【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その5【安価】

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207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/10(木) 21:05:08.56 ID:WZB3afSL0
夕張「黒潮が敵じゃないのはわかってます」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/10(木) 21:16:32.55 ID:Gq9yD52BO
菊月達や提督も到着してじゃあ責めはしないから病人に工廠で何をしようとしてたのか見せてもらおうと
変な動きをした瞬間に止めに入る準備は万全
209 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 21:26:32.49 ID:MDNNzZUe0
提督「夕張、お前を責めたりはしない」


夕張「……」


菊月「今ここで、黒潮になにをしようとしたのか私達に見せろ」


夕張「…………」


北上「産後だからって甘く見てる?一応これでも強い方だからね」


駆逐棲姫「私も籠手を装備しておこう」


菊月「何かあればお前の命は無い。この状況が分かるな?」


夕張「……!!」ブンッ


黒潮「ぁ……」


提督「黒潮!」


夕張「……!」ダダダッ


駆逐棲姫「逃げた…か」
210 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 21:30:21.61 ID:MDNNzZUe0
ーー


夕張「はぁ…はぁ…!」


望月「鎮守府の中であたし達と追いかけっこはどうかな?」バシュッ


夕張「…!」


曙「どうあがいても負けるのが分かってないのね」バシュッ


夕張「……」


リュウジョウ「大人しくしぃや〜」バシュッ


夕張「……」


菊月「無駄な抵抗は止めろ。大人しく捕まってもらうぞ」


夕張「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/10(木) 21:35:12.40 ID:WZB3afSL0
工廠で速吸に泣きつき
「特務艦なら曙たちを
何とかして」と頼む夕張
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/10(木) 21:39:52.01 ID:c6ml6VbBo
最後は千代田に捕まってお縄
提督は夕張をなあなあにするんじゃなくてちゃんと治療をしようと向き合って話す
そのためにも千歳たちも交えて今、夕張が何を感じて何を考えてるのかを聞き出す
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/10(木) 22:01:39.60 ID:rMcqoRHko
>>212
最初は口をつぐんでた夕張も徐々に話し始める
214 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 22:04:47.96 ID:4C/F80bkO
夕張「……!」


曙「コイツ、力づくで!?」


望月「おーおー、確かにここじゃ曙の火は使えないもんねぇ」


リュウジョウ「呑気に言うてる場合か!」


望月「言ってていいんだよ〜あたしの能力忘れた?」


リュウジョウ「…なるほどな」


菊月「やれ、千代田」


千代田「言われなくても!」ガシッ


夕張「ぐ……!?」


菊月「千代田の怪力から逃げられるはずが無い。抵抗するだけ無駄だからな」


夕張「……」


菊月「…揃ったな。工廠に戻るぞ」
215 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 22:12:34.40 ID:4C/F80bkO
ーー工廠


提督「夕張」


夕張「……」


提督「ここには夕張の敵は居ない」


夕張「……」


提督「夕張の頭の中で何かが暴れても俺達は味方だ」


夕張「……」


提督「…きっかけは龍驤だった。あいつは病院からの診断書を誤魔化して俺に見せていた」


提督「気付かない俺もどうかしていたが、冷静になってその診断書をよく見て思った。これは素人にしてはでき過ぎている」


提督「龍驤はそういうことは得意だとは聞いたことがない。だが龍驤はあの診断書を作った」


提督「……夕張が手伝っていたんだな?」


夕張「……」


提督「そう考えれば全て辻褄が合うんだ」
216 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 22:20:47.83 ID:4C/F80bkO
提督「龍驤の性格から言って一方的に得をする取り引きはやらない。夕張と龍驤の間で何かしらの約束事があった」


提督「その内容までは分からないが、推測はできる」


提督「夕張、自分の病気を分かっていたな?」


夕張「……」


提督「龍驤とお互いに黙っておくことで保険をかけた。余程のことがない限りこの秘密は守られる」


提督「それで良かったのかもしれない。事実かなりの間騙し通せたからな」


提督「だが…余程のことが起きた。龍驤の診断書改竄が俺に知れた」


提督「結果的に龍驤は夕張のことを喋らなかったが、夕張は気が気じゃなかったはずだ」


提督「その事を確かめる為に黒潮を捕まえて工廠で…」


夕張「……龍驤さん本人から聞けばいいじゃないですか」


提督「できなかったから黒潮を尋問しようとしたんだろう」
217 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 22:24:03.06 ID:4C/F80bkO
北上「工廠裏で冷蔵庫見つけた。尋問したあとやっぱ殺すつもりだったみたい」


夕張「違う!!」


北上「はぁ〜…あんたさ、自分がおかしいこと…」


夕張「うるさい!」


北上「あたしじゃダメだ。提督、お願いね〜」


提督「……夕張」


夕張「近付くな!触るな!」


提督「なあなあにしておくのはもう止めよう。ちゃんとした治療を受けるんだ」


夕張「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/10(木) 22:42:05.97 ID:FP9XzIy2o
提督のためなんですよ!
何でわかってくれないんですか!
工具を振り回す夕張にしかし提督は本気で当てる事がないと確信しているので正面から(抱きしめ)捕縛
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/10(木) 22:47:36.83 ID:R1wW6/0/O
>>218
どんだけ工具を振り回してもどんだけ悪態をついても絶対放さない提督にいろんなものが溢れてくる夕張
220 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 22:51:15.32 ID:4C/F80bkO
夕張「この……!!」ガシッ


