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花子「新しい!」貞子「生活!」メリー「なの!」
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120 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:23:46.11 ID:mjqEPgWd0
隣人「話しかけても全く反応が無いです。・・・・・・・心臓も、動いていません」
男「・・・・・・・は?え?ちょ、ちょっと待ってくれ、なにがなんだか・・・・・・・」
貞子「混乱してますね。男さん、思い出せるところまででいいから思い出してください。まず今日は何月何日ですか?」
男「えっと、今日は、7月の17日で・・・・・・」
貞子「違います。今日は20日です。っと、まずは救急車を呼びますね」
隣人「あ、待ってください。メリーさんも診てもらわないといけないんで119じゃだめです。私が電話します」
花子「男の記憶が3日前から飛んでる。ってことはそっから気を失ってたってこと?」
男「ま、待ってくれ!さっきメリーさんの、心臓が動いてないって言ったか?そんな、俺みたいなこと、あるわけないよな?」
貞子「・・・・・・・あります。少なくとも私たちが帰ってきた時点でメリーさんの心臓は止まっていました」
花子「それどころか、ほら見てよ。関節も球体になってる。要は都市伝説とかじゃなくてただの人形になっちゃってるのよ」
男「なん、でだ?俺は確か、メリーさんと普通になんでもない話をしてただけで、そのあとベッドで寝て、それから、それ、から・・・・・・・思い、出せない」
隣人「先輩も一緒に診てもらいます。どっちにしろ衰弱がひどいですから。3日間飲まず食わずだったってことでしょうし」
貞子「なんとか間に合ってよかったです。メリーさんは、どうかはわからないですけれど」
花子「とりあえずあたしらは全員有休なりなんなりとってるから、とりあえず病院行って寝て。回復してから思い出せばいいから」
男「わか、った・・・・・・たのん、だ」バタッ
花子「・・・・・・さーて、頼れる司令塔も卑劣な参謀もいない状態よ」
隣人「私たち、正直肉体派ですもんね」
貞子「我が家の頭脳派二人がそろってやられるだなんて。まさか、このタイミングを見越していた?」
隣人「なんにせよ、必ず助けましょう。二人とも」
花子「もちろん」
貞子「当然です」
121 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:24:28.72 ID:mjqEPgWd0
医者「・・・・・・このままだと余命は2ヶ月、といったところでしょうか」
貞子「えっ?」
隣人「よ、めい?」
花子「だ、誰の?」
医者「男さんとメリーさん、お二人ともです」
貞子「え、えっと?ど、どうしてですか?余命って、そんなに、どこか・・・・・・な、なにか重大な病気とか!?」
医者「いいえ。身体はいたって健康です。男さんもメリーさんも」
隣人「この人形の状態が健康なんですか?」
医者「ええ。一から説明します。まずは男さんの状態についてから」
122 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:25:34.33 ID:mjqEPgWd0
医者「男さんは現在、何者かによって生命力を奪う呪いを受けている状態です」
花子「生命力を奪う呪いって・・・・・・都市伝説の奴らか」
医者「この呪いが男さんの生命力を少しずつ削っているので、全て削り切るまでに2ヶ月ぐらいかかると思ってください」
貞子「つ、つまりあれですね!その2ヶ月までに解呪できればなんとかなるわけですね!」
医者「そうですね。男さんの方は少なくとも問題なく生活できるようになるでしょう」
隣人「それで、メリーさんは?」
医者「メリーさんの方は、なんといいますか・・・・・・今彼女はいわゆる冬眠している状態なんです」
隣人「冬眠?」
花子「まだ冬っていうには早いのに?」
医者「ええ。これも順を追って話します」
123 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:26:42.21 ID:mjqEPgWd0
医者「メリーさんの元来の生命力が100あるとします。この内普段の生命維持に使う分が30、一日の活動で使う分が20だとします。これで一日の生命力が半分失われるわけですね」
貞子「えっ、そ、そんなに使うんですか?」
医者「元々無生物であった身体を生物に変えて行動するというのはとても負担が大きいのです。付喪神なんかもそれですぐ消えてしまって、中々世に残らないんです」
花子「そっか、私らは一応元人間だったり普通に生きてたりするから・・・・・・」
医者「まあそういった生命力の消費は食事や睡眠で簡単に元に戻りますから、普段の生活では全く問題はないわけです。余っている分が不測の事態に対応できる予備ですね」
貞子「そうですよね、じゃないと死んじゃいますもんね」
医者「そして、男さんの元来の生命力はメリーさんと比較したら・・・・・・4ぐらいですかね」
花子「ひっく!あいつひっく!」
医者「そして男さんにかけられた呪いというのが厄介で、この生命力を一日かけてごっそりと全部持っていってしまうのです」
隣人「一日かけてメリーさん比4・・・・・・」
医者「その呪いから逃れる方法が彼らにはなかったのでしょう。なので、メリーさんが男さんを生き永らえさせるためにある方法を取りました」
医者「生命リンクの禁呪です」
隣人「・・・・・・えっ!?」
124 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:27:59.56 ID:mjqEPgWd0
医者「この生命リンクの禁呪を使うと、メリーさんと男さんの生命力は常にイコールの状態、つまり二人とも52になるわけですね」
花子「あっ、そっか。100と4を足して2で割って52か」
医者「ですが、メリーさんは日常生活を送っているだけで50の生命力を消費します。そうすると余剰分が2しか残らないわけです」
隣人「その余剰分の2というのは・・・・・・」
医者「些細なことで消えてしまいます。たとえば、頭を打つだとか、心臓に衝撃を与えるだとかの外傷。突然驚かされたりなどの強いストレスを与えられる。こういったことで、です」
貞子「だから男さんはすぐに倒れてたんですか・・・・・・」
医者「二人の命がリンクしている以上、片方が死ぬともう片方も死にます。なので、メリーさんはお互いの命を守るためにただの人形へと戻り、生命力の消費を抑えているわけです」
花子「ってことはさ。メリーか男の生命力がもっと多くなればとりあえず二人ともなんとかなる?」
医者「そうですね、男さんに供給される生命力が呪いで失われる分よりも多くなれば二人とも療養の上動けるようになりますが・・・・・・」
隣人「・・・・・・どうしましょう。メリーさんに生命リンクの禁呪の存在を教えちゃったのは私ですし」
貞子「そもそもメリーさんはどこでやり方を覚えたんでしょう?正しい手順とかがあるんじゃありませんでしたっけ?」
花子「お医者さんはやり方とか知ってる?」
医者「ええ、もちろん。作ったの私ですし」
花子「へー、そりゃ知って・・・・・・はっ?」
医者「しかしあれはかなりの条件が整っていないとできない上に、やり方を記した本もずっと前に知り合いにあげちゃいましたからそうそう知られるわけが・・・・・・」
隣人「あの、そのお知り合いってもしかして社長だったりします?」
医者「あら、よくご存じですね。知り合いでしたか?」
隣人「・・・・・・」
125 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:28:29.37 ID:mjqEPgWd0
隣人「もしもし社長っ!?生命リンクの禁呪が書かれた本とか持ってました!?」
社長『え?はい、確かに持って社長室に置いてましたけど、隣人ちゃんが使わないようにお姉ちゃんの家に移送しましたよ?』
隣人「そのお姉さんってあれですよね。メリーさんの仕事場の」
社長『はい、そうですね。・・・・・・え、もしかして、使っちゃいました?』
隣人「はい。メリーさんが。緊急事態だったみたいで」
社長『・・・・・・まさか裏目に出てしまうとは。ええっと、メリーさんって種族分類的には魔物か聖物か幽霊か妖怪か神かどれにあたるんでしたっけ?』
隣人「え?えーっと、メリーさんの種族分類って?」
