。ミサトちゃん」
シンジ「出撃の準備を」
ミサト「……」
シンジ「ミサトちゃん…!」
726 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:08:02.10 ID:3d5dCKQ9o
マリ「おっそいな〜」
マリ「…ちょっとからかいすぎちゃった、かな」
オペレータ「エヴァ初号機、ルート2を降下!目標を追撃中!」
(マリ「加持くんの居場所とったりしないよー」)
ミサト「……!」
ミサト「馬鹿にして…!」
ミサト「汚させやしない、加持くんの、弐号機を…!」
727 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:09:01.87 ID:3d5dCKQ9o
ケンスケ「初号機、第4層に到達、目標と接触します」
ミサト「…いた!」
マリ「おっそ〜い。待ちくたびれたよ」
ミサト「マリ…ッ!」
マリ「あー。はじめて!名前呼んでくれたね」
ミサト「ふざけんじゃ、ないわよ…っ!」
にらみ合い、掴みあう弐号機と初号機
マリ「今さら向き合ったって。許してあげないよ!誰でもよかったくせに」
ミサト「…! じゃあ、あんたはどうして…ッ」
ミサト「私に近付いたのよっ!」
プログナイフで斬りかかる
728 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:10:01.86 ID:3d5dCKQ9o
弾かれる
ミサト「うっ」
マリ「無駄だよ」
マリ「弐号機は今、誰とも会いたくないって。」
ミサト「これは…!A.T.フィールド…!?」
マリ「驚くこたないじゃん。誰だって持ってる。A.T.フィールドは心の壁」
ミサト「心の壁…!?」
マリ「そう。こうやって、土足で上がることだって…!」
ミサト「グッ」
マリ「できる!」
ミサト「アアアッ」
729 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:11:02.17 ID:3d5dCKQ9o
オペレータ「エヴァ両機、最下層に到達」
オペレータ「目標、ターミナルドグマまで、後20」
シンジ「……く…っ!」
シンジ「……初号機の信号が消えて、もう一度変化があったときは…」
トウジ「分かっとる。その時は…ここを自爆させるんやな」
シンジ「…トウジ、僕は…!」
トウジ「このワシがセンセ一人置いていくわけないやろ。死ぬときは一緒や」
ケンスケ「はは。俺はできれば死にたくないかな」
トウジ「アホ!何をウジウジ言うとんのや。ちゃんとタマンキついとんのか!?」
ヒカリ「ちょっと!やめなさいよ、こんなときに…」
トウジ「もとより覚悟の上や!…ついて行くで」
シンジ「……ありがとう、みんな…!」
730 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:12:01.79 ID:3d5dCKQ9o
マリ「…ヒトの宿命か…。いじけてたって何にも楽しいことないのに…」
ミサト「…なんなのよ…!」
マリ「遺伝子レベルでの欲求に対する疑問…ヒトの限界だよ…」
シンジ「いったい、これは…!」
トウジ「これまでにない強力なA.T.フィールド…!」
ケンスケ「光波、電磁波、粒子も遮断しています!何もモニターできません」
シンジ「結界…!?」
ヒカリ「目標およびエヴァ弐号機、初号機、共にロスト、パイロットとの連絡も取れません!」
731 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:13:01.72 ID:3d5dCKQ9o
最深部に落下する両機
ミサト「んっ…!う、うぅ…っ!」
ミサト「待ちなさい、よ…っ!」
弐号機に足を掴まれる
ミサト「!」
マリ「……」
マリ「諦めちゃいなよ」
ミサト「……!」
マリ「もう無理だって」
ミサト「無理じゃない……!」
ケンスケ「最終安全装置、解除!」
トウジ「ヘヴンズドアが、開く…!」
シンジ「……!」
シンジ「たどり着いたのか、使徒が…!」
732 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:14:01.70 ID:3d5dCKQ9o
シンジ「みんな…」
トウジ「……」
猛攻。
ミサト「……ぁああああっ!」
弐号機に掴みかかる初号機
ミサト「はっ!」
シンジ「…状況は!」
トウジ「A.T.フィールドや!」
ケンスケ「ターミナルドグマの結界周辺に先と同等のA.T.フィールドが発生」
ヒカリ「結界の中へ侵入していきます!」
シンジ「まさか、新たな使徒…!」
ケンスケ「だめです、確認できません!…いえ、し、消失しました!」
シンジ「消えた?!使徒が?!」
733 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:15:02.65 ID:3d5dCKQ9o
マリ「…おまたせ。アダム…ようやく会えたね…」
マリ「……!」
マリ「違う、これは…!」
マリ「…なるほど。」
マリ「リリンの狙いはこれか…」
横たわる弐号機。
マリ「悔しいなあ……」
初号機の手がマリを捕らえる
マリ「……あとちょっとで勝てると思ったのに。」
ミサト「あんた…っ!なんで、こんなこと…!」
マリ「生きることに……理由なんていらない。ただ生きていたいじゃん?」