千代田「工具を持った!?これだけ囲まれてるのに往生際の悪い…!」


菊月「待て」


夕張「提督のためなんですよ!」ブンッ


千代田「このまま止めないと危ないわよ!」


菊月「いいから見てろ」


夕張「何でわかってくれないんですか!」ブンッ


提督「……」


夕張「私みたいな頭のおかしい艦娘は!解体されるべきなんです!」ブンッ


提督「……」


夕張「く……!!」
221 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 22:54:52.83 ID:4C/F80bkO
提督「……」ギュッ


夕張「やめ……離せ!」


提督「……」


夕張「やめろ!やめろぉーー!」ブンブンッ


提督「……」


夕張「貴方みたいな変人、最初から気に入らなかったんですよ!」


提督「……」


夕張「うっ…訴えてやる!このセクハラ提督!」


提督「……」


夕張「さっさと…離せぇ……!」


提督「……」


夕張「この…この……!」ブンッ


提督「……もういいんだ夕張」


夕張「……」


夕張「…………」カランッ
222 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 23:00:36.16 ID:4C/F80bkO
提督「薬では誤魔化せない。ならばトリガーを使っていたんだな」


夕張「……はい」


提督「あれは身体能力を上げる際には大きな負荷がかかる。だがそうでない場合副作用はほとんどない」


夕張「……はい」


提督「トリガー無しだとどうなる?」


夕張「病院で無差別殺人を行った熊野より状態は悪いです」


提督「……」


夕張「周りの人達は全員敵。皆んな階段から私を落とそうとしてくるように見える」


夕張「普通に歩いていても階段を歩いているような感覚になって…」


提督「自分を客観的に見れているのもそれのお陰か」


夕張「トリガーがあってもこれなんです。本当、笑えますよね」


提督「…夕張」


夕張「分かりましたよ、トリガーは解除します」


提督「あぁ、いくら副作用が無いとは言ってもトリガーは良いものじゃない」
223 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 23:04:00.89 ID:4C/F80bkO
夕張「提督」


提督「どうした?」


夕張「私、信じてますから」


夕張「普通なら解体するしかない私を提督なら助けてくれる」


提督「当たり前だ」


夕張「…その言葉を聞いて安心しました」


菊月「お前を捕まえるのに多少手荒になる可能性はあるぞ」


夕張「分かってます、もしもの時はお願いしますね」


提督「……夕張」


夕張「今、解除します……トリガーを…」ガチッ


夕張「提督……」


提督「夕張」


夕張「絶対に……助けて下さいね…」


提督「…あぁ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/10(木) 23:24:58.30 ID:gCpDIZMBo
魂の抜けた様になった夕張をすぐに拘束
龍驤に夕張の事を話し知っている事を聞き出す
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/10(木) 23:42:18.65 ID:FP9XzIy2o
>>224
226 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 23:48:42.61 ID:mt9YFpXo0
ーー


菊月「トリガーとかいうデバイスを停止させた夕張は暴れるどころか魂が抜けたようにその場に崩れ落ちた」


龍驤「暴れなくて良かった」


菊月「お前はどこまで知っていた?」


龍驤「菊月は何て言って欲しい?」


菊月「ふざけているのか」


龍驤「あはは、そうかもしれない」


菊月「笑い事じゃないのは分かっているだろう!」


龍驤「うるさいなぁもう」


菊月「……自分は絶対に殺されないとでも思ってるんじゃないだろうな?」


龍驤「思ってるよ。菊月が殺せても周りが止めるから」


菊月「……」ギリッ
227 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/10(木) 23:58:10.86 ID:mt9YFpXo0
龍驤「全部知ってたって言っても何も変わらない。夕張のはそれくらい深刻」


龍驤「私のお陰で今までのらりくらりとやってこれたんじゃないかな」


菊月「…クズが」


龍驤「クズなのは知ってるくせに。こっちは一億も殺してるんだから今更偽善者ぶるつもりも無いよ」


菊月「……」


龍驤「言っておくけど菊月も同じだから。菊月提督の為に何人も殺したけど自分を正当化してる」


龍驤「私のもそれと同じ。だから菊月は私を責められない」


菊月「私はお前のように開き直ってはいない」


龍驤「同じだよ。同じ罪を背負ってる私だから分かる」


龍驤「…勘違いしてるのはそっちじゃない?どう足掻いても人殺しは幸せになれない。そういう風にできてるから」


龍驤「そっちもせいぜい仮初の幸せを楽しんでなよ」


菊月「安価」


下2 菊月の台詞やその他起こったことなど
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/11(金) 00:08:00.54 ID:JxbOUlVDO
お前は…(…誰だ)
何故か口には出せずに飲み込む菊月
今は夕張の事だと頭を切り替える
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/11(金) 00:36:02.16 ID:8TzAhpYCo
>>228
お前の提督の為にも夕張をなおさにゃならん、協力してもらうぞ
230 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/11(金) 00:53:28.96 ID:uFBWzuwk0
菊月「お前は……(誰だ…)」


