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照「京ちゃんなんて知らない」京太郎「2度も言った!」
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235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/10/07(水) 13:52:52.70 ID:yuX/0Nfh0
おつおつ
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/12(木) 08:47:55.57 ID:zTPBHkDqO
保守
237 :
◆oiHx77pVqQ
[saga sage]:2020/11/21(土) 12:10:10.97 ID:OKzfrMZuo
とりあえず生存報告
今月死ぬほど忙しいので投稿できません
来月はじめにはどうにか…どうだろ
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/29(日) 18:02:29.43 ID:khIz4yAT0
生存報告来てたんか!それだけでも嬉しいです
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/21(月) 02:14:20.86 ID:0PxT4HEZ0
ゆっくり待ちます
240 :
◆oiHx77pVqQ
[sage saga]:2020/12/24(木) 22:18:23.20 ID:zRYtnlYz0
読み返したら原作同様5決の直後に決勝設定なのに
>>135
あたりで朝からやってるふうで書いてました、全然気が付かなかった
遅くなりましたが続き投下します
241 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:20:51.40 ID:zRYtnlYz0
咲「ツモ。嶺上開花、ホンイツトイトイ三暗刻三槓子ドラ4、数え役満」
『き、決まったぁぁぁぁぁぁぁっ!目まぐるしい展開の大将戦、最後に勝負を決めたのはなんと嶺上開花での数え役満、勝ったのは初出場の長野、清澄!』
242 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:22:29.44 ID:zRYtnlYz0
『二位は十年ぶりの復活、最後の怒涛の追い上げが印象的な奈良・阿知賀女子。三位に臨海、四位に白糸台と強豪の東京勢が後塵を拝する結果になりました』
照「……負けちゃった」
菫「……淡で負けるなら、仕方ない」
照「…そうだね」
京太郎「…俺、迎えに行ってきます!」
誠子「っ、わたしも行く!」
ドタドタ
バタン
243 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:24:09.00 ID:zRYtnlYz0
尭深「……」
菫「…責任を感じるか?」
尭深「それは…」
菫「それでいい。そうやって強くなればいいんだ。な?」
尭深「でも!……先輩たちの、だって…さいごの…」
菫「泣くなよ。…私まで泣きたくなるだろ」
ポロッ ツー
照「……」
照(できることは、やった。でも及ばなかった)
照(…相手が咲だったから、負けたのか)
照(だとすれば……)
244 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:25:40.54 ID:zRYtnlYz0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
京太郎「…いますね」チラッ
誠子「終わってからずっとああなのかな…卓に突っ伏して」
京太郎「あわいー!戻るぞー!」
淡「……」モゾモゾ
誠子「呼んでこっち来たら苦労しないよ」
京太郎「すません」
誠子「ま、いつまでも会場に居座るわけにはいかないしな…」
京太郎「俺、入っても大丈夫ですかね」
誠子「うーん……」
245 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:29:05.67 ID:zRYtnlYz0
誠子「…あのさ、売店かコンビニ行って淡の好きそうなの買っといてよ。それで先に戻ってて」
京太郎「いいんすか?淡に直接渡してもいいですけど」
誠子「…淡にもいろいろあるから」
京太郎「…先輩がそう言うなら」
誠子「あっ、みんなで食べれるようなものにしといてね。お金は部費からか、最悪私が後で出すから」
京太郎「了解っす。じゃ、淡をよろしくお願いします」ペコッ
誠子「おう」
誠子「さて……手がかかる後輩よ」フッ
246 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:32:04.54 ID:zRYtnlYz0
スタスタ
誠子「淡」
淡「……」
誠子「須賀に泣き顔は見せたくないだろ」
淡「ないて…ひぐん、ないもん」
誠子「はいはい」クスッ
247 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:33:52.66 ID:zRYtnlYz0
淡「…みんなおこってるでしょ」
誠子「さあね。…いや、怒ってはないんじゃないかな」
淡「どうして?私が悪いじゃん」
誠子「…それぞれ責任を感じてるからね」
淡「…先輩も?」
誠子「もちろん。もっと点取れるところあったなとか、お前への伝令でもっと良い言い方があったんじゃないかとか、…なんなら準決勝で善戦してたら違う展開もあったんじゃないかとかさ」
淡「…負けたの私のせいだよ?」
誠子「……チームで戦うって、こういうことなんだよ、淡」
248 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:40:00.36 ID:zRYtnlYz0
・
・
・
コンコンコン
京太郎「はーい」
誠子「戻りましたー」
ガチャッ
誠子「どうも、お待たせしちゃって」
淡「……」
菫「おかえり、淡」
淡「ごめんなさい!」
ガタッ ペコッ
京太郎「淡……」
249 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:44:44.67 ID:zRYtnlYz0
淡「ぜんぶ、ぜんぶ私が悪いの!だから、だから…」
照「……」スッ
照「…淡」
淡「テルー…わたしのせいで」
照「淡、それは傲慢だよ」
淡「…ごう、まん?」
照「…自分一人でぜんぶ背負えるほど私たちは強くない。だから仲間をつくる」
照「淡、淡は確かに強いよ。でもそれは淡だけの強さじゃないし、なにより限度がある。知ってた?」
淡「……」
照「…覚えておいて。そうすれば淡はもっと強くなれる」
淡「…うん」
照「淡はよく頑張ったよ、ありがとう」
淡「頑張った、がんばったけど…うう、うわーん!」ヒシッ
照「……」ナデナデ
250 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:46:31.30 ID:zRYtnlYz0
尭深「落ち着いた?お茶どうぞ」スッ
淡「ありがとうタカミー。…すき」ヒッグ
尭深「どういたしまして」ニコッ
誠子「…私じゃ力不足でした」
菫「お前なりの気遣いは伝わってるさ、大丈夫」
誠子「…そうですかね」
菫「亦野が淡を迎えに行こうとすぐに動いてくれたこと、私は嬉しかったよ」
誠子「……!あれは須賀が…ありがとうございます」ペコッ
251 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:47:46.19 ID:zRYtnlYz0
京太郎「美味いか?」
淡「…うん」
照「……」ハムハム
尭深「おかわりもありますよー」
菫「ありがとう。……そうそう、この後のことだが」
京太郎「パーティーだぞ、淡」
淡「…え?」
菫「…まあ、そんなところだ。残念パーティーとでも言おうか、部費からどうにか捻出してみんなで外食するんだが…淡、どこに食べに行きたい?」
252 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/24(木) 22:49:00.04 ID:zRYtnlYz0
淡「え?あ…うれしいけど、なんで私?」
京太郎「食べに行きたいって言ってたじゃん、お前」
尭深「須賀くんから聞いたから、じゃあみんなで行こうよってなったんだよ」
誠子(あっ…)
淡「……きょーたろーのばか」ボソボソ
菫「ん?」
淡「…ううん。お寿司!寿司食べたい!」
誠子「お、いいねえ寿司」
京太郎「贅沢だなあ」
淡「…食べたくないんだったら来なくていいよっ」
京太郎「ウソウソ、行くってー」
菫「…まあ、回転寿司ならなんとかなるか」
照「回転寿司……ケーキ回ってくる?」
尭深「店によってはあるかもです」フフッ
照「よし行こう」ガタッ
菫「こらこら」
253 :
◆oiHx77pVqQ
[sage saga]:2020/12/24(木) 22:49:27.85 ID:zRYtnlYz0
明日もちょろっと投下予定
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/24(木) 23:12:38.81 ID:AodrA6sz0
乙ー
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/25(金) 00:21:45.58 ID:1peiLASZ0
乙です
かなりのお嬢様設定のある菫さんのポケットマネーなら回らない寿司も余裕余裕
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/25(金) 00:42:47.72 ID:439v5puE0
乙です
お忙しい中投稿感謝です
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/25(金) 02:10:32.54 ID:Q5A/kAXj0
来てたー乙です!