貞子「都市伝説、と言いましても私や花子さんと隣人さんも別ですものね」
花子「付喪神がどうとか言ってたから神じゃないの?」
社長『と、とにかく!私もすぐにそっちに向かいます!』
隣人「あ、はい。おねがいします」
126 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:29:26.34 ID:mjqEPgWd0
隣人「うーん、先輩とメリーさんが問題なく動けるようにするための方法・・・・・・」
貞子「メリーさん、やっぱり男さんに対する愛がすごいですね」
隣人「え、突然どうしました?」
貞子「元々人形であり、捨てられた恨みから動き出した彼女にとって物言わぬ人形に戻ることは死と等しいじゃないですか。ですが、男さんの延命のためにためらわずそれをやってのけた」
花子「今のメリーって男の生命維持装置だもんね。自分の意識とか身体とか全部捨ててまでそれをできるかって話」
隣人「自分の意識まで・・・・・・私は、無理です。だって、二度と先輩や皆と同じ時間を過ごせなくなるかもしれないだなんて、そんな・・・・・・」
貞子「ただ、お医者様の話でしたらメリーさん自身も消費を抑えるために眠っているだけみたいですし、2ヶ月の間に私たちで解決してしまえば元に戻るわけです」
花子「しっかし、生命リンクなんていったいどうやってやるんだろうね」
隣人「異種族間でキスがどうたらとは聞きましたけど。あと性別が違うのも必要とか、生命力をつなげるバイパスさえあればなんとかなるとか」
花子「・・・・・・いいこと思いついた」
貞子「なんですか?」
花子「私ら全員も男と生命リンクすればいいんじゃない?」
隣人「・・・・・・あ、そっか!そうすればメリーさんの負担も少なくて済みますし、男さんの生命力問題も解決するかもしれません!」
貞子「仮に私たち全員がメリーさんと同じ100だったとしても、えーと全員合わせてだいたい400だから、5人で割って80ですか」
隣人「先輩が端数に・・・・・・」
花子「あとは私らが不慮の事故とかで死なないように注意すればなんとかなるかも?」
隣人「そうですね。一度提案しに行きましょう」
127 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:33:42.22 ID:mjqEPgWd0
医者「許可するわけないでしょう」
隣人「でも!それで二人が救えるかもしれないんですよ!」
医者「生命力を補充する方法は他にもあります。大切な人のことを想っての行動なのは理解できますが、結果を焦っていいことはありません」
貞子「でも!」
医者「そもそも生命リンクを禁呪としているのにはもっと大きなリスクがあるからです。メリーさんが行ったように一刻の猶予もない非常時ならばともかく、そうでないならば決して使わせません」
花子「じゃあどうするっていうのよ!このままほっといたら死んじゃうんでしょ!?」
医者「生命力を補充する方法は他にもあると言いました。もちろん準備が必要ですが、遅くとも1ヶ月以内には完了します」
隣人「その生命力を補充する方法の準備というのは、私たちになにか手伝えるようなことはないのでしょうか」
医者「その申し出はありがたいのですが、残念ですがありません。アレは素材も手順も専門知識と経験が必要ですので」
貞子「・・・・・・お任せして、大丈夫なんですか?本当に二人はよくなるんですか?」
医者「ええ。私の眼の前で起こっていいのは寿命による自然死だけです。私が担当している以上、決して死なせはしません」
貞子「・・・・・・なら、おねがいします。お金はいくらかかってもいいです。どんな方法を使っても集めます。一生かかってでも払います。だから、おねがいします」
医者「はい。お任せください。ここから先が私の仕事ですから」
128 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:34:47.30 ID:mjqEPgWd0
貞子「よし、男さんたちのことはお医者様に任せました!私たちは待つだけです!」
花子「いや、ダメでしょ」
隣人「お医者様が言っていた呪いを解呪する方法、呪いをかけた犯人。ここがわからないと」
貞子「あ、そ、そうですね。しかし、呪いだけで絞り込むなんて難しくないですか?都市伝説なんて全員呪い殺すものですし」
花子「私はトイレに沈めるけど」
隣人「赤い部屋としては血を抜きます。S県月宮としては撲殺します。コーク・ロアは溶かします」
貞子「私、普通に呪い殺してたんですけど・・・・・・」
花子「ってことは解呪とかできないの?」
貞子「無理ですよ。呪いって人によってやり方が違いますし、手順が異なれば殺し方まで違うんですから」
社長「お待たせしました、みなさん」
隣人「あ、社長!と、お姉さん!」
姉「随分厄介なことになってるみたいね。生命リンクの禁呪だっけ?私もできないのかしら」
社長「あれは異種族同士でしかできませんので」
姉「そう、ならメリーさんの代わりに・・・・・・ということは無理なのね」
社長「それに、できたとしてもやらせませんよ。アレの一番のリスクはリンクをつなぐバイパスが切れたらどちらも死んでしまうこと。そのために定期的に補強して繋ぎ直さないといけないことですから。人数が増えれば増えるほど危険です」
貞子「な、なるほど・・・・・・何かの拍子に誰かとの繋がりが途切れると全員お陀仏・・・・・・」
社長「それに、一度やってしまうと元には戻せないという欠点もあります。だから本当に、切羽詰まっている状況でないと使えません。今回のメリーさんのように」
花子「禁呪ってだけあって欠点も多いんだね」
社長「さて、では男くんとメリーさんの現状を教えてもらえますか?」
129 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:35:19.64 ID:mjqEPgWd0
社長「男くん自身は衰弱状態、メリーさんは人形化して休眠中。そしてその原因は男くんにかけられた呪い」
隣人「社長は解呪とかできないんですか?」
社長「私は無理ですね」
貞子「やっぱり無理ですか・・・・・・なんでもできそうなイメージがありましたが」
社長「私には無理ですが、大姪なら多分できます」
貞子「えっ?」
姉「ああ、あの子巫女だものね」
花子「ここにきてまた新キャラか」
社長「次期社長くんの妹なんです。彼女なら解呪ぐらいできるとは思いますが・・・・・・一度医者さんと話してきましょう。行ってきます」
隣人「お願いします、社長」
姉「さて、じゃあ男を狙った相手を探さないとね。ここにいてもなんだし、一度家に戻りましょうか」
130 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:36:24.19 ID:mjqEPgWd0
隣人「うーん、部屋に特に異常はなし・・・・・・争った形跡もないですね」
花子「争う暇もなくやられたってこと?」
姉「少なくとも部屋に入り込んでくるってのは確定しているのよね?部屋で倒れていたんだから」
貞子「あ、そうですね。男さんの記憶から考えると、もしかしたら眠っていた時か眠る直前か」
姉「・・・・・・だめね。検討もつかないわ。私は考えるよりも身体を動かす派だから」
貞子「私もですね」
隣人「私もです」
花子「私も」
姉「・・・・・・誰か頭脳派の助っ人とかいないの?」
貞子「メイドたちは全員基本的に脳筋です」
隣人「私、先輩意外とあんまり交流してなくて・・・・・・」
花子「アイドルも歌手もダンサーも頭脳派っていうよりは身体でって感じだしなー」
姉「私の幼馴染も肉体派だし、推理とかはそういうのは・・・・・・あっ」
貞子「何か思いつきました?」
姉「いや、でもお嬢様の手を煩わせるわけには・・・・・・」
貞子「お嬢様って、本家の方じゃなくてお姉さんの専属の方ですよね?あの人も元メイドですし相当な肉体派なのでは?」
姉「そのお嬢様の幼馴染にいるのよ。ものすごくそういう推理とかが得意な子が。ただ、偏屈だし彼女と関係のない私の弟のために付き合ってくれるかどうか」
花子「あー、それでお嬢様に話をしてもらおうと」
姉「・・・・・・いや、彼女にも無関係じゃないわね。そういうことにしておきましょう。とりあえず連絡するけど、出てくれるかしら」
131 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:37:36.18 ID:mjqEPgWd0
男(・・・・・・なんだ、ここは。周りが、すごく暗い)
男(暗い何かが、襲ってきている。俺は、いったいどこにいるんだ?)
