勇者「パーティーに回復役を加えたい」僧侶(29)「うう…」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/06/22(月) 21:25:47.09 ID:h5yIat8Z0
勇者「俺もある程度回復魔法は扱えるが、これからの戦いで攻撃と回復を同時にこなすのは難しい」

戦士「攻撃なら俺がいるから心配すんなって!」

勇者「戦士一人に任せるわけにはいかない」

戦士「なんだよ!頼りにならないって言いたいのか!?」

勇者「そうじゃない。俺も戦士と協力して攻撃に専念したいんだ」

戦士「な、なるほどな」

魔法使い「ええ。私も勇者の言う通りだと思うわ」

勇者「というわけで回復役の僧侶を仲間に加えたいと思う」

戦士「ちぇ…3人で居心地良かったのになぁ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1592828746
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:35:35.59 ID:h5yIat8Z0
勇者「――という話なんだが」

酒場店主「回復役ねぇ…僧侶の登録はいるっちゃいるが…」

魔法使い「何かワケがありそうな言い方ね」

勇者「戦力になるなら構わない」

酒場店主「冒険歴は長いから腕は確かだと思うんだが…まぁいいや。直接話をしてみてくれ」

勇者「わかった。その人を呼んでくれないか」

酒場店主「呼ぶも何も、さっきからそこでめそめそ泣きながら酔い潰れてる彼女がそうだよ」

勇者「え」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:36:13.68 ID:h5yIat8Z0
僧侶「うう…」グス

僧侶「必死に教会で修行を積んできただけの人生だった…」

僧侶「周りのみんなは旅のパーティー同士で結婚……どこぞの王子に見初められて結婚……」

僧侶「私だけ婚期を逃し続け…気が付けば三十路もすぐそこ……」

僧侶「なんで…?どうして……?」

僧侶「ねえ!なんでなの!!ちょっとキミ教えてよ!!!」ガシッ

戦士「知らねえよ!お、おい勇者助けてくれ酔っ払いが絡んでくる!」

勇者「えぇ…」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:37:06.67 ID:h5yIat8Z0
酒場店主「なぁ…アンタもう何時間飲んでるんだ?ちょうど勇者様が話があるって言うから今日はこの辺にしといたらどうだ」

僧侶「勇者様が私に用?ヒック」

勇者「ああ。でもその前に、まずは戦士を離してやってくれないか」

戦士「く、くるしっ…」

僧侶「ん?ははーん、さてはそうか!結局キミたちもパーティー内恋愛か!!」

僧侶「はいはいごめんね!勇者様の大事な戦士ちゃん返してあげないとね!!お幸せにね!!!」パッ

戦士「はあ!?別に俺たちはそういう遊びで旅を――」

僧侶「みんなそうやって結局…いいんだいいんだ、うう…」ポロポロ

勇者(これは面倒くさい)
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:38:03.57 ID:h5yIat8Z0
魔法使い「昼間から飲みすぎよ。はいお水でも飲んで」

僧侶「えっ…?そんなに優しくされたら泣いちゃう……」ゴクゴク

戦士「もう泣いてるだろうが…」

勇者「話がしたいと思ったんだが、この様子じゃ無理そうだな」

僧侶「まあまあ座りなよ。せっかく来たんだから一杯くらいお姉さんの相手しようよ」

勇者「俺は未成年だが」

僧侶「み゛っ!?え、まってまってキミいくつなの?」

勇者「17だ」

僧侶「干支一周してる!!!私と干支一周してりゅううううう!!!!」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:39:07.86 ID:h5yIat8Z0
僧侶「もしかして他の二人も…」

戦士「俺も17だぜ」

魔法使い「私は18歳」

僧侶「いや誰も飲めないじゃん!!無理だよそんなパーティー!!」

勇者「ただ俺は回復役が必要という話がしたくて」

僧侶「無理だよ…私には若すぎるよ……うう……うわぁぁぁん」

戦士「…おい勇者、仲間にするのは諦めたほうが」

勇者「うーむ…」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:40:11.00 ID:h5yIat8Z0
僧侶「売れ残り……売れ残り……めそめそ」

