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【モバマスSS】ウサミン星からの物体P
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2 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:46:35.48 ID:UCn3Xp2h0
菜々「身体を動かした後に飲むものじゃありませんよ!」
P「でもさっき、まるで熱さを感じないかのように淹れたてのヤツをゴクゴク飲んで」
P「終いには『美味しい』って言ってたじゃないですか」
菜々「たたたたまたまですよ!」
菜々「たまたま口の感覚が鈍ってたんです!」
P「はぁ....」
3 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:47:06.69 ID:UCn3Xp2h0
菜々「それはさておき」
菜々「次の仕事はどこでしたっけ?」
P「え?」
菜々「次ですよ次」
P「これで仕事納めですよ」
菜々「....」
菜々「....忘れてました」テヘ
P「もーやる気が有り余ってるのはいいですけど」
P「あんまり働き過ぎてもダメですよ」
菜々「お仕事って楽しいので、ついつい忘れちゃいますねぇ」
P「プロデューサー冥利に尽きますよ....」
4 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:47:39.07 ID:UCn3Xp2h0
P「そういえば」
P「休みの予定はどうするんですか?」
菜々「休み....」
菜々「何日あるんでしたっけ?」
P「えーっと」
P「明日から数えて7日ですね」
菜々「そんなに休んじゃって大丈夫なんでしょうか....」
P「そのために年末働きまくったんじゃないですか」
菜々「あ、そういうことだったんですね」
菜々「てっきりPさんはナナを過労死させたいのかと思ってました」
P「大切なアイドルにそんなことさせるわけないじゃないですか....」
菜々「冗談ですよ冗談」クスクス
5 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:48:08.17 ID:UCn3Xp2h0
菜々「でも7日ですか....」
P「どうかしました?」
菜々「いえ、お休みのことをすっかり忘れていたので何も計画を立ててないんです」
P「自分から過労死しに行ってるんですかあなたは」
菜々「Pさんのこと言えませんね」アハハ
菜々「そうですねぇ....」
6 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:48:56.24 ID:UCn3Xp2h0
菜々「久しぶりに実家にでも帰ろうかなあ」
P「!?」ドンガラガッシャン
菜々「わっ!?」
菜々「ど、どうしたんですか!?」
P「あー、すみません、あまりにも驚いたのでイスから落ちてしまいました」
菜々「えぇ....」
菜々「実家に帰るだけですよ?」
P「いやいや、だってナナさん、全然実家に帰らないじゃないですか」
P「てっきり実家という存在を忘れているのかと思ってました」
菜々「いくらナナの物忘れが激しくても実家は忘れませんよ!」
7 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:49:22.24 ID:UCn3Xp2h0
P「でも俺、菜々さんが実家に帰る所なんて全く見たことないですよ」
P「27年ぶりくらいじゃないですか?」
菜々「なんで産まれた時から一切実家に帰ってないことになってるんですか!」
菜々「非行少女にも程がありますよ!」
P「産まれたてて実家を飛び出すのは非行少女とはまた別の何かですよ....」
8 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:50:09.59 ID:UCn3Xp2h0
菜々「そういえば、暫く実家には帰ってなかったですねぇ」
菜々「前に帰った時もPさんはお仕事で地方に行ってましたし」
菜々「案外本当に、Pさんに言うのは初めてかもしれませんね」
P「えぇっ!?帰ったことあるんですか!?」
菜々「あるにきまってますよ!」
P「....」
P「....つまり菜々さんは本当に帰省するんですね?」
菜々「だから....そう言ってるじゃないですか....」
P「....分かりました」
P「俺も一緒に帰ります」
菜々「....」
9 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:50:47.45 ID:UCn3Xp2h0
菜々「え゛ぇ゛っ!?!!?!?!?」
菜々「いやいやいやいやいやいや」ブンブン
菜々「いいいくらナナとPさんが長い付き合いだからって」
菜々「一緒に帰省はダメですよ!!!」
P「なんでですか?」
菜々「な、なんでって....」
菜々「そりゃあナナはアイドルですし....」
菜々「周りに見られでもしたらあらぬ誤解を生むかもしれませんし....」
P「別にやましいことなんてありませんし大丈夫じゃないですか?」
P「そもそも、俺達普段から2人で移動しまくってますし」
菜々「確かに....」
10 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:51:15.95 ID:UCn3Xp2h0
P「それに」
P「菜々さんを守るのは俺の仕事ですから」
菜々「P、Pさん....///」キュン
P「あと俺もついでに帰省するんでちょうどいいんです」
菜々「それナナを送り届ける方がついでじゃないですか!」
P「いえ、あくまでそっちがメインですよ」
菜々「もー調子がいいんですから」ウフフ
11 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:51:43.29 ID:UCn3Xp2h0
P「じゃ、チケットは俺が用意しとくんで」
P「明日は朝の9時過ぎに東京駅でお願いします」
菜々「チケットって....そのくらいナナでもできますよ〜」
P「プロデューサーの仕事くらいさせてくださいよ」
菜々「了解ですっ」
菜々「明日はよろしくお願いしますね♪」
P「はい、まかせてください」
P「それじゃあまた」ペコ
菜々「はーい、お疲れ様でした〜」ヒョコヒョコ
12 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:52:22.80 ID:UCn3Xp2h0
菜々「Pさんも大袈裟というか過保護というか....」
菜々「まあ、それだけ大切にされてるってことですね」