龍驤「ん?」


菊月「…………」


菊月「とにかく夕張をどうにかする。お前の提督の為でもある」


龍驤「うん、頑張ってね」


菊月「……」


菊月(なぜだ。なぜ私は口を噤んだ。どうして続きを口にしなかった)


龍驤「……」ニコニコ


菊月(……何だこの得体の知れない嫌な感じは)


ーー
231 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/11(金) 00:54:05.47 ID:uFBWzuwk0
続く


コメントなどあればお願いします
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/11(金) 00:58:02.88 ID:JxbOUlVDO
お疲れ様でした
標準語龍驤はかわいいけどなんか怖い
語尾が取れた卯月とか金剛もそういう時は本気モードだしやっぱり違う
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/11(金) 01:10:18.00 ID:MHO3s4ZRo
おつでした
夕張関係藪蛇って思ってました…ガッツリ本筋やん……
標準語龍驤の態度はどうせ助からないから拗ねてるとも見えるがはてさて
艦娘から艦娘の成分を抜いたら何が残っているのだろうか…
234 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 18:15:03.43 ID:ezEe4bgS0
ーー病院


提督「冗談ですよね…?」


「この状況で冗談が言えるほど私はまだ人間ができていません」


提督「そんな……夕張が…」


「彼女の体は限界を超えるという言葉では表せないくらいに疲弊しきっています。どうやっても回復は望めません」


提督「数日前まで普通に生活していたんですよ!?」


「それも彼女が作ったデバイス、『トリガー』のお陰でしょう」


提督「そんな……」


「あそこまで酷い状態は見たことがありません。全ての数値が酷く明日にでも容態が急変しても何も不思議じゃありません」


提督「……」
235 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [saga]:2020/09/12(土) 18:21:14.76 ID:ezEe4bgS0
提督「…まだ可能性はあります。例えば内臓を治療したり…」


「するだけ無駄です。たとえ全ての内臓をまるで新品のようにしたとしても、彼女の体がそれに耐え切れません」


提督「……」


「彼女の体を一から作り替えれば助かる可能性はあります。しかしそんなことは不可能ですし、もしできたとしてそれは彼女そのものと言えるでしょうか?」


提督「……」


「貴方が提督として彼女にしてあげられることは、彼女を解体して楽にしてあげることかもしれません」


提督「医者が…それを言うんですか?」


「普通なら言いません、どんな手を使ってでも彼女を生き存えさせると言います。しかし彼女はそれを言うことすら躊躇うくらいに酷い」


「意識が戻ったとしても激痛と妄想で……」


提督「……」


「貴方が治療を望むならこちらも全力を尽くします。ですが私が言ったことをどうか覚えておいて下さい」


提督「…夕張を宜しく頼みます」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 18:32:52.50 ID:TpspWGdDO
帰る前に眠る夕張の様子をじっと見ている提督
その後ろにいつの間にか立っている八島と敷島
助ける事自体は不可能じゃない、だけどそれは提督と夕張に新たな業を背負わせる
選ぶのは貴方です司令官

普段とは雰囲気がまるで違う二人
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 18:35:20.41 ID:ZA0QDBego
夕張を必ず助けると約束した
方法を探るために幹部さんにも相談する
238 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 18:46:21.29 ID:ezEe4bgS0
ーー


幹部『私の方にも夕張君のカルテを送ってもらったんだ』


提督「率直に言って…どうですか?」


幹部『私はね、全ての艦娘には幸せになる権利があると思ってるんだ。だからこそ手を伸ばし続けてきた』


幹部『医者が匙を投げようとも私だけは最後まで諦めないと。そう決めていたんだ』


提督「じゃあ夕張も…」


幹部『だが例外はある。助けたとしても残りの命が無ければ意味がないんだ』


提督「……」


幹部『残りの命を伸ばせるならどんな方法でもやる。しかし夕張君はもう…』


提督「そう……ですか」
239 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 18:55:33.11 ID:ezEe4bgS0
幹部『夕張君の解体を勧められたのは理解できる。彼はとても良い医者なんだろう』


提督「……」


幹部『君が諦めないというのなら私も協力する。だが限界があるということは知っておいてくれ』


提督「…………分かりました」


幹部『提督君がどんな選択肢を選んでも君は悪くない。誰も君を責めたりしない』


提督「……」


幹部『彼女は仕方ないと、間違っても君を悪者になんかしない』


提督「仕方なくなんてないんです。夕張は私が……自分のせいで…」


幹部『…こういうこともあるんだ、提督君』


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 18:59:00.15 ID:TpspWGdDO
見かねた新棲姫が提督に助言
艦娘として生きるではなくてもいいなら方法が無い訳ではないと
上手くいく保証は無いし夕張の精神状態を考えれば暴走する危険性もあると前置きしてから
夕張を深海棲艦化させるという案を出してくる
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:01:55.85 ID:mF8c+OT10
夜逃げしようとする夕張。海の
藻屑になりたいと願ったけれど
……提督に止められてしまった
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:10:13.46 ID:ZA0QDBego
>>240
漣も由良も絶望的な状態から深海棲艦が寄生したことで生き残ったんだ
残された方法はこれか整備士がなにかできることを祈るくらいしか…
243 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 19:17:52.53 ID:ezEe4bgS0
ーー


