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【シャニマス】ティモンディ・高岸「放課後クライマックスガールズ……?」
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19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/22(火) 12:37:23.42 ID:H2stklFso
おつ
きたい
20 :
◆60viGNJ69k
[saga]:2020/09/22(火) 20:22:31.77 ID:mstnRffsO
レスありがとうございます!励みになります
第二編あげていきます
21 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:24:02.34 ID:mstnRffsO
<高岸・初めてのスカウト編>
〜283プロダクション・社長室〜
高岸「おはようございます!」ガチャリ
天井「来たか。とりあえず座れ」
高岸「アイヤァ〜ッ!」ザザッ
天井「床に体育座りをするな」
高岸「すみません! つい条件反射で、やっちゃいました!」
天井「まったく……」
22 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:26:26.59 ID:mstnRffsO
天井「さて、今日は放課後クライマックスガールズ、愛称・放クラの残りのメンバーを探しに行ってもらう」
高岸「探す……つまり、スカウトですね!」
天井「ふむ……お前とちゃんと意思疎通が取れたのは、これが初めてだな」
高岸「では早速、全国の野球部を回って、練習を見てきます!」ダッ
天井「待て」
天井「私の思い違いだったか」ガックシ
高岸「すみません! ご指導、お願いします!」
天井「街中を歩き、ティンときた女の子達に声をかけるんだ」
天井「最初は慣れないだろうが、回数を重ねるうちに女の子の集まる場所や時間帯を覚えて、中にはスカウトを受けてくれる子も出てくるだろう」
天井「物は試しだ、とりあえず行ってこい」
高岸「さすが、社長! チャレンジこそ、成功への架け橋ですもんね!」
天井「ふん……さっさと行け」フイ
高岸「分かりました!」ダッ
23 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:30:45.06 ID:mstnRffsO
〜283プロダクション・事務所〜
智代子「……なるほど。スカウトですか」
智代子「良いなぁ〜……! 私も1回はそういうの、経験したかったなぁ〜」
高岸「じゃあ、一緒に行きましょう!」ニコッ
智代子「あ〜……えっと、違うんですっ!」
智代子「する方じゃなくて、される方が良いなぁ、って意味でした。えへへ」
高岸「そうでしたか」
智代子「でも、行ってみようかなぁ。なかなか経験できないことだろうし……」
高岸「確かに、スカウトはちょっと珍しいもの、ですが!」
高岸「そんなに、すごいものでもないですよ!」
高岸「ナックルボーラーの方が、よっぽど珍しいですから!」
智代子「えっ」
24 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:32:53.59 ID:mstnRffsO
智代子(ナックル……はともかくっ!)
智代子「……プロデューサーさん。もしかして、スカウトされたことあるんですか?!」ズイッ
高岸「はい! 高校のときに!」
智代子「あ、野球のほうですよね……って、アイドルより更にすごいんじゃ……?」
高岸「そんなことはありません! スカウトされることよりも、大事なことはいっぱいあるんです!」
高岸「僕は確かにスカウトされましたが、されたことよりも、それまでの努力を認められたことの方が、何億倍も嬉しかった!」パァァ
智代子(大事なこと……それまでの努力……)
智代子「……」
智代子「すみません、プロデューサーさん」
高岸「はい!」
智代子「私、レッスンしながら待ってることにしますっ!」
智代子「これから来る仲間に、カッコ悪いところは見せたくないですから!」
高岸「その意気です! お互い、ベストを尽くしましょう!」ニコッ
25 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:34:07.85 ID:mstnRffsO
〜都内・某所〜
樹里「……」
高岸「ハッ……ハッ……!」ダダダッ
26 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:34:53.06 ID:mstnRffsO
樹里「……」
高岸「……ハッ……ハッ……!」ダダダッ
樹里「……」
27 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:35:48.20 ID:mstnRffsO
高岸「ハッ……ハッ……!」ダダダッ
樹里「……っ」
樹里「──お、おいっ!」
28 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:36:44.00 ID:mstnRffsO
高岸「はい! どうかしましたか?」クルッ
樹里「どうかしましたか? じゃねぇよ!」
樹里「同じ奴が自分を3回も追い抜いて行ったら、普通はおかしいと思うだろ……っ!」
29 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:37:48.66 ID:mstnRffsO
樹里「アンタ、ここで何やってんだよ?」
高岸「トレーニングです! スカウトがてら、ランニングをして鍛えていました!」
樹里「へ、へぇ〜。すげー足はえーんだな、アンタ……」
樹里「──じゃなくてっ!」
樹里「ス、スカウト? アンタが?」
高岸「はい! 名刺を、どうぞ!」スッ
樹里「ど、どうも……」
樹里「高岸宏行……283プロダクション・プロデューサー……」
樹里(どうやら本物みてーだけど……)
30 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:39:08.26 ID:mstnRffsO
樹里「なんでオレンジのTシャツとハーフパンツなんだ?」
樹里「プロデューサーってこう、スーツでビシッと決めてるもんなんじゃねーの?」
高岸「今すぐ、野球がしたくなったとき、スーツではできません!」
高岸「だから、いつでもどこでも、できるようなスタイルを、心がけています!」
樹里「……」
樹里「……ホントはカッチリした格好が苦手なんだろ?」
高岸「あ! バレちゃいましたか? あははっ!」ニコニコ
樹里(変だけど、悪いヤツじゃなさそーだな)
樹里「……アタシも苦手だからさ、ネクタイとか」
樹里「なんとなく分かるよ」
高岸「気が合いますね!」
31 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:41:39.90 ID:mstnRffsO
高岸「……そうだ! あなた、うちの選手に……アイドルになってみませんか?」
樹里「ア、アイドル……!?」
高岸「はい!」ニコッ
樹里「……テメー、やっぱりこれ、手の込んだイタズラだったんだな?」
樹里「アタシみたいなのがアイドルに向いてるって、本気で思ってる奴がいるわけねーだろ!」
高岸「ここにいます!」
樹里「ふざけんなっ!」
高岸「ふざけてない! 僕の、目を、見て! ほら!」キラキラ
樹里「うっ……」
樹里(すっげーつぶらな瞳じゃねーか!)
