神「異能力者七人のバトルロワイヤルが見たいな・・・」 4【安価】

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60 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/02(金) 22:53:04.36 ID:JgIhSGO90
ビル街・北・物陰



結衣(ひとまず、戦闘は一区切りついたみたいね……あの女の人の『カッターを操る能力』来る人皆やっつけて、強かった……)

結衣(でも、何人も相手して、かなりMPを消費してるはず。後一、二回使ったら……いや、もう既にガス欠かも)

結衣(……あんまり気は乗らないけど、相手が丸腰なら、私の『分身』で一方的に……!)

結衣U「……!」バシバシ

結衣「!」クルッ

小尋「あー……やっぱこんだけ近づいたらモザイク化とか関係ないか。っていうか君も分身系の能力?前後ろ同時に警戒されたら、俺の能力ほぼ無意味なんだけど……ズルくない?」

結衣「……何か御用ですか」サッ

小尋「あ、いや、戦うつもりはない。安心してくれ。俺は君と……君達?と、チームが組みたい」

結衣「……はぁ」

小尋「君もここでさっきまでの戦い見てたんだろ?あれ見て俺は思ったんだよ。チームは有利だって。複数人居れば、同時に色んなことに対処できるからな。どうだ?」

結衣U「複数人居れば、ということなら、私はこの通り自前で複数人になれるんですが」

小尋「うっ」

結衣「それにあなたの能力って自分にモザイクかけるだけですよね?完全に透明になれるならまだしも……全然頼もしいって思えません」

小尋「ううっ」

結衣「あなたよく考えが浅いって言われません?……あと、タイミングも悪いですね」

小尋「タイミング?」

結衣「後数十秒待った方が、話はスムーズだったと思います」


カチッ


天使「イベントタイム!」

小尋(……そういやそんなのあったな!)
61 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/02(金) 22:53:39.29 ID:JgIhSGO90
現状



1.柏手 葛斎

ポイント:0
M  P:30
登  録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッターの刃

『姉帯 ゆりあ』、『妄想姉妹s』と一緒にビル街・北に。



2.イット

ポイント:0
M  P:60
登  録:なし
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)

ビル街で死亡。



3.姉帯 ゆりあ

ポイント:0
M  P:0
登  録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし

両腕を失い気絶。『柏手 葛斎』、『妄想姉妹s』と一緒にビル街・北に。



4.善夜 小尋

ポイント:0
M  P:90
登  録:なし
持 ち 物:ナイフ

ビル街の物陰で『後藤結衣』と会話中。



5.後藤結衣

ポイント:0
M  P:70
登  録:なし
持 ち 物:分身一体

ビル街の物陰で『後藤結衣』と会話中。



6.ゼーレ・フォン・ロックウッド

ポイント:0
M  P:100
登  録:なし
持 ち 物:なし

ビル街で死亡。



7.漆崎 夜留

ポイント:0
M  P:95
登  録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札

ビル街付近に逃亡。



そんなこんなでついに午後二時!『イベント』の時間に!『下1〜3』のどれかが起こった!
(起こるイベントを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 23:03:57.54 ID:kJeltHJq0
レーダーに反応するダミーの宝石があちこちに配置される
ダミーの宝石は本物と見た目が変わらないが壊すことはできる
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 23:06:49.13 ID:MD6iGaRdo
先着1名限定でMP100支払うことにより宝石を一つ手元にワープさせることができる
(MP100ない人は次の日MP回復分を前借りして支払う)
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 23:09:32.29 ID:tg9FgzFMO
街が爆撃され常時死ぬ危険性に曝されることとなる
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 23:12:43.26 ID:zEkFa1zLO
能力強化薬が一つ 全員から同じ距離の場所に現れる レーダーに映る
66 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/03(土) 00:18:03.53 ID:+57e9cln0
天界・ルーレット



神様「どうも、企画発案の神様です」

天使「進行、補助の天使です」

神様「はい。では二時になったということでね。イベント。やらせていただきたいと思います。天使くん。ルーレットとダーツを」

天使「はいはい」ガラガラガラ

天使「ほっ」ギュルンッ

神様「行くぞ〜」



次のレスのコンマが

01~33で『ダミーの宝石があちこちに配置される』
34~66で『先着1名限定でMP100支払うことにより宝石を一つ手元にワープ』
67~99で『街が爆撃され常時死ぬ危険性に曝されることとなる』
00は全部
67 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/03(土) 00:18:30.73 ID:+57e9cln0
神様「とぉっ!」トスッ
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/10/03(土) 01:13:04.13 ID:vtNj8AiDO
69 :>>68レスありがとう [saga]:2020/10/03(土) 02:06:01.17 ID:+57e9cln0
ビル街・北



天使「……というわけで、イベント開始」

葛斎「イベントとは、どんな……」

天使「……それは私の説明を聞くより、空を見た方が早いな」スッ

葛斎(あれは……でっかい火の玉ですわ!?)


ドカーンッ


葛斎「街中が火の海に……!妹さん達!あなた達の中で一番身体能力が高いのは……」

三夏「あたしだ!姉ちゃん担げってんだろ!?腕がない分、軽いよ畜生……!」スッ

葛斎「このままビル街に居続けたら、爆撃と延焼でいずれ逃げ場がなくなってザ・エンドですわ。延焼のない場所まで移動しますわよ!」

四雫「三夏。なるべく背中の姉上を揺らさないように……」

三夏「分かってるよ!」

五樹(さっきお姉ちゃんを動かせないって言ったばかりなのに……お姉ちゃん、頑張って……!)
70 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/03(土) 02:06:58.44 ID:+57e9cln0
交差点・d4



ドカーンッ


夜留「なっ、爆撃だぁ……!?」

夜留(まったく、大味なのが来たな……が、落ちてくる火の玉のスピードはそこまででもない。火の玉の影にしっかり注意しておけば、都度避けることはできる……)

夜留(脅威なのは爆撃本体じゃなく、それによって起きる火災だな……街中で煙が上がってちゃ、ものの数時間で火の手に迫られて燃え死ぬか、よくて一酸化炭素中毒だ)

夜留(となると、留まっていられるエリアは限られてくる。宝石の動きを見る限り、嬢ちゃん達も同じ結論に至ったようだな)

夜留「初期位置でたむろしてたら、あそこに間に合わなくて死んでたかもな……!」ダッ
71 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/03(土) 02:07:32.15 ID:+57e9cln0
ビル街・北・物陰



ドカーンッ


小尋「うおおおおっ!?」

小尋(ば、爆撃って!)

結衣「……イベントの内容次第では……と思いましたけど、やっぱりあなたとチームを組むメリットが感じられません。それでは」タッ

結衣U「さよなら」タッ

小尋「えっ」

小尋(くっ……あのメスガキ、俺のことを舐めてやがるな……!?怖がらせないように優しめに話しかけてやったのに……なんか腹立ってきた)



小尋が取った行動は『下1』だった!

1.『後藤結衣』と戦闘する!大人の怖さをメスガキに理解らせてやる!
2.『後藤結衣』を尾行する!どうにかしてやりたいが戦闘は怖いのでまずは情報収集!
3.特に何もしない!よく考えればあの子の言うことも一理ある。

どれだった!?1〜3番から選んでね!下1だよ!
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 04:03:22.51 ID:9Yme42C4O
1
73 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/03(土) 22:51:54.93 ID:YxpQ/b+T0
小尋(あー……キた。これ完っ全にキたわ)

小尋「こんのメスガキぃ!ぶっ殺す!」ダッ

小尋(俺の能力が『モザイク化』だけだとぉ……!?そんなら見せてやるよぉ!『心音零』解除による加速状態!)ヴンッ

結衣「……!」クルッ

結衣(来た……!大丈夫、ちゃんと発動のタイミングを間違えなければ、作戦通りに行けば勝てる!)

結衣「……私の方が強いわ!」バッ

小尋「……!?」

結衣(私の能力、『分身』の効果範囲は3m……これは私から分身体が3m以上離れたら消えてしまうことを表すと同時に)

結衣(3m以内の好きな場所に、分身体を発生させられることを表す。例えば敵の胃の内側にでも発動すれば……!)

小尋「う……!?」メリッ

小尋(なんだこれ、俺の内側が、内側から、膨らむ、破ける……!)メキメキ


メシャアッ


結衣「ふぅー……予想通り、殺せたわね」ホッ

結衣U「……そして残念ながら、こっちも予想通り」

結衣V「……」グチャアッ

結衣(人間の骨格は小さく複雑なジャングルジム。その内側に無理矢理、体を具現化させれば……生まれた方もただじゃすまない……わね)

結衣「さて、ここに長く留まってると危ないし……さっさと宝石の反応を追いかけましょうか」タッ



善夜 小尋:死亡
74 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/03(土) 22:52:32.53 ID:YxpQ/b+T0
河川敷・南



葛斎「さぁ!河川敷に到着しましたわ!」キキーッ

葛斎(ここなら水場だし、周りに建造物もなく開けている……延焼、崩落の危険はありませんわね)

葛斎(それでも呼吸は辛い所ですが……あと一時間とちょっとタップダンス踊る余裕くらいは……)

夜留「よぉ……考えることは一緒だな」ザッ

葛斎(さっきの『硬貨を発射する』男……!)サッ

夜留(できれば、こんな風にのこのこ姿を現さず、不意を突いて有利に立ち回りたかった所だが……こんな開けた場所に来られちゃそれも難しい……)

夜留(イベントがなければあの瀕死の女を大事にあのビル街から動かなかっただろうことを考えると……この爆撃は俺にとっちゃ不都合だったな)

夜留(さて、射程範囲まで近づきたい所だが、その一線を越えればあいつらもこっちに襲い掛かってくるはず。どうするかな……)

葛斎「……!」

夜留(……なんだ?奴らの視線が俺の後ろへ……)クルッ

結衣「……こんにちは」

結衣U「こんにちは」
75 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/03(土) 22:53:42.18 ID:YxpQ/b+T0
葛斎(他の参加者……!)