提督「……」


提督「…………」


ピピピピピ…


提督「……」ガチャッ


潜水新棲姫『相当参ってるらしいな提督』


提督「……あぁ」


潜水新棲姫『ワタシは医者じゃないから夕張を治療することはできない』


提督「…知っている」


潜水新棲姫『だからワタシにできることを提督に教えようと思う』
244 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 19:21:31.08 ID:ezEe4bgS0
潜水新棲姫『夕張をワタシ達と同じにする。深海棲艦にするんだ』


潜水新棲姫『艦娘としては生きれなくなるが、夕張が死ぬということも無くなる』


提督「……」



潜水新棲姫『だが上手くいく保証は無い上に夕張の精神状態を考えれば暴走する危険性もある。賭けるには危険過ぎる』


提督「…それでも可能性はあるんだな」


潜水新棲姫『由良が深海棲艦のコアを捕食して生き存えたように、成功する可能性はある』


提督「……そうか」
245 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 19:25:06.61 ID:ezEe4bgS0
潜水新棲姫『これが最後の手段だ。整備士に頼れないなら祈るくらいしか方法は無い』


提督「祈る…」


潜水新棲姫『非現実的だがこれくらいしか提督ができることは無い』


提督「……助言、感謝する」


潜水新棲姫『最後の手段だからと言ってそれが最善とは限らない。もし暴走すれば解体どころか夕張をワタシ達が殺すことになるんだぞ』


提督「……」


提督「…………」


潜水新棲姫『よく考えて、結論を出してくれよ』


下2 この後の展開やその他起こったことなど
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:27:04.84 ID:mF8c+OT10
「まだ見ぬ世界が見えるかも」と夕張は大喜びする
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:32:04.48 ID:TpspWGdDO
方法としては幹部が確立した深海棲艦の細胞移植だ
規定されている以上の細胞を移植して現在の細胞を侵食させ完全に深海化させると説明する新棲姫
わざわざ危険を冒して何処かの深海棲艦を捕まえる必要は無いと
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:33:06.75 ID:zBbyfVBzO
夕張は俺を本気で信じてくれたからトリガーを解除してくれた。
だから俺は夕張を信じる。

話を前にすすめるために深海棲艦組、深海棲艦寄生組、整備士を始めとした技術者組と徹底的にリスクや方法を徹底的に打ち合わせ。
249 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 19:38:12.50 ID:ezEe4bgS0
ーー


夕張(提督……)


夕張(私は…貴方を…信じます……)


提督「……」


提督「夕張は俺を本気で信じてくれたからトリガーを解除してくれた。そんな俺が夕張を信じないでどうする」


提督「可能性がゼロで無いならそれを信じる。夕張はまだ助かるんだ」


提督「…夕張は絶対に助ける」


提督「その為には準備と人が必要だ。大変だろうが全てを揃える」
250 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 19:43:50.34 ID:ezEe4bgS0
ーー数日後


提督「皆んな、集まってくれてありがとう」


潜水棲姫「これだけいれば何とかなりそうだけど…」


潜水新棲姫「人が集まった所で成功率は変わらない」


漣「悔しいですけど嫁の言う通りなんすよね」


由良「万が一があれば私がやる」


球磨「クマはほとんど役に立たないクマよ?」


由良「居ないよりはマシ」


タシュケント「ごめんね、整備士は表に出れないから代わりにあたしが来たんだけど…」


漣「コロス」


タシュケント「まぁそうなるよね…」


潜水新棲姫「その話は後にするぞ。今は夕張が優先だ」
251 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 19:47:47.58 ID:ezEe4bgS0
提督「何をどうやっても成功率は変わらないんだな」


潜水新棲姫「そうだ」


提督「……」


由良「提督」


由良「夕張とはこれで最後になるかも」


由良「お別れは」


提督「……いい」


由良「どうして」


提督「失敗した時のことは考えたくない」


由良「…」


球磨「しかしよく病院から夕張を持ち出せたクマね」


漣「あ、もちろん無許可ですよ。ですからなにかあれば全てご主人様の責任になります」


球磨「うぉ〜それはまたワイルドクマね」
252 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 19:51:05.93 ID:ezEe4bgS0
潜水棲姫「うだうだしてる時間は無いよ」


潜水新棲姫「提督、さっさとやるぞ」


由良「用意して」ジャキッ


球磨「クマーー!」ジャキッ


漣「お願いしますよ…!」ジャキッ


タシュケント「……こっちもいいよ」


潜水新棲姫「提督」


提督「…なんだ」


潜水新棲姫「合図は提督が出してくれ」


提督「……」


潜水新棲姫「提督」


提督「…やれ!夕張を助けてくれ!」


下2 コンマ判定


奇数  ○
偶数  ×
ゾロ目 ?
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:51:38.20 ID:zL5HahTDo
きついな
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:53:23.29 ID:ZA0QDBego
お願いします…
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:54:39.87 ID:gkjmMDrFo
うっしゃぁぁぁあああああああ>>254ナイスぅぅうううううううう!!
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:55:34.06 ID:TpspWGdDO
この判定怖すぎる
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 19:57:11.85 ID:zBbyfVBzO
半丁博打は怖いよ〜
258 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 20:04:52.28 ID:ezEe4bgS0
潜水新棲姫(艦娘を深海棲艦にする。これは普通の方法では不可能だ)


潜水新棲姫(深海棲艦との戦闘で艦娘が沈んでも必ず深海棲艦になるとは限らない)