男(・・・・・・でも、俺のいるところまでは来ない。いや、阻まれているのか?)
メリー「あ、起きたの。ってことは寝たってことなの」
男「・・・・・・メリーさん?」
メリー「ここは男の夢の中なの。夢って言うか精神世界って言うか魂そのものっていうか」
男「はあ、何を言いたいかはなんとなくわかった。わかったけどなんでメリーさんがここに?」
メリー「私と男の魂をリンクさせたの。だから当然なの」
男「えっ、魂をリンクさせたって?」
メリー「覚えてないの?男はある都市伝説に呪いをかけられたの。それで放っておいたら死ぬから、私の生命力をリンクさせたの」
男「すごく淡々と言ってるけどすごいこと言ってるな?」
メリー「とはいっても、事実だから仕方ないの。ってことで魂そのものが見えないチューブとかトンネルで繋がってる感じなの。だからこうやってお互いの精神の世界に行き来できるの」
男「なるほどなぁ。なんか世の中すごいことできるもんだな」
メリー「んで、私も男もこのままじゃ死ぬから私が全部の意識をこっちに持って来て、自分の身体の活動を停止させてるの」
男「・・・・・・メリーさん、ああ、そうだ。メリーさんは、確かただの人形になってて」
メリー「意識を保ったままじゃ身体を人形化することができなかったの。だからちょっとお邪魔してるの」
男「で、俺を襲った犯人は?」
メリー「・・・・・・そもそも、今回男はあいつの罠にひっかかったの」
男「え?」
メリー「ホラーサイトを漁ってたってのがそもそもの罠だったの。まさかアレが原因で都市伝説に引っかかるとは思いもしなかったの」
男「え?え?」
メリー「あいつの手口も巧妙なの。まさかホラーサイトそのものに罠を張ってるなんて」
男「ホラーサイトそのものに?・・・・・・ウイルス的な奴は貞子さんがやってるが・・・・・・いや、違う。ホラーサイトそのものってことは、内容の方か」
メリー「わかったの?」
男「都市伝説の中には知っただけで効果を及ぼすようなやつがある。ムラサキカガミとか。それ系で考えると・・・・・・」
132 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:38:52.91 ID:mjqEPgWd0
姉「来てくれるみたいね」
花子「えっ、マジで!?」
姉「どうやらメリーさん本人の知り合いだったみたい。不思議な縁があるものね」
貞子「あの、それっていったい?」
幽霊「あ、私ごく普通の一般幽霊なんでお気になさらずに」
隣人「なるほど、幽霊・・・・・・ん?」
花子「・・・・・・あーっ!メリーがちょいちょい言ってた戸籍持ってる幽霊!」
幽霊「どもーっ、戸籍持ち勝ち組の幽霊でーっす。いやー聞いたよー。メリーさんが憑りつき相手にガチ恋してて命全部なげうってメガザルしたんだって?」
隣人「お姉さんなんて伝えたんですか!?」
姉「ありのままに」
幽霊「んで、私に犯人捜しをしろってことだね。この天才美少女を頼るのは賢い選択だよ。で、当日の行動とかなにかわかるものない?パソコンの履歴とか」
花子「履歴?まあ見れるけど。・・・・・・って言っても、ホラーサイト漁ってたぐらいかな。ほら、都市伝説まとめサイト」
貞子「あ、このサイト私も使ってますよ。コメントしましたし」
花子「私もやったー」
隣人「ちゃんと正しい情報を書き込んでおきましたよ」
姉「あなたたち・・・・・・」
幽霊「ふんふむふむ、えっとさらに履歴が?あー、なるほど。犯人こいつか」
貞子「え、もうわかったんですか!?」
幽霊「SS的にあんまり時間かけてられないしね。まず答えからいうと犯人はカシマレイコ」
花子「・・・・・・いっ!?」
133 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:39:54.65 ID:mjqEPgWd0
幽霊「とりあえず、都市伝説ってのはその名の通り語り継がれるもの。だから何らかの形で伝播するようにしておかなければならない。その存在の維持の為にもね」
幽霊「で、こういうまとめサイトはうってつけのもんだね。いろんな人が覗くし」
幽霊「そしてこのサイトの履歴の中で@内容を知るだけで対象になるA夜寝ているときに襲ってくるBメリーでは太刀打ちできないほどの呪力の持ち主」
幽霊「こいつらをつなぎ合わせてやるとカシマレイコが出てくるってワケ。だってカシマレイコを扱ってるんだから『カシマレイコが出てくる条件の話』も載ってるわけでしょ?」
花子「・・・・・・ってことは、ホラーサイトでカシマレイコの怪談を見ただけでターゲットになるってこと!?」
幽霊「そういうことだね。このサイトはいろんな怪談を具体例を挙げて紹介してるわけだし」
姉「つまり、カシマレイコってやつをボコればいいのね」
幽霊「そういうことだねー。んじゃ、私はお役御免だね。サラダバー」ドロン
貞子「・・・・・・消えちゃいましたね」
隣人「あの幽霊さん、どこかで見たことあるような気が・・・・・・」
姉「まあこれで原因はわかったわけよ。なら本体を叩きに行けばいいのね」
貞子「・・・・・・本体、どこですか?」
花子「社宅じゃないの?」
貞子「あそこのどこに誰が住んでるとか私知りませんよ」
花子「私も」
隣人「次は場所の特定方法についての相談ですね。まあもしかしたら解呪に役立てるかもしれないですし明日病院に行ってみますか」
134 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:41:22.78 ID:mjqEPgWd0
―翌日・病院―
貞子「おっとこさーん!お見舞いに来まし」
男「あぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」ゴロゴロゴロゴロ
巫女「はい、解呪完了ー」
貞子「男さんー!?」
社長「巫女ちゃん。これ大丈夫なの?」
巫女「あ、大丈夫ですよ。ちょっと脳内で痛みが反響してるだけなんで。ちょっとすれば治まります」
隣人「せ、先輩になにやったんですか!?」
巫女「何、って呪いを引きはがすために巫女力込めてデコピンを」
花子「あれデコピンの威力じゃな・・・・・・あ、いや、ちょっと待て。確か歌手のやつも似たようなことやってきたことある。お前アイツの知り合いか!」
巫女「え?歌手さん?あー、兄さんの友達だわ。兄さんが教えてくれたのよ、これのやり方。だから歌手さんも知ってるのか」
貞子「花子さん、知ってるんですか?」
花子「罰ゲームでデコピンくらったときに。脳が割れるかと思うぐらいやばいやつ。しかも痛みだけで跡とか一切残らない」
巫女「呪い相手にはこれが一番効くんですよね。呪いって脳の部分に悪影響及ぼしてるから」
社長「え、心臓とかじゃなくて?」
巫女「あれ全部頭なんですよね。心臓が攻撃されてると頭で思い込むことで実際に心臓に効果が出る。プラセボってやつです」
