照「京ちゃんなんて知らない」京太郎「2度も言った!」

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1 : ◆oiHx77pVqQ :2020/02/21(金) 00:28:02.04 ID:UfuOiu79o
※京太郎スレ。苦手な方はここでブラウザバック

※エタらないこと目標


※前スレ
照「京ちゃんなんて知らない」京太郎「」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1518960963/


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1582212481
2 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:31:43.31 ID:UfuOiu790
※人物紹介
須賀京太郎
 おなじみ金髪の少年。幼馴染であり麻雀の師でもある照と、長野に残してきた咲の和解を目的として単身上京、白糸台高校に入学する。
 幼少期の照からの指導のおかげで雀力高め。「他人のオカルト発動を感知できる」。他にも何かあるようで…
 手作り菓子を何度か振る舞っている。加えて運動部経験者ということもあり率先して雑用に励むので部内での評価は概ね高い。
 基本的に照の言うことには逆えず甘やかす傾向がある。「照さん」という呼び方は昔の名残り。



宮永照
 白糸台の大エース。幼い京太郎の素質を照魔鏡で見抜き指導した。その後家庭環境の悪化と些細なすれ違いが原因で咲と訣別する。
 白糸台に来た京太郎を当初は拒絶するそぶりを見せるも、それは照なりに彼のことを思っての行動だった。
 紆余曲折ありながら遂に京太郎との関係を修復。その後は以前にも増して頼り気味。ただ昔からの知り合いであることは菫以外には隠している。「京ちゃん」という呼び名は昔の名残りで、咲の影響。
 甘いものと読書には一家言もっている。
 
3 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:33:18.01 ID:UfuOiu790


弘世菫
 白糸台の部長。立場にふさわしい才覚とカリスマ性を併せ持ち、部内にファンクラブが存在する。
 京太郎と照の関係にいち早く気づき、双方に寄り添って仲を取り持とうと奔走した。イメージとは裏腹に恋バナが好き。照に便乗して京太郎に「菫先輩」と呼ばせている。


大星淡
 白糸台の期待の星。傲岸不遜な物言いをするがいったん心を許すと別人のような反応を示す。虎姫のマスコット的存在。案外敬語も使える。
 入学初日以来京太郎とは絡みがあり、すとーかー→かませ→ライバル→チームメイト→??? と評価を伸ばしている。


亦野誠子
 白糸台のフィッシャー。ノリの良い性格で、おそらく次期部長候補。麻雀の腕に自信はあるが同時に弱さも自覚している。
 なんだかんだ淡のことを気にかけている良き先輩。


渋谷尭深
 白糸台のお茶係。気がつけばお茶を淹れている。お菓子もわりと持ち合わせていてよく配っている。暑がり。
 京太郎と照の親しい仲には薄々感づいているが呼び方の変化には気づかなかった。鈍いのか鋭いのか。 

4 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:34:28.99 ID:UfuOiu790


宮永咲
 京太郎の幼馴染。喧嘩別れした姉の照を案じており、京太郎が白糸台に進学する動機ともなった。
 京太郎に触発され自身も清澄高校麻雀部に入部し、インハイでの二人との再会を目指す。京太郎が上京すると決まってから「頼ってばかりではだめだ」という思いを強め、より社交的であろうと努めている。だが根は変わらず引っ込み思案。
 京太郎と連絡を定期的に取る約束をしており、月一度は長電話をしている。



 
竹井久・染井まこ・原村和・片岡優希
 清澄高校麻雀部のメンバー。


龍門渕透華・天江衣・国広一・井上純・沢村智紀
 龍門渕高校麻雀部のメンバー。ハギヨシの伝手で進学前の京太郎の麻雀特訓に付き合った。


ハギヨシ
 龍門渕家に仕える神出鬼没の執事。ネト麻で京太郎と知り合って以来親交を深めている。

 
5 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:39:35.22 ID:UfuOiu790



※インハイ6日目、清澄の試合をモンブチメンバーと観戦したところから
6 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:40:57.55 ID:UfuOiu790


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京太郎「…レポートそんな感じでよかったですか」

菫「ああ、十分だ。助かるよ。旧交を温めるせっかくの時間を邪魔して申し訳ない」ペラッ

京太郎「いえ、俺も勉強になりましたし、いろいろ話も聞けたので…良かったです」


淡「あっ、きょーたろーのサボり!」

京太郎「ちげーよコラ。…そうそう、淡にお土産」

淡「えっ!…ってなに、紙いらなーい」

京太郎「書いてあることが大事なんだよ。貴重な情報だぞ」

淡「えっーと……、『あちがのたいしょーにはきをつけろ』?」

菫「どこからの情報?」

京太郎「龍門渕がたまたま阿知賀の練習に付き合ったそうなんです。それで衣先輩が」



『一見分からぬかもしれぬ。それ程に小さな芽、然れど芽吹く双葉は石をもたげ堅固な地を割るものだ』



京太郎「…とまあ、隠れた実力を発揮するんじゃないかって」

菫「…だそうだ。留意するだけの価値はあると思う」

淡「はーい、気を付けまーす」

京太郎「軽っ!大丈夫かよほんと…」

淡「にひひ、だいじょぶだいじょぶー」
7 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:41:53.11 ID:UfuOiu790


