【咲安価】京太郎「清澄の探索者」その3【ADV】

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281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/24(火) 06:45:40.64 ID:Afvn82oAo
乙です
村が滅びたということは追手が咲とタコスは村人には見つからず生け贄にはならなかったのかな
282 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/24(火) 21:26:46.84 ID:oPoDIovD0
超今更ですが今日はお休みです。

>>281
あるいは見つかる前に自分で......というのもありえます。
その辺はご想像にお任せしますということで。

明日は進めます。
19時から開始予定ですのでよろしくお願いします。
283 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/25(水) 18:53:56.62 ID:U4usKVKX0
そろそろ始めます。

>>247の続きから再開です。
284 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/25(水) 18:54:25.08 ID:U4usKVKX0
優希「それでどういう意味なんだ?」

山下「いや、断片的すぎてさっぱりわからん」

優希「がーん......なんか拍子抜けだじぇ」

山下「うるさいわ!」

京太郎「でも文字を読み取ってくれただけでも儲けもんだ。サンキューな」

京太郎「それより、ここの『速須佐』って部分はひょっとして......」

山下「ああ。どう考えても『建速須佐之男命』、つまりスサノオノミコトだろう」


 【4日目 16:10】 小佐目山 祭壇


どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 316号室)

4. 自由安価


↓2
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 19:09:33.77 ID:R7dygcwio
2 木像を調べる
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 19:13:02.43 ID:AeGrjoGuo
287 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/25(水) 19:18:09.65 ID:U4usKVKX0
2 木像を調べる(10分)

【知識(山下)+知識(榎田爺)× 0.5】× 8 + 30 = 78

↓1
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 19:21:21.79 ID:R7dygcwio
それ
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 19:22:55.10 ID:R7dygcwio
1多いんだよー
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 19:23:51.81 ID:AeGrjoGuo
これ知識8の和じゃないんだな
歴史関係だから?
291 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/25(水) 19:32:32.69 ID:U4usKVKX0
>>290
和は写真を見て判定済みだった(前スレ>>386)ので除外したんですが、
読み返したらそもそも山下も判定済みでした。
こちらの不備ですので今回は自動成功にします。

自分でも何があったか把握できてないのダメだな(自省)
292 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/25(水) 19:57:14.03 ID:U4usKVKX0
鉄剣の文字は携帯の写真じゃ読めないだろうし、再判定可だったということにしておきましょう。

自動成功!


山下「うーむ......」

自身と同じくらい背の高い神体を右から左から、あるいは下から、山下が目を皿にして覗き込む。
俺たちは手伝おうにも手伝うこともなく、手持ち無沙汰でそれを傍から眺めるしかなかった。

久「あ、ちょっと湿気っちゃってる......まあいっか」ボリボリ

優希「いいなー。私もおせんべい食べたいじぇ」

久「残念だけど一袋しか持ってきてないわよ」ボリボリ

和「ところで、お二人はあの像について何かご存じないんですか?」

和「この儀式に関わっているなら......」

椿屋「さあ、気にしたこともなかった。知らなくても儀式を進める上では別に問題はない」

榎田爺「私も術に係る部分以外は......そういった事柄は楸野家の仕事でもあったからな」

京太郎「適当だなぁ」

やがて姿勢を屈めたり伸ばしたりするのを止めて、山下がこちらに歩いてきた。
検証が終わったらしい。

京太郎「どうだった?」

山下「結論から言えば、目新しいものは特に無い」

山下「作者も作られた年代も不明......ただ、服装は相当古いものだ。詳しくはないが奈良時代よりは前だろう」

山下「その他の意匠については何か特徴があるような感じじゃなかったぜ」

山下「見ての通り、男であることは確かだけどな.....」


 【4日目 16:20】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 316号室)

4. 自由安価


↓2
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 20:02:55.56 ID:iNOnL7mX0
炭鉱迷宮第5階層に出る
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 20:22:36.30 ID:p5LRKRnro
あと調べてないのある?
ポケベルとか一応調べてみる
295 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/25(水) 20:33:35.73 ID:U4usKVKX0
2. ポケベルを調べる


和「......ポケベルですね」

久「ポケベルね」

山下「ポケベルだな」

榎田爺「懐かしいな。私がまだ若い頃には......」シミジミ

どこにでもある(いや、『あった』?)黒い筐体にはいくつかのスイッチが並んでいる。
しかしそのどれを押しても、2列しかないディスプレイはうんともすんとも答えなかった。


 【4日目 16:20】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 316号室)

4. 自由安価


↓2
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 21:01:17.95 ID:R7dygcwio
何も思いつかん
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 21:01:28.59 ID:iNOnL7mX0
2 神具について調べてみる
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 21:10:48.27 ID:7jV9LtfZo
神具って何だっけ?
299 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/25(水) 21:22:08.89 ID:U4usKVKX0
少し席外してました

>>297
祭壇の構成物は以下の通りです
・木像(天羽々斬所持)
・金属皿×4

具体的に指定をお願いします
↓1(連取可)
300 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/25(水) 21:40:23.57 ID:U4usKVKX0
あるいは別の行動でも可です
安価下
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 21:42:31.27 ID:eEmMgUego
20分経ったし別の事やっても大丈夫?

天羽々斬の判読した文字の考察してみて欲しい。守給ってググると「幸魂奇魂守給幸給」っていうワードがあってなんか重要そうな気がする
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 21:50:31.46 ID:R7dygcwi0
「幸魂奇魂」の「幸」(さき)は、「咲き」や「裂き」であり、増殖や分裂である。 「幸魂奇魂」の「奇」(くし)は、「串」や「櫛」であり、「整え」や「統一」を意味する。 「幸魂奇魂」は「分化繁殖」したモノを「整え統一」させ、大国主大神の道に神習い、明るく和やかな日々が送れるということを意味する

調べたらめっちゃ現状と同じ符号あるじゃん
303 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/25(水) 21:59:44.54 ID:U4usKVKX0
3. 銘文の考察(10分)


山下「......取り敢えず、ここにあるものは大方調べ終わったみたいだな」

京太郎「ああ。それじゃあ、例の銘文についてでも考えてみるか」

和「表面はこんな内容だったな」


『ここ――速須佐――――――――の佩かせ――――字剣――――伏給――――――――』


山下「おっと、説明するのを忘れてた」

山下「当たり前だけど実際の文字は全部漢字だ。それっぽい具合に書き下してみたが......」

山下「実際にはこういう内容だった」

『―――――――爾速須佐――――御佩―十拳―――切散――――――――――――』

優希「うむ、さっぱりわかんないじぇ」キリッ

京太郎「威張ることじゃねーだろ」ペシッ

山下「でもこれ......どこかで見たことあるような、ないような.........」


(【知識(和)】+【知識(山下)】)× 4 = 48

↓1
304 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/25(水) 22:01:19.87 ID:U4usKVKX0
なんか和がめっちゃ男らしい口調になっちゃってるので訂正

和「表面はこんな内容だったな」

和「確か、表面はこういう内容でしたね」

コンマなら下
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 22:03:16.92 ID:R7dygcwi0
306 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/25(水) 22:22:01.75 ID:U4usKVKX0
92/48→失敗


山下「うーん......この辺りまで出かかってるんだけどなぁ」チョンチョン

そう言って自分の喉仏を指差す山下の顔は、まるで肉が噛み切れないかのようなもどかしさを如実に表していた。
ま、思い出せないものはしょうがないか。

久「それで、裏面がこうなってたわね」


『――――霎――――――――守給―――――――――――――――也』


山下「こっちは原文のままだ」

山下「読める部分が少なすぎて、書き下そうにも全くできなかった」

榎田爺「漢字がいくつかあるだけでも大まかな意味合いは拾えるだろう」

優希「!」キュピーン

優希「ひらめいた!」

優希「ずばり!このよくわかんない文字は――――」


1. ヤマタノオロチの伝説の舞台が小佐目である

2. スサノオノミコトは元々小佐目の守護神だった

3. オオクニヌシノミコトの存在を示唆している


↓2
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 22:25:14.92 ID:R7dygcwio
再判定は出来ないか
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 22:26:45.07 ID:kVDRm7eKo
3
309 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/25(水) 22:52:41.63 ID:U4usKVKX0
優希「――――きっと、他にも別の神様がいるって意味だ」

京太郎「......は?」

この瞬間、俺の耳に優希の言葉は異国語のように聞こえ、さっぱり理解することができなかった――――それほどまでに突飛すぎる内容だ。
一体ここまでの話のどこから別の神様が出てきたんだ......
しかし優希はこれまでにもその直感によって幾度となく俺たちを救ってきている。この閃きを無碍にすることはできない。

和「ええっと......どういうことですか?」

優希「どういうことって?」

和「『別の神様がいる』という結論の根拠です」

優希「ああ、なるへそ」

優希「それはだな......」

京太郎「それは.........?」ズイッ

優希「何となくだじぇ」

――――俺は漫画みたいにコケた。
310 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/25(水) 22:53:14.28 ID:U4usKVKX0
今日はここまでになります。

正直なところ、最後の選択肢は客観的な論拠がないため否定も肯定もできず
どの選択肢を選んでも同じような流れになりました。やっつけになってしまい申し訳ないです。

明日も19時から開始予定になります。
みなさま、今回もお疲れ様でした。
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/25(水) 22:55:58.46 ID:R7dygcwi0
乙です
知識判定成功しないと駄目ってこと?
312 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/25(水) 23:49:35.98 ID:U4usKVKX0
【知識】判定に成功しても大して変わりません。
ぶっちゃけると、そもそも......脚そ考ってやつです、はい。
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 00:03:22.83 ID:q9Tz4+cYo
真顔でなんてこと言うの京ちゃん
314 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/26(木) 18:55:31.95 ID:ExOopSmO0
15分後に開始します
315 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/26(木) 19:11:14.65 ID:ExOopSmO0
始めます

〜〜〜〜〜

 【4日目 16:30】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 316号室)

4. 自由安価


↓2
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 19:16:17.42 ID:Wvp+X7ee0
炭鉱迷宮第5階層に出る
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 19:16:49.10 ID:8AeQqQOBo
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 19:27:04.68 ID:p+onhfxio
他にこの村でオフラシ様関連の施設やらないか質問
319 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/26(木) 19:45:22.91 ID:ExOopSmO0
4. 質問する


椿屋「オフラシサマに......ここ以外なら、せいぜい神楽神社くらいか」

榎田爺「しかしあれもあくまで表向きの存在。重要なものは置いてないだろう」


 【4日目 16:30】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺
ステ :>>5-7
周囲 :炭鉱迷宮(天岩戸:閉)、地下通路
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・京太郎、和、優希、久、山下、椿屋、榎田爺(小佐目山 祭壇)
・まこ、北村、向坂、社会人、旅館夫婦、榎田、柊(旅館・別館 316号室)

4. 自由安価


↓2
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 19:47:35.97 ID:Wvp+X7ee0
炭鉱迷宮第5階層に出る
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 20:12:43.02 ID:EJpTUOGM0
1 旅館に戻って皆と合流
322 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/26(木) 20:40:34.39 ID:ExOopSmO0
1. 旅館へ


京太郎「よっこい......しょ、と」

ギィィィ......

京太郎「ん?」

北村「やぁ、おかえりなさい」

重厚な鉄板を押し上げようと梯子に脚を掛けると、不意にハッチが独りでに動いた。
上を見ると、メガネを掛けた長細い顔がこちらを見下ろしている。

京太郎「こんな所で何やってんだ?」

北村「染谷さんが『心配だから誰か見張っとけ!』って言うんでね。念の為さ」


ガチャッ

優希「ただいまー」

まこ「おう、やっと戻ってきたか」

向坂「おつかれちゃん、なんか見つかった?」

山下「いや、収穫ゼロってわけじゃないが......乏しいな」


 【4日目 16:50】 旅館・別館 3階 316号室

どうする?

持ち物:>>150
同行者:清澄、大学生、社会人、旅館夫婦、椿屋、榎田親子、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・なし

4. 自由安価


↓2
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 20:45:51.35 ID:Wvp+X7ee0
いけにえはどういう基準で
選ばれるのか椿屋に聞く
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 21:03:18.24 ID:bhKGvmzbo
須賀京太郎とスサノオの関係考察
325 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/26(木) 21:41:11.23 ID:ExOopSmO0
2. 京太郎の考察


榎田「へえ、あの剣にそんな内容がねぇ」

山下が銘文を記したメモ帳を懐にしまう。
結局のところこれが何について書かれていたのか、あるいは何を意味しているのかというのはイマイチ解っていない。
優希の説があることにはあるが......ま、それはそれとして。
確実なのは、やはりこれもスサノオについて刻んだものであるということだった。

京太郎「......一つ気になってた事があるんだけど、いいかな」

京太郎「俺についてのことなんだけど......」

和「須賀君についてのこと?」


1. 名前について

2. オカルトについて

3. 麻雀について

↓2
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 21:43:45.49 ID:EJpTUOGM0
1
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 21:47:18.53 ID:WOnj/uZFo
1
328 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/26(木) 22:17:40.17 ID:ExOopSmO0
1. 名前について
(3/3)


【7年前】 須賀家 居間


父「まず『須賀』っていうのはだな、『清々しい』という意味から取られてるんだとさ」

京太郎「えー、そのまんまじゃねーか」

父「そう言うなよ。山田だって山の田んぼだから山田だろ?」

父「他にも砂地という意味の『スカ』が変わったとか、色々説はあるらしいが......」

父「後はアレだな。『須賀神社』っていう神社が沢山ある」

京太郎「すがじんじゃ?」

父「ああ。『須佐之男命』......漢字は確かこうだったかな」サラサラ

父「京太郎には難しいかもしれんが、これで『スサノオノミコト』って読むんだ」

父「これがすっごく偉い神様でな。それを祀ってるって話だ」

京太郎「すげー!かっこいいじゃん!」

父「そうだろ?」ハッハッハ


 【4日目 16:50】 旅館・別館 3階 316号室


女神様に会う前に観た記憶を頼りに、今より少しばかり若々しい父さんの語りを思い出す。
『スサノオノミコト』......確かに父さんはそう言ってた。

京太郎「俺の名前――――というよりは須賀っていう名字か」

京太郎「これはどうやらスサノオに関係しているらしい」

京太郎「オフラシサマとも何か繋がりがあるんじゃないか」

まこ「言いたいことは理解できる。じゃが、ありふれた名字とまでは言わんとしても須賀なんて沢山おるじゃろう?」

久「そうねぇ......具体的に、どういう繋がりがあるのか分かればいいけど」

京太郎「えーっと、それは......」


考えるの辛くなってきたので自由安価で......

↓2
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 22:21:20.68 ID:EJpTUOGM0
一番辛いパターンじゃん
330 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/26(木) 22:27:03.07 ID:ExOopSmO0
>>1としましては考察の内容がもっと具体的な指定だと大変書きやすいです。
たぶん現在の倍くらいの速さで書けます。

実際には関連している情報がいくつも存在するので、あまり範囲が広すぎると
色々なものに引っかかって、どれに話を伸ばせばいいのやら迷ってしまうのです......

安価なら下
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 22:39:25.96 ID:afddWuwbo
具体的にと言われても、現状手詰まりで可能性しらみつぶししてる状態だしなぁ

繋がりなんて血縁ぐらいしか思いつかん。スサノオの末裔
332 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/26(木) 22:56:48.14 ID:ExOopSmO0
京太郎「......スサノオの末裔、とか?」
333 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/26(木) 22:59:01.36 ID:ExOopSmO0
今日はここまでになります。


石橋を叩いて渡るタイプの方もいらっしゃるかと思って言い出すべきかせぬべきか迷ってましたが、
このままだと延々に堂々巡りっぽいのでぶっちゃけます。

本編の進行上「これ以上の有益な情報・アイテム」はないです。
ゲームで言えば、世界の端まで到達しちゃってあとはラスボスに挑むだけです。
細かく言うと椿屋の家族(桜、椿屋妻)などまだ出てないキャラもいますが、会っても特に何もないです。
京太郎とスサノオの関係も設定自体はありますが、それを裏付ける証拠も用意されていません。

言うと興醒めだけど打ち明けずにダラダラ続いても興醒めなので、それならダラダラ続かないほうがマシですので申し上げました。
ここまで引き摺ってしまったこと、本当に申し訳ないです。


明日は所用により開始遅くなります。
おそらく20時くらいになるかと思いますが、改めてお知らせします。
みなさま、今回もお疲れ様でした。ごめんなさい。
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 23:15:41.04 ID:EJpTUOGM0
乙です
うーん、それだと本当に行き当たりばったりになるのか
櫛は櫛で使う奴は死ぬみたいな言い伝えだし櫛使った後も儀式続いてるからもっと決定的な手がかりとか解決手段探す必要があるのかと思ったよ
意味深に繰り返される京太郎父の回想とかオフラシ様=スサノオにしてはよく分からん呪いやら京太郎に発現したオカルトとか研究日誌Aから何か発展するのかと
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 02:13:04.01 ID:ek2TjUVA0
そーなのかー
なかなか難しいねんな
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 15:29:45.37 ID:f/aG45c4o

どうせなら楸野仲間にする交渉連打すべきだったかね。呪い解く方法見つけたら交渉確率上がると勘違いしてた
337 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/27(金) 18:59:02.59 ID:ApDwIyw20
意味のない描写とまでは言いませんが、そういった攻略とは関係ない部分は少なからずあります。
紛らわしいことをしてしまい、本当に申し訳ない限りです。

30分後に始めます
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/27(金) 19:02:08.95 ID:Pms/KRwt0
ワンワン
339 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/27(金) 19:19:26.54 ID:ApDwIyw20
>>322から再開かな......
340 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/27(金) 19:29:38.92 ID:ApDwIyw20
ということで開始です。


 【4日目 16:50】 旅館・別館 3階 316号室

どうする?

持ち物:>>150
同行者:清澄、大学生、社会人、旅館夫婦、椿屋、榎田親子、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・なし

4. 自由安価


↓2
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 19:37:35.10 ID:Wh35CkAv0
1 石戸を開けに炭坑跡へ戻ります
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 19:56:27.50 ID:x+kge7QAo
多分関係ないけどステータス戻るまで挑みたくないし、ラスボス戦に向けて全員で早めの食事
343 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/27(金) 20:59:08.05 ID:ApDwIyw20
3. 食事


京太郎「!」

優希「む?喉にでも詰まったか」

まこ「ほれ、お茶いるか?」スッ

京太郎「あーいや、そういうわけじゃないんですけど......」

まるで蒸発するかのように、今まで俺を取り巻いていた何か――風邪をひいたときのようなもやもやとした気怠さ――が、にわかに全身から抜け落ちたのを感じた。
確かめるように手を握ったり開いたりするが、何が変わったのかはイマイチ解らない。
でも、やっと本調子だ。


 【4日目 17:10】 旅館・本館 1階 食堂


少し待っていてくれという主人と女将の指示の通りにしていると、間もなく十六膳の食事が長机に並んだ。
そう豪勢なものじゃない。むしろ簡単な料理ばかりだけど、それでも湯気の立つ味噌汁があるだけでも有り難い。
この食事で精を付けて、きっちり兜の緒を締めて最後の戦いに挑もう。

久「やっぱり日本人は白いご飯よねぇ」

北村「全くもって同意せざるを得ないね。女将さん、おかわりありますか?」

女将「はいはい。今持ってくるわね」ガタッ

堂島「呑気だなぁ、これから大一番だっていうのに」

榎田「最後の晩餐にならなきゃいいけどね」

「.........」シーン

優希「晩餐じゃなくて昼飯だじぇ」

山下「そういう問題じゃねーよ!」

――――どうにも締まらないが、とりあえず腹は膨れた。


 【4日目 17:30】 旅館・本館 1階 食堂

どうする?