夜留(同じ姿の子供が二人……双子か?いや、双子なら服装で差異を出そうとするはず。だがこいつは服装も髪型も全く一緒……分身か)

夜留「……何の用だ?」

結衣「ここ以外に爆撃に耐えれる場所はないと思うので……おそらく、生き残っているのはここに居る人達ですね」キョロキョロ

結衣U「あの協力しあってる二人を除けば、私とあなただけということになります」

夜留「それがどうした?」

結衣「単刀直入に言います……協力しませんか?この戦力差を埋めるにはそれしかないと思います」

夜留「……先に作戦を聞かせてもらおうか」

結衣「二人同時に攻勢を仕掛け、相手の戦力を分散させた後、各個撃破します」

夜留「もっと分かりやすく言ってみな」

結衣U「突撃あるのみです」

夜留「はっ……とんだ博打だな。まっ、俺はそういうのが大好きだけどよ。いいぜ、乗ってやるよ嬢ちゃん」ニィッ

結衣「では、レーダー登録を」スッ

夜留「あ?」

夜留(さっきの作戦だと、ここでレーダー登録なんて要らないはずだが……)

結衣「……」プルプル

夜留(……どうしたものか)



夜留が取った行動は『下1』だった!

1.レーダー登録する!まぁ、損はないだろう。
2.レーダー登録しない!協力するのはこれっきりだ。

どっちだった!?1、2番のどっちかから選んでね!下1だよ!
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 22:58:29.03 ID:WMZjptpzo
2
77 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:27:45.46 ID:mKpXRnXW0
夜留「……悪いが、そっちは断る。無用の繋がりを作るのは趣味じゃないんでね」

結衣「……っ、そうですか。まぁ別に私は元からどっちでも良かったですけど」フン

夜留「そうかい。それじゃあ……行くぞ!」ダッ


四雫「……どうやら、向こうは協力の方で話がまとまったみたいですね」

葛斎「来ますわっ!」

葛斎(向こうの少女は問題じゃありませんわ。おそらく分身する能力なのでしょうが、女児が何人居ようと所詮は女児。それに物量に頼る戦いならこっちの『妄想姉妹』達に分がありましてよ!妹達もゆりあさんを守るためなら自発的に戦ってくれるはずですわ……!)

葛斎(問題はあっちの『硬貨を発射する』男……あちらは……)

葛斎「三夏さん!他の動ける人であの少女の相手を!男の方はもっかい私がお相手いたしますわ!」ポンッ

三夏「……分かった!一花!二葉!あと六夢!ちょっと姉ちゃんのこと頼む……他の奴らはあのがきんちょの相手だ!」ダッ

四雫「姉上と出会うまでに身につけたこの力……全ては姉上のために!」

五樹「できるかな、私に……ううん、やらなくちゃ!」

七音「……お姉ちゃんの所には行かせない!」


結衣U(来た……!大丈夫。タイミングが合えば、さっきみたいに殺せる。私が何人か殺せば、もう一人の私が抜けて、本体を殺してくれるはず……!)

結衣U(タイミング。相手が私から3m以内に入るタイミング。そのタイミングにさえ気を付けていれば……)


ビュンッ


結衣U「え……」
78 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:28:41.49 ID:mKpXRnXW0
夜留「俺の相手はまたお前か……今度はどうなるかな!」バッ

葛斎「行きますわよ!付喪神・カッター!」

夜留「『偽造通貨』!」ギャリィンッ


ドシュッ


葛斎「うっ……ぐぅ……っ!まだまだぁ!」グラッ

夜留(こいつ……刃を飛ばさない。それどころか、カッターで俺の弾丸をはじき飛ばすことすらしない。どっちもビル街ではできてたはずだ)

夜留(さっきの戦闘でよっぽどMPが削れたか……最早近くで浴びせる一振り分しか残っていないんだろう)

夜留「はっ……そんな状態でどこまで俺に近付ける!」ギャリィンッ

葛斎「うぐぅっ!」ドサッ

夜留(当たり所が悪かったか、元々体力がないのか、もう膝をつきやがった。あと二、三発撃ち込めば殺せる……!)

夜留(いや……待て。戦闘になれば、こうなるのはあいつも分かっていたはず。だがこいつは逃げるどころか俺へ迷いなく向かってきた……まさか、さっきみたいに何か策を……?)ピタッ

葛斎「ぐっ、また、バレてしまったよう、ですわね……?」

葛斎「ですが!今回のタネはバレても問題のない奴でしてよ!」ビシッ
79 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:29:09.79 ID:mKpXRnXW0
ビュンッ


三夏「……よぉ」ザッ

夜留「なっ……!?」

夜留(こいつ、いつの間に俺の後ろに!?もうあの少女を片付けたのか!?いやそれよりも、なんてスピード……!)

葛斎(私の能力で浮かせていただけの刃とは違う……『付喪神』の本能力により、元々三夏さんが持っていた『動く力』が強化されているのですのよ!)

葛斎「避けれるもんなら避けてみなさい。ですわ……!」ニヤッ

三夏「らぁっ!」ブンッ


パゴォッ


夜留「ぐっ……おぉぉおぉ……!」ズシャアーッ

夜留(体ごと吹っ飛ばされた……!なんて威力の蹴りだ……!普通の人間の蹴りじゃない!明らかに異能によって身体能力が強化されている!)

夜留(こいつを生んだ能力の追加効果……?いや、こんな兵器みたいな人形を七体も、全MP消費したって創れるわけがないし、もしそうならさっきの戦いでカッター女に頼る必要はなかったはず。だからこれはカッター女の能力……)

夜留(カッターの刃渡りや硬度を強化したり、人形の身体能力を高めたり……そうか、あいつの能力は『強化』!刃を浮かせて操るのはその応用か!)

三夏「追撃行くぞぉっ!」ダンッ

夜留(まずい!)
80 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:29:35.13 ID:mKpXRnXW0
三夏「うおおおおっ、お?」ズルッ

三夏「あばっ」ベチッ

夜留(転んだ……?やはり時間制限付きの能力か!)

三夏(もう十秒か……短ぇ!)グッ

夜留「ぐっ……」ブルブル

夜留(衝撃で目が眩む……だが、かろうじて意識はある。立ち上がるのは難しいが、奴らも瀕死!ここから動けなくても、『偽造通貨』が発動できれば……!)

葛斎「……どうやら、蹴られたショックで意識が朦朧としているようですわね。あなたの倒れているその場所に、影が差していることにお気づきでないのかしら!?」

夜留(……影…………爆撃か……!)フラッ

夜留(クソ、逃げれない……!やっぱりこのイベントは、俺にとって……!)


ドカーンッ!



漆崎 夜留:死亡
81 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:30:17.36 ID:mKpXRnXW0
葛斎「……倒した……」バタッ

三夏「お、おい大丈夫かあんた!」

葛斎「千円ほどいただきましたが……まぁ、縛っておけばあと数十分は余裕でしょう。あなたのお姉ちゃんよりは……あの少女の方は?」

三夏「あぁ、あいつらは一発ずつ殴ったきりだよ……早くしないとおっさんの所に行く前に十秒切れそうだったし……でももう、一日目終わるまでは起きないんじゃないかな」


結衣・結衣U「う……あ……」


葛斎「そうですか……それじゃあ、あとは爆撃を躱し続ければ、それで……」ガクッ

葛斎「……ごめんなさい。ちょっとおぶってくださる?」

三夏「……あたしがあんたから宝石を奪い取れば、うちの姉ちゃんが優勝だ……あたしが裏切るとは思わないのか?」

葛斎「ゆりあさんは、妹達に恥じぬ姉であるために私を絶対に裏切らないと言った……そんなゆりあさんの理想の妹であるあなたも、きっと姉に恥じぬ妹でありたいで想っている……そうですわね?」

三夏「……大正解」ヨッコラショ

葛斎「分かるんですのよ……家族に恥じない自分でありたいという、その想いは、私にも……」

葛斎(おじいちゃん……)
82 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:30:48.71 ID:mKpXRnXW0
天界・休憩室



ゆりあ(体が冷たい……これが……死……?)



1.マジで死!両腕切られて失血死しないわけないだろ。
2.ギリギリセーフ!妹達を遺して一人逝くわけには行きませんぞ!

どっちだった!?1、2番のどっちかから選んでね!