潜水新棲姫(どうやれば深海棲艦になるという規則性は無いが、共通点はある)


潜水新棲姫(それは沈むまで猶予があったということだ。問答無用で沈められた艦娘が深海棲艦になったのは聞いたことがない)


潜水新棲姫(例外はあるかもしれない。だがそんなことを言ってはいられないだろう)


潜水新棲姫(夕張を深海棲艦にするには致命傷を負わせ、そしてその後……トドメをさす)


潜水新棲姫(成功率は低いだろう、だがやると決めたのならやるしかない)
259 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 20:07:51.68 ID:ezEe4bgS0
ーー


ズズズ……


球磨「どうクマ!?」


潜水棲姫「かなり手加減はしたから大丈夫なはず…!」


夕張「…」


提督「夕張!!」


夕張「え…ぁ……あぁぁぁぁ……」


由良「…」


漣「とりあえずは成功……」


潜水新棲姫「あとはこのまま暫く待つ」


提督「どれくらい待つんだ!」


潜水棲姫「死ぬ……ギリギリまで…」


提督「ぐ……」


潜水新棲姫「それしかないんだ」
260 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 20:11:36.10 ID:ezEe4bgS0
夕張「ぁ……や…」


由良「意識が」


球磨「ショックで戻ったクマか…?」


夕張「い……いや……だ………死…死にたく…な…い……」


提督「夕張…」


夕張「な……なんで…どう……して…」


球磨「クマ…」


夕張「提督………」


提督「……」


夕張「信じて………たのに…」


提督「……」


夕張「提督を……信…じて………」


夕張「……」
261 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 20:15:16.83 ID:ezEe4bgS0
八島「成功率が低いって言ってるのにさ、二分の一はフェアじゃないよね」



下2 コンマ判定



八島「悪く思わないでよね、そんな簡単なものだと思われたらこっちも困っちゃうもん」


八島「言っとくけどこれでかなりオマケしてあげてるからね?あたしを恨むのは筋違いってことで」


八島「全てはカミサマが決めることなんだよ」
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:17:30.64 ID:gkjmMDrFo
ふぇぇ
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:17:49.61 ID:zBbyfVBzO
夕張を信じて
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:19:38.73 ID:TpspWGdDO
ん?同じ判定をもう一度?
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:22:02.75 ID:gkjmMDrFo
(何かパーセンテージかな)
266 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 20:28:48.30 ID:ezEe4bgS0
八島「ごめんごめんコンマが何かどうかを書き忘れたけど、奇数の時点で夕張は救われたよ」


八島「偶数ならもちろん夕張は死ぬ。それどころか何人かやられたかもねぇー」


八島「あ、ちなみに今回ゾロ目だった場合どうなってたかは言わないよ。なんでかなぁ?」


八島「それともう、一つ追加で安価を取っておこうかな。深海棲艦になった夕張の見た目とか何か特徴を教えてよ、下2」


八島「今日はあたしの出番は終わりかな?一応さよならはしておこうかな」


八島「以上八島でした。今日も参加してくれてありがとうね」
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:34:17.68 ID:TpspWGdDO
エメラルドの目に同じ色の髪
肌は深海棲艦のもの
夕張がよく使っていたドローンが専用艤装となって顕現している
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:35:50.52 ID:gkjmMDrFo
へそ出しチューブトップに極ミニスカ
毛先だけ蛍光グリーンになった白髪、髪長さアップ

ゾロが単純成功じゃないなら2連偶数は16%なんだよなあ心臓に悪いんですが八島反省しろ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:36:54.61 ID:zBbyfVBzO
助かった!
270 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 20:45:20.41 ID:ezEe4bgS0
夕張「……」


夕張「…………」


夕張「……………ぁ」ビクッ


潜水新棲姫「今だ!!」


潜水棲姫「ごめん夕張…!」バシュッ


ドガーーンッ…


漣「命中……しましたね」


球磨「あとは祈るだけかクマ」


提督「夕張……夕張…!」


由良「…」


潜水新棲姫「どうだ」


潜水棲姫「……手応えはあった。成功したか沈んだかのどっちかだと思う」


潜水新棲姫「……そうか」
271 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 20:50:15.26 ID:ezEe4bgS0
ズズズズズ……


由良「来た」


潜水新棲姫「この気配……成功したようだな」


深海夕張「……」


提督「夕張……!」


球磨「見た目も変わってるし、深海棲艦にはなったみたいだクマね」


漣「チューブトップにミニスカ。深海棲艦っぽいですな」


潜水棲姫「髪の毛も変わってる。殆ど白髪になって…毛先だけ緑かな?」


潜水新棲姫「髪の長さも伸びた。間違いなく成功したようだな」


深海夕張「……」


提督「夕張…すまないこれしか方法が無かったとはいえ……夕張を傷付けた……本当にすまない…」


深海夕張「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:58:23.93 ID:TpspWGdDO
死にたくない
その一心が成功の一因だったと夕張は気付いていた
あれだけ自分が嫌になって自暴自棄になっていてもやっぱり私は生きたかったんだ…と
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 20:59:25.18 ID:zBbyfVBzO
いいえ…提督やみんなの想いが伝わりました
どんな形であれ助けてくれてありがとうございます
感謝の涙が頬をつたっており発狂する様子もない