テクテク
尭深「部長…あっ、須賀くん戻ってきてたんだ」

京太郎「すみません、皆さん練習してたのに空けてて」

尭深「気にしないで、いつも頑張ってもらってるし」

菫「どうした尭深」

尭深「あの、茶葉が切れたんですけど見当たらなくて…」

菫「んー…まだあったはずだが」

京太郎「俺今朝見ましたよ、まだ開けてないやつ。探して持っていきましょうか」

尭深「…じゃあ、お願いしよっかな」ニコッ




8 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:43:59.34 ID:UfuOiu790




尭深「…おいしいね、これ」ムグムグ

京太郎「それならよかった」ホッ

尭深「もらっちゃったけど全員分あるんだよね…出費になったんじゃない?」テキパキ

京太郎「いやまあ…別行動させてもらったしこれくらいはですね」

尭深「仕送りいっぱいあるんだ」

京太郎「…全国大会出るって言ったら色つけてくれてて。おすそ分けみたいなもんです」

尭深「納得…よし」
トクトクトク
9 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:44:45.07 ID:UfuOiu790

コトン

尭深「これ宮永先輩の分。お土産と一緒に持っていってあげて?」


京太郎「了解です、すぐ戻ってきますね」

尭深「いいから、ゆっくり話しておいでよ」

京太郎「でも他の人の分が」

尭深「須賀くんの代わりはいるから、でも先輩にとってはきっとそうじゃないから…お茶とお菓子は他の人にお願いするから大丈夫だよ」ニコッ

京太郎「……分かりました、お願いします」ペコッ



尭深「…頑張れ」フフッ


10 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:49:42.93 ID:UfuOiu790




照「……ロン。おしまいかな」

「「「ありがとうございました!」」」

照「うん。お疲れ」


京太郎「お疲れ様です、っと…」コトン

照「あっ京ちゃん。おかえり」

京太郎「ただいまです。…あっすいません、皆さんの分もすぐに来ます」

「あー、いいよいいよ、うちら自分で取りに行くし」

「ごゆっくりー。先輩、失礼しますっ」ペコッ

スタコラサッサ



11 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:50:58.11 ID:UfuOiu790


京太郎「…なんなんですかね」

照「…さあ?」

京太郎「渋谷先輩もゆっくりしてこいって…代わりがどうとか言われたんですけどね。はい、こちらもどうぞ」

照「買ってきたんだ。これ美味しいよね」ジーッ

京太郎「よく分かりますね。好きなんですか?」

照「え?お菓子在庫の中になかったから」

京太郎「え?…全部把握してる?」

照「造作もない」フンス

京太郎「褒める気にはなれないですけど」

照(´・ω・`)

京太郎「そんな顔しないで、お茶冷めちゃいますしいただいちゃいましょう」

照「間違いない。美味しいうちに頂かないと失礼」

京太郎「切り替え早いっすね」

照「それは褒めてる?」

京太郎「褒めてます」
12 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 00:52:27.57 ID:UfuOiu790


照「おいひい」ムグムグ

京太郎「包み紙ください、捨てときます」

照「ありがとう」

京太郎「…試合、見ました?」

照「…少し」

京太郎「…強かったですよ。ちょっと緊張してましたけど」

照「最初だけね」

京太郎「見てたんですね」

照「東二局三巡目まで」

京太郎「…なぜそこで切る」

照「和了れるって分かったから、十分かなって」

京太郎「気持ちいい和了りでしたよ、ほんと。俺も久しぶりに見ました、あの嶺上開花」

照「…そっか、そうだよね」

京太郎「…すみません」

照「いいの」
13 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 01:19:23.17 ID:UfuOiu790


照「……ねえ京ちゃん、あとでL◯NEしていい?」

照「相談したいことがあるから」

京太郎「…ここじゃできない話なんですね?」ヒソヒソ

照「そう」

京太郎「…わかりました。待ってますね」

照「うん」

照「あとこれ」

京太郎「二つ目はないです」

照「…そう」

京太郎「と見せかけて実は取ってあったり」カサッ

照「京ちゃんっ…」パァッ

京太郎「…お菓子に釣られてさらわれたりしないですよね…俺心配になってきたんですけど」

照「…多分大丈夫」

京太郎「なんで目逸らすんですか!頼みますから安心させてくださいよ…」

照「…ガッカリした?」

京太郎「今更ですよ。俺も準備してる時点で同罪ですし」

照「……フフッ」

京太郎「…なにコソッと笑ってるんですか」

照「何でもない」


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14 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 01:33:27.31 ID:UfuOiu790

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淡「タカミーの後どっちがお風呂する?」

誠子「どっちでも…淡入っていいよ、私やることあるし」

淡「マジ?先輩やさしー!」キャッキャッ ゴロンゴロン

誠子「そりゃどうも。…また頭打つよ」チラッ

淡「この大星淡、同じ過ちは食らわぬっ!」デンッ!

誠子「…ビミョーに間違えてるんですけど」

淡「えっ、そうなの?」ヘケッ?


