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ボーンゴーレム娘「人間の子供拾ったっす」ドラゴン「お前ざっけんなよマジで」
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261 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 22:47:58.17 ID:5QswfA740
…………
ヒュウウウウ……
ドラゴン「く……ハァハァ、人間め……!祝福された矢を射るとは……!!」
ボタボタ……
262 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 22:50:07.77 ID:5QswfA740
ズルズル……
ドラゴン(糞、傷が塞がらん!白魔法……も、魔力が足りんか……)
ググッ……
ドラゴン「……畜生、こんな、所で……!」
ドサッ
263 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 22:51:56.80 ID:5QswfA740
ヒュウウウウ……
ドラゴン(……寒い……俺の一生は、こんな荒れ果てた氷の大地で終わるのか……)
……ヒュウウウウ……
264 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 22:53:14.36 ID:5QswfA740
ザッ
女「……あの……大丈夫、ですか?」
ドラゴン「……」ピクリ
ヒュウウウウ……
265 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 22:56:13.83 ID:5QswfA740
ドラゴン(……人間……追っ手か?いやしかし、一人だし……女?)
女「うわ、すごい傷……矢が刺さったままですよ。痛そう……」スッ
ドラゴン「さ……わるな!」
女「あ、大丈夫です!私、少し白魔法の心得ありますので!」
ドラゴン「……何を言っているんだ、貴様は……!!」
266 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 22:58:26.23 ID:5QswfA740
女「いや、だから治そうと……」
ドラゴン「俺が誰だか知らないのか?四天王の火、覇者と呼ばれる……」
女「あー……知ってます。噂くらいは」
ドラゴン「……知っているなら、わかるだろう。俺はもう動けん。……四天王を殺す、チャンスだぞ」
女「……いや、えーっと……」
267 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:01:30.62 ID:5QswfA740
ドラゴン「……この傷は、貴様ら人間から受けたものだ」
女「……」
ドラゴン「その事に、恨みは無い。ここまでされるほどには、俺も人間達を襲ったし、殺した。……だから殺されても、文句は無い」
女「……」
268 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:03:48.10 ID:5QswfA740
ドラゴン「しかし、安い同情なんかで命を拾うのは、恥だ。それも、貴様のような小さな人間に……」
女「安い同情なんかじゃありませんっ!」
ドラゴン「!!」
女「私は……本気で貴方を助けたいんです!そのためなら……貴方に殺されたっていい!」
ドラゴン「……何故だ?何故、そこまで……」
女「何故、って……」
269 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:07:00.91 ID:5QswfA740
女「苦しんでいる人がいたら、助けたい。……それが、おかしな事ですか?」
ドラゴン「!……」
女「動かないで下さいね。……『汚れを知らぬ私のこの手に、貴方の痛みを預けておくれ。傷ついた戦士達の身体に、私の優しさを与えておくれ』――……」ブツブツ
シュウウ……
270 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:10:50.08 ID:5QswfA740
女「……ふーっ。どうですか?傷は……」
ドラゴン「……あ、ああ。……問題ない」
女「そうですか?良かったぁ」ニコッ
ドラゴン(……馬鹿な、祝福された武器でつけられた傷だぞ……一回の呪文で治すとは……!)
女「それで……どうします?」
ドラゴン「……何がだ?」
女「私のこと……殺しますか?」
ドラゴン「……」
271 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:15:16.66 ID:5QswfA740
ドラゴン「……治してくれた礼だ。見逃してやる。……しかし、次は無いぞ」
女「はぁー良かった!今ので魔力切れちゃったから、襲われたらどうしようかと思いましたよー」アハハ
ドラゴン「……何故……」
女「え?」
ヒュウウウ……
ドラゴン「……何故、そこまでして助ける?」
272 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:19:08.73 ID:5QswfA740
女「だから、言ったじゃないですか。苦しんでいる人がいたら――……」
ドラゴン「そうじゃない。魔力が切れて、襲われたら殺されていたというのに……何故そこまでして助けるんだ?ただの博愛主義では説明がつかん。人間とは……自分の生命が最も大切なのだろう?」
女「それは――……そういう人もいますけど……」
ドラゴン「それに……俺は魔物で、四天王だぞ。傷付いた俺を助けると、もっと沢山の人が傷付くんだぞ」
女「…………」
ドラゴン「俺を生かすと、もっともっと沢山の人が死ぬんだぞ?……それでも、助けると言うのか?」
女「……」
273 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:21:33.31 ID:5QswfA740
女「……貴方を助ける事で、もっと沢山の人が傷付くのなら……もっともっと沢山の人が、死ぬのなら……」
ドラゴン「……」
女「私はもっともっと、もっともっともーっと沢山の人を、助けます。……貴方が傷つける人も含めて、それ以上も。傷つけませんし、殺させません」
ドラゴン「……」
274 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:23:01.81 ID:5QswfA740
女「そうやって旅してきたんですよ。人や、魔物や、動物だって、苦しんでいたら助けてきました。みんなが苦しんでいたら、私は彼ら以上に、苦しい。……だから、私は目に見える全てを、助けたいんです。……それが原因で、私が殺されたとしても……私は、助けたい」
ドラゴン「……」
女「強いていうなら、それが理由です。……それに、私……貴方が心の底から悪い人だなんて、思えませんから」ニコッ
ドラゴン「…………馬鹿だろ、お前」プイッ
女「えへへ、面と向かって言われると照れますねぇ」テレテレ
ドラゴン「褒めてないんだが」
275 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:24:57.56 ID:5QswfA740
ドラゴン「……助ける、か。……四天王として殺し続けてきた俺とは、真逆だ」
女「良いもんですよ?命を助けるっていうのは」
ドラゴン「……全くわからんな」
女「貴方が今まで、奪い、殺してきたのなら……これから先の人生、少しでいいから、命を助けて、育んでみて下さい。そしたら、きっと……今までの人生とは違うものが見えるはずです」
ドラゴン「……」
女「とりあえず、今はですねー……」
276 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:29:46.56 ID:5QswfA740
ピトッ!
