絶対に笑ってはいけない勇者一行

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202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:13:46.14 ID:a+I1EmaE0

魔王「(勇者め、気づいたところでもう遅い)」

魔王「(貴様は、“ツボに入っているのだ”!!これぞ単純な身体ジョークのなせる技!!)」

魔王「(扉を閉じたのは純粋な決闘を望んだからではない!この醜態を部下に見られないためだ!)」

魔王「(このネタで一気に葬り去ってくれるわ!!)」
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:14:22.59 ID:a+I1EmaE0

魔王「BABY(ベイビー)」

デデーン…

魔王「COME ON(カモーン)」

デデーン…

魔王「BABY(ベイビー)」

デデーン…

魔王「I LOVE YOU(アイ ラッヴ ユー)」

デデーン…

魔王「BABY(ベイビー)」

デデーン…

魔王「COME ON(カモーン)」

デデーン…
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:15:15.02 ID:a+I1EmaE0

魔王「BABY(ベイビー)」

魔王「COME ON(カモーン)」

勇者「はぁ……はぁ…………」

魔王「やっと収まったようだな。だがボロボロではないか」

勇者「……くそ……」

ピキピキ…

魔王「卵にヒビが入った。もう間もなくだな」

魔王「万が一にも孵化の瞬間に貴様の顔を見られら台無しだ。今より凄まじいポールダンスをして、とどめと行こうか」

勇者「させる……かよ……」

ガサ…
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:15:41.16 ID:a+I1EmaE0

魔王「トロフィーを取り出した?なんの意味がある?」

勇者「こうするんだよ!!」

魔王「まさか、よせ!!!!!!」

ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ……!!!!!!

魔王「 “絶対に”笑ってはいけないボタンを連打した!!貴様、それが何を意味するのかわかっているのか!!」

勇者「次笑った方が、確実に死ぬだろうな」

勇者「“絶対に笑ってはいけない、戦いだ!!”」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:16:28.90 ID:a+I1EmaE0

魔王「勝ち目のない戦いに挑むアホめ!!もはやその身体では親父ギャグのひとつも思い浮かぶまい!!」

勇者「……ああ、俺ひとりだったら無理だったろうな。でも俺には、俺を支えてくれるたくさんの仲間がいるんだ」

魔王「くだらない!!お仲間との冒険中に起きた愉快なエピソードでも話す気か?」

ガサ…

魔王「いまさら道具袋から何を取り出すつもりだ?」

勇者「これは……アカデミーのみんなから貰った寄せ書きだ」

魔王「ふん、俺の使えぬ四天王が教師をやっていたところか」

勇者「記憶を失っていたし、短い間だったけれど……俺をあたたかく迎えてくれる人たちがたくさんいたんだ」

魔王「くだらん。腹の足しにもなるまい」

勇者「なるよ!!!」

バリバリ!! ムシャムシャ!!

勇者「うめぇえええええええええ!!」

魔王「…………」

207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:16:54.62 ID:a+I1EmaE0

ガサ…

勇者「この魔法瓶は、僧侶のお手製だ。自分がそばにいなくても体力と魔力を回復できるようにって、寝る時間を削っては仲間のためにつくってくれていたんだ」

魔王「決闘モードでは道具による回復はできん。意味のないものだ」

勇者「そのとおり!!!!!」

ガシャン!!! バリイイインン!!!

魔王「……フー……」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:17:38.73 ID:a+I1EmaE0

ガサ…

勇者「この道具袋は、魔法使いが冒険を始めた頃に編んでくれたものだった。サイズが大きいよって言っても、これくらいのアイテムが入るほどたくさん手に入れるのよって言われちゃってさ」

魔王「……戦闘中に使いづらいだろう」

勇者「そのとおり!!!!!」

ブチブチブチブチ!!!!!!!! バリバリバリバリ!!!!!!!!

魔王「……ハッ…ハッ……」

勇者「そして、既に股間に巻きつけているのが戦士から貰ったミサンガだ」

ボロン

魔王「お前勇者やめろwwwwww」

デデーン 魔王 タイキックー

209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:18:18.51 ID:a+I1EmaE0

魔王「しまった……!!」

魔王「し、死ぬ!!これは死ぬ!!」

魔王「ぐ、ぐるな!!ぐるなー!!!!」



バチィイイイイイイイイイイイインンン!!!!


210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:19:14.51 ID:a+I1EmaE0

魔王「……………か……は…………」

勇者「おお、人間なら消し飛んでる威力だな」

魔王「不謹慎ネタ……人としての道を踏み外したことで取れる笑い……勇者のくせに……」

勇者「これが友情パワーだ」

魔王「色紙……魔法瓶……道具袋……」

勇者「仲間には、すべてお前にやられたと告げておく」

魔王「勇者の股間にミサンガを、巻きつける魔王がどこにおるのだ……」

バタリ…


勇者「……勝った。魔王をついに倒した」

勇者「……ふっ。結局最後は、下ネタか」



ピキピキ!!

