ボーンゴーレム娘「人間の子供拾ったっす」ドラゴン「お前ざっけんなよマジで」

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226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/27(水) 23:12:26.50 ID:+yCZEKqT0
乙。
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/28(木) 01:14:12.08 ID:qIwvOHTh0
つまり魔王の娘だか息子だかと結婚させればいいんだな
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/28(木) 01:37:53.13 ID:rGYtKP4j0
マジで魔王目指す流れになるのか
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/29(金) 08:36:44.77 ID:UBwcMlBuO
基本は世襲なら
世襲出来ないように一族郎党根絶やしにして
魔王になれば良いじゃない
230 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 19:52:46.47 ID:zVCWflUA0
…………

テコテコ……

ボンゴレ「こんにちはーっ、母オークさーん」ヒョコッ

赤子「あーいー」

母オーク「あら、ボーンゴーレムちゃんじゃあないか。おっぱいかい?」

赤子オーク「ぷぎ?」

ボンゴレ「はいー。少し飲ませてあげてもらえますかー?」

母オーク「おーよしよし、さぁおいでー」ギュッ

赤子「んー……」チュウチュウ
231 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 19:59:34.07 ID:zVCWflUA0
母オーク「この子も大きくなったねぇ。もうだいぶ離乳食を食べるようになったんじゃないかい?」

ボンゴレ「そうですねー。おっぱい頂くのも、もうそろそろ終わりになりそうですねぇ」

母オーク「そうかい。それは寂しくなるねぇ……」

赤子「んー……」チュウチュウ

ボンゴレ「いえいえ、今まで無理言って甘えてすみませんです」

母オーク「なんの、子供の一人や二人増えた所で変わんないよ!」
232 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 20:04:21.31 ID:zVCWflUA0
ボンゴレ「オークの赤ちゃんも大きくなりましたねぇ。いないいなーい、あぱー!」ベー!

赤子オーク「きゃっきゃっ!」ニコニコ

ボンゴレ「うんうん!目鼻立ちとか母オークさんに似てきましたねえ。美人さんになりますよーこの子も」ニコニコ

母オーク「そういやボーンゴーレムちゃん、あんたおんぶ紐持ってるのかい?こうしておんぶしてたら家事とか楽だよ?」

ボンゴレ「あぱー、持ってないですねぇ。こーいうのって下の人間の町で買えますか?それとも革をより合わせて作る感じですかねぇ」

母オーク「いいよいいよ!このくらい何本も余ってるからさ!……おーいアンター!奥におんぶ紐置いてなかったかーい!?」
233 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 20:09:49.06 ID:zVCWflUA0
ノソノソ……

父オーク「おう、これか?……んん?なんだボーンゴーレムちゃん。来てたのか」ノソッ

ボンゴレ「どうもお邪魔してます、父オークさん」ペコリ

父オーク「おー坊主も一緒かー。いないいなーい、オラー」クワッ!

赤子「きゃっきゃっ!」ケラケラ

ボンゴレ「よく笑えるなぁこの子……鬼のような形相なのに」

母オーク「アンタ!この子は女の子だって何回言わすんだい!坊主じゃないよ!」

父オーク「カタい事言うない……俺ァ男子が好きなんだ」ブスッ
234 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 20:14:04.92 ID:zVCWflUA0
母オーク「またそんな事言って……ちょいと聞いとくれよボーンゴーレムちゃん。この人ったらウチの上の娘にデレデレでねえ。一人部屋のほら穴掘ってほしいって言われて、ウチのリビングなんかより大きな穴掘っちゃって!」

父オーク「うるせーぞ母ちゃん!ベラベラうちの事喋るない!」

ボンゴレ「あ、あはは……まあ娘さん可愛いですもんねぇ。優しくなっちゃうのもわかりますよー」

父オーク「うん、母ちゃんに似たんだ」ニコニコ

母オーク「恥ずかしい事言うんじゃないよアンタは!」バシッ!
235 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 20:19:34.50 ID:zVCWflUA0
母オーク「娘が可愛いのはわかるけどねえ、息子の方も可愛がってあげなよ。上のお兄ちゃんはともかく、下の三人はまだ小さいんだから」

父オーク「男はみんな戦士だ。可愛がるなんてバカ言っちゃいけねえよ……お前も男だったらなあ。立派なオークの戦士に育てたっていうのに……」

赤子オーク「ぷいー?」

父オーク「ちくしょう、母ちゃんに似て可愛いなあコイツも」

母オーク「バカな事ばっかり言ってんじゃないよアンタは!」バッシィー!