青春やなあ…みんな素敵な先輩しててとてもいい…
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/25(金) 15:37:45.63 ID:MvA9qMpbo
乙
259 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/26(土) 00:02:15.85 ID:REeAwpTH0
・
・
・
京太郎「サーモンうまっ」
淡「あっそれ私が取ってたやつ!」
京太郎「お前の皿そこにあるじゃん」
淡「え。…ほんとだ」
京太郎「食い意地張ってんな相変わらず」
淡「な、何をー!」
尭深「淡ちゃーん、私届かないからお茶入れてもらえるかな?」
誠子「私のもお願い!」
淡「えー…しかたないなー」
誠子「よっ、日本一!」
淡「それはちょっとよくわかんない」
誠子「あ、すいません」
照「ケーキ!……行っちゃった」
菫「いいから先に寿司食べろ寿司」
照「むー」
・
・
・
260 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/26(土) 00:11:50.64 ID:REeAwpTH0
菫「…ここで先に言っておこうと思うんだが」
京太郎「…お会計のことですか?俺食べすぎたんじゃないかって」
菫「ぷっ……違う違う、…くくく」
照「…私も満足した」
誠子「照先輩だけデザートばかり食べてた印象なんですが」
照「3種のケーキと杏仁豆腐…美味しかったよ」キラッ
淡「ケーキおいしかったけど…テルーみたいにたくさん食べれないや」ケフッ
尭深「はしたないよ淡ちゃん」
淡「ごめんなさーい」
菫「…ああ、急に面白いこと言わないでくれ。不意を突かれた」
京太郎「そんなつもりじゃなかったんですけどね…」
261 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/26(土) 01:02:14.98 ID:REeAwpTH0
菫「さて仕切り直して……次の部長なんだが、亦野に託そうと思っている」
誠子「…え」
京太郎「いいじゃないですか。よっ、部長!」
尭深「誠子ちゃんなら安心。頑張ろうね」
菫「え、ってなんだ亦野。気がついてなかったとか言わないだろうな」
誠子「いやいやいや、そりゃあわかってましたよ…段取りとか他校との交流とか、いろいろみっちりと学ばされたのでそういう流れとは。でもそうじゃなくて」
淡「自信、ないの?」
誠子「自信…まあそれもあるかな。みんながそんなに受け入れてくれるなんて思わなかったから…虎姫内だけだけどさ。私、お世辞にも強いとは言えないし」
262 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/26(土) 02:11:47.19 ID:REeAwpTH0
照「……誠子は強いよ」
誠子「え?」
淡「そうだよ、亦野先輩強いじゃん」
照「大舞台でちゃんと仕事ができる人が弱いわけない。ただ点が取れるってだけじゃなくてね」
菫「そういうことだ。お前なら白糸台をまとめていける、これからも全国の舞台に皆を引っ張っていけると思ったんだ…尭深、淡、そして京太郎君はしっかり支えてやってほしい。一人でこなせるほど簡単な仕事じゃないからな」
誠子「先輩…」
263 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/26(土) 02:12:48.67 ID:REeAwpTH0
淡「よし、カンパイしよっ」
誠子「…いやお前が仕切るんかいっ」
尭深「まあまあ。せっかくだし」
京太郎「じゃあ…音頭は部長に」
誠子「どっちだよっ」
照「…いいツッコミ」
菫「では僭越ながら…新しい部長と麻雀部の良き未来を願って!」
カンパーイ!