15 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 01:44:21.63 ID:UfuOiu790


淡「で、亦野先輩は何してるんですかー?」

誠子「んー?明日の予定の確認とシミュレーション」クルクル

淡「はえー」

誠子「何だその反応」

淡「先輩マジメだなーって」

誠子「全っ然。このくらい普通っしょ…この大会終わったら一応三年生は引退だし、二年生が引っ張っていかなきゃいけないんだから」

淡「…そっか」

淡「…えっ、そんなことぜんっぜん考えてなかった!先輩すご!淡ちゃんがほめてつかわす!」パアッ

誠子「嬉しくないなそれ」ハァ

淡「えーめずらしいのに…よし!それではほうびとしてこのひぞうのフラ◯を一本さずけよう」

誠子「そりゃ確かに珍しい。もらうね」

淡「どぞー」ススッ

誠子「はぐっ…うんまいねこれ。久々食べたけど」

淡「でっしょー」
16 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 01:45:35.53 ID:UfuOiu790


誠子「ところでさー」

淡「むぐむぐ…ふぁふぃ?」

誠子「須賀のこと、いつから好きなの?」

淡「ゲフッゴホッ、ゴホッ……ななな何言ってんですか」

誠子「慌てちゃって。図星なんでしょう?ねえ…隠したって無駄だぞ、うりうり」

淡「ち、違うもん」

誠子「じゃあ嫌いなんだ」

淡「きらいじゃない!」

誠子「好きなんでしょ」

淡「そ、そんなことないし!」

誠子「うっそだー」ケラケラ


17 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 01:49:18.29 ID:UfuOiu790


淡「……わかんないよ」ポフン

誠子「何がわかんない?」

淡「好きって…だって人を好きになったことないもん。……わかんないよ」

誠子「そっかー。うーん、例えばね」

誠子「須賀が他の女子と付き合うってなったら…どう?」

淡「…え?きょーたろーがそんなモテるわけないじゃん」キョトン

誠子「例えばの話だよ」

淡「えー…淡ちゃんに麻雀勝ってからにしてもらう」フフン

誠子「なんだそれ…」

淡「だって最初にきょーたろーと話したの私なんだよ!この学校のだれよりも付き合い長いしそのくらいゆるされるはず」

誠子「そりゃ飽きるほど聞いたし知ってるけどさ…言って1日2日の差じゃん」ハハハ

淡「それでもいいの…その差にあとで泣かないように!」ズビシッ

誠子「私関係ないっての。あとツッコミ損ねたけどそんな横暴許されるかバカ。須賀の人権どこにやったよ」

淡「えー」
18 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 01:51:11.07 ID:UfuOiu790


誠子「じゃあ聞き方変えよう。えっとね…そう…ハグとかキスとかしたい?」

淡「キッ…」カァァッ

誠子「おうおう、耳まで真っ赤にして」

淡「…先輩のへんたい!むっつり!みみどしま!」

誠子「はいはい、どうせ耳年増ですよーだ。こんな短髪釣りキチ雀廃に誰も興味ないんだから」シッシッ

淡「えっ…その…元気出して?」

誠子「ガチトーンやめろ。ガチトーンはやめろよマジで」

19 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 02:08:05.51 ID:UfuOiu790


誠子「…まあいいよ。認めないならそれはそれでいいんだけどね。結局自分で決着つける話なんだし」

淡「…よくわかんないけど」

誠子「須賀は競争率高そうな気がするけどなあ」

淡「えーそーかなー」

誠子「背高いし、成績そこそこ良いでしょ?顔もまあ…割とイケてるんじゃ」

淡「えっ先輩まさか…」キッ

誠子「違う違う、私はそういう目で見てないから」




誠子「まあクラスの子は淡のほうが詳しいだろうけどさ…麻雀部にしたって須賀と仲良い人結構いるじゃない?例えばそうね…宮永先輩とか」

淡「…そうかも」

誠子「えっなに、思い当たる節あるの?」

淡「いやそういうわけじゃないけど…なんとなく?」

誠子「勘って案外当たるからねー。もしかするともしかするかもね」

淡「でもきょーたろーの最初の知り合いは私だし」

誠子「いや、その事実にそんなに自信を持てる理由がわからんわ」
20 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/21(金) 02:11:12.02 ID:UfuOiu790


ガタン
誠子「尭深が風呂上がったね」

淡「…ねえ、さっきの話、秘密にしていい?」

誠子「えー…どこからどこまで?」

淡「ぜんぶ」

誠子「うーん…まあいいけど。面白いのになあ」

淡「いーから!フ◯ンもう一本!」

誠子「結局買収かい」モラウケド



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21 : ◆oiHx77pVqQ [sage saga]:2020/02/21(金) 02:13:16.00 ID:UfuOiu790
今日はここまで
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 02:45:39.21 ID:pCSFI9Hu0
来たか…!
誠子と淡の掛け合いかわいい乙です
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 05:45:11.65 ID:aQGojO/co
帰ってきた!!! おかえり
もうだめかと思ってた 乙
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 06:19:09.76 ID:xvTg12Nm0

良かった良かった
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 12:14:45.16 ID:hWAYWl5bo
乙!
再開嬉しい
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 17:52:52.65 ID:evDg1+dXO

ありがとう。続いてくれて本当にありがとう
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 22:12:01.90 ID:ymETKKft0
乙です
嬉しい、本当に嬉しい
淡がどんどんフラグを立てている、何のフラグとは言わないけど
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/23(日) 17:51:56.84 ID:t/OYK5xy0

続きずっと待ってました
29 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 02:34:07.17 ID:jXIhQ2oc0