ゆりあ「もちろん2ですぞーっ!?」ガバッ

ゆりあ「……ん、ここはどこ」

一花「お姉ちゃんっ!」ムギュッ

ゆりあ「おっほう!」ムギュッ

ゆりあ(……あれ?腕がありますぞ。私は確か……)

天使「目覚めたか。バトルロワイヤル一日目、お前はギリギリ生き延びた。傷は治しておいたから、明日までここで休んでろ」

二葉「本当に……良かったよ〜」ダバァ

四雫「よくぞ生きて舞い戻られました、姉上……!」プルプル

五樹「おかえり……お姉ちゃん」グスッ

六夢「よかたね〜」

七音「お姉ちゃぁん……っ」

ゆりあ「皆……そんなにお姉ちゃんのことを……!お姉ちゃんは感動……ん?」

ゆりあ「……三夏はどうしましたかな?」キョロキョロ

ゆりあ(まさか私が気を失ったあとに……!)
83 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:31:14.25 ID:mKpXRnXW0
四雫「三夏ならば……おそらく葛斎殿と一緒に居るものかと」

ゆりあ「ファッ!?」

四雫「どうやら私達のような『能力によって生み出された存在』は道具としてカウントされるらしく……その日の最後に触れていた参加者の持ち物として翌日まで持ち越されるようです」

五樹「三夏ちゃんは最後葛斎さんのことおぶってあげてたから、多分葛斎さんの持ち物ってことになったんじゃないかな……」

ゆりあ「『道具』、『持ち物』……我が可愛い妹達をそんな風に!ちょっと天界さんサイドとは話し合う必要がありそうですな……!」

四雫(そうでなければ三夏に『付喪神』をかけることも、こうして姉上と同じ部屋に持ち越されることもなかったでしょうし……これで良かった気も)

ゆりあ「いや!それも重要なことですぞなもしが!葛斎殿と三夏が二人きりですと!?」

ゆりあ「N T R では……!?」

ゆりあ「どうやら明日、話し合わなければならない相手はもう一人居るみたいですな……!」
84 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:31:41.35 ID:mKpXRnXW0
天界・休憩室



シュンッ


三夏「んおっ。どこだここ」

葛斎「ここは……?」

天使「よぉ、一日目生存おめでとう」

葛斎「あ……撃たれた傷が治って……」

天使「一日ごとに参加者の傷は修復される。じゃなきゃ生かさず殺さずが強すぎるからな。うちの神様はそんなつまらない展開は望んじゃいないんだ。そいじゃ、明日まではここで休んでな。私は街を修復してくる。厄介なイベントのせいで街中がめちゃくちゃだ……」ブツブツ

三夏「だってよ。良かったな」

葛斎「ふぅ……終盤は満身創痍でしたが、なんとか勝ち残れましたわね……!」

葛斎(MPが足りない明日はもっと厳しくなりますわ……このままではいけませんわね)

葛斎(例えば今日……二度もあの男に私の策を看破されてしまいましたわ。私の表情が原因で)

葛斎「ポーカーフェイスなんて、昔は大の得意でしたのに……」

三夏「あぁ……今日見せてもらった手品もあれだったな。あんたの視線のせいでどこにタネがあるか丸分かり」

葛斎(そしてそれを隠そうとして余計に失敗してしまう……)ズーン

葛斎「三夏さん!ちょっと私の手品特訓に付き合っていただいてもよろしくて!?」ビシッ

三夏「休めって言われたばっかだけど……元気なのはいいことだよな!付き合うよ!」ビシッ



『柏手 葛斎』『姉帯 ゆりあ』が1ポイントずつ獲得!

異能力者七人のバトルロワイヤル!一日目が終了した!
85 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:32:07.29 ID:mKpXRnXW0
一日目終了・現状



1.柏手 葛斎

ポイント:1
M  P:10
登  録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター



2.イット

ポイント:0
M  P:60
登  録:なし
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)



3.姉帯 ゆりあ

ポイント:1
M  P:0
登  録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし



4.善夜 小尋

ポイント:0
M  P:90
登  録:なし
持 ち 物:ナイフ



5.後藤結衣

ポイント:0
M  P:40
登  録:なし
持 ち 物:分身一体(MP70)



6.ゼーレ・フォン・ロックウッド

ポイント:0
M  P:100
登  録:なし
持 ち 物:なし



7.漆崎 夜留

ポイント:0
M  P:90
登  録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札
86 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:32:41.27 ID:mKpXRnXW0
天界・振り返り



神様「『柏手葛斎』『姉帯ゆりあ』が一日目の獲得者か……」

天使「開始早々にチームを組めたのが良かった感じですね」

神様「ゆりあが開幕早々MPを使い切ったのは驚きだったけど、その数の差が活きる所もあったよね。最後とか、地味だけど気絶したゆりあを運ぶ所も妹がいなければゴタついてただろうね。葛斎は身体能力が絶望的だから」

天使「だとしても七人も一気に具現化する必要はなかったと思いますが……」

神様「まぁそれでも安定感のある勝利ではなかったよね。チームの二人ともが瀕死になってMPもほぼ使い切ってのギリギリの勝利だった」

天使「逆に言えば、他の参加者総出で挑んでも削り切れなかったとも言えますね。『善夜 小尋』がほぼ関係ない所で死んでましたが、もっと狡猾に立ち回っていれば彼が最後の一押しになってたかもしれません」

神様「今回は二人以外の参加者が個々で動いてた印象があるね。他の参加者同士でもっと連携が取れてれば……チームを組むとまでは行かなくても、状況を利用するとかさ」

天使「それを狙える場面が少なかったようにも思えます」


神様「今日の決め手は、さっきも言ってたけど小尋が結衣に殺された所かなー」

天使「あそこで結衣が協力に応じるか、小尋が矛を収めていれば……」

神様「特に後者なら葛斎・ゆりあチームが勝つのは難しかったんじゃないかな。『心音零』の解除後加速なら強化された妹相手にも……勝つとは言わずとも、時間制限まで凌ぐか逃げるかはできそう」
87 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 14:33:30.56 ID:mKpXRnXW0
天使「明日は誰が勝つと思いますか?」

神様「……さぁー……?MPが切れかけだし他の参加者から警戒される葛斎・ゆりあチームが一段厳しいと思うけど……他の奴らはどいつもそこそこやれそうだと思う」

神様「強いていうなら小尋も無理かなぁ……彼はちょっと性格がバトルロワイヤルに向いてないよね。物事を大局的に見ることができないタイプというか」

天使「それは人生に向いてないと思いますけど」

神様「さて。皆は明日、誰が宝石を獲得すると思う?」

天使「……?皆?」

神様「順位予想最下位ボーナスゲーム!」テテーン


神様「今から皆に明日の勝者予想を書き込んでもらうよ!」

神様「被りは除外して、六人の名前が出た時点で予想締め切り!」

神様「最後まで名前が出なかった……つまり勝ち目がないと予想されている参加者にはボーナスをあげるよ!」

天使「マリパでお馴染みの奴ですね」

神様「あげるボーナスはまた安価で決めるよ!はい!勝者予想開始!」



1.祖父っ子手品師『柏手 葛斎』
2.黒づくめ辻斬り『イット』
3.妹好き変態淑女『姉帯 ゆりあ』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』

上記の七人の中から『こいつが勝ちそう』と思う奴を選んで書き込んでね!
(書き込む時はそう思う理由も一緒に書くと楽しいぞ!)
(被りを除外して、六人の名前が書き込まれた時点で予想を締め切って、ボーナスを決めるタイムに突入するぞ!)
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 14:49:38.24 ID:kzRhA9Djo
3
変態は強いんだ
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 15:13:03.03 ID:KTfXdQevO
7飛び道具持ちはやっぱり強いし
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 15:33:54.04 ID:2dFtvsrEO
2
スペックなら一番高い
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 15:39:37.49 ID:EtWTWcEd0
5一撃必殺持ちは強し
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 15:41:19.96 ID:3foaN8pz0
5
色んな場所に分身を出すのは強いと思う(相手の体の中とかはとくに)
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 15:51:02.86 ID:IgFEvZKVO
1武器や道具を強化するのは強い
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 16:15:47.35 ID:J7LLaXomO
4次は学習して潜伏してくるはず
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 16:26:35.38 ID:4MJNIx3N0
4 気づかれずに近づける工学迷彩は強し鎖鎌みたいな投擲武器持ってたらいい感じの隠密
96 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 16:40:08.03 ID:f18uR/Zb0
神様「はい!六人の名前が出ました!予想締め切り!」

天使「最後まで名前が出なかった……勝ち目薄と思われる参加者は『6.ゼーレ・フォン・ロックウッド』となりました」

神様「まぁ今日一番最初に死んだし、分かりやすくいい所なしだったしねこいつ」

天使「死亡間際に葛斎・ゆりあチームに特攻し、策を一つ引き出すなど立ち回りは最善を尽くしていたように思えますが……いかんせん、能力がピーキーですからね」

神様「はい!というわけでゼーレくんにボーナスをあげたいと思います!」


ゼーレの身に『下1〜3』のどれかが起こった!
(起こるボーナスを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物、ボーナスにならない物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 16:45:22.75 ID:J7LLaXomO
2日目開始時に好きな相手と同じ初期位置に出現できる
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 16:46:36.33 ID:kzRhA9Djo
一度だけ死の運命をなかったことにする
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 16:48:39.40 ID:EtWTWcEd0
初回限定でMP50で支配者を使用可能
100 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 23:06:18.95 ID:f18uR/Zb0
神様「ボーナスルーレット決定!天使くん。ダーツを」

天使「はいはい」ガラガラガラ

天使「ほっ」ギュルンッ

神様「行くぞ〜」



次のレスのコンマが

01~33で『2日目開始時に好きな相手と同じ初期位置に出現できる』
34~66で『一度だけ死の運命をなかったことにする』
67~99で『初回限定でMP50で支配者を使用可能』
00は全部
101 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/04(日) 23:06:46.21 ID:f18uR/Zb0
神様「とぉっ!」トスッ
102 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/05(月) 00:46:45.80 ID:wY3HEyIy0
神様「ボーナス決定!」

天使「『2日目開始時に好きな相手と同じ初期位置に出現できる』……ですね。ちょっと説明してきます」


シュンッ


ゼーレ「おっと、ここは……?」スタッ

ゼーレ(私はさっきカッターを使う女性に切り裂かれて……)