女「風をしのいで、私の命を助けてもらっていいですか?すっごく寒いんですよー」
ドラゴン「おい、くっつくな!」
女「いいじゃないですか。私、命の恩人ですし?……あ、それとも私を殺します?やっちゃいます?」
ドラゴン「こ、この野郎……!!」
女「えへへ……あー、すっごくあったかい……」
ヒュウウウウ……
…………
277 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:35:10.01 ID:5QswfA740
…………
ドラゴン「……っていう事があってな……」
ミノ娘「へぇー……」
赤子「あうー……」
ボンゴレ「なるほど、それで悪い事から足を洗った訳ですねー……良い話です……」グスッ
ドラゴン「あーいや、そうじゃなくて」
278 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/04(木) 23:38:05.36 ID:5QswfA740
ドラゴン「実はそいつ、勇者だったらしくてさー……そのすぐ後に当時の魔王と戦って、三分でノしたそうで……」
ボンゴレ「どういう事ですかそれ」
ドラゴン「当時の魔王泣いて謝ったらしい」
ミノ娘「バケモンじゃねーか」
279 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/04(木) 23:39:07.64 ID:5QswfA740
今回はここまでです
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/05(金) 13:54:50.91 ID:EF9rPYT3O
ボンゴレ「生前の私ですね」
281 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:00:50.09 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「まあ、そういう事が大昔にあって、四天王っていう立場に自信無くしてな。……引退してそいつの生まれ故郷だっていう町の近くに住む事にした訳だ」
ボンゴレ「ま、まあ細かい事はともかく……良い話ですねぇ。一人の女性に救われた事で人生が変わるっていう……」
ミノ娘「良い話かな、これ……」
282 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:06:30.42 ID:EmehuP9F0
ボンゴレ「あれ?んじゃあ今は魔王誰がやってるんですか?負けちゃったんですよね?」
ドラゴン「お前本当何も知らないんだな……娘だよ。その魔王の娘」
ミノ娘「世襲制だからなぁ魔王は……支配力は下がったが、その時の魔王より数段強いって聞く」
ボンゴレ「ほえー……え、じゃあ今魔王軍すごくないすか?」
ドラゴン「当時の四天王、俺とか他のヤツとかが抜けたから総合的な強さはトントンだろ。昔戦った事あるけど、今の風の四天王とか俺の半分以下の強さだぞ」
ミノ娘「お前ホンット意味わからんくらい強いんだな……」
283 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:12:06.88 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「っていうかボンゴレ。さっき言おうとしてた事なんだがな……」
ボンゴレ「はい?」
ドラゴン「魔王っていうのは、基本的に世襲制で……一応、魔王を倒した魔物が次の魔王になれるっていう制度はあるんだか」
ボンゴレ「え!?そうなんですか!?」
ミノ娘「まあ、魔王と戦う前に四天王とかとも戦わないといけないから、正直無理だけどなぁ……そこまでして魔王になりたいとは思わねえよ」
ボンゴレ「けどけど!それならこの子が魔王倒せば、魔王になれるんですよね!?」
ドラゴン「いや問題はそれなんだけど」
284 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:26:00.92 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「っていうかボンゴレ。さっき言おうとしてた事なんだがな……」
ボンゴレ「はい?」
ドラゴン「魔王っていうのは、基本的に世襲制で……一応、魔王を倒した魔物が次の魔王になれるっていう制度はあるんだか」
ボンゴレ「え!?そうなんですか!?」
ミノ娘「まあ、魔王と戦う前に四天王とかとも戦わないといけないから、正直無理だけどなぁ……そこまでして魔王になりたいとは思わねえよ」
ボンゴレ「けどけど!それならこの子が魔王倒せば、魔王になれるんですよね!?」
ドラゴン「いや問題はそれなんだけど」
285 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/06(土) 19:26:59.77 ID:EmehuP9F0
>>284
すみませんコピペミスです
286 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:27:52.16 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「この子……人間だろ?」
ボンゴレ「はい」
ドラゴン「……人間が魔王倒したら……そいつ、何って呼ばれると思う?」
ボンゴレ「…………真の勇者・人類の希望の光……『光の勇者』、ですねぇ……」
ドラゴン「な?」
赤子「……あぱー……」
ミノ娘「やるせねえなぁ……」
287 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:33:47.75 ID:EmehuP9F0
ボンゴレ「むー!じゃあ今から身も心も魔物にするしかないっすね!てーおーがくっすよ、てーおー!」
赤子「えおー?」キョトン
ミノ娘「上手くいくかなぁ……」
ボンゴレ「ドラゴンさん!アタシさらにやる気出てきましたよ!一生懸命育てましょうね!!」
ドラゴン「……ああ……」ジッ
288 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:40:18.37 ID:EmehuP9F0
赤子「あうー?」キョトン
ドラゴン「…………」
289 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:42:54.96 ID:EmehuP9F0
…………
『少しでいいから、命を助けて、育んでみて下さい。そしたら、きっと……今までの人生とは違うものが見えるはずです』
…………
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/06(土) 19:45:15.64 ID:kc41DWWS0
魔物と人間の違いってなんなんだろう
291 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:45:51.60 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「……未だにわからんよ、俺には……」ボソッ
赤子「……あうー……!」グッ
ドラゴン「……ん?」
292 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:49:56.28 ID:EmehuP9F0
ヨチヨチ……
赤子「あいっ!あいっ!あいっ!」
ドラゴン「……う……うおおおおあああ!?」ビクーン!