持ち物:>>150
同行者:清澄、大学生、社会人、旅館夫婦、椿屋、榎田親子、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・京太郎→【行動】-2(【4日目 17:10】まで)
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・なし

4. 自由安価


↓2
344 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/27(金) 21:01:06.66 ID:ApDwIyw20
訂正:京太郎のデバフは消滅しました

安価下
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 21:06:23.71 ID:0ZhjZWZIo
全員で祭壇へ。オフラシ様と対決
346 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/27(金) 21:19:32.68 ID:ApDwIyw20
長くなるため、早いですが今日はここで一旦切ります。

この流れで土日中に完走したいと思っているので、明日は17時頃開始の予定で進行します。
幾らかゴタゴタもありますが、残り数回お付き合いの程よろしくお願いします。

みなさま、今回もお疲れ様でした。
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 21:38:13.38 ID:x+kge7QA0
乙です
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 05:54:07.25 ID:083/fQsx0
wktk
349 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 16:48:04.49 ID:lmlmufk60
30分後に始めます
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 16:51:08.36 ID:UCexH63O0
わっふるわっふる
351 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 17:20:39.43 ID:lmlmufk60
開始です
352 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 17:21:29.10 ID:lmlmufk60
 【4日目 17:40】 地下通路


――――この空洞には常に水音が響いている。
この雨だからか、あるいは近くを地下水が流れているのか......何処からか漏れ出してきた小さな粒たちが、あちらこちらに水溜りを作っていた。

北村「雨が止んでから県道の開通までどのくらいかかるだろうね」

山下「おいおい、もう終わった後の心配か?」

北村「そりゃもちろん、今のうちから勝ったつもりになってるわけじゃないよ」

北村「それでも、僕らは何だかんだここまでやってきたじゃないか」

北村「今回だってきっと上手くいくさ」

堂島「私はこの後のことを考えると憂鬱だよ」

堂島「会社になんて説明すればいいのやら......はぁ」
353 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 17:23:50.56 ID:lmlmufk60
 【4日目 17:50】 小佐目山 祭壇


榎田爺「うむ、この辺りでいいだろう」

四つの大皿を結んだ交点、祭壇の中央に椿屋が老体を下ろす。
榎田が出てきて父親の痩せこけた脚が冷たい岩の地面へ座るのを手伝った。

榎田「親父、大丈夫か?」

榎田爺「座布団くらいは持ってくればよかったか......いやはや」

榎田爺「ふむ......オフラシサマを降ろすにあたって、一応その仔細を伝えておかねばならんな」

榎田爺「まずは――――」

老人による具体的な手順の説明はしばらく続いたが、要約すれば以下のようになるだろう。
最初に彼が木像に向き合って長々とした文言を述べる。
条件に、つまり壬申の儀が執り行われる頃であるという時期さえ適していれば、『雨雲』が――地下深くの洞窟であるにも拘わらず――もくもくと現れ、像の周囲を取り囲む。
そしてまもなくそれらは次々に晴れていき、遂にオフラシサマは木像を依代として顕現するという。

優希「......ケンゲンってなんだじぇ?」

和「人や物がはっきりと姿を表すことです」

榎田「僕らは特に、幽霊や神様といった超常的なモノがに何らかの形をもってこの世へ現れることを指して使ってるよ」

榎田爺「私の父親の話では、60年前にはこの像の目が開いたとか、右手の剣を振り下ろしたとか......」

榎田爺「ともかく私も初めての事だ。何が起こるのかは保証しかねる」

榎田爺「さて、どうする?」


1. 始めよう

2. ちょっと待ってくれ

↓2
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 17:24:23.25 ID:Lo4kMqLQo
開始一レスで死亡フラグやめて
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 17:26:22.42 ID:u3pvzA8F0
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 17:29:18.74 ID:Zeb9G17po
像が持ってる剣ぐらいは外したい
357 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 17:34:08.10 ID:lmlmufk60
2. ちょっと待ってくれ


京太郎「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

京太郎「緊張したら心配になってきた......」

柊「なんだー?女々しい男は嫌われるぜ?」ニヤニヤ

京太郎「うっせえ!」

主人「まあまあ落ち着いて......大事な選択ですからね」

榎田爺「そうだな、やり残したことがあるのなら行けばよい」

榎田爺「準備が全て整ったらまた言いなさい」

久「それじゃ、私たちはこの辺りで暇でも潰してましょうか?」

優希「潰す道具はなーんもないけど」


 【4日目 17:50】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:清澄、大学生、社会人、旅館夫婦、椿屋、榎田親子、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・なし

4. 終わらせる

5. 自由安価


↓2
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 17:34:18.77 ID:eFX6BmKro
今さら物理的な対策がいるとは思えんな
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 17:35:44.38 ID:cU/gGq/eo
4
一応京太郎以外は離れてた方がいいと思うけどね
360 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 17:44:17.43 ID:lmlmufk60
どのくらい離れさせますか?

1. 洞窟内
状況に応じて援護可能ですが、危害が及ぶ可能性があります。

2. 洞窟外
地下通路、あるいは『天岩戸』外側。
援護はできませんが、洞窟内とは隔てられています。

↓2
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 17:46:06.49 ID:SP6nhRMXo
1で
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 17:46:39.66 ID:NBNX3Ez9o
1
363 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 18:04:10.46 ID:lmlmufk60
1. 洞窟内で離れさせる


京太郎「俺が目の前でオフラシサマを迎える。みんなは少し下がっていてくれ」

和「下がって、って......須賀君!それは危険すぎ――――」

京太郎「――――和、俺は大丈夫だ」

和「須賀君!」

優希「のどちゃん、忘れたのか?こいつは自分が死ぬ未来が見えるんだ」

優希「相手がそんなヤバいんなら実質予知し放題だじょ?」

優希「京太郎の一人や二人、そのへんほっぽいても大丈夫だろ」ヘラヘラ

和「でも......!」

和「......わかりました。無理はしないでくださいね」

京太郎「和も、もしもの時は援護頼んだぜ」

実際のところ、少なからぬ無理は通さなければならない状況なんだけど......とは言えなかった。
上手く言いくるめてくれた優希に感謝しないとな。

だが当の優希が話しかけてきたのは、そうして全員が持ち場に着こうというときだった。とてもか細い声だ。

優希「......京太郎」

京太郎「なんだ?」

優希「どうか、無事で」

京太郎「おいおい、無事じゃない時はお前に助けてもらえるんじゃなかったのか?」

優希「......そうだったじぇ」ニコッ
364 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 18:06:25.78 ID:lmlmufk60
京太郎「待たせて悪かったな......始めようか」

榎田爺「相分かった。それでは――――」


皺だらけの口が呪文を紡ぎ出し始める。流れてくるその音に耳を傾けるが、とても意味のある言葉のようには思えない。
例えるとすればそう、まさに念仏というのが音としてもイメージとしても近いだろう。
榎田は「きっと古い言葉が混ざり合ってそのまま残ってるんだろうね。古代の日本語とか、あるいは漢語や梵語とか」と説明してくれた。

数分もしないうちに本物の雲が周囲を漂うようになり、やがて木で作られた男の周りに集まっていった。

久「いよいよね......」

まこ「ああ」ゴクリッ

結局のところはオフラシサマを鎮めるにはこの『櫛』を髪に挿すほか手段はない。他方、その櫛はたった一本しかないのだ。
『蘇生』が使える2人は後衛に回すとして、14人――――榎田の爺さんを除けば13人が囮になる。そして残った一人が神様の背後を取ってトドメを刺す。
俺たちの作戦は、そういう至ってシンプルな算段だ。
さて、問題の一人はというと......


・誰が櫛を挿す?
>>5-7より一人指名(榎田爺除く)


一応安価取ります
↓2
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 18:09:59.72 ID:NBNX3Ez9o
京太郎しかいないでしょ
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 18:10:16.54 ID:CIG0qXnzo
367 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 18:41:04.58 ID:lmlmufk60
・須賀京太郎


京太郎「......咲、行くぞ」ギュッ

右手に櫛を、可憐に咲く一輪の花が精巧に彫られたその櫛を握りしめる。


榎田爺「――――――――――――!」チラッ

依然舌を回したままの老人の顔が、僅かにこちらを向いた。そろそろ『降りてくる』という合図だ。
最初は白く、可笑しく言えばわたあめのような見た目をしていた薄い雲が、みるみるうちにその色を煤けさせていく。

そして今にも大雨を降らせそうな雨雲に姿を変えた頃、不意に背中を寒気が襲い――――
368 : ◆copBIXhjP6 [!蒼_res saga]:2020/11/28(土) 18:42:02.70 ID:lmlmufk60


――――その瞬間、一辻の風が走った。

369 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 18:43:00.61 ID:lmlmufk60
京太郎「!!」

間一髪、瞬時に姿勢を沈めた俺の後頭部を冷たいモノが掠めた。だが一瞬のうちに風を切っていった気配は、無機物のそれではない。まるで......
......そうだ、みんなはどうなってる?


京太郎「みんな!大丈夫.........」
370 : ◆copBIXhjP6 [!red_res saga]:2020/11/28(土) 18:44:40.16 ID:lmlmufk60
その先には、立っているものは一人として存在しなかった。

あるものはうつ伏せになって倒れ込み、あるものは仰向けになって倒れ込む。

そのどちらも、緋色の血潮を湯水のように流す。

あるものは脚を失い、あるものは腕を失う。

そのどちらも、言葉にならない呻きと共に地を這う。

あるものは助けを求め、あるものは何も発さない。

そのどちらも、じきにその灯火の消えることだろう。

あるものは胸を失い、あるものは頭を失う。

そのどちらも、とうにその灯火の消えていることだろう。

あるものは泣き叫び、あるものは............
371 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 18:45:44.22 ID:lmlmufk60
俺には何もできなかった。脚はあるが歩くことはできず、口はあるが声を出すことはできず、胃はあるが吐くこともできなかった。
だが何故だろう。後ろへ首を戻し、目を背けることだけはできた。

老人はそれを見て唖然とし、あるいは震えている。どうでもいい。
俺の脚は俺の身体を支えるのを止め、地面に座り込んだ。どうでもいい。
俺の眼はただ一点を見つめ、雲の晴れたあとを観察している。どうでもいい。

俺の身体は微動だにせず、剣が再び振り下ろされるのを――――


BADEND:「怒り」
372 :>>364から ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 18:47:58.31 ID:lmlmufk60
榎田爺「相分かった。それでは......」

京太郎「――――――――待てッ!」

気がついた時には、俺はここに立っていた。


 【4日目 17:50】 小佐目山 祭壇

どうする?

持ち物:>>150
同行者:清澄、大学生、社会人、旅館夫婦、椿屋、榎田親子、柊
ステ :>>5-7
周囲 :
人  :
武器 :>>9
デバフ:
・優希→【行動】【体力】-1(打撲、【5日目 03:20】まで)

1. 移動する
・炭鉱迷宮第5階層に出る
(【体力(椿屋)】+【体力(山下)】× 0.5)× 8 + 20 = 116:自動成功(天岩戸開閉)
・地下通路を通る(20分)
・場所指定(地図参照)

2. さぐる
・内容指定(成功再判定)
・辺りを見渡す
(【探索(優希)】+【探索(京太郎)】× 0.5)× 8 = 84
・話をする(10分)

3. その他
・装備を変更する
・グループ分けを変更する
<現在のグループ>
・なし

4. 終わらせる

5. 自由安価


↓2
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 18:50:45.87 ID:vNllzuVpo
まさかコンマ判定もなくバッドエンド直行とは…蘇生のオカルトも使えず、状況に応じて援護可能とはいったいなんだったのか…
374 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/28(土) 18:53:16.32 ID:lmlmufk60
仕様です。
安価なら下
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 18:54:04.74 ID:CIG0qXnzo
4
京太郎一人残って榎田爺以外天岩戸の外に待機
376 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 20:00:40.01 ID:lmlmufk60
4. 終わらせる


榎田爺「む、どうした?」

久「須賀君......?」

突如叫びをあげた俺に対して奇怪の目が向けられる。
「始めよう」と言ったかと思えば今度は「待て」と大声で止める......彼らには、そう見えていることだろう。

京太郎「違う、ここにいちゃダメなんだ!」

京太郎「クソッ!なんなんだよ、あれ......!」

山下「待ってほしいのはこっちのほうだぜ、須賀。ちょっと落ち着けよ」

山下「一体何があったんだ?」

目の前の彼らは確かに生きている。怪我もないし、しっかり足を地につけて立っている。なにより五体満足だ。
――――あれはただの夢。その事実を自分に言い聞かせることで徐々にではあるが、少しずつ冷静さを取り戻しつつあった。

京太郎「はぁ、はぁ...はぁ......はぁ.........」

京太郎「......あぁ、取り乱して悪かった。実は.........」


数分後には、面々が並べる顔からは血の気が瞬く間に引いていった。

向坂「どーいうことかは理解した。したけどよ......」

女将「なら、どうしろっていうのかしら」

京太郎「......何もしなくていい」

京太郎「俺が決着をつける」

優希「京太郎!」ガタッ

優希「さっきはああ言ったけどな!私たちを締め出さそうってなら話は別だじぇ!」

優希「そもそも―― 「優希」 ――」

京太郎「......もし優希がいたとして、それならどうなるってんだ」

俺は死なない――――その未来は全て可能性の塵となる。
先程の『未来』を思い起こすが、勝つためにはあと何人の『俺』が必要なのか皆目見当がつかない。一人、十人、五十人............それ以上だろうか。
しかしそれらの記憶を経て、勝利する『俺』は必ず現れる。

これは俺だけに限った話だ。俺以外の......記憶を持ち越せない人間が、あの攻撃を最後まで凌ぎ続けることは不可能だろう。
神様が鎮められた瞬間、そこには彼らの死体が存在してはならない。
377 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 20:01:30.16 ID:lmlmufk60
<最終決戦について>

最終決戦は5回のコンマ判定で、回を経る毎に判定値は厳しくなっていきます。
その成功回数によってエンディングが変化します。

・0回
最悪の結末
・1回
ビターエンド
・2回以上
ハッピーエンド

ただし、条件を満たしているため最初の一回は自動成功となります。


夕飯行ってきます。21時からコンマ開始します。
378 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 21:09:03.54 ID:lmlmufk60
再開します
379 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 21:10:25.54 ID:lmlmufk60
 【4日目 18:00】 小佐目山 祭壇 天岩戸


椿屋「......閉めるぞ」

山下「せーの......ッ!」ゴゴゴッ

大岩によって坑道への道が閉ざされるその瞬間まで優希は俯いたままだった。やれやれ、帰ったらフォローしてやらないとな。
こうしてこちら側に残されたのは、いよいよ俺と爺さんの二人だけになった。
......彼だけはどうしても残らざるを得なかった。オフラシサマを降臨させるにはこの男が必要だ。


京太郎「貧乏クジ引かせちまって、その......本当に済まないと思ってる」

榎田爺「私は本望だから気にするな。どうせ、老い先短い人生よ」

京太郎「......その余生、無駄にすんなよ」


 【4日目 18:00】 小佐目山 祭壇


正直な話、この身体は足先から頭頂部に至るまですべて震えていた。俺は、これが武者震いなのだと思うことにした。
皺だらけの口が呪文を紡ぎ出し始める。流れてくるその音に耳を傾けるが、とても意味のある言葉のようには思えない。
きっと古い言葉が混ざり合ってそのまま残ってるんだろう。古代の日本語とか、あるいは漢語や梵語とか.........

京太郎(ま、あっちの榎田の受け売りだけどな)

やはり本物の雲が周囲を漂うようになり、次第に木偶が黒い霧の壁に閉じ込められる。
懐から櫛を......『咲』を取り出して右手に握った。その時まで、絶対に離しはしない。

京太郎「爺さん、あんたは一人じゃ逃げられないだろうから二つだけ言っておく」

京太郎「できる限り姿勢は低くしてろ。それから――――」


京太郎「祈っててくれ」


(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】)× 9 = 99
条件:第一撃を一度経験する→自動成功!
380 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 21:13:35.95 ID:lmlmufk60
京太郎「へっ、初見殺しはもう通用しないぜ」


厚い暗雲の幕を破り、男が姿を現す。
しかしその身体は檜、杉や松、地球上に存在するどんな木材とも似つかない、紛れもない人間の皮膚で覆われているように見えた。
伸ばし放題の髭や毛髪、身体を包む端々が縒れた白布が体現する彼の粗野さを一言で言い表すなら......

京太郎「......『荒ぶる神』」

右手に握られていたのは、数時間前まで山下が穴が開くほど眺めていた鈍らではない。
頑強に打ち鍛えられた刀身がギラリと松明の光を反射して――――


オフラシサマ「――――――――――――!!!!!」


――――大きな空洞に、咆哮が轟いた。



(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】)× 7 = 77

↓3
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 21:14:06.85 ID:GeRGDFlLo
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 21:14:28.48 ID:bnPM6mgpo
77より上なのか下なのか?
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 21:14:43.26 ID:K0Dfucl5o
ほい
384 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/28(土) 21:18:55.47 ID:lmlmufk60
本スレの判定は全て下方ロールです
385 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 21:36:51.16 ID:lmlmufk60
26/77→成功!


京太郎(読める......)

目前の豪腕が一挙に振り下ろされ、握られた武具が俺の退いた後の何もない空間を通過する。だがそのさらに先にも同じように虚空が続いているわけではない。
そのままの勢いで強く叩きつけられた地面は容易く砕け散り、小石がおよそ俺の背の高さほどにも舞い上がる。
そのうち弾丸のように撃ち出されたいくつかが、俺の顔の真横を飛んでいった。

京太郎「うおっ......!」

京太郎(あんなんで叩き斬られれたらまず怪我じゃ済まないな)

京太郎(でも、兎に角爺さんから一旦距離を取らないと......)タッタッタ

動作後の隙を突いて間合いを取ろうとする。
しかしその俺を逃すまいと、その直後に巨体が地面を蹴った。


(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】)× 5 = 55

↓3
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 21:38:46.88 ID:uwGgsVEQ0
どりゃ
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 21:43:14.71 ID:/VXAAVMs0
加速
388 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/28(土) 21:49:06.77 ID:lmlmufk60
ひょっとしてエンド確定しちゃったから興が削げちゃった感じでしょうか?
成功数でハッピーエンドでも内容違うのでぜひご参加を......!

コンマなら下
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 22:16:32.58 ID:uwGgsVEQ0
どうだ
390 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/28(土) 22:50:36.29 ID:lmlmufk60
58/55→失敗


オフラシサマ「――――――――!!!」

京太郎「速い......ッ!」

彼は走り出したというより跳んでいた。
丸太ほどにも太い脚がこの地球を押し潰さんとするかの如く加速度を与え、その動きは俺の予想より遥かに俊敏だ。
毛むくじゃらの右手が空気を薙ぎ払うかのように水平に剣を振る。そして......