32 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:44:11.75 ID:mstnRffsO
高岸「あなたのような、金髪でカッコいいアイドルは、新しい!」
樹里「……今までそういう奴がいても、失敗してただけだろ」
高岸「もしそうだとしても、そんなの、関係ありません!」
樹里「……!」
高岸「挑戦しないことこそ、失敗なんです!」
高岸「新しいことをする人は、いつだって偉大な冒険者だ!」
高岸「だから、ワクワクすることがあったら、何も考えず飛び込んで、楽しんでしまえばいいんです!」
樹里「……」
樹里(なんかよく分かんねーヤツ……だけど、説得力がある……)
樹里(新しい……ワクワクすること……か)
樹里「……良いじゃねーか」
33 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:45:56.27 ID:mstnRffsO
高岸「スカウト、受けてくれるんですか?」
樹里「──その前に、アタシと勝負しろ」
高岸「!」
樹里「あそこの横断歩道の前まで走って、アンタが先に着いたらスカウト受けてやるよ」
樹里「こう見えて、運動には自信があるんだ」
樹里(これはただの強がり……と、アンタの本気を試したいって気持ち……)
樹里(受けてくれるか……?)
高岸「もちろん、受けて立ちましょう!」
樹里「……」
高岸「どうしました?」
樹里「……何でもねーよ! じゃあ行くぜ!」
高岸「はい!」
樹里「よーい……ドン!」ダッ
34 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:47:49.66 ID:mstnRffsO
樹里「はぁっ、はぁっ……」
樹里「やっぱ、はえーな、アンタ……」
高岸「この時のために、鍛えてきましたから!」ニコニコ
樹里「……約束だ。アイドルになるよ」
高岸「良いんですか? えーと……」
樹里「西城樹里だ。樹里って呼べよ」
高岸「分かりました! 樹里さん!」
樹里「ちゃんとアタシを、アイドルらしくしてみせろよ」
樹里「……プロデューサー」
高岸「はい! 任せてください!」
高岸「やれば、できる!」パァァ
樹里「……へへ、何だよそれ」
35 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:49:23.49 ID:mstnRffsO
〜283プロダクション・社長室〜
天井「……どうやら、初スカウトは上手くいったようだな」
高岸「はい! とても楽しい体験でした!」
天井「ふん……お前のそういう部分は、強みに違いないな」
天井「さて、放クラは5人ユニットの予定だ」
天井「あと、3人……お前の手で探してきてもらうぞ」
高岸「はい!」
天井「──と、言いたいところだが。実は一人、当てがある」
高岸「さすが、社長! 僕の新人戦のときの、母上のように、用意周到だ!」ニコッ
天井「……それはどういう意味だ?」
36 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:51:44.36 ID:mstnRffsO
天井「まぁいい。これが彼女の書類だ」スッ
天井「ひとまず、明日は直接レッスンルームに向かえ」
天井「そこで彼女がお前の意に沿う人間か、判断するんだ」
高岸「分かりました!」
天井「ふん……」
天井(高岸……)
天井(明日こそ、お前のプロデューサーとしての資質を見せてもらおう)
<初めてのスカウト編・終わり>
37 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/22(火) 20:52:52.83 ID:mstnRffsO
第三編はまた後日になります!
よろしくお願いします
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/22(火) 21:02:34.11 ID:xD1Ah5k5o
おつ!
本当に楽しい!
39 :
◆60viGNJ69k
[saga]:2020/09/24(木) 23:17:48.64 ID:8l3A8h+7O
レスありがとうございます! 嬉しいです!
第三編いきます
40 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:20:10.25 ID:8l3A8h+7O
<高岸・初めての頂上決戦編>
〜283プロダクション・レッスンルーム前廊下〜
高岸「おはようございます!」パァァ
智代子「あ、プロデューサーさんっ! おはようございます」
樹里「おはよう、プロデューサー」
高岸「おや? どうしてここに?」
樹里「智代子がレッスンするって言うから、ちょっと見てみたくなってさ」
樹里「あ、見るだけな」
智代子「も〜、樹里ちゃんだってもうアイドルなんだから、今日から一緒にやろう! ねっ?」
高岸「お二人とも、仲が良いですね! 仲が良いのは、いいことだ!」
41 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:21:56.09 ID:8l3A8h+7O
高岸「ちなみにいつの間に、お知り合いになったんですか?」
樹里「それは……」
樹里「昨日、あの後事務所に行っただろ? そん時に初めて会って、色々喋って……」
智代子「樹里ちゃんがスマホ苦手だって言うから、私が色々教えてあげて……」
樹里「っ……それは言わなくて良いんだよ!」
高岸「なるほど! 樹里さんに、そんな個性があったとは!」
樹里「〜〜っ……///」
智代子「ふふふ〜、樹里ちゃんってば照れちゃって〜」
樹里「あー、くそっ! もういい!」フイ
智代子「わーっ、ごめん! ちょっと言いすぎたよね……樹里ちゃん、ごめんね」
樹里「だから、もういいっての……」
樹里「……で、プロデューサー」
高岸「はい!」ニコニコ
樹里「もう部屋に入ってレッスンしてるアイツ……誰なんだ?」
高岸「彼女が、放クラの3人目の、選手ですよ!」
智代子「えぇーっ! なんかすごい場面に立ち会っちゃったのかな、私たち!」ワクワク
樹里「そう、かもな……」ドキドキ
高岸「では、入りましょう!」
42 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:23:28.26 ID:8l3A8h+7O
夏葉「ワン、ツー、スリー、フォー!」
高岸「失礼します!」ガチャリ
智代子・樹里「失礼します」
智代子(今の……すごいステップだった……)
樹里(ダンスのキレがハンパねー……何者なんだ?)