マリ「生み落とせば次が待ってる。できるからやればいい。そうやって繰り返し、生命は巡ってきた…」
マリ「疑問なんて…持ってるみたいだからサ、面白くって。もうちょっと見ていたかったけど…」
734 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:16:02.62 ID:3d5dCKQ9o
マリ「でももう終わり。今回は生命に懐疑的なほうが生き残る」
ミサト「…なに、言ってんのよ…」
マリ「…ま。それも面白いか…」
ミサト「わけ、分かんないわよ…!どうしろって言うのよ、私に…!」
マリ「受け取ってよ、リリンの代表として」
ミサト「……」
マリ「私のキモチ」
ミサト「…!」
ミサト「なによ…なんなのよ、ずっと!最初から…」
ミサト「勝手なことばっかり言わないでよ、あたし、あたしは…!」
735 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:17:02.13 ID:3d5dCKQ9o
マリ「知ってるよ?」
ミサト「!」
マリ「最初から好きじゃなかった…気に入らなかった。だよね?」
ミサト「…ッ」
マリ「殺しなよ。そうすれば君たちの世界はそのまま」
マリ「…このまま死んで、心に残るのも悪くない……」
ミサト「……」
マリ「…悪かったね。パーソナルスペース汚しちゃって」
ミサト「……、」
ミサト「馬鹿…!」
736 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:19:08.81 ID:3d5dCKQ9o
洗浄される初号機
葛城「……」
リツコ「……」
ミサト「あの子は…」
ミサト「マリは……使徒じゃなかった」
ミサト「温もりがあったもの…」
ミサト「好きじゃなかった…でも、嫌いでもなかった…」
ミサト「……何も違わなかった。私たちは…っ」
737 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:20:01.74 ID:3d5dCKQ9o
シンジ「……彼女は死を望んだんだ。ミサトちゃん、君は生を…」
ミサト「違う!」
ミサト「違う、違う、違う違う!私は逃げただけ…!」
ミサト「何も選びたくなかった…だから、あの子の言うことを聞いた…そのほうが、自分が傷つかないもの」
ミサト「嘘ばっかり…知ってるなんて、ぜんぶ嘘…!」
ミサト「あの子も生きたかったんだわ……」
シンジ「……」
扉を閉めるシンジ
布団に踞るミサト
ミサト「……寒い…」
弐拾四話分終わり
738 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/06(日) 17:21:05.54 ID:3d5dCKQ9o
続きは明日
739 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 21:56:02.54 ID:KdkUNOgoo
>>317
>>212
大人ぶってる少年、でなんとか(脳内山寺に)演ってもらうしかないな…
740 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 21:57:13.25 ID:KdkUNOgoo
期待コメもありがとう 読むほうも乙!
あと少しなので付き合ってくれ
741 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 21:58:01.70 ID:KdkUNOgoo
修正
>>248
サードインパクト×
セカンドインパクト○
742 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 21:59:02.02 ID:KdkUNOgoo
修正
>>351
葛城「……なによ、「リッちゃん」って…」×
ミサト「……なによ、「リッちゃん」って…」○
他にもあると思うが各自で補完頼む
すでにまとめてくれてるサイトの管理人さん、ありがとう
743 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:01:02.24 ID:KdkUNOgoo
第一脳神経外科。
ミサト「……」
アナウンス「東棟の第2、第3区画は本日18時より閉鎖されます。引き継ぎ作業は本日16時30分までに終了してください」
ミサト「加持くん…、ねぇ」
ミサト「起きてよ……こわいの。シンジさんも、リツコも、みんな…!」
ミサト「どうして平気なの…?あんな…!」
ミサト「……起きて…起きてよ…!分かって、私を見てよ…!」
ミサト「おかしいって、言ってよ…!こんなの変だって…!」
(マリ「…悪かったね」)
(ミサト「馬鹿!」)
(シンジ「彼女は死を望んだんだ」)
(ミサト「違う!」)
(ミサト「寒い…」)
744 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:02:02.02 ID:KdkUNOgoo
ミサト「……もう分からないの。他人も、自分も…」
ミサト「…ねぇ。加持くん…!加持くん…」
ミサト「起きて、また…いつもみたいに、好きって、言っ……」
加持の上に泣き崩れるミサト
ミサト「うっ、う…っ」
ミサト「う…っ、加持くん…」
ミサト「私を助けてよ…!」