天使「バトルロワイヤルの一日目は既に終了した。暫定最下位はお前っぽい……ということでお前にボーナスを授ける」

ゼーレ「ボーナス……!そのようなことはルールに記載されていなかったはずですが」

天使「まぁこっちも明確な判断基準があって『最下位』を決めてるわけじゃないから、ルールに書いても混乱の方が大きいだろうと判断した。変にボーナス狙いですぐ自滅する奴が出てきても興冷めだしな。隠し要素ってやつだ」

天使「はい。というわけでお前に授けられるボーナスはこれ『2日目開始時に好きな相手と同じ初期位置に出現できる』……お前の記憶から候補を並べた。この内から好きなの選べ」


1.妹囲いの女
2.硬貨を発射する男
3.カッター使いの女
4.軍服の女
5.知らない奴A
6.知らない奴B
7.このイベントをスキップする


ゼーレ(ふむ……1番と3番はチームを組んでいたようなので懐柔は難しいでしょう……2番の人も、今日のあの態度を考えると望み薄……)

ゼーレ(5番、6番は未知。故にリスキーだとなると4番かイベントのスキップ……)

ゼーレ(4番の軍服の女……確か彼女はチームの二人と戦う際、何の能力の展開もせず突撃していた……おそらく相手に近づかねば発揮できない能力)

ゼーレ(となれば、展開次第ではこちらも相手に触れる機会もあるか……これも賭けではありますが、他の選択肢と比べれば分は格段に良い)

ゼーレ(イベントのスキップもいいかも知れませんが……私は今日MPを一つも消費していないため、明日の開始時に保有限界の150を迎える。明後日の回復分を受け取るために、今日能力を使うことは確定していると言っていい。それをわざわざ後回しにすることもないでしょう……)

ゼーレ「4番の軍服の方と同じ場所へ」

天使「了解」スッ

神様「話は終わった?よし、じゃあ天界パート終わり!二日目開始!転送!」バッ
103 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/05(月) 00:47:31.95 ID:wY3HEyIy0
路地裏・西



イット「……っ!?」シュンッ

イット(なんだ!?私はさっきまでビル街に、そして殺されて……)パカッ

イット(レーダーの時刻は『11:00:04』……バトルロワイヤルの二日目が始まったということか)

ゼーレ「おや……」ザッ

イット(……!他の参加者!)バッ

ゼーレ「こんなに早い段階で他の人間と出会うとは。奇遇ですねぇ……」ニコッ

イット(こいつ……確か昨日、私が知る中では真っ先に死んだ男)

ゼーレ「奇遇ついでに、少しお話でもしませんか!」

イット「お話……?時間稼ぎか何かか。悪いが付き合ってやるつもりは……」

ゼーレ「……ふふっ」ニコッ

イット「……!?」ピタッ

イット(何故笑う……?まさか、今のは私に仕掛けさせるための挑発……?いや、考えてもきりがないな。まぁ、どうせ真っ先に落ちた雑魚だ。多少時間を与えた所で何もできないだろう)スッ
104 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/05(月) 00:48:02.59 ID:wY3HEyIy0
ゼーレ「……ではいきなりですが。私の願いはずばり、世界平和です!そのためにこのバトルロワイヤルを勝ち抜くつもりです。どうでしょう、もしあなたも私と同じ志を持つのなら……」

イット「ふん。残念ながら真逆だ。私の願いは戦争の継続!お前とは敵対するしかないようだ」

ゼーレ(想定内。軍人など余程の戦争嫌いか戦争好きしか居ないものですからね)

ゼーレ(相手が戦争嫌いのようならその甘さに付け入ればよし。戦争好きというのなら、それはそれでやりようはある)

ゼーレ「戦争は経済と技術を進歩させるから……ですか?」

イット「……なんだ?平和主義者らしからぬ発言だな。悪いが私はそんなものに興味はない」

ゼーレ(はずしましたか)

ゼーレ「では、戦っている時にこそ生を実感できるとか」

イット「そうだな。その通りだよ。だから私は戦争が好きなんだ」

ゼーレ(……これも違いますね。本性を言い当てられれば、動揺が現れるはず。ただ表面上は肯定したということは、部分的に正解、部分的に不正解ということ……これが当てはまるのは)

ゼーレ「戦争の中にしか自分の居場所がないと感じているから……ですね」

イット「!?」
105 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/05(月) 00:48:45.04 ID:wY3HEyIy0
イット「な、何を……」

ゼーレ「隠しても無駄です。あなた自身が一番それを理解しているはずなのですから」

イット「わ、私は……」ジリッ

ゼーレ「その上で、もう一度提案させていただきます。私と一緒に、世界平和を目指しませんか?」

イット「私に協力しろと……?断る!信用できるか!」

ゼーレ「…………信用ならないというのなら、こうしましょう」ビリッ

イット(自分の服を破いて、その布片で目隠しを……)

ゼーレ「見ていましたよ。あなた、おそらく相手に近づかなければ発揮できない能力ですね?……ならば、私はそれを承知であなたに腕を差し出します!この腕を握ってください。私を信頼できないなら、そのまま殺せばいい……ただ、もし信頼してくれるのであれば、この目隠しを取ってください」

イット「なっ……何故私にそこまでする!バカなのか!?私は、自分のためだけに戦争を願っている女なんだぞ!」

ゼーレ「いいえ。世界を変えるためにはあなたのような人間にこそ、協力していただきたい!」

イット「……本気か。本気で私を必要だと……」フラッ

ゼーレ(随分と読みやすくなった。なんと言って欲しいのか丸分かりですね)

ゼーレ「もちろん!皆さんの協力なくして大願は成就しません!私には、あなたが必要なのです!」

イット(……あるのか?望んでも、いいのか。血生臭い戦場以外に、私の居場所を……)スッ


ギュッ


イット(久しぶりだな……人の手を握るなど……)

イット(どうする……こいつを殺すか、殺さないか。信じるのか、信じないのか……私は……!)ブルブル

ゼーレ(随分迷っているようですね……まぁ、もう関係ないのですが)
106 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/05(月) 00:49:12.14 ID:wY3HEyIy0
シュルッ


イット「え……」

イット(手が勝手に、この男の目隠しを解いた……?)ゾクッ

ゼーレ「おお……!私を、信じてくださったのですね……!」

イット(そうか……私はこの男を信じたのか。信じることが……できたのか)

ゼーレ「私の名前はゼーレ・フォン・ロックウッドです」

イット「ゼーレ……私は、イットだ」

ゼーレ「よろしくお願いします、イットさん。あなたは今日から、私の『お友達』です」ニコッ



一方その頃、『下1』と『下2』が出会っていた!

1.祖父っ子手品師『柏手 葛斎』
3.妹好き変態淑女『姉帯 ゆりあ』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』

誰と誰が出会った!?1番、もしくは3〜7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(6.『ゼーレ・フォン・ロックウッド』と出会った場合、同時に『イット』とも出会うよ!)
(安価が被った場合、誰も出会わなかった事にするよ!)
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/05(月) 01:00:01.06 ID:KdNmQYGEO
4
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/05(月) 01:04:30.53 ID:zRWDx9rh0
3
109 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/05(月) 23:32:32.50 ID:nK4T1OsQ0
工事現場・北



小尋(バトルロワイヤル二日目開始早々……早速他の参加者を発見したが……)チラッ

ゆりあ「〜」

妹s「〜」

小尋(よりにもよってあいつらか……複数人相手は奇襲しようにも絶対気付かれるし相性悪いんだよな……あれだけ居れば、何人かは後ろを警戒する役だろうし……)

小尋(どうするかな……昨日は藪蛇で死んだし、今日はしばらくおとなしくしてるか……しばらくってどれくらいだ?宝石配り来るまで?イベント来るまで?最後の最後まで?)

小尋(そんなハイエナが通じるかどうか……かといって乱戦をうまく利用するなんてできる気しないしな……)

小尋(あの女達は……もうチーム組んでるから俺とはチーム組んでくれないだろうし……っていうか、中学生以上の女子は怖いから話しかけたくない)

小尋(いや、そうだよな……あいつらチーム組んでるってことは)

ゆりあ「〜今行きますぞ〜」

小尋(やっぱり……あいつら今からどっかで合流するつもりだな。合流されたらいよいよ勝てん。やるなら合流前だけど……)

小尋(……ま、とりあえず尾行するだけしとくか……折角の情報アドバンテージだしな)
110 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/05(月) 23:32:58.81 ID:nK4T1OsQ0
線路・中央



葛斎「きゃっ」シュンッ

三夏「おっと」スタッ

葛斎(街に転送された……始まりましたわね、バトルロワイヤル二日目!)

葛斎「早速ゆりあさんと連絡を……と思ったら向こうから」プルルル

葛斎「もしもしですわ」

ゆりあ『三夏はそっちですかな!!!???』

葛斎「え、ええ……三夏さんはこっちに居ますわよ」キーン

ゆりあ『ではそこから動かないでいることですな!!今行きますぞぉ!』

葛斎「……どうやら、ゆりあさんはよっぽどあなたのことが心配のようですわね」クスッ

三夏「あたしはあんたのことが心配になってきたよ……」

葛斎「?」
111 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/05(月) 23:33:30.62 ID:nK4T1OsQ0
交差点・c3


夜留「うおっ」シュンッ

夜留(これは……バトルロワイヤル二日目。俺は昨日死んで負けたってことか……)

夜留「やれやれ、勝負っていうのはカードも喧嘩も、甘くないな……どうも」

夜留(さて、情報収集は昨日で大体済んだ。まだ能力の分かってない奴が二人、内一人は姿も見てないが)

夜留(とりあえず真っ先に警戒するべきは『強化』と『人形』の女達のチーム……『強化』のパフォーマンスと『人形』の対応力が合わさると崩すのは難しい……昨日でかなりMPを削ったはずだが、今日の始まりにそれぞれ50ずつ回復されてるからな……少なくとも昨日の半分以上はまだやれるってことだ)

夜留(……だが言い換えれば昨日の半分程度しか使えないということでもある。ここは、前半はおとなしく、後半あいつらが削れた所を狙うか)

夜留(俺以外にも同じ考えの奴が居れば……そいつと即席チームでも組むか、昨日みたいに)

夜留(とりあえず今日はどこか身を隠せる場所で待機。今日生き残るのは、俺だ……!)
112 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/05(月) 23:34:19.07 ID:nK4T1OsQ0
図書館



結衣「わっ」ポフッ

結衣U「瞬間移動……いや、再配置ねこれは。バトルロワイヤル二日目ね」

結衣「……あなた、一回出したらずっと居るのね」

天使「能力で生み出された物は基本『持ち物』扱いだからな」

結衣「やったわね」

結衣U「『持ち物』……ということは、私のMPは回復してないの?」

天使「え?」

天使(……考えてなかった。どっちの方がいいかな)



『天使』が取った行動は『下1』だった!