自分が生きていても良いとやっと確固たる証拠ができて安定した
プラス>>272
274 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 21:03:14.59 ID:ezEe4bgS0
深海夕張「いいえ……皆さんや……提督の想いが……伝わりました……」


提督「夕張…!」


深海夕張「どんな形であれ……助けてくれて…ありがとう……ございます……やっぱり…提督を信じて……良かった……」


潜水棲姫「ねぇ…」


潜水新棲姫「そうだ、まだ安心はできない」


由良「…」


深海夕張「私……気付いたんです………」
275 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 21:09:52.29 ID:ezEe4bgS0
深海夕張「死にたくない…… その一心が……私を……」


深海夕張「 あれだけ…自分が嫌になって……自暴自棄になっていも………やっぱり私は…生きたかったんです……」


深海夕張「提督……」


深海夕張「助けてくれて……ありがとう………」ポロポロ


提督「夕張…夕張…!」ダキッ


漣「やれやれ、どうやら大丈夫そうですな」


球磨「助かったのは嬉しいクマ。でもこんなあっさりいくものかクマ?」


潜水新棲姫「夕張の精神状態が大きかったんだろう。自分は生きていても良い、生きたいと願っていた」


潜水棲姫「良かったね夕張…」


漣「さぁ皆さん、撤収がてら始末書を書く準備でもしておきましょう。普通に考えれば犯罪ですからね〜」


由良「…」シュバッ


球磨「由良が逃げたクマ!」


漣「由良さんは仕方ありませんけど、そこでコッソリ帰ろうとしてるお前は許しませんよ〜」


タシュケント「……」


提督「……!」


漣「…良かったですねご主人様」


下2 この後の展開やその他起こったことなど


276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 21:14:50.97 ID:zBbyfVBzO
鎮守府に戻るとみんなが迎える
北上は夕張イメチェンしたじゃ〜んといじってきたり
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 21:20:24.99 ID:ZA0QDBego
>>276
駆けつけたいけどと横須賀工廠組だけでもオンラインで参加してる
278 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 21:24:51.31 ID:ezEe4bgS0
ーー足りないもの鎮守府


北上「おー随分とイメチェンしたじゃ〜ん」


深海夕張「…はい」


北上「ん〜まぁでも夕張には変わんないわけだし。これまで通りよろしく〜」


深海夕張「…はい!」


北上「あたしはこれくらいにして…はい皆んな〜お待ちかねの深海夕張だよ〜」スッ


「「「夕張さん!!」」」


深海夕張「み、皆さん……」


北上「皆んないっぺんに声出し過ぎだって〜あたしのタブレットのスピーカー壊れたらどうするのさ〜」


明石『夕張さん大丈夫ですか!?』


深海夕張「えっと…この通り元気です」


明石『良かった……!』
279 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 21:28:57.60 ID:ezEe4bgS0
「「……」」


北上「さて、夕張と横須賀組は暫く話してるだろうし放っておいていいと」


漣「……」ギリギリ


タシュケント「……」


北上「問題はこっちだよねぇ」


潜水新棲姫「提督達は始末書や説明や何やらで忙しい。漣だって本当はそうなんだが無理矢理帰ってきた」


北上「どっからどう見ても漣ヤバくない?ブチ切れてるでしょ」


潜水新棲姫「ワタシでも止められないかもしれない。そうなったらいきなり深海夕張の出番だ」


北上「あのタシュケントは強いんじゃないの?」


潜水新棲姫「そうだとしてもここは工廠だ。暴れてしまうのはまずいだろう」


北上「確かに…穏便に済ましてくんないかなぁ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 21:39:05.16 ID:TpspWGdDO
当時のもろもろをそれはもう事細かくねちねち説明する漣
頭の穴がどうとか感触がどうとか
自分にもダメージ入ってるでしょそれ…と呆れ半分ハラハラしてる北上
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 21:44:54.53 ID:zBbyfVBzO
>>280に対して弁明なんてできるはずもないタシュ
ただただ過去の事を誠心誠意謝罪する

漣も成長してるのでもう気が済むだけこんこんとぶちまけて
あんたも何度死んだかわかんねえんだろうからこれでチャラです
整備士のところで真っ当に生きろ
282 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 21:52:28.94 ID:ezEe4bgS0
漣「何かね、物音がしたんですよ。一応確認しに行くかと思ったら嫁が寝てる部屋から血が流れ出てたんですよ」


漣「その時点で嫌な予感はしてました。でも僅かな希望を抱きながらドアを開けると……嫁が死んでたんですよ」


漣「見た瞬間死んでるなっていうのは分かりましたよ。ご丁寧に眉間に穴が空いて脳みそ漏れてんですもん」


漣「信じられなくて嫁を触ったら……もう心臓は動いてませんでした」


漣「あの感触は一生忘れませんよ。自分の愛した女が目の前で死んでるんですよ」


タシュケント「……」


北上「そんな詳しく言うと自分にもダメージ入るでしょ…」


潜水新棲姫「ほうほう」


北上「なんであんたは頷いてんのさ」


潜水新棲姫「死んだ直後のことは知らないからな。そうかやはりそうなっていたんだな」


北上「……はぁ〜…」
283 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 21:58:09.23 ID:qZrYHKvcO
タシュケント「…言い訳なんかしない。君の大切な人を殺してしまって本当にごめん」