俺の胴体は木の枝のように、いとも簡単に真っ二つにされた。



京太郎「......!」

意識が一瞬だけ......ほんの一瞬だけホワイトアウトすると、丁度小石の銃弾が俺のすぐ脇を通り過ぎていった後だった。
上半身と下半身は迷子になっていないし、腸もあるべき場所へ収まっている。

京太郎「おいおい、あんなのどうやって避ければ......!」

京太郎「......試してみるか」

先程と同じようにオフラシサマから離れようと走るが、今度は全く別の意図を持っていた。
彼が横に跳ね、地面の砕ける音が聞こえると同時に――――

京太郎(――――俺も飛ぶ)

恐怖はない。まるでここが高校の体育館で、目の前にマットが敷いてあるかのように地面へと飛び込む。
俺の腰が数瞬前まであった空間を切り刻んだオフラシサマは、俺の前方に着地して動きを止めた。後頭部がガラ空きだ。

京太郎(もらったッ!)

実に一年ぶりか、俺は自分の身体をまるであの頃のように自在に操ることができている。
素早く体勢を立て直し、オフラシサマの背中へ飛び込もうとした。


(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】)× 3 = 33

↓2
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 23:14:26.74 ID:/kDpfQXIo
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 23:20:53.62 ID:Sros4VU+o
そろそろハッピーエンド投下されたかと思って見たらまだコンマ判定が続いていたでござる
393 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/28(土) 23:33:21.85 ID:lmlmufk60
このままだと最後のコンマが出るの朝くらいになりそうだけど気にせず強行だ!
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 23:40:25.35 ID:vNllzuVpo
エンドが決まる最終決戦がコンマ神による運ゲーで、一番良いエンド見れる可能性が一番高い選択がオカルト7のキャラに櫛装備させる事だったっていうのが悲しい
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 23:47:01.36 ID:dbT5xfuao
>>394
いや、女キャラで櫛に出来るキャラ全員櫛にして榎田ジュニアに全部持たせて戦ってもらえば運要素なくせたんじゃないか?クシナダヒメ召喚判定に運が絡むけど
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 00:08:33.43 ID:6dYk4ELio
出来る出来ないは置いといて発想が主人公じゃなくてオフラシ様側だなもはや
397 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/29(日) 00:57:18.23 ID:Lz367GE60
62/33→失敗


その時、オフラシサマの肩が微かに動いた。

京太郎(マズい、斬られる!)サッ

京太郎「.........えっ?」

俺はてっきり彼はこちらの動きを分かっていて、後方を薙ぎ払ってくるだろうと考えていた。だからこそ足を止め、一旦下がったのだ。
にも拘わらずこの体躯は俺の方へ注目するどころか――――次の瞬間には、視界から消えた。

京太郎(消えた?.........いや、違う!)

京太郎(なあ、嘘だろ――――)


この時俺はたぶん天井を見上げたのだろうと思う。『と思う』というのは、果たして自分が本当にそうしたのか不確かだからだ。
なにせそれと同時に俺の頭蓋骨は粉々にされちまったからな。

だが今度はその眼に確かに焼き付けた。
上空から迫り、俺にその剣を突き立てるオフラシサマの姿を。

京太郎(って、避けられな――――)


右に避ければ薙ぎ払われる。
後ろに避ければやはり薙ぎ払われる。
前へ逃げれば剣先は届かないが、その巨躯によって押し潰される。
では動かなければ?脳天から串刺しだ。
もっと速く。追いつかない。
姿勢を低く。何の効果もない。
鉄パイプで応戦。この威力の前では一枚の紙にも等しい。
なら今度は.........
.........
.........
......
......
...
...
..
..


京太郎「.........来たッ!」

オフラシサマ「――――――――――――!!」


こんなことに慣れる人なんて誰もいないだろうと自分を嘲笑う。一回、十回、百回.........幾度となく試行し、幾度となく殺されてきた。
そして今、この瞬間が来たんだ。
彼の僅か右斜め後ろ、丁度剣先の触れないリーチの外――――そこに活路はあった。

その強烈な勢いのまま剣は硬い地面に深く突き刺さる。振り返れば、オフラシサマの後姿はたった二メートルの先に見えていた。

京太郎(剣を引き抜くまでの刹那、これに賭ける――――!)


(【オカルト(京太郎)】+【オカルト(咲)】)× 1 = 11

↓2
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 01:39:16.64 ID:7yCjYdvV0
踏み台
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 02:48:04.52 ID:6dYk4ELio
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 09:57:27.48 ID:viy/ZBHVo
このスレでコンマ判定したらこうなるのは目にみえてましたね
401 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/29(日) 10:21:47.77 ID:Lz367GE60
52/11→失敗


............
............
.........
.........
......
......
......
......
...
...
..
..
..
.
.
.


俺は未だ、最早何回目とも知れない試行をただひたすらに繰り返していた。
右脚が、次いで左脚が千切れんばかりに地面を蹴り、俺を乱雑に束ねられたオフラシサマの後ろ髪へ運ぼうとした。
だが彼の動きはあまりにも鋭利だ。須臾の間にも剣を引き抜き、背後を見ようともせずにそのまま振りかざす。
その経路は丁度俺の首の向かう辺りを辿ろうとしている。どうやろうとしても、これを避けることはできずにいた。


京太郎(..........また、ダメなのか)


そしてその僅か後には――――
402 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/29(日) 10:22:29.78 ID:Lz367GE60
――――あるはずの切っ先が、それを刈り取った。
403 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/29(日) 10:23:20.50 ID:Lz367GE60
オフラシサマ「――――――――!?」

京太郎「.........天羽々斬!」

オフラシサマ、そして命拾いした俺自身でさえその出来事に驚愕している。
本来なら今頃は何もかも叩き斬られ、俺は再び数瞬前の過去へ引き戻されるところだった.........もう、何度味わったかも分からない感覚だ。
だが現実は違う。俺の首を掻き切らんとしたのはその剣に、天羽々斬に存在しない先端だったのだ。


京太郎「届けぇぇぇッ!!!」


右手は、そこに握られている櫛はただ一点を目指した。
404 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/29(日) 10:25:36.01 ID:Lz367GE60
 【同時刻】 小佐目山 炭鉱迷宮 第5階層


優希「......音がしなくなった?」

つい数秒前まで、この大岩の向こうからは聞いたこともないような音が漏れ出ていた。
きっと見たこともないようなことが行われていたのだろう。
それがどういうことだろうか、今や私の鼓膜を揺らすのは私自身の心音とここに集まる十数人の呼吸音だけ......それも殆どが闇に吸い込まれる。
狭い坑道は、静寂に包まれていた。

和「まさか、ついに決着がついたんじゃ......」

山下「その可能性は高いな」

米本「なら早く行かないと!」

堂島「安直すぎる!須賀君が勝ったのならいいさ」

堂島「でも仮に負けたんだったら――――」

優希「――――バカ、それなら尚更行かないとダメだじぇ!」

京太郎が敗北したのだとしたら、一体祭壇は今どうなっているだろうか?爺さんは生きているのか、それとも死んでいるのか。
どちらにせよ身体の自由が効かない以上出来ることは少ない。私たちが何もしなければオフラシサマはついに野放しになってしまうだろう。
そうなれば私たちの命はおろか、村の存続さえも絶望的である。
しかしこれも自分を納得させるための建前でしかない。
実際のところ、私の本音は一刻も早く京太郎の安否を確かめたい――そして、仮に傷ついているのなら助けなければ――その一心だった。

数人の力によって『天岩戸』が再び動かされる。
開ききらないうちに、私の小さな身体はその隙間から駆け出していた。

優希「......!」ダッ

久「あっ、ちょっと!」

まこ「優希!待ちんさい!」

優希(ごめん、先輩!)

洞窟へ続く狭い通路を一目散に走る。
祭壇で一体何が起こっているのか。それがもし見たくない現実だとしたら......そう思うと、走りきってしまうのは少し怖かった。
それでも僅か十メートルにも満たない短い道のりだ。

やがて私の前に、一つの風景が広がる。
405 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/29(日) 10:28:06.67 ID:Lz367GE60
おはようございます。
これにて全安価終了になります。

今日の夜からエピローグを投下しますので、それまでに
疑問意見被告人質問等ありましたらお書きください。
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 12:05:59.71 ID:xjXeGUPio
こういう謎解き系の安価は初めてだったからそういうものなのかも知れないけど、質問の判定に成功したのに人質の居場所知らないって嘘ついてたり明らかにシステム的な選択肢の時に判定の余地もなく全滅badエンドとかはちょっと理不尽かなと思ったな
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 13:57:38.82 ID:AiX9zOkxo
こっちのルートって最終的には絶対この5回のオカルトステによるコンマ判定になるの?それだとあまりにも京太郎の初期ステが重要過ぎない?
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 17:36:59.30 ID:540+YaYNo
そもそもエンドが単純なコンマ値で変わるのがどうかと思う。特にハッピーエンドでも分岐するのとか完全なハッピーエンド迎えられる確率が低すぎるのとか。京太郎死なないから死に戻りも出来ないし。
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 18:09:26.92 ID:lMX8rRh2o
二回も死んでなおギリギリハッピーエンドという残念な結果だけどどこでルート間違ったんです?
410 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:00:11.72 ID:x3x1P+hQ0
いろいろ残るものはありますが、とりあえずエピローグ投下です。
411 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:01:28.43 ID:x3x1P+hQ0
 【12月中旬】 清澄病院 203号室


コンコン

「どうぞ」

がちゃりと音を立てて二人の女性が入ってくる。
一人は熊倉トシ、宮守女子麻雀部の監督。そしてもう一人は永水女子三年生の薄墨初美。
薄墨さんが来ると聞いた時は少々戦慄したが、現在の彼女は大分常識に則った衣服を纏っていた。
普通のトップスに普通のボトムス、普通のコート......うん、はだけた白い小袖も奇怪な仮面もここには見受けられない。

初美「お邪魔しますよー」

「お久しぶりです。熊倉さん、薄墨さん」

初美「そうですねー......前回は皆さんが帰ってきた直後だったから、三ヶ月ぶりですか」

トシ「遅れてすまないね。なにせ街の方でこの子の服を見繕ってたから」

「服、ですか?」

初美「そうなんです!冬だからっていくらなんでも寒すぎですよー!」

トシ「ここは日本有数の豪雪地帯だよ?あんな服装じゃそりゃ寒いだろうね」ケラケラ

初美「雪なんて霧島じゃ年に一回降るかどうかくらいなのに......」

(どんな格好で来るつもりだったんだろう)

それからは三人、他愛もない話で盛り上がっていた。秋の新人戦のことにコクマのこと、薄墨さんがすぐ近くで溝に嵌まり頭まで雪に埋もれてしまったこと。
宮守ではみんな受験ムードであるということ.........三年生は大変だな。そう思いながら薄墨さんを見ると、対岸の火事というふうに耳を傾けていた。
しばらくして、熊倉さんが壁に掛けられた時計をちらりと見た。

トシ「さて。そろそろいい時間だし、本題に入ろうかね」

トシ「小佐目のことと、それから――――」

トシ「――――そこで眠りこけてる須賀君のことも」


京太郎「............」


咲「そう......ですね」

トシ「まぁそっちは後回しにするとして、まずは薄墨の方からにしようか」

初美「はいはい、私の出番ですよー」
412 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:02:19.82 ID:x3x1P+hQ0
初美「あの後、警察の捜査とは別で全国各社合同の調査隊が派遣されました」

初美「うちからも神主さんと巫女さんを何人か......私と霞ちゃんも行ってきました」

初美「ほんちょーの人たち、人使いが荒いのですよー」

トシ「へぇ......でも提案したのは霧島からなんだろう?」

初美「おエライ方には色々あるらしいですけど、私にはさっぱりです」ヤレヤレ

初美「それで...........」


〜〜〜〜〜
413 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:02:55.44 ID:x3x1P+hQ0
 【10月下旬】 小佐目山 祭壇


初美「おー!これはなかなか壮観壮観」タッタッタ

霞「初美ちゃん、はしゃぐと恥ずかしいわよ?」クスクス

霞「それにしても、こういうのは小蒔ちゃんの方が得意だとは思うんだけど......」

初美「姫様をこんなヤバそうな所には連れてこられないし、仕方ないですよー」


霞「さて、どうかしら......」スッ

初美「大物は居そうですかー?」

霞「...............もう微かだけど、お一人だけ」

初美「やっぱり完全には祓いきれてないみたいですねー」


神職A「あの子たち、霧島の六女仙だっけか?」ヒソヒソ

神職B「らしい。霧島は何というか、色々と凄いな......」ヒソヒソ

巫女C「あそこまでの感受性とは......流石ですね」ヒソヒソ

神職B「それもそうなんだけどさ。何というか、ビジュアルがね」ヒソヒソ

巫女C「......確かにちょっと両極端すぎ――――」

霞「――――あら、何かご用かしら?」ニコッ

ABC「いえ、何も」
414 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:04:32.18 ID:x3x1P+hQ0
〜〜〜〜〜

初美「あの人たち、ちょっと失礼すぎますよね?!私だってまだまだこれからなんですよー......」グスン

咲「あの、薄墨さん......話がちょっと逸れすぎな気がするというか、なんというか」

初美「!......///」コホン

初美「そ、それで肝心の『オフラシサマ』についてですが」

初美「八坂の人曰く、スサノオノミコトに限りなく近いナニからしいです」

トシ「限りなく近いナニか?」

初美「『元から小佐目村の土地に土着の神様がいたところにスサノオ信仰が入ってきた。そして時代が下るごとにそれらは同格化されていき......』」

初美「『より荒々しさの強調された形で崇拝されていたのだろう』、と」

地下研究室から見つかった日誌......数ヶ月前に読んだその文章の内容を必死に思い出す。
確か、当時の楸野が化政年間に須我神社を訪れたときのことが記されていたはずだ。


 文政◯年◯月○日

  何月か手記が空いてしまったが、この間に榎田と連れ立って出雲は諏訪大明神へ参ってきた。
 壬申の儀以来、予てより行って確かめたいと思っていたので、これがようやく成就したのである。
 風土記にも書かれたる社殿の石段を昇り、巴の紋へ深く礼をして宿へ帰った後に榎田に問えば、曰く「オフラシサマとは違う」とのことだった。
 果たしてこの男の言うことが確かであるかということは置いておくとして、しからばこれは由々しき話ではないだろうか――――


初美「そのへんの史料も押収済みですよー」

初美「誘拐殺人の証拠なんかもあったから、警察とは一悶着あったらしいですけど」ボソッ

咲「あはは......」

トシ「日本の神道はどうなってるんだい、まったく......」
415 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:05:51.37 ID:x3x1P+hQ0
だがここで一つの疑問――――というより不安が残る。
霎伝によれば櫛を使って榎田が鎮めた後もオフラシサマは登場していたようだし、実際薄墨さんの話の中でも「祓いきれてない」という文言があった。
京ちゃんがやろうとしていたことは、まだ終わっていないのだ。

咲「あの......この後、小佐目村はどうなるんでしょうか?」

初美「......これから何とかしていくしかないですねー」

初美「取り敢えずのところは神楽神社を整備して、そこを拠点に色々と研究していくらしいです」

初美「次の壬申までに.........『六十ヶ年計画』って、ほんちょーの人は言ってました」

トシ「六十ヶ年か。スターリンもびっくりだね」

初美「まあ、私たちがおばあちゃんになるまでには解決策は見つかると思いますよー」

トシ「それは私に対する当て擦りかい?」

初美「そ、そういうつもりじゃないですよー!」アタフタ

トシ「はは、冗談だ」


〜〜〜〜〜


トシ「さて、次は私の番だね」

熊倉さんが持参のマイ湯呑み――何故かエイスリンさんのイラストがでかでかと書かれている――に入った煎茶を飲み干す。
そして京ちゃんの寝るベッドの方を一瞥した後、こう続けた。

トシ「彼の『オカルト』を聞いて即座に連想される人物が一人」

トシ「......私はまず、千里山に行ってきた」
416 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:07:32.88 ID:x3x1P+hQ0
 【10月上旬】 千里山女子高校


雅枝「お久しぶりです、熊倉監督」

トシ「いやいや、私はもう監督じゃない。あの子たちももう引退だし」

雅枝「寂しいですか?」

トシ「......そりゃあね」

雅枝「ま、ほんならそういう話も後で落ち着いたらしましょか」

雅枝「怜!熊倉先生が来たで」

怜「はーい......」ムクリ

怜「もう、ウチは受験生ですよ?勉強せなあかんのに」トコトコ

浩子(いや、ずっと清水谷先輩の膝で寝とったやん)


〜〜〜隣室〜〜〜


怜「つまり、『死ぬ未来を予知する』能力っちゅうわけですか」チュー

トシ「そう本人は言っていたそうだよ」

怜「ほーん。お、これ美味いわ」チュー

トシ「それはよかった――――それで参考までに園城寺さんの話を訊きたくてね」

怜「なるほど......」プハッ

怜「説明が難しいけど......私のは『見る』って感じで、その男子のとは同じじゃないで」

トシ「というと?」

怜「未来が――私は一巡先やけど――見えるのは確かなんやけどな」

怜「なんというか、他人事っぽいいうんですか.........未来がパッと浮かぶ。そんな感じなんですわ」

怜「その......えーっと、なんちゃら君は―― 「須賀君」 ――そうそう、須賀や」

怜「須賀君は光景だけじゃなくて、暑いとか寒いとかそういうのも全部感じとったんやろ?」

怜「私とはやっぱりちょっと違うなぁ」チュー
417 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:08:34.76 ID:x3x1P+hQ0
〜〜〜〜〜


トシ「その後も色々と訊いて回ったよ」

トシ「宮守の子たちは当然だけど、他にも――――」

熊倉さんの口からは次々と人名、あるいは組織の名前が吐かれていった。
そのうちの私にも聞き覚えがあったいくつかは全て全国各地に散らばっている。この人、三ヶ月でどれだけ動いていたのだろうか。

初美「そういえば、霧島にも来てたって聞いたのですよー」

トシ「ああ、その時は薄墨は居なかったね。神代さんには色々と世話になったよ」

トシ「ともかくだ。そういうことを延々と続けて、私はある一つの仮説に思い至った」

咲「仮説......ですか」

トシ「ああ。須賀君のオカルトは『死ぬ未来を見る』というものではなくて......」

トシ「『死んだ瞬間、時間を巻き戻す』ものじゃないか、ってね」

「時間を巻き戻す」......受動的に見るか、あるいは能動的に動かすか。
しかし本質的な部分は置いておくにしても、この間にある実際的な差異はあるのだろうか。

初美「確かに凄いですけど、それって何か違うんですかー?」

初美「結果としては予知してるのと変わらないように思えるんですけど」

トシ「ああ、勿論だよ」

トシ「未来が見えるだけだったとしても、その感覚まであったのなら当然表面上は同じだろうさ」

トシ「だが巻き戻されるまでの出来事は実際に起こったことだ。もっとも、須賀君以外には分からないけども」

トシ「もし須賀君が全てを『体験』していたとしたら――――」

咲「.........」

初美「.........」

トシ「――――魂の摩耗、とでも言えばいいのかね」

トシ「彼には休養が必要なんだろう」

トシ「それが何時までかは分からない。明日かもしれないし、十年後かもしれないけど......」

トシ「......私たちには、それを待つしかないよ」
418 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:09:48.52 ID:x3x1P+hQ0
しばらくして二人は再び病室の扉を開いた。松本の方で宿を取っており、明日は城を観光してからそれぞれの土地へ発つという。
去り際に渡してくれたメモには、「もし何かあればここに」という言葉が添えられた連絡先が走り書かれていた。