夏葉「……ふぅ。こんな所かしらね」
高岸「あなたが、有栖川夏葉さんですね!」
高岸「いやー! すごい熱量だ! あなたはまさに、太陽だ!」
夏葉「ありがとう。アナタが私のプロデューサー?」
高岸「はい! 僕は……」
夏葉「──いい? 目指すならトップだけよ!」ビシーッ
高岸「もちろんです! 夢は大きく……」
夏葉「──世界一以外はあり得ないわ!」バンッ
智代子(あのプロデューサーさんが押されてるなんて……!)
樹里(この夏葉ってヤツ、とんでもねーな)
43 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:24:59.20 ID:8l3A8h+7O
高岸「──いいえ! 夢は、もっと大きく!」ババンッ
夏葉・智代子・樹里「!」
高岸「この銀河系に、放課後クライマックスガールズの名を、轟かせること!」
高岸「それが僕の応援する、放クラの、最終目標です!」ドンッ
智代子(プロデューサーさん……!)
樹里(こっちの方が、もっととんでもねーヤツだったな)
智代子・樹里(このプロデューサー、スケールがデカすぎる……っ!)
44 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:26:53.30 ID:8l3A8h+7O
夏葉「……」
高岸「どうですか? まだ足りませんか?」
夏葉「……いいえ」
夏葉「私が甘かったわね。確かに、それこそが真のトップといえる目標だわ」
智代子(あ、あれで良かったんだ……?)
高岸「はい!」ニコニコ
夏葉「良いわ。アナタのユニットに入りましょう」
高岸「ありがとうございます! それじゃあ……」
夏葉「──ただし、アナタは何もしなくて良いわ」
高岸「えっ!」
夏葉「アイドルのプロデュースなら、アナタの方が経験があるかもしれないけれど……」
夏葉「有栖川夏葉のプロデュースは、私のほうが経験が長いの。だから全部任せなさい」
45 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:27:57.71 ID:8l3A8h+7O
高岸「……」
智代子「うわぁ〜……流石のプロデューサーさんも、これじゃ……」ヒソヒソ
樹里「……おい、あんま生意気言うんじゃ……」
高岸「大丈夫です」スッ
樹里「プロデューサー……?」
46 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:29:27.92 ID:8l3A8h+7O
高岸「──あなたは、素晴らしい!」ニコッ
樹里「……!」
高岸「さっきの足捌き、ゴールデングラブ賞を送りたいくらいの、凄いプレーでした!」
高岸「それほどの努力が、一人でもできる! あなたはとても、忍耐強い人間だ!」
高岸「そんなあなたの活躍を、すぐそばで見られる! 僕はそれだけで十分ですよ!」ニコニコ
夏葉「よく分かってるじゃない」
夏葉「じゃあ、私にしっかりついてくるのよ。プロデューサー!」
高岸「はい!」
47 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:31:17.12 ID:8l3A8h+7O
高岸「……それじゃあ、智代子さん、樹里さん!」
高岸「お二人は、夏葉さんと一緒に、レッスンを!」グッ
樹里「……あ、ああ」
智代子「プロデューサーさんは……?」
高岸「僕は、あと二人、スカウトに行ってきます!」
高岸「今度は、バッティングセンターで、探してみようかなぁ!」ブォン
樹里「そんなとこにアイドル志望がいるわけねーだろ?」
高岸「あははっ! そうかも、しれません!」
48 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:32:15.54 ID:8l3A8h+7O
高岸「それでは、また!」ガチャリ
智代子「はーい……」フリフリ
智代子「行っちゃった……」
智代子(今日のプロデューサーさん、いつもと何か違ったような……?)
智代子(気のせい、だよね……)
樹里「智代子、レッスンやるんじゃねーの?」
智代子「う、うん! 夏葉さんに負けないように、私たちも頑張らないとだよね!」
樹里「おう」
49 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:33:24.03 ID:8l3A8h+7O
〜283プロダクション・社長室〜
高岸「失礼します」ガチャリ
天井「お前か」
天井「……単刀直入に聞こう。有栖川夏葉はどうだ?」
高岸「はい! 太陽のような熱さと、揺るぎない自信!」
高岸「そして、守備の要である、遊撃手のような、素早い身のこなし!」
高岸「彼女がいれば、宇宙で試合をしても、きっと勝てます!」
天井「ふっ。相変わらず意味は分からないが……」
天井「その様子だと、ユニット加入が決まったようだな」
高岸「はい!」
50 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:34:23.01 ID:8l3A8h+7O
天井(あの有栖川家の令嬢ですら手懐けるとはな……)
天井(高岸……お前はやはり……)
天井「ふん。残り二人のアイドルは、全面的にお前に任せるぞ。いいな?」
高岸「はい! 最高のバッテリーを、見つけ出して見せます!」
高岸「では、失礼しました!」ガチャリ
高岸「……」
<初めての頂上決戦編・終わり>
51 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/24(木) 23:35:31.23 ID:8l3A8h+7O
次編は明日になります!
よろしくお願いします
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/24(木) 23:57:06.18 ID:w/SA1BZPo
おつお
53 :
◆60viGNJ69k
[saga]:2020/09/25(金) 21:36:09.74 ID:h6dCP4IfO
おつありです!