父オーク「いちち、母ちゃん年々力強くなってるぜ……」
236 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 20:28:13.20 ID:zVCWflUA0
ボンゴレ「下の男の子達三人は、今何してるんですか?」

父オーク「戦士の特訓だ」

母オーク「向こうの丘で、お兄ちゃん達三人と遊んでもらってるよ。上三人は三つ子でねえ、今15かそこいらなんだけど、下の年子の三人の良い遊び相手だよ」

ボンゴレ「本当、大家族ですね。お兄ちゃん三人に6歳のお姉ちゃん、5歳から3歳までの弟に、今年産まれた妹ちゃん……」

父オーク「たまに誰が誰だかわからんくなるんだ」ガハハ

母オーク「こんだけ産んだんだから、ちょっとは家事の手伝いして母ちゃんに楽させて欲しいもんだよ!」
237 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 20:33:54.66 ID:zVCWflUA0
父オーク「バカ言うない、女は家庭を守って、男は戦士になるんだ」

母オーク「はいはい古臭い考えだよ。戦士ったって、遊んでるだけじゃないか」

父オーク「ああいう遊びを通じて戦士へ成長していくんだよ」

ボンゴレ「……その遊びって、そのー……強くなるんですか?」

父オーク「うん?」
238 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 20:41:43.83 ID:zVCWflUA0
父オーク「ああ。上三人には子供の時からみっちり俺が剣術やら斧での戦闘やら教え込んどるからなぁ。……あいつらがやってるのは戦いごっこだが、オークの子供は年上から叩きのめされて成長していくんだ」

母オーク「上三人もお隣さんの子に昔っからよくいじめられてねぇ。よくタンコブ作って帰って来たもんだよ」

父オーク「その痛みがあればこそ、俺のような立派なオークになれるんだよ」ムキッ

母オーク「はいはい、アンタいつまでも家でゴロゴロしてないで、晩御飯何か獲ってきな」

父オーク「……母ちゃんには勝てねえぜ」ノソノソ……
239 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 20:44:39.10 ID:zVCWflUA0
ボンゴレ「うーん……そういうのって何歳くらいからやるもんなんですかねー?」

母オーク「なんだいボーンゴーレムちゃん、オークの子育てに興味あるのかい?」

ボンゴレ「いや、アタシこの子を強く育てたいんですよ」

赤子「あう?」

母オーク「……女の子だろう?この子。別に強く育てなくったって……」

ボンゴレ「そうはいきません。アタシはこの子を魔王にするんですからっ!」フンスッ
240 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 20:49:13.71 ID:zVCWflUA0
母オーク「あーあー、前に四天王だか何だかが来た時に約束したんだったか。うーん……けどねぇ、魔王ったって……」

ボンゴレ「……難しいですかね?」

母オーク「オークってのは身体が強くてね。子供ん時から大怪我したって数日経てばケロッとしてるもんさ。だからあたしも安心して無茶な事やらせて、結果として強く育てちゃいるが……人間の、しかも女の子ってのは弱いからねえ……」

ボンゴレ「うーん……」
241 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 20:55:09.59 ID:zVCWflUA0
母オーク「まあ、まだ赤ん坊なんだしそんな先の事考えたってしょうがないさ!いい年になったらウチの子と遊ばせて、色々教えてもらったらいいだろ!」

ボンゴレ「ありがとうございます。色々迷惑かけますねぇー」

母オーク「ご近所付き合いなんて迷惑かけてナンボさアンタ。ああけど、ウチの娘とも遊ばせてもらっていいかい?」

ボンゴレ「え?」
242 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:01:27.40 ID:zVCWflUA0
母オーク「ウチは男だらけだからねぇ。ウチの娘、その子が来た事で妹がもう一人出来たみたいだって喜んでんだよ。強く育てるため息子と遊ばせるのもいいけど、たまには娘とも遊ばせてやっとくれ」

ボンゴレ「ええ、必ず。……ふふっ、まーだちっこい赤ちゃんなのに、将来の予定はぎっしりですねー?」

赤子「あうー?」

母オーク「ははっ、せわしない事だよ!」

アハハハハ……

…………
243 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:15:58.38 ID:zVCWflUA0
…………

テコテコ

ボンゴレ「ただいま帰りましたーっ」

赤子「あーい」

ドラゴン「おかえりー……遅かったな。なんかあったか?」

ボンゴレ「いえいえ。ちょっと母オークさんと話し込んじゃっただけですよー」

ドラゴン「そうか。母オークさんの話は勉強になるからなぁ。……狩り行ってきたぞ。野生化した馬がいたから一匹とってきた」

ボンゴレ「おっと、じゃあ血抜きしないとですねー」
244 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:19:47.05 ID:zVCWflUA0
ボンゴレ「よっこい、しょっ……っと。うひー、でっかいっすねーコイツ」グイッ

ボタボタ……

ドラゴン「母オークさん、何か言ってたかー?」

ボンゴレ「色々お話しましたけどー……あ、この子の子育て方針についてちょっと相談しまして」

ドラゴン「……強く育てるには、か……」

ボンゴレ「そうっすよ。ドラゴンさんあんまり乗り気じゃないっすねー」
245 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:23:25.01 ID:zVCWflUA0
ドラゴン「いや、別にそういう風に育てたいなら協力はするが……うーん……」

ボンゴレ「何すかー?何か言いたいことあるんすかー?」

ドラゴン「えっと、あのな……」

……バタバタバタ!

ドラゴン「……ん?」

ザザッ!