1.こいつ弱いし、分身体のMPも回復してやるか。
(結衣UのMPが120になる)
2.分身体は参加者じゃないのでMPは回復させないでいいだろ。
(結衣UのMPは70のまま)

どっちだった!?1、2番のどっちか答えてね!下1だよ!
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/05(月) 23:34:49.47 ID:h37QeO8h0
1
114 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/06(火) 14:31:50.29 ID:vAjrDrqo0
天使「じゃ、まぁ……分身体もMP回復するってことで」ファァ

結衣U「やったわね」キュイン
115 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/06(火) 14:32:22.25 ID:vAjrDrqo0
現状



1.柏手 葛斎

ポイント:1
M  P:60
登  録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター

線路・北にて『姉帯 ゆりあ』、『妄想姉妹s』の到着を待つ。



2.イット

ポイント:0
M  P:110
登  録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)

路地裏で『ゼーレ・フォン・ロックウッド』と一緒に行動している。



3.姉帯 ゆりあ

ポイント:1
M  P:50
登  録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし

『柏手 葛斎』の所へ工事現場・北から移動中。



4.善夜 小尋

ポイント:0
M  P:130
登  録:なし
持 ち 物:ナイフ

モザイク状態で『姉帯ゆりあ』を尾行している。(気づかれていない)



5.後藤結衣

ポイント:0
M  P:90
登  録:なし
持 ち 物:分身一体(MP120)



6.ゼーレ・フォン・ロックウッド

ポイント:0
M  P:50
登  録:『イット』
持 ち 物:『イット』

路地裏で『イット』と一緒に行動している。



7.漆崎 夜留

ポイント:0
M  P:140
登  録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札

交差点・c3からどこかへ移動中。



そんなこんなでついに午後零時!『宝石配り』の時間に!宝石を受け取ったのは『下1』と『下2』だった!

誰と誰だった!?1〜7番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!
(安価が被った場合、一人が二つの宝石を受け取った事にするよ!)
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 14:50:30.12 ID:qPMXxl9Wo
3
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 15:25:53.92 ID:NRffvKX6o
7
118 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/07(水) 17:41:10.49 ID:qiHs+Q240
学校



ゆりあ「ぬおおおお」ゼェゼェ

七音「ちょっとお姉ちゃ……ちょっと休んだ方が、走りっぱなしだと体力もたないよ……」ハァハァ

ゆりあ「ぐぅ……!ですが、こうしている間にもあたしの三夏が……バスケ部主将天真爛漫元気っ子の三夏が……っ!」

天使「ほい、宝石」ポイッ

ゆりあ「はい」パシッ

四雫「姉上、宝石を持ったからにはここで立ち止まるべきです!宝石を持った状態でもう一つの宝石以外の場所へ動けば、他の参加者にチームの合流が済んでないことを悟られます!ここは宝石に当選していない向こうに来てもらうべきです!」

ゆりあ「そんな物……!妹を見捨てる理由にはならないですぞ!」カッ

四雫「さすあね!」

ゆりあ「ぬおおおお今行きますぞぉ〜!」スタコラ

六夢「むぇ〜……」ヘロヘロ
119 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/07(水) 17:41:39.29 ID:qiHs+Q240
商店街・東



夜留「さて……ここらへんが隠れるには丁度いいかな……」ザッ

天使「おーい」

夜留「ん……宝石配りか」

天使「ほらよ。今日はお前が当たりだ」

夜留「ほぉ……こりゃラッキー……」

夜留(……か?今日はここで終盤まで潜んでるつもりだったが、位置のバレる宝石を持ってちゃそれができない……)

夜留(もう一個の動きは……別の場所に真っ直ぐ向かってる。今の段階でどこか向かう場所がある奴は限られてくる。つまりチームの合流がしたい奴……あの女二人の内どっちかってことだな)

夜留(普通の奴ならチームを警戒するから、より俺から宝石を奪おうって輩が増えるわけだ)

夜留(ならばどうする。ここに宝石を捨ておいて別の場所へ逃げるか。いや、流石にそれは無駄が多い……じゃあ何もせず奪いに来る奴を返り討つか。まぁ負けることはないだろうが……怪我の一つや二つ負わないこともないだろう。本命の女二人との戦いの前に負傷は避けたい)

夜留「よし……ならここは……」ダッ
120 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/07(水) 17:42:04.55 ID:qiHs+Q240
図書館



結衣「天使さん。私達の宝石は」

天使「はずれ」

結衣「また……?天使さん、私達ちょっと不遇じゃないかしら」

天使「さっきちょっと優遇してやったろ」

結衣U「宝石の反応は……関係のない所に走ってる宝石が一つあるわね」

結衣「おそらくチームの合流中なのでしょう……『人形使い』さんか『強化』さんのどっちかってことよ。その二人には勝てそうもないし……行くとしたらもう一個の宝石ね」

結衣U「……もう一個の宝石も関係ない所に走ってるんだけど」

結衣「……!これじゃどっちがどっちか分からないわね……どうしましょう」ムムム
121 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/07(水) 17:43:19.48 ID:qiHs+Q240
公園



小尋(あーなるほど。こうすりゃどっちがっちか分かんないのか。向こうの宝石に当たった人頭いいな)

小尋(まぁ、俺はこっちがチームって分かってるから、俺には無意味な小細工だけど)タタッ

ゆりあ「ぬおおおお」

小尋(そういや……あいつ昨日も宝石持ってたよな。いや『カッター使い』が持ってたのかも知れないけど、チームの内どっちかが当たってたことは間違いない。運良いな……ズルっ)

小尋(っていうかこいつら結局昨日ポイントゲットできたんかな……一応レーダーには1ポイント獲得した奴が二人って出てたけど、その二人がこの二人だとは限らないし)

小尋(でもなんとなく俺を殺したメスガキには負けてて欲しいな……まぁそこら辺も尾行してたら分かるだろ、その内)
122 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/07(水) 17:43:49.83 ID:qiHs+Q240
路地裏・西



イット「別方向に動く反応が二つ……」

ゼーレ「どちらかがチーム。どちらかが単独ということですね」

ゼーレ(チームの二人は合流前に戦いたい所ですが……この距離ではどちらも、合流前に叩けるかどうかは五分五分といった所……それを考慮するなら……)



ゼーレが取った行動は『下1』、結衣が取った行動は『下2』だった!

1.東側(『漆崎 夜留』が居る方向)の宝石へ行く。
2.西側(『姉帯 ゆりあ』が居る方向)の宝石へ行く。
3.どっちにも動かない。

どれだった!?1〜3番から選んでね!下1と下2の二人に安価を取るよ!

また、安価が『2.西側』だった場合、それぞれ行動の結果も『下1』、『下2』のコンマで決定します。

00~49で合流前の『姉帯ゆりあ』と会敵。
50~99で合流後の『葛斎・ゆりあチーム』と会敵。(もう片方が合流前に会敵していた場合、戦況に依る)
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/07(水) 17:44:13.77 ID:KLby6n43O
1
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/07(水) 17:49:25.76 ID:mSmc/tNcO
1
125 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/08(木) 23:04:26.30 ID:O7oxPH860
線路・中央



ゆりあ「ただ今参上ですぞーっ!」ズサァーッ

葛斎「お、来ましたわね」

ゆりあ「……れろ」

葛斎「……何か言いまして?」

ゆりあ「今すぐ三夏妹から離れろっつってんだ、聞こえねえのか三下ぁッ!!!」

葛斎「ひっ!?な、なんですの……?急に大きな声出さないでくださいまし……」プルプル

三夏「あれだよ。あたしとあんたが仲良くしてるから嫉妬してんだ姉ちゃん」

葛斎「嫉妬……?確かに、三夏さんには昨日一晩中(手品の練習に)付き合ってもらいましたけど……」

三夏「葛斎さん、走るのとかはダメダメなのに、あれの体力だけはすごかったな」

ゆりあ「っぴぎゃあああ!聞き捨てなりませんぞぉぉおぉおお……柏手!葛斎!」ガシッ

葛斎「はい!」ビクッ

ゆりあ「あたしの妹になりませんか……?」ニヘラッ

葛斎「!?!?!?」

ゆりあ「お姉ちゃん、NTRは駄目でも妹同士の百合は許せる派なんですな!」ババーンッ

葛斎「ド変態ですわーっ!?」


やんややんや


小尋(こっちは無事合流成功……と。線路の上なんて開けた空間に、モザイク化の俺以外で隠れられる奴なんて居ないだろうし……他の参加者は動いてないかもう一個の宝石に集まったって感じか)

小尋(ってことは、今頃向こうは……)
126 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/08(木) 23:04:57.26 ID:O7oxPH860
ビル街・北



ゼーレ(ここを曲がった先に宝石があるはずですが……)スッ

イット「誰も居ない……?」キョロ

イット(宝石だけが道の真ん中に落ちている。他の参加者に追われるのを嫌って自ら手放したか……)

ゼーレ「罠か……といった所ですね」

ゼーレ(そしてこれは十中八九……)

イット「!」チャキッ

結衣「……!」ザッ

結衣U(宝石だけ落ちてる……?更にその向こうには他の参加者!しかもチーム!?)