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照「…それじゃ」スクッ

淡「頑張れテルー!全部ぶっ飛ばせー!」

誠子「うんうん、そうすれば淡も打たずに済むしなぁ」

淡「えっ、それはヤダ…そこそこ、そこそこぶっ飛ばせー!」

誠子「何だそれ」ハァ

京太郎「相変わらずだなお前」

淡「ありがとー」ニコッ

京太郎「褒めてねーぞ」

淡「えっ、違うの?」キョトン
30 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 02:39:13.39 ID:jXIhQ2oc0


照「……」チラッ

京太郎「…いつも通り、打ってください」

照「…行ってきます」

ガチャン




淡「……」ワクワク

誠子「ちょっとは落ち着け」

コポコポ
尭深「お茶、いれました」コトン

菫「助かるよ。さて…勝ちにいこうか、準決勝」
31 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 02:40:56.90 ID:jXIhQ2oc0






京太郎「…照先輩、まさか迷ってたりしないですよね」

尭深「取材が長引いてるんだと思うよ。準決勝まで来るとね…多いみたい」


ガチャン
照「……」

京太郎「!」

淡「お帰りテルー!」

誠子「お疲れ様サマですっ」

照「…お菓子、買ってきた」

淡「やたっ!タカミー!」

尭深「うん…お茶、入れますね」ニコッ

照「ありがとう」

誠子「淡…お前が仕切ってどうすんだよ」ハァ

32 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 02:49:27.24 ID:jXIhQ2oc0



淡「今回ギギギーってやつ使わなかったね」ピョコピョコ

照「うん…タイミングが合わなかった。決勝にとっておけるからいいとは思うけど」チョコン

淡「隠し技!」

照「そうとも…言わなくもないような」

淡「なくも…ない?ってどっち?あれ?」ハテ?

>淡ちゃーん、お菓子選ぶの手伝ってー

淡「はーい!お菓子!」トコトコ

照「……」
33 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 02:50:53.72 ID:jXIhQ2oc0




照「……千里山の人、大丈夫かな」ボソッ チョコン

京太郎「大丈夫だと思いますよ、きっと」ヒョコッ

照「京ちゃん。…それならいいけど」

京太郎「大会の緊張とか体調とか、いろんなことが重なったんだと思います。必死だったんですよ」

照「…私は必死じゃない。残念だけど」

京太郎「それは…勝負のためなんじゃないですか。決勝に行くためにできることをできたならそれでいいと思います、俺は」

照「…試合、見てた?」

京太郎「…見ましたよ、最初から最後まで」

京太郎「その、ですね……正直、カッコ良かったです」ポリポリ

照「そっか。良かった」ニコッ


尭深(お茶持ってきたけど…いったん出直そうかな)ススッ






34 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 02:52:23.31 ID:jXIhQ2oc0





誠子「…部長の癖が読まれてる?」

照「たぶん。でないとあんな失点の仕方はしない」

京太郎「癖…気にしたこともなかった」

淡「探して分かったら休憩時間に教えられるねっ」

照「そうだね」スッ

京太郎「…すいません、いいですか」ハイ

尭深「もう分かったの?」

京太郎「そうじゃないんですけど…今まで読まれてなくて俺たちにも心当たりがないとなると、ほんとに分かりづらいクセだと思うんですよね」

照「…でも同時に見れば分かるものである、ということ」


35 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 02:53:53.65 ID:jXIhQ2oc0

京太郎「そこなんですよ。対戦したことない阿知賀ですから、映像だけで分かる範囲内だとは思うんです。…よほど研究熱心な人がいるんでしょう」

淡「ヒマジンかな?」




??「ぶへーっくしょん!…やー、ごめんね」

?「やだもー…外まで聞こえるわよ、やめてよ」

?「そんなだから彼氏ひとつもできな…」

??「ちょっと待って待ってなに言い出すの」





誠子「…見つからない可能性が高いってことかな?」

京太郎「…多分。この数十分で見つかれば苦労はないです。でも対策ならどうにか捻り出せるかもしれない」

尭深「…それはそうかも」

淡「えー、さがしたーい」

照「…まあ、探すだけ探そう。対応策も同時進行で考えることにして」


36 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 03:10:54.48 ID:jXIhQ2oc0




菫(…ラスト意地でツモって多少取り返せたが……それでもマイナス)ハァ

菫(このまま打つか?…しかし阿知賀に思うがままにやられるのはシャクだ)

菫(…阿知賀に気をつけないといけなかったのは私のほうじゃないか)フッ


「先輩ー!」

宥「えっと弘世、さん?…呼ばれてるみたい」

菫「…私が?」


誠子「先輩ー!」ブンブン

菫「…ありがとう、気がつかなかった。ちょっと失礼」ガタッ

宥「う、うん」




菫「…全く情けないな。叱咤激励の伝令か?」

誠子「いやいやいや!そんな恐れ多い」

菫「…それで、照はなんて?」ヒソヒソ

誠子「あー…あの、宮永先輩だけの意見じゃあないんですけど……」ヒソヒソ




菫「……分かった。やるだけやってみよう…いや、こなしてみせるよ。みんなによろしく」

誠子「了解ですっ」ビシッ

37 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 03:12:20.99 ID:jXIhQ2oc0





菫「……」トン
ピクッ

宥(…指、動いた。もうやめちゃったと思ってたのに…視線は?)