今日は二編まとめて投稿します
54 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:37:54.76 ID:h6dCP4IfO
<高岸・傷心のジャスティス・オレンジ編>
〜都内・某所〜
高岸「……ハァッ、ハァッ……ッ!」タッタッ
高岸(モヤモヤして、事務所から自宅のそばまで走ってしまった……)
子供たち「待てー!かいじん・デビロード!」ワーキャー
高岸(公園で遊ぶ子供たちの声が……)
高岸(……少し、休んでから帰ろう)ベンチニスワリー
男の子「……ふっふっふ。カンネンしたらどうだ、ジャスティス・レッド」
女の子「何をー! あたしはまだまだ、戦える! ……うぐっ」
高岸(なかなかの演技力! 次世代の宝塚歌劇団だ!)
高岸(……)
高岸(……ヒーローごっこ、か)
・・・・・
55 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:39:09.47 ID:h6dCP4IfO
〜高岸の回想・某大学〜
前田(相方)『高岸、キャッチボールやろうぜ』
高岸『……』
前田『高岸。キャッチボールやろう』
高岸『いや、僕は……』
前田『じゃあ、いつもの公園で』
高岸『……』
56 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:40:21.55 ID:h6dCP4IfO
〜高岸の回想・某所〜
前田『……来たか』
高岸『前田が呼んだから』
前田『俺は、来ないだろなと思ってた』
高岸『……』
子どもたち『いっけー!ジャスティス・レッドー!』ワーキャー
前田『子どもが遊んでるな。ちょっと離れたとこに行くか』スタスタ
高岸『……』スタスタ…
57 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:43:12.44 ID:h6dCP4IfO
前田『よし、ここでやろう。最初は15mぐらいで良いよな』
高岸『……前田』
前田『高岸、いくぞー』
高岸『──前田っ!』
前田『……』
高岸『……もういいよ』
58 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:44:12.95 ID:h6dCP4IfO
高岸『わざわざ、慰めてくれなくていい』
高岸『医師にも、言われたんだ。この肘じゃ、プロはもう、諦めた方がいいって』
前田『……別に慰めるつもりじゃねーよ』
高岸『違うの?』
前田『……』
高岸『もう、どうでもよくなったんだ。ずっとプロを目指して、野球をしてきて、こんな結果……っ』
高岸『……どうせこうなるなら、あのとき、スカウトを受けておけばよかった』
高岸『今の僕は、何の価値もない、ただの人だ』
前田『……』
高岸『前田も、そう思うだろ?』
前田『……』
59 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:45:01.46 ID:h6dCP4IfO
前田『──元から、ただの人だろ』
高岸『……えっ?』
前田『変わんねーよ。俺もお前も』
前田『最初から、ただひたすら野球が好きで、人よりちょっと野球が上手くて、プロに届かなかっただけの……ただの人だ』
高岸『……』
前田『だから、お前はお前だ。これからも』
高岸『……』
60 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:45:42.06 ID:h6dCP4IfO
高岸『ごめん、前田』
前田『ん?』
高岸『ちょっとよく分からなかった……』
高岸『お前は前田、ってどういう意味? 僕が、前田……?!』オロオロ
前田『は、はぁ?』ガクッ
前田『お前、俺の一世一代の慰めの言葉を……!』
高岸『やっぱり慰めてくれてたのか?』
前田『……』ブォン
高岸『いってぇ!』ドゴォ
61 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:47:26.71 ID:h6dCP4IfO
男児『あっ、あそこでいじめてる人がいる!』
女児『ムキムキのくせに、わるいヤツだ!』
前田『えっ? いや、ちがっ……』
女児『ぼうりょく、はんたい!』
男児『がんばれ! ジャスティス・オレンジ!』
高岸『そ、それ、僕?』
前田『……ふっ』
前田『高岸が、オレンジ……確かに! はははっ』
高岸『前田……?』
62 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:51:22.04 ID:h6dCP4IfO
前田『あはは、ふふっ…………ふぅ……』
前田『──かかって来いよ、ジャスティス・オレンジ』スッ…
高岸(前田が、捕手の構えを……)
子どもたち『いけー! がんばれー!』ワーキャー
前田『……満員だな、観客席』
高岸『……』
高岸『二人とも、応援ありがとう!』
高岸『……よし。見ててね』ザッ…
高岸『前田……』グッ…
高岸『これが、僕だっ!』ビュン
・・・・・
63 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:52:15.43 ID:h6dCP4IfO
〜現在・都内・某所〜
チャーン…ジョーブ…
高岸「……?」
男の子「オレンジのお兄ちゃん、大丈夫?」
高岸「……えぇっと……?」
高岸(うたた寝してたみたいだ)
男の子「お兄ちゃん、あそこの家の人だよね? いっつもオレンジの洗濯物干してる……」ユビサシ
高岸「よく知ってるね……」
64 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:53:10.52 ID:h6dCP4IfO
女の子「あの……どこか痛いんですか?」
高岸「えっ?」ツー…
高岸(あっ、涙が……僕は、泣いてたのか)
高岸「大丈夫です。どこも痛くないですよ!」
女の子「本当ですか?」
男の子「カホちゃん、ボク、大人の人呼んでくるよ!」
カホ(女の子)「うん! ありがとう!」
高岸「あ、いや……」
65 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:55:09.02 ID:h6dCP4IfO
高岸(どうしよう……そうだ!)ピコーン
高岸「僕はジャスティス・オレンジ! 正義の味方だから、だいじょーぶです!」ドンッ
高岸(……!)
高岸(つい勢いでやっちゃった)
子供たち「……」シーン
高岸(まずかったかな……)
カホ「……わぁーっ!」キラキラ
男の子「お兄ちゃん……ホントに大丈夫?」アタマブツケタ?