結衣(確か軍服の人は『触った物を切る能力』で、もう一人は……まだ分かんない)

イット「ここに宝石を置いたのはお前か!?」

結衣「……さぁ、どうでしょうね」

ゼーレ(……これはまた扱いやすそうなお嬢さんですね。まぁ、子供なんていうのは元より扱いやすいものですが)

ゼーレ(ああいう虚勢を張るのがクセになっているタイプは、心根では心細さを常に感じている。そこを軽く撫でてやればいい)

ゼーレ「私の名前はゼーレ・フォン・ロックウッド!お嬢さん、私と協力しませんか!?」

イット「!」

結衣「……!?」
127 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/08(木) 23:05:22.70 ID:O7oxPH860
結衣「協力って、そんないきなり……というか、あなた達は既にチームなのでは!?」

結衣(一日に配られる宝石は二個まで……つまり、どう頑張っても一度に優勝できるのは二人まで!三人のチームは成り立たない!)

ゼーレ「問題ありません!私とこちらのイットさんの願いは同じく世界平和!私かイットさん、どちらかが優勝できれば、もう一人の優勝者はあなたでも構わない!さぁ、あなたの願い事はなんですか?」

結衣「……友達の……顔の傷を、消してあげたい、です」

ゼーレ「……素晴らしい!友達想いのあなたとは、良いチームになれそうです。どうですか?是非、私達とチームに」

結衣「……い、いいでしょう!あなたと協力してあげます!」

イット(仲間が増えた……だが、なんでだ?達成感や、嬉しさが全くこみ上げて来ない……これで世界平和に一歩近づいたというのに、何か重大なことを見落としているような、うすら寒い違和感がある)

イット(このままじゃいけない……何がだ?……嫌な気分だ)
128 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/08(木) 23:05:53.13 ID:O7oxPH860
ゼーレ「ありがとうございます!では早速チームプレイと行きましょう!ここに宝石を仕掛けた人間を探し出します!お嬢さん、名前は?」

結衣「結衣……後藤、結衣です」

ゼーレ「では結衣さんは東側を!私は西側を調べます。あの宝石が罠なら、仕掛けた人間が近くに潜んでいるはずです!」

結衣「分かりました!」タッ

ゼーレ(さて、このビル街には私も一度訪れたことがある。あの位置にある宝石を横から狙うとしたら、その場所にも目星が付く。おそらくこちらに……)


夜留(ちぃっ……両方に争わせて、削れた所を横からって腹積もりだったのによぉ……)

夜留(舌と頭の回る奴だ。昨日はすぐさま殺しておいて正解だったな)

夜留(さて……どうする?おそらく俺が潜んでいるこの場所もほぼ把握されてるだろう。ここは……)



夜留が取った行動は『下1』だった!

1.その場に残って戦闘!折角チームがばらけてくれたんだ、返り討ちにしてやる!
2.逃げる!ここは初志貫徹、終盤までおとなしくしてよう。

どっちだった!?1、2番のどっちかから選んでね!下1だよ!

また、安価が『1.戦闘』だった場合、行動の結果も『下1』のコンマで決定します。

00~49で生存。
50~99で死亡。
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/08(木) 23:12:14.32 ID:YESPK+kC0
2
130 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/10(土) 18:37:04.19 ID:XRFuZy710
ゼーレ(消去法で考えれば……ここの宝石に当選したのは、結衣さんが言っていた『モザイク化の男』か、『硬貨を発射する男』)

ゼーレ(もし後者なら、遠距離攻撃の利を生かしてあの宝石を罠として利用するはず……射線のことを考慮すれば、おそらくここに……!)バッ


シーン……


イット「誰も居ない……?」

ゼーレ「……いえ、正確には、居なくなった。と言うべきでしょう」

イット(微かに煙の匂いが……煙草か)クン

ゼーレ「私達の会話を聞いてここを放棄した……と」

ゼーレ(昨日の様子を見る限り、好戦的な人かと思っていましたが……中々に用心深い。厄介ですね……)

ゼーレ(とはいえ、これで私のチームは三人。おそらくこのバトルロワイヤルにおける最高勢力。男一人逃した所でどうということはない)

結衣「こっちには居ませんでした……ゼーレさんの方は」タッタッ

ゼーレ「こちらにも居ませんでした。どうやら逃げられてしまったようです」

結衣「そうですか」

結衣U「これから……どうしますか?もう一つの宝石の所へ向かいますか」

ゼーレ「いえ……元の所持者が攪乱のために真逆の方向へ走ったせいで、向こうまでかなりの距離があります。このままでは戦闘中にイベント発生……ということになりかねません」

ゼーレ「こちらが劣勢ならばそれに賭けてもよかったですが、ありがたいことに今は三人チームのこちらが優勢。イベント発生を待って、不確定要素を可能な限り排除した後に戦闘と行きましょう」

結衣「了解です」
131 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/10(土) 18:37:33.90 ID:XRFuZy710
結衣U「そういえば……ゼーレさんの能力はなんですか?」

ゼーレ「……相手に自分の傷を移す能力です。対象に触れないと発動できないので、遠距離の勝負は苦手です」

イット(そんな能力だったのか……ん?)

イット(何故私は、今まで彼の能力を知らなかった、いや、知ろうともしなかったんだ?チームなら真っ先に知るべき情報のはず……)

結衣「あっそうだ。レーダー登録もしておきましょう」ピコン

ゼーレ「いいでしょう。ですがイットさんとは登録しないでください」

結衣「……?どうしてですか?」

ゼーレ「考えたくないことですが、明日、チームとして合流するまえにあなた達のどちらかが他の参加者に敗北する可能性があります。そこでレーダーを奪われてしまうと味方の位置が筒抜けということに……それを避けるためにもなるべく登録は控えてください」

ゼーレ「何、私が両方と登録していれば三人全員で連絡を取ることは可能です」

結衣「はぁ……ならそうします」

イット(違う……少女は気付いていないようだが、さっきの論理には穴がある。ゼーレが最初に死んだ場合を考慮していない……もしゼーレが最初に死ねば、私と少女はチームとして動くことができなくなる)

イット(だが……それを指摘する気には、なれない……なんなのだ、これは……)モヤモヤ
132 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/10(土) 18:38:02.78 ID:XRFuZy710
線路・中央



ゆりあ「妹!妹!」グイグイ

葛斎「向こうの宝石、動きませんわね……」

四雫「先程まではこちらの動きに合わせて別方向へ移動していたようですが……」

葛斎「これは、イベント発生まで動かないつもりですわね……?」

四雫「こちらから行こうにも距離がありますし……イベント次第でどちらが有利になるか分かりません。他の参加者の動きにもよりますが、ここはこちらもイベント発生まで待機するのが得策かと」

葛斎「宝石はこちらにもあるのですし、慎重になって損はない……ですわね」

ゆりあ「妹!妹!」グイグイ

葛斎「うるさいですわ!ちょっとあっち行っててくださいまし!」
133 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/10(土) 18:38:28.89 ID:XRFuZy710
現状



1.柏手 葛斎

ポイント:1
M  P:60
登  録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター

線路・北で『姉帯 ゆりあ』、『妄想姉妹s』と一緒にイベントまで待機。



2.イット

ポイント:0
M  P:110
登  録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)

ビル街・北で『ゼーレ・フォン・ロックウッド』、『後藤結衣』と一緒にイベントまで待機。



3.姉帯 ゆりあ

ポイント:1
M  P:50
登  録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし

線路・北で『柏手 葛斎』と一緒にイベントまで待機。



4.善夜 小尋

ポイント:0
M  P:130
登  録:なし
持 ち 物:ナイフ

モザイク状態で『姉帯ゆりあ』、『柏手葛斎』を監視している。(気づかれていない)



5.後藤結衣

ポイント:0
M  P:90
登  録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:分身一体(MP120)

ビル街・北で『ゼーレ・フォン・ロックウッド』、『イット』と一緒にイベントまで待機。



6.ゼーレ・フォン・ロックウッド

ポイント:0
M  P:50
登  録:『イット』『後藤結衣』
持 ち 物:『イット』

ビル街・北で『イット』、『後藤結衣』と一緒にイベントまで待機。



7.漆崎 夜留

ポイント:0
M  P:140
登  録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札

ビル街から工事現場へ逃走。



そんなこんなでついに午後二時!『イベント』の時間に!『下1〜3』のどれかが起こった!
(起こるイベントを自由に考えてね!出揃ったらその内のどれが起こるかあらためてコンマで決めるよ!)
(描写が困難な物、ゲームに関係がない物、ゲームバランスを著しく崩壊させる物であれば、>>1の判断で再安価とさせていただきます。ご了承ください)
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 18:54:18.96 ID:eEDTErwq0
上空で飛んでる複数の黄色いヘリコプターに監視されてる ヘリの乗員に目視された場合