魔法使い「でも貴女、ずっと僧侶を続けてるんだから腕は確かなんじゃないの?」

僧侶「腕?はいはい、どーせ18歳のピチピチなお肌に比べたら私なんか……」

勇者「頼むから真面目に答えてくれ。俺は冒険の助けになる仲間を探している」

僧侶「……まぁ、何回か旅に出た事はあるけど」

戦士「それでも魔王城までは辿り着けなかったのか」

僧侶「ううん、そうじゃないの。みんな途中でそれぞれの幸せを見つけて旅をやめていった」

勇者「それであんたが一人ここに残ってるわけか」

僧侶「そうだよ!!その通りだよ悪い!?そんなの自分が一番わかってるもん!!うわぁぁぁぁああ」

戦士「おい勇者」

勇者(面倒くさい)
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:41:06.61 ID:h5yIat8Z0
僧侶「もういい……もう今日は帰って寝る……ぐすっ」

酒場店主「――な?ほぼ毎日のようにウチで飲んでてさ、たまに来る客に絡んではあんな感じだから誰からも相手にされないんだ」

勇者「なるほどな。よくわかった」

酒場店主「それで、彼女を仲間に連れてくのかどうするんだ」

戦士「まあ悪い人じゃないにしても…いや、悪い人なのか…?とりあえず聖職者ではないだろ」

魔法使い「私はどっちでも」

勇者「……ちょっと考えさせてくれ」

酒場店主「そうか。まあ彼女ならここに来りゃ毎日でも会えるからな…焦らずゆっくり考えるといい」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:42:07.48 ID:h5yIat8Z0
勇者「とは言ってもな…どうしたものか」

戦士「俺は今まで通り3人旅で問題ないと思うんだけどな」

魔法使い「ねえ勇者」

勇者「なんだ?」

魔法使い「あの僧侶の人、どうしてわざわざ冒険者酒場で飲んでるんだろう」

魔法使い「他にも酒場なんてたくさんあるのにね。それこそ出会いだって他に探せばいくらでも」

勇者「確かにな…もしかしたら旅をしたい気持ちがまだ残ってるのかもしれない」

戦士「おいおい嘘だろ?俺にはとてもそうは見えなかったけどな…」

魔法使い「それに回復役が必要なのは事実じゃない?」

勇者「…明日もう一度、会いに行ってみるか」

戦士「えー……」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:43:18.40 ID:h5yIat8Z0
次の日

僧侶「はあ……」

僧侶「確かになぁ…私なんてずっと僧侶としての修行しかしてこなかったし」

僧侶「がむしゃらに頑張ってさ、若かったねぇ……」

僧侶「でもこうして歳を重ねて若い子たちが活躍するようになっちゃえば、用済みの私は他に何をしたらいいのかもわからない」

僧侶「売れ残りは売れ残りらしく、売れ残りの酒を一人飲むしかないんだよ……」グビビ

酒場店主「黙って聞いてりゃ失礼な奴だな」

僧侶「うう……うう……」ポロポロ

酒場店主「昨日勇者様に連れてってもらえりゃな」

僧侶「うるさいな!いいから黙って酒だけ持ってくるんだよ!!」

酒場店主「へいへいお客様」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:44:10.50 ID:h5yIat8Z0
カランカラン

店主「おや、お前さんは昨日の」

勇者「ああ。話の続きをしに来た」

僧侶「わっ出たな!酒も飲めないような勇者様は帰った帰った!!冷やかしお断りー!!」

店主「アンタ本当に失礼な奴だな」

勇者「酒も飲めなくて悪かったな。話し相手にもなれないなら本当に帰るけど」

僧侶「……座りなよ。ジュースならいいでしょ」

魔法使い「私オレンジジュースがいい」

僧侶「魔法使いちゃん……」ホロリ

戦士(なんでもいいから一緒に飲んでほしいだけだなこの人)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:45:20.88 ID:h5yIat8Z0
勇者「単刀直入に聞く。また旅に出たいと思う気持ち、僧侶にはあるのか?」