ミノ娘「……はぁ、はぁ!ど、ドラゴンにボーンゴーレム!赤ちゃん!無事なのかよっ!?」
246 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:30:58.00 ID:zVCWflUA0
ボンゴレ「あぱー?ミノタウロスさん、どうしたんすか?息切らして」

ミノ娘「た、旅先で……四天王が南の山のヌシを襲ったって聞いたから、急いで戻って来たんだよ!!」

ドラゴン「お前それ結構前の話だぞ」

ミノ娘「ううう、うるせえっ!これでも全速力で帰って来たんだぞ!赤ちゃんは!?」

ボンゴレ「怪我一つありませんよ。ほーら抱いてもらいまちょうねー」

赤子「あーいっ♪」ヒシッ
247 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:34:33.58 ID:zVCWflUA0
ミノ娘「おっとっと、よしよし……おっ、結構重くなったな」

ボンゴレ「ミノタウロスさん、旅ってどこまで行ってたんですか?」

ミノ娘「ん?ああー大したもんじゃねえよ。ムックォーの山まで行ってただけだ」

ボンゴレ「遠っ!馬で10日はかかりますよ!?」

ドラゴン「お前、いい加減流浪の旅とかやめたらどうだ?いい歳だろ」

ミノ娘「いや、だから……婿探しに旅してんだよ」ボソッ

ドラゴン「あ、そう……」
248 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:37:35.01 ID:zVCWflUA0
ミノ娘「あそこに魔物の村があるって聞いたから行ってみたんだが、エルフの隠れ里だったよ……無駄足だ」ハァー

ボンゴレ「今時珍しいですね、隠れ里って」

ドラゴン「そうでもねえよ。人間と共存してるエルフもいるが、自然を好んで森に住むのが大多数だ……迷いの森に住んでる奴らもそうだろ」

ボンゴレ「あ、そういえば確かに……」
249 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:42:32.93 ID:zVCWflUA0
ミノ娘「って、おれの話はどうでもいいんだよ!四天王はどうだったんだ?戦ったんだろ?」

ドラゴン「いやまあ一応戦ったけど……どういう噂が広がってんだ?」

ミノ娘「四天王とドラゴンの総力戦で、始まりの町が壊滅状態だって聞いたけど……」

ドラゴン「尾ヒレ付きすぎィ!」

ボンゴレ「始まりの町って、下にある人間の町の事ですか?あんな所まで攻撃飛ばないっすよ遠い!!」
250 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:45:08.50 ID:zVCWflUA0
ドラゴン「平和ーにバシバシやりあって、平和ーにお帰りいただいただけだ」

ミノ娘「平和ってなんだよ」

ドラゴン「事実なんだが……」

ボンゴレ「向こうは殺す気で攻撃してたっすけどねえ……あ!そーですよ聞いて下さいよミノタウロスさん!」

ミノ娘「は?」

ボンゴレ「ふっふっふ……実はですねぇ、このドラゴンさん!今まで隠してたそうですが、何と!!……元四天王だったんですよ!ぱんぱかぱーん!!」
251 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:49:31.03 ID:zVCWflUA0
ミノ娘「あー……やっぱそうなんだ」

ドラゴン「うん」

ボンゴレ「反応が薄いっ!」ガビーン
252 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:52:54.27 ID:zVCWflUA0
ボンゴレ「なーんなんですかぁーもうー!もっと驚いて下さいよおっ!」プンスカ

赤子「きゃっきゃっ!」ニコニコ

ミノ娘「いや、旅してたら意外と元四天王ってのに会うんだよな……それにこいつが強いのは知ってるし」

ドラゴン「風の四天王は入れ替わり激しいからなぁ……まあ元四天王っていうの、嘘も多いけど」

ミノ娘「つーかお前、なんで四天王辞めたんだよ。こんな田舎の山ん中で暮らすよりよっぽど良い生活だったろ」

ボンゴレ「そ、そうですそうですそれですよっ!ドラゴンさん敵なしレベルで強かったんでしょ?いくら勇者達と戦うのが嫌だからって……」
253 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 21:58:21.26 ID:zVCWflUA0
ドラゴン「……自信、無くしてな」

ミノ娘「へ?」

赤子「あい?」

ボンゴレ「……『自信』?」

ドラゴン「……大昔の話だ。100年前……俺は魔王軍四天王として、遠征中……北の大地で人間の軍隊に出会い、不覚を取った……」

…………
254 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 22:02:31.80 ID:zVCWflUA0
…………

ワアアアアア……!!

「「「射て――ッ」」」

ヒュンヒュンヒュン!!

ドスドスッ!
255 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 22:06:29.18 ID:zVCWflUA0
オ オ オ オ オ オ

「やった!当たったぞ!!」

「覇者に深手を与えた!もっと弓を射て!!」

「死ね!ドラゴンめ!!」

ヒュンヒュンヒュン!

ドスドスッ!

「!!!……」ガフッ
256 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 22:10:46.80 ID:zVCWflUA0
ゴウッ!!

「「「ぎゃあああああ……」」」

「炎に怯むな、もっと射て!!」

「化物め!!この……悪魔めえっ!!」

ヒュンヒュンヒュン!!

ドスドスドスッ!!