貞子「今呪い全部プラセボ扱いされましたけど。え、もしかして私のも?」
巫女「離れた場所から手も触れずに身体に直接ダメージを与えるっていうのは難しいけど、テレパシーの強制受信とかでやってやればプラセボ起こしてやれば可能なんです」
花子「へー」
隣人「現代の巫女ってなんかすごいですね」
巫女「姉が人間の肉体の研究してるんで。呪いがどこに効果を及ぼしてるのとか調べるのにも手伝ってもらったんです。んじゃ、私はこれで。お金はまた振り込んどいてください」
社長「はい、わかりました」
隣人「あの、社長?おいくらぐらいかかりましたか?」
社長「えーと、強制解呪コースで交通費こっち持ちの身内割り適応で3980円ですね」
貞子「お手頃!」
135 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:42:17.36 ID:mjqEPgWd0
男「し、死ぬかと思った・・・・・・」
貞子「あ、男さん!よかった、これで男さんはとりあえずなんとかなりますね!」
花子「あとはメリーか」
隣人「メリーさん、お医者様が生命力を補充する準備をしてくれてるって話をしてましたけど・・・・・・あっ、説明しておくとですね」
男「ああ、メリーさんから直接聞いてる」
隣人「え?」
男「生命リンクってやつだろ?だからメリーさんと精神もつながったとか何とかで、夢の中で話を聞かされたんだよ」
貞子「魂が繋がる・・・・・・それはもはや〇ックスなのでは?」
花子「なに言ってんだお前」
隣人「貞子さん、社長がいる前なんで慎んでください」
社長「ああいえ、大丈夫です。というか、男くん」
男「あ、社長。すいません、また入院しちゃって」
社長「それはいいんですが・・・・・・その、男くんこれから大変ですよ」
男「この生命リンクの生活がですか?」
社長「はい。その、生命リンクをするときにキスと同時に自分の魔力とか霊力を相手に送り込んでバイパスを無理やり作るわけなんですが・・・・・・今後何度も補強してあげないといけないんです」
男「なるほど。ってことはキスを?」
社長「キスだけで補強しようとなるとそうですね、1時間続けて1週間といったところでしょうか」
男「効率悪いですね」
社長「なので、一番効果的なのが、その、当事者同士の性行為でして・・・・・・」
貞子「は?」
隣人「え?」
花子「なんですと?」
136 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:44:05.56 ID:mjqEPgWd0
貞子「と、ととということは男さんはこれから先メリーさんと何度もセック〇をしなければならないってことですか!?」
社長「一回1時間の行為でだいたい1ヶ月ですね」
隣人「あー、あー、なるほどー。先輩、がんばってください」
男「あの、貞子さん?隣人さん?お二人的には大丈夫なんですか?」
隣人「正直メリーさんならいいです」
貞子「私メリーさんに愛情で勝ててないんで文句言う権利もないです」
花子「大草原だわ」
男「花子はそこに直れ」
医者「男さんとその御一行様、あまり病院では騒がないように」
貞子「あっ、ご、ごめんなさい」
医者「生命リンクについて詳しく説明しておきますけど、バイパス補強の期間は性行為の時間に二乗に比例します」
医者「また、メリーさんを目覚めさせるときにも意識を移動させる必要があるため行為を必要とします。キスだけでも軽くは戻りますから、その後は定着させるために性行為が必要です」
花子「・・・・・・もしかして、だから異性間じゃないと成立しないの?」
医者「はい。お互いの性器による深層での接触でなければリンクがうまくいきませんから」
隣人「女同士は深く差したりできないからとして、男同士は一応」
医者「一応医者として言っておきますけど肛門及び腸は性器ではありませんので。魂をリンクさせるときには使えません」
男「・・・・・・ってことは、少なくとも1回はメリーさんとしろってことなのか」
医者「そうなりますね。ただ生命力を補強するための準備がまだできていませんのでもうしばらくお待ちください。それまでは男さんもメリーさんの側を離れるのは禁止です」
隣人「じゃあ先輩、会社復帰は・・・・・・」
医者「しばらくは無理ですね」
社長「構いませんよ。事情が事情ですし。男くんが抜けた分は・・・・・・次期社長に穴埋めしてもらいましょうか」
隣人「内定者に人事担当の穴埋めさせるんですね」
社長「あの子ならできますから」
137 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:44:43.61 ID:mjqEPgWd0
男(・・・・・・って言われてもな。正直病院で待つだけなのは変わらない)
男(・・・・・・今、隣のベッドで寝かされてるのがメリーさんか。本当に人形そのものだ)
男(以前のメリーさんと比べたらはっきりとわかる。無機質な目、赤味のない肌、表情のない顔)
男(人形としてはとてもきれいなんだと思う。多分ドールショップでマニアが信じられない値段を付けるぐらいには)
男(だけど、生きている本物には敵わない。メリーさんはもっときれいだ)
男(透き通るような瞳、ほのかに赤味のある白い肌、表情豊かな顔)
男(さばさばとしながらも情に厚く、小さいながらも家事万能で料理上手)
男(なんていうか、結婚するならこんな人がいいんだろうなっていう理想形だ。依存気味なのは若干よろしくないが、そこは人形の本能らしいので仕方ない)
男(・・・・・・絶対に目覚めさせてみせる。メリーさんはあの日俺にあれだけ素直になってくれた。俺はどうだ?)
男(まだだ。俺はまだメリーさんに素直な気持ちを全然見せてない。俺の素直デイはまだ始まっちゃいない)
男(だから、必ず――)
138 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:45:15.48 ID:mjqEPgWd0
メリー(あー、もしもし、男?)
男「・・・・・・え?今、メリーさんの声が?」
メリー(そりゃするの。私は今男の意識に紛れ込んでるんだから)
男「あー、なるほど。ってことは俺の頭の中にいるみたいな感じか」
メリー(そういうことなの)
男(・・・・・・え?ってことは、さっきの全部聞こえてた感じ?)
メリー(そういうことなの)
男(・・・・・・ぐあああああああああああああああっ!殺せっ!殺してくれっ!)
メリー(やめるの!独白モノローグのつもりでかっこつけてたのを全部知られたからって死ぬのはなしなの!)
男(だって!だってだぜ!?俺割と臭い台詞言ってたんだぜ!?黒歴史なんてもんじゃねえよ!)
メリー(『俺の素直デイはまだ始まっちゃいない』きりっ、なの)
男(やめろおおおおおおおおおおお!!!!!)