菫「……」

宥(…なんか見分けづらい?でも千里山かなぁ。飛ばすくらいのき)コトン

菫「ロン」

宥(え…)

38 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 03:15:13.76 ID:jXIhQ2oc0


宥(わわっ、赤土さんが言ってたのと違うよぉ…え、なんで?見間違えちゃったのかな)チラッ

菫「……」キッ ジロッ

宥(め、めめめ、目が合っちゃった…こ、怖いよぉ…でも)

宥(でも…気持ちで負けるわけにはいかない…だって私はおねーちゃんなんだから!)フンス


ピクッ

宥(また動いた。そして…)

菫「……」ジロッ

宥(…今こっち見たよね?こ、怖くてちゃんと見れないけど。それなら…)コトン

宥(最短和了りから遠回りするような打牌、それで避けていく。そして無理をしているところを逆に…)

コトン コトン コトン


宥(あれ?)

39 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 03:19:16.24 ID:jXIhQ2oc0


菫「テンパイ」

宥「…ノーテン、です」


宥(和了り牌が…違う)

宥(私は…狙われていなかった?逆に誘導された?)

宥(…もしかして、癖に気づいたのかな…?)





淡「でこいってなーに?」

誠子「囮、って言えば分かる?」

淡「とり、鳥?イーソー?」

誠子「お、と、り!」


京太郎「…厳密には違う気がしますけど」

尭深「…それ言っちゃダメだよ」メッ

照「デコイというよりはブラフ、かな」

誠子「……スマセン」


40 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/02/28(金) 03:23:45.25 ID:jXIhQ2oc0


京太郎「結局分かんなかったですからね、部長のクセ」

誠子「『シャープシュートしない局もするつもりになって打つ』って、なかなか無茶なオーダーだと思ったんですけど…さすが部長」

照「無意識でやってることを再現するには、まず自分を『そうしている』と思い込ませないといけない。…菫ならやってくれると思ってた」

尭深「…これで阿知賀は混乱しますよね?」

照「…それもあるし、迂闊に動きづらくなる。逆に菫は選択肢を取り戻せた。ちょっと窮屈ではあるけど」

誠子「『狙いを分かりにくくするために視線を意識的に散らす』っていうのも…簡単に言うけど難しいですよ。集中力もたないです」ワタシハムリ

照「グッドアイディアだったよ、京ちゃん」

京太郎「あざっす」

淡(…みんな何話してんだろ。むずかしいことはわかんないや)ホヘー


41 : ◆oiHx77pVqQ [sage saga]:2020/02/28(金) 03:25:01.60 ID:jXIhQ2oc0
来週は多分お休みです
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/28(金) 06:26:17.68 ID:LsKDMpoO0

ホヘー
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/28(金) 12:51:12.65 ID:QZdDnOGs0
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/28(金) 14:23:35.77 ID:nIWQU5/io
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/28(金) 14:51:08.76 ID:1x0LVzWPo
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/28(金) 18:59:30.21 ID:VmpSz8d/O
おつおつ
いつも誠子ちゃんが地味にかわいい
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/28(金) 19:11:54.32 ID:TJp6ILz30
新スレたってるやん!おつおつ
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/29(土) 23:59:09.33 ID:VLQ87ET70
本当に、タカミーは二人の間の空気読んでるねー
淡と誠子は・・・

勝利を呼び込む京ちゃんがいるなら、原作と違って準決勝も一位通過できるかな
49 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/12(木) 23:19:47.40 ID:TbPHO85x0






誠子「……」トボトボ

淡「あっ、亦野せんぱーい!」

誠子「…淡か」

淡「私のためのハンデ付け、お疲れ様でーす」

誠子「…相変わらず容赦ないのな」

淡「でもびっくりした。あんなに削られたとこ始めて見ました」

誠子「うるせー、ガチでやられたんだよ…」

50 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/12(木) 23:22:31.82 ID:TbPHO85x0

淡「……」


グニッ

誠子「…何すんだよ」

淡「先輩がそんな落ち込んでたら、ちょーし狂うよ」ホッペグニグニ

誠子「淡…」

プニッ
淡「私が先輩の分まで取り戻してやりますよ」

誠子「面目ないな…淡に慰められるとは」

淡「…なんかバカにした!私でもわかる!」ンガー

誠子「冗談だって…不甲斐ないのは事実だけど。頼むから負けないでくれよ」ムニムニ

淡「とーぜん。勝ちますよ。もとより負けはありえないです」キリッ

誠子「かっこつけやがってこのー」ウリウリ

淡「もう…さっさと帰ってスミレにおこられなさい!」
スタスタ

誠子「ひでぇ…」
51 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/12(木) 23:32:15.09 ID:TbPHO85x0




スタスタ
淡(千…なんだっけ。三年のおっぱいでっかい人。まあまあ強い)

淡(しんどーじは…り、りざべーしょん?だっけ)

淡(…数えくらいくれてやるけど、ぜったい取り返す)

淡(で…気をつけないといけないあちがのたいしょー。見た目ちっこい。正直なんでもなさそう)

淡(でも…せっかくきょーたろーが聞いてきた話だし。油断なんてしないんだから)


淡「…よし」

ガチャ

>大将戦、いよいよ開局です!


