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【艦これ】提督「墓場島鎮守府?」不知火「その3です」
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110 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:39:34.82 ID:kqphyG/co
萩風「……あ、あのぉ、何の話なんでしょう?」
提督「ん? 気にすんな。それより、そろそろ来るかと思ってんだが」
ドドドドドド…
提督「うん?」
嵐「なんだこの音?」
仁提督「なんだあの土煙は……」
白露「いっちばーん!」ドドドドドド
島風「はっやーい!!」ドドドドドド
白露と島風に手を引っ張られる黒潮「ちょっ、待ちい!! 腕が抜ける! 腕がーー!」グリングリン
電「み、みんな待って欲しいのですーー!」
提督「なにやってんだ、あいつらは……」アタマオサエ
白露&島風「とうちゃーく!!」キキーーッ
黒潮「ぜぇ、ぜぇ……うぷっ、気持ち悪……」オメメグルグル
提督「お前らなあ……連れてくるにももう少し加減ってもんがあるだろうが」
島風「えー!? 黒潮が全速力で、って言ったんだよー?」
111 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:40:32.34 ID:kqphyG/co
白露「いっちばん速く、って言われたんだもの、手を抜くわけにはいかないでしょ?」
提督「だからって黒潮がこれじゃ意味ねえだろが」
黒潮「ほげぇ……」グロッキー
萩風「あ、あの、提督准尉……?」
提督「おう、紹介が遅れたな。こいつらは島風と白露、もと仁提督鎮守府にいた駆逐艦だ」ニヤリ
仁提督「……っ!」
提督「で、知ってると思うがこいつが黒潮だ。もと、保提督鎮守府の、な」ニヤニヤ
仁提督「なにぃ!?」
萩風「……!」
嵐「ってことは……!」
仁提督「准尉! 貴様、言っていい冗談と悪い冗談があるぞ!!」
提督「冗談? 俺は黒潮が沈んだとも埋葬したとも、一言も言ってねえぞ?」
提督「あんたが勝手にそう思い込んで、勝手に勘違いしただけじゃねーか」ニヤリ
仁提督「貴様……どこまで俺たちをコケにすれば……!!」
提督「あん時ゃ俺はあんたを信用してなかったんだ。下手なこと言って黒潮連れ去られて解体になったら元も子もねえからな」
112 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:41:17.55 ID:kqphyG/co
雪風「ほ、本当に……黒潮、お姉ちゃん、なんですか?」
黒潮「……お」
提督「お?」
黒潮「おえええええ……」
雪風「」
萩風「」
嵐「」
仁提督「」
神通「」アタマカカエ
電「」アタマカカエ
提督「おい……白露、島風……!」ユラリ
白露「ご、ごめんなさーい!」ダッ
島風「あっ、白露待って!」ダッ
提督「くそが……あいつら後でお仕置きだ」
113 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:42:03.07 ID:kqphyG/co
電「黒潮ちゃん、しっかりするのです」セナカサスリ
神通「お水です。これで口を漱いでください」スイトウトリダシ
黒潮「お、おおきに……」
神通「まともに食事を摂っていなかったせいで、胃液も出なかったようですね」
電「弱ってるのに無理矢理引っ張られたら、こうなるのも無理はないのです……」
提督「まったく、顔だけでも洗ってこさせろって指示したのに、あいつらのせいで台無しじゃねーか」
嵐「つ、つうか准尉さんよぉ、わざわざ俺たちをここに連れて来なくても良かったんじゃ……!?」
提督「こういう場所だって言う説明を省くのと、まあ、時間潰しだな。女の身支度は時間がかかるだろ」
仁提督「回りくどい真似を……!」
雪風「……お姉、ちゃん、なんですよね……!?」
黒潮「!」
雪風「お姉ちゃああああん!!」ダッ
黒潮「雪風……!!」
萩風「姉さん!」ダッ
嵐「姉貴!」ダッ
黒潮「……ほんまに、来たんや……来てくれたんやな……!」ダキヨセ
114 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:42:47.53 ID:kqphyG/co
仁提督「……」
電「良かったのです……!」ホロリ
神通「ええ……!」
提督「……やれやれ。おい、仁提督」
仁提督「なんだ」
スッ
提督「保提督鎮守府の艦娘と、我が艦隊の黒潮を引き合わせてくれたこと、感謝申し上げる」ケイレイ
仁提督「……ふん。貴様も、礼くらいは言えるんだな……!」ケイレイ
電「あ、あの! 電からも、お礼を言わせて欲しいのです!」ペコッ
神通「仁提督、ありがとうございました」フカブカ
仁提督「……まあ、いい。連れてきて間違いではなかったってことだな」
提督「神通、黒潮を入れて、今回の相手といい勝負できそうなメンバーを選出してくれ」
神通「はい」
提督「それから電、茶と茶菓子と……そうだな、那珂にも一曲披露してもらうか?」
電「はいなのです!」
115 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:43:32.63 ID:kqphyG/co
* その後、演習中 埠頭 *
ドーン
仁提督「……はしゃぎすぎだ。演習とはいえニコニコしすぎだ」
提督「……で? これが終わったらあいつらは解体すんのか?」
仁提督「チッ……そんな気はない。陽炎型にはこれからもしっかり働いてもらう」
提督「どうだか」
仁提督「貴様もいちいち癇に障る男だな……」
提督「へっ、人間なんてそう簡単に根っこは変わらねえよ」
仁提督「それこそどうだかな。良くも悪くも変化のない人間なぞおらん。言うことがころころ変わる奴だって少なくなかろう」
提督「……」
仁提督「なんだその目は」
提督「その理屈だと、あんたも変わったってのか? 随分都合がいいもんだ」
仁提督「……ああ、都合よく思い出しちまったんだよ。初めて雪風に会ったときに、ユキマル……俺が飼ってた犬のことをな」
仁提督「もともと捨て犬だったんだ。人が怖くてしょうがないって目をしててなあ」
仁提督「雪風も同じ目をしてたもんで、不覚にも情がわいた……ってとこだ。会う前にここで話をしていたから猶更だ」
提督「……」
116 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:44:32.18 ID:kqphyG/co
仁提督「だからといって、雪風たち陽炎型だけを贔屓するわけにもいかん。鎮守府に戻ったら、遠征専門だった睦月型も演習に出撃させる」
仁提督「足止めを食らっているのも駆逐艦でないと突破できない北方海域だからな。戦術の見直しに丁度いい」
仁提督「そういう評価を怠って駆逐艦の間で対立が起こっても面白くない。どうもあのくらいの年齢の女児の相手は、苦手だ」
提督「ああ……」
仁提督「それに……そもそも水雷戦隊なんて俺の柄じゃないんだが。あまり気乗りせん」
提督「ふん、駆逐艦舐めてると痛い目見るぞ」
仁提督「そうか?」
ドーン
仁提督「! あいつ……金剛の砲撃を避けたのか?」
提督「ああいう速さってのは、戦艦にはない駆逐艦の強みだよな。回避力ってのは馬鹿にできねえぞ」
提督「被弾が少なきゃ中破も減る、進軍もできるし修理にかかる素材も節約できる」
提督「戦艦並べて長距離高火力で相手に何もさせずに殲滅ってのは確かに安全だが、潤沢な資材が必須条件だ」
提督「懐事情の厳しい俺たちには、これも必要な戦法だと思うが?」
117 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:45:17.07 ID:kqphyG/co
仁提督「……そうだな、考えてやってもいい。だが、俺が一番信頼しているのは戦艦たちだ」
仁提督「俺はあいつらを主力から外すつもりはないぞ」
提督「……ふん、そうかい。そう決めたんなら、それでいいんじゃねえの」
仁提督「ったく……貴様の大和がああでなければ、うちの主力として戦線を切り開いてもらいたかったんだがな」
提督「ま、運良く建造できても、今のあんたの立場じゃあ、活躍させる前にお上に寄越せって言われるかもな」
仁提督「……ぐぬ……」
提督「そろそろ決着がつきそうだな」
仁提督「……」
提督「……」
ドカーン
提督「あ」
仁提督「あ」
118 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:46:02.36 ID:kqphyG/co
* 二時間後 食堂 *
山城「ちょっと提督!? どうして那珂ちゃんのステージが1曲だけなんですか!」
山城「最後に私が被弾して中破したからですか!? ペナルティですか!? ああ、不幸だわ……!!」
提督「あぁ? んなもん関係ねーよ、最初から1曲の予定だったろ。一日前倒しで哨戒任務に出張ってる連中のことを考えろ」
那珂「そーだよー、それに今日の主役は黒潮ちゃんでしょ? ね?」
山城「那珂ちゃん……あなた天使なの?」
那珂「もー、提督さんがそう言ってたでしょー!」
山城「私は聞いてないわ。そもそもこの男がそんなふうに他人を思い遣った台詞を吐くわけないじゃない」
扶桑「山城? 提督は最初から1曲だと仰っていましたよ?」
山城「扶桑お姉様……!」
119 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:46:47.66 ID:kqphyG/co
扶桑「あまり提督を困らせてはいけませんよ。めっ!」
山城「」ズギューン
那珂「そうだよー! 山城ちゃん、めっ! だからね!」
山城「」ズギューン
山城「」
山城「」
山城「尊い……!」ドシャァ
扶桑「山城っ!? なんで倒れるの!?」
那珂「山城ちゃん!? 女の子がしちゃいけない顔してるよ!? 山城ちゃーん!!」
霧島「司令、なんで山城さんが倒れているんですか?」
提督「知らん。それよりどうだった、今回のステージは」
霧島「少人数でも観客がいる状態ですと、音の響き具合も違いますね。それから厨房にも結構響いてましたので、調理にも影響が出そうです」
霧島「厨房に音がいかないように、スピーカーの設置場所を調整したほうが良いかと。この食堂を囲むように設置しても良いかもしれません」
提督「スピーカーを分散させるのか」
霧島「はい。明日の朝に少し調整してみますね」
120 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:47:35.26 ID:kqphyG/co
提督「おう、任せるぜ。それから……」チラッ
霧島「!」
黒潮「雪風、ほんま無事で良かったなあ」ニコニコ
雪風「で、でも……」
黒潮「雪風のせいやないて。なあ」
嵐「けど、姉貴にばっかりつらい思いさせちまって……」
黒潮「そうやって心配してくれてるやんか。みんな同じや」ニコー
萩風「黒潮姉さん……」ウルッ
提督「……まあ、あっちは心配なさそうだな」
霧島「姉妹水入らず、ですね」
提督「で、こっちは……」チラッ
仁提督「なぜだ……なぜお前らはそんなにまともなんだ!?」
長門「そう言われてもな……」
仁金剛「比叡の料理がこんなにおいしいなんて、夢みたいデス……」
121 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:48:17.75 ID:kqphyG/co
比叡「あのう、そちらの私にはちゃんと味見させてますか?」
仁金剛「あ、味見……ッ!?」ズガーン
比叡「そんな衝撃を受けるほどのことなんですか!?」ガビーン
仁提督「比叡もそうだが長門だってそうだ。うちの長門は駆逐艦を見ればだらしない顔をして追いかけ回すし……なんとかならんか!?」