病院の面会時間も終了が迫り、帰り支度を始めようと腰を上げたときのことだ。
ふと私は京ちゃんに歩み寄って、その横顔を右手で撫で下ろした。

咲「ねえ、もうすぐ年末だよ?」

咲「先生が『そろそろ出席数がヤバい。三学期もいなければ須賀は留年だ』って言ってたし」

咲「このままじゃ京ちゃんが後輩になっちゃうよ!」

咲「新人戦も出れなかったし、ハロウィンもクリスマスもできなかったし......」

咲「いつもうちの雪を下ろしてくれるからお父さんも喜んでるのに、今年はしてくれないの?」

咲「......ねえ、起きてよ」


京太郎「............」


咲「......ふーんだ!京ちゃんがねぼすけなのは知ってますよーだ!」

咲「しょうがないから私が待ってあげるよ」

咲「だから今度からわざわざレディースランチのために呼ばないこと!部活ですぐ飛ばないようにもっと練習すること!」

咲「それから、それから.........それからね............」

咲「.........またね、京ちゃん」
419 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:10:43.81 ID:x3x1P+hQ0
 【元日】 清澄近くの神社


ガヤガヤ

久「うわっ、夜遅いのにすごい数ね」

まこ「正月じゃしこんなもんじゃろう?」ガジガジ

優希「ぶちょー。私も一本ほしいじぇ」

まこ「『ください』、な」

和「この近辺でも一番大きな神社ですしね。人は多いですけど、その分楽しめそうです」

優希「でも、また京太郎は来れなかったな......」モグモグ

「「「.........」」」

咲「......来年は」

咲「来年は、きっと来れるよ」
420 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:11:27.55 ID:x3x1P+hQ0
 【2月上旬】 roof-top


カランカラン

和「ふ、ふくはーうち//」パラッ

優希「おにはーそとだじぇ!」パラッ

おっさん「いてっ!」

まこ「馬鹿もん、お客さんになに投げつけとんのじゃ」ゴツン

久「しかもそれじゃあお客さんが鬼になっちゃうじゃない......はぁ、いらっしゃいませー」

優希「竹井先輩、なんか元気ないじぇ?」

久「教室がみんなピリピリしてるからこっちまで伝染してくるのよ。それで疲れちゃって」

和「早々に進路が決まっただけよかったですね......そういえば部長、咲さんはどうしたんですか?」

まこ「ああ、咲は今日もアレじゃ」

和「なるほど」

久「須賀君も果報者ね。咲が通い妻みたいじゃない」

まこ「久、あんまりそういうことを......」

久「......分かってるわよ」

優希(咲ちゃん.........)
421 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:12:23.50 ID:x3x1P+hQ0
 【数ヶ月:4日目 18:10】 小佐目山 祭壇


やがて私の前に、一つの風景が広がる。

優希「......なんだじぇ、これ」

元々この洞窟は不自然なほどに無機質な――――生というものを感じない場所だ。
それにもかかわらず、現在この空間には「荒廃」という言葉がよく当てはまった。
そこらじゅうの地面と壁のところどころは岩石が完全に打ち砕かれ、盛り上がったり凹んだりしている。
そんな中に私は三つの肢体が倒れているのを見つけた。楸野の爺さん、京太郎、それから咲ちゃんだ。

優希「京太郎ッ!」

そのうち最も無事が心配された一つに駆け寄る。衣服は薄汚れて一部に穴が空き、また露出している部分だけでもいくつもの生傷を認めることができた。
臥す彼の胸に耳を当て、首に指を当てる。彼の呼吸音が私の耳に届き、彼の鼓動が私の指に届いた。覚えたての『蘇生』は使うまでもなさそうだ。

和「ゆーき!」

まこ「優希!一人で行ったら危ないじゃろうが!」

追従してきたみんなが後ろからやってきていた。何人かは爺さんのところへ、何人かは咲ちゃんのところへ、何人かはこちらへ。
見れば爺さんは随分と慄いていたが、意識はあるし目立った怪我もないらしい。

久「咲、しっかりしなさい!咲!」

咲「............せん、ぱい?」

久「......よかった」ホッ

咲「あれ......私、いつの間にこんな所に......確か布団で寝て、夢に女神様が――――――――!」ガバッ

咲「――――京ちゃんッ!!」

竹井先輩の介抱も振り払う勢いで私の......京太郎の方へ向かおうとする咲ちゃんの恰好は全て、一瞬にして私の目の前から姿を消したあの時のものと同じだ。
まるで止まっていた時計の針が、いっぺんに動き出したようだった。

咲「優希ちゃん、これっていったい......」

優希「京太郎がオフラシサマを鎮めたんだ」

優希「脈も呼吸もあるし大きな怪我も見当たらない。大丈夫、京太郎は生きてるじぇ」

優希「あとは意識さえ戻れば............」
422 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:13:47.10 ID:x3x1P+hQ0
連休が終わって次の土日に差し掛かった頃、至急の工事によって県道を塞いでいた土砂は概ね除去され、一応のところの通行が可能になった。
予想されていたよりも大幅に復旧が早まった要因には、数日は大雨を降らせるだろうと予想されていた雨雲が
日没頃には何事もなかったかのように消え去り、その後は常に清々しいまでの快晴が続いていたこともあるだろう。

その日、第一便のバスに乗って私たちは小佐目村を去った――――京太郎の乗った救急車を見送った後のことだった。
423 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:14:43.37 ID:x3x1P+hQ0
 【3月中旬】 清澄病院 203号室


咲「おまたせ......遅れてごめんね」


京太郎「.........」


咲「今日は竹井先輩の卒業式でさ......やっぱりみんな泣いちゃった」

咲「竹井先輩もそうなんだけど、部長のほうが大泣きで。ふふふ、おかしいよね」

咲「それで、これからみんなで会いに来たいって」

咲「京ちゃんもすっかり人気者だね。前まで影が薄いってぼやいてたのに......」

咲「だから京ちゃんも綺麗にしておかないとダメだよ?タオル持ってくるから、ちょっと待っててね」


京太郎「.........」
424 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:15:12.72 ID:x3x1P+hQ0
ガチャッ

母「あら、咲ちゃん」

咲「あ、こんにちは。今日は部活のみんなが一緒に来るんですよ」

咲「いつもお見舞いもみんなバラバラだったから......久々に全員で揃って、京ちゃんも嬉しいと思います」フフッ

咲「それで、今身体を拭こうかと―― 「咲ちゃん」 ――」

咲「......なんですか?」

母「......あなたはこの半年、京太郎にすごく尽くしてくれてるわ。私やお父さんくらい――――いいえ、それ以上かもしれない」

母「あなたがどうしてここまでしてくれるのか......それをあえて訊くつもりはない。無礼だもの」

母「でもね、咲ちゃん」

母「あなたの人生は、あなただけのものなのよ」

母「私にこんな偉そうなことを言う権利なんて本当はない......でも、これだけは覚えておいてね」

咲「......ありがとうございます」

咲「でも私はこれで......ううん、これがいいんです」

咲「今はこれが一番、幸せだから」

母「............ほら、こんなバカ息子の身体なんて私が拭いとくから!」ググッ

咲「わわっ!」

母「咲ちゃんはみんなを迎えに行ってあげなさい、ね?」

咲「あっ......ありがとう、ございます」

キィィィィ...バタン
425 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:16:11.99 ID:x3x1P+hQ0
 【2年後】 清澄病院 203号室


咲「先生が、来週はいよいよ卒業式だって。自分でも、あんまり実感湧かないな」

咲「そういえば、食堂のおばちゃんが今年度で退職なんだってさ......ほら、ランチセットの」

咲「だから、これから京ちゃんが復学してもレディースランチは食べられないよ!」

咲「京ちゃんがねぼすけなのが悪いんだからね」

咲「それにしても、近くの学校に受かってよかった......他のところは全部遠いし、行くのが大変だよ」

咲「お姉ちゃんにはプロを薦められたけど、やっぱり今の時代大学くらい出ておかないとね!」フンス

咲「......でも、一人暮らしはしてみたほうがいいのかなぁ」

咲「一人じゃないにしても、実家を出て暮らす経験はしておいたほうが良いって言うし」

咲「竹井先輩は福路さんとルームシェアしてるらしいし......私も誰か誘おうかな、優希ちゃんとか」

ピンポンパンポーン マモナクメンカイノオジカンガ......

咲「あれ、もうこんな時間だ」ガタッ

咲「じゃあね、京ちゃん」
426 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:17:04.23 ID:x3x1P+hQ0
 【4年後】 清澄病院 203号室


咲「京ちゃん京ちゃん!卒論通った!」ワーイ

咲「いやぁ、ここ最近はそればっかりでもうクタクタ......」

咲「来る頻度、減っちゃってごめんね。またしばらくは前みたいに来れると思うから」

咲「あっ、そうだ!チームの方から次年度の契約の話が来てたんだったけどね」

咲「難しいことよくわかんないからお父さんに聞いたんだけど、そしたら――――」


界『咲ももう大人になるんだから、この手のものは自分でなんとかしなさい!』


咲「――――って......契約できなかったら来年一年間、ニートになっちゃうよ......」グスン

咲「和ちゃんに聞いたから、取り敢えずどうにかなりそうだけど」

咲「.........プロに行ったら色んな人と戦いたいな」

咲「衣ちゃんと池田さんと加治木さんからあの時の再現をやろうって誘われたし、それから......」

咲「――――――――!!」

咲「――――?――――!」

咲「――――」
427 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:18:42.85 ID:x3x1P+hQ0
 【4年後】 清澄病院 203号室

ガチャッ

咲「一週間ぶり、京ちゃん。元気してた?」

咲「暑いね......麦茶持ってくるからちょっと待ってて.........ふぅ」


京太郎「............」


咲「実はインターハイの解説頼まれちゃって、しばらく東京に居たんだよ」

咲「そのとき、私もつい......アナウンサーの子にさ」

咲「『ところで宮永プロはもうすぐアラサーなわけですが......』だって」

咲「私まだ25歳だよ?!アラサーって普通28歳以上じゃないの?!」

咲「そう返したら今度は、『そんなのあっという間じゃないですか』って言われたよ」ズーン
428 :>>427:咲「私もつい」→「私もついに」 ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:20:35.38 ID:x3x1P+hQ0
咲「.........」

咲「もう、そんなに前なんだね」

咲「みんなであの部室にいたのも、みんなで麻雀したのも、みんなで旅行に行ったのも」

咲「京ちゃんが、最後に私の名前を呼んでくれたのも......」

咲「ここまであっという間だったのに、気がついたらもう――――」
429 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:21:08.23 ID:x3x1P+hQ0


京太郎「――――二十年、か?」

430 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:21:54.78 ID:x3x1P+hQ0
咲「十年だよ!」

咲「...................えっ?」

京太郎「よっ!随分久しぶり......でもないのか、実際は」

咲「.......きょう、ちゃん......?」

京太郎「おうよ。正真正銘、須賀京太郎だぜ」

京太郎「......なんだよその顔。まるで幽霊でも見たみてーじゃねえか」

咲「.........!」ジワァ

京太郎「おいおい、泣くなって!」アタフタ

咲「だって、しょうが、ないじゃん.........」

咲「京ちゃんが......京ちゃん......きょう、ちゃん.........!」

京太郎「......いくらでも泣いていいんだ」

咲「うん.........!」
431 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:22:40.68 ID:x3x1P+hQ0
京太郎「――――ただし、あいつらが出てきてからな」

ガタガタッ!

優希「あー......えーっと......」

まこ「こ、これはお二人さん......ご機嫌麗しゅう」

久「こんな所で会うなんて奇遇ね!あはは......!」

和「これはですね......そう、違うんですよ!咲さん!私は元々止めようとしてたといいますか ー―「和ちゃん」―― はひっ!」


咲「......どういうことか、一から説明して?」ニコッ
432 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:24:58.07 ID:x3x1P+hQ0
和はそれから、ここ数日のうちに俺の周りで起こった顛末を洗いざらい白状した。
つまり十年ぶりに俺が意識を取り戻したときのこと、それを聞いた優希と和、染谷先輩に竹井先輩が飛んできたときのこと。
そこで俺が、現在の俺自身の状況を知らされたこと。竹井先輩のいたずらで咲には俺が目を覚ました事実を伏せておくことが決定したときのこと、等々.........
その間、四人は漏れなく咲によって正座を強いられていた。

咲「――――だから、もうこんなことはしないでね!先輩方も金輪際止めてください!」

優希「はい......」

和「重々承知しました......」

まこ「すまん、調子に乗りすぎた」

久「はいはーい」ヘラヘラ

咲「先輩は後で麻雀しましょうか」

久「」

京太郎「まあまあ、折角みんな揃ったんだぜ?」

京太郎「パーッと楽しい方がいいじゃんか」

咲「まぁ、京ちゃんがそう言うなら......」プクー

咲の風貌は随分成長していたが、こうして少々不満な時に頬をふくらませる動作は全く以てその面影を残している。
俺は改めて、この眼前の女性が宮永咲であることを確信した。

京太郎「医者にも特別に、今晩はみんなこの部屋に残ってていいって許可も貰ったし......」

京太郎「色々と積もる話もあるしさ。まずはみんなが何してるかとか改めて聞かせて――――」

まこ「――――京太郎はそれでええんか?」

京太郎「......えっ?」
433 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:26:30.31 ID:x3x1P+hQ0
染谷先輩の発言は至極不可解だった。良いも悪いもあるだろうか?普通に俺、みんなの話聞けるの楽しみにしてたんですけど......
だがそれに続く彼女らの発言とニヤケ面を見て、俺はやっとその真意を理解できた。

久「それは後にすればいいじゃない。私たちは二、三時間くらい席外してるわね」ニヤニヤ

まこ「そういえば近くに飲み屋があったのう。そこ行くか」ニヤニヤ

優希「むふふふ......ごゆっくりだじぇ」ニヤニヤ

和「咲さん、ファイトです」グッ

咲「和ちゃん.....」

バタン


四人が部屋を後にすると、狭い病室には俺と咲だけが残された。
部屋の照明は廊下側だけが点灯され、窓際にある俺のベッドの辺りを心地よい光が照らす。

京太郎「......空調の真下だと結構寒いな」

咲「冷房止めて、窓開けよっか」

その言葉のとおり立ち上がった咲がエアコンを操作し、最後に傍の窓を半分ほど開いてくれた。
時刻は午後八時。長野の夏夜に吹く涼しい風が病室を抜けていった。
434 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:27:31.05 ID:x3x1P+hQ0
京太郎「涼しいな......」

咲「うん、そうだね......」

京太郎「.........俺、ここまでのこと聞いたよ」

京太郎「十年間、今までありがとう。それから......」

京太郎「待たせてごめんな」

咲「......待たせすぎだよ、バカッ」

咲「私、もう25歳だよ?」

京太郎「俺だって同い年だろ。中身は高校生だけどさ」

咲「もう!......じゃあ、そんな高校生の京ちゃんに質問です」

京太郎「おう!どんとこい!」

咲「私、変わったかな?」

京太郎「ふーむ......確かに随分と成長して......」

京太郎「......いや、そうじゃないか」
435 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:28:21.36 ID:x3x1P+hQ0
窓の外を見ると、眼下の路地を仲間たちが歩いている。
空を仰ぐと、天を左右に分断するかのように天の川が流れていた。

十年の歳月――――俺たちを隔てているそれを乗り越えるのは、決して容易なことではないだろう。
政治に経済、科学技術、社会常識に至るまでの全てが大きく変遷している。俺はそれら時間の流れに取り残されてしまっているのだ。

それでも、と俺は訴え続ける。
生きている限り、何度でもやり直せるし追いつける。
俺は時間を戻すのではなく、進めることによって彼女と生きていきたいんだ。
436 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:29:42.93 ID:x3x1P+hQ0
「綺麗になったな、咲」


HAPPYEND:「神は天にいまし、すべて世は事もなし」
437 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/11/30(月) 04:30:08.08 ID:x3x1P+hQ0
Fin.
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 05:34:50.61 ID:r2O6jj9k0
おつおつ
えんだー(以下略)とはならなかったけど一応ハッピーエンド行けて何より
重要なところとかでコンマが振るわなかったらもっと悲惨なことになってたとはいえ、いい感じに来てたから微妙にもやっとする!
どっかからやり直しとか最初からとかできるん?
439 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/30(月) 06:08:02.07 ID:x3x1P+hQ0
シナリオ「清澄の探索者」はこれにて終了です。

まずはスレ立てからの三ヶ月間、お付き合いた方々に心からお礼申し上げます。
440 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/30(月) 06:08:39.19 ID:x3x1P+hQ0
次に、このような尻すぼみもいいところな(最初から大したことなかったと言われればそうですが)話を書いてしまった身から
自己批評として「なぜこのスレはしくじったか」を考えましたので、いくつか挙げさせていきます。


・システム

1. そもそも最初のチョイスが間違っていた
>>1にも書いていますがこれが初のSSです。慣れないどころか未経験なのに、初っ端から謎解きモノを安価でやろうとしてしまいました。
しかもあれやこれやと要素をぶち込みまくった結果シナリオがごちゃごちゃして、悪い意味で複雑なストーリーが出来上がりました。
せめてテーマを絞って話の長さを削っていれば、以下の問題も各々多少は軽減されたのではないでしょうか。

2. 曖昧さを残してしまった
例えば最初の段階では時間設定という概念すら存在しませんでしたし(なんとなくの時間帯だけ)、以後にも「ここの判定ってどうなるの?」という予知が無数に存在していました。
結果後からこれらを場当たり的に制限していくことになり、次第に齟齬が拡大していきました。

3. 想定・テストプレイが甘すぎた
仮にも「TRPG風でやりたい」と言っている以上戦闘が発生することは必須のはずです。敵を仲間に出来るなら、味方を多くしていくのは当然の戦略です。
他にもスレ内で発生した「想定してなかった」事案中で、本来なら予見できた筈のものは多くあります。
しかし>>1が最初に持っていた「こういう話で作ってみたいなー」という考えが先入観となり、それらを妨げていました。
その結果テストプレイ(当然>>1しかいません)は>1の考えをシミュレートするだけのものとなってしまい、
本来の目的である設定やシナリオの不備を発見することができませんでした。


・シナリオ

4. 長い
まさか三ヶ月もかけることになるとは思わなかったです。反省しています。

5. 登場人物が多い
本来は山下や堂島も大学生Aとか会社員とかで良いかなと思っていたのですが、流石に扱いづらいということで名前をつけました。
また敵キャラ(楸野、榎田等)も変にキャラ付けをしていった結果、読者が気を配らなければならないオリキャラが大量に出来てしまいました。二次創作なのに。
もっと人物は減らして、名前も適当で良かった気がします。

6. ENDが雑
これは散々ご指摘をいただいた通りですが、特に最後のENDは酷かった思います。
プロットを書くのに夢中で、肝心の分岐方法(この場合は最終決戦などです)については「ま、コンマでええやろ」くらいの認識でした。
どうしてこれで良いと思ったのか、多大に反省しております。


・描写

7. ムラがある
最初は「地の文で風景描写細かくやって雰囲気出してみよう!」とか考えていたのですが、出来るわけありません。
当然時間経過と共に既に来たことのある場所が増えてくるので仕方ない部分もあるでしょうが、それでもその風景描写の量には場所によって大きな差が生まれてしまいました。