「!……ぐ……」

バサッ!
257 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/05/31(日) 22:14:28.42 ID:zVCWflUA0
バサッバサッ……

「逃げていくぞ!卑怯者め!」

「追え!殺せーっ!」

「見たか、人間の力!」

「万歳、ばんざーい!」

ウオオオオ……

…………
258 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/05/31(日) 22:16:07.17 ID:zVCWflUA0
今回はここまでです
少し中途半端ですが……
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/06/01(月) 19:43:56.53 ID:garWUqKe0
量産型四天王…
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/06/02(火) 00:27:54.78 ID:d+3MRMg10
地位に固執して何でもやる四天王もほしい
261 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 22:47:58.17 ID:5QswfA740
…………

ヒュウウウウ……

ドラゴン「く……ハァハァ、人間め……!祝福された矢を射るとは……!!」

ボタボタ……
262 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 22:50:07.77 ID:5QswfA740
ズルズル……

ドラゴン(糞、傷が塞がらん!白魔法……も、魔力が足りんか……)

ググッ……

ドラゴン「……畜生、こんな、所で……!」

ドサッ
263 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 22:51:56.80 ID:5QswfA740
ヒュウウウウ……

ドラゴン(……寒い……俺の一生は、こんな荒れ果てた氷の大地で終わるのか……)

……ヒュウウウウ……
264 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 22:53:14.36 ID:5QswfA740
ザッ

女「……あの……大丈夫、ですか?」

ドラゴン「……」ピクリ

ヒュウウウウ……
265 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 22:56:13.83 ID:5QswfA740
ドラゴン(……人間……追っ手か?いやしかし、一人だし……女?)

女「うわ、すごい傷……矢が刺さったままですよ。痛そう……」スッ

ドラゴン「さ……わるな!」

女「あ、大丈夫です!私、少し白魔法の心得ありますので!」

ドラゴン「……何を言っているんだ、貴様は……!!」
266 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 22:58:26.23 ID:5QswfA740
女「いや、だから治そうと……」

ドラゴン「俺が誰だか知らないのか?四天王の火、覇者と呼ばれる……」

女「あー……知ってます。噂くらいは」

ドラゴン「……知っているなら、わかるだろう。俺はもう動けん。……四天王を殺す、チャンスだぞ」

女「……いや、えーっと……」
267 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:01:30.62 ID:5QswfA740
ドラゴン「……この傷は、貴様ら人間から受けたものだ」

女「……」

ドラゴン「その事に、恨みは無い。ここまでされるほどには、俺も人間達を襲ったし、殺した。……だから殺されても、文句は無い」

女「……」
268 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:03:48.10 ID:5QswfA740
ドラゴン「しかし、安い同情なんかで命を拾うのは、恥だ。それも、貴様のような小さな人間に……」

女「安い同情なんかじゃありませんっ!」

ドラゴン「!!」

女「私は……本気で貴方を助けたいんです!そのためなら……貴方に殺されたっていい!」

ドラゴン「……何故だ?何故、そこまで……」

女「何故、って……」
269 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:07:00.91 ID:5QswfA740
女「苦しんでいる人がいたら、助けたい。……それが、おかしな事ですか?」

ドラゴン「!……」

女「動かないで下さいね。……『汚れを知らぬ私のこの手に、貴方の痛みを預けておくれ。傷ついた戦士達の身体に、私の優しさを与えておくれ』――……」ブツブツ

シュウウ……
270 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:10:50.08 ID:5QswfA740
女「……ふーっ。どうですか?傷は……」

ドラゴン「……あ、ああ。……問題ない」

女「そうですか?良かったぁ」ニコッ

ドラゴン(……馬鹿な、祝福された武器でつけられた傷だぞ……一回の呪文で治すとは……!)

女「それで……どうします?」

ドラゴン「……何がだ?」

女「私のこと……殺しますか?」

ドラゴン「……」
271 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:15:16.66 ID:5QswfA740
ドラゴン「……治してくれた礼だ。見逃してやる。……しかし、次は無いぞ」

女「はぁー良かった!今ので魔力切れちゃったから、襲われたらどうしようかと思いましたよー」アハハ

ドラゴン「……何故……」

女「え?」

ヒュウウウ……

ドラゴン「……何故、そこまでして助ける?」
272 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:19:08.73 ID:5QswfA740
女「だから、言ったじゃないですか。苦しんでいる人がいたら――……」

ドラゴン「そうじゃない。魔力が切れて、襲われたら殺されていたというのに……何故そこまでして助けるんだ?ただの博愛主義では説明がつかん。人間とは……自分の生命が最も大切なのだろう?」

女「それは――……そういう人もいますけど……」

ドラゴン「それに……俺は魔物で、四天王だぞ。傷付いた俺を助けると、もっと沢山の人が傷付くんだぞ」

女「…………」

ドラゴン「俺を生かすと、もっともっと沢山の人が死ぬんだぞ?……それでも、助けると言うのか?」

女「……」
273 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:21:33.31 ID:5QswfA740
女「……貴方を助ける事で、もっと沢山の人が傷付くのなら……もっともっと沢山の人が、死ぬのなら……」