男の子「カホちゃん。もしかしたらこの人、ヘンシツシャかも」
カホ「えっ!」
高岸「──ち、違いますよ!」アセアセ
66 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:56:04.72 ID:h6dCP4IfO
高岸「えーと、そうだ! 名刺をどうぞ」スッ
カホ「名刺っ! 初めてもらいましたっ!」
男の子「ボクも……なんかオトナっぽいね!」
カホ「うん! あの、高岸さんは……プロデューサー、なんですか?」
高岸「はい! 僕は、アイドルチームのプロデューサーをやってるんです!」ニコッ
カホ「アイドル?! すごいです!」
高岸「あはは。デビュー戦はもう少し、先ですけどね」
67 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:56:54.53 ID:h6dCP4IfO
<ユウヤケ コヤケデ ヒガクーレーテー…
男の子「あっ……もう5時なんだ」
カホ「帰らないと……」
高岸「そうですね!」
高岸「僕も帰ります。2人も、気をつけてくださいね!」シュタッ
カホ「──あ、あの!」
68 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 21:59:23.77 ID:h6dCP4IfO
高岸「……?」
カホ「プロデューサーのお仕事、がんばってくださいっ!」ニコッ
高岸「!」
・・・・・
子どもたち『がんばれー!』
前田『お前はお前だ。これからも』
・・・・・
智代子『私は……友達の夢を叶えるために、そういう私の夢のために、アイドルをやりたいです!』
樹里『ちゃんとアタシを、アイドルらしくしてみせろよ……プロデューサー』
・・・・・
高岸(僕は……)
69 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:00:58.36 ID:h6dCP4IfO
高岸「……」
高岸「──はいっ! 頑張ります!」ニコッ
高岸「やれば、できる!」パァァ
カホ「ふふ! 行こっ!」
男の子「じゃあね!」フリフリ
高岸「バイバイ!」フリフリ
高岸「……よし! 家まで全力だ!」ダッ
<傷心のジャスティス・オレンジ編・終わり>
70 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:05:11.42 ID:h6dCP4IfO
↓第5編です↓
71 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:06:33.48 ID:h6dCP4IfO
<高岸・絆のリベンジマッチ編>
〜283プロダクション・レッスンルーム〜
高岸「お疲れ様です」ガチャリ
夏葉「ハッ、ハッ、ハッ!」
高岸「夏葉さん、まだ残ってレッスンしていたんですね!」
夏葉「ええ! デビュー前から手を抜いてはいられないわ!」シュタタッ
夏葉「……あの二人が手を抜いている、という意味ではないわよ」タタターン!
高岸「分かっていますよ!」
夏葉「それならいいわ! ふっ!」エクセレント!
高岸「お見事!」
夏葉「ありがとう」
72 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:08:39.47 ID:h6dCP4IfO
高岸「……あなたはやはり、すごい人だ!」
高岸「タケノコのように毎日ノビて、ヒマワリのように光に向かっていく!」
高岸「そして、つきたてのお餅のように、粘り強い!」ネバーギブアップ!
高岸「……だからこそ! 心配になります!」
夏葉「……」
夏葉「アナタは、何が言いたいのかしら?」
高岸「僕はただ、応援したいだけですよ!」
高岸「でも今は……あなたのプロデューサーでもある!」
73 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:10:19.35 ID:h6dCP4IfO
高岸「あなたの夢は、僕の夢だ!」
高岸「だから、あなたが夢を見られなくなったら、僕は耐えられない!」
高岸「毎日快眠してもらう責任が、僕にはある!」ドンッ
夏葉「……私が怪我をするとでも言うの?」
夏葉「自分の身体は、自分がよく分かってるわ」
夏葉「言ったでしょう? 私はもう長い間、有栖川夏葉という人間をプロデュースしているの」
74 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:10:57.34 ID:h6dCP4IfO
高岸「──いいえ! 分かっていません!」
高岸「あなたの腕は、足は、もう悲鳴を上げている!」
高岸「まるで、千本ノックを受けた後に、ホラー映画を見たかのように!」ビシッ
夏葉「……!」ビクッ
夏葉「どうして、分かったの……?」
夏葉「私が、ホラーが苦手なこと……」
高岸「野球好きは、動体視力が良いんです!」パァァ
75 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:11:39.50 ID:h6dCP4IfO
夏葉「……ふふ。流石ね」
夏葉「それでこそ、私のプロデューサーだわ」
高岸「ありがとうございます!」ニコニコ
夏葉「……今気づいたのだけれど、腕は重いし、足の筋肉は少し張っているわ」
夏葉「ストレッチ、手伝いなさい」
高岸「はい! もちろんです!」
76 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:13:08.89 ID:h6dCP4IfO
夏葉「まさか、私が自分の体調を見誤るなんて、ね」グッグッ
夏葉「もう少し、強く押してちょうだい」
高岸「はい!」グッグッ
高岸「……きっと、プレッシャーを感じていたのでしょう」
高岸「仲間が増えることは、競争相手ができることでもありますから」
高岸「……僕の現役のときの、レギュラー争いも、かなり大変でした!」
77 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:14:02.79 ID:h6dCP4IfO
高岸「だからこそ、あなたを応援してくれる人が、そばにいることが、大切だと思うんです」
夏葉「あら。それはアナタのことかしら?」
高岸「いえ! チーム283プロのみんな、ですよ!」ニコニコ
夏葉「……そう」
夏葉(それは、アナタも含まれているんじゃないかしら?)