長門「そうだな……一度、駆逐艦を追いかけ回している姿を撮影して、本人に見せてやるのはどうだろうか」
仁提督「むう、それだけで大丈夫だろうか……駆逐艦欠乏症なんて訳の分からんことを言い出しているくらいなんだが」
長門「私個人の体験談だが、ここへ来る前の鎮守府で、強烈な反面教師を目にしているのでな。ビッグセブンとしての自覚を刺激するのも手だ」
長門「それから、欠乏症云々はそちらの長門の詭弁だろうが、それを言わせないためにも、駆逐艦も編成に入れた艦隊運営を考えたほうがいい」
長門「潜水艦がいる海域や、砲撃より雷撃が有効な相手もいる以上、駆逐艦や軽巡の育成をしないのはどうかと思う」
長門「仁提督も見ていただろう、演習の最後に、雪風の雷撃で山城が中破したのを」
仁提督「……あれは単なるラッキーヒットだろう?」
長門「その運を味方にできるのが雪風だ。空母棲姫の騒動は、羅針盤の指示を無視して進軍したイレギュラーな結果だと考えている」
長門「そちらの金剛の砲撃を回避した不知火も陽炎型の駆逐艦だ。金剛も、不知火を駆逐艦と侮ったわけではあるまい?」
仁金剛「イエス、やるからにはテートクに勝利をプレゼントするのが私たちの務めデース」
仁提督「むう……」
122 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:49:02.28 ID:kqphyG/co
提督「……そういや、雪風から本当に羅針盤を無視した結果なのか、確かめてなかったな。きりのいいところで訊いてみるか」
霧島「? 何のお話ですか?」
提督「ああ、そりゃあな……」
タタタタッ
大和「提督! ただいま演習から帰還しました!」ガバーッ
提督「うおっ!?」ダキツカレ
大和「この大和がMVPです! それもこれも提督のおかげです!」ダキシメホオズリ
提督「だっ、だからっていきなり抱き着いてくる奴がいるか!」
金剛「大和ォォ!? 何してるデェェス!!」ウガーッ
如月「金剛さんが変な前例作ったからでしょ!?」
那珂「ちょっ、大和さん、こんなみんながいるところでそんなことまでしちゃダメだよぉぉ!?」
ギャーギャー
仁提督「なんというか……あんな大和は初めて見たぞ。准尉のあの性格でなぜあそこまで慕われてるのか、いまいち解せんが」
仁金剛「ノープロブレム! テートクには私がいマース!」
仁提督「そういう意味じゃなくてだな……」
123 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:49:47.73 ID:kqphyG/co
長門「どうかしたのか?」
仁提督「あれだけ大和に好かれているのに、准尉は嬉しそうにしてないなと思ってな」
仁提督「見返りを求めないにしても、艦娘を大事にしている以上、艦娘に好かれるのを嫌がらなくても良いだろうと思うんだが」
長門「あの男の望みは、人間がいなくても艦娘が生活できる環境だ。あの男は、自分も含めて人間が不要な世界を作りたがっている」
長門「だから我々に好かれては困る、というのがあの男のスタンスだ」
仁金剛「オゥ……」
仁提督「理由はどうあれ、お前たちに依存したくないしさせたくもない、というわけか……」ウデグミ
仁金剛「……うちのテートク、この頃少し変デース。以前この島に来た時から、考え込む時間が増えてマス」
仁提督「准尉の姿勢に思うところがあってな」
仁金剛「と、言いマスと?」
仁提督「……提督業に就く者は艦娘と一定の距離を保つべき、と言われている。なぜだと思う?」
仁提督「准尉にも言ったが、艦娘を兵器、もしくは備品と見なしているからだ」
長門「……」
仁提督「金属や燃料を素材にドックで建造され、解体すれば資材が残る。艦娘とは何者か? 艦娘でさえも正確に答えられる者はいない」
仁提督「俺もお前たちを人であるなどとは言えん。准尉のように、人と同じように艦娘と接していたのでは、いつか狂ってしまいかねないからな」
比叡「狂うって、そんな……!」
124 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:50:32.47 ID:kqphyG/co
仁提督「考えてもみろ、仮に今日艦隊の誰かが沈んで、翌日同じ艦娘が建造されたらどう思う?」
仁提督「死んだはずの人間が、同じ姿かたちで別人として蘇るんだ。まともに考えて頭が受け付けられるとは思えん」
仁提督「実際に、艦娘に入れ込むあまり骨抜きにされた者もいれば、沈んだ艦娘の後を追う者もいた」
仁提督「特定の艦娘を殺して飾ったという狂気じみた事件も、その艦娘に入れ込んだがためだ」
長門「……」
仁提督「艦娘は人と思わず道具と思え、という話も、そういう意味では正しいことになる」
仁提督「俺も現在進行形で艦娘との接し方についていろいろ考えさせられたが、今の俺には准尉と同じように接することはできん」
仁金剛「……それはちょっと残念デス」
仁提督「しかし、この島はそうじゃない。轟沈してこの島に流れ着いた艦娘たちも、深海棲艦になることもなく准尉と暮らしている」
仁提督「もしも、准尉がこの鎮守府の運営に成功し、誰しもが納得する成果をあげられたのなら……」
比叡「あげられたのなら……?」
仁提督「……いや、その先は言えんな。無責任なことは言えん」
比叡「そんなあ! 思わせぶりなことを言っておいて、その先を言わないほうが無責任ですよぉ!」
仁提督「あるかどうかもわからない希望をちらつかせる方が無責任だろう」
仁提督「むしろ、提督の望む道が艦娘だけの世界だとしたら、逆に本営には危険視されるかもしれん」
長門「謀反の可能性を恐れている、と?」
125 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:51:47.64 ID:kqphyG/co
仁提督「そうだ。そう考えれば准尉のこれからを心配したほうがいい」
提督「心配しなくても別にいいけどな、俺は」ズイッ
仁提督「うお!?」ビクッ
提督「むしろ外から関わってもらわねー方がいろいろと楽だぜ?」
仁金剛「そういうものデスカ……」タラリ
仁提督「残念だがそうはいかんだろう。良くも悪くも、ここはそれなりに有名だからな」
提督「みたいだな……変な噂もたつし、どうにかなんねーのかよ、くそっ」
仁提督「諦めろ。それから、黒潮の解体命令自体はまだ取り消されていないぞ」
提督「……保提督がどうなったかの続報も出てねえし、そっちも継続中ってか」
仁提督「本当なら俺たちも、雪風たちに一回だけ墓参りのつもりで来たんだが……黒潮が生きてるんなら話は別だ」
仁提督「しばらく、貴様たちとは演習なりなんなり理由を付けて顔を突き合わせなければならんようだな」ガクッ
仁金剛「ちょっ、テートク!? そこは演技でも嬉しそうにするデース!」
仁提督「金剛お前なあ、この島に来るたびこいつと毎回顔を合わせるんだぞ!? 俺の胃のほうがストレスで保たんわ!!」
長門「ああ……」ナットク
126 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:53:49.98 ID:kqphyG/co
仁金剛「テートク、ご本人の前でそういうことを言うのは失礼だと思いマス……」
仁提督「ふん、こいつにそんな気遣いはいらん!」
提督「まあ俺も気にしてねえ。それはそれとしてだ、仁提督」
仁提督「なんだ」
提督「俺としても、あんたたちがこの島に来るのはお勧めしねえ。演習にしても、月に1回あるかないかくらいでいい」
仁提督「……貴様からそういう提案がくるとはな」
提督「ぶっちゃければもう来るな、と言いたいところなんだが、黒潮や雪風のことを考えるとそうもいかねえ」
提督「ただ、来てもらうにしても頻度が高いと怪しまれる。つかず離れず……若干離れ気味が望ましいな」
提督「うちと交流があるってだけで、本営はいい顔しねえしよ。中佐なんかにも目を付けられたかねえだろ」
仁提督「まあな」
仁金剛「ンー、中佐もさることながら、秘書艦の赤城も曲者と言われてマスヨー」
比叡「そうなんですか?」
仁金剛「あの会見を録画で見せてもらいましたが、眉一つ動かさずにあの啖呵デシタ。中佐と比較されて話題になったみたいデス」
仁提督「確かに、本営でも『冷徹』だの『鉄面皮』だの『鉄仮面』だの……どこぞの女性宰相のように『鉄の女』なんて宣う奴もいたな」
仁提督「そのせいで、一部からは『鉄の赤城』なんて呼ばれ方をしているらしい」
提督「……チッ」
長門「確かに表面上はそうかもしれないが……」
比叡「そういう言われ方はおもしろくないですねえ」
仁提督「……なるほど。中佐に忠誠を誓ってあの性格になったのかと思ったが……」
仁提督「お前たちがそういう評価をされるということは、少なくともお前たちには良くしてくれているということか」
仁金剛「ヘイ比叡? 失礼デスけど、准尉はどうしてこの島に着任したんデスカ?」
比叡「それはですねえ……」
127 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:55:17.74 ID:kqphyG/co
* 夕刻 執務室 *
提督「ふー……珍しく時間かかっちまったな」
大淀「お疲れ様です。今日は大変でしたね」
提督「あいつら、ぎりぎりまで居座ってたからな。もてなすこっちの身にもなりやがれってんだ」
提督「……だがまあ、黒潮も落ち着いたようで何よりだ。まさか仁提督に借りを作ることになるなんて思ってもいなかったがな」
大淀「提督。雪風さんは、やはり羅針盤を無視した航路を取っていたんでしょうか」
提督「そうみたいだな。つうか、そもそも見てなかったらしいが」
提督「黒潮を探すときに『絶対に大丈夫』とか言ってたのが、空母棲姫の逆鱗に触れたらしいな。私たちが不運だから沈んだのか、って解釈されて」
提督「ここまで行くと単なる逆恨みだ。だが、それだけに深海棲艦が憎悪や無念によって生まれた存在、っつうのも、あながち嘘じゃないみたいだな」
提督「とにかく、こんなこともう起きて欲しくはないもんだ。……さてと、大淀、残ってる書類あるか?」
大淀「あとはこちらだけです。サインだけいただければ良い状態にしています」
提督「おう、ありがとな」
ゴトン
大淀「あ」
ゴトン
提督「……また駄目だったのかよ」
128 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/04(木) 22:56:20.08 ID:kqphyG/co
島風「もう無理〜〜!」
白露「こんなに長い時間じっとしてられないよー!」
提督「何が難しいんだよ、こんなの。直立して頭に本を載せて5分間落とさないようにするだけだぞ」
提督「俺も大淀も、哨戒任務から戻ったばかりの暁や五月雨も楽勝だったんだぞ?」
大淀「落としたら再チャレンジということでしたが、あれから1時間は経っていますね」
提督「どんだけ落ち着きがねえんだよ、お前らは」ハァ…
大淀「そこへいくと暁さんはすごかったですね。頭に本を載せて歩いても全然落としませんでしたから」
提督「あいつ、社交界マナーの本なんか買ってたからな。ある意味誰よりも大人びてるぞ」
コソッ
大淀「あっ」
島風「一時間たったからいいでしょ!?」ダッ
白露「もうご飯の時間だよ!!」ダッ
ドドドドドド…
提督「……」
大淀「て、提督、よろしいんですか?」
提督「もういいや、面倒臭え」ハァ
129 :
◆EyREdFoqVQ
[saga]:2020/06/04(木) 22:57:11.44 ID:kqphyG/co
というわけで今回はここまで。
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/07(日) 01:12:57.33 ID:urJeDWby0
今回も面白かったです!