745 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:03:05.83 ID:KdkUNOgoo
加持。夢の中。
「大勢で行くと目立つ」
「大丈夫さ…うまくやるよ」
「こいつらか、最近この辺を荒らしてる」
「殺せ。どうせ足もつかない」
「やめろ…」
「やめろ?やめろって?坊主…」
「やめてやってもいい。…仲間の居場所を吐きな」
「そうすりゃ助けてやる」
「……あ、」
加持「……あぁ……っ」
ミサト「加持くん…?加持くん!」
746 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:04:02.25 ID:KdkUNOgoo
加持「あ、ああああっ!」
ミサト「…や、ぁ!」
ミサト「か…加持く、離し…!」
(「仲間の居場所を言え」)
加持「……ろ…してやる…!」
加持「殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる…っ!」
ミサト「い…い、や…」
ミサト「だれかあっ」
加持の身体から計器が外れる。電子音。
747 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:05:02.31 ID:KdkUNOgoo
看護師「…何をしてるの!」
看護師「先生!」
医師「鎮静剤だ、」
医師「押さえろ!興奮している」
加持「うぅ、あぁ…!」
加持「……っあああッ!」
看護師「…っ、落ち着いて!ここは病院よ」
加持「ふーっ、ふーっ……」
加持「……、……」
加持「…」
ミサト「………」
看護師「大丈夫?怪我はない?」
748 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:06:02.14 ID:KdkUNOgoo
ヒカリ「本部施設の出入りが全面禁止…?」
トウジ「解せんな。第一種警戒態勢のままっちゅうのも…」
ヒカリ「最後の使徒だったんでしょう?あの子が…」
ケンスケ「ああ。全ての使徒は消えたはずだよ」
トウジ「なんや。ほんならめでたしめでたし、ってことなんか?」
ヒカリ「じゃあここは…エヴァはどうなるの?綾波さんも今いないのに…」
ケンスケ「……ネルフは、組織解体されると思う。俺たちがどうなるかは…見当もつかないよ」
トウジ「補完計画の発動まで、自分らで粘るしかないか」
シンジ「…出来損ないの群体として既に行き詰まった人類を完全な単体としての生物へ人工進化させる補完計画。理想の世界、か…。」
シンジ「そのために委員会はまだ使うつもりなんだ…」
シンジ「アダムやネルフではなく、あのエヴァを」
シンジ「アスカの予想通り…」
749 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:07:02.02 ID:KdkUNOgoo
キール「約束を違えたな……葛城」
ゼーレ 02「我らに背き 滅びを拒むとは」
ゼーレ 05「滅びの宿命は新生の喜びでもある」
ゼーレ 04「神も人も全ての生命が死を以てやがて一つになる為に」
キール「だがロンギヌスの槍を失った今、リリスによる補完は出来ぬ」
キール「それが可能なのはリリスの分身たるエヴァ初号機のみ」
キール「速やかな遂行を願うぞ…」
葛城「死は何も生みません」
キール「死は君達に与えよう」
カヲル「人は生きていこうとする所にその存在がある」
カヲル「それが自らエヴァに残った彼女の…いや」
カヲル「彼女たちの願いだからね」
750 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:08:02.79 ID:KdkUNOgoo
夜。
目を覚ますリツコ
リツコ「……」
目を閉じるミサト
ミサト「……」
明け方。
キーを叩くシンジ
シンジ「…これが…セカンドインパクトの真意…」
シンジ「はっ」
シンジ「気付かれた…!」
シンジ「…いや、違う…!」
シンジ「始まったのか…」
シンジ(始まってしまった。こんなにも早く…)
751 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:09:01.86 ID:KdkUNOgoo
葛城「……結局、最後まで頼ることになってしまった」
葛城「…行ってくれるか」
リツコ「……」コクン…
警告音。
オペレータ「第6ネット、音信不通」
カヲル「左は青の非常通信に切り替えろ。衛星を開いても構わない…そうだ。右の状況は?」
オペレータ「外部との全ネット、情報回線が一方的に遮断されています!」
カヲル「目的はMAGIか…」
752 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:10:02.28 ID:KdkUNOgoo
ケンスケ「全ての外部端末からデータ侵入。MAGIへのハッキングを目指しています!」
カヲル「やはりか…侵入者は松代のMAGI2号かい?」
ケンスケ「いえ、少なくともMAGIタイプ5」
ケンスケ「ドイツと中国、アメリカからの侵入が確認できます!」
カヲル「…ゼーレは総力を挙げているな…彼我兵力差は1対5…分が悪い…」
オペレータ「第4防壁、突破されました」
トウジ「主データベース閉鎖…駄目や、進行をカットできん!」
ヒカリ「更に外郭部へ侵入、予備回路も阻止不能です!」