ボンゴレ「ひゃっ!?ど、どうしましたドラゴンさん!?」
ドラゴン「み……見ろ!こ、こ……この子っ!!」
293 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:55:02.63 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「四つ足で歩いてやがるー!!」
ギャーン!!
赤子「あいー!」ヨチヨチ
ボンゴレ「……ええっ!?」
ドラゴン「どどど、どうしようボンゴレ!?ずーっと俺の歩く姿見てたから、この子四つ足で歩くようになっちゃったのかな!?」オロオロ
ボンゴレ「落ち着いて下さいドラゴンさん、正常ですからこれ!」
294 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 19:59:10.99 ID:EmehuP9F0
ミノ娘「おおー!ついにハイハイするようになったのか!」
ドラゴン「……『ハイハイ』?」
ミノ娘「赤ちゃんっていうのは初めから足腰が強い訳じゃないですから、こうやって歩く練習から始めるんですよ」
ドラゴン「……つまり……これが普通に、成長したって事?」
ボンゴレ「そういう事です」
295 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 20:06:07.73 ID:EmehuP9F0
赤子「あうー」ヨチヨチ
ボンゴレ「わー!わー!すっごいですねー初めてでこんなに歩くなんて!」
ミノ娘「すげーすげー!ほーらこっちおいでー」
赤子「あいっ!」ヨチヨチ
ドラゴン「……成長、か……」
296 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 20:08:51.92 ID:EmehuP9F0
赤子「あいっ!」ニコッ
ドラゴン「…………」フッ
297 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/06(土) 20:11:16.79 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「……ちょっとは見えた、かな。……違うものっていうの」
…………
298 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/06(土) 20:11:49.37 ID:EmehuP9F0
今回はここまでです
299 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/06(土) 20:22:35.63 ID:EmehuP9F0
>>290
説明するほどのモンじゃあないけど説明すると長い
人間……『我々の世界』の人間。耳が短く60年くらいしか生きないくせに、女神の祝福を受けることが出来て、ものすごい魔力を持つ事がある種族
魔物……『我々の世界』にいない生き物。だいたいは人間に攻撃的
亜人……『我々の世界』におらず、人間と交配可能な人間に似ている種族。ただし交配すると9割亜人の子が生まれる。エルフやゴブリンの一部は人間と生活していたりする。
基準は割とあいまい
この中でも色々あって、例えば作中のドラゴンさんを人間レベルだとすると、ドラゴニュート娘に乗り物として使われたワイバーンはチンパンジーレベル
です
種族間でそういう上下や差別が色々ある世界です。『我々の世界』でもそうだしね
300 :
ガッデム ホット!