菜々「でもPさんが同郷だったなんて知らなかったなぁ....」
菜々「そういうことなら言ってくれればよかったのに」
菜々「....」
菜々「Pさんと2人旅....」
菜々「....」ニコニコ
菜々「旅って長さでもありませんけど」
菜々「ちょっと楽しみかも♪」ジタバタ
13 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:52:50.46 ID:UCn3Xp2h0
翌日 東京駅
菜々「おはようございます〜」
P「おはようございます」
P「ん?」
菜々「な、なんですか?」
P「んー....」ジー
菜々「....」ゴクリ
14 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:53:17.17 ID:UCn3Xp2h0
P「昨日周囲の目を気にしていた割には随分派手ですね」
菜々「は、派手じゃなくてオシャレです!」プンスカ
P「いやでも昨日の発言と食い違って
菜々「もう!誰のためにこんな格好してきたと思ってるんですか!」
P「....」
P「....」
P「....?」ポケー
菜々「早く行きますよ!」スタスタ
P「そうですね、そろそろ時間ですし」
菜々「っ....!」
15 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:55:18.55 ID:UCn3Xp2h0
P「えーっとホームは....」
P「総武4....」
P「と16分の6番線ですね」
菜々「へ?」
P「4 6/16番線ですよ」
菜々「なんですかその微妙にキリの悪い数字!」
菜々「某魔法ファンタジー作品の9と3/4番線の絶妙なワクワク感とは大違いですよ!」
菜々「というかせめて約分してください!」
P「ちなみに計算すると4.375になります」
菜々「どこに行っても役に立たなさそう....」
16 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:55:49.07 ID:UCn3Xp2h0
P「さて」
P「どうぞ」スッ
菜々「え?」
菜々「なんの手ですか?」
P「菜々さんをエスコートするための手です」
菜々「!?」
菜々「い、いくらなんでもこんなに人がいる所でそれは
P「....」ギュッ
菜々「あっ....///」
P「行きましょうか」
菜々「....///」
17 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:56:19.31 ID:UCn3Xp2h0
P「よしきた!」ダッ
菜々「ちょっ」
P「行きますよー!」ダダダッ
菜々「P、Pさんっ....はやっ....はやすぎっ....」ゼエゼエ
【壁】
菜々「って壁ぇぇぇぇ!!!!!」
18 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:56:49.93 ID:UCn3Xp2h0
菜々「いたたたたた....」
菜々「くない!?」
P「毎度おなじみ」
P「4 6/16番線です」
菜々「どんな世界線のお馴染みなんですか....」
19 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:57:31.66 ID:UCn3Xp2h0
菜々「いやそれより!」
菜々「さっきの、どうやったんですか!?」
P「さっきの?」
菜々「私テッキリ、壁に激突して脳震盪を起こして病院沙汰だと思いましたよ!」
菜々「すっかり騙されました」クスクス
菜々「すごいイリュージョンですねぇ」
P「は、はぁ」
20 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:57:57.34 ID:UCn3Xp2h0
ガタンゴトン
P「あ、来ましたね」
菜々「そうですね〜」ニコニコ
ガタンゴトン
ガタン ゴトン
プシュー
菜々「年の瀬なのに珍しく空いてます」
P「まー利用者数は他の路線と比べてそこまで多くないですから」
菜々「そうですか?」
菜々「ナナが乗る時でこんなにスカスカなことはなかったような....」
21 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:58:25.85 ID:UCn3Xp2h0
ドアガ シマリマス
プシュー
P「へー、俺からするとそっちの方が珍しい気がしますよ」
菜々「Pさんは運がいいのかもしれません」
P「日頃の行いのおかげですね間違いない」
ガタンゴトン
ガタ ゴト
22 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:59:12.89 ID:UCn3Xp2h0
スゥ
菜々「....」
菜々「ん....?」
フワ
菜々「ん゛ん゛っ!??!!!?!?」アセアセ
フワ フワ フワ
菜々「P、Pさん!?!?!」
P「なんですか?」
菜々「で、電車が」
菜々「脱線してます!!!!」
P「してますねぇ」
23 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/22(水) 23:59:49.12 ID:UCn3Xp2h0
菜々「伏せて!しゃがんで!防災頭巾で頭を覆いましょう!!!」
菜々「これPさんの分です!!!」
P「菜々さん、どうしたんですか?」
菜々「Pさん何をしているんですか!!一刻を争う事態ですよ!!!」
菜々「衝撃に備えないと!!!」
P「このくらいの揺れいつものことじゃないですか」
P「どちらかというと順調な離陸だと思いますよ?」
菜々「いやだから脱線!!!電車が浮いてるんですよ!?!?」
菜々「....?」
菜々「離陸....?」
24 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 00:01:01.26 ID:DzMnBHL90
車内アナウンス『SR地球をご利用いただきありがとうございます』
車内アナウンス『この電車は中央・太陽系線、各駅停車』
車内アナウンス『ウサミン星行きです』
菜々「」
車内アナウンス『次は、月、月』
車内アナウンス『お出口は右側です』
菜々「」
菜々「」
菜々「」
P「いやーようやく菜々さんと帰れますよ〜!」ニッコリ
P「みんな喜ぶだろうな〜!」ウキウキ
P「きっと街中お祭り騒ぎ」
P「星がひっくり返しますよ!」
菜々「」
25 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 00:01:30.99 ID:DzMnBHL90
続きます