ドラゴン「……」

女「私はもっともっと、もっともっともーっと沢山の人を、助けます。……貴方が傷つける人も含めて、それ以上も。傷つけませんし、殺させません」

ドラゴン「……」
274 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:23:01.81 ID:5QswfA740
女「そうやって旅してきたんですよ。人や、魔物や、動物だって、苦しんでいたら助けてきました。みんなが苦しんでいたら、私は彼ら以上に、苦しい。……だから、私は目に見える全てを、助けたいんです。……それが原因で、私が殺されたとしても……私は、助けたい」

ドラゴン「……」

女「強いていうなら、それが理由です。……それに、私……貴方が心の底から悪い人だなんて、思えませんから」ニコッ

ドラゴン「…………馬鹿だろ、お前」プイッ

女「えへへ、面と向かって言われると照れますねぇ」テレテレ

ドラゴン「褒めてないんだが」
275 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:24:57.56 ID:5QswfA740
ドラゴン「……助ける、か。……四天王として殺し続けてきた俺とは、真逆だ」

女「良いもんですよ?命を助けるっていうのは」

ドラゴン「……全くわからんな」

女「貴方が今まで、奪い、殺してきたのなら……これから先の人生、少しでいいから、命を助けて、育んでみて下さい。そしたら、きっと……今までの人生とは違うものが見えるはずです」

ドラゴン「……」

女「とりあえず、今はですねー……」
276 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:29:46.56 ID:5QswfA740
ピトッ!

女「風をしのいで、私の命を助けてもらっていいですか?すっごく寒いんですよー」

ドラゴン「おい、くっつくな!」

女「いいじゃないですか。私、命の恩人ですし?……あ、それとも私を殺します?やっちゃいます?」

ドラゴン「こ、この野郎……!!」

女「えへへ……あー、すっごくあったかい……」

ヒュウウウウ……

…………
277 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:35:10.01 ID:5QswfA740
…………

ドラゴン「……っていう事があってな……」

ミノ娘「へぇー……」

赤子「あうー……」

ボンゴレ「なるほど、それで悪い事から足を洗った訳ですねー……良い話です……」グスッ

ドラゴン「あーいや、そうじゃなくて」
278 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/04(木) 23:38:05.36 ID:5QswfA740
ドラゴン「実はそいつ、勇者だったらしくてさー……そのすぐ後に当時の魔王と戦って、三分でノしたそうで……」

ボンゴレ「どういう事ですかそれ」

ドラゴン「当時の魔王泣いて謝ったらしい」

ミノ娘「バケモンじゃねーか」
279 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/06/04(木) 23:39:07.64 ID:5QswfA740
今回はここまでです
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/05(金) 13:54:50.91 ID:EF9rPYT3O
ボンゴレ「生前の私ですね」
281 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:00:50.09 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「まあ、そういう事が大昔にあって、四天王っていう立場に自信無くしてな。……引退してそいつの生まれ故郷だっていう町の近くに住む事にした訳だ」

ボンゴレ「ま、まあ細かい事はともかく……良い話ですねぇ。一人の女性に救われた事で人生が変わるっていう……」

ミノ娘「良い話かな、これ……」
282 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:06:30.42 ID:EmehuP9F0
ボンゴレ「あれ?んじゃあ今は魔王誰がやってるんですか?負けちゃったんですよね?」

ドラゴン「お前本当何も知らないんだな……娘だよ。その魔王の娘」

ミノ娘「世襲制だからなぁ魔王は……支配力は下がったが、その時の魔王より数段強いって聞く」

ボンゴレ「ほえー……え、じゃあ今魔王軍すごくないすか?」

ドラゴン「当時の四天王、俺とか他のヤツとかが抜けたから総合的な強さはトントンだろ。昔戦った事あるけど、今の風の四天王とか俺の半分以下の強さだぞ」

ミノ娘「お前ホンット意味わからんくらい強いんだな……」
283 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:12:06.88 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「っていうかボンゴレ。さっき言おうとしてた事なんだがな……」

ボンゴレ「はい?」

ドラゴン「魔王っていうのは、基本的に世襲制で……一応、魔王を倒した魔物が次の魔王になれるっていう制度はあるんだか」

ボンゴレ「え!?そうなんですか!?」

ミノ娘「まあ、魔王と戦う前に四天王とかとも戦わないといけないから、正直無理だけどなぁ……そこまでして魔王になりたいとは思わねえよ」

ボンゴレ「けどけど!それならこの子が魔王倒せば、魔王になれるんですよね!?」

ドラゴン「いや問題はそれなんだけど」
284 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:26:00.92 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「っていうかボンゴレ。さっき言おうとしてた事なんだがな……」

ボンゴレ「はい?」

ドラゴン「魔王っていうのは、基本的に世襲制で……一応、魔王を倒した魔物が次の魔王になれるっていう制度はあるんだか」

ボンゴレ「え!?そうなんですか!?」

ミノ娘「まあ、魔王と戦う前に四天王とかとも戦わないといけないから、正直無理だけどなぁ……そこまでして魔王になりたいとは思わねえよ」

ボンゴレ「けどけど!それならこの子が魔王倒せば、魔王になれるんですよね!?」

ドラゴン「いや問題はそれなんだけど」
285 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/06/06(土) 19:26:59.77 ID:EmehuP9F0
>>284
すみませんコピペミスです
286 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:27:52.16 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「この子……人間だろ?」