[sage]:2020/06/07(日) 15:17:18.32 ID:OitGW9Mn0
魔物はなんで人間おそうんだろう。
女神大好きで祝福羨ましいのかな
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/06/07(日) 22:49:41.14 ID:fpAj3sGp0
単なる領土問題かお互い差別しあってるとかじゃないの
そうでなかったら人間はおいしいのかもしれない
302 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 19:52:09.66 ID:oKX5jfbt0
…………
赤子「まーま!まーま!」
ドラゴン「……」
ボンゴレ「……」
ドラゴン「……う……」
ボンゴレ「……き……」
303 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 19:57:19.50 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「うおおおおおおおお!!!」
ボンゴレ「きゃあああああああ!!!」
ドラ・ボン「「しゃべったああああああ!!!」」
ボンゴレ「あ、アタシ!?アタシのことですよね!?ほら、アタシはー?」
赤子「まーま!」
ボンゴレ「じ、じゃあこっちはー?」
赤子「ぱーぱ!」
ドラ・ボン「「ひええええええええええ!!」」
304 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:02:45.94 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「……朝っぱらからうるせーなぁ。おれのねぐらまで響いたぞ……どうした?」ノソッ
ボンゴレ「ききき、聞いて下さいよミノタウロスさん!この子が、しゃべ、しゃべ……!!」
ミノ娘「おっ、やっと喋れるようになったかー!どーれ赤ちゃん、おれはー?」
赤子「おっぱ!」
ミノ娘「…………なあ、こいつおれの事『おっぱい』って言ってねえ?」
ドラゴン「いやまあ、事実だし……」
305 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:06:44.98 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「ざっけんな!おれだってなあ、『おねえちゃん』とか、そういう……」
ボンゴレ「まーまーまーまーミノタウロスさん。喋れるようになっただけでも凄いんですから……」ニコニコ
ドラゴン「俺はー?」
赤子「ぱーぱ!」ニコッ
ドラゴン「……ぐふ、ぐふふふふ……」ニマニマ
ミノ娘「ドラゴン、お前今めっちゃキモいぞ」
306 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:11:22.80 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「なあ、おれは……?」
赤子「おっぱ!」ニパー
ミノ娘「……チクショー今日中に呼び方『ミノタウロスのお姉ちゃん』に変えてやる」
ボンゴレ「長すぎますよ……無理ですって」
ドラゴン「いやしかし、めでたい事だな……今日は豪勢にいくか!?」
ボンゴレ「そうですねー!じゃあ取っておいた世界樹の実でも出しますか!?」
ドラゴン「おーう出せ出せ!何でも出しちまえー!」
307 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:15:24.13 ID:oKX5jfbt0
赤子「まーま、まんまー?」
ボンゴレ「そうでしゅよー、今日のまんまは豪華でしゅからねー?」ニコッ
赤子「あぱー!」
ボンゴレ「あぱー!」ニココーッ
ドラゴン「!…………」
ミノ娘「ん?どうしたドラゴン、なんかいきなり暗い顔してるけど……」
ドラゴン「いや……喋れるようになった事で、心配になってな……」
ミノ娘「心配?」
308 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:19:40.01 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「このまま変な言葉使いとか覚えたらどうしよう……」ガタガタ
ミノ娘「お前、結構子煩悩だよな……」
309 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:24:24.74 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「だってよ、俺もお前もボンゴレも、正しく綺麗な言葉使ってるかっていうと、微妙だろ?」
ボンゴレ「んまっ!なんですかそれー!アタシはめちゃんこ綺麗な言葉使いっすよー!」
ドラゴン「すでに怪しいわお前」
310 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:28:42.32 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「まあ確かに、おれも結構男っぽい言葉使いとは言われるしなぁ……」
ドラゴン「だろ?」
赤子「おえー?」キョトン
ドラゴン「ほら!なんか『おれ』って言葉覚えようとしてんじゃん!駄目だろそれは!」
ミノ娘「いやまあ……なんかすまん」
311 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:37:36.55 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「お前ほら、この子を魔王にするっつってんだろ?」
ボンゴレ「まあ、そうっすけど」
ドラゴン「もしこの子が魔王になったとして、『おれが魔王っすよーあぱぱー!』とか言ったら、なんか凄い残念じゃね?」
ボンゴレ「なんかすっごい馬鹿にされたような気がするんすけど」
ミノ娘「奇遇だな、おれもだ」
312 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:42:57.05 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「学ぶって事に『早すぎる』ってもんはねえ……今すぐにでも、しっかりとした教育をすべきだ」
ボンゴレ「……と言っても……どうするんすか?オークさん所に行きます?」
ドラゴン「いや……実は俺に、心当たりがある」
ボンゴレ「ほえ?」
313 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 20:52:01.55 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「!!……も、もしかしてドラゴン、お前……『生命の湖』に行く気か?」
ドラゴン「知ってたか、ミノタウロスの」
ミノ娘「馬鹿、危険だ!やめとけって!何人も食われてんだぞ、あいつにっ!」
ボンゴレ「食……なんの話ですか、それ」
ドラゴン「話に尾ヒレがついただけだっつの。そんなビビるもんじゃねーよ」
ミノ娘「尾ヒレとかじゃねーよ!マジで危ないんだって!」
314 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:00:06.16 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「一見綺麗な湖で、あらゆるものに知識や生命を分け与えてくれるが……礼儀を知らない人間や魔物が近づくと何者かが襲いかかり、水中に引きずり込まれて死んでしまうという……!」
ボンゴレ「わーわーわーわー!聞きたくないっ!めちゃんこホラーじゃないっすか!!」
ミノ娘「なんでもあの湖には、水の精霊ウンディーネが住んでいて、湖を汚した人間や魔物を憎んでいるって……!」
ドラゴン「ウンディーネじゃねえよ、あそこに住んでるのは。……っていうか精霊とか実在しねえって」
315 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:04:58.80 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「あの湖に住んでるのは、俺の昔なじみだ。頭良いから子供の教育とか完璧にやってくれるだろ」
ミノ娘「人間や魔物を殺す奴だぞ!?赤ん坊の教育とか無理だろ!!っていうか昔なじみて、魔物か?……精霊ウンディーネが実在した方がマシだろ……」
ボンゴレ「まあその話が本当なら、アタシもこの子を危険にさらしたくないすよ。魔物って基本的に人間嫌いじゃないすかー」
ミノ娘「人間どころか魔物も嫌ってるんだぞ、あそこにいるヤツは!」