続きをのんびり待ってます!
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/06/07(日) 12:36:23.82 ID:dYcRIYuKO
更新ありがとうございます!
次回も楽しみにしています!
132 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:27:43.61 ID:80gS1WPZo
それでは続きです。
133 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:28:35.26 ID:80gS1WPZo
* 数日後のある日の朝 提督の寝室 *
目覚まし時計<マルゴーフタフター
提督「……んむ……」パチ
提督にくっついて寝てる全裸の伊8「……」スヤスヤ
提督「!?」ビク
伊8「……ん……」モゾ
提督「……」
伊8「ふ、ふあぁ……提督? Guten Morgen」ゴシゴシ
提督「……おい」
伊8「?」
提督「お前、なんで裸なんだ」
伊8「……ああ」スッポンポン
提督「ああ、じゃねえよ。今頃気付いたような言い方すんな」Tシャツヌイデ
提督「とりあえずこれ着とけ、俺に目の毒だ」ポイ
伊8「オゥ、Danke」キャッチ
134 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:30:04.70 ID:80gS1WPZo
提督「で、服はどうした」
伊8「はっちゃん、普段寝るときはいつもこうですよ?」モソモソ
提督「……」
伊8「ここに来るときは遠慮してましたけど、やっぱり脱いだ方がきつくないし」
伊8「水着って、ちょっと窮屈なんです」
提督「あーあー、わかったわかった。ったくよぉ……」
伊8(……性行為のトラウマはまだ治ってないみたい)ウーン
伊8(でも、以前よりは、拒否反応が和らいでるかな……)
伊8(とにかく、この調子でゆっくり押しかけ続ければ、提督のアレも良くなってくれるはず……)
伊8(焦らずじっくりカウンセリングすれば……いつか手を出してくれるはず!)キラリッ
提督「!?」ゾクゾクッ
135 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:31:11.22 ID:80gS1WPZo
* 執務室 *
提督「……はぁ……」
陸奥「珍しいわね、提督がため息なんて」
大淀「どうかしましたか?」
提督「一応な、俺が寝るときは、部屋に鍵かけて寝てんだよ」
大淀「はい」
陸奥「それがどうかしたの?」
提督「なのに、なんで毎回、誰かが隣で寝てるんだ? いい加減どうにかなんねーのかな、って思ってよ」
陸奥「え、えええ!?」
大淀「っ……そ、そうなんですか!?」アセアセ
提督「そうなんだよ」
大淀(リアクション、ちょっとわざとらしかったかしら……)
陸奥「鍵はかけてるのよね? 壊されてるってこと?」
提督「いや、壊されちゃいねーけどよ……何故か開いてんだ。やっぱり、俺の部屋のベッドだけがいいのがまずいのかね」
大淀「そ、それは違いますよ!?」
提督「違うのか?」
136 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:32:04.45 ID:80gS1WPZo
大淀「勿論です! 提督と一緒にいたいからに決まってます!」
陸奥「!」
提督「……」
大淀「……」
提督「……」プイ
大淀(あれ? 提督、赤くなってる?)
提督「あまり俺に懐かれても困るんだがな。鍵、意味ねーのかな」アタマガリガリ
陸奥「隣に寝てる以外に被害がないのなら、やめてしまっても同じよね?」
提督「かもなあ……」
大淀(提督も恥ずかしがることがあるんですね……)ウーン
提督「仕方ねえ……それと大淀も、あまり小っ恥ずかしい台詞、言うんじゃねえよ」
大淀「へ……?」オモイダシテ
大淀(うわーーーー!? 何言ってるの私ーーー!?)カオマッカ
提督「?」
陸奥「……提督って、本当に恋愛事に疎いのね……」
提督「しみじみ言うなよ……」
137 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:32:49.48 ID:80gS1WPZo
* 翌日の朝 如月の部屋 *
如月「司令官の部屋の鍵が開いてた?」
朝潮「はい。昨晩、朝潮が司令官のお部屋にお邪魔した時、ノックをしてから鍵を開ける音がしませんでした」
朝潮「約束では、夜に司令官のお部屋に入るときは、ノックをして妖精さんに鍵を開けてもらうことにしていたはずですが」
朝潮「ノックしてから鍵を開ける音がしなかったので、どういうことかとドアを開けてみたら、開いてしまったんです」
如月「……どういうことかしら……ねえ朝潮ちゃん? このお話、他の人にはしてないの?」
朝潮「まだしていません。司令官のお部屋のお泊りルール発案メンバーのうち、任務がないのは私たちだけですから」
如月「そ、そう……そういうところ、朝潮ちゃんって本当に真面目ね……」
朝潮「はい! 司令官からもお褒めの言葉をいただいていますから!」ドヤッ
如月「……と、とにかく、私の方から司令官に何があったか聞いてみるわ」
朝潮「朝潮も一緒に行きましょうか?」
如月「え、えーっと、変に勘繰られたりするといけないから、私一人で行ってみるわね」
朝潮「そうですか……わかりました」
如月(朝潮ちゃん、妖精さんのことも正直に喋っちゃいそうで怖いのよね……)
138 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:33:34.83 ID:80gS1WPZo
* 昼下がり 執務室 *
扉< コンコン
如月「司令官、お仕事中お邪魔しますね?」ガチャ
提督「ん? 如月か、どうした?」
如月「ちょっとお断りを入れておこうかと思って」ウフフッ
大淀「お断り……?」
那珂「何の話?」(←今日の秘書艦)
如月「今夜、司令官のお部屋にお邪魔しますね?」ニッコリ
大淀「き、如月さんっ!?」ガタッ
那珂「えっ? えっ? 何!?」
提督「もしかして……寝に来るってのか?」
如月「ええ、そうよ?」
那珂「んななな、何言ってるのぉぉ!?」ガタガタッ
提督「……まー、いいけどよ」
如月「!」
大淀「!?」
那珂「提督さんっ!? いいけどっていいの!? よくなくないの!?」ギョッ
139 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:34:19.56 ID:80gS1WPZo
提督「いや、本当に今更だぞ。これまでほぼ毎晩、目が覚めると誰かしらが隣で寝てんだぞ? 鍵をかけても一度も役に立ったことがねえ」
提督「だからもういいや、どうせ無駄な抵抗ってやつだ。俺の部屋に入るのは構わねーから、寝る邪魔だけはしないでくれ」
如月「……!」
那珂「!?!?!?」アングリ
大淀「よ、よろしいのですか……!?」
提督「俺の安眠妨害さえなけりゃあな。川内の件で寝るのを邪魔されるつらさはわかってんだろ?」
如月「うふふふっ、それは勿論よ。迷惑にならないようにするわ」ニコニコ
如月「それじゃ、また夜にねっ」ウキウキ
扉< チャッ パタン
提督「……やれやれ」フー
那珂「ちょっと提督さん!? 今の話、那珂ちゃん初めて聞いたんですけどっ!?」
提督「俺も面と向かって部屋に行くなんて宣言されたのは初めてだよ」
大淀「……」
那珂「い、いくら提督さんが手を出すことがないからって、お、おおお男の人のお部屋っていうか、お布団に一緒だなんてっ!」カオマッカ
140 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:35:04.46 ID:80gS1WPZo
提督「俺もそう思って部屋の鍵をかけてんだけどなあ……」
大淀「……部屋に入るのが構わない……」ブツブツ
那珂「よ、よ、良くないよね! お、大淀ちゃん、そういうのって駄目じゃないの!?」
大淀「へっ!? えっ、あ、そうですね!? それはしょうがないですね!?」