78 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:14:58.32 ID:h6dCP4IfO
夏葉「……」グッグッ
夏葉「ねえ、プロデューサー?」
高岸「はい!」
夏葉「私、銀河一のアイドルになるわよ」
高岸「はい! 見届けます!」
夏葉「……ふふ。出来っこない、とは言わないのね」
夏葉「普通なら、荒唐無稽だと笑うところでしょう」
高岸「そんなことありません!」
高岸「僕が言ったことですから!」
夏葉「そういえば、そうだったわね」
高岸「はい! それに……」
79 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:16:10.44 ID:h6dCP4IfO
高岸「出来ないから荒唐無稽なのではなく、挑戦しない理由づけに、バカバカしいと笑うのです!」パァァ
夏葉「……」
高岸「全力で挑戦し、ベストを尽くして、それでも出来なかったら、その時あなたはきっと……」
高岸「荒唐無稽だったな、と笑えるでしょう」
高岸「真夏の練習のあとに、シャワーで汗を流した時のような、清々しい笑顔でね!」ニコニコ
夏葉「……!」
夏葉(どうしてかしらね……)
夏葉(プロデューサーの言葉を聞くと、私の中の闘志にまた火がついたように感じられる)
80 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:17:55.90 ID:h6dCP4IfO
高岸「言わずもがな! 僕は本気で、宇宙で試合をしてみたいと、思っていますが!」ニコッ
夏葉「……そうね」
夏葉「私もよ、プロデューサー」
夏葉「宇宙の果てまで、しっかりついて来なさい!」ビシッ
高岸「もちろんです!」
高岸「やれば、できる!」パァァ
<絆のリベンジマッチ編・終わり>
81 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/25(金) 22:20:17.52 ID:h6dCP4IfO
次編はまた後日になります
よろしくお願いします!
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/25(金) 22:27:23.60 ID:le7c1y2Eo
乙
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/25(金) 22:29:05.57 ID:Zodp5AGEo
おつおつ
あと二人はどうスカウトするんかなぁー楽しみ
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/09/26(土) 06:29:36.82 ID:o5XFooIl0
おつ
高岸しか知らないけど面白い
85 :
◆60viGNJ69k
[saga]:2020/09/28(月) 20:53:12.59 ID:USaHMgWRO
いつも応援レス、ありがとうございます
励みになってます!
このスレがきっかけになって、高岸も放クラも(あと前田も)知ってもらえたら嬉しいです!
今日は幕間の5.5話と6話になります
86 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 20:54:38.31 ID:USaHMgWRO
<幕間・智代子と朝のランニング編>
〜283プロダクション・事務所そば〜
高岸(昨日の晩、智代子さんから「朝のランニングに付き合って欲しい」と、電話がありましたが……)
智代子「……プロデューサーさーん!」タッタッ
高岸「あ、智代子さん! おはようございます」
智代子「おはようございますっ!」
高岸「ジャージ姿も、似合っていますね!」
智代子「あはは、ありがとうございます。これって喜んでも良いのかなぁ……」
智代子「プロデューサーさんはいつもスポーツウェアだから、違和感がありませんね」
高岸「はい! いつでも野球ができる、この格好が、僕のユニフォームです!」オレンジ!
智代子「ふふっ」ニコニコ
87 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 20:55:27.72 ID:USaHMgWRO
智代子「それで、ランニングなんですけど……」
高岸「はい! 智代子さんの好きに走ってください! 追いかけますから」
智代子「あ、ありがとうございます。私、たぶんペース遅いので、助かります」
智代子「……」
高岸「どうしましたか?」
88 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 20:58:23.06 ID:USaHMgWRO
智代子「……あの、聞きたいことがありましてっ」
高岸「どうぞ!」
智代子「どうして急にランニング……って思いませんでしたか?」
高岸「思いません!」
高岸「誰でも、思い立った瞬間に、スタートを切っていいんですから!」
高岸「それに……なんとなく、智代子さんの気持ちが分かるんです!」
高岸「夏葉さんの姿を見て、自分も頑張りたいと、そう思ったんですよね?」
智代子「……やっぱり、分かっちゃうんですね。すごいなぁ」
高岸「監督ですから! ちゃんと見ているつもりですよ!」
智代子「ふふっ。それはそれで、照れちゃいますね」
89 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 20:59:18.65 ID:USaHMgWRO
智代子「……私、この間のレッスンで痛感しました」
智代子「夏葉ちゃんも、樹里ちゃんも、私より体力もセンスもある」
智代子「同じユニットでも、最初から大きな差をつけられちゃってる」
智代子「それで、私も負けたくない! って思ったんです」
高岸「そう思って実行に移せるのは、素晴らしいことだと思います!」
智代子「えへへ。ありがとうございます」
智代子「それで、その……」
智代子「プロデューサーさんは、大丈夫ですか?」
高岸「……?」
智代子「この前夏葉ちゃんを勧誘したとき、なんか変な感じだったなーって……」
智代子「あー、でも! 特に何もなければ良いんですけどっ!」
90 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:00:08.00 ID:USaHMgWRO
高岸「……智代子さんは、僕のことを、よく見てくれているんですね!」
智代子「いえ、そんなこと……」
高岸「あの時は、自分を見失いそうに、なってしまいましたが……」
高岸「僕はもう、大丈夫です! 応援の大切さ、しっかり思い出せましたから!」パァァ
智代子「ふふ、それなら良かったです」
智代子「えっと……今日は、ホントはこの話をしたかっただけで……」
智代子「ランニングはついでといいますか……」テレテレ
高岸「そうでしたか!」ニコッ
91 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:02:01.92 ID:USaHMgWRO
高岸「智代子さんの気持ち、しっかり、受け止めましたよ!」
高岸「大丈夫! 僕たちなら、やれば、できる!」パァァ
智代子「ふふっ! それじゃあとことん、やりますよー!」
智代子「プロデューサーさん! 一緒にランニング、お願いしますねっ!」タッタッ
高岸「はいっ!」
高岸「イッチッサッシィーッ!!」タッタッ
智代子「あははっ。もう、何ですかそれー!」
<智代子と朝のランニング編・終わり>
92 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:02:37.40 ID:USaHMgWRO
↓第6話です!↓
93 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:03:56.78 ID:USaHMgWRO
<高岸とめぐりあわせの糸・前編>
〜某日・283プロダクション・事務所〜
智代子・樹里・夏葉「買い出しジャンケン」
三人「じゃーん、けーん」
三人「ぽんっ!」チョキ! パー! チョキ!
