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隣に住んでる女大生「あの……魚醤作りすぎたんですけど」社会人男「魚醤!?」
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336 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/09/12(土) 13:28:54.53 ID:qZrYHKvc0
今回はここまでです
次でバー編終わりです
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/12(土) 13:34:22.08 ID:FWtdZI6S0
乙
アカミミガメは下茹でしてからコラーゲン質の皮剥いて調理すると臭み抜けるんでお勧めです
338 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/12(土) 15:24:53.72 ID:yHuBuERtO
次は何が出てくるかな楽しみ
何か亀に詳しい人きてる
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/12(土) 18:09:18.84 ID:gkjmMDrFo
おつおつ
亀食経験者?来てて草
女さん虫はNGだからある意味安心して見れる
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/12(土) 18:09:24.90 ID:wvRnUe1Bo
食材が某農業アイドルが獲ってくるやつみたいになっとる…
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/12(土) 18:27:27.66 ID:hThHpsqD0
乙
ふぇぇ有識者まで来て怖いよぅ
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/12(土) 18:34:28.29 ID:TpspWGdDO
亀の水槽の味を知っている人々…
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/13(日) 04:12:54.01 ID:SsaTDOHzO
アカピッピミシミシガメ……
344 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:06:01.98 ID:KaInJGUw0
女「やっぱヘビの後はカエルですよね、カエル」
男「さっぱり意味がわからんが」
女「ヨーロッパではローマ時代からカエルを食べる習慣があったらしいですよ」
男「……日本では?」
女「全くないですね」
バーテン「大昔にはカエルを食べていたという記録残ってるそうですが、日本固有のカエルは小さくて食べるのに向いてないですからね。廃れてしまったようです。嘆かわしい」
男「嘆かわしいかな?これ」
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/20(日) 18:08:09.11 ID:UIru4gs0o
きたわぁ!
346 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:09:16.67 ID:KaInJGUw0
女「『カエルの子はカエル』『カエルの面に水』『ヘビに睨まれたカエル』などなど、様々な言葉があるのに食文化が廃れてしまうなんて……これはもうあたし達で食べるしかないですね!」
男「そうはならんやろ……」
バーテン「ああ、そういえば知ってますか?『ヘビに睨まれたカエル』……あの言葉の真意」
男「はい?……カエルが恐怖で立ちすくむこと、でしょ?」
347 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:11:19.87 ID:KaInJGUw0
バーテン「実は、カエルはヘビが攻撃してきた瞬間に避けようとしていて、ヘビはカエルが逃げた後の着地点を攻撃しようとしている……お互いが『後の先』を狙う動きをしているのです」
女「へー。その結果、動くに動けない状況になるんですねー」
男「なんか熟練の格闘家みたいだな……」
バーテン「どうですこのカエルうんちく。合コンで話せばウケること間違いなし」
男「いや100パーすべると思う」
348 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:14:28.65 ID:KaInJGUw0
男「しかしヘビにカエルと……やっぱ爬虫類系は抵抗が少しあるかな」
女「……男さん、カエルは両生類です」
男「ううう、うっせえ。どっちも似たようなモンじゃん」
バーテン「まあわかりますよ。卵生の変温動物って、何考えてるかわからない目してますよね」
女「ウロコあったりヌメヌメしてたりしますし……まあ確かに抵抗ある人はあるのかもなー」
男「えーっと、女さん抵抗は――……」
女「美味しいから大丈夫ですよ?」
男「だよねー……」
349 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:16:29.82 ID:KaInJGUw0
バーテン「……そういえば男さんは、ニガテな食べ物はないのですか?」
男「え?……うーん……なんだろ……」
女「男さん結構好き嫌い少なそうですよねえ」
男「まあそうかもしれないな……強いて言うなら……おでんのコンニャクがニガテ」
バーテン「……何故?」
女「嫌う要素あります?コンニャク」
350 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:19:50.80 ID:KaInJGUw0
男「ブルンブルンして箸で千切れないから噛み付くしかないけど、熱くて歯の裏ヤケドするじゃん……あの感触も苦手だし……竹串ごと噛んじゃったらもう最悪……生きる気力無くす……」
バーテン「な、なるほど?」
女「よくわからないもんですねえ……」
351 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:22:09.84 ID:KaInJGUw0
バーテン「しかし、そういった苦手な物はあるのに、女さんの食事には付き合うのですね」
男「まあだいたい慣れましたし……結構あれですよ。意外と美味しいの多いっていうか」
女「おおー、わかってくれますか」