52 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/12(木) 23:40:19.30 ID:TbPHO85x0







ドタドタドタ
京太郎「…来たか」

ガチャ
淡「テルー!勝ったよー!」

照「頑張ったね、淡」

淡「ねえ!しんどーじ見た?すごいよねあの二人!びっくりしたー」


菫「…やれやれ」


53 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/12(木) 23:42:54.39 ID:TbPHO85x0


誠子「淡…」

淡「へーい!」スッ

誠子「…なにその腕」

淡「えっ、ハイタッチじゃないの?」ヘーイ

誠子「…仕方ないな」スッ

>ヘーイ! パチンッ




京太郎「やったな、首位通過」

淡「…見てた!?カッコよかったでしょ?」

京太郎「…そりゃなんとも言えないけど。あーうん、かっこよかったかっこよかった」

淡「棒読み!でもゆるす。だって決勝いけるんだもん」ニコニコ

京太郎「おう」フッ




尭深「ありがとう、淡ちゃん」

淡「フフン、もっとほめてもいいんだぞー」

尭深「そうだね。えらいえらい」ヨシヨシ

淡「むふふふふー」

54 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/12(木) 23:48:24.65 ID:TbPHO85x0


スッ
菫「一つ、いいかな。…ああ淡だけじゃない。全員にだ」

菫「…皆の手助けがあって、どうにか決勝に進めた。大きく失点してしまったものもいるが、反省して次に活かせればいい」

誠子「…はい」

菫「あとご機嫌モードに水を差すようで申し訳ないが、淡もマイナスはマイナスだからな」

淡「あっ、バレちゃった」テヘ

菫「…まあいい。ここからは私の話だ」


55 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 00:00:51.69 ID:Wuw17KNI0


菫「……正直、あの場に亦野が来てくれるなんて思ってもみなかった。青天の霹靂とはこのことさ」

菫「そこで気がついたんだ。『虎姫はチームだ、仲間だ』とか言いながら、私にはその仲間に頼るという気概が足りなかったのではないかと」

菫「…みんなには本当に感謝している。ありがとう」フカブカ

照「菫…」

誠子「部長…頭上げてくださいよ。頭下げるなら私じゃないですか。土下座まで覚悟してたのに」

淡「別にしてもいいんじゃない?」

誠子「なっ…コラ!せっかくのいい雰囲気が!」

ギャー ワー

菫「…やれやれ」



照「……」チラッ

京太郎「……」コクン

菫「……そうだな」

菫「…あと一つ、今晩は虎姫だけでのミーティングの予定だ。8時にいつもの部屋集合、よろしく」

「「「「はーい」」」」


コンコンコン
>すみません、〇〇新聞の者ですが…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
56 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 00:02:36.77 ID:Wuw17KNI0

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


コンコンコン
菫「どうぞ」

ガチャン
淡「やっほー、来たよ」

誠子「失礼しまーす」

尭深「…お邪魔します」

照「…お疲れさま。入って」


京太郎「……」

淡「早いじゃんきょーたろー」ニヒヒ

京太郎「…ああ、軽食の準備してたしな」

淡「?…そう言われるといい匂いがするかも」スンスン

誠子「ハシタないぞ淡」コラッ

淡「へいへーい」

57 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 00:11:41.64 ID:Wuw17KNI0


菫「…まあ出し惜しんでも仕方ないしな。京太郎君」

京太郎「うっす。…何作ったと思う?」

淡「えー…なんだろ。甘いようなスパイシーなような…油っぽい匂いもする」スンスン

照「…勘がいい。淡になら私の後継を任せられる」

淡「いやった!」

菫「何言ってんだお前らは…」ハァ


京太郎「…では、オープン」ファサッ

淡「…ドーナツ!…えっこれミ◯ドじゃないの?」

京太郎「ところがどっこい、ちゃんと手作りなんだなこれが」

誠子「へー、ドーナツって作れるんだすげー」ヒョコ

尭深「ホットケーキミックスの袋とかにも書いてるよ誠子ちゃん…あっ何淹れたらいいですか?紅茶にします?」

淡「なんか入ってないと無理!」ハイ

菫「尭深に任せるよ」

尭深「えっと…牛乳ってありますか?」

京太郎「ドーナツ作るのに仕入れたんで残りがまだありますよ、先輩」

尭深「良かった。じゃあ…」

58 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 00:14:59.93 ID:Wuw17KNI0


尭深「…ロイヤルミルクティー淹れてみました。お好みでお砂糖もどうぞ」コトン

淡「スッゴ!」

誠子「わー、かたじけない!そして肩身が狭い!」

尭深「難しくないよ?牛乳あっためてティーパック入れるだけだから…お湯入れて微調整してるけど」

誠子「その『微調整』とかが難しいんじゃん…だいたい一手間加えようっていう発想がない。はー女子力の差。悲しくなる」ヤレヤレ

尭深「えっと…ど、どんまい?」

淡「砂糖一個ちょうだい!」

尭深「はいはーい」

59 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 00:32:02.06 ID:Wuw17KNI0


誠子「…じゃ、始めますか?」

菫「ああ。…切り替え早いな」

誠子「…褒め言葉として受け止めまっす」

淡「わー亦野先輩に仕切られるー」

誠子「そこうるさいぞ!…ところで何するんでしたっけ。反省会ですか?」

菫「ん。……そうだな。反省もしないといけないが、その前に話がある。……照から」

「「「「…」」」」

照「……」スッ

誠子(…よく見たらまだドーナツにもミルクティーにも手をつけてない!あの照先輩が!)

