高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「今日も、私とあなたとの時間を」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:13:21.98 ID:WDIZ97tn0
――おしゃれなカフェテラス――


『今日も、私とあなたとの時間を』


みなさん、こんにちは。

アイドルの高森藍子です。

今回は、私のある1日のことを、できるだけそのまま、自然体で書こうかなって思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1589102001
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:13:56.99 ID:WDIZ97tn0
レンアイカフェテラスシリーズ第118話です。

<過去作一覧>
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「膝の上で」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「最初にカフェで会った時のこと」

〜中略〜

・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「再認識するカフェで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「時計の音が聞こえたカフェテラスで」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「アイドルのいるカフェで」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「言葉を探すカフェで」

※いつもの3倍ほどの量があります。よろしければお時間ございます時に、ゆっくり読んでくださいませ。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:14:28.11 ID:WDIZ97tn0
高森藍子「……なんだか、緊張しちゃいますね」

北条加蓮「こら。自然体って話はどこに行ったの。肩に力が入ってたら意味ないでしょ?」

藍子「そ、そうでした」

加蓮「はい。深呼吸」

藍子「すぅ〜、はぁ〜……」

加蓮「どう?」

藍子「……朝の森の側って、やっぱりいい空気……。テラスの木の匂いが、春の風に乗って、かすかに届いて……」

藍子「今日は快晴なのに、ほんのちょっぴり湿った匂いもしますね。今年の梅雨は、早く来るのかな……?」

加蓮「今から傘を用意しとかないとね。予定もちょっとでいいから空けといてよ?」

藍子「くすっ♪ そうですね。今のうちに確保しておかなきゃ」

藍子「……うんっ。大丈夫!」

加蓮「じゃ、書こっか」

藍子「はいっ」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:14:56.56 ID:WDIZ97tn0
今日は1日お休みです♪ 
朝からお日さまが照らしてくれる、ぽかぽか陽気。
家にいるばかりでは、たいくつですよねっ。

お気に入りのカメラと、お気に入りの靴を履いて、外へお出かけしに行きましょう!
午後からは予定があるから、今日は、遠出はなしで。
私は、いつもの公園にお散歩に行くことにしました。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:15:26.08 ID:WDIZ97tn0
加蓮「そういえば、これって実際あった日のこと?」

藍子「そうですよ。この前のお休みの――」

加蓮「午後から予定、ってことは……。もしかしてそれって」

藍子「はい。加蓮ちゃんと、カフェで待ち合わせです♪」

加蓮「じゃあこの前のかぁ。……この前のかぁ……」

藍子「加蓮ちゃん?」

加蓮「……書くって分かってたらあんな話しなかったわよ。もう。先に言っといてよ」

藍子「それでは、つくられた加蓮ちゃんってことになってしまいますよ?」

加蓮「そうだけどさぁ」

藍子「今日の加蓮ちゃんは、どんなお話をしてくれるのでしょうか。楽しみですね♪」

加蓮「……あははっ。書いてる側なのか読んでる側なのか分からなくなっちゃいそう」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:15:55.46 ID:WDIZ97tn0
雨の日に、傘をさして歩く道も、冬の日に、手をこすり合わせながら雪をふみしめる道も、私は好きです。
ある時にだけ見られる光景が、たくさん広がっていたり、たまにはみなさんの顔が見えにくくなって、それはちょっぴり寂しくて……。
けれど、また晴れた日に、なんて思うと、それだけで明日が楽しみになってしまいますから!

でも、やっぱりお散歩日和って感じのこの天気が、私はいちばん好きですっ。

道を歩いていたら、1匹の猫さんと出会いました。
茶色のふちが、なんだかカフェラテを思い出す猫さんです。目つきが少し鋭くて、私の顔を見るとすぐに、にゃー、にゃー、と鳴くんです。
でも、カメラを向けると、すぐに鳴きやんで。撮ってほしいな、撮ってほしいな、ってせがむように、右足をすりすりと動かします。
誰かさんを思い出しちゃうなぁ。ふふっ。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:16:25.34 ID:WDIZ97tn0
加蓮「誰よ」

藍子「加蓮ちゃんですよ?」

加蓮「……ほー」

藍子「きゃっ。痛いです痛いですっ。ぐりぐりしないで〜っ」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:16:55.45 ID:WDIZ97tn0
猫さんが満足するまで、シャッターを切ってからは、また公園への道を歩いていきます。

いつも歩く道ですけれど、いろんな景色がちょっとずつ違います。
洗濯物を干している家と、干していない家があったり。
通りすがる子どもたちが、すぐに走って行っちゃったり、私の顔を見て、あいさつしてくれたり。
昨日まで咲いていなかったお花が、顔を出しているのを見つけると、私まで笑顔になっちゃいますっ。

ときどき、この前まであったものがなくなっちゃったりもして……。それは、少しだけ寂しいかも。
でも、それだって変化の1つ。
寂しいからって、探さなくなって、何も見つけられなくなっちゃう方が、もっと寂しいですよね。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:17:25.71 ID:WDIZ97tn0
加蓮「ね、これって私も書いちゃダメ? 前のカフェコラムだって、私に一言を入れさせてくれたじゃん」