カヲル「まずいな…MAGIの占拠は本部のそれと同義だ…」
753 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:11:04.65 ID:KdkUNOgoo
アナウンス「総員、第一種警戒態勢。繰り返す。総員、第一種警戒態勢。D級勤務者は可及的速やかに所定の配置に付いてください」
レイ「解ってる…、MAGIの自律防衛でしょう…」
諜報員「はい、詳しくは第2発令所の洞木二尉からどうぞ」
レイ「ここもいよいよね…。最後の敵は人か…」
アナウンス「現在、第一種警戒態勢が発令されています」
(通話)
シンジ「状況は!」
トウジ「今しがた、第2東京からA-801が出た」
シンジ「801?」
トウジ「特務機関ネルフの特例による法的保護の破棄」
トウジ「及び、指揮権の日本国政府への委譲…最後通告やな。ああ、そうや。今MAGIがハッキングを受けとる…かなり押されとる」
ヒカリ「碇くん?洞木よ。今、綾波さんがプロテクトの作業に入ってくれてる」
ヒカリ「あ…!」
シンジ「綾波が…?」
754 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:12:02.79 ID:KdkUNOgoo
レイ「……先生、私。待てませんよ、もう…」
レイ「疲れました……そっちへ行ってもいいですか…?」
レイ「…駄目ね、私…弱気になってる。こんなことじゃ先生に叱られてしまうわ」
レイ「先生……」
オペレータ「強羅地上回線、復旧率0.2%に上昇」
オペレータ「第3ケーブル、箱根の予備回線、依然不通」
シンジ「後、どれくらい…?」
トウジ「ギリギリ間に合いそうや…綾波博士様様やな」
シンジ(MAGIへの侵入だけ……それで済むはずがない。おそらく……!)
755 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:13:02.62 ID:KdkUNOgoo
カヲル「MAGIは前哨戦に過ぎない。彼らの狙いは本部施設、及び残るエヴァ2体の直接占拠だ」
葛城「ああ。リリス、そしてアダムさえ我らにある」
カヲル「老人達が焦るわけだ……」
ヒカリ「MAGIへのハッキングが停止しました」
アナウンス「フリーズ、フリーズ、フリーズ、フリーズ…」
ヒカリ「Bダナン形防壁を展開。以後62時間は外部侵攻不能です」
レイ「先生……今度は一緒ですよ…」
756 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:14:01.79 ID:KdkUNOgoo
ゼーレ 09「葛城はMAGIに対し、第666プロテクトを掛けた。この突破は容易ではない」
ゼーレ 07「MAGIの接収は中止せざるを得ないな」
キール「出来うるだけ穏便に進めたかったのだが、致し方あるまい。本部施設の直接占拠を行う」
山道に蠢く影。
隊員「始めよう」
隊員「予定通りだ」
757 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:15:02.39 ID:KdkUNOgoo
被弾するネルフ本部。
オペレータ「第8から17までのレーダーサイト、沈黙」
ケンスケ「特科大隊、強羅防衛線より侵攻してきます」
トウジ「御殿場方面からも二個大隊が接近中」
カヲル「…最後の敵が人とはね」
葛城「…総員、第一種戦闘配置」
ヒカリ「戦闘配置…?相手は使徒じゃないのに…同じ人間なのに…」
トウジ「…敵さん、そうは思うてくれんようやな」
758 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:16:02.10 ID:KdkUNOgoo
ネルフ本部ゲート前
職員「…、……」
職員「う、……!」
開放されるゲート
警報。
職員「おいどうした!おい!」
職員「なんだ?」
職員「南のハブステーションです」
着弾。
オペレータ「台ヶ丘トンネル使用不能」
オペレータ「西5番搬入路にて火災発生」
オペレータ「侵入部隊は第1層に突入しました!」
759 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:17:06.39 ID:KdkUNOgoo
シンジ「西館の部隊は…陽動だ」
シンジ「本命がエヴァの占拠なら、パイロットを狙うはず…至急ミサトちゃんを初号機に退避させて!」
トウジ「了解」
シンジ「加持くんは」
ケンスケ「303号病室」
シンジ「…そのまま弐号機に乗せて。あそこだと確実に見つかる…!エヴァの中のほうが安全だ」
ヒカリ「…了解、パイロットへの投薬を中断、発進準備!」
シンジ「加持くん収容後、エヴァ弐号機は地底湖に隠して」
シンジ「…すぐに見付かるけど、ケージよりマシだ…!リツコちゃんは?」
ケンスケ「所在不明。位置を確認できない」
シンジ「こんなときに…!捕捉急いで!」
迷いなく進むリツコ。その手にはアダム
リツコ「……」
760 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:18:02.40 ID:KdkUNOgoo
トウジ「弐号機射出!8番ルートから水深70に固定」
シンジ「続いて初号機発進!ジオフロント内に配置して」
ケンスケ「駄目だ…!パイロットがまだ…!」
シンジ「そんな、」
シンジ「ミサトちゃん…!」