メリー(割と面白いの。でも、考えてるだけじゃダメだよ)
男「いや、もう考えたくもないんだが・・・・・・」
メリー(私だって一人の女の子なんだから。ちゃんとその口からはっきりと聞かせてね)
男「・・・・・・あれ?メリーさん?今、口調が」
メリー(なんのことなの?わかんないの。えっちなことするのはいいけど丁寧に扱ってねなの)
男(童貞に期待すんな)
139 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:46:54.00 ID:mjqEPgWd0
―3日後―
医者「えー、貞子さんたちの協力のもと無事に生命力を補充する準備ができました」
男「え、マジですか?早くないですか?」
貞子「だって私たちが世界中ワープしまくって素材集めてきましたもの!」
隣人「正直何度か死ぬかと思いました。社長がいてくれなかったら多分死んでました」
医者「あの子に素材について教えていたことが功を奏しました。みなさんが世界中をノータイムで行き来できるのも助かりました」
隣人「なにか手伝えることはないかと思ってましたので、こんな形で手伝えてよかったです」
花子「生命力補充するのってこんなに大変なんだ・・・・・・」
医者「仮にも人智を超えたことを行うわけですから。さて、みなさんのおかげでこうして賢者の石を完成させることができました」
男「・・・・・・賢者の石?錬金術とかのあれの?」
医者「はい。簡単な話です。例えばスマホの充電が足りない時はモバイルバッテリーを持ち歩いておけばいつ無くなってもすぐ充電できますよね?それと同様に、この賢者の石が生命力を溜め込むことでモバイルバッテリーのように生命力を補充できるのです」
男「な、なるほど」
医者「足りないものがあれば補ってあげればいい。パソコンのデータ容量が足りなければ外付けHDDを付けてあげるのと同じように。これで男さんの生命力が足りない問題も解決しますよ」
貞子「で、これってどうやって使うんですか?」
医者「そうですね、私が専属で診ている子はこれをもとにした身体補助の無機生物を創って体の中に潜ませましたが、男さんは人間ですし埋め込むわけにも・・・・・・」
仕立屋「だから私が出張ってきたわけだよー」
花子「また新キャラか!」
仕立屋「また、って言われても私メリーちゃんの雇い主だよ?一応名前は出てた」
貞子「それで、どうするんですか?」
仕立屋「人形の身体の事なら私にお任せあれ。どうせ生命リンクしてるんだからメリーちゃんボディの方に埋め込んでやれば十分に機能するよ」
医者「と、いうわけで今から手術をします。一応血が出たりはしないですけど、メリーさんの身体が一時的に解体されますので見たくなければ出ることをお勧めしますが・・・・・・」
隣人「か、身体の解体・・・・・・私出ておきますね」
貞子「私も。メリーさんが嫌がるかもしれませんし」
花子「だね。それじゃあ、あとはよろしくおねがいします」
医者「ええ、任せてください」
男「え、あの、俺は」
医者「生命リンクをしている以上、申し訳ありませんが側にいてもらいます」
メリー(私のために逃げんななの)
男「・・・・・・先々大丈夫か、俺」
140 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:48:00.18 ID:mjqEPgWd0
メリー(こうして自分の身体がバラバラになってるのを見るとちょっと奇妙な感覚なの)
男(見てて気持ちのいいもんではないな)
メリー(でも扱いはすごく丁寧だし、解体した部分に埃とかが詰まったりしないように気を遣ってくれてるの)
男(よくわかるな)
メリー(自分の身体の事だからそれくらいわかるの)
男(人間はあんまり自分の身体のことをわかってなかったりするもんだが)
メリー(まあ私は人形時代の記憶もあるし扱われ方の違いも分かるの。元の主よりも男の方が扱いが丁寧なの)
男(いきなりどうした)
メリー(生命リンクをしたのは男の命を助ける方法がそれしかなかったからなの。これで損害を被るのは私の方だけなの)
男(だろうな。俺の生命力はメリーさんの4%しかないらしいし)
メリー(でも、私は全然後悔してないの。男と一緒に暮らす生活がはじまったときから私は命に代えても男を守るって決めてたの)
男(マジで?)
メリー(マジなの。あのときは男が殺されたら都市伝説法にひっかかるってのがあったからだけど、今は違うの。いや、もしかしたらあの時も今も変わらないかもしれないの)
メリー(どうせこの後することが決まってるから先に言っておくの。メリーさんの一世一代の告白なの)
男(え?)
メリー(私は男の事を愛してるの。身体も命も全部差し出せるの。寿命ごときに私たちを別れさせやしないの。死ぬときは一緒に死んでやるの)
メリー(だから、私の事を)
141 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:48:34.24 ID:mjqEPgWd0
―愛して―
142 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:49:30.37 ID:mjqEPgWd0
医者「手術は完了しました。あとは所定の行為を行うだけですが・・・・・・」
男「ありがとうございます。えっと、このままちょっとメリーさんを連れて外に出ていいですか?」
仕立屋「どぞどぞ。そだね、病院を出たら南に向かって真っすぐ歩くといいと思うよ」
医者「後の話はご家族の方にしておきますので、どうぞごゆっくり」
男「ありがとうございます。じゃあ、行ってきます」
医者「・・・・・・ちなみに、生命リンクってお互いの意識を共有したりできるんですよ」
仕立屋「知ってるー。だから脳内会話したりね」
医者「いいですね、若人の甘酸っぱい恋物語は」
仕立屋「私たちにだってあんな時代があったんだよー?」
医者「いつの話ですか、まったく。いいですよね、あなたは娘がちゃんと結婚もして子供も作っていて」
仕立屋「育て方が良かったんだよねー。まあそっちの娘も勉強頑張ってるじゃん」
医者「学や職はともかくとして、母親としては早く孫の顔が見たいものですよ」
仕立屋「曾孫くんかわいいよー。ひいおばあちゃーんって言ってくれてねー」
医者「羨ましい・・・・・・」
仕立屋「そういえば、石を入れる時についでに何か仕込んでなかった?」
医者「この国の出生率を上げるための仕込みを」
仕立屋「へー。やるねー」
医者「我々のような存在は子供ができにくいですからね。やれるときにこういうことをやっておかないと将来たいへんですから」
仕立屋「うー、じゃあ年棒の調整と産休とか育休の制度考えないと。手伝ってくれる?」
医者「暇なときならば」
143 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/22(月) 14:50:55.49 ID:mjqEPgWd0
メリーさん編中盤まで終了です。続きは夜に。
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/22(月) 19:16:56.78 ID:kc+hiUKDO
メリーさんに子供ができるのか?
145 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:00:15.15 ID:Nwo3vTWK0
―翌日―
メリー「ただいまなのー」
男「ただいま」
貞子「あ、お帰りなさい!もう、何も言わずに事を始めるなんてひどいじゃないですか!」
隣人「あわよくば混じろうと思ってたのに!」
男「ほら、ムードとかね?いろいろあるからね?」
花子「おかえり、非童貞」
男「ただいま、処女」
花子「うっせぇ!JSだからいいのよ!」
貞子「で、なんでメリーさんはずっと抱っこされてるんですか?」
メリー「・・・・・・股が痛くて動けないからなの。90センチの身体に大の大人のモノはきついにもほどがあるの」
貞子「そういう生々しいことを言わないでください」
メリー「自分から聞いておいてその言い草はひどいの」
花子「てか、せめて一言ぐらい声かけてくれてもよかったんじゃない?私らずっと待合室で待機してたのに」
男「いや、その、な。いわゆる理性ってやつが抑えきれなくてだな」
隣人「なるほど。先輩、隣の部屋に来てください。第二ラウンド開始ですよ」
男「メリーさんが今日はまともに動けないから勘弁してやってくれ。介護してやらないと」
貞子「大丈夫ですよ、私がやっておきますので。花子ちゃん、家事は任せました」
花子「うぇっ!?ま、まあいいけどさ」