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/23(木) 02:06:55.22 ID:EeDUmmnQO
ウサミン星…実在していたのか…
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/23(木) 05:50:22.01 ID:7eZMJbPDO
♪汽車は闇を抜けて光の海へ〜
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/23(木) 12:55:50.18 ID:qGt1QVRbo
さあ往くんだ〜のほうが好き
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/23(木) 20:02:48.14 ID:cgB7Aefno
さよぉなら〜
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/23(木) 20:58:01.48 ID:9efN9SV4o
なんか予想外の方向に物語が動いて行ってて草
31 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:34:47.54 ID:DzMnBHL90
菜々「」
P「はい、そういうことなんでよろしくお願いします」
菜々「ンハッ!?」パチクリ
P「あ、おはようございます」
菜々「おはようございます」ペコ
P「結構寝てましたね」
菜々「電車の中で寝るのは慣れてますからね〜」
菜々「今どのあたりですか?」
P「次がエウロパ前ですね」
菜々「....」
32 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:35:20.16 ID:DzMnBHL90
菜々「新小岩?」
P「エウロパ前です」
菜々「....」
菜々「はぁ....」チラ
菜々「うわぁ....」
菜々「まるで宇宙みたい....」
P「宇宙そのものなので」
菜々「ですよねぇ....」
33 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:36:25.75 ID:DzMnBHL90
菜々「ドッキリ、ではないんですよね?」
P「俺と菜々さんの帰省を撮るだけじゃ取れ高皆無ですよ」
菜々「ただの帰省だったらこんなこと言ってませんよ....」
P「誰がどう見てもただの帰省じゃないですか」
菜々「....」
菜々「Pさん、なんでそんなに落ち着いているんですか?」
P「帰省するだけで落ち着かなくなるのって小さな子供くらいですよ」ニコニコ
菜々「....」
菜々「そもそもここまでのことも、まるで全部知っているみたいですし....」
菜々「....」
34 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:37:06.50 ID:DzMnBHL90
菜々「あなたは一体、」ゴクリ
菜々「何者なんですか....?」ドキドキ
P「....」
P「..........」
P「.............」
P「................」
35 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:40:53.48 ID:DzMnBHL90
P「............」
P「...................」
P「......................」
P「...........................」
P「................................」
36 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:42:16.31 ID:DzMnBHL90
P「え、ウサミン星人ですけど」
菜々「溜めた割に返事がアッサリ!?」
P「今更なんでそんなことを聞くのかと」
菜々「私にとっては超重大発表なんですけど!?」
P「....?」ハァ?
菜々「なんですかその『何言ってんだコイツ』みたいな顔!」
P「....」
P「!!!」
P「まさか....」
菜々「はい?」
37 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:42:44.49 ID:DzMnBHL90
P「....菜々さん」
P「お、覚えていないんですか?」
菜々「???」
P「....」
P「おかしいと思ったんです....」
P「実家に帰ると言った割には」
P「今日は何をするにもやたらリアクションが大袈裟だし」
菜々「私の常識を軽々超えていくことばかりでしたからね!」
菜々「Pさんがイシンバエワに見えましたよ!」
38 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:43:25.32 ID:DzMnBHL90
P「突然発狂して取り乱すし」
菜々「あんなのいきなり見せられて取り乱さない人なんていません!」
菜々「自分の乗っている飛行機が墜落しそうになった時に冷静な人がいますか!?」
P「あとなんか格好がいつもより派手だし」
菜々「そ、それは別にいいじゃないですか....」
P「....」
P「本当に忘れているんですね....」
P「いや正しくは」
39 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:45:24.55 ID:DzMnBHL90
P「覚えていない」
P「のかもしれません」
菜々「....」
菜々「....ナナはナナです」
菜々「(多少は脳機能が衰えているかもしれませんけど....)」
菜々「....」
P「菜々さん」
P「今から話すことは全て真実です」
P「どうか、落ち着いて聞いてください」
菜々「....」
40 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:45:51.08 ID:DzMnBHL90
P「出身地であるウサミン星のこと....」
P「そしてアナタの出自のこと....」
菜々「....」
菜々「....お願いします」コクリ
41 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/23(木) 22:48:24.78 ID:DzMnBHL90
続きます
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/23(木) 23:09:16.59 ID:vHQyLNxz0
出オチ感半端ねぇと思ってたらなんかシリアスな空気になってきて草
一体どの辺に着地するんだ……?