藍子「う〜ん。どうなんでしょうか……。ちなみに何を書くつもりですか?」

加蓮「それはねー。お散歩してる藍子はいつもきょろきょろしてばかりで歩くのは遅いし危なっかしいので――」

藍子「それなら駄目です」

加蓮「えー。加蓮ちゃんが手を繋いであげたエピソードとかは?」

藍子「それは……ええと、では、どこかで書けるようにはしますね」

加蓮「その前フリとして藍子はのろまでたまーに電柱に頭をぶつけそうになってその度に慌てて、」

藍子「やっぱり駄目っ」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:17:56.05 ID:WDIZ97tn0
公園には、誰もいませんでした。いつもは子どもたちが、ブランコや砂場で遊んでいて、それをお母さんやお父さんたちが見守っていたりするのに……。
今だけは、私がひとりじめ♪ ベンチに座って、空を見上げて……。
とてもあたたかくて、つい、私はベンチに寝転がってしまいました。
ちょっとだけ、はしたなかったかも。でも、全身で受け止めた太陽の光って、とっても気持ちいいんですよ。
今度、お休みの日に晴れることがあったら、みなさんもぜひやってみてくださいねっ。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:18:26.17 ID:WDIZ97tn0
藍子「……ちらっ」

加蓮「まずは私がやれってこと? もー、しょうがないなぁ」

加蓮「……店員さんが――まぁ藍子がコラム書き終わるまでは来ないと思うけどさ、一応、こっち来ないか見といてよ?」

藍子「は〜いっ」

加蓮「…………見ても言わないでおいてやろーとか思ってないでしょうね?」

藍子「ぎくっ」

加蓮「…………」ジトー

藍子「ええっとぉ……続き、続きっ」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:18:56.33 ID:WDIZ97tn0
それから、少しの間だけ、なにがあったのか覚えていなくて……。
10分くらいかな、それとも20分くらい? ベンチに寝転がったまま、眠っちゃってたみたい。

次に目がさめた時、ボールを持った男の子が私のことをのぞきこんでいました。
「お姉ちゃん、なにしてるの?」
ひなたぼっこだよ、って返事をすると、ふーん、ってあまり興味がなさそうにあっちへ行ってしまいます。

公園には、いつの間にかちいさな子どもたちが集まってきていました。
楽しそうにかけまわっているのを見て、つい、カバンからカメラを取り出した時、さっきとは別の男の子が私のことに気がつきます。

「写しん、とるの? とってとって!」

1人がこっちにやってくるのを見て、他の男の子たちもいっせいにやってきました。
さっき、興味がないって風にしていた子も、最後尾にまざっていて……ふふっ。ちょっぴりおかしくなっちゃいました♪
いつも、意地っ張りな子の側にいるからでしょうか。
素直じゃない子が、なんだか可愛く見えちゃうんです♪
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:19:25.68 ID:WDIZ97tn0
加蓮「…………」グリグリ

藍子「痛い痛い、痛いですっ! 無言でぐりぐりしないで〜っ」

加蓮「あのね……。そーいう時に私のことばっかり書くのやめなさいよ! 私がそういう子だって誤解されちゃうでしょ?」

藍子「誤解も何も、みなさん知っていること――わあっ。ごめんなさい、ごめんなさいっ。手をグーにしないでっ」

加蓮「もうっ」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:19:55.68 ID:WDIZ97tn0
藍子「だって、このコラムは日記と同じで、その時に私が思ったことをそのまま書いているだけなんですよ?」

加蓮「って言ってもさ――ん? じゃあ何。藍子は休みの日のお散歩の時でも、猫とか男の子とか見て私を思い浮かべたりしてるの?」

藍子「はい、そうですよ?」

加蓮「……そ」

藍子「もしかしたら、午後から加蓮ちゃんに会う予定があったからかもしれませんね」

加蓮「…………じゃあさ、例えば昼から未央とか茜とのお仕事があったら、あの2人を思い浮かべたりする訳?」

藍子「う〜ん、どうでしょうか。ときどきは、そうかも?」

加蓮「ふぅん……。ま……それも藍子らしくていっか」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/10(日) 18:20:25.67 ID:WDIZ97tn0
写真を撮ってあげた後は、大きく背伸びをして……もうそろそろ、お昼の時間。
約束までは、あと1時間くらいありますけれど、どうしようかな……。
うん。もうちょっと、歩いてみましょう。何かいいお店が見つかったり、面白いものが見つけられたりするかもっ。

そういえば、路地の向こうに新しいお店が何軒かできたって、クラスのみんなが言っていました。
ふっふっふ。これでも、私はアイドルですから。流行の話題には、敏感のつもりなんですよ?
……でも、詳しい場所までは聞くのを忘れてしまっていました。

調べてみるのもいいですけれど、あえて詳しくは調べないで、ゆっくり歩くのって楽しいですよね。
寄り道したり、一緒にいる人といろんなお話をしたりして。
それなら、お店を探すのはまた今度。
次のオフの日の予定が、できちゃいました♪
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