樹里「だーっ! 負けた!」
夏葉「樹里、アナタ本当にジャンケンが弱いわね……」
智代子「あ、あはは。こっちが申し訳なくなっちゃうよね……」
樹里「くっ……!」
高岸「買い出しなら、僕が行きますよ?」
樹里「──いいんだよ、アタシが負けたんだから」
94 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:05:36.16 ID:USaHMgWRO
樹里「それに、プロデューサーはもっとやるべきことがあんだろ?」
高岸「……! そうでした!」
高岸「選手がいなければ、試合は出来ない!」
智代子「5人揃わないとデビューできない……私たちは永遠にレッスンし続けることに……」フルフル
樹里「こえー想像をするんじゃねーよ……」
夏葉「ふふ。デビューまで二人を完璧に鍛えてあげるわ!」
智代子「言わなきゃ良かった〜……」
高岸「あはは! 日々の練習も大事ですからね!」
95 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:06:29.14 ID:USaHMgWRO
高岸「では! 樹里さん、智代子さん、夏葉さん、レッスン頑張ってくださいね!」ニコッ
樹里「おう」
智代子「はいっ!」
夏葉「任せなさい」
高岸「では早速、スカウト行って来ます!」ガチャリ
四人「いってらっしゃーい!」フリフリ
樹里「じゃあ、アタシも」
はづき「領収書、忘れないでくださいねー!」
樹里「はーい」ガチャリ
96 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:07:16.40 ID:USaHMgWRO
〜都内・某所〜
樹里「んーと……スポーツドリンク、ゼリー……グミ……」
樹里「こんなもんでいっか。あんま余計なモン買うと(智代子が食べまくって)夏葉に怒られそうだし……」
樹里「……これ、お願いします。あと、領収書ももらえますか?」
97 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:07:57.39 ID:USaHMgWRO
ウィーン
店員「ありがとうございましたー」
樹里「よしっ。さっさと事務所に戻らない……と……」
犬「……」ジーッ
樹里(い、犬っ? さっきは居なかったのに)
樹里「な、なんだよ」
犬「わんっ!」
樹里「わっ! 急に吠えんじゃねー!」
犬「……」オスワリ
犬「ハッハッ……」シッポフリフリ
樹里「……なかなか賢いな、お前……」
98 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:08:39.71 ID:USaHMgWRO
樹里「よ、よし。そのまま、そのまま……」アトズサリー
犬「……」テクテク
樹里「なっ……! なんでついてくんだよ!」
犬「わんっ!」
樹里「ひゃっ……! ぅわあああぁぁぁぁ!」ダッ
99 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:10:17.48 ID:USaHMgWRO
・・・・・
凛世「……」テクテク
凛世「赤……赤……あっ……」
凛世「郵便ポストは……ここにございましたか」
凛世「……」トスッ
凛世「山藤は 根元を離れて 頼りなし」
凛世(「根元」は、ルーツ……「頼り」は、便り……)
凛世(……ふふ)クスッ
凛世(我ながら……凡庸な言葉遊び……)
凛世(……姉様)
凛世(凛世は、何故この街に参ったのか……それすら……)
100 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:11:02.61 ID:USaHMgWRO
<なっ なんでついてくんだよ!
凛世「……?」
犬「わんっ!」
樹里「……こっちにくんなぁーっ!」ダダダッ
犬「わんわんっ!」
樹里「ひっ!」バッ
凛世「……あ、あの……」
凛世「凛世の後ろに隠れられては……その……」オロオロ
樹里「──悪い! 誰か知らないけど、この犬、頼む!」ダッ
凛世「……!」
樹里「ごめんな!」
101 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:11:33.64 ID:USaHMgWRO
凛世(行ってしまわれました……)
凛世「……」
犬「……」ジーッ
凛世「……」ジーッ
凛世(湧き水のように……澄んだ目……)
102 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:12:37.31 ID:USaHMgWRO
犬「わんっ」
凛世「きゃっ……」ビクッ
犬「ハッハッ……」シッポフリフリ
凛世「……!」
凛世(撫でて、と……聞こえた気がいたしました……)
凛世「ふふ……」
凛世「初めてなのでございます……犬と触れ合うのは……」
凛世「……」ナデナデ
犬「……」ペロ
凛世「ふふっ」
103 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:13:33.72 ID:USaHMgWRO
凛世「そういえば……貴方の、お名前は……」
犬「ハッハッ……」キラッ
凛世(あ……首輪に、なにか……)
『マメ丸』
凛世「マメ丸さんというのですね……」
マメ丸「わんっ!」
凛世「互いに、親元を離れ一人旅……」
凛世「これもきっと……縁というもの……」
凛世「貴方の主……探しに参りましょうか」
マメ丸「わんっ!」ダッ
凛世「あっ……! マメ丸さん……!」
104 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:14:23.37 ID:USaHMgWRO
凛世「お待ちくだ──」
ブチッ
凛世「きゃっ……」バタッ
凛世(下駄の、鼻緒が……)
凛世(マメ丸さん……もう、あれほど遠くに……)
凛世(……また、独り……)ショボン
凛世(凛世は……)
凛世(枯れてしまいそうです……)ウルウル
105 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:15:46.36 ID:USaHMgWRO
高岸「ハッ、ハッ……」タッタッ
高岸「──おや? 大丈夫ですか?!」
凛世「……?」ビクッ
凛世「凛世の、ことで……ございましょうか……?」
高岸「はい! もしかして……」
高岸「観戦チケットをなくしてしまいましたか?」
高岸「すみません。今日は僕も、チケットは持ち合わせてなくて……」
凛世「いえ……その……」
106 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:16:46.57 ID:USaHMgWRO
高岸「……!」
高岸「これは、あまり見たことがない靴ですね!」
高岸「裏には、大きなスパイク……どんなスポーツで使うんですか?」
凛世「えっと……日本舞踊……で、ございましょうか?」
高岸「……? 何やらカッコいい響きですね! 魔球の名前みたいだ!」
107 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:18:23.48 ID:USaHMgWRO
高岸「とりあえず、このままでは歩けませんし……」
高岸「僕にはこの靴は直せませんが、直せるかもしれない人を、知っています!」
高岸「だから、任せてください!」ガバッ
凛世「ひゃっ……!」
高岸「行きますよ! しっかり掴まっていてください!」ダダダッ
凛世(この殿方は……)グッ
凛世(……)
凛世(凛世は、いずこへ……?)