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/24(金) 23:42:52.33 ID:sebJIQs7o
乙
44 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 22:40:52.04 ID:gbQFV3/70
P「菜々さんは」
P「ウサミン星人のお父様とお母様の間に」
P「産まれました」
菜々「....」
45 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 22:41:29.53 ID:gbQFV3/70
P「両親から無償の愛を受け」
P「すくすくと育ちます」
P「事件が起こったのは」
P「産まれて数か月後のことです」
菜々「!....」ゴクリ
46 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 22:42:24.26 ID:gbQFV3/70
P「家の庭でお母様とくつろいでいた時のこと」
P「菜々さんがコロンと転がりました」
P「ウサミン星の言葉では『寝返り』と言います」
菜々「地球でもそうですよ」
P「....その時」
47 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 22:42:50.91 ID:gbQFV3/70
P「偶然庭に落ちていた1人用のポッドに入り」
P「偶然発射のスイッチを押してしまったんです....!」
P「自動操縦によって宇宙空間を旅した後」
P「ウサミン星人が最も暮らしやすい惑星」
P「地球へと降り立ったんです....」
菜々「....」
菜々「????」
48 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 22:43:19.99 ID:gbQFV3/70
菜々「すみません、よく意味が分からないんですけど....」
菜々「まずポッドってなんですか?」
P「これです」スッ
菜々「あぁーっ!」
菜々「これ漫画やアニメでちょくちょく出てくる丸型の宇宙船じゃないですか!?」
P「元々はこっちが先で、地球の漫画やアニメにアイデアが輸入されたんですよ」
49 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 22:45:02.86 ID:gbQFV3/70
菜々「しかもこれ!」
菜々「赤ちゃんの時のナナが、これに寝てる写真が実家のアルバムに何枚かありますよ!?」
P「宇宙空間での使用を前提に作られていて」
P「大気圏の突入の衝撃にも余裕で耐えられるものですからね」
P「赤ちゃんを守るには十分すぎるベッドですよ」
菜々「随分奇抜なベビーベッドだと思ってはいましたけど....」
菜々「親がドラゴ○ボールファンだったのでテッキリ趣味だとばかり....」
P「奇妙な偶然ですねぇ....」
P「いや、これもまた必然なのかもしれません....」
菜々「そうですねぇ....」
50 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 22:45:34.27 ID:gbQFV3/70
菜々「アレ!?ちょっと待ってください!?」
菜々「ということは私」
菜々「今の両親とは血が繋がってないってことですか!?」
P「んー」
P「そうすね」
菜々「反応薄すぎですよ!?」
菜々「これ、ナナにとっては超重大な新事実なんですけど!?」
P「ウサミン星人は血縁を重視しないんです」
菜々「絶妙に都合のいい文化を持ってますね!?」
51 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 22:46:01.86 ID:gbQFV3/70
菜々「(ハッ!?そういえばお母さんよく)」
菜々「(『あんたは橋の下で拾ってきた』って言ってたような....)」
菜々「(よくある冗談だと思ってたけどあれ本当だったんだ....)」
菜々「....」
P「....」
52 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 22:46:59.61 ID:gbQFV3/70
P「すみません、いきなりこんな話」
菜々「いえ、いずれは知らなきゃいけないことだったんだと思います」ニコ
P「....」
P「....ショックですか?」
菜々「うーん....」
菜々「驚きはしましたけど、ショックというほどではないかもしれません」
菜々「不思議ですねぇ....」
53 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 22:48:37.38 ID:gbQFV3/70
菜々「さっきの話が事実だとしても」
菜々「お母さんとお父さんに○○年大事に育てられたという事実は揺るぎませんし」
菜々「それに」
菜々「血縁よりももっと強い親子の証をたくさん貰ってきましたから」ニコニコ
P「....そうですね」ニコ
P「ウサミン星人は血縁を重視しませんからね」グッ
菜々「そういう話じゃないんですよ!?」
54 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 23:40:16.59 ID:gbQFV3/70
P「菜々さんの出自の真実はこんなところです」
菜々「もうここ数時間驚きっぱなしで疲れました....」
菜々「....1つ疑問なんですけど」
P「はい」
菜々「なんでナナは、ウサミン星から来たアイドルに辿り着いたんでしょうか」
菜々「私がウサミン星人であることなんてついさっき知りました」
菜々「そもそもウサミン星の存在すら....」
P「....なんででしょうねぇ」
55 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 23:41:02.83 ID:gbQFV3/70
P「俺は菜々さんがあれだけウサミン星やらウサミン星人やら連呼しているので」