264 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/26(土) 02:31:58.58 ID:REeAwpTH0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
二日後
京太郎「頑張れよ淡。団体戦のリベンジだ」ポンポン
淡「そんなの言われなくてもわかってるし」
京太郎「ならいいけど」
淡「……きょーたろーもさ。せいぜい頑張りなよ」
京太郎「おう。やるだけやってみる」ニカッ
誠子「私たちは応援するしかできないのが歯痒いんですが…」
照「…大丈夫。今まで十分助けてもらった。あとは私がやる番」
菫「少し緊張してるな、照」
照「…さすがにね」
尭深「ずっと一人だけど大丈夫かな?」
京太郎「淡じゃないんですから」
尭深「それもそうか」
淡「なんだとー!」
京太郎「まあまあ…早く戻ってこないように頑張ります」
尭深「頑張って」フフッ
265 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/26(土) 02:37:26.06 ID:REeAwpTH0
・
・
・
久「…案外ヒマね、見てるだけって」
優希「後輩二人が頑張ってる時になんてことを」
まこ「まあ、何もしようがないという点では同意するがの。自分が出たかったか」
久「できればね。でも…身に余る経験できたし、それを言うのは贅沢ってものよ」
衣「そうだぞ!」ヒョコッ
まこ「…おうびっくりした。聞いておったんか」
透華「この距離にいて聞かないほうが難しいくらいですわ…身を入れて応援しませんこと?」
久「反省してまーす」
まこ「おい。というかあんたはヒマでええんじゃ。安静にせい…痛々しいわ」
久「なになに、心配してくれるの?」
まこ「当たり前じゃろうがアホ。一言も言わんとか本当もう…」
266 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2020/12/26(土) 02:38:31.18 ID:REeAwpTH0
優希「池田!おねーさんの応援するじょ!」
華菜「こらチビ!…と言いたいがキャプテンのことなら話は別だし!一緒に見るか!」
優希「おう!」ニカッ
純「オレらは京太郎もだな」
一「もちろん。見逃してなんてやらないよ」ウズウズ
智紀「テンション高…私も応援するけど」
純「ぶっちゃけどこまでいけると思う?京太郎」
智紀「難しい質問。男子のレベル、よくわかんないし。一緒に打ったのもだいぶ前だし」
一「予選突破は堅いと思うなー」
智紀「そう?」
純「あ、智紀は知らないんだっけ。こいつずっとネト麻で繋がってたらしくてさ」
一「ちょっ、それここで言う必要ある?」
純「そりゃあ最新の雀力知ってる方が正確に言えるじゃねえか。別に後ろめたいことないだろ?」ニヤニヤ
一「無いよそりゃ!」
智紀「道理で仲良いわけ…謎は解けた」フンフン
純「ちな最後に一緒に打ったのいつ?」
一「…二週間前」
智紀「…大会直前か」
純「ガチじゃん」
一「ガチって何さ!」
267 :
◆oiHx77pVqQ
[sage saga]:2020/12/26(土) 02:39:22.04 ID:REeAwpTH0
続きは多分来月下旬です
皆様良いお年を
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/26(土) 05:35:38.65 ID:N26dThIwo
乙 まさかの連続更新
良いお年を
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/26(土) 18:46:27.28 ID:PYcaAbTy0
乙
この作品の誠子ちゃんほんと好き
そして国広くんくそかわいい
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/27(日) 04:03:13.15 ID:CSfTUbEsO
更新嬉しい…
いつもクオリティ高くて本当に面白い
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/28(月) 07:45:44.43 ID:XxcFD7GWo
乙です
来年も楽しみ
272 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:11:47.54 ID:JDP2hIKe0
・
・
・
一「ほらね」フフン
純「割と余裕で突破してんじゃん。やったね」
一「まっ、これくらいはやってくれないと」ニコニコ
智紀(すごく嬉しそう…嬉しいのは私もそうだけど)
衣「よし!皆勝ち上がったな!」ピョンピョン
透華「やりましたわね」
衣「とーか、やるぞ!」フリフリ
透華「?…なるほど、いきますわよ」
ハイタッチ パチン
「「いぇーい!」」
透華「ですわ」フフッ
273 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:13:21.13 ID:JDP2hIKe0
久「美穂子やるわねー、団体戦出場の有力選手に混じって上位で突破じゃない」
華菜「そうだろそうだろ、もっと褒めるがいいし!」ドヤァ
優希「もっと褒めるがいいじぇ!」フンス
まこ「なしておんしまで便乗しとるんじゃ…」
久「リーグ戦とかレート戦になると俄然強いのよね。安定して取りこぼさないから…いいところまで行くんじゃないかしら」
華菜「さっすが優勝校の部長、話がわかるし!…でもキャプテンは短期決戦でも十分強いぞ」
優希「このゆーきちゃんを手玉に取ったんだから間違いないじぇ…」
まこ「それはそうじゃ」
274 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:16:57.14 ID:JDP2hIKe0
華菜「…だからキャプテンがいなくなる分、あたしが頑張るしかないんだ。次回は絶対勝ち抜く」
久「勇ましいわね」ケラケラ
まこ「久は気楽でよかろうが…うちは部員集めから始めなきゃならんと言うに」
久「どっちにしたって龍門渕に勝たなきゃいけないんだし、たいして変わらないんじゃない?」
華菜「そこなんだよなぁ…」
透華「…わたしたちがいること、忘れられていますの?」
衣「…そう易々とは負けぬ、龍門渕としても…衣個人としても」
透華「来年も必ず来ますわ、今度は選手として…約束よ、衣」
衣「うん!」
275 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:21:01.22 ID:JDP2hIKe0
・
・
・
「今から休憩に入ります。出場選手の皆さんは、最初にお知らせした区域内からは出ないでください。午後三時より、順位決定戦、決勝の順に行われます……」
バタン
京太郎「……ふぅ」
京太郎(こっちのロビーには…誰も出てこない。案外穴場だったりして…っと、まずはトイレトイレ)
ジャー ゴシゴシ
京太郎(…今気づいたけど、手汗すっげえや)
チラッ
京太郎(…髪よし、顔色よし、…その他もろもろは及第点で)
276 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:23:57.68 ID:JDP2hIKe0
テクテク
京太郎(さて…戻るかもう少し時間を潰すか)
バタン ススッ
京太郎(……あれ?)