僧侶「……」

魔法使い「わざわざ冒険者酒場で毎日飲んでるくらいだから、そうなのかなって」

僧侶「それは、他にすることもないしここは昔からの付き合いでなんだかんだ落ち着くから…」

戦士「俺からも聞きたいことがある」

僧侶「…うん」

戦士「聖職者が昼間っから飲んだくれてていいの?」

僧侶「僧侶だってお酒くらい飲むよ!飲まなきゃやってられないよ!!それに毎朝ちゃんと早起きして神様にお祈りだってしてるもん!!」

戦士「エエッ早起きできるのか!それは偉いな!」

僧侶「絶対バカにしてる!?キミ17のくせに生意気だなあ!」

戦士「お前に言われたくねーわ!これだからオバサンは――」

魔法使い(意外と仲が良いのかも)
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:46:19.99 ID:h5yIat8Z0
勇者「昨日も言ったかもしれないが、俺たちは回復役を探してる」

勇者「僧侶のその力は俺たちにとって必要なんだ。旅の経験だって俺たちより豊富だと思う」

戦士「……」

僧侶「…で、でも私なんてどうせ余りものだし……それにキミたちまだ若いんだから、若い子と旅したほうがいいって!」

勇者「関係ない。俺は魔王討伐のために旅をしている」

勇者「そのための助けになってほしい。それだけだ」

僧侶「わ、私は……」

店主「アンタいつも言ってたよな。このままじゃいけないのは自分が一番わかってるって」

僧侶「………」

僧侶「……わかりました」

僧侶「よ、よろしくお願いします。勇者様」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:47:09.27 ID:h5yIat8Z0
勇者「ああ。よろしく頼む、僧侶」

魔法使い「よろしくね」

戦士「俺はまだ仲間だって認めてねーからな!勘違いするなよな!」

僧侶「戦士ちゃんには勇者様がいるから関係ないじゃん!あ〜あ若いっていいねえ!!爆発しろー!!」

戦士「だから俺たちはそういう目的で旅をしてるんじゃないって何度言ったら――」

魔法使い「まあまあ。ジュースでもいいんだったら私が一緒に付き合ってあげるから」

僧侶「魔法使いちゃん…私魔法使いちゃんと結婚する……」

魔法使い(ドリンクバーGET…)ニヤリ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:48:13.22 ID:h5yIat8Z0
勇者「さて、そうと決まればすぐにでも出発の準備を――」

僧侶「ご、ごめ…それはちょっとだめ……」

戦士「なんでだよ」

僧侶「なんでって、見ればわかるでしょ…」

僧侶「飲みすぎて気持ち悪い……頭も痛い……」

勇者「……なら明日は」

僧侶「明日は二日酔いするから無理……あさって、あさってから本気出す」

勇者「……」

戦士「なあ勇者、自分の体調管理もできない人にパーティーの回復役が本当に務まるのか?」

勇者「俺も頭が痛くなってきた…」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/22(月) 21:49:04.87 ID:h5yIat8Z0
とりあえずここまで
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/23(火) 00:01:32.69 ID:7z+6g4lc0
面白そうなので期待してる
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/23(火) 00:11:49.46 ID:Tn544NcaO
期待
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/23(火) 06:10:12.64 ID:49eBcoxLo
戦士男だよね?
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/23(火) 10:44:52.95 ID:Z+il1Q190
なんで勇者も魔法使いも戦士もタメ口なの?
礼儀すら知らんガキが勇者って世界設定どうなってんの?
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/23(火) 11:51:52.76 ID:7z+6g4lc0
>>19
ちゃん付けで僧侶が呼んでたしてっきり一人称俺の女かと思ってたが…成程そういうのも
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/25(木) 02:13:23.53 ID:Ver52wxu0
期待
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 03:33:46.77 ID:E7X1+yMMo
面白い
めっちゃ続き気になる
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 01:30:53.15 ID:Lv6BvszQ0
二日後