P「自分のことを覚えていると思ってたんですよ」
菜々「だから最初から、ウサミン星を知っている前提で話が進んでいたんですね」
P「そりゃウサミン星人要素をアイドルのキャラクターに取り込んでるんですよ?」
P「ウサミン星産まれウサミン星育ちの生粋のウサミン星人でもそんなことしませんよ」
菜々「知らなかったからこそ出来たことでした....」アハハ
56 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 23:41:31.99 ID:gbQFV3/70
P「おそらく」
P「ここまでの完璧な一致は偶然ではないんだと思います」
菜々「やっぱりそうなんでしょうか....」
P「短いとはいっても、数か月はウサミン星で暮らしていたわけですからね」
P「乳児期の記憶なんてほとんどの場合残りませんが」
P「記憶よりもさらに深いところに刻み込まれていたのかもしれません」
菜々「そう言われるとしっくりきます」
57 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 23:42:07.66 ID:gbQFV3/70
菜々「小さい頃」
菜々「どれだけ周りからからかわれても、バカにされても」
菜々「なぜか『ウサミン星はある』って確信は揺らがなかったんです」
菜々「ふふっ....」
菜々「....本能のようなものだったんでしょうか」クスリ
P「今となっては確かめようがありませんね」フッ
58 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 23:43:02.08 ID:gbQFV3/70
菜々「理由はどうあれ」
菜々「アイドルになって、今こうして活動できているのは」
菜々「ウサミン星のおかげなんです」
菜々「早くお礼を言わなきゃいけません!」
P「安心してください」
P「もうそろそろ着きますよ」
菜々「東京駅を出てから、ちょうど1時間....!」
P「東京-ウサミン星間の所要時間知ってる人が」
P「まさかウサミン星の存在すら知らないなんて誰が思いますか?」
菜々「確かにその通りですね〜」クスクス
59 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 23:43:29.17 ID:gbQFV3/70
P「菜々さん」
P「見えましたよ」
P「あれがウサミン星です」
菜々「!」
菜々「あれが....!!!」
60 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 23:44:26.49 ID:gbQFV3/70
菜々「....」
菜々「なんだか物凄くウサギの形してません?」
P「そうですね」
菜々「あと色も明るいピンク色に見えるような....」
P「真っピンクですから」
菜々「....」
菜々「あんな惑星現実にあるわけないじゃないですか!?」
菜々「長い耳が2本も生えてますよ!?」
P「いやいや、思いっきり目の前に見えてますし」
P「そもそも今からあそこに上陸するんですから疑いようがありません」
61 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 23:46:00.69 ID:gbQFV3/70
菜々「惑星があんな形と色になるわけないですよ!」
P「....菜々さん、月のクレーターってどうやってできるか知ってますか」
菜々「え?それは隕石の衝突でできるんだったような....」
P「その通りです」
P「例えば」
P「周辺の惑星や引力等、様々な事象が絡み合った結果」
P「隕石が衝突しやすいポイントがあるとしたら」
菜々「!?」
62 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 23:46:50.73 ID:gbQFV3/70
菜々「つ、つまり」
菜々「あれは2本のウサギの耳ではなく」
菜々「耳と耳の間に見える部分に隕石が数え切れないほど衝突し」
菜々「そこが窪んでしまった、ということなんですか!?」
P「あれは前の前の国王が国策として掘らせたくぼみです」
菜々「今の話なんだったんですか!!!」プンスカ
菜々「というか惑星の外見を大幅に変えてしまうレベルの工事っていったい....」
P「不必要な公共事業が経済を回すんです」
菜々「星が違ってもすることは同じなんですねぇ....」ゲンナリ
63 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/26(日) 23:47:17.84 ID:gbQFV3/70
続きます
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 20:20:01.80 ID:I/tcKkI+o
乙
何だこれは……? 何だこれは……
65 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 22:51:27.59 ID:l6TDwS+c0
プシュー
菜々「....」
菜々「ここが....ウサミン星....」
P「はい....」
P「ここが菜々さんの故郷」
P「そして」
P「追い続けていた場所です」
菜々「....」
66 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 22:52:26.13 ID:l6TDwS+c0
菜々「なんというか....」
菜々「地元感が凄い....」
菜々「今までのは全てドッキリで」
菜々「最後は地元の駅に降ろされてネタバラしってわけではないんですよね?」
P「正真正銘ここがウサミン星です」
菜々「あそこにいる黒いマスクをしたお兄さんも?」
P「ウサミン星人の若者です」
菜々「あんな格好を好んでする人が地球人以外にいるわけないですよ!」
P「ここ最近流行っているみたいです」
菜々「えぇ....」