8. 敵の心情
「5. 登場人物が多い」とも通じるところですが、プレイヤブルキャラ(清澄の部員たち)以外の心理はもっと適当に書くべきでした。
非安価でもない限り、シナリオを破綻させずに進めるには理不尽な制限(道を通せんぼするカビゴンなど)を設置する必要があります。
このスレであれば「敵は基本仲間に出来ない」などをしなければ味方側が戦力過多になり、あらゆる行動がゴリ押しで可能になってしまいます。
ですがなまじ敵のキャラ付や心情描写等を入れてしまったがために、「いや、こいつ説得できないとおかしいよな」という論理に至るようになりました。


・その他

9. 誤字脱字が多い
注意不足です

10. 似たような表現の繰り返しが多い
引き出し不足です。もっと本や辞書を読みます。
441 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/30(月) 06:10:05.42 ID:x3x1P+hQ0
被告人質問への回答です


>>373
あれはブラフと言うと高尚ですが、結果的には無駄選択肢でした。どちらにしても他の面子がいるとこうなりました。
最終決戦は京太郎とラスボスの一騎打ち以外にならないだろうと何故か想定しており、そっちに強引に持っていくための全滅ENDでした。
他にも、「3. 想定・テストプレイが甘すぎた」をご参照ください。

>>394-395
櫛は同時に一本しか存在できません。
『寝る』は選択肢に入っていましたが、判定もなくただ本当に寝るだけです。
これによって京太郎たちは初めてこれ以上櫛が作れないことを知り、『寝る』コマンドも消滅する予定でした。
>>232あたりで何故か消えてしまっているのは......謎です。
かつ京太郎以外のキャラは殺されれば死にますから、どんなに【オカルト】が高い組み合わせでも最終決戦は一度くらい失敗するだろうと。
その時点でBADENDにするつもりでしたが、もしすべて成功していたら......ここも読みの甘さの一つです。

>>400
それはそう

>>406
居場所:女将たちが知らないはずなのに後々元から知っている風になっているのは完全にこちらのミスです。本当に申し訳ない。
全滅END:>>373の通りです。

>>407-408
本当にごめんなさい。「6. ENDが雑」の通りです。

ハッピーエンド分岐については、死亡回数によって京太郎の昏睡期間が変わります(成功が多ければ死なない→すぐ起きる)。
より早い時期に起きることで色々な所に赴き、小佐目のその後についての情報をより多く得ることが出来ます。
今回はハッピーエンド中最も成功数が少なかったので回復時期は最も遅い十年後であり、このようなエンディングになりました。
ただしトシさんとロリ巫女のくだりは全ルート共通になっています。

>>409
「二回も死んで」というのは最終決戦以外のところで、ということでしょうか?ならむしろ少ない方だと思います。10回くらいは殺されるかなと想定してましたから。
大学生を仲間にして以来順に味方を増やしつつ大軍団が形成され始め、まず死ななくなりました。
>>1としては完全に思ってもいなかった展開ですが、読者としては最善の手だったのでしょう。
ですから最後が残念な結果なのは全て>>1のせいです。

>>438
最初からは流石に......最終決戦直前からやり直しが現実的な線でしょうが、正直今回のクソコンマ判定よりも納得できる上手いイベントを作れそうにありません。
また同じようにコンマ取るだけで良いのであれば、そこから分岐するENDは幾らでも書かせていただきます。
442 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/11/30(月) 06:13:03.95 ID:x3x1P+hQ0
これに懲りて、経験値が貯まるまでの今後しばらくは
短編か非安価スレで書いていこうかと思いますのでよろしくお願いします。

もしまだ疑問等あればお答えしますので、どうぞお書きください。

三ヶ月間、本当にありがとうございました。
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 14:38:52.25 ID:b82cmhk/0
いえいえ、三ヶ月間楽しませていただきました!
エピローグの京咲も大変エモい…清澄のみんなや咲とのやりとりが終始ツボでした
乙!!
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 15:07:55.79 ID:11vmgajJo
乙です
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 15:26:44.09 ID:92+8/ZS10
おつ
ぶっちゃけ、初投稿でこの長さの安価スレをエタらず完結させた時点で賞賛ものなんだよなぁ
また新しいストーリーとかができたらやってほしい
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 17:48:55.92 ID:/79enaDso
まずは完結乙
実際のTRPGでもGM視点でプレイヤーが迷走し始めるのは稀によくあるけど、そういう時は「ぶっちゃけここじゃもう情報落ちないよ」とかメタ発言でも早めに伝えた方がベターだったかなって
ともあれエタらずに完結させてくれただけでありがたい お疲れ様でした
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 20:43:22.68 ID:eWS6XqnQ0
乙です!!
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 22:44:22.86 ID:YVgVY27y0
本当に乙でした
エンディングもここまで長文とは大満足です、他のENDも書いてくれるならいくらでも待ちます
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 23:34:17.06 ID:I3hFVkQmO
俺こういうエピローグに弱いの…超乙
三ヶ月間楽しかったで!
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/06(日) 06:37:53.56 ID:7ot1Qbfe0

完全なコンマ判定成功した時のエンド読みたい
あと作者が想定してたルートがどんなものか凄く気になる
戦闘と説得で仲間増やせなかったらタイムリミットに間に合う気が全くしない
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/30(水) 16:43:57.66 ID:w3IzxxZ00
集落は今回の事件で結果に関係無く、集団移転で廃村になるだろうから、どっちにしろ完全決着になる気がします。
京太郎が昏睡中にオフラシ様の研究はしなかったのだろうか。事件終了後に京太郎を目覚めさせるために清澄メンバーに調査させても良かったのでは(何もわからなければ京太郎は10年間昏睡)。
楸野の呪いについては集落の好事家による個人の研究ではなく全国区の協力が仰げるわけだから、知っている事を洗いざらい話してくれそう。
452 : ◆copBIXhjP6 [sage]:2020/12/31(木) 14:18:06.22 ID:nB+OJlir0
お久しぶりです。>>1です。
年末なんで蛇足を二つ引っさげて参りました。

蛇足1はコンマ神が微笑んだエンド(>>450)、
蛇足2は>>436の続きのような何かです(>>438)。
453 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:19:02.54 ID:nB+OJlir0
【蛇足1:もし最後のコンマが全部成功したら】



その眩さは地下に届かないはずのものだ。
身体の節々には誰が巻いたとも知れない包帯が縦横に走り、誰が着せたとも知れない旅館の浴衣がそれを包む。
俺が目を覚ましたのは冷たい岩盤の上ではなく、藺草の香りが鼻腔をくすぐった。


 【6日目 7:30】 旅館・本館 3階 307号室


筋骨が悲鳴をあげるのを多少我慢して姿勢を起こすと、そこは俺が泊まっている部屋に間違いなかった。
古めかしい内線電話に一度か二度しか付けていないテレビ、着替え一式が入ったボストンバッグ、座卓に置かれたクリスタルガラスの灰皿。
小さなベランダに続くガラス戸からは朝日が差して、壁に掛けられた俺の洋服を照らしている。

京太郎「咲、起きろ......咲」

咲「.........あれ、きょーちゃん......おはよー」

京太郎「おはよう。よだれ垂れてるぞ」

怪我人の膝を枕にしていた不届き者が、ようやく目を覚ました。
454 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:19:35.79 ID:nB+OJlir0
朝の歯磨きはどのタイミングでするのが良いんだろうか?俺は起きた直後に軽く、朝飯の後にしっかり磨くことを心がけている。
しかしそうは言っても普段の朝は忙しいし、一回はうがいだけとか結構おざなりになってしまっている感は否めない。
いや別に歯磨きの話はどうでもよくて、つまるところ何が言いたいかといえば......

京太郎「んんんーんんー」シャコシャコ

咲「んー?」シャコシャコ

京太郎「んんんーんんー、っんんっんーん」シャコシャコ

咲「ん、んんんんんんーんんー」シャコシャコ

京太郎「あー、あいあー」ガラガラ

咲「んー」シャコシャコ

こういう風景の、なんとも牧歌的であるかということだ。

畳んだ布団を部屋の隅に追いやって作ったスペースに座布団を敷いて腰を下ろす。
そういえば今日は俺たちが小佐目へ来てから六日目、つまり連休が明けた後の木曜日だ。
お天気キャスターの『木曜は特に冷え込む』という週間予報はどうやら的中したらしく、下に沈んだ冷気が素足から熱を奪っていく。
淹れたばかりのお茶をずずっと一口吸い上げると、朝の底冷えした身体に熱さが染みた。
455 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:20:06.35 ID:nB+OJlir0
京太郎「うーん......お茶が旨い」

咲「もう京ちゃん、おじいちゃんみたいだよ?......あっ、おいしい」

京太郎「な、言ったろ?」

特に銘柄などは書いてなかったけれど、案外いい茶葉なのかもしれない。

京太郎「しかし今日が六日目ってことは、俺は一日半も寝ちまってたってことか」

咲「うん。ずっと見ててあげたんだから感謝してね」

京太郎「ははっ、結局お前は起こされる側だったろ」

咲「そういうこと言わなくてもいいじゃん!」ポカッ

京太郎「いてっ」

何故こういう時にわざわざ一番痛む所を小突くかな、こいつは。
ともかくそう言って小腹を立てる咲の姿を見ているだけで、俺は何気ない普通を噛み締めることが出来るのだった。

京太郎「.........咲」

咲「なに?」キョトン

京太郎「お前が戻ってきて、本当に良かった」
456 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:20:40.80 ID:nB+OJlir0
 回想:【4日目 18:10】 小佐目山 祭壇


それは、俺の右手が『花の櫛』を押し込んでから数秒のうちの出来事だった。
視界一面がにわかに黄金色の光に包まれる。全身が持ち上げられるような感覚に包まれ、そのままゆっくりと地面へ降り立っていた。
それとは対象的なのがオフラシサマだ。閉ざされた洞窟を風が吹き上げ、彼の身体が少しずつ天へ昇っていく。
俺は、ただそれを呆然として見つめていた。

光が集まり束となった。それはだんだんと形を成していき、やがて男神に寄り添う一人の女性が立ち現れる。
.........クシナダヒメ。夢の中で俺の前に現れ、俺に櫛を授けた女神だ。


京太郎「――――ッ!」

京太郎「おい!咲は、咲はどうなるんだよ!?」


オフラシサマ「――――――――――――」

クシナダヒメ「――――――――――――」


京太郎「クソッ!あいつまで連れていくつもりか!」
457 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:21:14.78 ID:nB+OJlir0
ああ、身体の節々が痛い。呼吸するだけで肺が刺されるようだ。
俺の身体は俺が思った以上によく動いてくれた。振るわれる全ての剣を凌ぎ、ここまで生き延びることが出来たのは奇跡に近い。
しかし当然無傷というわけにもいかず、『凌ぐ』というのも避けきることとは同義ではなかった。
ただ深く切りつけられても、強く打ちつけられても、それでもなお抗い続けてくれたというだけの話だ。

身を絞って最大限の声を上げる。それが彼らの耳に入っている様子はない。
俺はどうする。これ以上どうすればいい。こうして地べたに尻もち付いたまま、指咥えて眺めてるだけでいいのか?


違うだろ。


京太郎「待ちやがれってんだ!この野郎!」


彼らはどのくらいの高さまで昇っているのだろうか。そもそもこの世に存在していて、触れることが出来るのだろうか。
どうにせよ、手が届くとは到底思えない。


京太郎「咲を――――」


それでも俺は立ち上がり、地面を蹴り、右腕を伸ばした。


京太郎「――――――――返せッ!」


〜〜〜〜〜
458 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:22:03.90 ID:nB+OJlir0
意識があの夜の現実離れした出来事をなぞり、再び現在へ戻ってきた。目を開ければ視界には変わらず咲が映っていた。
俺の記憶はここで途切れている。その結果を見届けることは出来なかったが、こいつが俺の隣にいるということはきっと成功したのだろう。

思案する顔を見て、咲も俺が何を言いたいのか合点がいったようだった。
それから湯呑みからお茶を二、三回すすり、こう言葉を続けた。

咲「私だって京ちゃんがずっと起きないんじゃないかって心配だったよ」

京太郎「それは流石に心配性が過ぎるぜ。ただの疲労だろ」ハハハ

咲「......夢を見てたの」

京太郎「夢?」

咲「うん。京ちゃんがずっと寝てる夢」

咲「一ヶ月経っても、一年経っても、五年経っても京ちゃんは眠ったままで」

咲「一昨日の夜も昨日の夜もその繰り返し......寝る度に同じ内容ばっかり見ちゃって......」

咲「それでね......私.........それが、本当になるんじゃ、ないかって........怖くて.........」

京太郎「.........」ギュッ

咲「......京、ちゃん......」

京太郎「咲、ありがとな」

咲「.........うん」

貸し浴衣の袖が涙で濡れるけど、そんなこと知ったこっちゃない。
ここまでの数日間で俺たちが直面してきたのは非日常の連続だ。
実際怪我をしたヤツだっているし、何処かで選択を間違えていればもっと凄惨な事に......誰かが命を落とすような結果に終わった可能性だってあった。
それでも俺たちは生きている。今はただ彼女と、この時間を共有できていることだけを喜びたい。
459 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:22:36.66 ID:nB+OJlir0
突然、咲がその細い腕を俺の後ろ首にまわす。グイッと引っ張られるままに諸共畳の上に倒れ込んだ。

京太郎「うわっ!......何すんだよ、咲」

咲「んふふー」ニコニコ

京太郎「おいおい、こちとら怪我だらけで――――」


ガチャッ

まこ「咲、わしが代わるけん少しは休んだほうが......」


京太郎「」

咲「」


まこ「............失礼しました」

バタン


京太郎「」

咲「」
460 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:23:36.80 ID:nB+OJlir0
 【6日目 7:50】 旅館・本館 1階 食堂


食堂にはいつもと変わらない仲間たちがいて、一日ぶりに目を覚ました俺を迎えてくれた。
大学生や社会人の一団は未だ姿を見せていない。

咲「おはようございます......」

京太郎「おはよーっす」

優希「きょーたろー!やっと起きたか!」

和「もう大丈夫なんですか?満身創痍だったと聞きましたけど」

京太郎「ああ。この通りへっちゃらだぜ」

京太郎「ところで他の連中はどこに行ったんだ?」キョロキョロ

優希「おねーさんたちは多分部屋で寝てるじぇ。昨日の夜、遅くまで遊戯室にいたからな」

和「大学生の皆さんは七時過ぎくらいに出ていきましたよ」

京太郎「七時過ぎだって?一体どこに?」

和「神楽山です。確か『花を植え直しに行ってくる』と言ってました」

京太郎「あぁ、なるほど」
461 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:24:08.64 ID:nB+OJlir0
この頃には染谷先輩が言いふらした後だろうと予想していた俺は、例の件をどう釈明しようかということで頭が一杯だった。
しかし彼女たちの反応を見る限り、意外にも他の誰にも知れ渡っていないようだ。すかさず唯一の目撃者の元へ詰め寄る。


京太郎「先輩、さっきのことなんですけど......」ボソボソ

まこ「言いたいことは分かっとる。まぁ、程々にな」ヒソヒソ

まこ「しかしおぬしら......奥手に見えて案外ヤることヤッとるとは知らなんだ」クックック

京太郎「いや、違いますからね?」ボソボソ


和「何の話でしょうか?」

久「さぁ......大方の想像はつくけどね」

咲「ま、まあいいじゃないですか!そんなこと!」アセアセ

咲「それより、ここまでのことを教えてくれませんか?」

染谷先輩の目にはどうやっても苦し紛れの誤魔化しとしか映らなかっただろうが、実際これは俺にとっても一番気に掛かっていた事だった。
この『平和』の二文字を体現するような朝から察するに、昨日までに粗方の騒動は収まったのだろう。
しかし咲といえば一日一夜俺につきっきりで村の状況は知らないらしいし、俺自身は言わずもがなだ。

まこ「まあ待て。その前に......」チラッ

京太郎「?」

示し合わせたかのように、丁度厨房から俺たちを呼ぶ声があった。
462 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:24:49.13 ID:nB+OJlir0
 【6日目 8:00】 旅館・本館 1階 食堂


まこ「いただきます」

「「「いただきまーす!」」」

優希「今朝もタダ飯が美味いじぇ」

女将「あら、そういうこと言うなら追い出すわよ?」

優希「ゴメンナサイ」

和「感謝の気持ちは大事ですよ、ゆーき?」

久「ロハで泊まらせてもらってるんだからねぇ」

一日ぶりの温かい飯は空きっ腹によく染みた。
初日や二日目に比べれば内容は寂しいものだが、何より心配事を抱えないまま摂る食事というのは精神衛生的に大変良いものだ。
と、ここまで腰を落ち着かせた所で、俺はようやく話を切り出すことができた。

京太郎「なあ、そろそろ昨日の話を教えてくれよ」

優希「むふふ......それはこの優希ちゃんにおまかせあれ!だじぇ!」
463 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:25:19.63 ID:nB+OJlir0
 回想:【4日目 18:10】 小佐目山 炭鉱迷宮 第5階層


優希「......音がしなくなった?」

つい数秒前まで、この大岩の向こうからは聞いたこともないような音が漏れ出ていた。
きっと見たこともないようなことが行われていたのだろう。
それがどういうことだろうか、今や私の鼓膜を揺らすのは私自身の心音とここに集まる十数人の呼吸音だけ......それも殆どが闇に吸い込まれる。
狭い坑道は、静寂に包まれていた。

和「まさか、ついに決着がついたんじゃ......」

山下「その可能性は高いな」

米本「なら早く行かないと!」

堂島「安直すぎる!須賀君が勝ったのならいいさ」

堂島「でも仮に負けたんだったら――――」

優希「――――バカ、それなら尚更行かないとダメだじぇ!」

京太郎が敗北したのだとしたら、一体祭壇は今どうなっているだろうか?爺さんは生きているのか、それとも死んでいるのか。
どちらにせよ身体の自由が効かない以上出来ることは少ない。私たちが何もしなければオフラシサマはついに野放しになってしまうだろう。
そうなれば私たちの命はおろか、村の存続さえも絶望的である。
しかしこれも自分を納得させるための建前でしかない。
実際のところ、私の本音は一刻も早く京太郎の安否を確かめたい――そして、仮に傷ついているのなら助けなければ――その一心だった。

数人の力によって『天岩戸』が再び動かされる。
開ききらないうちに、私の小さな身体はその隙間から駆け出していた。

優希「......!」ダッ

久「あっ、ちょっと!」

まこ「優希!待ちんさい!」

優希(ごめん、先輩!)