那珂「大淀ちゃん話聞いてた!?」ガビーン
提督「まあ、程度として如月はまだいいんだ。朝潮とか、電あたりも一人寝が寂しいからっつう感じだし……」
提督「どっちかっつうと大和とか金剛とか押しも力も強すぎる連中の方がちょっとな。はっちゃんも何考えてるかわかんねえ」ハァ
那珂「……え、えーっと、この島のみんなのモラルっていうか、道徳観ってどうなの?」
大淀「その辺りは、この島に来た皆さんの事情を考えると、無理もないかと思いますよ。提督に文字通り命を助けられた艦娘も多いですし」
那珂「あ……! そ、そっか……如月ちゃん、すごい傷だったもんね」
那珂「で、でもでもぉ! やっぱり良くないよ! 節度っていうか、うまく言えないけど、なんだかすごく、不健全だよ……!」
大淀「……そうですね、不健全だと思います。憲兵さんがいないことも、この事態に拍車をかけていると思います」
大淀「だからと言って、提督とのスキンシップを制限するのも、私は上策とは思いません」
那珂「な、なんで!?」
141 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:35:49.45 ID:80gS1WPZo
大淀「提督は、この鎮守府の艦娘に対しては、一線を越えない限りは、できる限り好き勝手出来るよう配慮されています」
大淀「提督ご自身が望む望まないに関わらず、提督と一緒にいたいと艦娘が望むならば無碍にはできない、と、提督はお考えなのでは?」
提督「まあ、な……つっても、ここんとこ俺が甘いせいで、どんどん俺の防壁削られてんだけどな」アタマガリガリ
大淀「それを踏まえて、私個人の推測でしかありませんが……」
大淀「提督が私たちに好きにさせているからこそ、轟沈を経験した艦娘が深海棲艦になっていないのではないかと考えているのですが」
提督「……」
那珂「……!」
大淀「提督は、お考えにはなったことはございませんか」
提督「正直、深く考えてなかったな。山雲んときくらいか、やべえなって思ったのは」
提督「ル級みたいなやつもいるから、深海棲艦になってもなんとかなるか、って高を括ってたのもある」
大淀「提督も許容できるのでしたら、私は現状維持が望ましいかと」
提督「あんまり許容したくねーけどな。それに、普通は那珂みたいな反応の方がまともだと思うんだがなあ」
那珂「……提督さんは、結婚願望ないんだよね?」
提督「ああ。それに、那珂も俺の体のことは知ってんだろ?」
那珂「うん……みんなにもその話はしたんだよね」
大淀「それでも、提督が好きな人たちには関係ないでしょうから。変に止めようとしても、どうなることか……」
那珂「あうう、確かに如月ちゃんも、提督さんのことになるとすっごい迫力になるし……」
大淀「如月さんもそうですが、金剛さんや大和さんが素直に応じると思います?」
那珂「……難しそうだねー……」ウーン
142 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:36:34.75 ID:80gS1WPZo
* 一方、ドアの外 *
如月「うふふっ」ルンルン
朝潮「……!」タタッ
如月「! 朝潮ちゃん!」
朝潮「如月さん! どうでしたか!?」
如月「司令官、鍵をかけるのやめたみたいよ?」
朝潮「本当ですか!?」パァッ
朝潮「やっと司令官が私たちに心を開いてくださったんですね!」
朝潮「……あ、でも」
如月「? なあに?」
朝潮「これまで私たちは、司令官のお部屋の鍵を妖精さんに開けていただいていました」
朝潮「でも、用がなくなったからお礼を渡すのも終わりというのも不義理なのでは……」
如月「朝潮ちゃん、私たちは妖精さんと契約していたのよ? お部屋の鍵を開けてもらう代わりに、資材を渡していたの」
如月「それを、契約が切れたのに資材を渡し続けていたんじゃ、これまで渡していた資材はなんだったのか、わからなくなっちゃうわ」
143 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:37:20.05 ID:80gS1WPZo
朝潮「そ、そうですね……! 理由がないのに渡していては、賄賂も同然です」ソワソワ
如月「……朝潮ちゃん?」
朝潮「す、すみません、司令官が私たちを受け入れてくれたことが嬉しくて、妖精さんたちにどのように喜びを伝えたら良いか……!」
如月「……そういうことなら」ダキヨセ
朝潮「!!」ダキヨセラレ
如月「こうやって、幸せを分かち合うといいと思うわ」
朝潮「……!」
朝潮「な、なるほど……! 如月さん、ありがとうございます!」ギュ
龍驤「演習から戻ったで〜……って、何しとん?」
朝潮「あっ! 龍驤さんおかえりなさい!!」ダッシュアンドダキツキー
龍驤「な、なんやなんや!? えらい熱烈な歓迎やな!」ギュー
霞「ちょっ、何やってんのよ!?」
朝潮「霞もです!」ダキツキー
霞「へっ!? ちょ、えええ!?」ドギマギ
144 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:38:04.45 ID:80gS1WPZo
朝潮「吹雪さんっ!」ダキツキー
吹雪「えっ!? わわ、私にも来るの!?」ギュー
朝潮「川内さんっ!」ダキツキー
川内「よーしよし、何があったか知らないけど元気だねー!」
朝潮「陸奥さんっ!」ダキツキー
陸奥「あら、あらあらあら」ウフフ
朝潮「雲龍さんっ!」ダッ
雲龍「うん、おいで」
朝潮「もぶっ!?」ボユン(←抱き着こうとした雲龍の胸に顔面直撃)
雲龍「あ」
朝潮「はぶあ!?」ゴロズデーン(←そのまま跳ね返って転倒)
吹雪「朝潮ちゃん!?」
陸奥「ちょっと、大丈夫!?」
最上「? なんだか騒がしいね」
三隈「何があったんでしょう?」
145 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/06/28(日) 16:39:04.80 ID:80gS1WPZo
川内「えっとねー、朝潮が雲龍のおっぱいにはねられたの」
三隈「くまりんこーー!?」
吹雪「ち、違いますよ! 雲龍さんのおっぱいバリアーに朝潮ちゃんが突っ込んで弾き飛ばされたんです!」
三隈「くまああああーーーー!?」
最上「三隈落ち着いて!?」
雲龍「その、ごめんなさい……」シュン
龍驤「雲龍は悪うないから。事故や、事故」ナデナデ
朝潮「」タオレタママボーゼン
如月「あ、朝潮ちゃん!? 大丈夫!?」ダキオコシ
霞「しっかりして!?」
朝潮「き、如月さん……霞……!」
朝潮「い……異次元です……! 朝潮は次元の違う壁に阻まれてしまいました……!!」
霞「……うん、異次元なのはよくわかってるつもりだけど」
如月「……朝潮ちゃんが言うと深刻さが増すわね」
朝潮「そう、あれはまさしく脅威……脅威そのものです……!!」ワナワナ
如月「うん、確かにあれは胸囲だけど……」
霞「ギャグのつもりで言ってるわけがないわね」
146 :
◆EyREdFoqVQ
[saga]:2020/06/28(日) 16:39:49.56 ID:80gS1WPZo
今回はここまーで。
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/06/29(月) 09:45:23.64 ID:ivSCvRT6o
『おっぱいにはねられた』
なんとも酷いワードだww
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/07/05(日) 03:24:55.04 ID:Sx82VRfU0
更新のんびり待ってます。
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/08/17(月) 00:53:03.35 ID:IHuDNWy0O
のんびりし過ぎや!まってるぞ
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/08/25(火) 22:26:12.43 ID:ADCihHJG0
更新楽しみに待ってるで!