アナウンス「セントラルドグマ第2層までの全隔壁を閉鎖します。非戦闘員は第87経路にて待避してください」
ケンスケ「地下、第3隔壁破壊。第2層に侵入されました」
カヲル「戦自約一個師団の投入か…占拠は時間の問題だね…」
葛城「……渚先生、後を頼みます」
カヲル「…解っているよ。彼女に伝えてくれ、すまなかったと」
葛城「……」
761 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:19:03.24 ID:KdkUNOgoo
侵攻、破壊。
オペレータ「第2グループ、応答なし」
オペレータ「77電算室、連絡不能」
ケンスケ「52番のリニアレール、爆破されました!」
トウジ「なんて奴らや…、使徒のがよっぽど可愛いげがあったな」
シンジ「無理ないよ。今までとは相手が違う。人を殺すなんて…!」
瀕死の同僚を運ぶ職員
職員「っっん、っっん…!」
銃撃。
隊員「赤のケーブルから優先して切断…」
火炎放射機。
職員「あぁぁ…」
762 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:20:05.46 ID:KdkUNOgoo
オペレータ「第3層Bブロックに侵入者!防御できません!」
ケンスケ「Fブロックからもです!メインバイパスを挟撃されました」
シンジ「第3層まで破棄します。戦闘員は下がって」
シンジ「803区間までの全通路とパイプにベークライト注入」
ケンスケ「ベークライト注入!」
アナウンス「第703管区、ベークライト注入を開始。完了まであと30。第730管区、ベークライト注入を開始。完了まであと20」
シンジ「これで、少しは…」
トウジ「センセ!…ルート47が寸断されてグループ3が足止め食っとる。このままやと、葛城ミサトが」
シンジ「……、」
シンジ「…非戦闘員の白兵戦は極力避けて。向こうはプロだ。ドグマまで後退不可能なら投降した方がいい…!」
シンジ「…ごめん、ここは任せる」
トウジ「…シンジ、…」
シンジ「大丈夫。…死なないよ」
763 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:21:02.68 ID:KdkUNOgoo
無線「二子山はもういい、長尾峠に回れ」
戦闘団長「以外と手間取るな…」
隊員「我々に楽な仕事はありませんよ」
トウジ「……まったく。無茶しよるわ。こっちは本格的な対人要撃システムもないっちゅーのに…」
ケンスケ「だな。精々テロ止まりだ」
トウジ「…戦自が本気出したら、この施設なんてイチコロなんやないか?」
ケンスケ「イチコロなんてもんじゃないさ。骨も残らないと思うね」
トウジ「アホ!嘘でもそんなことないて、言わんかい!」
764 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:22:02.24 ID:KdkUNOgoo
爆撃。
トウジ「が……っ!」
トウジ「……!!」
トウジ「イインチョ!」
ケンスケ「ロック外して!」
ヒカリ「嫌……私…鉄砲なんて撃てない…!」
ケンスケ「訓練で何度も撃ったろ…!」
ヒカリ「その時は…!その時は人なんて、いなかったもの…!」
トウジ「…く…っ、」
トウジ「委員長!伏せとれ!」
765 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:23:07.06 ID:KdkUNOgoo
無線「第2層は完全に制圧。送れ」
無線「第2発令所、MAGIオリジナルは未だ確保できず。左翼下層フロアにて交戦中」
無線「5thマルボルジェは熱冷却装置に入れ」
無線「エヴァパイロットは発見次第射殺」
無線「非戦闘員への無条件発砲も許可する」
無線「柳原隊、新庄隊、速やかに下層に突入」
隊員「サード発見。これより排除する」
隊員「悪く思うなよ…!」
銃声。倒れる隊員
ミサト「……!」
葛城「立つんだ…ミサト」
766 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:24:06.86 ID:KdkUNOgoo
倒れた隊員の無線を聞くシンジ
無線「紫の方は確保しました。ベークライトの注入も問題ありません」
無線「赤い奴は既に射出された模様。目下移送ルートを調査中」
シンジ「ミサトちゃんと初号機の物理的接触を断とうとしている…。ミサトちゃん、無事なのか…!でもどうやって…」
無線「ファーストは未だ発見できず」
シンジ「……うかうかしてられない。どっち道初号機までのルートを確保しなきゃ…」
(通話)
シンジ「トウジ、聞こえる?」
767 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:25:01.94 ID:KdkUNOgoo
ミサト「たすけて…加持くん、助けてよ…」
葛城「……セカンドは弐号機の中だ」
葛城「ミサト。お前もすぐに…」
ミサト「やめてよ…!」
ミサト「もう、嫌なの…!もう誰も殺したくない!行きたくない!」
ミサト「もう嫌……なんでなのよ」
葛城「……すまなかった」
ミサト「………!」
ミサト「なに…よ、なん…今さら!何なのよ!」
ミサト「こんなところに呼んで!ずっと来てくれなかったのに、急に、エバーに乗せて、私から奪って、また…!」