男「食べた結果ニガテってなるのはわかりますけど、食べる前から嫌ってたらいけないな、っていう……やっぱ何事もチャレンジですよねー」
バーテン「ほうほう、なるほどなるほど……」
352 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:25:45.12 ID:KaInJGUw0
バーテン「そういう事なら特別に、今回はカエルの姿焼きにしてみました」
ゲロリーン‼
男「なんで?」
バーテン「ゲテモノ愛好家からしたら、食べる前から過剰に嫌われるのも悲しいですが、一切抵抗なくパクパク食べられるとそれはそれで面白くないのですよ」
男「知らんがな」
353 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:28:13.80 ID:KaInJGUw0
女「おお……流石になかなかの迫力あるヴィジュアル……」
男「あれ、好きなんじゃないの?カエル」
女「普段は唐揚げですからねー。こーいうのは新鮮です」
バーテン「皮を剥いで内臓を取り除き、あとは塩コショウしてそのままグリルで焼いただけです」
男「……どこから食べればいいの、これ」
バーテン「頭は食べられないので、それ以外から」
男「選択肢多いなあ」
354 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:30:21.47 ID:KaInJGUw0
女「とりあえずインスタ映えインスタ映え」パシャパシャ
男「君のインスタは魔界にでもあるのかい?」
女「あたし左足からいただきますので、男さん右足どーぞ」
男「……なんかヤダなあ、このシェアの仕方は」
バーテン「ゆず胡椒やホースラディッシュも合いますので、どうぞ」コトン
女「あらお洒落ですねえ」
男「カエルの添え物じゃなければな」
355 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:35:45.35 ID:KaInJGUw0
ブチブチッ
男「……うーん、足だけ見たら鶏肉にも見えなくない、か……?」
女「まあ足なんてどの生物でも見た目そんなに変わらないですからね」
男「……なかなかジューシーで美味しそうなニオイもするけど……」
女「とにかく……」
男「ん」
「「いっただっきまーす」」
女「あーん」パクッ
男「……」パクッ
356 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:40:24.75 ID:KaInJGUw0
モグモグ……
女「ん、おいしーっ」
男「…………」グニグニ
女「どうです?男さん。カエルの味は?」
男「……待ってね、骨が……」
女「ああ、結構ありますからね。骨」
男「……うん、しかしこれは……」
357 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:45:43.73 ID:KaInJGUw0
男「鶏肉だ」ドーン
女「似てますよね、鶏に」
男「鶏のムネやササミみたいなのと……白身魚?みたいなさっぱりした味がする。しかもパサパサしてなくて柔らかく、うまいな……身離れも魚に近い、か?」
女「ゆず胡椒も良いですねぇ。しっくりきますよぉ」モグモグ
バーテン「こちら、お飲み物です」
コトン
女「おおー、ありがとうございます」
男「これは、なんていうカクテルで?」
バーテン「女さんはレッドアイ。男さんにはカミカゼをご用意しました」
358 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:49:15.35 ID:KaInJGUw0
男「カミカゼ……?」
バーテン「ウォッカベースにホワイトキュラソー……オレンジベースの甘いリキュールですね。それとライムを混ぜています。キリッとしていてこういったものに合うかと」
男「ん!そこまで甘くないんだな。結構好きかもしれない……肉に合いますね」
バーテン「男さんは、お酒お強いので?」
男「普通じゃあないですかねえ。楽しむ程度には飲めますよ」
バーテン「それは良かった」
359 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:52:33.81 ID:KaInJGUw0
女「うへへー。お酒もおいしくてカエルもおいしくて、さいこー♡げろげろげろりん!」
バーテン「女さん酒めっちゃ弱いんで、バーテンダーの仕事に張り合いないんですよ」
男「まだ二杯くらいしか飲んでないだろ女さん……」
360 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:56:59.72 ID:KaInJGUw0
バーテン「ミント水出しておきますね。これ飲ませてしばらくしたら落ち着くはずです」
女「うひひー、いつもすみまちぇんねえ。バーテンさーん」
バーテン「いえいえ……私も飲ませすぎてしまいましたね。申し訳ありません」
男「……そういえば、女さんってこの町に最近引っ越してきたけど……バーテンさんとはその頃からの知り合いなんですか?」
バーテン「いえ。昔からのご友人なんですよ」
男「あ、そうなんですか?」
361 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 18:59:29.28 ID:KaInJGUw0
バーテン「というより、女さんのお姉様にお世話になりましてね、昔」
男「へえ……女さんのお姉さん」
バーテン「懐かしいですね……右も左もわからないあの頃、本当にお世話になって――……」
…………
362 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 19:02:09.92 ID:KaInJGUw0
…………
『おいテン子ォ。キタ高の奴らマジナメてっからシメにいくぞ』
『うっすアネさん。ついていくっす』
・ ・ ・
『あ、コーヒーしばきてえけど金ねーわ。ちょっとカンパもらってくっか』
『うっすアネさん。私行ってくるっす』
・ ・ ・
『テン子ォ。腹減ったぞ。誰かパシらせてこいよ』
『うっすアネさん。僭越ながら弁当作ってきたっす』
・ ・ ・
『テン子ォ。オメーはマジに頼りになる舎弟だなあ』
『うっすアネさん。私テレるっす』
…………
363 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 19:04:29.85 ID:KaInJGUw0
…………
バーテン「懐かしいですねえ……あの頃が……」シミジミ
男「いい話っぽく言ってるけど過去に何があったんだアンタに!!」ガビーン!