ボンゴレ「はい」

ドラゴン「……人間が魔王倒したら……そいつ、何って呼ばれると思う?」

ボンゴレ「…………真の勇者・人類の希望の光……『光の勇者』、ですねぇ……」

ドラゴン「な?」

赤子「……あぱー……」

ミノ娘「やるせねえなぁ……」
287 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:33:47.75 ID:EmehuP9F0
ボンゴレ「むー!じゃあ今から身も心も魔物にするしかないっすね!てーおーがくっすよ、てーおー!」

赤子「えおー?」キョトン

ミノ娘「上手くいくかなぁ……」

ボンゴレ「ドラゴンさん!アタシさらにやる気出てきましたよ!一生懸命育てましょうね!!」

ドラゴン「……ああ……」ジッ
288 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:40:18.37 ID:EmehuP9F0
赤子「あうー?」キョトン

ドラゴン「…………」
289 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:42:54.96 ID:EmehuP9F0
…………

『少しでいいから、命を助けて、育んでみて下さい。そしたら、きっと……今までの人生とは違うものが見えるはずです』

…………
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/06/06(土) 19:45:15.64 ID:kc41DWWS0
魔物と人間の違いってなんなんだろう
291 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:45:51.60 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「……未だにわからんよ、俺には……」ボソッ

赤子「……あうー……!」グッ

ドラゴン「……ん?」
292 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:49:56.28 ID:EmehuP9F0
ヨチヨチ……

赤子「あいっ!あいっ!あいっ!」

ドラゴン「……う……うおおおおあああ!?」ビクーン!

ボンゴレ「ひゃっ!?ど、どうしましたドラゴンさん!?」

ドラゴン「み……見ろ!こ、こ……この子っ!!」
293 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:55:02.63 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「四つ足で歩いてやがるー!!」

ギャーン!!

赤子「あいー!」ヨチヨチ

ボンゴレ「……ええっ!?」

ドラゴン「どどど、どうしようボンゴレ!?ずーっと俺の歩く姿見てたから、この子四つ足で歩くようになっちゃったのかな!?」オロオロ

ボンゴレ「落ち着いて下さいドラゴンさん、正常ですからこれ!」
294 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 19:59:10.99 ID:EmehuP9F0
ミノ娘「おおー!ついにハイハイするようになったのか!」

ドラゴン「……『ハイハイ』?」

ミノ娘「赤ちゃんっていうのは初めから足腰が強い訳じゃないですから、こうやって歩く練習から始めるんですよ」

ドラゴン「……つまり……これが普通に、成長したって事?」

ボンゴレ「そういう事です」
295 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 20:06:07.73 ID:EmehuP9F0
赤子「あうー」ヨチヨチ

ボンゴレ「わー!わー!すっごいですねー初めてでこんなに歩くなんて!」

ミノ娘「すげーすげー!ほーらこっちおいでー」

赤子「あいっ!」ヨチヨチ

ドラゴン「……成長、か……」
296 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 20:08:51.92 ID:EmehuP9F0
赤子「あいっ!」ニコッ

ドラゴン「…………」フッ
297 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/06(土) 20:11:16.79 ID:EmehuP9F0
ドラゴン「……ちょっとは見えた、かな。……違うものっていうの」

…………
298 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/06/06(土) 20:11:49.37 ID:EmehuP9F0
今回はここまでです
299 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/06/06(土) 20:22:35.63 ID:EmehuP9F0
>>290
説明するほどのモンじゃあないけど説明すると長い

人間……『我々の世界』の人間。耳が短く60年くらいしか生きないくせに、女神の祝福を受けることが出来て、ものすごい魔力を持つ事がある種族

魔物……『我々の世界』にいない生き物。だいたいは人間に攻撃的

亜人……『我々の世界』におらず、人間と交配可能な人間に似ている種族。ただし交配すると9割亜人の子が生まれる。エルフやゴブリンの一部は人間と生活していたりする。
基準は割とあいまい



この中でも色々あって、例えば作中のドラゴンさんを人間レベルだとすると、ドラゴニュート娘に乗り物として使われたワイバーンはチンパンジーレベル
です
種族間でそういう上下や差別が色々ある世界です。『我々の世界』でもそうだしね
300 :ガッデム ホット! [sage]:2020/06/07(日) 15:17:18.32 ID:OitGW9Mn0
魔物はなんで人間おそうんだろう。
女神大好きで祝福羨ましいのかな
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/06/07(日) 22:49:41.14 ID:fpAj3sGp0
単なる領土問題かお互い差別しあってるとかじゃないの
そうでなかったら人間はおいしいのかもしれない
302 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 19:52:09.66 ID:oKX5jfbt0
…………

赤子「まーま!まーま!」

ドラゴン「……」

ボンゴレ「……」

ドラゴン「……う……」

ボンゴレ「……き……」
303 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 19:57:19.50 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「うおおおおおおおお!!!」

ボンゴレ「きゃあああああああ!!!」

ドラ・ボン「「しゃべったああああああ!!!」」

ボンゴレ「あ、アタシ!?アタシのことですよね!?ほら、アタシはー?」

赤子「まーま!」

ボンゴレ「じ、じゃあこっちはー?」

赤子「ぱーぱ!」

ドラ・ボン「「ひええええええええええ!!」」
304 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 20:02:45.94 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「……朝っぱらからうるせーなぁ。おれのねぐらまで響いたぞ……どうした?」ノソッ