僧侶「お、お待たせしました…!勇者様」タッタッ

勇者「遅いぞ。こうしている間にも魔王は人類への侵略を――え、誰?」

僧侶「え、誰?って!私ですよ私、僧侶!旅に連れてってくれるって話だったじゃないですか!」

魔法使い「僧服だったから分からなかったわ。まるで本当に僧侶みたいね」

僧侶「いや本当に僧侶なんですけどぉ!?やー…昔はもっとゆったり着れたはずなんですけどね…。変な所がないか不安です」

戦士「それになんだよその喋り方」

僧侶「あ、あれ?僧侶ってこんな感じで話しませんでしたっけ?あまりにも久しぶりすぎて勝手を忘れちゃって…」

勇者「回復魔法まで忘れてないだろうな」

僧侶「さすがにそれは大丈夫です!」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 01:33:34.14 ID:Lv6BvszQ0
僧侶「ともあれお待たせしてしまってすみませんでした。さあ、魔王討伐の旅に出発しましょう勇者様!」

勇者「……」

戦士「……」

僧侶「あ、あれ…?」

戦士「いやあのさ、無理しなくていいよ」

僧侶「なっ…む、無理って何がですか」

勇者「ああ。別に普段通り話してくれて構わない」

僧侶「勇者様まで!?だってこういうのは形から入らないと!ねえ、魔法使いちゃんもそう思うよね?」

魔法使い「そうね。年上がぶりっ子なのはちょっと痛いわ」

僧侶「ねえーー!!!」ブワッ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 01:35:11.91 ID:Lv6BvszQ0
僧侶「ほらほら始まった始まった……だから若い子を連れてけばいいってあれほど――」ブツブツ

戦士「そういう問題か?お前の第一印象がただの酔っ払いだったからだろ」

僧侶「昨日はちゃんとお酒だって我慢してさ、旅立つ気満々で来たのにこの仕打ちでさ…」

僧侶「やっぱり私の仲間なんてお酒だけなんだ……」シクシク

勇者「とはいえ、普段の僧侶が人格者だってことは理解できた」

僧侶「ゆ、勇者様…」

勇者「それに身なりからも相応の実力を感じる。仲間に連れてきて良かったと俺は思ってる」

僧侶「トゥンク……」

魔法使い「ちょろすぎない?」

僧侶「婚期が迫ってるからね、焦りがちだよね」

魔法使い「そこまで聞いてないわ」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 01:39:04.60 ID:lrAL9Re7O
僧侶「それで、勇者様の旅はどれくらい進んでるの?」

勇者「そうだな。この前までは魔王の情報を集めに西の方面へ旅を続けてたんだが、結局居場所すら手掛かりは掴めなかった」

戦士「ふりだしに戻っちゃったんだよなぁ」

僧侶「え?魔王なら北の大地に根城を構えて――」

戦士「何ッ!?お前、魔王の居場所を知ってるのか!」

勇者「どういうことだ?」

僧侶「ああえーと、そういう噂を聞いたことがあるよって!ほら…酒場っていろいろな話が耳に入るでしょ?」

僧侶「と、とにかく北を目指してみない?途中に私の知り合いがいる村もあるからさ」

勇者「ちょうど行く当てを探してる段階だったしそうするか。情報ありがとう」

魔法使い「…貴女、何か知ってるわね?」

僧侶「い、いや〜あはは…私はただの回復役ですから……」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 01:39:57.34 ID:Lv6BvszQ0
僧侶「それで、勇者様の旅はどれくらい進んでるの?」

勇者「そうだな。この前までは魔王の情報を集めに西の方面へ旅を続けてたんだが、結局居場所すら手掛かりは掴めなかった」

戦士「ふりだしに戻っちゃったんだよなぁ」

僧侶「え?魔王なら北の大地に根城を構えて――」

戦士「何ッ!?お前、魔王の居場所を知ってるのか!」

勇者「どういうことだ?」

僧侶「ああえーと、そういう噂を聞いたことがあるよって!ほら…酒場っていろいろな話が耳に入るでしょ?」

僧侶「と、とにかく北を目指してみない?途中に私の知り合いがいる村もあるからさ」

勇者「ちょうど行く当てを探してる段階だったしそうするか。情報ありがとう」

魔法使い「…貴女、何か知ってるわね?」

僧侶「い、いや〜あはは…私はただの回復役ですから……」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 01:42:16.09 ID:Lv6BvszQ0
道中