京太郎「照さん?」
照「…奇遇」
京太郎「ほんとですよ。そちらも休憩時間ですか?」
照「…あと三半荘やったら決勝。フリーな時間だから一人で本読もうと思って」チョコン
京太郎「俺、邪魔になります?」
照「大丈夫だよ。…隣、どうぞ?」
277 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:28:02.24 ID:JDP2hIKe0
京太郎「じゃあ、失礼して」ヨッコラセ
照「失礼された」
京太郎「…余裕そうですね」フフッ
照「ひとまず勝ち抜けたから。…ほっとはしてる」
京太郎「さすが。…淡は?」
照「…あと一歩だった。この後打つからそれは見届けるつもり」
京太郎「…そっすか。悔しがってるだろうなあ」
照「うん。…京ちゃんは?」
278 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:29:05.03 ID:JDP2hIKe0
京太郎「…俺も負けちゃいました」
照「…そっか」
京太郎「でも入賞はワンチャン、あるのかな?この後頑張らないとダメですけど」
照「…悔しい?」
京太郎「うーん……満足感はあるんですよね。ここまで来れたこと、めちゃくちゃ強い人たちと打てたこと」
京太郎「でも…もっとやれたとも感じる」
照「全然届かない、って感じじゃなかったんだね」
京太郎「…そっすね、でも方法は見えてこない」
照「……」
279 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:33:17.63 ID:JDP2hIKe0
バタン
バタバタバタ
??「おっ」
ザザーッ
??「こんなところで、チャンピオンやんけ」
照「…どうも」
京太郎「……あなたは」
??「やー、同じ赤髪でなんとなく親近感?みたいの抱いとったんやけどな、この夏の決勝で手合わせ願えるなんて感謝カンゲキ雨嵐や、うん」
照「…あ、はい」
??「絶対負けへんで!…って普段なら言うんやけどな、さすがのうちもそこまでうぬぼれちゃいないってとこで…精一杯打たせてもらうから覚悟しとき!ほな後でな!」
タタタタタ
照「…行っちゃった」
京太郎「…ですね。俺に気づきもしなかった」
照「…お手洗いに走っていったから、そういうことだと」
280 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:35:41.91 ID:JDP2hIKe0
京太郎「初対面、ですか?」
照「顔も名前も一応知ってる、けど…話したことはあまりない」
京太郎「なるほど」
タタタタタ
京太郎「…戻ってきた」
チラッ
??「……」フリフリフリ
京太郎「こっちに手振ってますよ」
照「う、うん」
京太郎「ほら手でも挙げて反応してあげて」
照「こ、こう?」スッ
??「……」ニッ
バタン
照「…行っちゃった」
京太郎「喜んでそうだし、いいんじゃないっすか」
照「…うん」
281 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:36:42.07 ID:JDP2hIKe0
京太郎「決勝のメンツはもう分かってるんですか?」
照「うん…さっきの人と、咲と、あともう一人長野の人と」
京太郎「咲?咲って言いました?」
照「?…咲だよ」
京太郎「何気なく言うじゃないですか!マジか…」
照「負けるほうが驚きだと思うけど…」
京太郎「そうか…まあそれはそうですけど」
照「うん」
京太郎「楽しみ…ですね」
照「そうだね」
282 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:37:16.91 ID:JDP2hIKe0
照「…次、……」
京太郎「つぎ?」
照「……次の試合は、いつから?」
京太郎「俺ですか?…たしか三時から再開って言ってたので、まだ余裕ありますね。なんなら初戦じゃないし」
照「…そう」
?(ほほう)キュピーン
283 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:38:30.72 ID:JDP2hIKe0
テクテク テクテク
?「これはこれは、珍しいこともあるもんだねぇ」
京太郎「えっ……えっ」
照「三尋木プロ、ご無沙汰してます」
京太郎「す、すいませんっ、俺だけ挨拶もせずに」ガタッ
咏「あー、いいのいいの、固っ苦しいのニガテだからさ?リラックスー」ザッ
京太郎「…わ、わかりました」チョコン
京太郎(…ガチで和服で扇子常備なのか…オーラすげえ)
284 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:39:45.85 ID:JDP2hIKe0
咏「宮永はさすが、危なげない勝ち上がりだったね。団体戦は残念だったけどさ」
照「…ありがとうございます」
咏「去年も決勝前にここで本読んでたっしょ?思い出して来てみたらさ、あの宮永がなんか男と仲良く喋ってんし」
京太郎「あの、俺は」
咏「皆まで言うな。…よく見たらチームメイトだったから一安心ってとこだね、知らんけど」
京太郎「えっ…俺のこと、知ってもらえてるんですか」
咏「そりゃあ、天下の白糸台から男子が大会に出るってなれば知っとかないとね…解説としちゃあそのくらい」
京太郎「えっ…いや、マジか……」
照「…三尋木プロ、あんまり後輩をいじめないでください」
咏「うっひょー、いい先輩やってんねぇ」ケラケラ
285 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:40:46.72 ID:JDP2hIKe0
咏「…須賀、だっけ。どうだった、初めての全国大会は?」
京太郎「そっすね…いいところまでは行けたかなって」
咏「いいとこ、で満足していいのかー日本男児!」バシバシバシ
京太郎「す、すいません!おっしゃる通りで」
咏「…まっ、男子のトップと打つ機会なんて今までなかっただろうし頑張ったほうじゃね?知らんけど」
照「…あの」
咏「うん?」
照「京…須賀君は私たちと一緒に卓を囲んで練習してきたんです」
咏「あー、知ってる知ってる。インタビューで部長さんが言ってたっしょ?」
照「そのやり方では駄目だったってことでしょうか?」
咏「うんにゃ?そうやっていい環境の中で揉まれて…もちろん当人の努力もあるだろうしさ、それでここまで勝ち上がってこれたんじゃね?」
照「じゃあ…」
咏「だからまあ、ここからさらに上を目指すにはって話よ」
286 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:43:09.51 ID:JDP2hIKe0
咏「…いろいろあるけど、一番はやっぱ男子と女子だと麻雀が違うんだよね」
京太郎「…それはまあ、なんとなく」
咏「わかるっしょ? 対策もしてただろうし、予選から打っていく過程で調整していったとは思うけどー」
咏「直接やり合わないとわっかんねーことってあるじゃん? 知らんけど」
照「…男子と実戦で打つべきだった、と?」
咏「今後のことも考えると必須じゃね?と思うけどねぇ」
京太郎「…そうっすね…」
咏「どうすりゃいいんだ、ってとこだろ?知り合いがいるわけでもなし」