…………
364 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 19:07:20.10 ID:KaInJGUw0
…………
後日――……
男「はあ……仕事しんどいなあ。今日も……」カタカタ
後輩「先輩、センパーイ」
男「なんだ?まーたなんかミスったか」
後輩「いえ、そうじゃなくってー……お店、どうなりました?いい店見つけたっスかー?」
男「……あー……それなんだけど……」
365 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/20(日) 19:08:22.19 ID:KaInJGUw0
男「カラスにヘビにカエル……食える店って、どう思う……?」オソルオソル
後輩「何故オシャレなバーの話から魔女鍋の材料みたいな話に!!?」
…………
366 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/09/20(日) 19:10:51.62 ID:KaInJGUw0
今回はここまでです
カエルはマジで美味しい。オススメ。味的には結構ウサギに似てるかもしれない……どっちも鶏に近い
Amazonでも買えるので食ってみようぜカエル
次回からちょっとゲテモノから料理系統に路線戻します
書いてて桐谷さんとか山賊ダイアリーとかと変わらねえなってなってきてたので
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/20(日) 19:27:54.72 ID:g8ux6bHDO
おつおつ
バーテン女性だったの気付かなかった
読み返してみたらあら、とか言ってた
368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/20(日) 19:38:42.72 ID:UbYJuqC/o
乙乙
ゲテモノなのにそそられる飯テロ
鹿と猪と熊は食べたことあるがカエルは無いなぁ
機会があれば食べてみたい
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/20(日) 20:12:51.90 ID:UatI/74oo
カエルは鶏肉に似てるって言われるけどだったら鶏肉で良いよねってなっちゃうな多分鶏の方が安いし
最近幅効かせてる大豆ミートも代替元の肉より凄く安いって訳じゃないしね
370 :
◆eUwxvhsdPM
[saga sage]:2020/09/20(日) 20:34:17.49 ID:KaInJGUwo
>>369
個人的には鶏肉より好きですよ、カエル
値段高いのはまあそりゃあ流通少ないですしねー。みんな食わないからそりゃあ高くなる
値段言い出したらブラジル鶏肉に勝てるのいませんし、食の多様性って大切だと思います
私の父は昆虫食に未来感じてたりしますしね。私はしませんけど
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/20(日) 21:43:50.10 ID:9n3+E2vS0
乙です。
セミってね、羽取ってからチリソース炒めにすると美味しいよ。
エビチリならぬセミチリ
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/21(月) 01:31:58.49 ID:eOtI4zhio
乙
いやうさぎも味知らんのよ…
>>男「君のインスタは魔界にでもあるのかい?」
ここすき
虫も文化というか習慣を超えれば美味いんだろうけどね…じゃないとセミ禁猟区公園なんて事起こらんだろうし
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/21(月) 02:51:42.10 ID:jYZdqmb6o
カエル高いんだ
そこらへんにウシガエルいっぱいいるのにね
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/21(月) 04:31:58.13 ID:Nl3F0zaRO
そこら辺にいても誰が採取するんだって話なのだ
投網とかで一網打尽にできるわけじゃないし、鶏肉より安く採算とれる量は確保できないかと
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/21(月) 16:48:54.57 ID:5LhCrI/Q0
乙
一定の需要あるんならカエルの養殖とか誰かがやってそうだけど聞かないからコストに見合ってないとかなんかな
虫は地球外生命体だから拒否します!
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/21(月) 18:15:10.92 ID:oa+oufPIo
イメージ的にはマイナススタートになるんでやっぱ売りになる要素が欲しいですよね
両生類爬虫類は全然触れるけど虫系はどんなに美味いと言われても無理だなぁ…
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/23(水) 13:14:41.54 ID:Llo2pTATO
カエルは食べるところのわりに食べれる状態にするコストが高そうなイメージ
そういや食用の小さめの動物とかって絞めるのどうやってるんだろ
日本だと魚以外あんまり思い付かないが大変そう
378 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:29:52.75 ID:r9jKN8iq0
…………
男「……よし、今日の晩ごはんできたー……」
・ごはん
・みそしる
・つけもの
男「…………悲しい……」ショボン
379 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:32:49.60 ID:r9jKN8iq0
男「仕方ねえよなあ……『プラスステーション55』発売決定しちゃったし……日本はもうちょい発売遅れるかと思ったけど思いの外早くて……まあそれは嬉しいんだけど」
ズズッ……
男「しかし二ヶ月後は想定してなかったなー……金貯めないとな。うーん……ミソが薄いぜ……」
パリパリ……
男「……漬物は味濃すぎて塩食ってるみたいだし……安物はダメだな……しかし食費削らないとなあ……外食高いし」
380 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:35:26.33 ID:r9jKN8iq0