僧侶「この洞窟を抜けた先が村だよ」

戦士「しかしあれだな、さすが冒険慣れしてるだけあって道もスラスラだったな。案内してくれて助かったぜ」

僧侶「ふふ、ちょっとは見直した?」

戦士「まあ…勇者もお前の戦力には期待してるって話だしなぁ…」

僧侶「戦士ちゃんは本当に勇者様にゾッコンだねえ。お姉さんが恋の道案内もしてあげようか?」

戦士「だからあのなぁ……そもそもお前、婚期がどうこう言って自分の恋の悩みも解決できてないじゃん」

僧侶「ぐはっ!!?」

魔法使い「勇者、大変!僧侶がやられたわ!」

勇者「ほっとけ」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 01:45:07.61 ID:Lv6BvszQ0
洞窟内

勇者「あまり広くはなさそうに見えるが、俺たちにとっては初めて通る洞窟だ。油断するなよ」

戦士「わかってるって!勇者もああ見えて案外心配症だよな――」ズサ

僧侶「戦士ちゃん!そっちは落とし穴が」ガシッ

戦士「うわっと!?…わりい、助かった」

〜〜〜〜〜

魔物「グギャアアアアア」

勇者「しまった、新種の魔物か!まずは俺が先に剣で――」

僧侶「あ、そいつは氷魔法が弱点!魔法使いちゃんお願い!」

魔法使い「うん、分かったわ」

勇者「……」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 01:47:05.17 ID:Lv6BvszQ0
魔法使い「出口に着いたみたいね」

戦士「ま、俺たちにかかればこんな小っぽけな洞窟たいしたことなかったな!」

勇者「いや……」チラ

僧侶「?」

戦士「おかげで全然回復の必要もないくらいだしなあ!僧侶さんよォ!」

僧侶「ホントだよ…このまま出番がないとキミたちにただの酔っ払いだと思われたまんまだよ……」

魔法使い「私はそうでもないと思うけどなぁ。ね、勇者」コソコソ

勇者「…ああ。さて、この先には村があるって話だったな」

僧侶(あの二人、耳打ちしてる…?てっきり勇×戦だと思ってて勇×魔の可能性はあんまり考えてなかったけど普通にアリなのか……)

戦士「おい、聞いてるのか。この先には村があるんだよな?」

僧侶「へっ?ああうん!さっきも言ったけど私の知り合いもいるからさ、今日はそこで休もうよ」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 01:48:17.47 ID:Lv6BvszQ0
ゆっくり続きます
途中連投スマン
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 04:19:48.60 ID:ZbctV+Z/o
待ってたぞ
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 21:18:14.54 ID:HaEE9IPW0
耳年増なせいで疑われるとかアラサーはマジ地獄だわ
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 20:30:42.62 ID:NJX33lhU0
僧侶「はい!というわけで村に到着だよ〜お疲れさま」

勇者「まずは宿に向かおうか。悪いが僧侶、案内してくれ」

僧侶「うん、宿屋はこっちのほうに――わっ!?」ドンッ

村人青年「いてっ」ヨロ

戦士「おいおい僧侶、前見て歩けって!」

僧侶「ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」

村人青年「いやゴメン、オレもよく見てなかったから……僧侶?」

僧侶「…ん?キミは……」

村人青年「あ……!!ちょ、長老〜〜!!」ダッ

魔法使い「走って行っちゃったね」

戦士「なんだ、お前の知り合いか?」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 20:33:30.16 ID:NJX33lhU0
僧侶「う〜ん…知り合いって言ったけど、みんな家族に近いかな?」

僧侶「私、この村で長く暮らしてたんだ」

勇者「なら積もる話もあるんじゃないか。さっき彼が長老と言っていたな、俺たちも会っていいか?」

僧侶「もちろん。きっと長老も喜ぶと思うよ」

魔法使い「でもそれなら、貴女はわざわざ宿に泊まるより家に帰ったほうがいいんじゃない?」

僧侶「ううん。私も一緒に泊まるよ」

戦士「なんでだよ…親に年取った顔見せたくないってか?」ハハッ

僧侶「残念だけど、そうじゃないんだなぁ」

勇者「!おい戦士、早く宿を取って挨拶に行こう」

戦士「わ、ちょ…引っ張んなって!」

魔法使い「……変なこと言っちゃって、ごめんね」

僧侶「えっ?……ふふ、魔法使いちゃんは鋭いね。気にしないから大丈夫だよ」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 20:35:06.42 ID:NJX33lhU0
長老「ふぉふぉふぉ、これはこれは勇者どの。ようこそ遠いところこの村へお越し下さった」