768 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:26:02.15 ID:KdkUNOgoo
カヲル「構わない!ここよりもターミナルドグマの分断を優先させるんだ」
トウジ「あちこち爆破されとるのに、やはし此処には手を出さんか…」
ケンスケ「一気に片を付けたい所だろうが、下にはMAGIのオリジナルがあるからね…」
トウジ「はん。できるだけ無傷で…ちゅうわけか」
ケンスケ「ただ、対BC兵器装備は少ない。使用されたらヤバイよ…」
トウジ「N2兵器もな…」
爆発。激しい揺れ。
ケンスケ「あ〜、言わんこっちゃない…」
トウジ「奴ら加減ってもんを知らんのか!」
カヲル「無茶をする…」
さらに降り注ぐ
ヒカリ「ねぇ、どうしてそんなにエヴァが欲しいの!」
769 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:27:02.31 ID:KdkUNOgoo
葛城「奴らは……ゼーレはサードインパクトを起こすつもりだ。使徒ではなくエヴァシリーズを使って…」
葛城「15年前のセカンドインパクトは、人間に仕組まれたものだ」
葛城「だがそれは、他の使徒が覚醒する前にアダムを卵にまで還元する事によって被害を最小限に食い止める為のものだった…」
葛城「…ミサト、われわれ人間も、アダムと同じリリスと呼ばれる生命体の源から生まれた18番目の使徒だ。他の使徒達は別の可能性だった…。人の形を捨てた人類の」
葛城「……私は16年前、この事実を知った。ゼーレにおもねることで計画を絶つ気でいた。だが…それも失敗だ」
葛城「人間同士で争う形となってしまった…」
ミサト「……」
葛城「……生き残るにはエヴァシリーズを全て消滅させるしかない。ミサト…」
葛城「それが叶わなくても、お前なら…」
ミサト「……?」
葛城「…いや。来るんだ」
770 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:28:01.69 ID:KdkUNOgoo
首相「電話が通じなくなったな」
秘書官「はい、3分前に弾道弾の爆発を確認しております」
首相「ネルフが裏で進行させていた人類補完計画。人間全てを消し去るサードインパクトの誘発が目的だったとは…とんでもない話だ」
秘書官「自らを憎むことのできる生物は人間くらいのものでしょう」
首相「さて、残りはネルフ本部施設の後始末か」
秘書官「ドイツか中国に再開発を委託されますか?」
首相「買い叩かれるのがオチだ。20年は風地だな。旧東京と同じくね」
771 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:29:02.30 ID:KdkUNOgoo
無線「表層部の熱は退きました。高圧蒸気も問題ありません」
無線「全部隊の初期配置完了」
隊員「現在、ドグマ3層と紫の奴は制圧下にあります」
戦闘団長「赤い奴は?」
隊員「地底湖の水深70にて発見、専属パイロットの生死は不明です」
加持(………、)
加持(生きてる…)
加持(…また、夢の中か…?)
加持(…うっ、)
加持(何が起きてる…?)
加持(いたい…痛い、身体が…)
加持(殴られている、強い、力で…)
加持(上から…)
772 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:30:01.89 ID:KdkUNOgoo
「兄ちゃん」
「リョウジー!」
「兄ちゃん」
「リョウジ」
「兄ちゃん」
「リョウジ」
「兄ちゃん!」
「リョウジー!」
「兄ちゃん……」
加持「はっ…」
(「教えろ…」)
(「仲間の居場所を吐け」)
773 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:31:03.05 ID:KdkUNOgoo
爆雷。
加持「死ぬのか…?俺は…」
(「仲間の居場所を言えば…」)
加持「死ぬのは俺、死ぬのは俺…?死ぬのは俺…。死ぬのは俺、死ぬのは俺…!死ぬのは俺、死ぬのは俺、死ぬのは俺、死ぬのは俺、死ぬのは俺…」
(「兄ちゃん……」)
774 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:32:02.09 ID:KdkUNOgoo
(「もうここは出よう」)
加持「死ぬべきなのは俺、」
(「俺たちは自由なんだ」)
加持「あの時死ぬはずだったのは俺」
(「軍の倉庫を見つけた」)
加持「俺が死んでさえいれば、」
(「これで当分は…」)
加持「みんなは助かった…」
(「あっこら、はは」)
加持「死ぬのは俺」
(「兄ちゃん!」)
(「加持くん」)
加持「死ぬのは俺……一人だ!」
閃光。
775 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:33:01.93 ID:KdkUNOgoo
隊員「こっ、これは!?」
隊員「やったか!?」
護衛艦を押し上げ、現れる弐号機
戦自の攻撃を蹴散らしていく
加持「……大切だった」
操縦桿を握る加持
加持「大切だ…!」
空を翔る。
車内。
ヒカリ(無線)「エヴァ弐号機起動!加持くんは無事です。生きてます!」
ミサト「加持くんが……!」
776 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:34:03.81 ID:KdkUNOgoo