男「あああ……ここまでくると女さんのメシでも恋しくなるなあ……ザリガニ釣りに行くか?……いやなんかそこまでいくと色々捨てちゃってる気もするしなー……」
モグモグ
男「女さんが普通に美味しいごはん作ってくれたらなあ……なんか俺ヒモの思考みたいになってんな。いかんいかん。自分の欲で食費削ってるんだから、人の好意アテにしたらいかんぞ俺……洋食食いてえ……」
ピンポーン
男「!!……んぇ?」
381 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:39:28.96 ID:r9jKN8iq0
ガチャ
女「おっはろーございます。男さん」
男「あー……こんばんは。女さん」
女「あのですね、晩ご飯食べちゃいました?」
男「今食ってた所だけど――……待った!!女さん待った!!」
女「ほえ?」
382 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:41:17.73 ID:r9jKN8iq0
男「今回ばかりは受け取れねえー……俺にもプライドがある!!」
女「どういう事ですか、それ」
男「つまりだなー……」
カクカクシカジカ
シカクイムーブ
女「……なるほど。つまり自分の買いたいもののために今食費を削っている、と」
男「そう……そこで女さんからのおすそ分け受け取ったら、俺はそれを頼りにするダメ人間になってしまう!仮にも社会人が学生頼ったらダメだろ!」
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/24(木) 21:42:31.02 ID:w/SA1BZPo
そんなプライドはよ捨てぇ捨てぇ
384 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:44:15.13 ID:r9jKN8iq0
女「……面倒くさいプライドですねえ」
男「男って生き物はプライドだけで真っ直ぐ立ってんだよ」
女「うーん、伝わらない」
男「右足がプラで左足がイドだ」
女「なおさら伝わらない」
385 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:46:23.87 ID:r9jKN8iq0
男「っていうかそもそも!!女さんのおすそ分けってどーせゲテモンだろ!次はなんだ?タヌキやらパンダやらドラゴンやら食わすつもりか!?」
女「最後のは食べたくても食べられないですねえ」
男「あいッ……にく……今は、そーいうの……いらないから……マジでいらない、からッ!……いやホント……肉食えるならなんでも食いたいとか、思ってない、から!……この前のカエル案外美味かったとか思ってない……ほどこしなんかいらない……!」
女「かなり未練タラタラじゃあないですか」
386 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:49:17.75 ID:r9jKN8iq0
男「いや!マジで今は普通の食いたいからな!?そりゃあカエルくれるんなら食いたいけどさあ!今はマジで、普通の食いたい気分ですから!!女さんのゲテモノ差し入れなんていりません!ごめんなさい!こっちのプライドで無茶苦茶言ってるだろうけど、マジでゲテモノなら断る理由になるからねーッ!!」
女「……まあ、今回作ったの、普通のものではないですけど……」
387 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:50:16.37 ID:r9jKN8iq0
女「カレー作りすぎちゃったんですよぉー」
男「なにそれー☆めっちゃたべた〜〜い♡」ワーイ
388 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:51:51.70 ID:r9jKN8iq0
男「ぅはッ!!!……待て待て待て……女さんがそんなマトモなん作るワケねえ……」
女「すっごい言われよう」
男「食材はなんだ?マンドラゴラか?ケンタウロスか?それともマタンゴとか……」
女「なんで逐一ファンタジー突っ込むんですか」
男「だって!女さんの作るものって普通じゃあないだろ!?」
女「いやまあ、普通ではないですよ?」
389 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:53:32.96 ID:r9jKN8iq0
女「燻製カレーなんですけどー」
男(めっちゃ美味そうな響き――……!!!)トゥンク
390 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:55:10.34 ID:r9jKN8iq0
男「ううう……し、しかしそれを受け取ると俺のプライドは……!!」
女「……あーあー。作りすぎちゃって困ってるんだけどなー。これ受け取ってくれないと捨てちゃう事になるなあ……あーもったいない!誰かもらってくれないと、あたしこまるなー!」
男「……」
391 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:56:20.58 ID:r9jKN8iq0
女「誰か……心優しい人が受け取ってくれないかなー!助けてくれないかなー!」
男「…………」
392 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:57:35.31 ID:r9jKN8iq0
男「……いただき、ます……!」グスッ
女「はい。素直でよろしい。……せっかくですし、温めてあげますよ」
男「……拝啓、お母様。元気ですか?ワタクシはゲーム機を買うために年下のヒモとなりました……」トオイメ
女「なーにぶつぶつ言ってるんですか。おじゃましますよー」スタスタ
393 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 21:59:11.62 ID:r9jKN8iq0
女「わ……なんか昭和の朝ごはんみたいな晩ごはん食べてますね」
男「仕方ないじゃん金貯めないとだし食材もないし」
女「せめて野菜とかですねえ……漬物は野菜カウントには難しいですよ」コトン
男「高いじゃん、野菜……」
女「うーん……豆苗とかどうです?あとは、ネギとか」カチッ
男「は?豆苗?ネギ……?」
女「……知らないんですか?豆苗とネギ」
男「豆苗はともかくネギ知らん人間がおるかいな。……そうじゃなくてさ、なんかぱっとしねーモン勧めるなあ、と……そんな安いイメージないし」