咏「…まっ、安心しな。私が話つけとくから」
京太郎「…へ?」
咏「んな素っ頓狂な声出さなくてもいいだろ…顧問とか部長とか経由で情報いくようにしとくから、交流試合も直に組めるさ」
京太郎「な、なんで俺なんかのために」
咏「いや…こんなんだけど一応プロだし?若手発掘は責務っしょ。須賀がプロ行こうか行くまいが、高校麻雀のレベルが上がるならそれに越したことないし」
咏「まあ正直男子の方まで面倒見る義理は無いっちゃ無いけどさぁ…男の同年代は頼りねーし?爺さんたちはフットワーク遅ぇし」
照「…三尋木プロ」
咏「ああやっちったねえ…今のはオフレコでな?な?」
京太郎「あっはい」
287 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:44:24.22 ID:JDP2hIKe0
咏「んじゃそういうわけで…邪魔して悪かったねえ。二人ともがんばんなー」フリフリ
京太郎「き、緊張した…」ヘナヘナ
照(…かわいい)
照「…こういうこともある」
京太郎「いやあ…レアケースでしょう?」
照「そうかな…学校によっては知り合いのプロに直接コーチングしてもらったりとか」
京太郎「知り合いのプロ…だと…」
照(…情報量オーバーしてる)
288 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:45:44.76 ID:JDP2hIKe0
照「…そろそろ、戻ろうか」
京太郎「そんな時間か…そうっすね…」
照「…手、出して」
京太郎「え?はい」スッ
照「……」ギュッ
京太郎「!」
照「…ベストを尽くせるように、おまじない」
京太郎「…照さんからのなら百人力ですね」ハハッ
照「…頑張って」スッ
京太郎「照さんも」
照「うん。…じゃあね」
テクテク バタン
京太郎(…手、)
京太郎(…小さかったな)
京太郎「…よし!」
289 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:47:29.50 ID:JDP2hIKe0
・
・
・
えり「夏のインハイもいよいよ大詰め、女子個人決勝はオーラス一本場。親の福路選手、先程のツモ上がりでわずかな差ですが3位浮上です」
咏「手堅いし冷静だねぇ…えりちゃんもだけどさ」
えり「…何を言い出すんですか」
咏「ラスもラスなんだからテンション高めでお送りしてもいいんじゃね?知らんけど」
えり「…無責任な発言は控えてもらえると助かります。…っとここで愛宕選手早くも聴牌ですが、逆転には足りません。張り替えていきますね」
咏「トップに跳満直撃で逆転だけど…どうなるかねぃ」
えり「トップ目はディフェンディングチャンピオン宮永照、…今のツモで手が進みました、七対子イーシャンテン」
咏「手替り見ながらだろうねぇ…一番難しいところかも」
えり「三尋木プロならどうされますか?」
咏「んー…そもそも僅差の勝負にならないように序盤でぶっ飛ばすかな!」ケラケラ
えり「…ありがとうございました」イラッ
咏「いやえりちゃんキレてるけどね、これはマジ。こういう細かいこと考えるとあったま痛くなってほんっとに嫌だから、なるべくこういうシチュエーションにならないような打ち回しになるわけでさ…えりちゃん?」
えり「…ツモは七巡目に入りました」
290 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/01/31(日) 23:48:44.77 ID:JDP2hIKe0
咲「……」
咲(カンはできる…けど、有効牌が来ない)
咲(ここまで来たんだから…!)コトン
照「ポン」
咲「!」
咲(…ちょっと焦っちゃった。でも手が進んじゃったのは事実)
咲(急ぐしかない…)スッ
咲(この牌!ここでっ)
咲「カン!」カチャッ コトン
スッ
咲(これで一向聴、…行くしか)コトン
「ロン」
咲「!」
照「…2900」
291 :
◆oiHx77pVqQ
[sage saga]:2021/01/31(日) 23:50:45.31 ID:JDP2hIKe0
こーこちゃんって基本叫ばせればいいから書くの楽なんだと実感
2月中に書き溜められればというところです
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/01/31(日) 23:51:14.37 ID:hNNXmqnco
乙
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/02/01(月) 08:34:28.35 ID:j7cjVNNA0
乙ー
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/02/03(水) 07:19:28.19 ID:IHocml8z0
おつ!
ほんと丁寧で面白い…キャラのやりとりがすごい魅力的だ
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/02/04(木) 05:32:10.60 ID:LZ17KwN20
男子麻雀が単に女子より下なんじゃなく競技の質自体が違う感じの扱いなの好き
チーム虎姫で揉まれてたからと言ってそれだけでイケる訳でもないと
296 :
◆oiHx77pVqQ
[saga sage]:2021/03/29(月) 18:04:08.09 ID:6BMJTt/Go
空いて申し訳ありません
書き溜めは少々ありますが多忙ゆえ投稿来週以降になります
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/03/30(火) 11:49:35.18 ID:T/R2U1iNo
まっ照
298 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/06/28(月) 19:03:51.40 ID:Z+Kgt4cMo
3ヶ月経ってしまったか
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/08/05(木) 01:55:24.24 ID:afdj8odZo
まだまだまっ照
300 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 00:50:46.01 ID:lCIlMwEA0
えり『決まりました!最後は落ち着いた和了りでディフェンディングチャンピオン宮永照、貫禄の連覇達成です!』
咏『やるねー。えりちゃんもやればできるじゃん』パタパタ
洋榎「…あー、間に合わんやったか。カンのおかげで手牌キラッキラやったんに、残念やわ」
美穂子「お疲れ様でした。…牌が光るの…?どういうことかしら」
洋榎「自分、ネト麻とかせえへん?わかりやすいようにか知らんけど、たいていドラはキラキラ光って表示されてるんや」
美穂子「まあ!そうなの。わたし…機械の類とは本当に相性が悪くて」
洋榎「はーそらもったいないわ。多分ネト麻でもええ成績出せるで?きっとうちとも勝負になるわ」
美穂子「華菜に相談すればなんとかなるかしら…」