316 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:07:55.39 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「迷いの森に住んでる連中、たまにあそこに遊びに行くって言ってたぞ。木々に与える綺麗な水を汲みに行くって、エルフが……」
ミノ娘「あいつらは大丈夫なんだろ、無害そうだから!お前らすげえ有害そうだもん!!」
ドラゴン「有害って言葉を生き物に使う所、初めて聞いたわ」
317 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:12:34.10 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「何も問題ねえって。最低限死ぬ事ァねえよ」
ミノ娘「おれはお前らを心配して――……!!」
ドラゴン「ああ、ありがとうな。だけどまあ大丈夫だ。俺、元四天王だし」
ミノ娘「なんか腹立つなーその言葉ー」
318 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:19:20.96 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「おーい準備して行くぞーボンゴレ。食料やら雑貨やらありったけ持っていけよー。しばらくここには戻らんから」
ボンゴレ「へ?……へ??し、しばらくって……どのくらい?」
ドラゴン「この子がしっかりした言葉覚えるまで」
ボンゴレ「それ年単位じゃないっすかー!?どういう事っすかそれ!?」
ドラゴン「心配すんな、俺がいない間はオークのおやっさん達がなんとかしてくれるだろ」
ボンゴレ「そういう心配はしてないっす!!」
赤子「あぱー!」
ボンゴレ「そうです!あぱーですよあぱー!」
ドラゴン「それどういう意味なの?」
319 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/10(水) 21:28:28.87 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「んじゃ、ちょっくら行ってくるから。何かあったら頼むなーミノタウロス」
ミノ娘「ドラゴン、ボーンゴーレム!……頼むから、生きて帰ってこいよ……」グスッ
ボンゴレ「え、マジで死ぬんですか私!?」
ドラゴン「大丈夫だって……なあ?」
赤子「ううー?」キョトン
…………
320 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/10(水) 21:29:08.55 ID:oKX5jfbt0
今回はここまでです
321 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 19:53:29.55 ID:j3/fYsJu0
…………
ガサガサ……
ボンゴレ「……魔物どころか、ケモノすらいない所を歩いてもう二時間……どこまで行くんですか、ドラゴンさん」
ドラゴン「おっかしいな……この辺りなんだが」
赤子「うー」
ボンゴレ「確認しますけど、本っ当に大丈夫なんでしょうね!?」
ドラゴン「大丈夫大丈夫、問題ないって……」
ガサッ
アルラウネA「あれー?ドラゴンさんだー」
ヒョコッ
322 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:01:53.12 ID:j3/fYsJu0
アルラウネB「あれあれー?ボーンゴーレムちゃんもいるよー?」
アルラウネC「赤ちゃんもいるー。うぷぷー、みんな勢ぞろいだねー」
ウププププ……
ボンゴレ「あれ?アルラウネさん達……?」
赤子「あらーらねー!」キャッキャッ
ドラゴン「お前ら何でここにいるんだ……迷いの森に住んでるはずだろ」
323 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:05:53.98 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ボク達がどこにいようが、ボク達の勝手でしょー?」
アルラウネB「人権無視だよ、人権無視ー」
アルラウネC「ボク達、人じゃないけどね……うぷぷっ」
ウププププ……
ドラゴン「……嫌いなんだよなぁ、こいつら……」ボソッ
ボンゴレ「どーどー、抑えて下さいドラゴンさん」
赤子「どー!どー!」
324 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:11:33.31 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ボク達、『生命の湖』のほとりまでピクニックに来ているのー」
アルラウネB「アラクネお姉様と一緒にね……だけど、うぷぷっ」
アルラウネC「はぐれちゃったんだ。アラクネお姉様、どこ行ったのかしら。ボク達迷子になっちゃったぁ……」
アルラウネs「「「うぷぷぷぷー……」」」
ボンゴレ「……アラクネさんを撒きましたね、この子達……」
赤子「あいー……」
ボンゴレ「っていうか、『生命の湖』にピクニックって……大丈夫なんすか?」
ドラゴン「大丈夫だって言ってるだろ……あー、アルラウネよ。その『生命の湖』っていうのは、どこにあるかわかるか?俺達も行きたいんだが」
325 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:16:54.92 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「こっちかな?」
アルラウネB「そっちかも?」
アルラウネC「あっちでしょ?」
アルラウネs「「「どっちだろうね〜〜?」」」
ウププププ……
ドラゴン「火ィ吐いていいか?」
ボンゴレ「駄目です。我慢して下さい」
326 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:20:56.26 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「そんな事よりドラゴンさん。ボク達ともっと楽しい事しようよぉ」
アルラウネB「そうそう。楽しくって、気持ちいい事しましょう」
アルラウネC「きっとドラゴンさんも気に入るよ……うぷっ!」
ドラゴン「……一応聞いてやろうか。……何するつもりだ」
327 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:26:35.10 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ええっとねぇ。始めの文字が『え』でぇ……」
アルラウネB「最後が『ち』で終わってぇ……」
アルラウネC「真ん中の文字が、小さな『つ』なの」
ドラゴン「答え一つしかねぇなー。死ね」
ボンゴレ「怖いっすよドラゴンさん」
328 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:30:01.73 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ねえお願いー。受粉したいんだよぉーボク達ー」
ドラゴン「同じ植物系の魔物探せよ」
アルラウネB「アルラウネはメスしかいない種族なんだよ?それにぃ……」
アルラウネC「ボク達は、どの種族のオスとも受粉して子孫を残す事が出来るんだぁ……うぷぷーロマンあるでしょー?」
ドラゴン「知らんがな」
ボンゴレ「あの、ウチの子の教育に悪いからやめてもらえません?」
赤子「あう?」
329 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:34:40.29 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ねぇ、お願いードラゴンさぁん」サラサラ
アルラウネB「ちょっと天井のシミ数えているだけでいいからぁ」サラサラ
ドラゴン「天井とか無いんですけども」
アルラウネC「ボク達やさしくするよー?何も怖くないよぉ?」サラサラ
ドラゴン「お前らホントに焼いて食うz……ん?何だ?ちょっと待て……なんか、すげえ、眠い……」ウトウト
アルラウネs「「「うぷぷぷぷ……」」」サラサラ……
ボンゴレ「ちょーちょーちょー!!何アンタたち眠りの花粉出してんすか!?」
330 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:39:41.45 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「わあ、バレちゃった」
アルラウネB「残念むねーん」
アルラウネC「また来週……うぷっ!」
ボンゴレ「しっかりして下さい、ドラゴンさん!」ペチペチペチペチ!
