【モバマスSS】ウサミン星からの物体P

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195 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/08(日) 23:37:02.58 ID:SvSN2dT+0
菜々「はい」コクリ

P「....」

P「だそうです」

国王「ふっ、君だって分かっていたんだろ?」

P「....」

P[どうでしょうね」

菜々「ナナのことに関しては」

菜々「ナナよりも詳しいですから」ニコニコ

P「....やめてくださいよ」フン
196 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/08(日) 23:43:06.42 ID:SvSN2dT+0
王妃「さすが、敏腕プロデューサーさんは違うわ」クスクス

国王「とはいっても、色々と準備に不安は尽きないだろうから」

国王「特別にあの部屋を使えるようにしておいたよ」

P「?」

菜々「あの部屋とは?」

王妃「とある研究所で起こった事故の際に偶然産まれた部屋のことよ」
197 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/08(日) 23:48:27.80 ID:SvSN2dT+0
王妃「その部屋の中は、なんだかよく分からないけど色々バグっていて」

王妃「中で1週間過ごしても、外では1日しか経過しないの」

国王「通称『精神と時の部屋』だ」

P「まんまじゃないですか」

国王「いくつかの点が未知なうえに、有用すぎるから」

国王「普段は憲法で使用を禁じているんだが」

国王「憲法解釈を変えることで、今回だけ特別に使ってよいことにしたんだ」

P「えぇ....」
198 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/08(日) 23:48:57.30 ID:SvSN2dT+0
P「いやー気持ちはありがたいですけど」

P「そんな危険なところに菜々さんを入れられませんよ」

菜々「行きます!」

P「....もー」

P「何かあったらどうするんですか」

菜々「お2人が、何かあるかもしれないところに私を入れるはずありませんから」

国王「当たり前じゃないか」

王妃「囚人たちを使った人体実験によって」

王妃「今は部屋の安全性が確保されているわ」

P「....」
199 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/08(日) 23:50:29.04 ID:SvSN2dT+0
P「....」

P「菜々さん」

菜々「はい」

P「歳とっちゃいますけど、いいんですか」ジロ

菜々「っ....!!!」ギリッ

菜々「....................」

菜々「........................................」

菜々「........................................................................」

菜々「....................................................................................1週間くらい」

菜々「どうってことありませんよ!!!」バーン!
200 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/08(日) 23:51:32.01 ID:SvSN2dT+0
続きます
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/08(日) 23:59:38.73 ID:sba/GTmpo
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/09(月) 18:22:55.62 ID:w+xPWfVGO
ウサミン星にもDクラスがいるんやな…
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 05:25:58.79 ID:Nu13h3oY0
このライブが新しい星歌になるんだろうな
204 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:50:07.06 ID:5L2KmOFC0
〜翌日〜

P「....」チラ

P「遅いな....」

P「これじゃもう....」

ガシャン

ウィーーーーン

P「!」

プシューーー

モクモク

P「!!!」
205 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:50:55.93 ID:5L2KmOFC0
菜々「....」

P「菜々さんっ!」ダッ

P「よく無事に戻ってきてくれました!」

菜々「....」

菜々「お待たせしました」ニコ

P「(さすが菜々さん、笑顔を作ってはいる....)」

P「(しかし....)」
206 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:51:48.57 ID:5L2KmOFC0
菜々「....」ボロボロ

P「(体中に貼られた夥しい数の湿布....)」

P「(腰に巻かれたコルセット)」

P「(膝にはサポーター)」

P「(誰がどう見てもボロボロじゃないか....)」ウッ

菜々「どうかしましたか?」
207 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:52:19.93 ID:5L2KmOFC0
P「....見ればわかります」

P「菜々さんが並々ならない覚悟を持って」

P「1週間の間、壮絶な特訓を積んで来たこと」

菜々「....」

P「まるで何歳も年を重ねたようです」

菜々「いっ、1週間しか重ねてません!!!!」ペシペシ

P「それはさておき」

菜々「ナナにとってはかなり重要なところなんですよ!?」
208 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:53:01.56 ID:5L2KmOFC0
P「....」

P「いけますか」

菜々「はい」コクリ

P「了解です」

P「会場の設営や演出等々、全て事前に決めた通りに滞りなく完了しています」

菜々「分かりました」

P「もうそんなに時間はありませんからね」

菜々「すみません、ナナのせいでリハーサルが出来なくなってしまって....」

P「菜々さんがそれで良いって思ったから、この時間まで練習をしてたんでしょ」

菜々「....良い、というわけではありませんよ」
209 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:54:07.91 ID:5L2KmOFC0
菜々「ファンの方々のために最善を尽くすんだったら」

菜々「時間をかけてパフォーマンスを完璧にして」

菜々「コンディションを整えて」

菜々「当然リハーサルだってして」

菜々「普段のライブのように全ての憂いを無くしてから舞台に立つべきなんです」

P「でも、今回はそうもいかなかったわけですよね」

菜々「はい....」
210 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:54:52.65 ID:5L2KmOFC0
菜々「でも後悔はしていません」グッ

菜々「そして」

菜々「誰にも後悔はさせません」

P「菜々さん....」

菜々「今、ナナに出来る最上級のパフォーマンス」

菜々「ではありません」

菜々「これまでの中で一番のものを」

P「....」
211 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:55:52.66 ID:5L2KmOFC0
P「菜々さんは毎回一番を更新してますからね」