394 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 22:00:31.93 ID:r9jKN8iq0
女「豆苗やネギは、根の部分を水につけていたら、また生えてくるんですよ」カチャカチャ
男「え、マジ?無限に食えるの?」
女「流石に無限には無理ですけど……今度豆苗の袋よーく読んでみてください。再収穫の仕方書いてますから。豆苗公式のテクニックですよ」グルグル
男「ほおー、それはちょっとお買い得だな……」
女「あたしも新しい本買いたい時、ニンジンのヘタから葉っぱ育てて食べたりしましたねえ……あとは食べられる雑草とってきたり、ナマズ釣ったり……」
男「君はオールウェイズたくましいね」
395 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 22:01:48.32 ID:r9jKN8iq0
女「よし、温まった。食べかけのご飯、カレー皿に移しますよ」
男「おお、いつの間にかカレーの準備が出来てる……」
女「はい、燻製カレーです」
コトンッ
男「うお……なんか香りが独特……うまそう……」ゴクリ
女「この前ベーコン作る時はヒッコリーのチップ使ったんですけど、今回はさくらのチップ使ってみました」
男「ごめんよくわからない」
396 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 22:04:52.93 ID:r9jKN8iq0
男「とにかく、ありがたくいただきます女サマ」ペコリ
女「よきにはからえー」
スク……
男「あれ?食材が細かい……?」
女「豚のミンチ使ってますので、それに合わせてニンジンじゃがいも玉ねぎも細かくしています」
男「ほおー……」
女「じゃがいもは一回油で揚げて表面固めて、煮崩れしないようにしてますねー。あとにんじんは鍋に入れる前に――……」
男「えっなんかすごい事してない?」
397 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 22:07:02.08 ID:r9jKN8iq0
女「普通のことですよ。まあまあとにかくいただいてくださいな」
男「ん……いただきます」
パクリ
男「……うまっ……なんじゃこりゃ。もしかしてスパイスこだわってるとか?」モグモグ
女「いえいえ、市販のカレールーですよ」
男「今まで食べたことない味……というより、香りだな……」ガツガツ
398 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 22:11:27.93 ID:r9jKN8iq0
男「いやー手間がかかってる味がするわ……すげえうまい」
女「あはは……そこまで手間かかってる訳じゃないですけどねえ」
男「いやいや野菜もそうだけど……燻製するには塩漬けして塩抜きして、ってやるんでしょ?すごい手間かかるじゃん」
女「出来たらそうしたほうがいいですけど、別に必須ではないですよー。少し無理矢理ですが、今回はバットにミンチを入れてガンガンに燻しました。結構香りつくもんですよ、それでも」
男「……しかしまあ、燻製自体が結構手間がかかるんじゃ……」
399 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 22:14:53.11 ID:r9jKN8iq0
女「個人的には、蒸し料理よりかは楽なイメージですねえ……」
男「……割と五十歩百歩な気もするが、そんなもんなんか」
女「結構、燻製に難しいイメージ持ってる人多いですけど……道具なんてアマゾンで3、4000も出せば揃いますし、簡単ですよ燻製。フタして放っておくだけで出来ますし」
男「うーん……料理出来る人からしたらそうかもしれんけどさあ……」
400 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 22:17:37.23 ID:r9jKN8iq0
女「難しく考えすぎですよ。料理なんて簡単簡単」
男「そうかねえ……」
女「料理出来たら楽しいですよー?……た・と・え・ば……男さんが今日食べようとしていた晩ごはん」
男「ん……みそ汁に漬物?」
女「あーんな切り詰めたことしなくても、簡単に美味しいもの食べられるんですよ。……男さん、洋食食べたいとか、思いませんでした?」
男「思った。メチャ思った」
401 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 22:19:04.95 ID:r9jKN8iq0
女「料理が出来れば、ほとんどなんの食材もなくとも……洋食だって!」
男「な――何い!つまり……それは……ッ!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
男「ほぼ空っぽの冷蔵庫から、ステーキを作り出す技術があるとでも――……!?」
ギャーン!!
女「…………流石にそれは無理です」
男「だよねえ」
402 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 22:22:01.74 ID:r9jKN8iq0
女「ちょっと冷蔵庫、拝見しますねー」カパ
男「どーぞどーぞ」
女「……ほとんど何もないですけど……あ、たまごありますね。……あとは調味料がいくつか」
男「明日は卵かけご飯にしようとしてたからね」
女「冷蔵庫以外には――……パスタ?」
男「安いんだよな、パスタ。茹でて市販のソースかけたら一食100円切るし、お得」
女「ふむふむなるほど……小麦粉もありますが、これは?」
男「なんだっけ、昔田舎から送られてきたヤツだと思うけど……使い道わからん」
女「ふむふむ、なーるなる……」
403 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/09/24(木) 22:23:08.83 ID:r9jKN8iq0
女「ちょっと作ってみますか、洋食」ジャン
男「絶望的に何もないこの状況下で!?」
404 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/09/24(木) 22:24:42.90 ID:r9jKN8iq0
今回はここまでです
燻製について語れるほど作れるのなかった。基本燻して終わりだもん……
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/24(木) 22:29:47.68 ID:w/SA1BZPo
おつおつ
豆苗って一回目繊維質が過ぎない?