ビルの巨大モニター、電気街にあるテレビからスマフォに(現在:〇〇は〇〇に居る)と報告される
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 18:58:25.87 ID:xQr6kHaao
今回だけポイント獲得方法が終了時の宝石の所有ではなく終了時に生き残っていることに改変される
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 19:10:55.40 ID:cJ/FX71n0
道路上など外の目立つところに時限爆弾が配置される。破壊不可。持ち運び可能。爆発までの残り時間が表示されていて5分ごとにどこかの時限爆弾が必ず爆発する
137 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/11(日) 16:28:03.69 ID:aMWpj/Cs0
天界・ルーレット



神様「もう二時か。天使くん。ルーレットとダーツを」

天使「はいはい」ガラガラガラ

天使「ほっ」ギュルンッ

神様「行くぞ〜」



次のレスのコンマが

01~33で『上空で飛んでる複数の黄色いヘリコプターに監視』
34~66で『ポイント獲得方法が終了時の宝石の所有ではなく終了時に生き残っていることに改変』
67~99で『外の目立つところに時限爆弾が配置される』
00で全部
138 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/11(日) 16:28:29.66 ID:aMWpj/Cs0
神様「とぉっ!」トスッ
139 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/11(日) 19:55:34.61 ID:iGjXqVss0
線路・中央



天使「イベントは……ポイント獲得方法の改変!今日に限り、生存した参加者のみにポイントを与える!」

葛斎「これは……」

ゆりあ「私達にめちゃくちゃ有利なイベントですな!宝石を所持し続け居場所を晒すデメリットも、もう一個奪いに行かなくてはならないデメリットも無視できますぞ!」

ゆりあ「あとは宝石をポイして適当な場所に隠れていればそれだけで勝ちですぞ!」ダッ

葛斎「そっ、そうですわね!さっさとどこか隠れられる場所に行きましょう!」ポイッ
140 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/11(日) 19:56:03.84 ID:iGjXqVss0
住宅街・南西



四雫「ここをこうして……」パキンッ

三夏「よし!窓が開いた、皆中に!」

ゆりあ「あとはこのお家に隠れてるだけ……こんないっぱいのお家からピンポイントに私達を探し出すなど、あと二時間にも満たない時間内では不可能ですな!」コソコソ

葛斎「これで私達のポイントは2……大勝利ですわ!」コソコソ



小尋(やっべー……)

小尋(昨日の獲得者があいつらじゃないなら、そいつの優勝を阻止するためにもここで隠れてるだけなんてできない。昨日の獲得者はやっぱりあいつら二人だったのか)

小尋(あいつらのどっちかが生きてるだけで、バトルロワイヤルが終わっちまう。今日あいつらを殺すのはマスト!)

小尋(でも……俺の能力じゃ無理だよなぁ。かといって他の奴らが代わりに殺してくれるのは期待できない……だってこいつらがここに居ることを知ってるのは俺だけだから)

小尋(となると……しゃーねぇ、あれ、やるか……)スッ
141 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/11(日) 19:56:38.19 ID:iGjXqVss0
ビル街・北



ゼーレ「生存者にポイントを……!?」

ゼーレ(これは……大変まずいことになりましたね。相手のチームはこれであと隠れているだけで勝利できる。私達はそれを探し出して殺すことができねば、バトルロワイヤルが終了、敗北……)

ゼーレ(距離を置いたままイベントを待っていたのも裏目に出ました……近くなら隠れる所を抑える……あるいはどの辺りに隠れたか目星を付けるくらいはできたはず)

ゼーレ(だがこうも離れていては……何のヒントもない上に、そもそも距離があるせいで探す時間が短くなる)

ゼーレ(探し出すのはほぼ不可能……とはいえ、何もせずに居るわけにはいきません)

ゼーレ「……三手に別れて探しましょう。結衣さんは北西、私は西、イットさんは南西を」

結衣「……はい!」タッ

イット「了解」ダッ

ゼーレ(宝石の反応からして、少なくとも先ほどまでは西に居たはず……それ以上のヒントはない。僅かな可能性に賭けるほかない……!)ギリッ

ゼーレ「やはり性に合いませんね……何かが思い通りに行かないというのは……!」
142 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/11(日) 19:57:14.98 ID:iGjXqVss0
河川敷・中央



結衣(あの二人を見つけないと私達の負け……だけど、本当に見つけられるのかな……街一つ使ったかくれんぼなんて、鬼がめちゃくちゃ不利だと思うけど……)タッ

結衣U(……人影!もしかしてあの二人、いや、あれは……)ピタッ

小尋「うおっ、お前かよ運悪……いや、いいのか」キキーッ

結衣(昨日会った『モザイク化』の人!……けど、モザイクじゃない?)

小尋「よっと」コトンッ

結衣(何か置いた……スマホ?いや、この街にスマホって持ち込めないんじゃ……何かの能力で生み出した?でもあの人の能力って……)

小尋「お前なら、これが罠じゃないって分かるだろ……970306。写真……とメモ……後は任せた!」バビュンッ

結衣「わっ」

結衣(一瞬モザイクになったかと思ったらすぐに元に戻って、すごいスピードでどっか行った……昨日もなんか急に早くなったし、おまけ能力?)

結衣(スマホ置いてったけど……最後に言ってた970306ってパスワード?……罠じゃないだろうし、見てみようかな)スッ

結衣(写真とメモ……これは、二人がどこかの家に入る所の写真!……とそこへの行き方!)

結衣「ゼ、ゼーレさん!」プルルル
143 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/11(日) 19:57:51.02 ID:iGjXqVss0
住宅街・南西



ゼーレ「写真を見る限り……ここ、ですね」ザッ

イット(ここにあの二人が……)

ゼーレ(僥倖でしたね……イベント前から彼女達の位置を把握している参加者がいたとは……)

ゼーレ(再集合に少し時間がかかりましたが、ここを攻め入る時間は十分に残っています……!)

結衣「……どうしますか?家に入るのは確定ですけど、誰が先頭を……」

ゼーレ「そうですね。ここは……『下1』が先頭を務めるとしましょう」



ゼーレが選んだのは『下1』だった!

1.ゼーレ・フォン・ロックウッド
2.イット
3.後藤結衣

誰だった!?1〜3番から選んでね!下1だよ!
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 19:59:23.51 ID:jKGeYqXGO
2
145 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/13(火) 01:07:39.68 ID:ryBaXs7S0
葛斎「新しいカッターに、はさみなんかも使えそうですわね。ホッチキス……はどうでしょう?」ガサゴソ

ゆりあ「むっ、もしかしたら周りに気付かれるやも、屋内とはいえあんまり物音立てない方がよいですぞ」

葛斎「そうは言っても……昨日、カッターに付喪神を使ってしまったので、付喪神を使えるアイテムがないのですわ」

葛斎(『付喪神』を一度使用した持ち物に再度付喪神を使うことはできない……)

葛斎「明日用にアイテムを調達しておかなければなりませんわ」ガサゴソ

ゆりあ「いや、今日でバトルロワイヤルはあたし達のダブルフィニッシュで終了なんですぞ?万が一にも三日目が来るとは……」

四雫「……姉上、こうも同じ部屋に全員が固まっているのは危険です。何人か別室に行くべきかと」

ゆりあ「なんですかな四雫まで……今日はここで隠れてるだけで終わりですぞ!可愛い妹達が戦う必要も準備も必要ないのですな!」

七音「それでも……万が一、万が一もお姉ちゃん達と離れ離れになっちゃう可能性があるなんて……嫌だよ、私」

ゆりあ「……七音……」

葛斎(このバトルロワイヤルが終わって願いを叶える権利がなければ、ゆりあさんと能力によって存在している妹さん達はお別れ……それは必死にもなろうというものですわね)

葛斎(……いや、ちょっと待ってくださいまし。今まで深くは考えませんでしたけど、これってまごうことなき人体錬成ですわね?しかも記憶含めて完全にゆりあさんが創り出したもの……えっと、道徳的にどうなんですの?これ)


ガチャッ


ゆりあ「!」

一花「い、今のって葛斎さん……?」

葛斎「いや、今のは……」

ゆりあ(ここに隠れているのがバレた……!?)
146 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/13(火) 01:08:17.88 ID:ryBaXs7S0
イット(慌てて隠れたのか、土足で廊下や階段を歩いた跡がある。それを辿るに、隠れているのはこの部屋か)グッ

ゼーレ(彼女らの性格上、人形含め全員が同じ部屋に居るはず。そこを一網打尽にしましょう……!)


ゆりあ(足音が扉の前で止まった……)

ゆりあ「葛斎殿……」ボソッ

葛斎「分かってますわ……」

葛斎(相手が誰だか知りませんが、この部屋に踏み込んできた瞬間に、強化カッターでざんばらりですわ!)ゴクッ


ゼーレ『……やはり、あなたの「真上」のようです。それでは、お願いします』

結衣U「了解です……真上に『分身』っ!」
147 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/13(火) 01:08:54.30 ID:ryBaXs7S0
ポポポンッ


結衣V〜X「……」スタタッ

葛斎「っ!?」バッ

葛斎(部屋の中に急に少女達が!?この子達は一体……!)

ゆりあ(全員同じ顔……他の参加者の能力ですかな!?)

イット(こうして扉の前から意識を逸らした所を……)ダンッ

葛斎「しまっ……!」

結衣V(私達の『分身・体内召喚』と……)

イット(私の『一刀絶閃』で……虐殺する!)

三夏「っ!」


ビシャバシャアッ!


イット「……ふん」キンッ
148 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/13(火) 01:09:32.89 ID:ryBaXs7S0
ゼーレ「……いやぁ、あなたに先頭を任せてよかった。できれば明日も、チームに欲しいですね」

イット(……?何か含みのある言い方だな……?)