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/04(金) 07:46:50.64 ID:QYSGxwMR0
ほしゅ
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/03(土) 04:19:28.93 ID:I3Bnb4hS0
保守
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/22(木) 21:19:04.73 ID:OWpF7skH0
ほしゅ
154 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:38:40.10 ID:WDLDojOoo
長らくお待たせしてすみません。
少しだけ続きです。
155 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:39:31.02 ID:WDLDojOoo
* 夜 提督の寝室 *
コンコン
提督「……如月か?」
如月「はい、失礼しますね?」チャッ
提督「今日はもうシャワー浴びて寝るだけなんだが……用はなんだ?」
如月「一緒にお休みしようと思って」
提督「はー……で、その紙袋はなんだ」
如月「うふふ……これよ。司令官のためのパジャマ!」ガサッ
提督「……」
如月「どんな柄が好きなのかわからなかったけど、機能優先の司令官なら、こういうシンプルなデザインの方が好みだと思って」ニコー
提督「……」
如月「どうしたの?」
提督「いや……ちょっと拍子抜けしただけだ。パジャマは予想外だった」
如月「もう、司令官ったら、私のことをどういうふうに思ってるの?」プー
提督「どうって、普通じゃねえだろ。男の寝室に入るのも寝床に忍び込むのも」
156 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:40:15.73 ID:WDLDojOoo
如月「如月は、司令官と普通の関係じゃ満足できないんです。わかるでしょう?」ニコー
提督「この前、頭掴まれたときもそんなこと言ってやがったな。ったく……我ながらいろいろ緩んじまってて良くねえな」
如月「個人的には、もっと緩んでもらった方が嬉しいんですけれど?」
提督「そもそも俺に依存しないように好き勝手させてんのに、なんで俺に絡んでくるんだよ……」
如月「何度も言ってるけれど、助けてもらったらお礼をしたい、助けてくれた相手に幸せになってほしいと思うのは普通でしょう?」
如月「司令官はご自身の幸せを拒否しようとしてるけれど、それが嫌だと思うのは私だけじゃないのよ?」
提督「……」
如月「また吹雪ちゃんに泣いてもらわないとわからないのかしら」ハァ
提督「わかった、わかったから。誰が泣いても困るからやめてくれ」
如月「本当にわかってます?」プー
提督「とりあえずシャワー浴びさせてくれ。俺の寝る邪魔はしない約束だろ」
如月「ええ、でも、その前に……」ズイ
提督「……」
如月「私が先に浴びてきてもいいわよね?」
提督「……ああ、そういう話なら、構わない」
如月「どういう話なら駄目だったのかしら?」ニコー
提督「……いい加減、意地悪は勘弁してくれよ」ハァ…
157 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:41:00.88 ID:WDLDojOoo
* *
提督「……」
提督「なんか、駄目だな。ますます逃げ道封鎖されてんじゃねーか、俺」
提督「俺ってこんなに要領悪かったか?」
提督「……」
提督「本当に、どうしたらいいんだろうな」
提督「どいつもこいつも、艦娘を自分の都合のいいように扱ってきて……」
提督「それが許せなくて、俺はあいつらに好きなことをさせようと思って……」
提督「あいつらをこんな島に封じ込めたんだ、不自由を強いてるはずなんだ……」
提督「……くそ、わけわかんなくなってきた」
提督「こういう時は決まって妖精も姿をくらますしな……」キョロ
提督「……」
シャワー室の扉<チャッ
如月(バスタオル姿)「司令官?」
提督「!」
158 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:42:01.28 ID:WDLDojOoo
如月「どうかしたの?」
提督「別にどうもしてねえよ。それより服を着ろ」
如月「ええ、そのつもりだけど、その前に……司令官、見て……!」シュル…
提督「お、おい!?」
如月「もう、慌てないで。私の体の傷、前よりずっと良くなったでしょう?」
提督「……まあ、そうだな。以前よりは、少しマシになった……」ハァ
如月「司令官?」
提督「……早く服を着ろ。風邪引くぞ」セナカムケテ
如月「はーい」イソイソ
如月「……」チラッ
提督「はぁ……」
如月(司令官、少し顔が赤くなってたわよね)
如月(少しは意識してくれているのかしら……)
159 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:42:45.98 ID:WDLDojOoo
* *
(ドライヤーで髪を乾かす如月)
提督「風呂、上がったぞ」ガチャ
如月「あっ、パジャマ、着てくれたのね」パァ
提督「馴染みがねえから変な感じだけどな」
如月「うふふ、似合ってるわ」ニコニコ
提督「そうか? ……なんか、如月が着てるのとデザイン似てるな」
如月「パジャマの種類があまり選べなかったから」
提督「そうか……」
如月「……嫌だった?」
提督「そんなことはねえよ。こういうことに気を使われることに慣れてねえだけだ」
如月「そう? うふふ」
如月(……司令官とお揃い……司令官とお揃いッ!!)ガッツポーズ
提督「?」
160 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:43:30.39 ID:WDLDojOoo
如月「そうだわ、ねえ司令官、ここに座って? 髪を乾かしてあげるから」ドライヤートリダシ
提督「大丈夫だ、俺の髪は短えからすぐ乾く」
如月「もう、駄目よ? 髪が濡れたまま寝ると、頭も枕もむれて臭いが残ったりするんだから」
提督「……そうなのか?」
如月「そうよ? 司令官もにおうのは嫌でしょ? だからこちらへどうぞ?」
提督「ん……」チャクセキ
如月「うふふっ」
ドライヤー<ブォーーー
提督「……」
如月「司令官、熱くない?」シュッシュッ
提督「ああ……」
如月「? どうしたの?」
提督「そんなふうに、髪の毛……つうか、頭を触られた記憶がねーな、と思ってな……」
如月「そ、そうなの?」
161 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:44:15.81 ID:WDLDojOoo
提督「古鷹が来たばっかりのとき、仕事終わらせたら抱き着かれて撫でられたときくらいか……」
如月「ふ、ふ〜ん……古鷹さん、そんなことしてたの……」
提督「……ああ……」
如月(司令官って髪を短くしてるから、すぐ乾いちゃうわね。もう少し触っていたかったのに、残念)シュッシュッ
如月「……」
提督「くぁ……」
如月「司令官?」
提督「……」ウトウト
如月「……」
提督「……」カクン
如月「! し、司令官、大丈夫?」
提督「ん……あ、ああ」
如月「ドライヤーをかけてる最中に寝ちゃうんだもの、疲れてたのかしら」
提督「……」ポヤー
162 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:45:06.02 ID:WDLDojOoo
如月「司令官、疲れてるなら早くお休みしましょ?」ポンポン
提督「ん……」モゾモゾ
如月(なんだか妙に素直ね……寝惚けてるからかしら)
如月「司令官、大丈夫? 明かり、消したほうがいい?」
提督「んー……頼む……」ムニャムニャ ゴロン
如月「ね、ねえ、本当に大丈夫?」ナデ
提督「……んん……」
如月(なんだか、今まで見たことがないくらい無防備ね……)ナデナデ
提督「……頭、撫でられんのも、いいもんだな……」ボソッ
如月「……」
提督「……」スー
如月「……司令官?」ユサ
提督「……」
如月「本当に疲れてたのかしら」
如月「明かりを消して……」
パチン
163 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:45:45.97 ID:WDLDojOoo
如月(……)ジッ
如月(司令官、なんだかいつもより寝顔が安らかね……)モソモソ
如月(パジャマが良かったのかしら)ナデ
グイ
如月「きゃっ!?」ダキヨセラレ
如月「し……司令官……!?」ドキドキ
提督「……」スヤー
如月「も、もう……寝惚けてるのかしら。おいたは駄目よ?」ナデナデ
提督「……ん……」
如月「……!」
如月(もしかして司令官、頭を撫でられるのが好きなのかしら……!?)
提督「……」スヤー
如月(きっとそうだわ……司令官が誰かに褒められたって話、聞いたこともなかったんだもの)
如月(もしかしたら、頭を撫でてもらったこともなかったんじゃ……)
如月「……」
如月「ねえ、司令官」ヒソッ
164 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:46:30.57 ID:WDLDojOoo
如月「如月は、司令官が頑張ってること……私たちのことを大事にしてくださってること、ちゃあんとわかってますから……ね?」ナデナデ
提督「ん……」
提督(……頭を優しく撫でられるなんて、今までなかったな……)
提督(……こんなに気持ちいいとは、思わなかった)
提督(……誰かに甘えるなんて俺のガラじゃねえが……)
提督(ぼんやりして……まあ、いいか……今くらい、は……)
提督「……」スヤ…
如月(なんだか、少し笑ってる気がするわ……)
如月「……司令官、おやすみなさい」
チュ
如月「……」
如月(……なんとなくでキスしちゃったけど……なんでかしら、とっても恥ずかしい……)ポ
如月(これまで何回もこっそりしてきたはずなのに……やだ、ドキドキしちゃう)モジモジ
如月(司令官……!!)ギュゥ
提督「……」スー…
165 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:47:15.92 ID:WDLDojOoo
* 翌朝 *
目覚まし時計<チリリリリリン
提督「……むあ?」
目覚まし時計<マルゴーサンマルデアリマス!
提督(……珍しく、目覚まし鳴るまで寝てたのか)
目覚まし時計<チョウヒサシブリニナッタヨ!
提督(なんだかいつもよりよく眠れた気がするな……!?)
如月「……」スヤー
提督「……」
提督(俺、如月と抱き合って寝てたのか? 手を出してねえよな?)
如月「……うん……?」モゾ
提督「!」
如月「あ……お、おはようございます……」ポ
提督「……」
166 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:48:15.59 ID:WDLDojOoo
如月「し、司令官どうしたの……!?」
提督「如月……俺はお前になにをした?」ヒヤアセ
如月「え? な、なにも……っていうか、抱き寄せられたくらいだけど……」モジモジ
提督「……」
如月「そうね……それだけだわ。もっとダイタンなこと、してくださっても良かったんですけど?」チラッ
提督「本当だな?」
如月「え、ええ、そうよ?」
提督「……っはぁぁぁぁ……! 抱き着いただけか……嫌な汗かいたぜ」
如月「ちょっと司令官? 手を出さなかったことを安堵しちゃうなんて、如月が嫌われてるみたいでちょっと傷ついちゃうわ?」
提督「俺は前からお前に限らずそういう関係になるのは控えるって言ってんだろ。それにお前のことも嫌いじゃあねえから安心しろ」
提督「その話は別にしても、好きかどうかも自分でわかってねえのに、無意識に一線越えるわけにはいかねーだろが」
如月「そんなの抑えなくてもいいのに……ほんと、素直じゃないんだから」
提督「そんなもん素直とか言えるもんかよ。寝惚けて襲ったとか外道でしかねえよ」
167 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:49:02.55 ID:WDLDojOoo
如月「司令官からなら、如月は喜んでお受けしますわ?」
提督「阿呆。やらねえって言ってんだろ」
如月「そういうとこ、司令官は本当に頑固よね。臆病なのかしら、いくじなし」
提督「煽んじゃねえよ、わかってるくせに……お前も懲りねえな」
如月「ところで司令官? パジャマの着心地はどうだった?」
提督「ん? ああ……そんなに悪くねえかな。寝苦しくもなかったし、眠れたことは眠れたしな」
如月「そう? それなら良かったわ」パァ
如月「あ、着替えたらパジャマは私が選択するから、ベッドの上に置いておいてくださいね?」
提督「洗濯くらい自分でするぞ?」
如月「私が持ってきたんだもの、このくらいお世話させて?」ニコー
提督「……そういうもんか?」
提督(そういや、あの時はっちゃんに着せた俺のTシャツ、どこにやったっけ?)