<高岸とめぐりあわせの糸・前編・終わり>
108 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/28(月) 21:19:17.44 ID:USaHMgWRO
次回は明日です!
よろしくお願いします
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/28(月) 21:20:26.16 ID:uoGI6tKlo
おつおつ
本当に喋ってるの再生されるわ上手い
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/29(火) 00:03:01.62 ID:VSVxxYHTo
乙乙
111 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/29(火) 21:26:34.19 ID:hDQB5pcgO
乙ありです!
今日は7話になります
112 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/29(火) 21:31:02.89 ID:hDQB5pcgO
<高岸とめぐりあわせの糸・中編>
〜283プロダクション・事務所〜
樹里「はぁっ……はぁ……」ガチャリ
夏葉「おかえりなさい」
智代子「おかえり〜」
夏葉「って、あら? そんなに息を切らして、どうしたのかしら?」
樹里「ちょっと……走ってきた……」ハァハァ
夏葉「樹里、あなた……」
夏葉「レッスン前からそんなに気合い入ってるなんて、流石だわ!」
樹里「……そんなんじゃねーよ!」
智代子「樹里ちゃん。それで、後ろのお客さんはどうしたの……?」
樹里「後ろ? ……おわっ!」ビクッ
マメ丸「わんっ!」
113 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/29(火) 21:32:10.17 ID:hDQB5pcgO
樹里「なっ、なんでコイツがここにっ?!」バッ
夏葉(私を盾に……?)
智代子「樹里ちゃん、もしかして犬が苦手なの?」
樹里「ちっ、ちげーよ! 急に吠えてくるからビックリしただけだ!」
智代子「そうなんだ〜。ふふふ」クスクス
樹里「智代子っ!」
夏葉「とりあえず、顔見知りではあるみたいね」
樹里「……まぁ、な……」
智代子「階段も頑張って登ってきたんだね〜えらいえらい」ナデナデ
智代子「って、廊下がワンちゃんの足跡だらけだよ! 樹里ちゃん!」
はづき「あ〜……私が掃除しておきますね〜」
樹里「すみません……」
夏葉「脚、拭いてあげるわね」
マメ丸「わんっ」シッポフリフリ
114 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/29(火) 21:33:00.91 ID:hDQB5pcgO
・・・・・
高岸「ただいま戻りました!」ガチャリ
樹里「随分はえーな、って……」
樹里「アンタ、さっきの……」ボソリ
智代子「お、お姫様抱っこ?!」キャー
高岸「すみません、ずっと抱えたままで……よいしょっ、と」
凛世「いえ……」
夏葉「プロデューサー。その人は、どうしたのかしら?」
115 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/29(火) 21:33:46.39 ID:hDQB5pcgO
高岸「はい! 道端で倒れていましたので、連れてきました!」
智代子「プロデューサーさん……」
智代子「それは、拉致っていうんですよ……?」
高岸「えっ!」
凛世「あの……」ボソリ
樹里「……終わったな、アタシら」
智代子「あはは、本当にデビューできないまま終わるなんて……」ガックリ
夏葉「まだよ、二人とも。もう少し、被告人の供述を聞きましょう」
夏葉「プロデューサー! 洗いざらい、白状しなさい!」
116 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/29(火) 21:34:45.75 ID:hDQB5pcgO
智代子「──待った! その前に、ちょっと状況を説明しないと!」ババンッ
智代子「えーっと……私たちはこの283プロダクションのアイドルで、私は園田智代子といいます」
智代子「そしてこの背が高くてオレンジな人が、私たちのプロデューサーさん」
高岸「高岸、です!」
智代子「で、ここが私たちの事務所になりますっ。怪しい者ではありませんので……」
117 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/29(火) 21:35:46.98 ID:hDQB5pcgO
凛世「……貴方さまが、アイドルのプロデューサーさま……」
凛世「そしてこちらが……アイドルの皆さま……」
凛世「私は……杜野凛世と申します」
凛世「何卒、よしなに……」シトヤカ
智代子「すごい! 凛世さんって、大和撫子って感じですね!」
凛世「いえ、そのようなことは……」
凛世「凛世は高校生の身……どうぞ、凛世と……」
智代子「おんなじ! じゃあ、凛世ちゃんで!」ニコッ
樹里「スカウトされた訳じゃねーっぽいけど……樹里だ。一応、よろしくな」
夏葉「夏葉よ、よろしく。それで……プロデューサー?」
118 :
◆60viGNJ69k
[sage saga]:2020/09/29(火) 21:36:36.65 ID:hDQB5pcgO
高岸「はい! 僕が、スカウトがてらランニングしていると、道端にこの方が倒れていました!」
樹里「……もうツッコんでいいか?」
智代子「樹里ちゃん、待て!」
樹里「アタシは犬じゃねー!」
マメ丸「わんっ!」
凛世(……あれは……マメ丸さん……?)
高岸「話をしたら、靴が壊れてしまったらしく、はづきさんに直してもらおうと……」
はづき「えぇ〜? 私ですか〜?」
はづき「これは、下駄ですね。私には直せませんよ」
高岸「そんな! 社長にお聞きしましたよ!」
高岸「はづきさんは、野球盤をバーベルで、直したことがあると!」
はづき「配電盤を、バールで、ですよ〜。あと、フタをこじ開けただけです〜」
智代子(それはそれでスゴイんじゃ……?)
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