301 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 00:51:58.30 ID:lCIlMwEA0
照「…ありがとうございました」ペコリ
洋榎「チャンピオン!…やっぱ強いな。この先考えると気が重いわ」
照「…愛宕さんも。逆転手作っていたから私も急ぐしかなかった」
洋榎「あちゃー、バレとったんか…うちもまだまだやな、うん」
洋榎「…っし、あんたのこと『チャンピオン』って呼ぶの辞めるわ。そんなんやからいつまでも勝てへん」
照「……?」
洋榎「なに怪訝そうな顔しとるんや、当然プロ行くんやろ?いつか追いついて、追い越したる。楽しみにしとき、宮永」フンス
照「……うん」
302 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 00:53:13.67 ID:lCIlMwEA0
美穂子「宮永さんには県予選のリベンジ、決められちゃったわね」フフッ
咲「……あっ、私か。そんな、たまたまです」
美穂子「…そう!二人とも宮永さんなのね!今気がついたわ」パチン
洋榎「ほんま、珍しいこともあるもんやなー。1、2フィニッシュやし。うちらW宮永に負けてしもたんや」
咲「あ、あはは…」
照「……」
303 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 00:53:56.48 ID:lCIlMwEA0
>これより閉会式ならびに表彰式が行われます。選手の皆さんは…
美穂子「名残惜しいけど、移動しなきゃね」
洋榎「くよくよせんで胸張っていくで!あっ、宮永はそら胸張れるわな…」
美穂子「変なこと言ったらダメよ」メッ
洋榎「堪忍な!ほな行くで」
テクテク
咲「……」
照「……行こうか」
咲「!」
照「…また、ね」
テクテク
咲(…はっ、置いてかれたらまた迷子になっちゃう!)ダッ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
304 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 00:57:12.72 ID:lCIlMwEA0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
都内 某駅前
京太郎「…日陰でこの暑さなのはヤバいっすね」パタパタ
菫「…ああ。十日連続で真夏日だとかなんとか」
京太郎「温暖化の影響ですか」
菫「どうだろうな…ん?」ブー
菫「…亦野からだ、席が取れたらしい」
京太郎「こっちも…着いたみたいですよ」
305 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 00:58:24.11 ID:lCIlMwEA0
?「京ちゃん!」
京太郎「走んなって咲…コケたらどうすんだ」
咲「ちょっと駆け寄っただけじゃない…なに、過保護?」
京太郎「危なっかしいじゃん」
咲「私だっていつまでも子供じゃないんだよーだ」
菫「…二人とも仲が良いようで結構」
咲「ご、ごめんなさい。……あの!」
菫「なんだ?」
咲「…姉が、お世話になってます」ペコリ
菫「いや…それはこちらこそだな」フッ
306 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 00:59:34.19 ID:lCIlMwEA0
まこ「…話には聞いとったが、おんしが『京ちゃん』か、なるほどのう…」
京太郎「須賀京太郎です。染谷まこさんですよね?」ペコ
まこ「お、ご丁寧にお名前までどうも」ペコ
咲「…『なるほど』ってどういうことですか」
まこ「なるほどはなるほどじゃ、それ以上でも以下でもないわ。しかし…ふぅーん…」
京太郎「…俺の顔なにか付いてます?」
まこ「いーや。後でよーく報告するよう言われとるから」
咲「はあ…部長の差し金かぁ」
まこ「人聞きの悪い…一応心配はしとったぞ、半分は興味本位じゃろうけど」
咲「ほらやっぱり!」
307 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:00:57.36 ID:lCIlMwEA0
京太郎「…それはともかく、清澄高校の優勝、おめでとうございます。あと咲の準優勝も」
咲「…ありがとう。京ちゃんも…7位だっけ。入賞おめでとう」
京太郎「よく覚えてんじゃん」
咲「帰ってから京ちゃんの試合の映像見返したんだから」
京太郎「…それはどうも」
咲「…照れてる?」
京太郎「…ミスもあったしなぁ。正直見返したくないとこも」
咲「頑張ってたと思うけどね」
308 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:02:37.25 ID:lCIlMwEA0
菫「さて時間のこともあるし、そろそろ移動しようと思うんだが」
京太郎「そっすね、待たせてますし。早く涼みたいし」
咲「私は京ちゃんに着いて行けばいいのかな?」
京太郎「迷子になるなよ」
咲「さすがに誰かと一緒なら大丈夫だもん」プクー
まこ「…須賀君も苦労しとったんか」
京太郎「…心中お察しします」
咲「もう!」
309 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:04:00.97 ID:lCIlMwEA0
まこ「で…わしはどうすれば?」
菫「染谷さんは私にご同行願おうか」
京太郎「…先輩、それじゃ容疑者引っ立てる刑事ですよ」
まこ「…お礼参りされるのか?もしかして最初から罠?」
京太郎「なーんも心配ありませんから!ね!じゃ行くぞ咲」
咲「…ご武運を」グッ
まこ「えっ…待って」
菫「ダ、メ」ムンズ
>イヤーッ! サキーッ!
スタスタ
京太郎「…冗談も度が過ぎるとまずいな」
咲「…私をからかった罰だよ」フフン
京太郎「知らんけどよ、世話になってる先輩だろ?」
咲「それはそれ、これはこれ。…で、どこに連れてってくれるの?」
京太郎「ん…雀荘」
・
・
・
310 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:05:34.62 ID:lCIlMwEA0
「いらっしゃいませー」
京太郎「あの、須賀で部屋を予約してるんですが」
「確認しますね。……はい、三名様でご予約の須賀様ですね。お一人すでにお待ちですので、ご案内いたします」
スタスタ
京太郎「…緊張する?」
咲「…ちょっとね」
京太郎「そう…」
咲「…京ちゃんもでしょ?」
京太郎「…バレた?」
咲「まあね。なんで?」
京太郎「…なんでだろうな」ハハッ
咲「…ねえ京ちゃん」
京太郎「ん?」
咲「ありがとうね」
京太郎「…まだ早いって」
ガチャッ ギィッ
311 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:07:29.77 ID:lCIlMwEA0
照「……お疲れ様」パタン
京太郎「お待たせ、しました」
咲「……」オズオズ
照「暑かった?…飲み物、来るから」
コンコン ガチャッ
>失礼します、オレンジジュース3つですねー
京太郎「ありがとうございまーす」