メリー「男、さっさとやってこいなの。栄誉ドリンクなら冷蔵庫に入ってるの」
男「いや、だからあの」
隣人「逃 が し ま せ ん よ ?」
146 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:06:34.73 ID:Nwo3vTWK0
―閑話―
医者「ってことで賢者の石の代金と手術代込みでこれだけだから」
仕立屋「・・・・・・え、マジ?」
社長「あのー、医者さん?」
医者「あなたたちの大事な社員なんですよね?これぐらい支払ってください」
仕立屋「いや、私も手術手伝ったじゃん!」
社長「そうですよ!私も素材集めてきました!」
医者「賢者の石を作るのに一番大変なのは錬金の部分です。これでも素材代は差し引いてますし手術代も割り引いてるんですから」
仕立屋「それにしても法外だと思うんだけど!」
社長「もっとこう、身内割とかないんですか!」
医者「ありません。支払いは一括のみで受け付けてますので」
社長「うー、師匠のばかー、けちんぼー」
仕立屋「物品納入じゃダメ?服好きなの一着作るからさ」
医者「だめです」
仕立屋「ちぇー」
―閑話休題―
147 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:07:37.93 ID:Nwo3vTWK0
―1週間後―
貞子「さて、我々としましても夫婦の禊的なものは全部やりましたのでそろそろ次のステップへと進みたいわけですが」
隣人「その前に、先輩を襲った犯人であるカシマレイコについての対策をとりたいんです」
花子「ねえどんな気持ち?その気もないJSにまで手を出して今どんな気持ち?」
男「うっせぇ!誘って来たのお前だろうが!」
花子「乗ったのは男ですぅ〜」
メリー「お前らうっさいの。てか、犯人が分かってるのに対策とかまだしてなかったの?」
貞子「いえ、そのですね、場所の特定にいたってないので未だなにもできず・・・・・・」
メリー「場所の特定?なに言ってるの?バカなの?死ぬの?」
貞子「すでに死んでます!てか、なんでそんなこと言うんですか!」
メリー「はぁ、当たり前なの。私らは『都市伝説』なの。ターゲットの素性もなにも知らなくても殺りにいけるってのが持ち味なの」
隣人「・・・・・・あっ」
メリー「しかも今回は名前も素性もわかってるの。なら場所がどこであろうと私たちから逃げるすべはないの」
貞子「そういえばそうですね。ターゲットにしてしまえば関係ない話でした」
隣人「と、いうことは。久しぶりの本業復帰ですね」
花子「やってやろうじゃんか」
男「待ってくれ。やるにしても作戦は考えよう」
メリー「わかってるの。えげつない奴頼むの」
男「えっ」
貞子「私たちにやったみたいに二度と同じことをしようと思わないようにしてあげてくださいね」
花子「トラウマとか気にしなくていいよ。相手もいい大人だし」
隣人「道具ならいろいろ揃えますから!」
男「おまえらは俺をいったいどういう目で見てるんだ・・・・・・」
148 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:09:06.90 ID:Nwo3vTWK0
レイコ「・・・・・・おかしい!私が直々に呪ってやったっていうのに、なんであいつまだ死んでないのよ!」
レイコ「一回見に行ってもいいけど、噂じゃアイツのとこに不用意に行ったやつらは消されてるらしいし・・・・・・」
レイコ「・・・・・・果報は寝て待てよね。待つしかないか」
プルルルルルル
レイコ「ん?電話?もしもーし、カシマですけどー」
『もしもし、私メリーさん。今きさらぎ駅にいるの』
レイコ「え?メリーさん?間違い電話じゃ・・・・・・切れた」
テレビ「・・・・・・」
レイコ「あれ?私テレビ付けてたっけ?この時間こんな変な井戸が映ってる番組やってんのね」
『もしもし、私メリーさん。今かに道楽の前にいるの。自転車をこぐ音が聞こえるの』
レイコ「いや、あれスイッチで動かしてたし」
『もしもし、私メリーさん。今中古車販売店の白いソアラの前にいるの』
レイコ「え、あ、あれ?なんか、だんだん近づいてきてない?ねえ、メリーさん?なんか間違えてません?」
『もしもし、私メリーさん。今ケンタッキーの前にいるの。カーネルの人形がどこにもないの』
レイコ「あー、これターゲット間違えてるわね、うん。社宅に近づいてるだけだし。あとは放置でいいか。テレビでも見て落ち着こ」ポチッ
ポチポチ
レイコ「・・・・・・んー?おっかしいな、リモコン電池切れ?チャンネル変わらないじゃん」
レイコ「電池新しいのあったっけ・・・・・・いいや、直接変えよ。・・・・・・あれ?変わらない?」
レイコ「・・・・・・な、なんか気味悪くなってきた。トイレ行こ」
149 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:09:37.84 ID:Nwo3vTWK0
ガチャガチャ
レイコ「・・・・・・なんで鍵閉まってるの?」
トイレ「入ってまーす」
レイコ「・・・・・・いやいやいや!私一人暮らしなんですけど!あんた誰!?」
トイレ「んー?遊ぶのー?何して遊ぶー?」
レイコ「いや、だからあんた誰って・・・・・・もういいわ!」
ドンドンドン!!!
レイコ「な、なにっ!?壁ドン!?ったく、隣に住んでるの誰よ!」
レイコ「・・・・・・都合よく穴開いてんじゃん。知ってるやつだったら文句言ってやろ」
壁「・・・・・・」
レイコ「・・・・・・赤い。本棚でも置いてるの?まあそんなもんか」
150 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:10:28.73 ID:Nwo3vTWK0
レイコ「いや、ちょっと待て。メリーさんってあのサイトに変なコメントが書き込まれてたやつよね。自分で書いたっぽいやつ」
レイコ「他にはえっと、『呪いのビデオ』と『トイレの花子さん』と『赤い部屋』だっけ?自分でコメント打ってたやつら」
レイコ「・・・・・・て、テレビっ!まさか、これ、貞子のやつ!?」
レイコ「こら貞子!聞こえてるんでしょうが!返事しろ!」
テレビ「・・・・・・」
レイコ「だんまりか・・・・・・じゃあトイレは、花子!」
トイレ「はーい。何して遊ぶー?」
レイコ「遊ぶとかじゃないわよ!ここは私の家!さっさと帰れ!」
トイレ「んーと、首絞めごっことか?」
レイコ「ちっ、話しになんないわ。こら、赤い部屋!なんとか言え!」
壁「・・・・・・」
レイコ「ああもうこいつら、いったいどういうつもりよ!サイトの内容訂正しろってこと!?」
レイコ「ああもうめんどくさいわね!えーっと・・・・・・あれ、新着コメントが、いろんなとこに」
151 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:10:56.60 ID:Nwo3vTWK0
「お前を逃がさない」
レイコ「え?」
「お前がターゲットだ」
「お前は逃げられない」
「どこへ行ってもムダだ」
「決して逃がさない」
「我々が仕留める」
「これも仕事だ」
レイコ「な、なにこれ、全部のページのコメント欄に・・・・・・しかも、全部別ID」
「こんな都市伝説を知っているか」
レイコ「えっ?えーっと?」
152 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:11:35.64 ID:Nwo3vTWK0
【成功率100%の殺し屋集団】
仕事に失敗したことのない者しかいない殺し屋集団がいる。彼らは相手が何者であろうとも決して仕事を失敗しない。
あるところに自身の作った手順を踏んだにも関わらずターゲットを殺しきれなかった殺し屋がいた。その殺し屋はある集団に所属していた。
そのターゲットに生きていられては殺し屋集団の価値が薄れてしまう。なんとしてでも殺しきらなければならないのだ。
だが、手順を全てこなしたからにはそれ以上できることは何もない。待つことしかできない殺し屋はひたすら待ち続ける。
仕事をこなせぬ殺し屋にもはや存在価値はない。残しておいては噂が広まるばかり。
だから、失敗した殺し屋は別の殺し屋に殺されてしまうのだ。仕事に失敗した殺し屋がいなくなるようにするために。
153 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:12:31.84 ID:Nwo3vTWK0
レイコ「な、なに、これ・・・・・・」
『もしもし、私メリーさん。絶対に逃がさないの』
テレビ「逃が・・・・・さ・・・・・ない・・・・・・」