67 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 22:53:06.27 ID:l6TDwS+c0
謎の男「ウサミン!」
菜々「はい?」
謎の女「おぉウサミン....よく来たわね....」ウルウル
菜々「あぁ泣かないでください!」アクシュ
菜々「応援ありがとうございます!」
謎の男「会えて嬉しいよ」
菜々「こちらこそ、ありがとうございます!」アクシュ
謎の女「ぅぅ....生きててよかったわ....」グスン
P「いやー熱烈な歓迎ですね」
菜々「アイドル冥利に尽きますよ....」ニッコリ
68 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 22:55:49.98 ID:l6TDwS+c0
菜々「....」チラ
【ウサミン饅頭】【ウサミン大福】【ウサミン落花生】
菜々「....」チラ
【ウサミンを探せ!】【ウルトラスーパーウサミンシスターズデラックス】【メルヘンデビュー!】
菜々「....」ジー
【ウサミンの耳】【ウサミンの腰】【ウサミンの湿布】
菜々「駅のお土産屋さんがナナだらけ!?」
P「定番のお菓子から児童書やゲーム、さらには菜々さんの身体の一部を模したアイテムまで」
P「選り取り見取りですね」
69 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 22:56:26.57 ID:l6TDwS+c0
菜々「ちょ、ちょっとPさん!」ツンツン
菜々「これ一体どうなっているんですか?」
菜々「ライブの物販の時よりナナグッズが多いんですけど!?」
P「菜々さんはここウサミン星も国民的アイドルですから」
菜々「えぇっ!?」
P「だって、自分の住む星の名を冠したアイドルが」
P「遠く離れたところで頑張っているなんて」
P「そりゃあみんな応援しますよ」
菜々「なるほど....」
菜々「ありがたい話ですねぇ....」
70 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 22:56:54.85 ID:l6TDwS+c0
菜々「じゃなくて!」
菜々「そもそもどうして菜々のことが知られているんですか!?」
P「....」
P「ウサミン星では」
P「アンテナを地球の方に向けると電波が拾えるんです」
菜々「どれだけ高性能なアンテナなんですか....」
P「おかげで菜々さんの活躍はウサミン星全域で視聴されていて」
P「今やウサミン星にいる全てのアイドルを凌ぐ人気です」
菜々「なんだかウサミン星で活動する方々から恨みを買いそう....」
P「大丈夫です、その人たちもファンなので」
菜々「平和ですねぇ」
71 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 22:58:18.17 ID:l6TDwS+c0
菜々「そういえば菜々のCDもありましたね」
P「あれは密輸入品です」
菜々「え゛」
P「だってウサミン星と地球は国交を樹立してないじゃないですか」
菜々「だ、だからってそれはちょっと....」
P「菜々さんの出演するライブはライブビューイングもされてますよ」
菜々「....」
P「映画泥棒ですけど」
菜々「そうだと思いました!」
72 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 22:58:45.46 ID:l6TDwS+c0
菜々「お土産屋さんに会った数多のグッズたちは....」
P「当然事務所を通していません」
菜々「ですよね....」
菜々「応援してもらえるのは嬉しいんですけど」
菜々「その手段が非正規のルートだとナナも複雑ですよぉ....」
P「菜々さん、安心してください!」
菜々「?」
P「地球の法律は地球の法律」
P「ウサミン星では適用されません」
P「よって犯罪ではありません!」
菜々「余計に複雑な気持ちになりました」
73 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 23:00:06.97 ID:l6TDwS+c0
P「さらに」
P「ウサミン星人は」
P「知的財産権に対する順守意識が希薄な民族なんです」
菜々「どんな民族なんですか....」
74 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 23:01:17.09 ID:l6TDwS+c0
謎の男「ウサミーン!」
謎の女「こっち向いてー!」
菜々「さっきの!」
P「こちらの方々」
謎の男「やぁ」
謎の女「(ニコニコ)」
菜々「第二ウサミン星人発見!の時のお2人ですよね?」
菜々「てっきりもうお帰りになったのかと」
P「菜々さんの実の親です」
菜々「」
75 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 23:01:51.11 ID:l6TDwS+c0
菜々「ファンの方では....?」
P「いえ、お父様とお母様です」
P「産まれて数か月で生き別れて以来数十年ぶりの再会に感極まってしまったそうです」
菜々「そんなテンションには見えませんよ....」
父「いつもテレビやライブビューイング、Blu-rayで姿を見ていたが」
父「まさか本当に会うことが出来るなんてな....」
母「あなたがいなくなった時は、もう二度と会えないと思っていたもの....」
菜々「....」
菜々「すみません、ナナ、2人のことはほとんど覚えていなくて....」
76 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 23:02:52.81 ID:l6TDwS+c0
父「そんなの当然だ」
父「産まれて数か月で宇宙に放り出すなんて」
父「偶然とはいえ我々の不注意のせいでもある」
父「親失格だ」
菜々「そんなことは....」
父「ウサミンにとっては既に地球が故郷で」
父「そこにいるご両親が本物の親なんだろう」
菜々「....」