二回目以降のが個人的に好き食べやすい
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/24(木) 23:07:23.82 ID:WSXOBxfzO
おつです
どんな調理になるんだろ楽しみ
カレーは大きなじゃがいもが好きじゃないから煮崩れる大きさに切るけど小さかったら残ってるのもいいかもね
今度試してみようかな
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/12(月) 18:55:18.52 ID:X5HJwsNaO
>>404
「地獄の燻製講座」を見てきたらいい
丁寧に悪魔が教えてくれる
408 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 20:52:50.84 ID:BqWaVmTL0
ドサッ
女「とりあえずあたしん家から足りない調味料と調理器具取ってきました」
男「結構あるなあ……これ買うだけで結構お金かかりそうなんだけど」
女「調理器具は100円ショップですし、調味料も一回分の値段考えたら微々たるもんですよ」
男「マジで?」
女「でじま」
男「……まじでじま」
409 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 20:55:33.06 ID:BqWaVmTL0
女「まずは小麦粉からやっちゃいますか」
男「やっちゃうわけですか」
女「突然ですが」
男「はい」
女「……『ジャンクフードの王様』と言えば……なんだと思います?」
男「ええ?……ハンバーガーとか?」
女「……あ、そっかハンバーガーありましたね」
男「あれ?なんか想定してた答えと違うの言ったか俺」
410 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 20:57:45.41 ID:BqWaVmTL0
女「あーじゃあ家!お家で食べるジャンクの王様は?」
男「んんー……なんだ?ポテチやポップコーンもジャンクフードっちゃあジャンクフードだが、『フード』ってより『お菓子』って感じだし……」
女「まあ王様ではないですよね」
男「家で食べるってことは、作れるジャンクフード?それか、注文――……」ハッ
411 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 20:59:53.97 ID:BqWaVmTL0
男「もしかして……ピザ?」
女「ふふふ……正解です。今からこの小麦粉で、ピザ生地作っていきます」
男「作れるのか……頼んだら高いんだぞ、ピザ」
女「あたし頼んだことないんですよねぇ。逆に面倒くさくないですか?注文するの」
男「いや作る方が絶対めんどい」
412 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:02:24.50 ID:BqWaVmTL0
女「本当なら小麦粉と強力粉を混ぜたほうがモチモチさっくりした生地になるんですけど、今回は小麦粉オンリーでいきますね」
男「……粉にも種類あるんだ」
女「ええ。パンやケーキ等もちもちふわふわさせたいなら強力粉で、クッキーみたいなサックリしたものなら薄力粉。オールマイティに使うなら小麦粉……みたいな感じですね」
男「……よくわからない」
女「例えるなら……『今のはメラゾーマ(強力粉)ではない、メラ(薄力粉)だ』……みたいな」
男「その例え絶対間違ってるって事だけはわかるぞ」
413 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:04:53.13 ID:BqWaVmTL0
女「まずは小麦粉をボウルにどばばーっ」ザーッ
男「……分量は?」
女「適当ですねぇ。膨らみゃあいいんですよ」
男「……料理ってもっとしっかり量るもんだと思ってた」
女「ケーキとかならそうしますけどね。砂糖は扱い慣れてませんし失敗したら膨らまないし。……イースト菌は使い方さえ間違わなければ絶対膨らみますので」
414 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:06:41.50 ID:BqWaVmTL0
女「小麦粉のはしっこに砂糖をスプーン2杯くらいと、イースト菌を投入」
男「おお、イースト菌……大人ジュースの!」
女「あれはウッカリ入っただけで、本来は生地の発酵に使うもんですからね」
男「ああ、二酸化炭素が出てふわふわするんだっけか……?」
女「まあだいたいそんなもんです」
415 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:09:33.14 ID:BqWaVmTL0
女「粉400グラムに対して5グラム……でいいんだっけな。まあ気持ち多めの方が失敗はしづらいですね。適当で……ちょっとイースト菌くさくなるけど」
男「ふむ」
女「で、砂糖とイースト菌入れたボウルの反対側に、塩とオリーブオイルたらり」タラー
男「……なんで反対側に?」
女「イースト菌も生物ですから、塩には弱いんですよ。シントーアツとかなんとか」
男「浸透圧……なるほど」
416 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:11:45.81 ID:BqWaVmTL0
女「けど砂糖だけだと生地の味にメリハリないですからね。苦肉の策」
男「今さらだけど、砂糖はなんで入れたの?」
