【咲安価】京太郎「清澄の探索者」その3【ADV】

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474 : ◆copBIXhjP6 [sage saga]:2020/12/31(木) 14:32:51.36 ID:nB+OJlir0
 【9日目 13:00】 小佐目村 バス停


日曜日、ここ数日と同じようによく晴れた日の昼。
土曜日の早朝に届いた県道復旧の一報で俺たちは帰り支度を始め、第一便のバスがやってくる頃にはその準備も整っていた。
本来ならすぐにでも帰りたかったのだが、矢継ぎ早にやって来た警官隊からあれやこれやと事情聴取に遭ったせいで一日越しの帰宅となったわけだ。

榎田「改めてみんなにお詫びをしなきゃな......本当に済まなかった」

そう言って深々と頭を下げたのは村側に立つ見送りの全員。
その反対側に立つ俺たちは、正直なところ最後まで複雑な気持ちだった。彼らは敵だ。俺たちに刃を向けた張本人だ。
しかし同時に、この小佐目村に付き纏う厄災へ立ち向かった味方でもあった。それらは両立して存在する問題だ。
だが二元論的に言うならば、俺は確かに彼らを味方だと思っていた。

久「別に私たちは構わないのよ。頭を下げるなら刑事さんに下げなさい」

米本「ま、だいぶ酷い目に遭わされたけど......他が楽しかったから良しとしようかな」

古臭いバスに大量の荷物が積まれ、十一人の若者が続々と乗り込んでいく。
出口の近くに居た堂島が手で扉を閉めると同時に、初老の運転手が発車のアナウンスをかける。
後ろを振り返ると、一週間を過ごした小佐目村がみるみるうちに遠ざかっていく。そこには......


.........大きく手を振っている、俺たちの仲間が確かに見えた。
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