照「…誠子、後で特打ち」

誠子「…すんません」


照「……今日集まってもらったのは、私がお願いしたから」

照「みんなに言わなきゃいけないことがある。私のこと、私の妹のこと。あと…京ちゃんのこと」

京太郎「……」

淡「きょーたろー…?」

60 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 01:01:38.02 ID:Wuw17KNI0

==============================

(前日夜)





ザー カタン
ガチャ




京太郎「…ふぃーっ、さっぱりした」


フキフキ スッスッ
京太郎(連絡は…きてないな、よし)

シュルッ
京太郎(…喉渇いた)


テクテク バタン
京太郎(お茶とコーラね…あとで買い足そ)
ゴトッ バタン


61 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 01:05:57.43 ID:Wuw17KNI0



ポフッ ゴロン
京太郎(そういや透華先輩からなんかきてたっけ)


スッ
京太郎(今日の写真か…よ、く、撮、れ、て、ま、す、ね、っと)ピコン

京太郎(…みんないい顔してる)



カシュ コクッ
京太郎「あー、茶が旨い」

京太郎(冷たいお茶が火照った体に染み渡るっ…これは犯罪的っ…)プハー

62 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 01:13:57.23 ID:Wuw17KNI0



ピロリン
京太郎(返事速っ!…って違う、照さんだ)



『いまどこ』



京太郎(じ、ぶ、ん、の、へ、や、で、す)スッスッ ピコン


ピロリン

『いくから』


京太郎(……は?)

京太郎(どういうことですか!……っべ、返事がねえ)

京太郎(えっどうしよ……とりあえず片付けるか)ムクッ バッ

63 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 01:17:14.47 ID:Wuw17KNI0






コンコンコン
京太郎(…マジで来ちゃったよ)

京太郎「はーい」


ガチャ
照「お疲れ様」

京太郎「…どうしたんですか急に」ヒソヒソ

照「入るよ」

京太郎「ちょちょちょ待って」ヒソヒソ

照「…だめ?」

京太郎「だめって…ああもういいです、入ってくださいっ」

照「お邪魔します。お菓子持ってきたから食べようね」トコトコ


64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 01:19:51.55 ID:uaFXaCIZo
ひと言でえっちさがなくなる残念さ
65 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 01:26:28.44 ID:Wuw17KNI0


キョロキョロ
京太郎「…大丈夫かな」
ガチャン


照「どうしたの?」

京太郎「…誰かに見られてないかなって、見た感じでは大丈夫そうですけど」

照「見られて困るの?」

京太郎「…部屋に2人だけはダメって言われたじゃないですか」

照「…そうだっけ。…そうだった」

京太郎「そんなところだろうと…菫先輩にはなんて言ってきたんですか」

照「…『ちょっと出るから』くらいしか言ってないよ。ちょうどお風呂入ろうとしてたから」

京太郎「……」

照「…何想像してるの」

京太郎「…何も?」

照「ふーん」

66 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 01:35:20.37 ID:Wuw17KNI0



京太郎「…とりあえずそこの椅子にでも座ってください。菫先輩が心配しだす前に帰らないと」

照「京ちゃんは?」チョコン

京太郎「俺はベッドがありますから」ポフッ

照「そっか」

京太郎「L◯NEで、って話だったんで何の準備もないですけど」

照「うん…ごめんね。直接話したくなったから。人も多いから下は誰かいるかもしれないし」ガサガサ ビリッ

京太郎「ほかの先輩たちも今日は泊まってますからね、分かりますけど。…プチシューですか」

照「これおいしいよね。…飲み物準備してなかった」

京太郎「コーラでよかったらありますよ。俺お茶があるんで」

照「…もらおうかな。ありがとう京ちゃん」

カシュッ
67 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 01:42:05.05 ID:Wuw17KNI0

京太郎「紅茶あたりがベストですかね」

照「そうだね。ストレートが良さそう。コーヒーでもいいけど」

京太郎「ブラックも飲んでましたね」

照「お菓子に合わせて、かな。好んで単品では飲まない」

京太郎「なるほど」

照「…さっきまで何してたの?」

京太郎「えっと…風呂入ってゆっくりしてました。透華先輩とちょっと連絡とったり…ついさっき写真が届いたんですが、見ます?」

照「うん」ヒョコッ
68 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 01:46:53.80 ID:Wuw17KNI0




照「…いい写真だね」

京太郎「ハギヨシさんが撮りましたし。まあパーフェクトですよ」

照「この横の子は?」

京太郎「一先輩かな?国広一さん、龍門渕の中堅ですね。見たことないですか?」

照「なんとなく知ってるような。…近くない?距離」

京太郎「えっ?」

照「京ちゃんとの距離」

京太郎「あっそういう…いやこれは先輩から寄ってきたので」

照「満更でもなさそうな顔してるけど」

京太郎「そりゃあイヤな顔できないですよ…別に嫌いじゃないですし。ちょっと変な人だけど」

照「ふうん」

京太郎「まさか妬いてるんですかー?なんちゃって…」ハハハ

照「……」

京太郎「え、その…ジョークですよジョーク」

照「…写真撮って」

京太郎「え」

照「今すぐ。二人で」

京太郎「アッハイ」


69 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 01:49:40.54 ID:Wuw17KNI0


京太郎「…近くないですか」

照「あの子はよくて私がダメないわれはない」

京太郎「ダメとは言いませんよそりゃあ…しかしですね」

京太郎(部屋に二人っきりでこの距離…!何も起こらないはずも…)

京太郎「…違う、違うんだ」ブンブン

京太郎(いや、何も起こさせないッ…!今までの信頼…!裏切れるはずもないッ…!)