トイレ「ねえねえ、何して遊ぶのー?遊んでくれるまで逃がさないよー?」
壁「カシマレイコ・・・・・・・オ舞えを、逃がサない」
レイコ「え、う、嘘、よね?いやいやいや、私をターゲットにしたって意味ないじゃん!人間じゃないんだし!」
レイコ「ま、まさか、私が失敗したから殺しに来たってこと!?あんなコメントでたらめよね!?」
レイコ「そもそも私たちが集団ってことを知ってる奴なんか・・・・・・」
154 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:14:15.09 ID:Nwo3vTWK0
『もしもし、私メリーさん。今社宅のエントランスにいるの』
レイコ「ひいぃぃっ!!!!く、来るなッ!テレビも、と、とりあえず布で覆う!」
ドンドンドン
レイコ「扉が叩かれ、い、いや、大丈夫。扉なんか簡単に壊せるもんじゃない」
トイレ「ねぇねぇ、それでなんとかなると思ってるのー?」
レイコ「花子さん・・・・・・コイツ相手なら、なんとかなるか」
ガチャガチャ
レイコ「おら花子!鍵開けろ!」
『もしもし、私メリーさん。今あなたの部屋の前にいるの。205号室なの』
レイコ「いや、落ち着け、私。メリーさんごときにやられる私じゃない。あいつが次に電話をかけてきた瞬間」ガタガタ
ジュゥゥゥッ
レイコ「!?」
隣人「カシマレイコ・・・・・・荷ガ、さナい」
レイコ「と、扉が溶けたっ!?コーク・ロア!?」
貞子「逃がさない・・・・・・決して・・・・・・」
レイコ「さ、貞子がっ!」
花子「じゃあ、はじめよっか。虐殺ごっこ」
レイコ「く、来んな!来るんじゃないわっ!」
レイコ(だ、大丈夫!テーブルを立ててその後ろに隠れた!後ろは壁!これで近付いてきた瞬間を狙って)
『もしもし、私メリーさん。今』
155 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga !red_res]:2020/06/23(火) 01:14:40.77 ID:Nwo3vTWK0
あ
な
た
の
う
し
ろ
に
い
る
の
156 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:16:08.81 ID:Nwo3vTWK0
レイコ「」ブクブクブクブク
メリー「・・・・・・見事に気絶してるの」
貞子「相変わらず男さんの作戦はえげつないですね。都市伝説に都市伝説を味わわせるなんて」
花子「この非正規の会社を『殺し屋集団』に。都市伝説を『殺し屋』に。そう例えた・・・・・・ように見える都市伝説を作ったと」
隣人「で、どうしましょうか?やっぱり溶かします?」
メリー「いや、大丈夫なの。男からこれを預かってきてるの」
貞子「それは・・・・・・札束?」
メリー「違約金なの。これで払わせればターゲット変更もできるし私たちのとこに泣きついて来たりしないの」
貞子「私たちが男さんに泣きついたのも違約金が払えないからでしたしね」
花子「違約金は払えないわ貯金は尽きるわ脅されて仕事にトラウマ持つわでまあ少なくとも男をターゲットにしようとは思えないね」
メリー「ってことでこれで解決なの。居候が増えたりもしないの」
隣人「てか、隣空き部屋だったんですけど、珍しいですね」
メリー「そこは確か八尺様の部屋なの。アイツ自分の身長が2.4メートルだから204に住んでるって聞いたことがあるの」
隣人「八尺様って、あー今先輩のお爺さんのお家で農業してる」
メリー「よーし、書置きだけ残して撤収ー、なのー」
メリー「もしもし男?今終わったからそっちに帰るの」
157 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:17:25.93 ID:Nwo3vTWK0
メリー「ただいまなの」
男「お疲れー」
姉「お疲れ様」
貞子「ごめんなさい、お姉さんの出番はありませんでした」
姉「いえ。今回は男の仕込みがうまくいったってことだから」
隣人「サイトを見てくれるかどうかは賭けでしたしね。見てくれてなかったら・・・・・・お姉さんの出番でした」
花子「どう転ぼうともどうにかする手段を用意するあたり流石我が家の参謀だわ」
男「俺一人の命じゃないしな。万全を期して臨まないと」
貞子「そうですよね。男さんが死んじゃったらメリーさんも死んじゃいますし」
隣人「まあ生命力が強化されたから今後はそう簡単に死なないんですよね?」
メリー「らしいの。以前の私が100だとすると今の私たちは1人あたり500とかいう状態なの。オーバーフローにもほどがあるの」
姉「いいじゃない。それだけあったら安心だわ。それじゃあ私は帰るから」
メリー「幽霊のやつにもよろしく言っておいてほしいの。コメントのとこはマジでただの人海戦術なの。あいつが周りに声掛けしてくれたおかげなの」
姉「その幽霊さんから伝言よ。『私の憑りつき主の会社の社員とその未来の嫁の命がかかってるんでしょ?次期社長秘書としてこれぐらい当然』だって」
隣人「・・・・・・ああああああーーーーーーっ!思い出しました!あの幽霊さん、次期社長と一緒にたまにいる子です!」
男「え?あの子が?」
姉「ええ。ここのコメントも次期社長とその幼馴染たちや彼の彼女さんとかが書き込んでくれたの。私もやったけどね」
男「・・・・・・隣人、今度次期社長に礼をしにいこう。菓子折り持って」
隣人「そ、そうですね。私たち、次期社長を顎で使うとか言うとんでもないことしてたみたいですし」
姉「彼の好物はとろろよ。おいしいとろろを買いに青森あたりまでまた行くかしら?」
男「姉ちゃんその情報マジで助かる!」
姉「じゃあ、私はこれで失礼するわ。車が必要ならまた言ってちょうだい」
隣人「すいません、いつもいつも」
姉「ふふ、姉として当然よ。それじゃあね」
158 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:18:50.80 ID:Nwo3vTWK0
メリー「・・・・・・あ、そうそう。男に言っておかないといけないことが。一人の命じゃないで思い出したの」
男「ん?どうした?」
メリー「私、妊娠したの」
男「・・・・・・えっ?な、なんて?」
メリー「だから、妊娠したの。お腹に赤ちゃんがいるの」
貞子「えええっ!?あ、あの一回で!?」
メリー「そうなの。びっくりなの」
隣人「はぇー、すっごい確率ですよ。私たち妊娠率低いのに」
男「えっ、ま、マジか」
花子「男がパパでメリーがママになるのかー。パパー、ママー」
メリー「自分よりでかい娘を産んだつもりはまだないの」
男「いかがわしいからやめろ、花子さん。てか、そうか・・・・・・できたのか・・・・・・」
メリー「嫌だった?」
男「そうじゃなくてだな。こう、これから子供が増えるとかそういうのになったらもっと広い家がいるとか考えてた矢先だったから、まだ何も準備できてないのがな」
貞子「そうですね。私たちもいずれは子を産むつもりですし、それが1人とも限りませんしね」
隣人「そうなるとこの二部屋じゃ手狭ですね」
男「はぁー、社長に相談して一軒家建てるなりなんなりするか」
メリー「困った時の社長なの」
隣人「あの人不動産にも顔がききますし」
貞子「とりあえずあれですね。今夜はお赤飯にするべきですね」
花子「だねー。あとどっかで男の実家に挨拶をね」
男「そ、そうだった!それもあったんだ!」
隣人「大変ですよー、先輩。4人もつれて挨拶に行くんですからね」
メリー「しかもそのうち二人はどうみても大人に見えないサイズなの。いろいろ言われること間違いなしなの」
男「そうだな・・・・・・覚悟しとくか。姉ちゃんとも話し合って日程決めよう・・・・・・」
159 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:19:35.94 ID:Nwo3vTWK0
メリー「お義父さんもお義母さんも目を丸くして腰抜かしてたの」
男「そりゃそうだよ。結婚相手が4人ですとか、人間じゃないですとか、すでに妊娠してますとかさ。あまりにも情報が多すぎるだろ」
メリー「まあ最終的に認めてくれてよかったの。お義姉さんの威圧感がすごかったけど」
男「父さんも母さんもあんな威圧感向けられたら納得せざるを得ないって」
メリー「・・・・・・いい家族なの。あとでゆっくり話してもちゃんと認めてくれたし」
男「ああ。俺の事を育ててくれた大事な家族だ。そして今ここに新しい家族が宿ってる。今度は俺が育てる番だ」
メリー「違うの。俺『たち』が、なの」
男「っと、そうだったな。俺一人で育てるんじゃない。メリーさんがいて、貞子さんがいて、花子さんがいて、隣人がいて」