洞窟へ続く狭い通路を一目散に走る。
祭壇で一体何が起こっているのか。それがもし見たくない現実だとしたら......そう思うと、走りきってしまうのは少し怖かった。
それでも僅か十メートルにも満たない短い道のりだ。


やがて私の前に、一つの風景が広がる。
464 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:25:48.30 ID:nB+OJlir0
 【4日目 18:10】 小佐目山 祭壇


優希「......なんだじぇ、これ」

元々この洞窟は不自然なほどに無機質な――――生というものを感じない場所だ。
それにもかかわらず、現在この空間には「荒廃」という言葉がよく当てはまった。
そこらじゅうの地面と壁のところどころは岩石が完全に打ち砕かれ、盛り上がったり凹んだりしている。
そんな中に私は三つの肢体が倒れているのを見つけた。楸野の爺さん、京太郎、それから咲ちゃんだ。

優希「京太郎ッ!」

そのうち最も無事が心配された一つに駆け寄る。衣服は薄汚れて一部に穴が空き、また露出している部分だけでもいくつもの生傷を認めることができた。
臥す彼の胸に耳を当て、首に指を当てる。彼の呼吸音が私の耳に届き、彼の鼓動が私の指に届いた。覚えたての『蘇生』は使うまでもなさそうだ。

和「ゆーき!」

まこ「優希!一人で行ったら危ないじゃろうが!」

追従してきたみんなが後ろからやってきていた。何人かは爺さんのところへ、何人かは咲ちゃんのところへ、何人かはこちらへ。
見れば爺さんは随分と慄いていたが、意識はあるし目立った怪我もないらしい。

久「咲、しっかりしなさい!咲!」

咲「............せん、ぱい?」

久「......よかった」ホッ

咲「あれ......私、いつの間にこんな所に......確か布団で寝て、夢に女神様が――――――――!」ガバッ

咲「――――京ちゃんッ!!」

竹井先輩の介抱も振り払う勢いで私の......京太郎の方へ向かおうとする咲ちゃんの恰好は全て、一瞬にして私の目の前から姿を消したあの時のものと同じだ。
まるで止まっていた時計の針が、いっぺんに動き出したようだった。

咲「優希ちゃん、これっていったい......」

優希「京太郎がオフラシサマを鎮めたんだ」

優希「脈も呼吸もあるし大きな怪我も見当たらない。大丈夫、京太郎は生きてるじぇ」

優希「あとは意識さえ戻れば............」



それからは大忙しだった。京太郎の手当てもあったけど、それ以上に大変だったのは動揺が村中に広がっていたことだ。
帰ってきた捜索隊や騒ぎを聞きつけた村人達が楸野の家にどんどん押しかけ、騒動がようやく落ち着いたのは既に日付が変わった頃だった。
465 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:26:18.43 ID:nB+OJlir0
 【5日目 10:30】 楸野宅 1階 洋室2


優希「Zzz.........Zzz..................うーん」パチッ

優希「あれ、いつの間にか寝ちゃってたじぇ......」モニュ

優希(.........この感触は)モミモミ

和「――――ひゃぁぁああ!!」バッ

優希「のどちゃんおはよう」

和「お、おはようございます......」

優希「.........朝だな」

和「.........朝ですね」

優希「............」

和「............///」カーッ


〜〜〜〜〜
466 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:26:53.17 ID:nB+OJlir0
京太郎「なあ、最後のやりとりって要るのか?」モグモグ

優希「何を言うか!私とのどちゃんのラブラブな関係を伝える重要な場面だぞ!」

和「ゆ、ゆーき!真面目に話を進めてください!」バンッ

優希「はーい......それで、この時点で残ってたケンジンアコーは二つだ」

まこ「『ケンジンアコー』......?」

咲「ひょっとして『懸案事項』のこと?」

優希「そーそー、それだじぇ」パクッ ムシャムシャ

優希「一個目は楸野の爺さんをどうするか。二個目は榎田のおっさんたちをどうするか」

京太郎「榎田たちを?楸野は分かるけど、あいつらの何が心配事なんだよ」

久「考えてもみなさいよ。この村の若い男連中はみんな集団犯罪の実行犯なのよ?」

久「下っ端は置いておくにしても、主犯格はお咎め無しってわけにはいかないわ」

久「椿屋、榎田親子、柊......それからあの二人もね」チラッ

竹井先輩の目線の先には、ばつの悪そうな表情でこちらを伺う主人と女将の顔があった。
467 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:27:51.72 ID:nB+OJlir0
 回想:【5日目 12:40】 楸野宅 1階 応接間


榎田「――――それじゃあ、楸野さんの監視は村の者が交代制ということで」

椿屋「......くれぐれも厳重に頼む」

護衛A「は、はいっ!」

護衛B「わかりました」

タッタッタッ......

二人の若い男が駆け足で去っていき、それからしばらく沈黙があった。
私がどうしようか迷ってるうちに、染谷先輩が忌々しそうな口調で爺さんの話を続けた。

まこ「しかし、あの不死身の老いぼれをどうしたものかの」

北村「放っておくしかないんじゃないかな。僕たちに何かできそうにはないよ」

堂島「それこそ精々、官憲に引き渡すまで何もしないよう見張ってるくらいだな」

米本「そうだねぇ」

和「ではこの話はここでひとまず解決ということで。次は......」

久「あなたたちをどうするかって話ね」

柊「なぁ嬢ちゃん、勘弁してくれよぉ。俺だって家族がいるし......な?」チラッ

久「あら。だからって、私が監禁された挙句風邪までひいた事実は無くならないのよ」

柊「ぐぬぬぬ......」

昨日あたりから先輩がやけに厚着をしていたり鼻をかんでいると思ったら、なるほどそういうことだったのか。
......でも、彼らだってこの数日間を一緒に戦ってきた仲間なのだ。
きっとのどちゃんから猛反発されるだろうなと分かっていたものの、私はそれに対してこう返した。
468 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:28:26.59 ID:nB+OJlir0
優希「何とかならないのか?楸野の爺さんに全部押し付けることだって出来ないわけじゃないじょ」

和「ゆーき、そんなのダメですよ。何より違法行為を見逃せば私たちまで幇助の罪に問われるんですよ」

優希「だから、みんなで隠しちゃえばいいじぇ」

和「ゆーき!」

優希「だって協力してくれた仲間だぞ?おっさんたちがいなかったら、今頃みんな土の下だじぇ」

優希「それに――――」

榎田爺「――――待て嬢さん。それには及ばんよ」

主人「いいんですよ、片岡さん」

主人「自分がしてはいけないことをしていたということは自分が一番分かってます」

女将「これでも大人だしね。私たち」

榎田「こうなるのは承知の上さ」

椿屋「柊、腹を括れ」

柊「......はい」

こうなってしまうと、私に言葉は残されてなかった。


〜〜〜〜〜
469 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:29:05.01 ID:nB+OJlir0
優希「ということで、みんなまとめて警察に突き出すことになったじぇ」

京太郎「......なあ和、あいつらはこれからどうなるんだ?」

和「そうですね......罪状は誘拐監禁と殺人未遂。組織的かつ計画的な犯行ですから量刑は決して軽くはありません」

和「しかし村の背景を考えれば、情状酌量の余地ありとして大幅な減刑がされるかと考えられます」

和「執行猶予付きか、実刑でもごく短期間の判決になるんじゃないでしょうか」

「あくまで推測ですが」と付け足して和は結んだ。前々から分かってはいたが、この数日は改めて和の知識に感服するばかりだ。
もっとも弁護士と検事の娘だからといってその娘の言葉を鵜呑みにするのはおかしいし、まだ逮捕もされていないのに裁判がいつになるかなんて知りうるはずもない。
そんな先の話をしているようじゃ鬼も抱腹絶倒ってもんだ。

京太郎「......それで良いんだよな?」チラッ

主人「勿論ですとも」コクン

女将「前科付きは不名誉だけどね。どうせ私たち、この村以外で生きるつもりはないし」

それから女将は、「冷めちゃうわよ」とだけ言って俺たちに食事を促したのだ。
470 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:29:49.76 ID:nB+OJlir0
 【6日目 8:40】 旅館・本館 1階 食堂


京太郎「ふぅ、食った食った」

咲「もう!京ちゃんったら」

咲「ずっと寝てたのに、いきなりそんなに食べたらお腹痛くなっちゃうよ?」

京太郎「わりーわりー」

和「それで須賀君、この後はどうするんですか?」

京太郎「ん?」

まこ「今んところわしらのリーダーはおぬしじゃしな。何かやることがあるなら言ってくれ」

久「部長の面子がこれっぽっちも無いわね、まこ」

まこ「ぬかせ。今だけじゃい」フフッ

優希、和、染谷先輩に竹井先輩。そして咲。
ここにいる麻雀部員全員が俺の口から出る次の言葉を待っている。こんなん普段の清澄じゃ絶対にありえないな。
......そしてそんな機会は、きっとこれが最後だろう。

京太郎「......なあ、優希」

優希「ん?」

京太郎「まだ残ってる課題はあったか?」

優希「んー......いや、特には」

京太郎「なら、やることは一つしかねえだろ」
471 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:30:21.22 ID:nB+OJlir0
それから二日間、俺たちはとことん遊び続けた。


 【6日目 10:40】 小佐目村 路上


まこ「位置について....」

まこ「よーい......ドン!」バッ


京太郎「ッ!」ダッ

優希「いくじぇぇぇ!!」ドダダダ

カブ「負けねえ!!!」ダダッ

柊「オラァ!」ドドドド

山下「うおぉぉぉ!」ドスドス

咲「え?えええぇぇ??」タッタッタ


和「元気ですね」

米本「元気だねぇ」

久「あっ.....咲、転んだ」

和「転びましたね」


柊「うへっ!いててててて......」


久「あっちは足でも攣ったのかしら」

米本「......元気だねぇ」
472 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:31:01.39 ID:nB+OJlir0
 【6日目 15:20】 神楽山 山頂


優希「おい金髪!これって食べられるやつ?」

向坂「あーダメダメ。それは毒がある」

椿屋「これはどうだ」

向坂「バカッ、それは保全対象だから採っちゃダメなんだよ!早く戻せ!」

向坂「ったく。地元なのにンなことも知らねーのか」チッ

まこ「知ってるのに盗っていった奴もおったがのう?」

向坂「......悪かったよ」



 【6日目 22:50】 旅館・本館 2階 遊戯室


京太郎「ツモッ!裏は......乗った!」パタン

京太郎「8000オールの二本場は8200オール!」

榎田爺「ふむ、結構難しいのだな」チャラッ

北村「と、トバされた......」

堂本「おいおい、北村あんた弱すぎだろ」チャラッ

京太郎「へっへーん!またまた勝たせていただきました!」

咲「ウソっ!?京ちゃんが麻雀で勝ってる!?」

京太郎「俺だってトーシロー相手ならこんくらい出来るんだぜ?」

優希「カモるなんて情けない男だじぇ」

和「最低ですね」

京太郎「」ヒュゥゥゥ......

久「ま、悔しければ大会でもそのくらい頑張りなさい」ポンポン
473 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:31:36.34 ID:nB+OJlir0
 【7日目 13:00】 柊宅 庭


京太郎「がー!負けた!」

まこ「情けないのう、京太郎」

カブ「おーい兄ちゃーん!」テクテク

少女「......」トテトテ

京太郎「おうカブ、遅かったな。そっちの子は?」

カブ「あー、それがさ。コイツが兄ちゃんに会ってみたいって」

京太郎「へぇ......俺は須賀京太郎、高校一年生だ。よろしくな」

少女「わたしは.........」

桜「わたしは、椿屋桜......です......」テレッ

京太郎(か、かわいい!)

まこ(この子が椿屋の娘、じゃと......?)



俺たちはこの期間、存分に旅行を楽しんでいたと胸を張って言える。
474 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:32:51.36 ID:nB+OJlir0
 【9日目 13:00】 小佐目村 バス停


日曜日、ここ数日と同じようによく晴れた日の昼。
土曜日の早朝に届いた県道復旧の一報で俺たちは帰り支度を始め、第一便のバスがやってくる頃にはその準備も整っていた。
本来ならすぐにでも帰りたかったのだが、矢継ぎ早にやって来た警官隊からあれやこれやと事情聴取に遭ったせいで一日越しの帰宅となったわけだ。

榎田「改めてみんなにお詫びをしなきゃな......本当に済まなかった」

そう言って深々と頭を下げたのは村側に立つ見送りの全員。
その反対側に立つ俺たちは、正直なところ最後まで複雑な気持ちだった。彼らは敵だ。俺たちに刃を向けた張本人だ。
しかし同時に、この小佐目村に付き纏う厄災へ立ち向かった味方でもあった。それらは両立して存在する問題だ。
だが二元論的に言うならば、俺は確かに彼らを味方だと思っていた。

久「別に私たちは構わないのよ。頭を下げるなら刑事さんに下げなさい」

米本「ま、だいぶ酷い目に遭わされたけど......他が楽しかったから良しとしようかな」

古臭いバスに大量の荷物が積まれ、十一人の若者が続々と乗り込んでいく。
出口の近くに居た堂島が手で扉を閉めると同時に、初老の運転手が発車のアナウンスをかける。
後ろを振り返ると、一週間を過ごした小佐目村がみるみるうちに遠ざかっていく。そこには......


.........大きく手を振っている、俺たちの仲間が確かに見えた。
475 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:33:55.03 ID:nB+OJlir0
 【9日目 14:50】 〇〇市 市街地


山下「それじゃあ、俺たちはここで」

北村「大変だったけど、本当に楽しかったよ」

向坂「また会おうぜ!連絡くらいは寄越せよな!」



 【9日目 19:00】 東京駅


米本「私たちはここでお別れだね」

堂島「何かあればまた」



 【9日目 23:30】 清澄 最寄りの駅


まこ「この九日間、本当に大変だった。こうして全員無事に帰ってこれて何より」

まこ「しかし明日は学校じゃ!もうこんな時間だが、みんなよく寝て明日は元気に来るように!」

まこ「解散っ!」

パチパチパチ

京太郎「よっ!染谷部長!」

優希「日本一だじぇ!」

久「ちょっと、こんな時間に騒がないでよ」ヤレヤレ

和「ゆーき、一緒に帰りましょうか」

咲「京ちゃん、お父さんが車回してくれるらしいから乗っていきなよ」

京太郎「おう!サンキュー!」


 【9日目 23:50】 須賀家 玄関


京太郎「自分の家なのに久々だと緊張しちまうな」

京太郎「こんなに空けたのはインターハイ以来か」

京太郎(......なんとなくだけど、この言葉は明日までとっておこう)

京太郎「.........よし」スッ
476 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:34:25.60 ID:nB+OJlir0



そして――――


477 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:35:14.16 ID:nB+OJlir0
 【10日目 15:50】 清澄高校 1年B組


キーンコーンカーンコーン

ガタッ ザワザワ

誠「なあ須賀!お前なんで先週休んでたんだよ!」

誠「先生から聞いたけど、なんかすげー事件に巻き込まれたって本当か?」

京太郎「ははっ、んなわけねえだろ。ちょっと風邪ひいただけだ」

京太郎「そんじゃあ俺は部活行くわ。じゃあな!」タッタッタ

誠「......本当かねぇ」


咲「あ、京ちゃん!これから部活?」

京太郎「ああ。お前もだろ?」


和「咲さんに須賀君、こんにちは」

優希「一緒に行くじぇー」
478 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:36:06.40 ID:nB+OJlir0
 【10日目 16:00】 清澄高校 旧校舎 廊下


まこ「......」ソワソワ

久「.........」ソワソワ

京太郎「ちわーっす......あれ、何してるんすか?」

まこ「おお、やっと来よったか」

久「いやー......何だかね、みんな揃うまで待ってたかったのよ」アハハ

京太郎「気持ちはわかります」

優希「むむむ、本当に全員揃っているのか......?点呼しよう」

和「いや、どう見ても揃ってますよね?」

優希「細かいことはどーでもいいじぇ!番号!」

優希「一!」

まこ「二!」

久「さーん」

和「よ、四」

咲「五!」

京太郎「六!」

まこ「よしよし、全員おるな」

京太郎(やっぱり俺は最後か......とほほ)

京太郎(......ま、いいか)
479 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:36:42.03 ID:nB+OJlir0
俺は清澄の最後、六人の部員の六番目だ。普段は影が当たらないし、たまに忘れられたりする。
でもそれでいいんだ。目立つキャラじゃなくて、普段はみんなのサポートくらいが性に合ってる。ここ一週間が異常だったのさ。
ただみんなと一緒にいれば、「清澄麻雀部の一員」であれば十分だ。


まこ「それじゃあ開けるぞ......」ガチャッ

染谷先輩が開けた扉の先には、先々週から全く変わらない部室が広がっている。
いや、ちょっとホコリを被ってるかもしれない。今日の活動は掃除で決まりだな。
そして六人で足並みを整えて一歩、二歩と古い床を踏みしめる............


――――三歩目、誰が図ったというわけでもなく、その声は重なって聞こえた。
480 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:37:13.22 ID:nB+OJlir0



 『ただいま!』


481 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:38:30.34 ID:nB+OJlir0
 【12月中旬】 清澄高校 麻雀部室


京太郎「ロン。7700」パタッ

優希「む、やるな京太郎」

まこ「伊達に秋の新人戦で四位は獲っとらんな」

京太郎「男子と女子じゃレベルが全然違いますよ」

和「いえ、それでも凄いことだと思いますよ?」

和「少なくとも入部当初の須賀君とは見違えました」

京太郎「そ、そうか?」デヘヘヘ

咲「むぅ......」プクー

季節は少し飛んで冬。みんなとそれなりの試合が出来るようになり、非常に嬉しい須賀京太郎です。
しかし地力が伸びた分もあるとはいえ、これにはちょっとした仕掛けがあるのだ。
482 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:39:26.48 ID:nB+OJlir0
和「そういえば」ズズズッ

京太郎「?」ゴクッ

和「戦績を見ていて気づいたんですが、須賀君は一時期から大物手への放銃が格段に少なくなりましたね」

和「ほとんど皆無と言っても過言じゃないです」ズズッ

まこ「確かに、京太郎が倍満以上の振込するところなぞしばらく見てないな」ボリボリ

久「跳満もかなり減ったし」

優希「昔は役満にも平気で振り込んでたのになー」ムシャムシャ

咲「一時期ってどのくらい?」

和「確か九月の末くらい、ちょうど旅行の後くらいからでしょうか」

咲「.........それってもしかして」

京太郎「ま、つまりそういうことだ」グイッ

久「須賀君がオカルト持ち?世も末ね」ケラケラ

京太郎「そんなこと言わなくてもいいじゃないですか!」クワッ
483 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:39:55.74 ID:nB+OJlir0


「その話、面白そうじゃないか」

484 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:40:28.93 ID:nB+OJlir0
がちゃりと音を立てて二人の女性が入ってくる。
一人は熊倉トシ、宮守女子麻雀部の監督。そしてもう一人は永水女子三年生の薄墨初美。
薄墨さんが来ると聞いた時は少々戦慄したが、現在の彼女は大分常識に則った衣服を纏っていた。
普通のトップスに普通のボトムス、普通のコート......うん、扇情的な恰好じゃなくて何よりだ。
俺にそっちの趣味はないんだが、優希がからかってくるとうるさくてたまらない。


初美「お邪魔しますよー」

京太郎「お久しぶりです。トシ先生、薄墨さん」

初美「そうですねー......前回は皆さんが帰ってきた直後だったから、三ヶ月ぶりですか」

トシ「遅れてすまないね。なにせ街の方でこの子の服を見繕ってたから」

咲「服、ですか?」

初美「そうなんです!冬だからっていくらなんでも寒すぎですよー!」

トシ「ここは日本有数の豪雪地帯だよ?あんな服装じゃそりゃ寒いだろうね」ケラケラ

初美「雪なんて霧島じゃ年に一回降るかどうかくらいなのに......」

久(この子、どんな格好で来るつもりだったのかしら)