勇者「不死鳥の卵!」

ビキビキビキ!!!

勇者「孵化する!!」




――――――――――――――――




211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:20:18.10 ID:a+I1EmaE0

――そして――

王様「……おお!あれは!!」

姫「勇者様のおかえりですわ!!」

勇者「ただいま。王様、姫様」

王様「よくぞ無事じゃった!!」

姫「申し訳ございません……アカデミーの招待状が、魔王側の策略だったとは……」

魔法使い「結果オーライですよ。魔王の野望も打ち砕けましたし」

姫「勇者様の肩に乗っているかわいらしい鳥は?」

戦士「新しい仲間だ。勇者に懐いておる」

フシチョ「フシフシ〜♪」

勇者「俺たちが復活できたのも、フシチョのおかげだったんです。笑ってはいけないルールだけは今夜限りで消滅するようです」
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:24:59.10 ID:a+I1EmaE0

姫「勇者様、ちょっとトロフィーをお借りしてもいいですか?」

勇者「どうぞ」

姫「……ふむふむ。やはり記述されていますね」

姫「皆さんが笑った回数を発表します!」

魔法使い「ええ!?」

姫「4位からの発表です。戦士さん。笑った回数10回!」

戦士「全然笑ってないな。まぁ笑わせ役に徹していたからな」

魔法使い「…………」

姫「3位は、勇者様。笑った回数17回」

魔法使い「あんたそんなに笑ってたっけ?」

勇者「魔王が強敵でな……」

姫「2位は僧侶さん。22回」

僧侶「……ということは」

姫「1位、魔法使いさん。26回でした!」

魔法使い「へえー!意外ね!!」

僧侶「ぐす……うぅ…………」

魔法使い「えっ!?別に悔しくないでしょ!?」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/28(火) 18:26:39.61 ID:a+I1EmaE0

姫「皆様本当にお疲れさまでした。しばらくはゆっくり休まれてください」

僧侶「そうですね。賞金で得た50万Gもありますし、魔王討伐による100万Gも加えて贅沢三昧することにします」

王様「ええと……ちょっと急用を思い出した!!」

姫「お父様、約束は約束ですよ」

王様「そしたら経費削減で、お主の部屋も個室の便所になるが?」

姫「ええと……ちょっと急用を思い出しました!!」


アハハハ!!!


デデーン 全員 アウトー





〜fin〜
214 :踏切交差点 ◆uw4OnhNu4k [saga]:2020/04/28(火) 18:28:18.20 ID:a+I1EmaE0

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

突然なんだと思われそうですが、10年ほど前に
一方通行「君の瞳にラストオーダー」
という、禁書を題材にした絶対に笑ってはいけないのSSを書きました。
今でもこのSSを思い出してくれる人をネットでお見かけします。また書いてほしいというコメントを見るたびに本当に嬉しくなると同時に、申し訳なさも感じました。実は何度か書こうとしたのですが、毎回いろいろな壁にぶつかって挫折していました。
面白いものが世に大量に出回っている今更になってですが、10年ぶりに笑ってはいけないのSSを無事に書けてよかったです。
ここ数年は、少し不謹慎な物語を書いていました。ツイッターのプロフィールにリンクを貼っているので、よかったら読んでみてください。
アカウント:
踏切交差点@humikiri5310

最後に笑いどころのないあとがきを残して申し訳ありません。当時の人と1人でも再会できているかわかりませんが、10年来の感謝を伝える場を設けたいという気持ちが強くありました。
今作からお読みいただいた方も、5万字ボリュームの話に付き合ってくださり、本当にありがとうございました。
みなさまのご笑運、お祈りしています!
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/04/28(火) 20:41:42.27 ID:wW3uhlqz0
笑いすぎて家族に変な目で見られた。起訴
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/28(火) 23:14:55.20 ID:hLdmzENjo
最初のノリは好きだったけどすぐにネタ切れして迷走した感あるがとりま乙
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/28(火) 23:18:28.94 ID:yMTLJEzc0
学園辺りからは正直「笑ってはいけない」感なかったのがちょっとね
大会決勝で魔王出てきてお前ここにおるんかい\デデーン/で終わりでも良かった気がする
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/03(日) 15:21:50.73 ID:TCIkMOgmo
嫌いじゃない
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/08(金) 11:35:10.28 ID:f/ucOmgt0
笑ったよ面白かった
ありがとう
小動物もかわいい
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