メリー「そして男もいる。私たち5人で名実ともに家族なの。花子にも手を出すのは意外だったの」
男「煽られたから、つい」
メリー「まあ花子だけ仲間外れってわけにもいかないし、これでよかったと思うの。男の節操のなさに感謝なの」
男「あれ、俺褒められてんの?貶されてんの?」
メリー「さーて、どっちでしょうなの」
160 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:20:40.16 ID:Nwo3vTWK0
男「・・・・・・なあ、メリーさん。メリーさんと初めて会って、もう1年半ぐらいか」
メリー「そうなの。あのときはまさか男の子供を妊娠するなんて考えてもなかったの」
男「俺だって人形と子作りするとか考えてもなかったさ」
メリー「人形にも死体にも幼女にも興奮しないって言ってたの。結局あれは生命力が低すぎて性欲が無かっただけだったの」
男「人並みに戻ったら一気に来たからな。痛かっただろ、メリーさん」
メリー「めちゃくちゃ痛かったの。でもそれが気持ちいいの」
男「Mかよ」
メリー「人形はみんなMなの。仕方ないの。本能なの。使ってもらえる喜びが勝るの」
男「・・・・・・それで、だ。いろいろとやったからには責任を取らないとな」
メリー「うん、とってもらうの」
男「だから、これ」パカッ
メリー「・・・・・・え?こ、これ、指輪?」
男「俗にいう給料三か月分ってやつだ。社長がいい宝石屋を紹介してくれてな。次期社長に勧められるがままにこの指輪を買ったんだ」
メリー「次期社長は何者なの」
男「その宝石屋でバイトしてた。あの人もまだ学生だしな」
メリー「なるほどなの。そりゃ勧められるの」
男「それで、だ。俺も一人の男として覚悟を決めないといけない。他の三人にはもうちょっと待ってもらうことになるけど、ひとまずメリーさんに」
メリー「・・・・・・本当にいいの?私、人形だよ?男を殺そうとしたんだよ?ただの居候だったんだよ?それでも、いいの?」
男「いいんだよ。いや、違うな。言いたいのはそうじゃない」
161 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:21:07.43 ID:Nwo3vTWK0
男「メリーさん。俺と、結婚してくれ」
メリー「はいっ!なのっ!」
162 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:22:13.68 ID:Nwo3vTWK0
貞子「次は3か月後ですね。話し合いの結果同居を始めた順でということになりましたので」
メリー「さ、貞子っ!?いつのまにっ!?」
花子「貞子だけじゃないよー。皆で見守ってたよー」
メリー「花子も・・・・・・ってことは」
隣人「はい、もちろん私もです!安心してください、先輩!生活費は私たちのお給料で何とかなりますから!」
男「えーっと、つまりそれは俺の給料は全額貯金に回せと」
貞子「そうすれば3ヶ月ごとにプロポーズできますよね?待ってますよ、綺麗な指輪」
花子「私、サファイアがいいなー。青くてきれいなやつ」
隣人「私は・・・・・・先輩なら、わかりますよね?」
男「ああ、うん。わかってるよ。ちゃんとやるから。扱いに差をつけるつもりはない」
メリー「あとは子供のことをどうするかなの。ちゃんと産めるかとか育てられるかとか」
男「今は科学も進んで、メリーさんみたいな身体でも子供は産める。帝王切開とかいろいろあるしな」
隣人「私も妊活がんばりますからね!幸いうちの会社産休とか育休とか託児所とか全部そろってますし!」
貞子「お屋敷の方も、少し離れたところに孤児院併設の託児所がありますし制度も整っていますし、いつ子供ができても大丈夫ですよ」
花子「・・・・・・ウチの事務所、結婚とか大丈夫なのかな。ちゃんと確認しとこ」
メリー「ふふ。あと、扱いに差をつけないのはいいけど、その分愛が軽くなるのは嫌なの。ちゃんと全員しっかりと愛してなの」
男「が、がんばります」
貞子「期待してますよー?とりあえず今夜あたり」
隣人「やりますか」
花子「がんばれー。あ、私は確認が終わるまでパスで」
メリー「ま、精の付くもの作ってやるの。それ食って今夜も頑張れなの」
男「・・・・・・俺、死なないよなぁ」
163 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:23:15.63 ID:Nwo3vTWK0
―半年後―
男「これで引っ越し完了っと!」
貞子「やっと片付きましたね」
メリー「手伝えなくてごめんなの」
花子「そんなお腹で手伝われたら余計に気を遣うっての」
隣人「そうですよ。私たち妊婦は力仕事じゃなくて家事で貢献しましょう」
メリー「わかってるの。男、その辺のダンボールに踏み台があるから持ってきて欲しいの」
男「あいよ。これだな」
メリー「これなの。私がキッチンに立つにはこれが必須なの」
貞子「中古のお家をリフォームして買うだけで新居とあまり変わらないのにすごくお安く買えましたね」
男「ああ。これから金はいくらあっても足りないんだ。助かるよ」
隣人「さーて、新居引越し完了祝いってことで手の込んだものを作りたいですが」
花子「食器類はそこの棚、調理器具は下に入ってるから」
隣人「材料は何が・・・・・・今夜はお好み焼きですかね。大したもの入ってないです」
貞子「まあまあ、これからそろえていけばいいんですよ」
男「今日のところはそれですませるとして、明日は食材の買い出しだな」
メリー「近所のスーパーとかもチェックしとかないとなの。セールのタイミングとかも知りたいの」
貞子「コンビニの場所とかも把握しておきたいですね。夜中突然アイスが食べたくなったときのためとかに」
花子「ゲームショップ近くにあればいいんだけどなー」
隣人「複合施設がありますし、みんなで行きましょうか」
164 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:23:50.33 ID:Nwo3vTWK0
メリー「さあ、これから新しい生活のはじまりなの!」
貞子「これからどんどん家族が増えていきますよ!」
花子「ちゃんと全員養えるように頑張ってよね、あ・な・た♡」
隣人「みんなで一緒にがんばりましょう!私たちみんなで!」
男「ああ!これからもよろしくな!」
THE END...?
165 :
◆GiMcqKsVbQ
[saga]:2020/06/23(火) 01:39:21.50 ID:Nwo3vTWK0
これにて完結編の完結です!このスレだけで半月以上。こんなに長くするつもりはなかった。
出オチから始まったこのシリーズ、続きを希望してくれる声があったおかげで続くことになりました。ここまで続いたのは本当に読んでくれてた方々やレスをくれた方々のおかげです。
自分のオリジナルSSは一応全部同じ世界の話つもりなので、この先のSSでひょっこりとメリーさんたちが出てきたりするかもしれません。
次期社長な男くんとか幽霊なアリスとかダンサーなホム娘とか歌手な悪魔とかも出てくると思います。
魔物娘はいいものだ。ハーレムもいいものだ。
ハーレムは結果じゃなくて過程を楽しむものだと思ってます。でも好きになるのに究極的には理由はいらないとも思ってます。恋はするものじゃなくて落ちるものなので。
この話はここで終わりますが、またどこかで同じ酉を見かけたら読んであげてください。
メリーちゃんは尊い。
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/23(火) 03:28:36.89 ID:fg9nz94DO
おつおつ楽しかった
魔物娘ではアルケニーが好き
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/23(火) 04:36:45.10 ID:UHkVnKxVo
おっつおっつ。素敵なお話ありがとう
ハッピーエンドはいいものだ
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/23(火) 05:23:37.55 ID:xQnyKqbDO
メリーさんおめ
でも、身長が140ない子の妊み腹を見ると、すんごい背徳感に陥ります
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/24(水) 22:06:47.34 ID:0AR4GIez0
乙。
とてもえちぃ。
rの方にも来てくれぇ。
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