タシュケント「謝って済む問題じゃない。けどあたしにはこれしかできないんだ」


漣「……それで済むと思ってんじゃねぇーーー!」


北上「…一応用意しとこ」ジャキッ


潜水新棲姫「大丈夫だ」


北上「ブチ切れ一歩手前じゃん。危ないって」


潜水新棲姫「漣はいつまでも昔のままじゃない」
284 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 22:01:05.37 ID:qZrYHKvcO
漣「……」


漣「……あぁもう!!」


漣「あんたは何度死んだか分かんないんでしょう!これくらいにしといてやりますよ!!」


タシュケント「…ありがとう」


漣「ただし!整備士のところで真っ当に生きるのが条件だからな!」


タシュケント「勿論さ、もう誰も殺さない」


漣「信用できるはず無いのに……!ここで手を出したら……!」


潜水新棲姫「漣」


漣「……二度は無いと思え!!」


タシュケント「十分、肝に銘じておくよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 22:21:11.45 ID:gkjmMDrFo
漣タシュのやり取りと新棲姫を見て北上「いいねぇ、羨ましいよお二人さん」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 22:26:00.96 ID:TpspWGdDO
疲労困憊したように椅子に座って頭を抱える漣
さて、旦那を慰めるのは嫁の役割で特権だと新棲姫が向かう
二人だけにしてあげようかとタシュを連れて離れる北上
287 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 22:31:34.93 ID:qZrYHKvcO
漣「はぁ……はぁ……」


漣「うぅぅぅぅぅぅぅ…!!」


潜水新棲姫「…漣」ギュッ


漣「……」


潜水新棲姫「旦那を慰めるのは嫁の役割であり特権だ」


漣「……」ギュッ


潜水新棲姫「ワタシはここに居る。漣の嫁で深海棲艦のワタシは目の前にいる」


漣「……」


潜水新棲姫「ワタシは間違いなくワタシなんだ」


漣「……」


北上「ちょっと、ねぇ」


タシュケント「……」


北上「ここにはもう居なくていいんじゃない?」


タシュケント「そうだね…うん」


北上「夕張はまだ話してるし、あたし達が移動しよっか」
288 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 22:36:35.35 ID:qZrYHKvcO
ーー


北上「〜〜」


タシュケント「あたしのことは憎んでるよね」


北上「そりゃあねぇ。だからと言って別になにもしないけど」


タシュケント「……」


北上「提督を見てたら分かるでしょ?一人の艦娘を助けるために全力であそこまでするんだもん」


タシュケント「あの提督の艦娘だからか…」


北上「あたし達は一筋縄ではいかないからね。ま、潜水新棲姫が生きてるっていうのも大きいかな」


タシュケント「もし死んだままだったら?」


北上「リンチ。提督が止めても死ぬまで殺してた」


タシュケント「それは当然だよ、あたしは許されないことをずっとし続けてきたんだ」


北上「それが今では整備士の助手かぁ。なんというかまぁ、出世したよね」


タシュケント「そんなつもりじゃない。これはあたしがやるべきことなんだと思ってる」
289 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 22:39:24.00 ID:qZrYHKvcO
タシュケント「百人殺したのなら百一人助ける。それどころじゃない、二百三百と助けるんだ」


北上「百人ねぇ」


タシュケント「…正直百人よりもっと殺してる。だからあたしは死ぬまで整備士の所で多くの命を助ける」


北上「…百人より多くても四桁はいってないでしょ」


タシュケント「流石にそれは…」


北上「…一億も背負った龍驤さんはどうしろってのさ……」ボソボソ


タシュケント「…?」


下2 この後の展開やその他起こったことなど
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 22:56:42.57 ID:zBbyfVBzO
夕張はひとしきりよろこびの言葉を受けたあとにそれにしても服装もなかなか際どくなったといじられて赤くなったり
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 23:01:38.82 ID:gkjmMDrFo
>>290
特に工廠組から
292 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 23:12:28.63 ID:IqH/abVY0
ーー


深海夕張「皆さんありがとうございます、その言葉がとっても嬉しいです!」


秋津洲『……夕張〜ちょっとカメラを下に向けて欲しいかも』


深海夕張「こうですか……?」


秋津洲『うわ!やっぱりスカートが短いかも!』


明石『本当ですね…』


深海夕張「え、ちょっと…!」


陽炎『歩いただけで下着がチラ見ね。金色より目立つなんて許せないわ』


深海夕張「そんなこと言われても知りませんよ!」


秋津洲『夕張、残念ながら提督はそれじゃ興奮しないかも』


深海夕張「何で提督が出てくるんですか!!」
293 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 23:16:53.27 ID:IqH/abVY0
明石『お臍も丸出しでポイント高いです』