勇者「初めまして。僧侶には旅の仲間として世話になってるから挨拶だけでもと」

長老「そうかそうか…そして僧侶、久しぶりに戻ったのう。元気そうで何よりじゃ」

僧侶「はい。おかげさまで」

長老「しかしまぁ、最後に会うたのは15年…いや20年前じゃったか?ずいぶんと老けたのう!!ふぉふぉふぉ!!」

僧侶「老けっ!?いやいやそんなに経ってないですから!10年前くらいですから!長老のがボケちゃってますからー!!」

長老「ふぉっふぉっ、そうカリカリするでない。こやつが僧侶の帰りを嬉しそうに知らせてくれたぞい」

村人青年「ちょっと長老!オレは別に嬉しくなんか」

僧侶「あれ〜?キミ、大きくなったらお姉ちゃんと結婚するって言ってなかった〜?」

村人青年「そんなの昔の話だ!誰がこんなおばさんなんかと!」

僧侶「お、おばっ!?」グサッ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 20:38:57.49 ID:NJX33lhU0
長老「めでたいことに、こやつも今年で成人じゃ。それに結婚も決まっておる」

僧侶「け、結婚っっ!?!?」グサグサッ

村人青年「いちいちそんなこと言わなくてもいいよ長老……まあ、そういうことだから」

魔法使い「ねえねえ、誰と結婚するの?」

村人青年「孤児院で一緒だった幼馴染と…この間、プロポーズしたばかりなんだ」

僧侶「プ、プロポーズ………」ズーン

勇者(孤児院?)

長老「その様子じゃと僧侶には耳の痛い話じゃったかの!?ふぉふぉふぉ!!」

魔法使い「長老、意外と鬼畜」

僧侶「おめでとう…おめでとう…」トボトボ

戦士「お、おいどこ行くんだ?挨拶はもういいのか?」

僧侶「酒……飲まずにはいられない……」

戦士「この感じだとまた明日は旅立てなくなるぞ、いいのか勇者?」

勇者「…俺には止められそうにない」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 20:42:13.67 ID:NJX33lhU0
勇者「ところで長老、少し聞きたいことが」

長老「なんだね?わしが分かる話ならなんでもしてやるぞい」

勇者「彼はさっき孤児院と言っていたが、それは一体」

村人青年「なんだい勇者様、知らずにここまで来たのか。ここはみなしごで集まって暮らしてる村なんだ」

長老「いかにも。この村の教会は孤児院としての役割も担っていてな、両親を失った子らと共に一つ屋根の下暮らしておるのじゃ」

勇者「つまり、僧侶も」

長老「そうじゃ。そなたらの旅に同行しておる僧侶もこの村の孤児院で育った」

戦士「えっ……それじゃあ僧侶の親御さんは」

村人青年「ここにいるオレら孤児のほとんどは魔族の襲撃で両親を失った。それはあの人だって同じはずだよ」

戦士「……お、俺……」

魔法使い「気にしてないとは言ってたけれど」

勇者「……」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 20:45:25.48 ID:NJX33lhU0
村人青年「……お姉ちゃんは強かった」

村人青年「いつも笑って話しかけてくれて、不安で不安で仕方なかったオレらもお姉ちゃんと一緒にいれば安心だって思ってた」

長老「しかし彼女は村を出て行くと言ったんじゃ。それこそ15年前じゃったかのう…」

長老「僧侶になって教会に恩返しがしたい、と彼女は話しておったがその実はわしにも分からん」

村人青年「それから僧侶の修行の合間にもちょくちょく顔を出してくれてたけど、魔王を倒す旅に出るって言ってからは今日まで帰ってこなかったんだ」

長老「そうじゃな。こやつの言う通り旅に出たのが、だいたい10年ほど前じゃった」

魔法使い「でも貴方、さっきこんなおばさんなんかって」

村人青年「……照れ隠しだよ。オレもみんなもお姉ちゃんのことが好きに決まってる」

村人青年「もう会えないと思って諦めてたけど、本当は結婚式にも来てほしいって幼馴染のあいつと話してたくらい」

魔法使い「それは難しいかもしれないわね…主にメンタル的な意味で」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 20:49:30.67 ID:NJX33lhU0
勇者「とにかく、俺たちも魔王討伐の決意を更に固めないといけない」