女「イースト菌の栄養です。砂糖を入れることで膨らみやすくなるんですよ」
男「ああ……ジュースの糖分を分解してアルコール出来るんだったな」
女「炭水化物より糖質のほうが微生物にとって食べやすいですからね。少し砂糖入れることで、微生物の働きに勢いもたせるんですよ」
417 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:14:01.18 ID:BqWaVmTL0
女「微生物……というか生き物は、『食べ物』『水』『温度』の3つが最低限生きるのには必須なんですよ……人間もそうですね」
男「……俺はゲームがないと死ぬが」
女「それは知りません……」
男「水はともかく、温度というと……そーいや大人ジュースん時も冷蔵庫じゃあなく室温で放置とかしてたな。今回も?」
女「今回はさらに失敗をふせぐために、40度くらいの熱めのお湯を粉に投入」ザーッ
418 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:15:37.08 ID:BqWaVmTL0
女「この時入れすぎるとベッチャベチャになるので、少し少なめに入れます。最初は手にちょっぴりこびり付くくらいで、混ぜたら綺麗に一つにまとまるくらいがベストですね」コネコネ
男「あれやらないの?ほら……指にのせてクルクルーって回すやつ」
女「それは発酵終わった後ですし、結構難しいので回すのはやりませんねえ。代わりに、ぐぐーっと伸ばしたりボウルにベシベシ叩きつけたりします」ベシーン
男「これは何の意味が?」
女「小麦粉を鍛えてグルテンがどーたらこーたら、なんですけど……まあ正直よくわからないので、適当に」ペチコネ
男「……女さんって結構適当なの好きだよね」
女「毎日料理やってるといちいち測ったりしてらんないってのあるんですよね……適当が身についちゃってるっていうか」
419 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:17:36.70 ID:BqWaVmTL0
女「一つにまとまったら、一回り大きなボウルに少々熱めのお湯を入れて、そこに生地の入ったボウルを浮かべます」プカリ
男「ああ、なるほど……これで温度をキープするんだ」
女「生地が膨らまない一番大きな理由は温度だと思うんですよねー。こうすることで膨らまない失敗はかなり減ると思いますよ」
男「へえー」
女「あとは生地が乾かないように表面を少し濡らして、ボウルにラップをかけて1時間ほど放置すれば生地の完成です」
420 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:19:48.32 ID:BqWaVmTL0
女「では生地の完成を待っている間に、次の料理」
男「あ、まだあるんだ?」
女「まだまだいきますよー。さっき男さん家の棚からこんなの発見しました」ハイ
男「え?……ああ、カップスープのもとじゃん」
女「ええ。オニオンコンソメスープ。コップに入れてお湯を入れたら完成のお手軽なやつですね」
男「朝ごはんにパンと一緒に飲もうと思ってて……忘れてたなあ」
421 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:21:30.73 ID:BqWaVmTL0
女「これと、ナマのお米を使います」
男「……コンソメ……チャーハン?みたいな感じ?」
女「もっとオシャレに」
男「ええ……なんだっけ、西洋がゆ……みたいなアレよな?」
女「リゾットですよ、リゾット!これとお米でイタリアのシェフもビックリのリゾットを作ります!」
422 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:23:05.95 ID:BqWaVmTL0
男「……ジョジョの敵でいたよな、リゾット」
女「いますね。格好いいですよね」
男「あと……サイゼリアで食ったことある、と思う……」
女「男さん、食に無頓着ですよね……」
423 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:25:55.11 ID:BqWaVmTL0
女「まずー、フライパンにバターとオリーブ油を入れて、そこににんにくを弱火で炒めて香りをつけます」チュワワ……
男「……俺んち普段マーガリンくらいしかありませんけど」
女「じゃあマーガリン単体でもいいですよ」
男「いいんだ」
女「ぶっちゃけ気分なんで、これ」
男「気分」
女「にんにくはともかく、バターとオリーブ油は油ならなんでもいいですよ」
男「にんにく無いんだよなあー」
424 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:28:12.53 ID:BqWaVmTL0
女「コゲる前にナマのお米を入れまして、しゃしゃっと白くなるまで炒めます」ザッザッ
男「お米洗わないんだ?」
女「洗いませんよー。本場のイタリアンなリゾットも洗わずに使うらしいです。……で、炒めてる間に、お米の3倍くらいの量のコンソメスープを別に作っておきます」
男「えっと、コンロ一つしか――……」
女「カセットコンロ持ってきてますので、それで」
男「準備いいなあ」
425 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:30:20.04 ID:BqWaVmTL0
女「お米が少し白くなったら、アツアツのコンソメスープを三分の一入れまして……」ツウー
ジャワー!