陽炎『ていうか司令のことは皆んな好きなんだから慌てる必要は無いじゃない』


秋津洲『夕張〜〜?』


深海夕張「もう知りません!通信切りますよ!」プツッ


深海夕張「全くもう…スカートが短いのは私のせいじゃないのに!」


深海夕張「あ、北上さんこのタブレットありがとうございました」クルッ


漣「ん…んん……」


潜水新棲姫「あぁ……」


深海夕張「……」


深海夕張「…とりあえず撮影しておきましょう」スッ


下2 この後の展開やその他起こったことなど
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 23:31:05.12 ID:TpspWGdDO
そういえば整備士から横須賀に居る伊400と夕雲を引き取ってきてほしいと言われてたんだけどとタシュケントが提督に話す
仮にも一人は仲間だったからね
それに夕雲ももうあそこに捕まえておく必要も無いよね
提督に許可を貰ったら帰りに寄るつもりなのだと
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/12(土) 23:42:46.75 ID:ZA0QDBego
>>294
人手はいくらあってもいいくらいだからね
296 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 23:51:01.85 ID:IqH/abVY0
ーー


タシュケント「やぁお疲れ様」


提督「……」


タシュケント「整備士から横須賀で軟禁されてる伊400と夕雲を引き取ってきて欲しいって言われてるんだけど?」


提督「……」


タシュケント「仮にも一人は仲間だったし、人手はいくらあっても困らないからね。許可をくれるなら帰りに寄って引き取りたいんだけど」


提督「…無理だ」


タシュケント「どうして?夕雲はもうあそこで捕まえておく必要は無いよね?」


提督「……」


タシュケント「厄介払いができると思ってあたし達に任せてくれればいいんだよ」


提督「……」


タシュケント「うーーん…どうしようかな」
297 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/12(土) 23:57:04.03 ID:IqH/abVY0
タシュケント「あの二人から旧大本営の情報を引き出したらそっちに教えるっていうのはどう?」


提督「あの二人はずっと旧大本営に居たわけじゃない」


タシュケント「何がダメなのさ?」


提督「…あの二人を自由にさせると龍驤が危険な目に遭う」


タシュケント「それは結局関係無かったんでしょ?」


提督「やめてくれ!」


タシュケント「……」


タシュケント(なるほどな、この人は明確な敵が欲しいんだ。自分の大切な人が傷付けられた時に誰かのせいにしたい)


タシュケント(自分のことは棚に上げて、か。ある意味安心したかな、この人も一人の人間なんだ)


タシュケント(さて…整備士にはどう言っておこうかな…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 00:19:04.50 ID:cPSY4cIQo
そのまま報告
自分の考察も述べる
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 00:22:15.02 ID:OtggaJIDO
まあ仕方無いか…下手に誤魔化してもいずれはバレる
正直に提督に拒否されたと伝えておこうとタシュケント
だけど捕虜の扱いは丁重に頼むよと提督に残し帰還
300 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/13(日) 00:27:48.17 ID:zaNLp+/00
タシュケント(まあ仕方無いか、下手に誤魔化してもいずれはバレちゃうし提督に拒否されたと伝えておこうかな)


タシュケント「分かった、連れて帰るのはやめておくよ。だけど捕虜の扱いは丁重にね」


提督「……」


タシュケント「丁重にね!」


提督「…………あぁ」


タシュケント「…あたしは先に帰るよ。これでも一応表は堂々と歩けないんだ」


提督「……」


タシュケント「またね提督さん」
301 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/13(日) 00:32:50.62 ID:zaNLp+/00
ーー


整備士「断られちゃったか…」


タシュケント「彼も人間なんだよ、それが知れただけでも良かったんじゃないかな」


整備士「うーん…」


タシュケント「ダメだった?」


整備士「そうだね。多少強引でも良かったから伊400君は欲しかったなぁ」


タシュケント「……」


整備士「これから接触を続けてもらえるかな?心を開いてくれればきっといい返事をもらえるようになると思うんだ」


タシュケント「同志、伊400に拘るのはどうして?彼女じゃないといけない理由があるのかい?」


整備士「安価」


下2 整備士の台詞やその他起こったことなど
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 00:37:29.09 ID:OtggaJIDO
理由はあるよ
でもそれは彼女が帰って来たら多分解るかな
気になるかい?なら頑張って(にっこり
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/13(日) 01:09:18.10 ID:cPSY4cIQo
帰って来てくれたら話すから
そこまで急ぎではないけどね、仲良くするんだよ
304 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/13(日) 01:15:46.36 ID:zaNLp+/00
整備士「それは彼女が帰って来てくれたら話すよ」


タシュケント「へぇ、だったら…」


整備士「そこまで急ぎではないから、時間をかけて仲良くするんだよ」


タシュケント「…分かったよ同志」


整備士「提督さんは本当に興味深いなぁ。いつも僕の予想を覆される。まるでアニメのキャラクターみたいだね」


整備士「いやキャラクターなのは僕か。彼から託されたベルトもあるし…」


整備士「うん、やることはまだまだ沢山あるね」


タシュケント(いつもにも増して同志の顔が悪そうだ…)


ーー
305 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/13(日) 01:20:05.26 ID:zaNLp+/00
八島「16%もあったんだ、多過ぎちゃったみたいだね」


八島「次にやる時はもっと少なくしないとねぇ〜」


八島「ま、次があるかどうか知らないけど」


八島「夕張はエピローグに出て無かったんだし死んでてもおかしくなかったよねぇ〜」


八島「反省しろとかそんなこと言われたらまたちょっかい出したくなるよね」


八島「……お楽しみに」


八島「以上八島でした。今日も遅くまでわざわざありがとう」


ーー
306 : ◆I4lwDj9Dk4S2 [sage saga]:2020/09/13(日) 01:20:45.43 ID:zaNLp+/00
今日はここまで


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