ボンゴレ「ききき、聞いて下さいよミノタウロスさん!この子が、しゃべ、しゃべ……!!」

ミノ娘「おっ、やっと喋れるようになったかー!どーれ赤ちゃん、おれはー?」

赤子「おっぱ!」

ミノ娘「…………なあ、こいつおれの事『おっぱい』って言ってねえ?」

ドラゴン「いやまあ、事実だし……」
305 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 20:06:44.98 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「ざっけんな!おれだってなあ、『おねえちゃん』とか、そういう……」

ボンゴレ「まーまーまーまーミノタウロスさん。喋れるようになっただけでも凄いんですから……」ニコニコ

ドラゴン「俺はー?」

赤子「ぱーぱ!」ニコッ

ドラゴン「……ぐふ、ぐふふふふ……」ニマニマ

ミノ娘「ドラゴン、お前今めっちゃキモいぞ」
306 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 20:11:22.80 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「なあ、おれは……?」

赤子「おっぱ!」ニパー

ミノ娘「……チクショー今日中に呼び方『ミノタウロスのお姉ちゃん』に変えてやる」

ボンゴレ「長すぎますよ……無理ですって」 

ドラゴン「いやしかし、めでたい事だな……今日は豪勢にいくか!?」

ボンゴレ「そうですねー!じゃあ取っておいた世界樹の実でも出しますか!?」

ドラゴン「おーう出せ出せ!何でも出しちまえー!」
307 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 20:15:24.13 ID:oKX5jfbt0
赤子「まーま、まんまー?」

ボンゴレ「そうでしゅよー、今日のまんまは豪華でしゅからねー?」ニコッ

赤子「あぱー!」

ボンゴレ「あぱー!」ニココーッ

ドラゴン「!…………」

ミノ娘「ん?どうしたドラゴン、なんかいきなり暗い顔してるけど……」

ドラゴン「いや……喋れるようになった事で、心配になってな……」

ミノ娘「心配?」
308 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 20:19:40.01 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「このまま変な言葉使いとか覚えたらどうしよう……」ガタガタ

ミノ娘「お前、結構子煩悩だよな……」
309 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 20:24:24.74 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「だってよ、俺もお前もボンゴレも、正しく綺麗な言葉使ってるかっていうと、微妙だろ?」

ボンゴレ「んまっ!なんですかそれー!アタシはめちゃんこ綺麗な言葉使いっすよー!」

ドラゴン「すでに怪しいわお前」
310 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 20:28:42.32 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「まあ確かに、おれも結構男っぽい言葉使いとは言われるしなぁ……」

ドラゴン「だろ?」

赤子「おえー?」キョトン

ドラゴン「ほら!なんか『おれ』って言葉覚えようとしてんじゃん!駄目だろそれは!」

ミノ娘「いやまあ……なんかすまん」
311 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 20:37:36.55 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「お前ほら、この子を魔王にするっつってんだろ?」

ボンゴレ「まあ、そうっすけど」

ドラゴン「もしこの子が魔王になったとして、『おれが魔王っすよーあぱぱー!』とか言ったら、なんか凄い残念じゃね?」

ボンゴレ「なんかすっごい馬鹿にされたような気がするんすけど」

ミノ娘「奇遇だな、おれもだ」
312 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 20:42:57.05 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「学ぶって事に『早すぎる』ってもんはねえ……今すぐにでも、しっかりとした教育をすべきだ」

ボンゴレ「……と言っても……どうするんすか?オークさん所に行きます?」

ドラゴン「いや……実は俺に、心当たりがある」

ボンゴレ「ほえ?」
313 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 20:52:01.55 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「!!……も、もしかしてドラゴン、お前……『生命の湖』に行く気か?」

ドラゴン「知ってたか、ミノタウロスの」

ミノ娘「馬鹿、危険だ!やめとけって!何人も食われてんだぞ、あいつにっ!」

ボンゴレ「食……なんの話ですか、それ」

ドラゴン「話に尾ヒレがついただけだっつの。そんなビビるもんじゃねーよ」

ミノ娘「尾ヒレとかじゃねーよ!マジで危ないんだって!」
314 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 21:00:06.16 ID:oKX5jfbt0
ミノ娘「一見綺麗な湖で、あらゆるものに知識や生命を分け与えてくれるが……礼儀を知らない人間や魔物が近づくと何者かが襲いかかり、水中に引きずり込まれて死んでしまうという……!」

ボンゴレ「わーわーわーわー!聞きたくないっ!めちゃんこホラーじゃないっすか!!」

ミノ娘「なんでもあの湖には、水の精霊ウンディーネが住んでいて、湖を汚した人間や魔物を憎んでいるって……!」

ドラゴン「ウンディーネじゃねえよ、あそこに住んでるのは。……っていうか精霊とか実在しねえって」
315 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 21:04:58.80 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「あの湖に住んでるのは、俺の昔なじみだ。頭良いから子供の教育とか完璧にやってくれるだろ」