女「あとは強火にして、放置」
男「放置好きだねえ」
女「楽でしょ。放置。ていうかあんましイジるとお米の粘り気出ちゃうんで、いじっちゃダメなんですよ。……コゲつかないようにたまにかき混ぜますけど」
男「へえー……で、残りのスープは?」
女「水分なくなったらスープを足す、っていうのを繰り返すんですよ。スープなくなって水分飛んだら仕上げに味付けして完成ですねー」
426 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:32:25.74 ID:BqWaVmTL0
女「その間にもう一品作っておきましょう」
男「な……まだ作れるのか?なんっもないのに」
女「パスタあるでしょー、パスタ」
男「あるね……けど具材ないよ?」
女「イタリアでは『絶望のパスタ』と呼ばれる料理があるんですけども」
男「ほう?」
427 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:34:18.50 ID:BqWaVmTL0
女「家に全く食材がない時にお客さんが来ても、ささっと作ってお出し出来るパスタのことでして……」
男「すげえじゃん絶望が希望じゃん。ダンガンロンパじゃん」
女「まあ『ペペロンチーノ』の事なんですけどね」
男「……とうがらしとにんにくのやつか」
女「はい。ベーコンもあればいいんですけどー」
男「まあ……とうがらしとにんにく、無いね」
女「絶望以上に絶望ですよねえ」
428 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:38:08.57 ID:BqWaVmTL0
女「なので、『絶望のパスタ』とタメはれる料理を作ります」
男「また聞いたこともない料理かな、それは」
女「……カルボナーラって知ってます?」
男「流石に知ってる」
女「それです」
男「……え、あれって生クリームやらなんやら必要なんじゃないの?」
女「実はですねぇ、生クリーム使うカルボナーラって、大量に作り置きした時に卵がカチカチに固まらないようにするためのもので……本来は入れないんですよ」
男「なんと……ズボラのために生クリーム使ってんのか」
女「諸説ありますけどね」
429 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:40:18.51 ID:BqWaVmTL0
女「まずは、鍋にお湯を沸騰させて……塩どばーっ」ザザーッ
男「多ッ!そんな入れんの!?」
女「海水よりちょっと薄いくらい入れますよ。パスタの麺にしっかり味を付けるためです」
男「……よく知らないけど、お料理の本とかは小さじ一杯とかそんなんだった気が……」
女「パスタ茹でる時なぜ塩入れるのかというと、麺に味つけるためなんですよ。ソースの味が濃いミートスパならともかく、本来ならこーしてどっさり入れるんです」
430 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:43:38.22 ID:BqWaVmTL0
女「で、沸騰したらそこに麺を――……あ、その前に、ピザ生地が良い感じですね」
男「あ、忘れてた。どれどれ……うお、すげえ膨らんでる!」
女「一旦鍋は火を止めて置いといて、ピザ生地を……ちぎって丸めてうすく伸ばしまーす」コネコネ
男「……なんかちょっと不格好だね」
女「食べられれば問題ないですよっ」
431 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:45:18.21 ID:BqWaVmTL0
男「……貸してみ」
女「はい?」
男「こうして、こうして……」
コネコネコネ……
男「……お!これいい感じじゃない?」
マルーン!
女「!う、おお……美しい……綺麗にまんまる……!!」
男「いやー、子供の頃図工好きだったからなあ。うん」
女(……なんか、すごくクヤシイ……!!)ギリッ!
男「女さん、顔こえーよなんか」
432 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:47:15.83 ID:BqWaVmTL0
女「ま、まあいいです。ではこれにピザソースとチーズ、と言いたい所ですがー」
男「……まあ、そんなもんはないわな」
女「ケチャップと粉チーズで代用しますねー」ヌリヌリ
男「……俺んち、普段粉チーズないけど」
女「そこはまあ、買ってください。普通のチーズはすぐカビちゃいますけど、粉チーズならわりかし保存ききますし、いいでしょ」
男「ああ、そういうのはありがたいね。よく食べ物ダメにするからなあ」
433 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:50:47.35 ID:BqWaVmTL0
女「今回はケチャップに粉チーズだけですが、他にも色々お好きなものをトッピングしたら、オーブンで15分ほど焼けば完成です」ピッ
男「いやー……意外と簡単に出来るもんだな」
女「で、その間にリゾットのスープ足して、パスタも茹でちゃってー」
男「同時進行が多いなあ」
女「パスタが茹で上がるまでの間に、ソースを作っちゃいますね」
男「おお、ついにオシャレ料理のカルボナーラソースを……」
434 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:53:15.96 ID:BqWaVmTL0
男「といっても、難しいんでしょう?」
女「えーっと……卵を一つ、ボウルに割ります」パカッ
男「うん」
女「黒胡椒と、粉チーズをたっぷり入れます」
男「うん」
女「……あとは、ここに茹で上がったパスタを入れたら、完成……」
男「衝撃の楽さだよ」
435 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/10/15(木) 21:55:05.56 ID:BqWaVmTL0
男「ウソでしょ……卵かけご飯とほっとんど変わらないんだけど!?」
女「本来ならパンチェッタ入れたりするんですけども、まあだいたいこんなんですよ」
男「……もしかして、料理って楽いのか……?」
女「やってみると意外と楽ですよお。そもそも人間って、毎日ごはんを食べるじゃあないですか」
男「まあ、うん」
女「たまーに凝った料理をするのもいいですが、楽にささっと食べられるレパートリーもいくつかあると楽しいですよ」
男「……これからは卵かけご飯よりカルボナーラだな……こっちのがなんか、ちゃんとしたモン食ってる気するわ」
女「ふふ、試してみてくださいね」
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