312 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:08:16.33 ID:lCIlMwEA0
ガチャッ
京太郎「…咲も座ったら?」
咲「…うん」
京太郎「俺たちを待っててくれたんですね、先に飲んでてもよかったのに」コトン コトン
照「…一緒じゃないと意味がないから。それに」ガサッ
京太郎「ああ…その荷物、やっぱり食べ物だったんですね」
照「ケーキ。持ち込み可なのは確認済み」グッ
京太郎「さっすが」
313 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:09:04.87 ID:lCIlMwEA0
照「……咲」
咲「!」ビクッ
照「来てくれて、ありがとう」
咲「…ううん、こちらこそ」
京太郎「…固いなー」
咲「し、仕方ないでしょ?」
照「仕方ない。私も緊張してる」
咲「…そう、なの?」
照「そう」
京太郎「いつも通りに見えますけど」
照「…そう、見えるだけ」
314 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:10:29.48 ID:lCIlMwEA0
照「で……麻雀、しようか」
京太郎「…唐突っすね」
照「…京ちゃんは知ってるでしょ」
京太郎「いやあ…前置きかなにかあるのかと」
照「でも打ちたいでしょう?」
京太郎「まあそれは」
咲「だいたいここまで来て麻雀しないわけないもんね」
照「それはそう。…この三人で打つことが大事、だと思ったから」
京太郎「…ケーキはどうしますか」
照「……先に食べていい?」
照「おいひい」モックモック
京太郎「オレンジジュースの酸味とこのチョコレートがよくマッチしてますね。さすが照さん」
照「ぶい」
咲(…京ちゃんこんなんだったっけ?……おいし)モグモグ
315 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:12:10.66 ID:lCIlMwEA0
咲「…ポン」カタン スッ
コトン
京太郎「ロン、3900」パタン
咲「はい。……上手くなったね、京ちゃん」
京太郎「…うっす」
咲「…京ちゃんが敬語っぽいの、なんかむず痒い」
京太郎「それはもうしゃーないのよ、照さんにタメ口で話すと示しつかなくなるだろ?」
照「…敬語でなく話す子もいるけど」
京太郎「ああ…俺はあそこまで振り切れないなあ。ほら、咲と決勝で相手した金髪の」
咲「ああ…」
照「…いい子だよ?」
京太郎「…悪い奴じゃないんだ、ちょっと調子乗りがちで向こうみずだけど」
咲「大丈夫、ちょっと怖かったけど」
京太郎「迷惑かけたな」
咲「…京ちゃんが言うのは、なんか嫌」プクー
京太郎「えぇ…」
照「……」
316 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:14:41.11 ID:lCIlMwEA0
照「…ツモ」
京太郎「速いっすよ」チャラッ
照「和了れるときは、ちゃんと拾わないとね」
咲「……頑張ろう」チャラッ
京太郎「ほどほどに頼むわ」
咲「京ちゃんにダメージがないくらいね」
京太郎「こうやって打ってた頃はそんなこと考えもしなかったけどなあ」
照「…楽しく打ってたから。……楽しかった?」
京太郎「そりゃあもちろん。…未練が残るくらいには、ですね」
咲「……ポン」カチャッ
京太郎「おっ、特急券」
咲「とりあえずね」コトン
317 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:23:55.31 ID:lCIlMwEA0
照「……」
京太郎「照さん?」
照「…だから、まず京ちゃんに謝りたかった」
咲「そう、だね」
京太郎「俺?」
照「うん。私たちのことに巻き込んだのはまだしも、京ちゃんは何も悪くないから」
照「それをまず伝えたかった」
京太郎「……」
318 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:25:17.06 ID:lCIlMwEA0
咲「…改めて言うけど、ありがとう京ちゃん」
京太郎「な、なに咲まで」
咲「京ちゃんが諦めないでいてくれたから、またこうやって卓を囲めるんだよ」
照「本当に、そう」
京太郎「……」
照「ありがとう、京ちゃん」
京太郎「……」
咲「…泣くのはまだ早いよ、京ちゃん」
京太郎「バッ、泣いてねぇし!…ズズッ……あーもう…」
照「…京ちゃん」
京太郎「…あぁ、情けねーっすねホント。はー恥ずかし」
照「これでおあいこ」
京太郎「…そっすね」
咲「えっ?」
照「あっ。…秘密」
咲「……もう」
319 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:26:48.80 ID:lCIlMwEA0
・
・
・
京太郎「ポン」カチャッ
咲「はやいなあ」
京太郎「つって咲の手も進んでんだろ?」
咲「さて、どうでしょう」コトン
照「……」コトン
京太郎「テンパイ」
咲「テンパイ」
照「テンパイ」
京太郎「あぁ…単騎待ちで握られたか」
照「うん。前打った時とおなじだよね」
京太郎「…あー、わかりますよね流石に」
咲「…二人でわかんない話するのやめてくださーい」
照「……ごめん」
320 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:28:33.99 ID:lCIlMwEA0
京太郎「…そっか、咲には言ってなかったな。俺のこと」
咲「京ちゃんの? なんかしてるのが分かるってのじゃなくて?」
京太郎「そっちじゃなくて。…咲にも関係あるけどな」
咲「私?」
照「咲から学んだって言ってもいいんじゃないかな」
京太郎「そっすね。多分」
咲「多分?……何か教えたっけ」
321 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:30:26.19 ID:lCIlMwEA0
照「…咲のところにはカン材が集まる。そして王牌が見える。これが咲の出来ること。そうだよね?」プラマイゼロモアルケド
咲「うん。あっ、カン」カチャッ
京太郎「…片手間でカンするのやめてくれる?」
咲「つい」テヘ
照「京ちゃんができるようになったことは、それと近い部分がある」スッ
照「咲みたいに牌を引き寄せるような運はない。…けど来るかどうかは分かる」カチャッ カチャッ
咲「…合ってるの、京ちゃん」
京太郎「そりゃあ照さんは『見てる』んだから」
照「直接尋ねてないから推測だけど、鳴きがない場合に将来何かしらのカンができる時にそれが『分かる』。いつその牌が来るかは分からない」コトン
京太郎「…百点です。ぐうの音も出ない」
咲「…あ、だから前より鳴きが増えたんだ」
京太郎「そう。咲みたく嶺上開花できるかって言えばそんなことないし、他家に鳴かれても来るような運もない。でも不完全ではあるけど牌は集めやすいわけだろ?」
322 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:32:11.30 ID:lCIlMwEA0
照「あれは…そう、みんなで雀荘に行った時だよね」
京太郎「…よく覚えてますね」