ドラゴン「あ痛たたたたた、ビンタはやめろお前」
赤子「いあい?」ナデナデ
ドラゴン「何この子、すごい優しい」トゥンク……
331 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:43:36.39 ID:j3/fYsJu0
ガサガサ……
ボンゴレ「?……誰か近付いてくる……?」
ガサッ!
アラクネ「……アッ!こんな所にいたのネ、アナタ達!」
バーン!
ボンゴレ「ああ、誰かと思えばアラクネさん」
赤子「ああうねー」
アラクネ「ハァ、ハァ……もう!森の中散々探したから、髪に小枝や葉っぱが絡みついちゃったワ……!」プリプリ
332 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:48:18.61 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「わあっ、お姉様だー」
アルラウネB「見つかっちゃったー」
アルラウネC「きゃー逃げろー」
サササッ!
アラクネ「逃がさないワヨ、アナタ達ッ!!」シュバッ!!
333 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:54:38.21 ID:j3/fYsJu0
グルグルグルッ!!
アルラウネA「わあっ、いつの間にか糸が巻きついて……」
アルラウネB「これじゃあボク達動けないよー」
アルラウネC「捕まっちゃったー。うぷぷーっ」
バーン!
アラクネ「捕獲、完了」フーッ
ドラゴン「随分とあっけないな……」
ボンゴレ「手慣れてますねえ……」
赤子「おおー……」パチパチ
334 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 20:59:53.46 ID:j3/fYsJu0
アラクネ「迷惑かけたワネェ、ドラゴンちゃんにボンゴレちゃん」ペコペコ
ボンゴレ「いえいえ、問題無いですよー」
ドラゴン「もうリード離すんじゃねえぞ」
ボンゴレ「犬じゃないんですから……」
アルラウネA「ペットみたいに扱われるのも、ちょっぴり興奮するよねー」
アルラウネB「お姉様みたいな美人になら、ボク扱われたいなぁー」
アルラウネC「けどドラゴンさんは嫌だね。ブおとこだしぃーちょっとここでは言えないような命令してきそうだしぃー。うぷぷー」
ドラゴン「うるせーんだよお前ら」
335 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 21:05:04.30 ID:j3/fYsJu0
アラクネ「あまり悪く思わないでネ。この子達も悪気があった訳じゃないノ」
ドラゴン「まあ、別にいいけどさ……」
アラクネ「ただ、ドラゴンちゃんがアンマリにも童貞クサくて、からかい甲斐があるから、ついネ」ニッコリ
ドラゴン「俺に味方はいねえのか」
336 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 21:16:46.62 ID:j3/fYsJu0
アラクネ「じゃあ、ワタクシ達は帰るワ。お元気でネー」カサカサ
アルラウネA「ねぇー、糸外してよぉーお姉様ぁー」
アルラウネB「反省してるってばー。ボク達良い子にするよー?」
アルラウネC「けどもうちょっとだけ遊びたいなー」
アラクネ「良い子にしないと……アナタ達の頭に咲いてるお花、いじくり倒して舐め回すワヨ?」ニコリ
アラクネs「「「ごめんなさいお姉様。ボク達良い子にします」」」ピシッ
アラクネ「よろしい」ニコッ
337 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 21:21:08.43 ID:j3/fYsJu0
ドラゴン「……あいつも子育て大変だなぁ……」シミジミ
ボンゴレ「子育てじゃないっすけどね……あ、ちょっと待って下さいアラクネさん」
アラクネ「なあに?美しさの秘訣かしラ!?」キラーン
ボンゴレ「いやあっ……それはぶっちゃけどうでもいいです……」
338 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/12(金) 21:26:03.14 ID:j3/fYsJu0
アラクネ「女はいつでもどんな時でも美しくあろうとしなくっちゃ、駄目ヨ?フケるワヨ?」
ボンゴレ「アタシ死んでるからフケないんで良いんですっ。それよりー、『生命の湖』って、どっちに行けばいいのかわかりますか?」
アラクネ「それなら、ワタクシが来た方向に行けばいいワ。そこから来たからネ」
ボンゴレ「ありがとうございますー」
赤子「あいあとー」
アラクネ「フフッ、じゃあネ。ドラゴンちゃんにボンゴレちゃんに、可愛い赤ちゃん」ニコッ
カサカサ……
339 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/12(金) 21:26:39.56 ID:j3/fYsJu0
今回はここまでです
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/14(日) 08:48:43.93 ID:2/FWsA8Go
乙
ドラゴンから兄を感じる
341 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 20:49:03.78 ID:GlUMcLlq0
……ガサガサ……
ボンゴレ「……で、どこまで行けばいいんですかね?行けども行けども森・森・森……」
赤子「ふぃー……」クタッ
ドラゴン「んー、たぶん方向はあってるんだが……あの野郎、水魔法か何かで妨害してやがんのか?霧濃いし……」