隊員「ケーブルだ!やつの電源ケーブル、そこに集中すればいい!」
爆撃。
加持「……チイッ!」
加持「アンビリカルケーブルが、無かろうと……ッ!」
加持「こちとら1万2千枚の特殊装甲と!」
加持「A.T.フィールドがある…!」
攻撃機を凪ぎ払う
加持「うぉぉぉぉぉ…っ!」
キール「忌むべき存在のエヴァ。またも我らの妨げとなるか…やはり毒は、同じ毒を以て征すべきだな」
輸送機からエヴァシリーズが投下される
加持「エヴァシリーズ…!完成していたのか」
カヲル「S2機関搭載型を9体全機投入とは…大げさすぎるな。ここで起こすつもりか…!」
降り立つエヴァシリーズ
777 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:35:03.86 ID:KdkUNOgoo
無線。電話越しに。
シンジ「司令…!よかった、ミサトちゃんは無事なんですか!」
葛城「無事だ」
シンジ「そのまま非常用のルート20へ向かってください」
葛城「電源は」
トウジ「三重に確保しとります。3分以内に乗り込めば第7ケージに直行できます」
葛城「分かった。……セカンドに繋げるか」
トウジ「どうぞ」
葛城「…エヴァシリーズは必ず殲滅させるんだ。初号機もすぐに上げる」
葛城「それまで耐えてくれ」
778 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:39:13.80 ID:KdkUNOgoo
加持「必ず殲滅、ね…。司令も、病み上がりに軽く言ってくれる」
加持「…残り3分半で9つ。一匹につき20秒か……ははっ」
加持「望むところだ…!」
加持「うお、お…!」
9号機の頭を潰し、背骨を折る
加持「Erst!」
779 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:40:02.24 ID:KdkUNOgoo
ルート20。
葛城「……ここだ」
銃撃。逃れる葛城、ミサト。
隊員「逃がしたか」
隊員「目標は射殺出来ず。追撃の是非を問う」
無線「追撃不要。そこは爆破予定である。至急戻れ」
隊員「了解」
780 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:41:13.30 ID:KdkUNOgoo
ミサト「え……?」
葛城「……っ…、」
ミサト「ちょっと…!」
葛城「電源は……生きている」
葛城「行って初号機に乗るんだ」
ミサト「……お父さんは…!?」
葛城「……」
ミサト「ねぇ……!」
葛城「……ミサト」
何かを手に握り込ませる
葛城「 」
扉が閉まる
手のひら。血のついた十字架
ミサト「う……っ」
ミサト「くぅ…、っ、う、う…っ」
781 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:42:12.19 ID:KdkUNOgoo
加持「だああああっ」
11号機を地底湖に沈める
加持「あああ…っ!」
11号機の頭にプログナイフを突き刺し沈黙させる
加持「これで4つ…っ!」
加持「次ッ!」
加持「でやあああああッ!」
プログナイフが砕ける
加持「チイッ!」
弐号機の顔面を掴まれる
加持「ウッ」
加持「…ゥオアアアッ!」
782 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:43:02.94 ID:KdkUNOgoo
ターミナルドグマに辿り着くリツコ
リツコ「……」
リツコ「……!」
レイ「……待っていたわ。司令は一緒じゃないのね…」
レイ「嘘ばっかり。結局……真実なんて教えてくれなかった」
レイ「……でももういいの…」カチャ…
リツコに銃口を向けるレイ
レイ「……あなたはトリガーとなる。だったら殺すのが確実……」
リツコ「……」
783 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:44:02.03 ID:KdkUNOgoo
レイ「ずっとあなたを守ってきたつもりだった。先生と自分を重ねて。…それをあなたが重荷に感じていたのも知ってる…」
レイ「……もう、終わりにしましょう。家族ごっこは終わり」
リツコ「……」
リツコ「…あなたは私を撃てない」
レイ「……!」
レイ「……そうね。でももう遅い。さっきMAGIのプログラムを変えてきたわ」
レイ「一緒に死にましょう…先生も……あなたのお母さんも一緒に」カチ…
レイ「……」
レイ「……!、なぜ……!」
レイ「は…っ」
レイ「BALTHASARが……!」
レイ「う……っ、」
レイ「……なぜなの!母としての先生がそう望むならいったい、私は…!」
784 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:45:14.60 ID:KdkUNOgoo
トウジ「どうなっとるんや外は!」
ヒカリ「活動限界まで1分を切ってる!このままじゃ加持くんが…!」
シンジ「ミサトちゃん、急いで……!」
加持「葛城は、せめて葛城だけは」
加持「守ってみせる…!」
加持「アアアアアッ!」
加持の声が鳴り響いている。第7ケージ。
ミサト「……いや…!」
ミサト「もう失うのはイヤ…!」
ミサト「どうしてなの…ッ」