魔法使い「ええ。僧侶も、心のどこかにきっと同じ思いがあるはず」

戦士「俺、酷いこと言っちまったかな……」

長老「ふぉっふぉっ!そう気に病むでない。彼女はそなたらが思う以上に強い娘じゃよ」

村人青年「オレらも勇者様の旅を応援してる。オレが言うのも変だけど、お姉ちゃんのことよろしく」

勇者「ありがとう。任せてくれ」

長老「ふぉっふぉっ。話の流れじゃと明日の朝にはもう旅立ってしまわれるのかの?」

戦士「いや、それは無理だな」

長老「なんと!そんなにこの村が気に入ったと申すか」

魔法使い「明日は僧侶が二日酔いで動けないからよ」

村人青年「えぇ……」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 21:26:34.48 ID:H4+8bmuDO
乙乙
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 22:10:59.66 ID:NJX33lhU0
出発の朝

僧侶「み、みんなごめんねー…また飲みすぎて出発遅らせちゃって……」

勇者「…ああ。構わない」

戦士「……」

魔法使い「体調はよくなったかしら?」

僧侶「う、うん…?あれ怒られる覚悟だったんだけどどうしちゃったのかな?むしろ雰囲気重くなってません?」

勇者「……」

魔法使い「長老と青年さんから、貴女の話を少し聞いたわ」

戦士「…あの!お、俺……」

僧侶「あ〜そういうこと!いいのいいの、過去の話なんだから気にしないでよ」

戦士「……ごめん」

僧侶「それにキミたちと違って私は年長者だから?精神年齢も高いっていうか?落ち着いた大人の女性っていうか?ん??」

戦士「……」

僧侶「いじってもらえないのもつらい」グスン
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 22:13:59.51 ID:NJX33lhU0
勇者「長老、この3日間世話になった。ありがとう」

長老「よいよい。旅に疲れたらまたいつでも帰ってくるとよいわ」

勇者「魔王を倒したら必ず戻ってくる」

魔法使い「ええ。青年さんが幸せになった姿を私も見たいわ」

僧侶「……」

長老「ほれ、そなたからも」

村人青年「勇者様と仲間の皆さん、どうかお気を付けて」

魔法使い「それだけ?」ニヤッ

村人青年「…もう分かったよ!お姉ちゃんも!魔王を倒した後でもいいからオレらに会いに来てくれよな!」

僧侶「お、お姉ちゃん!?」キュン

村人青年「孤児院のみんなは、今でもお姉ちゃんのこと好きだから」

僧侶「そ、そんなぁ……///でへへ……私やっぱりここで暮らそうかな」

魔法使い「ざんねん!僧侶の冒険はこれで終わってしまった!」

僧侶「魔法使いちゃんって時々ツッコミきついよね」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/03(金) 22:15:14.28 ID:NJX33lhU0
今度こそ一旦切り
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/04(土) 02:57:39.95 ID:Mqyf7ieJo
乙!
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 12:00:58.47 ID:JTVZHDR5o

魔王を倒した後はもう三十路だろうなぁ…
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/14(火) 08:32:49.33 ID:kFEWbecBO
おつ
この雰囲気すきよ
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 10:10:48.66 ID:7BkPVb9JO
面白い
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/15(土) 15:13:15.08 ID:dXyScYcZo
まだかなー
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/26(水) 22:20:07.49 ID:ZUZzr8X20
やがて旅は進み