ミノ娘「人間や魔物を殺す奴だぞ!?赤ん坊の教育とか無理だろ!!っていうか昔なじみて、魔物か?……精霊ウンディーネが実在した方がマシだろ……」

ボンゴレ「まあその話が本当なら、アタシもこの子を危険にさらしたくないすよ。魔物って基本的に人間嫌いじゃないすかー」

ミノ娘「人間どころか魔物も嫌ってるんだぞ、あそこにいるヤツは!」
316 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 21:07:55.39 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「迷いの森に住んでる連中、たまにあそこに遊びに行くって言ってたぞ。木々に与える綺麗な水を汲みに行くって、エルフが……」

ミノ娘「あいつらは大丈夫なんだろ、無害そうだから!お前らすげえ有害そうだもん!!」

ドラゴン「有害って言葉を生き物に使う所、初めて聞いたわ」
317 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 21:12:34.10 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「何も問題ねえって。最低限死ぬ事ァねえよ」

ミノ娘「おれはお前らを心配して――……!!」

ドラゴン「ああ、ありがとうな。だけどまあ大丈夫だ。俺、元四天王だし」

ミノ娘「なんか腹立つなーその言葉ー」
318 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 21:19:20.96 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「おーい準備して行くぞーボンゴレ。食料やら雑貨やらありったけ持っていけよー。しばらくここには戻らんから」

ボンゴレ「へ?……へ??し、しばらくって……どのくらい?」 

ドラゴン「この子がしっかりした言葉覚えるまで」

ボンゴレ「それ年単位じゃないっすかー!?どういう事っすかそれ!?」

ドラゴン「心配すんな、俺がいない間はオークのおやっさん達がなんとかしてくれるだろ」

ボンゴレ「そういう心配はしてないっす!!」

赤子「あぱー!」

ボンゴレ「そうです!あぱーですよあぱー!」

ドラゴン「それどういう意味なの?」
319 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/10(水) 21:28:28.87 ID:oKX5jfbt0
ドラゴン「んじゃ、ちょっくら行ってくるから。何かあったら頼むなーミノタウロス」

ミノ娘「ドラゴン、ボーンゴーレム!……頼むから、生きて帰ってこいよ……」グスッ

ボンゴレ「え、マジで死ぬんですか私!?」

ドラゴン「大丈夫だって……なあ?」

赤子「ううー?」キョトン

…………
320 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/06/10(水) 21:29:08.55 ID:oKX5jfbt0
今回はここまでです
321 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/12(金) 19:53:29.55 ID:j3/fYsJu0
…………

ガサガサ……

ボンゴレ「……魔物どころか、ケモノすらいない所を歩いてもう二時間……どこまで行くんですか、ドラゴンさん」

ドラゴン「おっかしいな……この辺りなんだが」

赤子「うー」

ボンゴレ「確認しますけど、本っ当に大丈夫なんでしょうね!?」

ドラゴン「大丈夫大丈夫、問題ないって……」

ガサッ

アルラウネA「あれー?ドラゴンさんだー」

ヒョコッ
322 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/12(金) 20:01:53.12 ID:j3/fYsJu0
アルラウネB「あれあれー?ボーンゴーレムちゃんもいるよー?」

アルラウネC「赤ちゃんもいるー。うぷぷー、みんな勢ぞろいだねー」

ウププププ……

ボンゴレ「あれ?アルラウネさん達……?」

赤子「あらーらねー!」キャッキャッ

ドラゴン「お前ら何でここにいるんだ……迷いの森に住んでるはずだろ」
323 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/12(金) 20:05:53.98 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ボク達がどこにいようが、ボク達の勝手でしょー?」

アルラウネB「人権無視だよ、人権無視ー」

アルラウネC「ボク達、人じゃないけどね……うぷぷっ」

ウププププ……

ドラゴン「……嫌いなんだよなぁ、こいつら……」ボソッ

ボンゴレ「どーどー、抑えて下さいドラゴンさん」

赤子「どー!どー!」
324 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/12(金) 20:11:33.31 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「ボク達、『生命の湖』のほとりまでピクニックに来ているのー」

アルラウネB「アラクネお姉様と一緒にね……だけど、うぷぷっ」

アルラウネC「はぐれちゃったんだ。アラクネお姉様、どこ行ったのかしら。ボク達迷子になっちゃったぁ……」

アルラウネs「「「うぷぷぷぷー……」」」

ボンゴレ「……アラクネさんを撒きましたね、この子達……」

赤子「あいー……」

ボンゴレ「っていうか、『生命の湖』にピクニックって……大丈夫なんすか?」

ドラゴン「大丈夫だって言ってるだろ……あー、アルラウネよ。その『生命の湖』っていうのは、どこにあるかわかるか?俺達も行きたいんだが」
325 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/12(金) 20:16:54.92 ID:j3/fYsJu0
アルラウネA「こっちかな?」

アルラウネB「そっちかも?」

アルラウネC「あっちでしょ?」

アルラウネs「「「どっちだろうね〜〜?」」」

ウププププ……

ドラゴン「火ィ吐いていいか?」

ボンゴレ「駄目です。我慢して下さい」
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