それから十分くらいは他愛もない話で盛り上がっていた。コクマや春の選抜のこと、薄墨さんがすぐ近くで溝に嵌まり頭まで雪に埋もれてしまったこと。
宮守ではみんな受験ムードであるということ.........三年生は大変だな。そう思いながら右を見ると、薄墨さんは対岸の火事というふうに耳を傾けていた。
ならば左は?一週間に三日は部室に居座っている竹井先輩は、やはり苦虫を噛み潰したような顔で話を聞いていた。
しばらくして、トシ先生が壁に掛けられた時計をちらりと見る。
485 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:41:15.55 ID:nB+OJlir0
トシ「さて。そろそろいい時間だし、本題に入ろうかね」

トシ「薄墨、例の件はどうなってるんだい?」

初美「はいはい、私の出番ですよー」

初美「あの後、警察の捜査とは別で全国各社合同の調査隊が派遣されました」

初美「うちからも神主さんと巫女さんを何人か......私と霞ちゃんも行ってきました」

初美「ほんちょーの人たち、人使いが荒いのですよー」

トシ「へぇ......でも提案したのは霧島からなんだろう?」

初美「おエライ方には色々あるらしいですけど、私にはさっぱりです」ヤレヤレ

初美「それで...........」
486 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:41:44.49 ID:nB+OJlir0
 回想:【10月下旬】 小佐目山 祭壇


初美「おー!これはなかなか壮観壮観」タッタッタ

霞「初美ちゃん、はしゃぐと恥ずかしいわよ?」クスクス

霞「それにしても、こういうのは小蒔ちゃんの方が得意だとは思うんだけど......」

初美「姫様をこんなヤバそうな所には連れてこられないし、仕方ないですよー」


霞「さて、どうかしら......」スッ

初美「大物は居そうですかー?」

霞「...............もう微かだけど、お一人だけ」

初美「やっぱり完全には祓いきれてないみたいですねー」


神職A「あの子たち、霧島の六女仙だっけか?」ヒソヒソ

神職B「らしい。霧島は何というか、色々と凄いな......」ヒソヒソ

巫女C「あそこまでの感受性とは......流石ですね」ヒソヒソ

神職B「それもそうなんだけどさ。何というか、ビジュアルがね」ヒソヒソ

巫女C「......確かにちょっと両極端すぎ――――」

霞「――――あら、何かご用かしら?」ニコッ

ABC「いえ、何も」


〜〜〜〜〜
487 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:42:16.07 ID:nB+OJlir0
初美「あの人たち、ちょっと失礼すぎますよね?!私だってまだまだこれからなんですよー......」グスン

咲「あの、薄墨さん......話がちょっと逸れすぎな気がするというか、なんというか」

初美「!......///」コホン

初美「そ、それで肝心の『オフラシサマ』についてですが」

初美「八坂の人曰く、スサノオノミコトに限りなく近いナニからしいです」

まこ「限りなく近いナニか?」

初美「『元から小佐目村の土地に土着の神様がいたところにスサノオ信仰が入ってきた。そして時代が下るごとにそれらは同格化されていき......』」

初美「『より荒々しさの強調された形で崇拝されていたのだろう』、と」
488 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:42:46.67 ID:nB+OJlir0
地下研究室から見つかった日誌......数ヶ月前に読んだその文章の内容を必死に思い出す。
確か、当時の楸野が化政年間に須我神社を訪れたときのことが記されていたはずだ。


 文政◯年◯月○日

  何月か手記が空いてしまったが、この間に榎田と連れ立って出雲は諏訪大明神へ参ってきた。
 壬申の儀以来、予てより行って確かめたいと思っていたので、これがようやく成就したのである。
 風土記にも書かれたる社殿の石段を昇り、巴の紋へ深く礼をして宿へ帰った後に榎田に問えば、曰く「オフラシサマとは違う」とのことだった。
 果たしてこの男の言うことが確かであるかということは置いておくとして、しからばこれは由々しき話ではないだろうか――――


初美「そのへんの史料も押収済みですよー」

初美「誘拐殺人の証拠なんかもあったから、警察とは一悶着あったらしいですけど」ボソッ

咲「あはは......」

和「日本の神道って一体......」
489 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:43:15.23 ID:nB+OJlir0
だがここで一つの疑問――――というより不安が残る。
霎伝によれば櫛を使って榎田が鎮めた後もオフラシサマは登場していたようだし、実際薄墨さんの話の中でも「祓いきれてない」という文言があった。
俺たちが終えたと思っていたことは、その実まだ終わっていなかったのだ。

京太郎「この後、小佐目村はどうなるんですか?」

初美「......これから何とかしていくしかないですねー」

初美「取り敢えずのところは神楽神社を整備して、そこを拠点に色々と研究していくらしいです」

初美「次の壬申までに.........『六十ヶ年計画』って、ほんちょーの人は言ってました」

トシ「六十ヶ年か。スターリンもびっくりだね」

優希「む?何のことだじぇ?」ヒソヒソ

和「『五カ年計画』です。世界史でやったでしょう?」ヒソヒソ

初美「まあ、私たちがおばあちゃんになるまでには解決策は見つかると思いますよー」

トシ「それは私に対する当て擦りかい?」

初美「そ、そういうつもりじゃないですよー!」アタフタ

トシ「はは、冗談だ」
490 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:44:44.83 ID:nB+OJlir0
初美「そうだ、もう一つ報告があるですよー」

トシ「なんだい?」

初美「楸野とかいう超超高齢者のことです」

「「「.........!!」」」

京太郎「......それで、楸野がどうしたんですか?」

初美「普通の村の人たちは普通に裁判に出られましたが、あのお爺さんはそうはいきません」

初美「そもそも戸籍がなかったですし」

初美「結局小佐目山の件と同時進行で、楸野の呪いを解く研究も進めることになったのですよー」

咲「呪いを解く?」

初美「見た感じあっちもオフラシサマ関係みたいですけど、本体以上に手こずりそうですよ......」

初美「でもまあ、いつかは成功するはずです。その時が来れば、百ウン十歳のジジイもようやくくたばるはずですよー」

初美「......いつになるかは分かりませんけど」ボソッ

京太郎「そう、ですか......」

俺は――――きっと俺以外の五人も、複雑な思いを抱いていた。
楸野は死を求めていた。それが叶えば本望だろう。だが当然それは罰を与えることにはならない。
結局、俺たち人間は『楸野』という存在を罰する術を持たなかった。

このことは、小佐目村の事件に関する唯一にして最大の蟠りとして、俺たちの心に永遠に残り続けるのだ。
491 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:45:15.95 ID:nB+OJlir0
トシ「さて、次は私の番だね」

先生が持参のマイ湯呑み――何故かエイスリンさんのイラストがでかでかと書かれている――に入った煎茶を飲み干す。

トシ「須賀君の『オカルト』を聞いて即座に連想される人物が一人」

トシ「私たちはまず千里山に行ってきた。そうだよね?」

京太郎「は、はい!」
492 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:46:22.80 ID:nB+OJlir0
 回想:【10月上旬】 千里山女子高校


雅枝「お久しぶりです、熊倉監督」

トシ「いやいや、私はもう監督じゃない。あの子たちももう引退だし」

雅枝「寂しいですか?」

トシ「......そりゃあね」

雅枝「ま、ほんならそういう話も後で落ち着いたらしましょか」

雅枝「そんで、そっちのパツキンが例の子か」

京太郎「清澄高校一年の須賀京太郎です」

雅枝「うん、ちゃんと受け応えが出来ててよろしい」

雅枝「......怜!熊倉先生と須賀君が来たで!」

怜「はーい......」ムクリ

怜「もう、ウチは受験生ですよ?勉強せなあかんのに」トコトコ

浩子(いや、ずっと清水谷先輩の膝で寝とったやん)
493 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:46:58.38 ID:nB+OJlir0
〜〜〜隣室〜〜〜


怜「つまり、『死ぬ未来を予知する』能力っちゅうわけですか」チュー

京太郎「そうなります。随分限定的ですけど」

怜「ほーん。お、これ美味いわ」チュー

トシ「それはよかった――――それで参考までに園城寺さんの話を訊きたくてね」

怜「なるほど......」プハッ

怜「説明が難しいけど......私のは『見る』って感じで、君んとは同じちゃうで」

京太郎「どういうことですか?」

怜「未来が――私は一巡先やけど――見えるのは確かなんやけどな」

怜「なんというか、他人事っぽいいうんですか.........未来がパッと浮かぶ。そんな感じなんですわ」

怜「須賀君は光景だけじゃなくて、暑いとか寒いとかそういうのも全部感じとったんやろ?」

京太郎「えーっと......」

人間そう簡単に『死んで』も困る。数ヶ月前の記憶をたどるが、温度感覚まであっただろうか.........

京太郎「わかんないですけど、痛かったのは確かです」

怜「せやろ?私とはやっぱりちょっと違うなぁ」チュー

〜〜〜〜〜
494 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:47:38.47 ID:nB+OJlir0
咲和優ま久「............」ジー

京太郎「べ、別に良いだろ!遊びじゃないんだから」

まこ「へえへえ、京太郎君は大変じゃのー」

優希「私たちを差し置いて大阪観光とは偉くなったもんだじぇ」

久「私なんて受験で大変なのに......」オヨヨヨ

京太郎「だから違うって!」

トシ「ほら、与太話はそのくらいにしな」パンパン

トシ「......それで、その後も色々と訊いて回ったよ」

トシ「宮守の子たちは当然だけど、他にも――――」

先生の口からは人名、あるいは組織の名前が次々と語られる。
そのうちのいくつかは俺にも聞き覚えがあったが、全て全国各地に散らばっている。この人、三ヶ月でどれだけ動いていたのだろうか。

初美「そういえば、霧島にも来てたって聞いたのですよー」

トシ「ああ、その時は薄墨は居なかったね。神代さんには色々と世話になったよ」

トシ「ともかくだ。そういうことを延々と続けて、私はある一つの仮説に思い至った」

咲「仮説......ですか」

トシ「ああ。須賀君のオカルトは『死ぬ未来を見る』というものではなくて......」

トシ「『死んだ瞬間、時間を巻き戻す』ものじゃないか、ってね」

京太郎「時間を、巻き戻す......」
495 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:48:09.49 ID:nB+OJlir0
「時間を巻き戻す」。受動的に見るか、あるいは能動的に動かすか。
しかし本質的な部分は置いておくにしても、この間にある実際的な差異はあるのだろうか。

優希「確かに凄いけど、それって何か違うのか?」

初美「確かに、結果としては予知してるのと変わらないように思えるですよー」

トシ「ああ、勿論違うよ」

トシ「未来が見えるだけだったとしても、その感覚まであったのなら当然表面上は同じだろうさ」

トシ「だが巻き戻されるまでの出来事は実際に起こったことだ」

トシ「もしも『何億回も死に続けるような出来事』に遭遇したら――――」


刹那、全員の視線が俺の方を向いた。


トシ「須賀君」

京太郎「はい」

トシ「君は普通の人間と違って、まともな死に方は出来ないよ」

トシ「気をつけなさい」

京太郎「........肝に銘じておきます」
496 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:48:57.21 ID:nB+OJlir0
 【元日】 清澄近くの神社


ガヤガヤ

久「うわっ、すごい人の数ね」

まこ「正月じゃしこんなもんじゃろう?」ガジガジ

優希「ぶちょー。私も一本ほしいじぇ」

まこ「『ください』、な」

和「この近辺でも一番大きな神社ですしね。人は多いですけど、その分楽しめそうです」

咲「お参りできるまでどのくらいかかるのかな」

優希「おい犬!背高いんだから教えろ!」

京太郎「へいへい。そうだなぁ......この流れだと一時間くらいか」

久「うっそー......」ゲンナリ

咲「立ってるだけで疲れちゃうよ......」

和「まあまあ。話しながら待てばすぐですよ」
497 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:49:37.69 ID:nB+OJlir0
〜〜〜一時間後〜〜〜


優希「あれ、神社のお参りってどうするんだったっけ?」

和「『二礼二拍手一礼』です」

まこ「二回拝んで二回拍手、それから一回拝むんじゃな」ヨシ

京太郎「あ、空いたぞ。行きましょう!」


「「「......」」」ペコッ ペコッ

「「「......」」」パンッ パンッ

「「「......」」」ペコッ


久「みんな、何をお願いした?私は金運上昇よ!」

まこ「商売繁盛」

和「学業成就です」

咲「嶺上開花」

優希「タコス千万!」

まこ「色々違うのが混じっとらんかったか......?」

咲「京ちゃんは?」

京太郎「俺?えーっと......」

京太郎「.........無病息災」

優希「つまらんやつだじょ」

久「でも須賀くんらしいわ。死ねないしね」

和「死ねないですしね」

まこ「死ねないけんの」

京太郎「ちょ、冗談にならないですからね!」
498 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:51:06.24 ID:nB+OJlir0
それからしばらく遊んで回り、日が傾き始めた帰り道。元日だというのに、何故か周りには誰も居なかった。
他のみんなと別れた俺と咲は田んぼの間を通る田舎道を二人きりで歩く........いや、厳密に言えば歩いているのは俺だけだ。

京太郎「今年も咲が咲らしくて安心したぜ」ハハッ

咲「笑わないでよ......」グスッ

やはりと言うべきか、咲は帰り道で派手に転んだ。おまけに草履の鼻緒も切った。
そういうわけで現在の咲は俺におんぶされる形で落ち着いているのだ。

咲「あーあ、せっかくの晴れ着だったのに汚れちゃった」

京太郎「ちょっと汚れただけだろ?破れたわけでもないし大丈夫だろ」

咲「着物の洗濯って大変なんだよ!もう、分かってないんだから」

京太郎「へいへい、俺が悪うございましたよ」

咲「......せっかく京ちゃんに見せられたのに......」

京太郎「.........別に良いさ」

咲「えっ、『別に良い』ってどういうこと?」

京太郎「おめーみたいなちんちくりんに着物なんて十年早いって話だよ」

咲「ちょっと!そんなこと言わなくたっていいじゃん!」ギャー!

京太郎「うおっ、背中で暴れるなよ!落ちるぞ!?」
499 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:51:43.43 ID:nB+OJlir0
京太郎「だいぶ冷えてきたな」

咲「おばさんがお雑煮作ってくれてるらしいから早く帰ろ」

京太郎「あー、そういえばそうだった。今朝は食べらなかったからな」

咲「竹井先輩が急に初日の出を見るぞー!なんて言い出すんだもんね」

京太郎「あの人には振り回されっぱなしだよなぁ」

咲「あっ!ねえねえ、丸いおもちって食べたことある?」

京太郎「うーん......そう言われると経験ないかも」

咲「最近おばあちゃんがおもちを送ってくれたんだけど、それが――――」

京太郎「――――――――?」

咲「――――!!」
500 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:54:46.52 ID:nB+OJlir0
咲は案外、背伸びをしようとするやつだ。
どうも周りに子供っぽいと思われるのが嫌らしく、色々と無理をするのだ。ドジなのに。
今日こうして慣れない着物を身にまとっているのも、俺たちに対する見栄っ張りの一環なのだろう。
着飾ってるよりもありのままの咲の方がよっぽど良いのに、と俺は思った。

.........一瞬、別の期待をした。思春期の男にありがちな自惚れっぽい期待だ。
それが合っているのかどうかを本人に聞くのは簡単だけど、俺はとりあえず自分の胸にしまっておこうと思う。
まあ、心配しなくてもコイツとのことはなるようになるだろうさ。さっき神様にも拝んできたし。


そんな雑談を交えて歩いているうち、愛する我が家は目前に迫っていた。
他人の家に上がる際は「お邪魔します」と挨拶するのが常識なんだろうが、長年うちに出入りしている咲についてはこの限りでないのだ。
だから玄関を開けた後、俺と咲の言葉は一致する。話の種にもならないことだけど、俺にはそれが楽しくて仕方がない。
501 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:56:29.00 ID:nB+OJlir0
家族がいる。友達がいる。先生がいる。仲間がいる。
和がいる。優希がいる。染谷部長と竹井先輩がいて、咲がいる。

今は、それが一番楽しい。


IF-HAPPYEND:「ただいま!」
502 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:58:02.95 ID:nB+OJlir0
【蛇足2:えんだー】


京太郎「なぁ、咲」

咲「ん?どうしたの?」

女性のおめかしの最中に野郎の付け入る隙は一切ないと言ってもいい。
彼女の顔に塗り重ねられている化粧品の名前をいくつ知っているかと聞かれれば、おそらく俺はゼロと答えるほかないだろう。
しかし、それをただ黙って待つには暇を持て余しすぎていた。

京太郎「龍門渕さんってお金持ちだよな」

咲「絵に描いたような大金持ちだからね」

京太郎「それで、俺は思うんだよ」

京太郎「ひょっとしたらこんなこともあり得たのかな......ってさ」

咲「......私、今すごい忙しいんだけど」

冷たくあしらわれてしまったが、俺は聞こえないふりをして十年前のあの日へ思いを馳せた。
503 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:59:01.99 ID:nB+OJlir0
 【2日目 13:10】 旅館・本館 食堂


和「つまり、当分は長野には帰れそうもないということですね」

久「そうなるわね」

咲「村に代々伝わる四家......ミステリーっぽくって面白いかも」

京太郎「何言ってんだお前は」

優希「よっしゃー!学校休みだじぇ!」

まこ「帰ったらその分補習じゃと思うがの」

優希「」ガーン

村の長老である楸野氏の邸宅で話を聞いてきた俺と竹井先輩は、その内容をみんなに伝えた。
優希によって半分以上盗られてしまったトンカツを口に運ぶ......うん、ツンとした刺激が絶妙にマッチしてご飯がすすむ。

咲「えー、揚げ物にからしつけるの?」

京太郎「普通つけるんじゃないのか?」

咲「私の家ではつけたことないかな」

優希「トンカツにからしなんてありえないじょ」

和「でも、肉の臭みを消す効果もありますし.......あ、私の家ではつけてます」

久「ソーセージにつけるマスタードみたいなものじゃない?」
504 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 15:01:11.29 ID:nB+OJlir0
まこ「しかしそうか......困ったのう」ボリボリ

優希「何かあるのか?」

まこ「ああ、おぬしらには秘密にしとったか。実は来週末に龍門渕との練習試合を入れとってな」

まこ「ちなみに終わった後はパーティーらしい」

和「そうだったんですか.........でも何故秘密に?」

久「優希なんてパーティーだって知ったら、一週間ずっと浮足立っちゃうでしょ?」

(((確かに......)))