照「何度か練習で同卓はするから、京ちゃんの新しい力に関しては把握できてた。菫には報告しそびれたけど」
京太郎「…さっきの部長のことな」
咲「あ、うん」
照「そう…あの時私から直撃を取ったんだよね、きちんと狙って」
京太郎「照さんからになったのは運もありましたけどね、一応」
咲「うん…話が見えるような、そうでもないような」
照「ちゃんと説明すればわかる。……あの時京ちゃんの手元に白が来て、それがカンできるって察知した。合ってる?」
京太郎「はい。対子にまでなって、そこで他家が鳴いてズラされました」
照「ズレると他の手も読めるから割と嬉しいんだと思うけどね」
咲「…あぁ!なるほど…自分の元に四枚来るはずだった牌が、誰の手元にあるかなんとなく読めるってこと?」
京太郎「何巡目に来るかは分からんから正確じゃないけどな。可能性が増える感じ」
323 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:33:24.58 ID:lCIlMwEA0
照「三枚目の白が出て、鳴いたらテンパイだったんだけど京ちゃんはスルー。代わりに他を鳴いて白待ちにした。4枚目の白が私のところに来るように」ポン
京太郎「東一だったから出してくれないかなと祈りも込めてですね」カチャッ コトン
照「ロン」パラララ
京太郎「…あちゃー」
咲「…じゃあ、私と練習したのも無駄じゃなかったんだ」
京太郎「無駄なんてとんでもない。もちろん龍門淵でみっちりデジタル打ちを身につけられたのも良かったんだけど、そのハイブリッドでどうにかやってきたようなもんだし」
京太郎「まあ、勝ち負けだけの話じゃなくてさ…」
照「…私が、それを見たから」
咲「…えっ?」
照「京ちゃんの中に、咲を見つけたから」
324 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 01:34:40.94 ID:lCIlMwEA0
照「わたしは怖がってばかりだったのに、京ちゃんも咲も行動していた。会いたい、って気持ちを強く感じた。それも…大きかったと思う」
咲「……」
京太郎「…咲?」
咲「…そんなの、ズルいよ…」グシグシ
咲「…わたし、何もできないって思ってた」
照「…ごめんね、咲」
咲「うん……うん」
・
・
・
325 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 21:54:39.19 ID:lCIlMwEA0
咲「…ツモ」パララララ
京太郎「普通に和了るじゃん!あーやられた」
照「…強くなったね、咲」
咲「まだまだだよ」フフッ
京太郎「いやー敵いませんなあ」ハッハッハ
咲「……私も私なりに頑張ってここに来たから、ね」
京太郎「ん。そうだな」
咲「…そうやって普通に返すのは違うじゃん!」ポカポカ
京太郎「いたいいたい」
咲「うー…」
照「……」フッ
咲「お姉ちゃん!今笑ったでしょ!」
照「見間違えじゃないかな」スンッ
326 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 22:22:49.59 ID:lCIlMwEA0
京太郎「…ははっ」
咲「…んもう。楽しくなってきちゃった」
照「久しぶり…だね」
咲「ほんと。もうこんな日は来ないって思ってた」
京太郎「でも、来た」
咲「うん。……ありがとう」
京太郎「…じゃ、もう一局行きますか」
327 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 22:35:46.58 ID:lCIlMwEA0
・
・
・
咲「え、先輩帰っちゃったんですか!」
菫「なんか呼び出しがあったとかでね。ちゃんと送って行くから安心して」
咲「あー……部長なら仕方ないです」
京太郎「…実際のところは?」ヒソヒソ
誠子「咲さんに気を遣って、ね。送ってもらえるかな?」ヒソヒソ
京太郎「…了解っす」ヒソヒソ
誠子「電車賃は部費で賄うから、領収書をもらうかメモ書きにするのを忘れないように」
京太郎「あっはい」
328 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 22:53:06.23 ID:lCIlMwEA0
照「私は」
菫「居残り組にお菓子買って帰るから一緒に選んでくれるか」
照「行こう」
京太郎(ちょろい)
咲(ちょろい…お姉ちゃん)
京太郎「じゃあ、任されましたので」
菫「うん。頼んだ」
照「…咲」
咲「お姉ちゃん。……この夏にとは言わないけど、休みにでも帰ってきてね。お父さんもきっと喜ぶから」
照「…そうだね」
京太郎「…俺が一緒の方がいいかも」
咲「…それは、そうかも」
照「!……反駁の余地がない。京ちゃん、後で予定を相談しようね」
菫「切り替えが早い」
329 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 22:55:18.20 ID:lCIlMwEA0
咲「それでは、…みなさんたいへんお世話になりました。今後とも姉をよろしくお願いします」ペコリ
京太郎「…っす」ペコリ
誠子「なんでお前が頭下げてんだ須賀」
京太郎「つい」テヘ
照「よろしくねみんな」テルーン
菫「あ、ああ」
・
・
・
330 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/09/13(月) 23:48:20.11 ID:lCIlMwEA0
ガタンゴトン ガタンゴトン
咲「…人多いね、東京」
京太郎「まあなー、白糸台はもう少し田舎だけど。疲れた?」
咲「そうだね。あと暑い」
京太郎「それ。朝から暑いのよ……今思えば長野は涼しかったんだなって」ハッ
咲「そうかも」フフッ
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/14(火) 20:11:41.90 ID:1cRMBzfxo
復活してら
乙やで〜
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/15(水) 04:07:17.39 ID:/aN/DxnB0
来てたー!おかえりなさいませ!
相変わらずキャラのやりとりにみんなすごくしっくりくる空気感があってほんと好き
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/15(水) 12:25:05.99 ID:K8jtZ2dyo
乙
生きとったんかワレ!
334 :
◆oiHx77pVqQ
[saga]:2021/10/31(日) 23:14:39.03 ID:y4S6iuVL0
咲「…京ちゃんは座んないの?」
京太郎「そんな長い時間でもないし、立ちっぱなしでもいけるっしょ」
咲「…そう?」
京太郎「座ったほうがいいか?」
咲「…イヤじゃなければだけど。隣りに知らない人が来ちゃうと…ちょっとこわい」
京太郎「それもそうか。なら…よっと、お邪魔します」ヨイショ
咲「ふふっ…お邪魔されました」
京太郎「なんだよそれ」
咲「なーんでも」
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