* 同時刻 伊8の寝室 *
提督のTシャツを抱いて裸で眠る伊8「すぴー……」
168 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/10/28(水) 23:49:45.97 ID:WDLDojOoo
* その後 執務室 *
霞「……」
提督「ん? どうした」
霞「……あんた、いつもより顔色いいみたいけど、なにかあったの?」
提督「」
霞「……な、な、なによ、その反応は……!!」
提督「み、認めたくねえ……っ!」ガクーッ
霞「ど、どど、どういう意味よそれぇぇ!?」
妖精(多分、如月に抱き着いて寝たのが癒しの効果があったからだと思うんだけど……)
妖精(提督的には、思い当たる節はあるけど受け入れたくない、って感じかなあ)
169 :
◆EyREdFoqVQ
[saga]:2020/10/28(水) 23:50:46.70 ID:WDLDojOoo
今回はここまで。
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/10/29(木) 01:32:48.56 ID:OU7WKa4Do
お?
久し振りです。無事生きていて良かったww
雲龍のおっぱいにはねられた朝潮が
その後どーなったのか気になってたんだよ
171 :
以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします
[sage]:2020/10/29(木) 03:08:10.02 ID:afBoP3h30
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172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/10/29(木) 15:55:36.42 ID:LyGZ3/B40
やっと追いついた!某動画配信サイトから来ました。超面白いです!続き待ってます!
173 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:37:03.50 ID:u48PShuYo
またまたちょっとだけ続きです。
174 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:37:46.74 ID:u48PShuYo
* 会議室 *
妖精「提督は誰かに甘えるなんて考えたこともなかったからねー」
霞「そういうことね……子供のころから頼る人がなくて自立を求められたら、そりゃ反動が来たっておかしくないわよ」
霞「でもねえ、相手が駆逐艦って恥ずかしくないの?」ドンビキ
提督「恥ずかしいに決まってんだろうが! ちくしょう妖精め、べらべら喋りやがって……」
霞「妖精さんのせいにしないの! だいたい、言わなきゃあんたの感情も伝わらないでしょ!」
霞「それこそあんたがいつもやってることじゃない! 甘えたいなら甘えたいって言いなさいよ!」
提督「うるせえな! この齢で俺がお前らに言えるかってんだ!」
提督「だいたい、俺はお前らに艦隊運営を全部任せてんだぞ。これ以上甘えてどうすんだ」
扉<コンコン ガチャッ
初春「まあ、そういう意味ではわらわたちも好き勝手やらせてもらっておるのぉ」
霞「!」
175 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:38:31.48 ID:u48PShuYo
吹雪「失礼します、司令官!」
朝潮「失礼いたします!」
暁「ごきげんようです!」
白露「なになに、何の話?」
霞「何の話……って、何が?」
妖精「みんなはわたしが呼んだんだ。ヒアリングしたいことがあるからね」
提督「? こいつらにか?」
妖精「そう、みんな駆逐艦のそれぞれの型のネームシップでしょ?」
白露「そう! 白露が一番です!」ガタッ!
吹雪「ちょっ、わ、私だって一番なんだから!」ガタッ!
提督「わかったからとりあえず座れ……」
176 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:39:16.25 ID:u48PShuYo
初春「で、妖精どの? 話とはなんじゃ?」
妖精「みんなそれぞれ一番艦だから、妹はいても姉はいないでしょう?」
妖精「誰かに甘えたくなった時、みんなはどうしてるのかなって聞きたくて」
吹雪「!?」
朝潮「甘え……っ!?」
初春「むう……!」
白露「うーん……」
暁「……それだったら、暁はみんなに甘えさせてもらってるわ」
妖精「みんなに?」
暁「ええ。お料理とかだと比叡さんや長門さんにたくさん教えてもらってるし、戦闘だって私一人で戦ってるわけじゃないし」
暁「だから、暁はみんなに支えてもらって、甘えさせてもらってるって、感じるわ」ニコ
暁「あ、勿論、暁もみんなに頼ってもらえるようにしっかりレディーらしくしてるつもりよ!?」
吹雪「……」
朝潮「……」
初春「……」
177 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:40:01.44 ID:u48PShuYo
白露「あはは、いきなり模範解答が来ちゃった感じ?」
提督「だな……」
暁「?」キョトン
妖精「ほかのみんなはどうなの?」
白露「私は、どっちかって言うと甘えたいって意識がなかったかなあ。早く妹たちを迎えて、一緒に海に出るのが楽しみだったから!」
白露「今は島風っていう超速い妹がいるし、五月雨も練度が高いから、どっちにも負けたくないんだよね!」
霞「五月雨はしょうがないんじゃないの? もともといた鎮守府の主力の一人だったんだから」
白露「それでもだよ! ううん、だからこそ、私は白露型の一番艦、一番お姉ちゃんなんだから、一番頼りにならないとね!」
提督「妹がモチベーターになってる感じか。競争相手であり、先陣切って戦う理由でもあると」
妖精「それじゃあ、誰かに甘えるとか言う発想は出てこないよね」
白露「あ、さすがに航空戦とか、私たちの手が届かないところは得意な人に甘えちゃうよ?」
提督「そりゃ畑違いだからな、役割分担の範疇だ」
吹雪「……」
初春「……」
178 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:40:46.69 ID:u48PShuYo
朝潮「……あ、あの、司令官。その、申し上げにくいのですが……」
提督「ん?」
朝潮「具体的に、甘えるというのはどういった行為をさすのでしょうか!?」
吹雪「!?」
初春「!?」
提督「真面目か」
霞「真面目よ」
白露「よく肩がこらないよね〜」
暁「朝潮は真面目なのが自然体なのよ、きっと」
霞「でも朝潮姉? 具体的もなにも、この前みんなに甘えてたじゃない」
朝潮「この前?」
霞「私や吹雪に抱き着いてきたでしょ? あれはそうじゃないの?」
179 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:41:31.60 ID:u48PShuYo
朝潮「あ、あれは、司令官が私たちに心を開いてくださったことが嬉しくて、その喜びを皆さんと分かち合いたくて……!」
提督「どういう意味だそりゃ」
朝潮「司令官が部屋の鍵をかけなくなったというお話からです!」
提督「」
初春「な、なるほどのう……心を開くとはそういう解釈であったか」
吹雪「それじゃ、朝潮ちゃんは根本的に甘えるって行為を知らないってこと?」
暁「聞く限りそうなんじゃないかしら……いつでも背筋伸ばしてるし」
白露「……うーん、例えばだけど、猫とかが構ってほしくてすり寄ってくるじゃない? あの感じ、わかる?」
朝潮「ね、猫ですか……?」
霞「残念だけど、私も朝潮姉も猫の実物は見たことないの」
白露「あちゃー、駄目かあ」
180 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:42:17.78 ID:u48PShuYo
吹雪「別に猫じゃなくっても……ほら、初春ちゃんは長門さんに甘えてるでしょ?」
初春「んにゃっ!?」カオマッカ
吹雪「初春ちゃん、長門さんに抱っこされたときにこーんな緩んだ顔してすりすりしてたでしょ?」
初春「んなっ、な、ん、にゃにを言っておるかぁぁぁあ!」
白露「噛んだ」
初春「噛んでおらぬ!」
朝潮「なるほど……あれが甘える行為ですね! それなら理解できます!」
初春「納得するでなぁぁい! 吹雪っ!! きさ、きしゃま一体何を口走っておるかぁあ!!」
暁「噛んでるわ」
初春「噛んでおらにゅっ!!」
霞「噛み噛みじゃないの」
181 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:43:01.74 ID:u48PShuYo
吹雪「でも本当でしょ? わかりやすい例として言っただけだってば」
初春「どうせ例えるなら潮あたりにせぬか!」
吹雪「潮ちゃんはしょうがないでしょ? そうなる原因があったわけだし。でも初春ちゃんは全然関係なかったじゃない」
初春「それを言うなら吹雪こそ提督に甘えたがっておるではないか!! 近頃はとみに提督の部屋に入り浸るようになりおって!!」
吹雪「ふあ!? そ、そ、それを今ここで言う!?」ガタッ
初春「今言わずしていつ言わんや! 提督よ! 吹雪が貴様に甘えているのは事実じゃろう!」ガタッ
提督「……」ハァ…
霞「あんたは毎度毎度、答えるのを面倒臭がらないの!」
提督「別に答えなくてもいいだろ、こんなの……」
朝潮「……あの、司令官」
提督「うん?」
182 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:43:31.25 ID:u48PShuYo
朝潮「朝潮も、司令官のお部屋にお邪魔して、一緒のお布団に入らせていただいているときがあります」
朝潮「司令官のお邪魔にならないようにと留意してはいるのですが……この行為も、甘えていると呼べるのでしょうか……?」
提督「……いや。お前は単純に隣で寝てるだけだしな。それで嬉しそうにしてるのはなんでかわからねえが……」
霞「単純にここで働けているのが嬉しいから、ってだけだと思うけど?」
朝潮「霞……?」
霞「目立った戦果をあげていないにしても、この鎮守府近海の深海棲艦の活動を抑えて、航路として活用してもらえるようになったのは事実」
霞「ル級さんとの約束事が大きいとは思うけど、それでも、これは私たちとあんたが一緒に成したことだわ」
霞「ただでさえ前の鎮守府で濡れ衣を着せられて沈みかけた私たちに、役目を与えてくれたのよ? 嬉しくないわけがないじゃない」
朝潮「か、霞……」アセアセ
霞「なによ。朝潮姉がわかんないって言うから、予想でだけど私が言ったんじゃない。間違ってる?」
朝潮「そ、そうではなく……も、申し訳ありません司令官、本来ならばこの朝潮が言うべきところを妹に代弁させてしまい……!」
提督「いいさ、気にすんな。朝潮はそういう心情を伝えるのは苦手そうだしな」
183 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:44:16.86 ID:u48PShuYo
霞「ともかく。司令官と寝食を共にすればそれだけ身近に感じられるし、連帯感や団結の精神が生まれて昂揚する感じ、わかるでしょ」
霞「なんていうのかしら、仲間意識、って呼ぶにはちょっと語弊があるけど、朝潮姉が求めているのはそういうことなんじゃないの?」
朝潮「か、霞、もうそのくらいに……!!」セキメン
白露「朝潮も照れることあるんだねー」
暁「それはあるでしょ。」
提督「俺がそこまでのもんかよ。あんまり過大評価してもらいたくねえんだけどな……」
霞「生活態度や自己評価や成績がクズでも、艦娘最優先の生活を提供しようとする人間に、艦娘が悪い感情を抱くとは思えないけど?」
提督「……人間ねえ。どうせなら人間も何かの機会に辞めたかったぜ」
霞「諦めなさい。そんなのできもしないことだし、あんたが人間だからこそ、尉官見習いとはいえ、海軍に所属して提督業できてるんだから」フン!