優希「失敬な!そーいうことするのはこいつだけだ」ビシッ

京太郎「俺はそこまで子供じゃねーよ!」

どっと笑いが起きた。不本意にも部内で俺のおバカキャラが定着していっている気がする......
もう一人のおバカに恨めしい表情を送るが、俺の意図に気付きもせずタコ天を頬張っていた。

まこ「そういうわけで、事情を話して延期か中止ということにしたいんじゃが......うーむ」

女将「電話使う?」ヒョコッ

咲「あるんですか?」

女将「ええ、事務所に有線電話が通ってるから。使いたかったら気軽に言ってね」

まこ「そうですか。そんじゃあお言葉に甘えて.........」
505 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 15:01:49.02 ID:nB+OJlir0
 【2日目 13:20】 龍門渕邸


衣「ふんふんふ〜ん」

prrrrrr prrrrrr

衣「電話か......ハギヨシ!」

シーン

衣「ともきー!じゅんー!」

シーン

衣「盲亀浮木......みんな忙しいのか。余儀ないな」

衣「よいしょ!えい!」ピョン ピョン

衣「届いた!」ガシッ

pi

衣「もしもし、りゅーもんぶちです」

衣「清澄の次鋒か!今度部長に相成ったと聞いたが健勝か」

衣「ふむ、来週の合同練習のことで.........えっ?」
506 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 15:02:59.02 ID:nB+OJlir0
衣「.........」トボトボ

歩(あれ?......どうしたんだろう)

歩「衣様、いかがなされましたか?」

衣「......あゆむ.........」ジワッ

衣「うわーん!」ギュッ

歩「こ、衣様?!」

歩「何か嫌なことでもあったんですか?!」アタフタ

衣「今しがた電話で......清澄が......みんな土砂崩れで......」グスッ

歩「えっ、えぇっ?!」


歩「ええっと、こういうときは......」ワタワタ

智紀「どうしたの?」

歩「それが清澄のみなさんが――――」


智紀「ど、どうしよう......」

純「よう智紀、あっちの掃除終わったか?」

智紀「それが今、それどころじゃなくて――――」


純「おいおい、どうなってんだよ......」

一「純くんじゃん。どうしたの?」

純「国広君!聞いてくれよ、なんでも――――」
507 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 15:03:28.59 ID:nB+OJlir0
 【2日目 13:40】 龍門渕邸 透華の部屋


透華「........」ジーッ

透華(清澄の皆さんは旅行中でしたわね......ふふふ)

透華(今のうちに牌譜を研究して、のどっちに差をつけなければ)

バンッ!

一「失礼します!」

透華「一、騒がしいですわよ」

一「透華様、今はそれどころじゃないんだよ!」

一「清澄の人たちが旅行先で土砂崩れに巻き込まれて生き埋めになってるって!」

透華「!?」

透華「そ、そんな.........」フラッ

一「わわっ!」サッ

一「あの透華さま......しっかりして――――」

透華「――――ません――――」ボソッ

一「......?」

透華「ありえません!そんなことはありえません!」グッ

透華「のどっち、勝ち逃げなど許しませんわよ!」


透華「......ハギヨシ!」パチン


ハギヨシ「――――ここに」スッ
508 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 15:04:15.14 ID:nB+OJlir0
 【2日目 17:20】 小佐目村 旅館前


柊さんたちと親交を深めた俺と咲の旅館へ向かう帰路は、既に終盤に差し掛かっていた。

京太郎「ふぅ......午後はすごく歩いた気がする」

咲「やっぱり京ちゃん、高校に入ってから体力落ちたんじゃない?」クスクス

京太郎「そんなこと――――いや、確かにそうかもな」

京太郎「って、お前なんてそもそもほとんど運動できねえじゃんか!」

咲「私は麻雀があるので大丈夫です」

京太郎「ぐぬぬぬぬ............ん?」チラッ

その時、パラパラという何処か聞き覚えのある音が微かに俺の耳に入った。
音源はどうやらこちらへ近づいているようで――――

咲「京ちゃん!あれ!」ピッ

京太郎「.........!」

――――遥か彼方から真っ直ぐ飛んでくるヘリコプターは、明らかにここを目的地としていた。
509 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 15:04:51.97 ID:nB+OJlir0
村人A「なんだなんだ?!」

村人B「おいおい......」

村人C「おかあさーん、ヘリだー!」

村人D「しっ!黙って見てなさい!」

山里へ響き渡る不似合いなロータ―音を聞きつけた村の人々は、皆家から出て様子を伺っている。
やがて黒い機体は俺たちのいる駐車場の上空で停止し、少しずつその高度を下げていった。


北村「」ポカーン

山下「......なんじゃこりゃ」

向坂「うわっ、風すげー!」


女将「何事?!」

主人「あの、うちの駐車場......」
510 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 15:05:21.33 ID:nB+OJlir0
操縦士『こちらアルファ1、ランディングポイントに到着』

ハギヨシ「京太郎君、宮永様!ご無事ですか!」

京太郎「ハギヨシさん?!どうしてここに......」

ハギヨシ「透華お嬢様の命で救助に参りました。さあ、早く乗って!」

隊員A「ターゲット二名を確保した。双方無事!第二小隊は予定通り降下、残り四名の捜索を――――」


十分としないうちにヘリコプターは狐につままれたような顔の六人組を乗せて離陸した。
こうして俺たちは小佐目村から脱出し、奇妙な旅行は幕を閉じたのだった.........

〜〜〜〜〜
511 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 15:06:18.83 ID:nB+OJlir0
京太郎「――――って感じで、どうですかね」

一「流石にないんじゃないかな」アハハハ

純「いやいや、透華ならやりかねないぜ......おっと、終わったみたいだ」


スタイリスト「......いかがでしょうか?」

透華「パーフェクトですわ!超目立ってますわよ!」

咲「疲れたー」グデー

京太郎「だいぶ時間かかりましたね」

透華「この私が中途半端な仕上がりを許すはずがありませんもの」

咲「京ちゃん......どう?」クルッ

京太郎「完璧だよ。どこに出しても恥ずかしくない」

純「おいおい、出されるのはお前んところだぜ?」グイグイ

京太郎「わかってますよ」
512 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 15:07:55.20 ID:nB+OJlir0
ガチャッ


まこ「大変じゃ!和と照さんが暴れだしおった!」

京太郎「あちゃー......放置しすぎたか」

咲「酒癖悪いからね、あの二人」

まこ「お色直し中の余興がちっとばかし盛り上がりすぎてな」

一(どんな余興だったんだろう)

透華「丁度いいですわ。そろそろ参りましょうか」

咲「そうですね......よいしょっと」

京太郎「ほら、掴まれよ」

咲「ありがと」

純「ほー、エスコートまでバッチリじゃんか?須賀くんよぉ」

京太郎「ははっ、散々言われましたからね」

控室を出て、二人並んで係員の先導に続く。
無駄にデカい建物の通路を右に曲がり左に曲がり、いくつかの扉を通り過ぎて――――
513 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 15:08:31.16 ID:nB+OJlir0


 【12:50】 龍門渕ホテル 披露宴会場


カンッ!
514 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/12/31(木) 15:10:25.46 ID:nB+OJlir0
>>450
隠密行動がメインの想定でした。

(必要なら大学生三人組を仲間に)

楸野の地下研究室を調べて櫛の話を突き止める

一人を櫛にする

儀式中、オフラシサマが降ろされたタイミングに乗り込んで最終決戦

最終決戦は
 仲間vs止めようとする小佐目側
 京太郎vsオフラシサマ
という構図になる予定でした。前者は普通の戦闘で、『蘇生』などが用意されていたのもそのためです。

>>451
廃村は特に考えてなかったです。
京太郎の昏睡についてはトシさんが語っている通り、最後のオフラシサマ戦で死に過ぎた事による「魂の消耗」というのが理由です。
調査しても、結局は時が経つのを待つしかないという結論に至るのではないかと思います。
515 : ◆copBIXhjP6 [saga]:2020/12/31(木) 15:10:53.50 ID:nB+OJlir0
以上蛇足でした。
では皆さん、良いお年を。
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/31(木) 15:11:53.90 ID:MRT/Fvw/0
おつおつこれは良いお年玉
何も解決しないけどもんぷちエンドで草生えますよ
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/31(木) 15:39:54.80 ID:h5NRCo300
乙!これは良いお年玉。LPの回復待ちじゃ、真相が分かっても京太郎が目覚めた時の土産話と関係者の心の整理ぐらいにしかなりませんね。
上手く事が運んでも本気を出した龍門渕により誘拐殺人が発覚で、どうなろうと詰んでいたのでは。前回は運良く発覚しなかったですが、今回は龍門渕が関わらなくても、その保証は有りません。隠蔽の難易度は時代と共に格段に上がります。
三家があっさり説得に応じたのも、「これ以上続けられない。もう止めたい…でも踏ん切りが付かない」と思っていたからかも。
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/31(木) 21:41:46.05 ID:c0u+vmr8o
乙です!
トゥルーエンドすばら!!

>>514
儀式中って事は本来は人質は救出出来ない予定だったの?救出出来ない時って村人+四家VS清澄2人+大学生3人って瞬殺されない?
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/01(金) 00:25:42.67 ID:RDYG9URNo
乙です!良いエンディングでした
質問だけど、京太郎が一番最初に見た走馬灯?みたいなのも死に戻り能力?
そして京太郎が突然死に戻りオカルトに目覚めたのってなんか理由あり?
520 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2021/01/01(金) 17:50:58.48 ID:x82TvnXL0
あけおめです。


>>517
現実的に考えれば勿論その通りです。大抵の問題は札束で殴れば解決しちゃうだろうし。
ただそれを言ったらシナリオになりませんから、龍門渕はネタ要員にしかならないでしょう。

>>518
儀式中は他の者は入れない(2スレ目>>474)ため、実際の相手は楸野、椿屋、榎田、柊の四人。榎田のジジイは置物です。
ステや装備的にはキツい戦いだけど、まあ最終決戦だしいいかなーと思って......

>>519
一番最初の時間軸ではなんやかんやあって京太郎たちは村の暗部に気づかぬままで、他方儀式も失敗に終わります。結局村は土砂に押しつぶされました。
最初の走馬灯はそこで死んだ京太郎が時間を巻き戻した際に残った記憶です。つまり、本編の時間軸の京太郎は一人目ではないのです。
メタい話をすると、本来であれば壬申の儀は余所者には決して明かされない儀式です。少なくとも仲間が突如消えでもしない限り村の異常性に気付くことはないでしょう。
しかし誘拐されてから探索を始めるのではシナリオ的に間に合わないので、なるべく早い段階で彼らに捜査の動機を与える必要がありました。そのための舞台装置に過ぎません。

次に京太郎がオカルトに目覚めたきっかけですが、これはスサノオノミコトが与えたものです。
スサノオノミコトは、自身の分身とでも言うべきオフラシサマが暴走している現状に頭を悩ませていました。
そこにちょうど村へやって来た京太郎にオカルトを授け、事態を解決するようけしかけたわけです。


それから次回安価スレのご相談です。
一応以下の候補があります。
521 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2021/01/01(金) 17:52:25.40 ID:x82TvnXL0
A案


――――5月中旬


【清澄高校 麻雀部室】


京太郎「サポート、ですか」

久「そゆこと」

ポンコツ咲の隠れた......というにはあまりにも衝撃的な特技が発覚し、あれよあれよという間に電撃入部を果たして早一週間が経ったある日の夕方。
下校時刻を知らせるチャイムから数分後、竹井部長の「話がある」という一言が出口へ向く俺の足を止めた。

久「知ってると思うけど、私は別にお遊びがしたいわけじゃない」

久「私がこの部活でやりたいのは『勝つ麻雀』よ。チームで大会に出て、勝ち進んで、そして.........」

京太郎「全国ですね」

久「わかってんじゃない」

久「......正直、今年も無理だろうって思ってたの」

久「優希にまこにそれから和。十分な実力を持った面子が揃ってる」

久「でも人が足りないことにはどうしようもなかった」

「須賀くんが女装でもしない限りはね」と冗談交じりに付け加えるが、それを聞いて笑えるほど気軽な雰囲気ではなかった。
やがて俺が淹れた安物の紅茶を口に含み一息置いてから、語調を強めて部長が続ける。

久「そこに咲が来てくれた!この時を二年以上ずっと待ってたのよ!」

久「私はこのチャンスを絶対に逃したくない。これを逃したら一生後悔するはずだから」

久「悪いけど、初心者の須賀くんには私達が指導できる機会は少なくなるわ」

久「こんなこと言うのは酷だって分かってる。それでも.........それでも、私はあなたに頼まなきゃならない」
522 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2021/01/01(金) 17:53:33.35 ID:x82TvnXL0
部長が語る間にも、俺の意識がハンドボールに打ち込んだ中学生活をなぞる。
三年間そう悪くない成績を残せたし、最後の夏は県大会の決勝まで行った。幸運なことに俺は部内でも『結構上手い奴』という地位を維持し続けていた。
でも、そうした実績が俺たちレギュラーだけの手で作られたものだとは微塵も思ってはいない。
俺たちが結果を出すことに集中できたのは何故か?練習から用具、あらゆる雑務に至るまで、それをサポートしてくれた人たちがいたからだ。

......この人はそういう存在を欲している。なら、俺はそれに応えるべきじゃないのか。


久「お願い。私に力を貸して」

京太郎「もちろんです、部長」



『京太郎おつかい伝説(仮)』

王道(?)育成系安価スレ。雑用パワーで清澄を全国優勝に導け!
523 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2021/01/01(金) 17:55:03.60 ID:x82TvnXL0
B案


「ねえねえ、おとーさん、おかーさん」

「ん?どうしたんだ?」

「どうしてふたりはずっとてをつないでるの?」

小さな娘の質問に妻はどう答えたものかと思案顔。
一方の俺は、この問いに対するたった一つの合理的な回答を持ち合わせていた。

「ふっふっふ......教えてやろうか」

京太郎「それはな、お母さんがすぐに迷子になるからだよ」

咲「もうっ、京ちゃんったら」



ピンポーン

京太郎「Zzz............お客さんか」パチッ

鳴り響いたチャイムの音に目を覚ますと、既に時刻は13時半を回っていた。朝飯はおろか昼飯まで食いそびれたか。
すぐ外には来客がいるようだが、流石にこの格好で出ていくわけにもいかない。とりあえずうがいして、上だけでも羽織って......

ピンポーン

京太郎「はいはい、今行きますよー!」

洗面台でコップに水を注ぎながらそんなことを言ってみるが、聞こえていないのか――あるいは聞こえているのに無視しているのか――チャイムは鳴り止まない。
誰だこいつ!他人の家のインターフォンを連打しやがって......近所の悪ガキと思わしき訪問者に苛々を募らせつつ、早足で玄関に向かった。

ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポンピンポンピンポン

ガチャ

京太郎「はーい!お待たせしました――――って、あれ」

照「京ちゃん、久しぶり」

京太郎「照さん!お久しぶりです」

京太郎「......げっ。淡までいやがる」

淡「この淡ちゃんが来てやってるのに『げっ』とはなんだ!キョータローのくせに!」

京太郎「アラフォーが自分のこと『淡ちゃん』なんて言ってんじゃねーよ」
524 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2021/01/01(金) 17:55:55.49 ID:x82TvnXL0

 「お前が殺したんだッ!!!!」ガッ

 「違うんです、照さん!俺は......なら、どうすれば良かったっていうんですか!」

 「そんなこと知らない!お前がやった!!お前が!お前が!お前がっ!!」ドガッ

 「テル、やめてよ!!ほら落ち着いて......キョータロー、大丈夫?」

 「違うんです、照さん......俺、だって.........」

 「俺は............」

 「......キョータロー」



『京太郎「楽しい宮永一家」(仮)』

アラフォーになった京太郎たちの話。京咲だったり京照だったり京淡だったり。基本は照と淡視点。
シリアスだったり安価要素少なめだったり重要人物にオリキャラが出てきたりするけど、それでも大丈夫なら是非。
525 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2021/01/01(金) 17:56:57.51 ID:x82TvnXL0
C案


――――冬のある夜 午後九時


【白糸台駅】


淡「あっ!待ってー!」ドタドタ


「ドアが閉まります。ご注意ください」

プシュー

淡「ふぅ、ギリギリセーフ」

寒い中で待ちたくなかったし、間に合ってほっとした。
普段ならたくさん人が乗ってるんだけど......私の他には誰も居なくて、ちょっと特別な気分になった。時間が遅かったからかも。

ガタン... ゴトン... ガタンゴトン

すぐに電車が動き出して、私の乗ってる最後尾の車両もホームの先端に差し掛かった。
私はボーッと窓から外を眺めてて――――外は暗かったけど、確かに見たんだ。


淡「............え?」


ホームの一番先っぽに立ってる、大きな鎧の姿を。
526 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2021/01/01(金) 17:58:14.41 ID:x82TvnXL0
淡「せんぱーい!」フリフリ

照「淡?」キョトン

菫「なんだろう、凄く面倒なことになる予感がする」


菫「見つかったかー?」バサッ

照「全然ダメ......あ、しまっ――――」ガラガラガラガラドサッ

菫「はぁ......この本の山、どうしたものか」


菫「何だこれ。どうしてこんな所に?」

照「石だよ、菫」

菫「そんなの見れば分かる」


照「す、すすすすすすみれ、あれあれあれあれあれって.........」ガタガタガタガタ

淡「あわわわわわわ......」ボーゼン

菫「馬鹿ッ、とりあえず逃げるぞ!」ガシッ


『菫「白糸台の亡霊」(仮)』

菫が主人公の探偵モノ。
謎解き:ホラーが7:3くらい。多分1スレで終わる。
527 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2021/01/01(金) 17:58:42.33 ID:x82TvnXL0
特に投票だとか期限があるだとかといったことはないので、
「これ良さそうだなー」というのがあったら教えていただけると嬉しいです。
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/01(金) 18:57:20.80 ID:MqFeNUzf0
やっぱり僕は王道を征く‥‥‥京太郎安価スレ、ですか
てなわけでAで
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/01/01(金) 21:28:14.81 ID:1FtL6vft0
B
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/01(金) 21:52:44.75 ID:1TdhAubuO
Bを見てみたいかな!!
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/02(土) 02:03:22.76 ID:0mglNZo9o
aかなやっぱり
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/02(土) 02:23:32.04 ID:4O4rZyk80
シリアスの内容が怖そうではあるけどBかな
Aもやって欲しいけど育成スレは中身とコンマと安価が多いと簡単に5,6スレ以上とかになる可能性があって中身のバランスが大変そう
昔は何十スレとかのもいくつもあったけど・・・
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/02(土) 02:48:44.06 ID:zU5hKkyBo
A
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/02(土) 04:05:24.77 ID:UfFc05nF0
Aじゃね?知らんけど
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/02(土) 11:59:20.79 ID:jgKLKPG/0
Bは安価で咲タコ脱落の脱出の後日談ルート移行も有りそうだし、選択はAで
Aも京太郎が昏睡中か覚醒後の思い出話に出来そう。ふと思ったけど京太郎の献身に対し清澄は何も出来ていない…
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/02(土) 18:55:23.97 ID:7QpHsMQoo
京太郎視点がいいしA一択
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/01/03(日) 20:24:01.92 ID:IOhrTyhz0
B
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/03(日) 21:52:12.05 ID:sXdhHHjjo
A
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/05(火) 04:38:24.89 ID:f3q4TBa50
淡ちゃん好きなんでB
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/05(火) 05:00:14.40 ID:VikKZgXfo
aで
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/01/07(木) 14:18:19.74 ID:eKvdEKMb0
A
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/01/15(金) 00:13:04.55 ID:zhQFtYus0
穏祖父「大帝かい穏は古いマシーンが好きだね」
穏「うん、だってグレートはおじちゃんって意味なんだって」
穏祖父「もしかしてグレートグランパの事かな…」
穏「とにかくおじちゃんのエンペラーだから私グレートエンペラーが大好き」
(お祖父ちゃん、今私は山の頂にいるよ)
淡「二位抜けなんてかっこわるいでしょ!」
菫「やめろ淡!ダブル(二輪駆動)でアタックするのは!」
セーラ「スピードがある大星の方が弾かれた!」
船「二輪では前方にトルクが足りないんです阿知賀のマシーンはアルミホイールと高ダウンフォースの大帝ですからね」
穏「よしここまでは好調あとは下り坂でリードを保って…」
こーこ「おおっとー!千里山が飛んだ!上り坂を加速して一直線にゴールへ!」
穏「清水谷さん山をこえてさらに山なりに///」
竜「これが怜が見せてくれた最短コース!」
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