77 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 23:03:54.55 ID:l6TDwS+c0
父「私はね、ウサミンをここまで育ててくれた今のご両親には感謝しかないんだ」
母「私たちがウサミンの活躍をテレビで見られたのも」
母「こうして実際に会えたのも」
母「ご両親のおかげなんだから....」
菜々「....」
菜々「....そう言ってもらえると、きっと喜ぶと思います」
78 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 23:04:35.44 ID:l6TDwS+c0
父「これから、少しだけいい」
父「私たちのことも想ってくれるなら」
父「こんなに嬉しいことはないよ」ニッコリ
母「....」ウンウン
菜々「....」
菜々「ありがとう....ございます....」ペコ
79 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 23:05:26.22 ID:l6TDwS+c0
P「ちなみにこのお二方」
P「ウサミン星のトップ」
P「国王と王妃です」
菜々「」
菜々「」
菜々「」
80 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/01/30(木) 23:05:52.41 ID:l6TDwS+c0
続きます
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/31(金) 01:05:30.40 ID:xIsk5DnaO
これあとでウサミン星の王位をかけて5人の王女とバトルになったりしない?
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/01(土) 19:01:35.40 ID:Svob9JJVo
乙
野暮なツッコミかもしれないけどウサミン星人も日本語通じるのね
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/01(土) 19:57:34.24 ID:Cb8ifacfo
アイマス世界のファンは訓練されてるからね
ウサミンが常用する日本語くらい完璧にマスターしてるよね、当然だね
84 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:17:23.11 ID:9sCpRTt80
菜々「事情は大体分かりました」
菜々「俄かには信じがたい話ですし」
菜々「すぐに全て受け入れられるというわけではありませんけど....」
菜々「嘘を言っているとも思っていないので....」
菜々「その、よろしくお願いします」ニコ
国王「!!!」
85 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:18:20.20 ID:9sCpRTt80
王妃「ウサミン....」グスン
国王「ウサミン!!!」ガシッ
王妃「ウサミン!!!」ギュッ
菜々「あわわわわわわわわ」アタフタ
国王「よかった....よかった....」ナデナデ
菜々「....」
菜々「....」ギュゥ
P「....」ニッコリ
86 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:18:48.70 ID:9sCpRTt80
菜々「あのぅ....」
国王「ん?どうしたんだ?」
菜々「先ほどから気になっていたんですが」
菜々「私、安部菜々という名前でして....」
国王「?」
国王「当然知っているぞ?」
菜々「えーっと....」
87 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:19:16.44 ID:9sCpRTt80
菜々「なぜウサミン呼びなのかなぁと....」
国王「....」
国王「我々の娘のために、我々が名付けたんだから当然じゃないか」
国王「なあ?」
王妃「ええ」ニコ
菜々「???」
88 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:19:43.50 ID:9sCpRTt80
菜々「いえ、あの、私が使っているウサミンという名前は本名ではなく」
国王「いや、ウサミンが産まれた時に我々が考えたんだぞ?」
菜々「?????」
P「菜々さんが産まれた時にこのお2人がそう名付けたんですよ」
菜々「えぇっ!?」
P「これもまた、脳のどこかが無意識のうちに覚えていたんでしょうね....」
国王「親にとってこんなに嬉しいことはないなぁ」
王妃「そうねぇ」
89 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:20:09.86 ID:9sCpRTt80
菜々「ちょっと待ってください!」
菜々「私のウサミン星での本名は本当にウサミンなんですか!?」
P「らしいですよ」
菜々「えぇ....」
菜々「それって地球で言えば」
菜々「自分の子供に『地球ちゃん』ってつけるようなものじゃないですか!?」
P「そういうことになりますね」
菜々「とんでもない名前じゃないですか!?」
P「まあでも最近のキラキラネームならあり得なくはないかもしれませんよ」
菜々「言われてみるとそうかも....」
菜々「いやナナは最近産まれたわけじゃありませんよ!?」
P「確かに」
90 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:20:56.26 ID:9sCpRTt80
P「ということで」
菜々「アッサリ仕切り直されても困りますよ....」
P「別に悪いことじゃないからいいじゃないですか」
菜々「良い悪いの話じゃありません!」
菜々「突然重要事項を立て続けに聞かされたので」
菜々「身も心も混乱してるんですよ....」
P「○○年ぶりの帰省ですからね」
P「そうなるのも仕方ないです」