戦士「本当にここまで辿り着いちまうとはな…」

勇者「いかにも魔王が好きそうな風貌の城だ。酒場で聞いた噂とやらは本当だったんだな」

僧侶「え?ま、まあね…」

魔法使い「心なしか道中のモンスターも少なかった気がするわ」

戦士「よし、俺はもう心の準備も済ませたぜ。とっとと中に入って魔王の奴をぶちのめしてやろうぜ!!」

僧侶「……戦士ちゃん、正面の入口は行き止まりのダミーだよ。奥に繋がる裏門はこっち」

戦士「お、そうなのか…?というかお前、よくそんなとこまで知ってるな」

魔法使い「まるで、以前にも来た事があるみたいね」

僧侶「……」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/26(水) 22:22:08.64 ID:ZUZzr8X20
城内部

戦士「おいおい、どうなってんだこりゃあ!?モンスターが一匹も出てきやしねえ!」

勇者「ああ…もぬけの殻、と言った状態に近いな」

魔法使い「もう誰かに攻略された後だったりして」

戦士「そんな感じだよなぁ。なあ僧侶、お前もそう思わないか?」

僧侶「へっ!?あ〜……そう、かもね…」

戦士「?なんだよ、いつもはうるさいのに今日は煮え切らないな」

勇者「とにかく、ここまで来たからには俺たちが目指す場所は一つしかない。先を急ごう」

魔法使い「ええ、そうね」

勇者「…事情は聞かない。魔王の間まで案内できるな?僧侶」

僧侶「……うん」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/26(水) 22:24:25.91 ID:ZUZzr8X20
勇者「…着いた」

戦士「この扉の向こうに魔王が……さすがに俺も、胸騒ぎがしてきたぜ」

魔法使い「本当にいるのかな?」

僧侶「……」

勇者「開ければ答えはすぐに分かる。いいか、くれぐれも準備だけは怠るなよ」

戦士「おう!」ドキドキ

魔法使い「いつでもいいわ」

僧侶「うん。大丈夫」

勇者「よし、行くぞ」

キィィィ‥‥
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/26(水) 22:26:41.78 ID:ZUZzr8X20
???「…おや、久々の来客ですか」

戦士「お、お前が魔王か!今日こそここで息の根を止めて、世界に平和を取り戻してやるからな!!」

???「ずいぶんと血の気の多い方ですねぇ…まぁまぁ、まずは初めましてのご挨拶でも――と思いましたが」

???「どうやら、その必要がない方もいるみたいで」

戦士「な、なに……?」

僧侶「……」

???「あなたもずいぶんと懲りないようですねぇ、とはいえ数年ぶりですか。僧侶の方」

魔法使い「やっぱりね…」

勇者「……」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/26(水) 22:28:20.12 ID:ZUZzr8X20
???「おっと、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私は魔王様の側近……いいえ、正確には側近だった者です」

側近「そしてここは魔王城だった場所。私が何を言いたいのか、もうお分かりですね?」

勇者「……魔王はここにはいないというわけか」

側近「その通り。話が早くて助かりますねぇ」

戦士「あーもうなんなんだよ!全然理解できねえよ!!」

魔法使い「戦士、落ち着いて」

戦士「これが落ち着いていられるかって!そもそもなんでこいつと僧侶は知り合いなんだよ!?」

側近「その様子だと、仲間には話せなかったんですか」

側近「歳だけは取ったように見えますが…そうやっていつまでも逃げ続けるのは変わらないんですねぇ……ククッ……」

僧侶「……」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/26(水) 22:30:05.15 ID:ZUZzr8X20
側近「それで、どうするんですか?ここで私を倒そうと言うのですか?」

戦士「当たり前だ!!お前が魔王にとって最大の味方だった事実があるなら、俺たちにとっては最大の敵に決まってるだろ!!」

側近「それで世界に平和が戻るとでも?」

戦士「はぁ!?」

勇者「戦士、気持ちはよく分かる。俺も冷静でいられるのがやっとではあるが、もう少し話を聞こう」

戦士「チッ……勇者がそう言うなら」

側近「いやはや、命拾いしましたか……話の分かる勇者でホッとしましたよ」

魔法使い「……むかつく奴」

勇者「…今の状況を、説明してくれ」

側近「いいでしょう。分かりました」
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