ボンゴレ「あー、こんな事ならもうちょい詳しい話聞いとけばよかったっす……あの人達、嵐のように現れては嵐のように消えるんすから……」ハァ
ガサッ
342 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:02:15.08 ID:GlUMcLlq0
ドラゴン「ん?……あ、ここだ」
ボンゴレ「え?」
赤子「……おー……」
サァァァ……
343 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:06:53.42 ID:GlUMcLlq0
……キラキラ……
ボンゴレ「うわっ、綺麗な湖……すごい……」
赤子「ぴーちゃ!ぴーちゃ!」
ボンゴレ「そうでしゅよー、ぴちゃぴちゃでしゅねー。ふぃー……ごめんなさい、ちょっと休憩」トサッ
ドラゴン「おい、俺たちはピクニックに来たんじゃねえんだぞ」
ボンゴレ「いやけど足がクタクタで……棒のようなんですよ!骨だけに!!」ボーン!
ドラゴン「そこまでうまくない」
344 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:10:51.11 ID:GlUMcLlq0
ボンゴレ「ちぇー、ちょっとくらい笑ってくれてもいいじゃないすか……で?ドラゴンさん、ここに来たのって……?」
ドラゴン「ここにいるはずなんだが、まだいるのかなアイツ……おーい、俺だー。いるかー?」
……ボコッ
345 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:17:45.38 ID:GlUMcLlq0
ボコボコボコ……
ボンゴレ「!!(水面が泡立って……!!)」
『『『……去りなさい、愚かな人間よ……ここは聖域。貴方達が立ち入れる領域では無いわ……』』』
ボコボコボコ……
ドラゴン「俺だよ、俺」
『『『……?……貴方……』』』
ドラゴン「十年ぶりくらいか?とりあえず、姿見せてくれると嬉しいんだが……」
『『『…………』』』
ボコボコボコ……!
346 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:22:47.24 ID:GlUMcLlq0
ザパアッ!
クイーンスライム「……久しぶりね、ドラゴン君。まさか貴方の方から姿を現すなんて……」
ドン
ボンゴレ(……なんか、めっちゃ強そうで綺麗な方が湖から出て来たんすけど……)
ドラゴン「ようクイーンスライム。元気だったか?」
クイスラ「元気じゃあないわね。ここは水が汚れているから……」
ドラゴン「……十分綺麗に見えるんだが?」
クイスラ「昔はもっと綺麗だったのよ。全く……」ハァ
347 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:31:23.20 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「それにしても、ドラゴン君……貴方が誰かを連れて来るなんて、初めての事ね。……誰?その人達は」
ドラゴン「ああ、紹介が遅れたな。こいつらは今一緒に暮らしている、ボーンゴーレムと……人間の赤ん坊だ」
ボンゴレ「ど、どうも初めまして……」ペコリ
赤子「あい」コクリ
348 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:37:03.37 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「……ドラゴン君、貴方ともあろう者が……訳のわからない魔導物に、人間の赤ん坊なんかと一緒になって暮らしているの?」
ドラゴン「まあ……そういう事だ」
クイスラ「……成長したというか、退化したというか……間を取って、馬鹿になったという事かしら」
ボンゴレ「それ間取れてないっすよね?」
赤子「あいー」コクリ
クイスラ「……何?私に歯向かうというのかしら?」ギロリ
ボンゴレ「めめめ、滅相もない!っていうか……ど、ドラゴンさん?彼女は、あのー……?」
349 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:40:57.76 ID:GlUMcLlq0
ドラゴン「ああ、言ってなかったな……このプルプルしてんのはクイーンスライム。元・水の四天王だ」
ボンゴレ「し……!!」ガビーン
クイスラ「懐かしいわね、四天王っていうのは」
ボンゴレ「ちょーちょーちょー……ドラゴンさん、ちょっと待って下さい……なんでそんな方と知り合いなんですか?」
ドラゴン「俺が四天王だった時、こいつも四天王だったんだよ」
クイスラ「まあ、そういう事ね。『冥界』なんて呼ばれてたかしら……懐かしい」
350 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:45:57.57 ID:GlUMcLlq0
ドラゴン「俺が四天王辞めるって時に、こいつがお目付け役として付いてきたんだが……」
クイスラ「元四天王が各地で傍若無人に振る舞うと、魔王軍のパワーバランスが崩れるから。仕方なく、ね……」
ボンゴレ「あぱー……そういう事ですか……」
ドラゴン「俺が別に悪さする訳じゃないってわかったら、なんかコイツもついでに四天王辞めてちゃってさ。んで、今はこの湖に引きこもってんだよ」
ボンゴレ「ついでで辞めたんですか!?」
クイスラ「簡単に言うとそうだけど……ついでで辞めた訳じゃないし、引きこもった訳でもないわよ」