男、京太郎 ここが正念場ッ…!


照「京ちゃん?」

京太郎「あ、撮りまーす」

パシャリ
70 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 01:56:13.52 ID:Wuw17KNI0


シゲシゲ
照「…いい感じ。私のにも送ってね」

京太郎「いいですけど…他の人に迂闊に見せちゃダメなやつですよ」ヨクトレテルケド

照「どうして?」

京太郎「それは……いやダメでしょう普通に考えて。明らかプライベートでツーショットですよ」

照「私と京ちゃんの仲なら許される」

京太郎「…ダメです」

照「そうかな」

京太郎「…ホテルの一室で二人ってシチュエーションがアウトなんでその時点でダメです。大会中だし」

照「…それなら仕方ない」

京太郎「バレたり疑われたりしないようきっちり封印しといてください」

照「…消してとは言わないんだ」

京太郎「撮ったの俺ですし。…撮りたくなかったわけじゃないので」

照「撮りたかったんだ」

京太郎「そうとは言わないですけど」

照「ふうん」

京太郎「…はい!時間もないので本題に入りましょう!ね!」

照「ふふっ、そうだね。時間ないからしょうがないね」

71 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 02:12:10.43 ID:Wuw17KNI0


照「……」コクコク フー

照「コーラおいしいよ、京ちゃん」

京太郎「それはよかった」

照「うん」

照「…あのね」

京太郎「はい」

照「咲のこと、虎姫のみんなに言ったほうがいいかなって」

京太郎「…それはまた…急ですね」

照「…うん」
72 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 02:13:46.16 ID:Wuw17KNI0

京太郎「…何かきっかけでも?」

照「そういうわけじゃないんだけど。…なんだろう、不誠実だと思ったのかな」

照「みんなは勝ちたいと思って一生懸命にやってる。私ももちろんそう思ってるけど、動機の底には咲のことがあって」

京太郎「……」

照「…私や菫は最後の年だから有終の美を、ってきっと思ってくれてる。それなのに…何も知らない、知らされてないままなのはやっぱり違うと思う」

照「…どう、かな」

京太郎「…そう、ですね」

照「…急な話でごめんね」

京太郎「いえ…俺は全然考えてなかったんで、そんな」

73 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 02:31:38.43 ID:Wuw17KNI0
京太郎「でも、照さんがそうしたいと思うなら、した方がいいと思います。…もう後悔してほしくないから」

照「……」

京太郎「部長や先輩たちや淡にしたって、俺より照さんのほうが付き合い長いですし。分かってくれる…と思いますよ」

照「…そうかな」

照「わかった。頑張るね」


京太郎「…それなら俺のことももう隠しておく必要ないですね」

照「そう、だね。…いいの?」

京太郎「どうせ出身地割れてますし、勘が良ければすぐ気付かれるでしょうから。…隠し事しないでいられるなら、その方がいいです」
74 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 02:32:29.82 ID:Wuw17KNI0

照「…ごめんね」

京太郎「…すみません!そういう意味じゃなくて、ええと…」

照「いいの。京ちゃんを巻き込んだのは私。責任はとる」

京太郎「……どうなろうと俺は照さんの肩を持ちますから」

照「…京ちゃんは優しいね」

京太郎「…そんなことないです」プイッ

照「…照れてる」

京太郎「照れてないです」

照「本当かなあ」

75 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/13(金) 02:43:25.91 ID:Wuw17KNI0


京太郎「…そうと決まれば」スッ

照「どうするの?」

京太郎「部長に連絡入れます。一緒に相談しましょう?」

照「そっか。…そうだね」

京太郎「連絡入れれば照さん探されないで誤魔化せますし」

照「…賢い」

京太郎「でしょ?」フフン

照(かわいい)


ピロリン
京太郎「…もしもし部長ですか?…遅くにすみません須賀です。今から照さんと一緒にそっちの部屋に伺おうと。……何言ってるんですか。相談があるそうなんで。……了解です。よろしくお願いします」

76 : ◆oiHx77pVqQ [sage saga]:2020/03/13(金) 02:44:39.61 ID:Wuw17KNI0
中堅戦は何も浮かばなかったので割愛
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 02:45:18.84 ID:uaFXaCIZo
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 07:13:13.81 ID:lv1M9yHK0
乙ー
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 08:04:18.51 ID:YzaSO9gj0

あー照かわいい
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 10:06:41.09 ID:H67J6Cl+O

しっとりしたやり取りすき
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/13(金) 23:49:28.62 ID:SHsXAFmw0
やきもち焼く照かわいい
菫さんが振り込まなかった分だけ白糸台が勝ったか
それにしても菫さん恋バナ(に繋げる事)好きね
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 04:09:12.04 ID:lQunELhV0
せーこちゃんはここの世界でも大量失点してしまったか…
83 : ◆oiHx77pVqQ [saga]:2020/03/20(金) 01:39:08.00 ID:zUo9twB20



=====================











誠子「…じゃああの大将って、本当に先輩の妹さんだったのか」

淡「……」

誠子「ほら淡、昨日テレビで観てた!先輩と名字が同じだーって」

淡「…えっ、あっ…そうだっけ」

誠子「もう忘れたのか…」



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