785 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 22:46:20.62 ID:KdkUNOgoo
埋もれている初号機。
ミサト「こんなときにッ!」
ミサト「動けないで何が世界の希望よ」
加持「だああああっ」
ミサト「動いてよ…!」
ミサト「私の初号機なら、動いて…!」
壁が軋む。
ミサトに手を伸べる初号機
ミサト「アッ……」
ミサト「……!」
ミサト「まさか…!」
初号機「………」
ミサト「お母さん…?」
25話分終わり
786 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 23:01:02.29 ID:KdkUNOgoo
肩を貫かれ、よろめく。
加持「…ッグ…!」
右腕を引き裂かれる。
加持「ォア…!」
加持「…………!」
加持「ダアアアアッ!!!」
なぎ倒して後ずさる
加持「……ハァ、ハァ…!」
加持「………、」
加持「ここまでか…!」
787 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 23:02:01.67 ID:KdkUNOgoo
ヒカリ「内部電源終了…っ!予備電源に切り替わります、活動限界です…!」
シンジ「加持くん…!」
加持「……はぁ、は……」
加持(………よく、やった…)
加持「へへ…」
加持「…よく、ここまでもったな…」
加持「ありがとう」
788 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 23:03:01.85 ID:KdkUNOgoo
加持「俺もすぐに行くよ」
加持「…今度は、一緒に…」
目を閉じる加持。
刃が迫る。
大きな影。
初号機が飛びかかる
ヒカリ「……!」
ヒカリ「エヴァ初号機、起動!」
789 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 23:04:03.59 ID:KdkUNOgoo
加持「葛城……!?」
ミサト「……ごめん、遅れちゃって」
加持「………、」
加持「……締まらないな…」
残った機体をなぎ倒していく初号機
加持「………」
790 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 23:05:02.60 ID:KdkUNOgoo
レイ「…欠けた心の補完」
レイ「不要な身体を捨てて、全ての魂をひとつにする…それが人類補完計画の全容」
レイ「…なぜ先生は、あなたを行かせようとするの…!」
レイ「復讐のためだったと言うの…?すべて、私を育てたことも…」
リツコ「…違うわ」
リツコ「確かに母さんは、セカンドインパクトで愛する人を失った」
リツコ「でもこれは、私が決めたこと…」
レイ「……!」
791 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 23:06:02.36 ID:KdkUNOgoo
ミサト「…加持くん、腕、大丈夫…?」
加持「…どってことないさ、これくらい…」
加持「…葛城、俺のことは気にするな」
加持「いや…しないでくれ」
ミサト(…………、)
加持「俺は弟たちを身代わりにして生き残った」
加持「悔いることも恐れていた…でも今は分かる」
加持「俺が悪かったんだ」
加持「もうこれ以上、俺は……!」
ミサト「加持くんのせいじゃない」
加持「……、」
792 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 23:07:16.34 ID:KdkUNOgoo
ミサト「大人が悪いのよ……いえ、セカンドインパクトが。あれが世界を変えてしまった。加持くんたちを苦しめた…」
ミサト「背負う人が違っただけ。あなたを身代りにしても…しなくても、必ず誰かが背負うことになるのよ」
加持「葛城…」
ミサト「………」
ミサト「生きろ、と…言われたの、お父さんに」
ミサト「そう望まれたの…。だから生きるの。私も望んでる。加持くん、あなたに」
ミサト「生きていてほしい、って…」
ミサト「……絶対に生き残るのよ。生き残って、それでも死にたかったら、その時死ねばいい…!」
ミサト「今、死に急ぐような真似したら…!一生許さないから…!」
加持「……、…」
加持「敵わないな…」
793 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 23:08:06.50 ID:KdkUNOgoo
ヒカリ「エヴァシリーズ、すべて沈黙!」
トウジ「ィヨッシャー!」
ヒカリ「ミサトちゃん!加持くんを安全な所へ運んで」
ミサト「はい!」
加持「………」
加持「葛城、………帰ったら」
ミサト「?」
加持「あの時の続きをしよう」
ミサト「……、!」
ミサト「バカ…!」
794 :
◆gcWj88zLkc
[sage saga]:2020/12/07(月) 23:09:07.02 ID:KdkUNOgoo
ヒカリ「……待って」
ヒカリ「…なに、これ……」
加持「!」
加持「葛城、後ろ…!」
シンジ「倒したはずのエヴァシリーズが…!?」
飛び立つエヴァシリーズ
狙いすまされる。乱れ打ち。
加持「ッグ、」
ミサト「加持くん!」
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