351 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:50:34.35 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「ドラゴン君についていた時に、生まれ故郷が人間に汚されているのを知っちゃってね……守るためこの土地に留まったのよ」
ドラゴン「ああ、確かそんな理由だったな……」
クイスラ「あれから約100年……やっと水の汚染を食い止める事が出来るようにはなったけど、まだまだ全盛期よりは汚れているままよ……先が長い話だわ」フゥ
ドラゴン「だからってお前、この湖に来る奴を手当り次第に襲うのやめろよ……変な噂立ってるぞ」
352 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:54:41.81 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「あら、私は何もしてないわよ。ただ……冒険者や木こりや獣人なんかが、ここで立ち小便したり昼食の残飯捨てたりしたら、ちょっとだけ足つかんで引きずり回すくらいで」
ドラゴン「それをやめろっつってんの」
クイスラ「全盛期の私だったら、肛門から侵入して『スライム☆ビックバン』をやる所なのに、我慢してるのよ?」
ボンゴレ「技名からなんとなーくヤバいってのが想像出来ますね……」
353 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 21:57:59.20 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「毎日掃除しているのに、ゴミは多いしどこからか汚水は流れてくるし……隠居生活も大変よ」ハァー
ドラゴン「そりゃあご苦労さん……」
クイスラ「……それで?ドラゴン君。貴方は何の用があってここに来たの?」
ドラゴン「ん?ああ……えっと……あー……(いざ言うとなると、なんか口にしづらいな……)」ゴニョゴニョ
クイスラ「?なあに?」
ドラゴン「いや……何から言ったもんかな……」
354 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:03:19.15 ID:GlUMcLlq0
ボンゴレ「……ドラゴンさん、なんか話を聞く限り、この人あまり人間に良い印象持ってない感じですけど……大丈夫なんですか?」ヒソヒソ
ドラゴン「んー……けどコイツ一時期、幼い現魔王の教育係やってたくらいだからさぁ」ヒソヒソ
ボンゴレ「……マジですか」ヒソッ
ドラゴン「勉強に関してはコイツに任せるのが一番なんだよなぁ。しかしどう言ったもんか……」ヒソヒソ
クイスラ「……大方、私に頼み事があって来たんでしょ?」フンッ
ドラゴン「……は?」
ボンゴレ「あぱー?」
赤子「あぱー……」
355 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:08:04.33 ID:GlUMcLlq0
ドラゴン「…………よくわかったな」
クイスラ「貴方がここに来る理由なんて、そのくらいだものね。八十年前に来た時も、同じようにモジモジして頼み事するのをためらってたわよ」
ドラゴン「……モジモジなんかした覚えは無いが」ムスッ
クイスラ「してたわよ。八十年前……狂乱の魔女と戦って大怪我を負った時も、死にそうなのにいつまで経っても頭下げようとしないで……」
ドラゴン「あーあーあーあーやめようその話は。あの時は悪かったですーごめんなさいー」ペコリッ!
ボンゴレ「何があったんですか、何が」
356 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:12:39.20 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「だいたい予想は出来るわ……その赤ん坊でしょう?」
ドラゴン「!……」
ボンゴレ「ほえー……すごい考察力……」
赤子「あいー……」
クイスラ「わかるわよ、そのくらい……どう見てもイレギュラーだもの」
ドラゴン「じゃあ……!」
クイスラ「ええ、私に任せなさい……」
357 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:16:15.01 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「邪魔だから湖に沈めてこの世から消し去りたいのよね?苦しまないよう殺してあげるわ」ニコリ
ドラゴン「違っげええええええええええ!!!!」
358 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:20:19.55 ID:GlUMcLlq0
ドラゴン「逆だ逆!全てが真逆だ!!」
クイスラ「えっ……という事は、貴方達が入水自殺……」
ボンゴレ「違います違います!なんで死ぬ事前提なんすか!?」
クイスラ「もう、じゃあ何をして欲しいのよ?訳がわからないわ」
ドラゴン「単刀直入に言おう……この子を教育してほしいんだ」
赤子「あいっ」
359 :
◆eUwxvhsdPM
[saga]:2020/06/18(木) 22:24:51.47 ID:GlUMcLlq0
クイスラ「…………えっ、バカじゃないの?」
ドラゴン「ストレートに言われると傷付くなぁ……」
360 :
◆eUwxvhsdPM
[sage saga]:2020/06/18(木) 22:26:23.39 ID:GlUMcLlq0
今回はここまでです
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