葛斎「……」ゴロン

イット(ふん……こいつ、服装からして手品師か何かか。手品師が視線誘導に引っかかるとは笑えないな)

葛斎「……う」ピクッ

イット「っ、傷が浅かったかっ!」バッ

葛斎(斬られる直前……誰かに、体を押され……誰に……いえ……今は……!)カッ

イット(こいつ、まだ意識がある……もう体は動かせんだろうが、能力を使われる前に早くとどめを……!)チャッ


ズダンッ!


ゼーレ(後方!まずい、伏兵が……!?)

四雫「はあああっ!」バッ

ゼーレ「ぐお……っ!」バゴンッ

ゼーレ(結衣さんに聞いていた、強化人間ですか……っ!ここまでとは……)

イット「ゼーレ!」

四雫「貴様ああああっ!誰を斬ったああああっ!」ビュンッ

イット(こちらに来る……だが奴の攻撃方法は徒手のみ!ならば問題はない、何も……!)

四雫「はあっ……あっ……!?」ズバッ

四雫(私の手刀が当たる寸前、いや当たった瞬間、腕が……!『付喪神』で強化された防御力を超越している……こいつの能力、斬撃ではなく『切断』か!しかも体に触れるだけで発動する!)

イット「触るもの皆……という奴だっ!」ズバッ

四雫「ぐあっ……」ドサッ

イット「はぁっ……忌々しい、くだらん抵抗を……っ!」ドスッ

葛斎「……っ」ビクンッ



姉帯 ゆりあ:死亡

柏手 葛斎:死亡
149 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/13(火) 01:09:59.16 ID:ryBaXs7S0
イット「ゼーレ!」バッ

ゼーレ「ふぅー……油断、しましたね。彼女らを侮っていました……」ゴフッ

イット(傍から見てあの威力……間違いなく内蔵が潰れている。意識を保っているのが奇跡だ)

イット「私の、せいか……?」

ゼーレ「ふふっ……心配ありません。私達二人の内、どちらかが生きていればよいのですから」


ズクンッ


イット「ごあっ……?」ビシャッ

イット(な、なんだこの痛みは……喉の奥から、血が溢れて、止まらない。痛みで立っていられない……っ)ドサッ

ゼーレ「……よし」スクッ

イット(何故、私が倒れゼーレが立つ……私に傷を転移させたのか……?)

イット「ゼーレぇえ……!」

ゼーレ「……」スタスタ

イット(いや、別に構わないんだ……だって私とゼーレの願いは同じ、だから、生きるのは彼でも……)

イット(……本当に、そうか……?身体、異能、共に勝る私がポイントを獲得しておくべきじゃないのか……?何か反論があるんだとしても、こんな、何も言わず、裏切るみたいに……)

イット(裏切り……いや、それだけはないんだ。それだけは絶対にない。奇妙な確信がある。でも、じゃあなんだ、この惨めな、惨めな……!)

イット「なぁあ……違うだろう……私は、ゼーレは私を裏切ってなんか……なぁ……!」

イット「あぁあ……っ」カクッ



イット:死亡
150 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/13(火) 01:10:33.77 ID:ryBaXs7S0
ゼーレ「お疲れ様でした。上の敵チームは全滅しましたよ」スッ

結衣「ゼーレさん……イットさんは?」

ゼーレ「彼女は……敵チームの抵抗から私をかばって……」

結衣「そう、ですか……」

ゼーレ「いえ、あなたが気にすることはありません。なに、大丈夫ですよ。彼女の願いは私の願い……二人の内どちらかが生きていればよいのですから!」

ゼーレ(……そう、どちらかが)



『善夜 小尋』『後藤結衣』『ゼーレ・フォン・ロックウッド』『漆崎夜留』が1ポイントずつ獲得!

異能力者七人のバトルロワイヤル!二日目が終了した!
151 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/13(火) 01:11:02.65 ID:ryBaXs7S0
二日目終了・現状



1.柏手 葛斎

ポイント:1
M  P:40
登  録:『姉帯 ゆりあ』
持 ち 物:カッター、はさみ



2.イット

ポイント:0
M  P:30
登  録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:軍刀(普段から持っている)



3.姉帯 ゆりあ

ポイント:1
M  P:50
登  録:『柏手 葛斎』
持 ち 物:なし



4.善夜 小尋

ポイント:1
M  P:110
登  録:なし
持 ち 物:ナイフ



5.後藤結衣

ポイント:1
M  P:90
登  録:『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
持 ち 物:分身一体(MP60)



6.ゼーレ・フォン・ロックウッド

ポイント:1
M  P:50
登  録:『イット』『後藤結衣』
持 ち 物:なし



7.漆崎 夜留

ポイント:1
M  P:90
登  録:なし
持 ち 物:五百円硬貨・千円札
152 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/13(火) 01:11:28.51 ID:ryBaXs7S0
天界・振り返り



神様「『善夜 小尋』『後藤結衣』『ゼーレ・フォン・ロックウッド』『漆崎夜留』が二日目の獲得者か……」

天使「大盤振る舞いですね」

神様「大味なイベントだったよね……『葛斎・ゆりあチーム』の居場所が割れなかったら全員ポイント獲得まであったんじゃないの?」

天使「まぁでもその『生き残ればポイント』って前提がなければ小尋も他の参加者に二人の位置を無条件に教える線は薄かったことを考えると……全体で見れば『葛斎・ゆりあチーム』には不利なイベントだったかもしれませんね」

神様「生き残れば勝ちだったけど……自分から閉所に入って、イットと結衣に先手を取られちゃあ……ねぇ」

神様「そこはイットと結衣を同じチームに引き込んでまとめたゼーレがファインプレーだったね」

天使「いかに『葛斎・ゆりあチーム』を倒すという目的が合致してるとはいえイットと結衣が二人で自然に協力していたかどうかは微妙な所ですしね」

神様「となると開始時、イットに『支配者』の発動を成功させたのもかなり大きいか」

天使「更に遡れば彼がボーナスを受け取っていなければこうはなっていませんでした」

神様「一つの行動が全ての結果に作用する。バトルロワイヤルっぽいよねぇ〜」


神様「だけど一番大きかったのは小尋の行動……というか存在、かな」

天使「さっきも少し言及しましたが、彼が『葛斎・ゆりあチーム』を張っていなければ誰にも彼女達を見つけられずバトルロワイヤルが終了してましたからね」

神様「更に言えば彼の能力が隠密系じゃなかったら尾行すらできてないし……おまけ能力の加速状態がなかったら結衣に情報を伝えるのが遅れて『葛斎・ゆりあチーム』を倒す時間がなかったかも」

天使「しかもスマホが能力に組み込まれてなかったら、スマホが使えず今日みたいなスムーズな情報伝達できなかったでしょうね」

神様「こいつ今日のためだけに生まれて来たのかな……小尋というよりは能力の方が大事だったんだけど」

天使「色々なことが嚙み合って一つの結果を生み出す。大味な結果になりましたが、割とバトルロワイヤル要素の強い一日だったんじゃないでしょうか」
153 : ◆R39XEzWXr6 [saga]:2020/10/13(火) 01:11:56.31 ID:ryBaXs7S0
天使「明日は誰が勝つと思いますか?」

神様「三人チームの『イット・結衣・ゼーレ』……と言いたい所だけど、日を跨ぐと状態系の能力は効果が切れる(過去作「3」参照)から、イットへの『支配者』はもう切れちゃうんだよね」

神様「そうなると関係こじれるどころじゃないだろうし……チームとして動けないどころか敵同士になっちゃうから全員厳しいんじゃないかなぁ」

神様「となると……今ほぼ全員ポイントが横並びになって警戒が薄れてる『葛斎・ゆりあチーム』がやっぱり本命……いやそれでも二個も取れるかどうかは微妙か……」

神様「こうなると実は小尋が強いのかな……?最初の宝石配りに当たっちゃえば後は逃げまくるだけでなんだかんだ勝っちゃったり」

天使「一日目と言ってることが違いますけど」

神様「さて。皆は明日、誰が宝石を獲得すると思う?順位予想最下位ボーナスゲーム!」テテーン


神様「今から皆に明日の勝者予想を書き込んでもらうよ!」

神様「被りは除外して、六人の名前が出た時点で予想締め切り!」

神様「最後まで名前が出なかった……つまり勝ち目がないと予想されている参加者にはボーナスをあげるよ!」



1.祖父っ子手品師『柏手 葛斎』
2.黒づくめ辻斬り『イット』
3.妹好き変態淑女『姉帯 ゆりあ』
4.うだつダウナー『善夜 小尋』
5.強がり虚勢ロリ『後藤結衣』
6.腐敗政治と共に『ゼーレ・フォン・ロックウッド』
7.私怨燻る勝負師『漆崎 夜留』

上記の七人の中から『こいつが勝ちそう』と思う奴を選んで書き込んでね!
(書き込む時はそう思う理由も一緒に書くと楽しいぞ!)
(被りを除外して、六人の名前が書き込まれた時点で予想を締め切って、ボーナスを決めるタイムに突入するぞ!)
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:31:37.58 ID:Eteytnumo
5キルポイント高いっすね
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:38:13.34 ID:VAjCFV3mO
6なかなか厄介な能力ですしね
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 01:42:26.17 ID:e65wWGV20
4観察してればきっと勝機はある  ヒーローに憧れる主人公だってそうさ
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 02:05:08.19 ID:Vka1mXG2O
3やっぱ数は強い
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 03:43:55.35 ID:tbvF49/eO
1道具による強化はやっぱり強いし、手品師だから手品を利用して相手を惑わすことができそう
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/13(火) 05:01:24.72 ID:bj0RvloGO
2洗脳解かれたし暴れてきそう
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