91 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:21:35.58 ID:9sCpRTt80
P「まーいつまでも混乱してても仕方ないので」
P「適当に街ブラでもしましょうか」
菜々「国王さんたちもそうするのがいいって言ってましたからねぇ」
P「ウサミン星のことを菜々さんに知ってほしいんだと思いますよ」
92 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:22:25.46 ID:9sCpRTt80
菜々「....」スタスタ
菜々「....」スタスタ
P「....」スタスタ
P「どうですか、この星は」
菜々「うーん....」
菜々「なんだかどこもかしこも地球と変わりませんねぇ」
菜々「もっというと私が普段生活している日本とほとんど変わりません」
菜々「こうして歩いていても、ここが異国どころか異星であることを忘れてしまいます」エヘヘ
P「同じ銀河内ですからね」
菜々「ぎ、銀河って....」
93 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:22:56.32 ID:9sCpRTt80
P「地球でも近くの国や地域は似た文化を持っていることが多いじゃないですか」
菜々「ナナにはとてもそんな小規模な話と同等には思えません....」
P「宇宙規模で考えたら、地球規模よりさらに小さな話なのかもしれませんよ」
P「分かっている部分だけでも想像すらできないような広さです」
P「分かっていない部分は想像しようと思うだけ無意味ですし」
菜々「私も詳しくは知りませんけどその通りなのかもしれませんねぇ....」
94 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:23:23.05 ID:9sCpRTt80
菜々「そういえば」
菜々「地球には私やPさんみたいに」
菜々「ウサミン星の人がたくさん紛れて暮らしているんですか?」
P「いや、そんなことはないですよ」
P「基本的にこの辺りの銀河では」
P「国交を結んでいない星へのむやみやたらな介入は禁止されているんですよ」
菜々「どうしてですか?」
95 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:24:08.18 ID:9sCpRTt80
P「星が違えば文化や文明レベルの差も大きく開いている場合があります」
P「星はあくまで自発的な発展をするべきであって」
P「外的要因、つまり他の星がそれを妨げてはならない」
P「という考え方がスペーススタンダードなんです」
菜々「へぇ〜」
菜々「だから地球では宇宙人の存在が未だ確認されていないんですねぇ」
菜々「こんなにたくさんいるのに」
96 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:24:38.04 ID:9sCpRTt80
菜々「あれ?」
菜々「それじゃあどうしてPさんは地球にいたんですか?」
P「俺ですか?」
P「菜々さんのためですよ」
菜々「なっ....////」カァッ
菜々「何を言ってるんですか突然!」ペシペシ
97 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:25:32.03 ID:9sCpRTt80
P「俺、国王の直臣でして」
菜々「はぁ」
P「菜々さんが1人で地球に旅立ったその日に」
P「菜々さんの様子をウサミン星へ報告するため」
P「地球へ派遣されました」
菜々「」
菜々「それじゃあPさんって菜々が小さい頃から....?」
P「見てました」
菜々「」
98 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:27:40.45 ID:9sCpRTt80
P「最初は王妃が」
P「『ウサミンが地球へ辿り着く前に惑星ごと消滅させてからポッドの回収に行きます』」
P「って言って聞かなかったんですけど」
菜々「物騒過ぎませんか!?」
P「あの人普段は温厚なんですけど」
P「自分の子供のこととなると周りが見えなくなるんですよ」
P「何を犠牲にしても怖くない、みたいな感じになっちゃって」
菜々「犠牲の規模を考えて欲しいですよ....」
99 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:28:22.60 ID:9sCpRTt80
P「さすがに天の川銀河連盟から注意されまして」
菜々「そりゃあさっきの考え方に照らし合わせたらそうなりますよ....」
P「菜々さんを乗せたポッドが地球へ着陸した時点で」
P「こちらからの干渉はできませんからね」
P「そうなった以上俺が行って菜々さんを見ているくらいしかやりようがなかったんです」
菜々「なるほど....そういうことだったんですねぇ....」
100 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:30:39.97 ID:9sCpRTt80
菜々「ぁ」
菜々「....」
P「どうしました?」
菜々「....」
菜々「....1つ、質問なんですけど」
P「何でも聞いてください」
菜々「....」
菜々「Pさんが私をスカウトしたのも」
菜々「より自分の近くに置いて」
菜々「動向を把握しやすくするためだったってことですか....?」
P「....」
101 :
◆bL5b7ovQmQ
:2020/02/02(日) 21:31:07.00 ID:9sCpRTt80
菜々「あーいえ!別にそれを恨んでいるとか」
菜々「怒っているとか」
菜々「そういうわけではないんですよ!」アタフタ
菜々「きっかけはどうあれ」
菜々「Pさんにスカウトされなければ今の私はいないわけですから!」グッ
P「....」
菜々「....」
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