響「確かに気持ちは分かるのだけれど」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/04/24(金) 20:21:03.82 ID:U3sL0+DQ0
「疲れました。今日は真に疲れましたね。こんなにも疲れたのはいつ以来でしょうか。しかし、これも求められる者の定めと言いますか」

先程から目の前に座る貴音は大袈裟に肩をさすったり、しきりに大きなため息をついたりしているのが、どこかにやにやと薄ら笑いを浮かべながら嘘くさい身振りで何かこちらから声を掛けて欲しそうにしているのである。何かそれが癪に障るので、いや、癪に障るというほど苛立つ云々は全くなくて、むしろそれが面白いから先程から気付かない振りというか、わざと流しているのであるが、依然として疲労がだの気疲れだの何だの分かりやすく呟いているのであった。

「響、わたくしは疲れました」

そうしてしばらく貴音のそれを内心どこかで笑いそうになりながら聞いていたのだけれど、痺れを切らしてというか何というか、名指しされてしまったのでは仕方ないので、返事をうってあげる事にした。

「どうしたのさ、さっきから」

「いえ、本日のお仕事は中々大変でありましたので」

「そっか」

「はい」

そうして、また自分はスマホに視線を戻すのであるが、ぺちと頭に手を置かれたので顔を戻せば、貴音が不満げな顔をしてこちらを見つめているのであった。

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