暁「そうね。司令官がいなかったら、この島に来たみんなはどうなってたかわからないわ」
朝潮「その通りです、司令官……司令官は私たちにとっても、朝潮にとっても大事な方です」
朝潮「何卒ご自愛いただきますよう、お願い申し上げます」ペコリ
提督「……」アタマガリガリ
妖精「うん、そういうわけだから、提督も無理しないで誰かに甘えていいんだよ?」
提督「いや、そういう理屈じゃねえだろ……」アタマカカエ
184 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:45:16.83 ID:u48PShuYo
霞「そうね……さすがにその話の持っていき方はちょっと無理があると思うけど」
妖精「そうかなー?」
霞「それに、どうせ言うなら戦艦や空母の人たちに言ってあげてよ。私もこいつが駆逐艦に甘える姿は見たくないわ」
妖精「それもそうだね」
吹雪「でも如月ちゃんは大歓迎しそうだよね」ヒソヒソ
初春「相違ない」ヒソヒソ
暁「ねえ、司令官より背が高い人じゃないと、甘えるのって不自然じゃないかしら……?」
白露「一番背が高いのは大和さんだよね。次が雲龍さん?」
暁「そうね、あの二人は180センチあるって言ってたわ」
朝潮「長門さんや霧島さんは司令官と同じくらいですね。ル級さんもそうだったかと……」
妖精「よし、それじゃ戦艦のみんなを呼ぼうか」
提督「やめろっつってんだろうが」アタマカカエ
山城「どうしてこういう話を私は立ち聞きするのかしら……不幸だわ」ヌッ
陸奥「まあまあ、聞いてしまったものはしょうがないわ」
提督「!?」
185 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:46:01.39 ID:u48PShuYo
* 昼 食堂 *
金剛「テーーーートクーーーーーゥ!!!」ドドドドド キキーッ
摩耶「うわっ!? びっくりした!」
由良「こ、金剛さんどうしたんですか?」
金剛「テートクはどこデース! Lunch は済ませてしまったんデスカ!?」
摩耶「あいつなら小さい包みを持ってどっか行ったぞ?」
潮「あ、あの、提督、さっき、厨房でおにぎり作ってました」
金剛「Rice ball ... ? Holy shit !! そんな lonely lunch は許しまセーーン!」
金剛「私が、アーンして食べさせてあげマーーース!!」ドドドドドド…
暁「金剛さん! 食堂で走っちゃ駄目ーー!!」
186 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:47:17.57 ID:u48PShuYo
島風「……はっやーい」アッケ
龍驤「島風が言うんかい……」
雲龍「ご飯はゆっくり食べるべきだわ」モキュモキュ
陸奥「ねえ山城、あの話、もう喋ったの?」
山城「扶桑お姉様に魔の手が伸びないように金剛型に愚痴っただけよ」
陸奥「……」
扶桑「提督は、私たちに手を出すような方だとは思えないのだけれど……」
山城「甘いです扶桑お姉様ッ!」ギンッ!
扶桑「もう……山城ったら、こんなに警戒心が強い子だったかしら」ナデナデ
山城「はへぇ……」デレデレ
陸奥「山城はなんて顔してるのよ……」タラリ
龍驤「甘えまくりやな……うちはこうならんよう、肝に銘じておかななぁ」
雲龍「私は一向に構わないけど」
187 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/03(火) 22:54:24.04 ID:u48PShuYo
今回はここまで。
ちなみに身長順ソートがこちら。あくまでこの鎮守府限定の設定です。
左側の数字は、180以上、と読んでください。参考までに提督の身長は177cmです。
180 大和雲龍
175 霧島ル級提督長門
170 山城陸奥扶桑
165 金剛榛名比叡最上
160 三隈摩耶古鷹利根由良明石
155 大淀川内那珂神通黒潮朧不知火山雲五月雨
150 白露島風初春朝雲朝潮吹雪敷波伊8龍驤如月初雪潮若葉
145 霞暁電
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/07(土) 11:54:20.03 ID:EeBfHBYmo
待ってる
189 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:23:03.57 ID:osq2iXQgo
少しだけ続きです。
190 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:23:49.21 ID:osq2iXQgo
* 一方その頃 *
* 島の北部 岩場 *
提督「……」オニギリモグモグ
伊8「……」サンドイッチモグモグ
(二人並んで岩に腰かけて、海を眺めながら昼食をとっている)
提督「……」
伊8「……提督、食堂から逃げてきたの?」
提督「まあ、そんなところだ」
伊8「やっぱり。なんとなく、だいたいの事情は知ってますけど」
提督「耳が早えな」
伊8「山城さんが喋りまくってましたから」
提督「……あんにゃろめ……」
伊8「食堂、騒ぎになってません?」
提督「構うもんかよ。どうせ金剛や大和あたりが騒いでゆっくりできねえさ」
伊8「提督、誰かに甘えるの嫌そうですもんね」モグモグ
191 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:24:30.75 ID:osq2iXQgo
提督「まーな。つっても、艦隊運営とかは口出しできるレベルにねえから、完全にお前らにおんぶにだっこだけどな」
提督「甘えてねえ、っつったら嘘になるさ」
伊8「……」
提督「……」モグモグ
提督「さっきお前に声かけられた時も、ちょっと焦ったがな。こんな隠れ家教えてもらえたのは幸運だ」
伊8「たまたまです。たまたま見かけて、声をかけただけですから」
提督「……」パク
伊8「……」モグモグ
提督「なあ」
伊8「はい?」
提督「俺はお前を殺そうとしたよな?」
伊8「はい」
提督「なんでお前は俺に優しくできる?」
伊8「提督が優しい人だってわかったからです」ニッ
提督「……」
192 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:25:16.09 ID:osq2iXQgo
伊8「提督、今ははっちゃんのことを助けてくれるでしょ?」
提督「……ああ」
伊8「だから、はっちゃんも提督に優しくしますし、協力もします」
伊8「私が頼れる『人間』は、あなただけだから」
提督「……そうか」
伊8「それから、はっちゃんは、どちらかと言えば提督に甘えたいと思ってます」
伊8「これまで誰かに可愛がってもらったことがなかったので」
提督「……」
伊8「初雪ちゃんあたりも、そうでしょ?」
提督「まあ、確かにな……」
伊8「それに私たち、艦娘です。いつ死ぬかもわかんないですし……」
提督「……させねえよ」
伊8「!」
193 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:26:04.02 ID:osq2iXQgo
提督「お前らに『生きたい』と言わせたのは俺だ」
提督「お前らがそれを覆さない限り、少なくともその俺の目の黒いうちは、何があっても死なすつもりはねえぞ」
伊8「……じゃあ、提督も、長生きしないといけませんね」ニコ
提督「……」
伊8「そんな顔しないでください。提督がいなくなったら困るの、はっちゃんだけじゃないんですよ?」
提督「……善処する。約束はできねえが」
伊8「ずるい」ムスッ
提督「できねえ約束はしたくねえんだ」
伊8「いい加減、頑固すぎです」
伊8(これだけ言っても駄目なんて……提督が根本的に変なこと考えないように、どうにかしないと)ハイライトオフ
伊8(色仕掛けも通じないわけじゃないみたいだけど、一線を絶対超えたがらないから、時間がかかりそう)
伊8(……やっぱり、既成事実作っちゃうしかないかなー……)ザワッ
提督(……なんだこの悪寒……)ゾワ
194 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:26:46.01 ID:osq2iXQgo
* 昼過ぎ 執務室 *
提督「……」
金剛「Hey, テートクゥ! Please Com'in !!」リョウテヒロゲテ
提督「何の真似だ」
霞「午前中の話を聞きつけて来てくれたのよ。ありがたく甘えさせてもらったら?」ジトッ
提督「……お前らは俺を困らせたいのか?」
金剛「No ! テートクはいつも独りで抱え込みすぎデース!」
提督「吐き出したいときは遠慮なく吐き出してんだろが」
霞「そうやって吐き出してるのは悪態と逃げ口上じゃない」
霞「本音を吐露しないのとデリカシーがないのは話が違うわよ。論点すり替えないでよね」
大淀(霞ちゃんもそういうきらいがあると思うんだけど……)
提督「だったら俺の本音は『俺抜きで幸せになってくれ』だよ。何遍も言わせんな」
霞「そういうのが受け入れられないって言ってんでしょうが、このクズ!」
金剛「ンー、テートクも頑固が過ぎマース」
195 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:27:31.09 ID:osq2iXQgo
提督「生き方なんて、ほいほい変えられるようなもんでもねえだろ。諦めろ」イスニスワリ
金剛「Hmm... Okay」
ツカツカツカ
ガシッ!
提督「!?」アタマツカマレ
金剛「そういうことなら、私にも考えがありマース」
提督「お、おい、なにを……もがっ!?」
(金剛が提督の頭を自分の胸に強引に引き寄せ抱きしめる)
金剛「こうなれば実力行使、問答無用デス……! テートクは、力づくで可愛がってあげマース……!!」ナデ…
提督「んなっ!? い、いいっつってんだろ!」
金剛「もがいたって無駄デース、私、喰らいついたら離しまセンヨー?」ギュー ナデナデ
提督「……っ!!」ギチッ
金剛「覚悟を決めて大人しくするデース……!」ニッコリ
大淀「こ、金剛さんも結構強引ですね……」
196 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:28:15.90 ID:osq2iXQgo
金剛「Huh〜♪」ナデナデ
提督「……」ピクッ
金剛「ンー、イイ子デスネー……」ナデナデ
提督「……」
大淀「……」
霞「ね、ねえ、あいつの様子おかしくない?」
大淀「そ、そういえば……抵抗してませんね」
金剛「Yes, このままゆっくりお休みするデース……」
提督「……う、うおああああ!?」トビノキ
金剛「!?」
霞「!?」
大淀「!?」
提督「はーっ、はーっ……あ、危ねえ……!! こ、金剛っ、お前、何なんだ!? 何しやがった!?」
金剛「Oh shit, 逃げられてしまいマシタ」
197 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:29:00.86 ID:osq2iXQgo
大淀「あ、あの、提督? 大丈夫ですか?」
提督「大丈夫じゃねえよ! もうちょっとでダメにされるとこだった!!」
霞「……は?」
提督「は? じゃねえよ! マジで落ちる寸前だったぞ!?」
霞「落ちるってなによそれ。古鷹さんのときだって同じことされてたじゃない、あんたが腑抜けたんじゃないの?」
提督「ちっ……金剛。霞に俺と同じことしてやってくれ」
金剛「? いいデスケド……」
霞「なに? あたしがそんなことでどうにかなると思ってるわけ?」イラッ
提督「いいからやってもらえ。どうもならないなら、それでいい。お前のお叱りも甘んじて受ける」
霞「わけわかんないわ……」
金剛「それでは霞? Please come here」
霞「……わかったわよ」スタスタ
金剛「Okay... !」フワッ
霞「……!」ダキシメラレ
198 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:29:45.80 ID:osq2iXQgo
金剛「……♪」アタマナデナデ
霞「……」
提督「……」
大淀「……」
金剛「ンー、霞もとっても素直でイイ子デス……!」ギュ ナデナデ
霞「……」
金剛「……♪」ナデクリナデクリ
霞「……」ギュ
大淀「霞ちゃんが自分から抱き着き返した……!?」
提督「落ちたな……」
大淀「え?」
提督「金剛、そのくらいでいいぞ? 大淀は後を頼む」
大淀「えええ?」
金剛「? もういいんデスカ?」スッ
霞「……ふえ?」カオミアゲ
大淀(あっ)キュン
199 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:30:31.07 ID:osq2iXQgo
霞「もうおわり……?」ウルウル
大淀(あっっ)キュンキュン
金剛「ほらー、テートクー? 霞が物足りなさそうな顔をしてマスヨー?」ナデナデ
霞「……!?」ハッ
大淀「か、霞ちゃん……?」
霞「……っっ!!!」カオマッカ
金剛「Oh, 霞、どこに行くデース?」
霞「こ……っ」プルプル
大淀「こ?」
霞「この、このクズーーーーー!!!」ダッシュ&ジャンプキック
提督「うおっ、あぶね」バッ
霞「避けてんじゃないわよ! 一撃入れさせなさい!」ハイキックコンボ
提督「なんでだよ! 俺は最初からやべえって言ってたじゃねーか! っつうかなんで俺に当たんだよ!?」ガード
金剛「霞? ケンカは良くないデスヨー?」
霞「ひっ……!」ジリッ
200 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/08(日) 21:31:45.69 ID:osq2iXQgo
提督「霞、とりあえずわかったろ。金剛のあれは洒落にならねえ」
提督「五月雨が、金剛にだっこされて十数秒で寝ちまったのも頷ける」
霞「そ、そんなことがあったの!? そんなにやばいならそれを早く言いなさいよ!!」
提督「言っても信じてたか? 俺だって体験しなきゃ信じられなかったんだ、こっちの方が理解は早い」
金剛「二人とも、もう私に甘えてくれないんデスカ?」
提督「あ、ああ、もう大丈夫だ。これ以上甘えたら仕事ができなくなる、なあ霞?」ジリッ
霞「え、ええ、そうね、その通りよ。もう十分だから……!」ジリッ
大淀「あの、金剛さん? 午後は工廠で艤装の点検があったはずです。もうそろそろ向かった方がよろしいかと……」
金剛「!? もうそんな時間デスカ? すぐ準備しマース!」タタッ
提督「……助かった……」
霞「……あ、ありがと、大淀さん……」
大淀「そんなに危険だったんですか?」
提督「やばかったな。心地いい布団っつーか、底なし沼みたいにどこまでも引きずり込まれていくような感じだった」
霞「……同意せざるを得ないわ。一瞬でも抜け出したくないって思わせられたもの」
大淀「……」
提督「仕事すっか……」フラフラ
霞「そうね……」フラフラ
大淀(二人とも、大丈夫かしら……)タラリ
201 :
◆EyREdFoqVQ
[saga]:2020/11/08(日) 21:32:46.14 ID:osq2iXQgo
今回はここまでー。
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/09(月) 05:19:42.89 ID:So/AUEV+o
金剛…恐ろしい娘…!
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/11/10(火) 00:09:38.82 ID:BQ+bi72H0
大淀がキュンする霞の顔が見てみたい
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/11/18(水) 06:58:07.19 ID:dsdcKhEb0
最初から全部読んで追いついてしまった
205 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/21(土) 14:46:16.82 ID:I8THug57o
続きです。
206 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/21(土) 14:47:07.22 ID:I8THug57o
* 午後 北東の砂浜 *
榛名「……」
ザザーン…
榛名「……」
榛名「……!」
提督「榛名か。何してんだ?」
榛名「はい、海を見ていました。海と、この砂浜の様子を見に」
提督「……」
榛名「先程まで電ちゃんが、背中にかごを背負ってゴミ拾いをしていました」
榛名「かごの中身は殆ど入っていなかったみたいですけれど」
提督「俺もしょっちゅう見回ってるからな。掃除もしてるから、我ながら綺麗な砂浜だと思うぜ」
榛名「……はい。願わくば、ずっと、綺麗なままであって欲しいですね」
提督「ああ……けど、電は俺が砂浜の掃除してること、わかってるよな? なんでわざわざ……」
榛名「……あの、提督?」
提督「ん?」
207 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/21(土) 14:47:49.57 ID:I8THug57o
榛名「多分……なのですけれど」
榛名「電ちゃんは……ここに、誰かが流れ着くのを待っているんだと思います」
提督「……B提督の部下たちか?」
榛名「はい。きっとそうです」
榛名「榛名も……同じですから」
提督「養成所のか。待っててもいいが、必ずしもこの島に流れ着いてくるわけじゃねえぞ?」
榛名「……」ウツムキ
提督「……」
榛名「提督、申し訳ありません。榛名は……榛名は、ずるい子です」
提督「?」
榛名「ここに来た本当の理由は、提督と一緒に砂浜を歩きたかったからなんです」
榛名「ですがここへ来て、それとなく、思い出していたんです。あの日のことを……」
榛名「ここに来るまで、榛名は、自分のことしか考えていませんでした。あの日も、自分の身を守ることだけで精一杯でした」
榛名「私と那珂さんだけ生き延びて……そして、私だけ、提督に甘えようとしていることが……」
榛名「とても、罪深いことだと、思ってしまうんです……」
提督「……」
208 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/21(土) 14:48:33.09 ID:I8THug57o
榛名「……提督、榛名は……榛名には、あなたの隣を歩く資格があるのでしょうか……」
提督「……」
榛名「……」
提督「面倒臭えな」ハァ
榛名「は……はい!?」
提督「前に言わなかったか? んなもん考えたって意味ねえよ。答えて欲しい相手が不在なんだからな」
提督「だから今後は沈んだ奴らの話はすんな」
榛名「……っ!」
提督「あいつらが沈んだのを悔しがるのは構わねえが、結果的にはお前も轟沈してんじゃねえか。お前にも那珂にもどうしようもなかったんだろ?」
提督「結局は無理難題を押し付けた養成所の人間どもが悪い」
榛名「で、ですが」
提督「お前らが出撃前に殺された那珂の同型だって、お前に力があったら救えたか?」
榛名「そ、それは話が別なのでは……!?」
提督「同じだろ。連中が用意した戦場だぞ? いくら足掻いたって最初から詰んでんだ。だから忘れちまえ」
榛名「忘れ……って、本気なんですか!?」
209 :
◆EyREdFoqVQ
[sage saga]:2020/11/21(土) 14:49:18.23 ID:I8THug57o
提督「んじゃあ、言い方変えるか。いい加減、そいつらを解放してやれ。浮かばれねえからよ」
榛名「……解、放……?」
提督「これから先、お前に何らかの不幸があったとして、それが榛名があいつらを救わなかった報いだ、ってなるか? 関係ねえだろ?」
提督「それに、あいつらのために何かしてやるのはお前の勝手だが、じゃああいつらは今、お前のために何かできるのか?」
提督「なにもできねえだろうが。お前が勝手に気を揉んで、勝手に気を病んで……自分で自分を追い詰めてるだけにすぎねえんだよ」
榛名「……」
提督「沈んじまった奴らは、もう、しょうがねえ。俺が埋葬した連中にも、俺からはゆっくり眠ってくれとしか言えねえ」
榛名「!」ハッ
提督「そりゃあ、あいつらも無念だったかもしれねえさ。けど、そうだったかも結局はわからねえ。その時の当事者にしかわかんねえんだ」
提督「この浜に流れ着いて野晒しになったあいつらが可哀想で、俺は丘の上に埋めたんだが、それももしかしたら余計なお世話だったかもしれねえし」
提督「俺がそうしたいと思ったのも、結局は自己満足のためだ。それがいいと、俺が思ったから、そうしたんだ」
提督「そんな俺が、勝手にあいつらの気持ちを『騙る』わけにはいかねえよ」
榛名「提督……」
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