P「今回も楽勝ですよ」ブイ

菜々「それじゃあそろそろ準備に行ってきますね」

P「超特急でメイクやらなんやらをしてもらってください」

菜々「は〜い」タッタッ

P「....」

P「....声をかけなくても良かったんですか」

国王「相変わらず君は鋭いな」

国王「それでこそ私が選んだ男」

P「....」
212 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:56:54.49 ID:5L2KmOFC0
P「あなたが今、声をかけても良かったんじゃないかと」

国王「....」

P「というかよくかけなかったなと思いました」

国王「....」

国王「....私も声をかけようとしたんだがね」

国王「あんなにボロボロになっても」

国王「ファンたちのことを考えて健気に笑い」

国王「前に進むウサミンを見たら」

国王「....」
213 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:57:48.43 ID:5L2KmOFC0
国王「涙が止まらなくなりそうだったからやめた」

P「親バカ」

王妃「というか泣いてたじゃない」

国王「お前っ、それは言うなよ!」プンプン

王妃「こんなところでくだらない見栄張っても仕方ないわよ」

国王「王ってのは見栄張ってナンボなんだよ!」プンスカ

P「(この人達見てると、常にウサミン星への不安が付きまとうんだよなぁ)」
214 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:58:16.02 ID:5L2KmOFC0
国王「ライブが終わるまでは、私は見守るだけにするよ」

王妃「....」

王妃「....終わったらウサミンに」

王妃「あの話をしなければいけないしね」

国王「....そうだな」

P「....」
215 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/15(日) 23:59:17.35 ID:5L2KmOFC0
菜々「どうでしょう、Pさん」クルクル

P「....」

P「....」

P「うーん....」

菜々「うーん!?」

P「めちゃくちゃ可愛いです」ピース

菜々「////」カァ
216 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/16(月) 00:00:02.29 ID:2a9T71iB0
P「可愛すぎて適切な言葉がなかなか見つかりませんでした」

菜々「それで、うーん....ですか」

P「さっきまで全身から湿布の臭いを漂わせてた人とは思えません」

菜々「それは言わないでください....」

P「あ、膝と腰は大丈夫ですか?」

菜々「な、なんとか....」

菜々「鎮痛剤も飲みましたしライブの間は持ってくれる....はずです....」

P「ソロで15曲ですか....」

P「こんなにハードなライブ、ありましたっけ」

菜々「内容だけじゃなく、準備が突貫工事だったことも含めると歴代1位かもしれません」

P「ですよねぇ」
217 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/16(月) 00:01:19.02 ID:2a9T71iB0
菜々「でも不安は皆無です」

P「これは偶然」

菜々「?」

P「俺もそうなんですよ」ニカッ

菜々「....」ニコ

菜々「楽しんできます」スタスタ

P「....」

P「....」フッ

P「ウサミン星の歴史に残る2時間になるかもなぁ」ニヤリ

国王「ん?今日を国民の祝日にする?」ニュン

王妃「名前を考えなくっちゃ♪」

P「そういう話じゃないです」
218 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/16(月) 00:02:08.74 ID:2a9T71iB0
続きます
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 00:12:37.05 ID:25UuhT6eO
2時間のライブで15曲ぜんぶ単独か…
220 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:24:14.84 ID:M/Q1rFbX0
パッ

菜々「....」

ヴォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

菜々「....」

菜々『ありがとうございます』

ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ
221 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:24:52.56 ID:M/Q1rFbX0
菜々「....」

ザワザワザワザワザワザワザワザワザワ

菜々「....」

ザワザワ........ザワ................

菜々「....」

菜々『今日は、ナナのライブにこんなにもたくさん集まってくれて』

菜々『本当にありがとうございます』ペコ

菜々『またこのライブは、全国で生中継もされているということで』

菜々『テレビの前で見てくれている皆さんも、ありがとうございます』ペコ
222 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:25:41.72 ID:M/Q1rFbX0
菜々「....」

菜々『発表が直前になってしまって、すみませんでした』

菜々『実は、つい昨日まで』

菜々『このライブの計画なんてなかったんです』

菜々『....でも』

菜々『ウサミン星へ帰ってきてようやく』

菜々『この星の皆さんが』

菜々『遠く離れた地球にいるナナを、ずっと応援してくれていたことを知りました』
223 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:26:11.20 ID:M/Q1rFbX0
菜々『そして昨日のパレードで』

菜々『その応援が、声援が、どれだけ力強いものかを知りました』

菜々「....」

菜々『だからナナは、ナナにできる全てをこのライブに乗せて』

菜々『今まで皆さんがくれたものを』

菜々『少しでもお返しできればと思っています』
224 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:28:48.81 ID:M/Q1rFbX0
パチ....パチパチ........

パチパチパチ....パチパチパチパチパチパチ....

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!!!!!!!!!パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
225 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:29:18.40 ID:M/Q1rFbX0
菜々「....」

菜々『....これから2時間』

菜々『着いてきてください』ジッ

シン....
226 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:30:36.44 ID:M/Q1rFbX0
菜々「....」

菜々「....っ」スゥー

菜々『いけんのかお前らあああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!』バーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!

ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

菜々『それじゃあ1曲目!!!!!』

菜々『いっきま〜す!!!!!!!』

イエェエエエェェェェェエエエエエエエエエエエエエェエェェェェェエエエエエエエエエェェギャアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァx!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
227 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:31:33.93 ID:M/Q1rFbX0
ピカッ

ピュ----イーー-----ーー♪

『その時空から 不思議な光が降りてきたのです』

アレハダレダアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ダレダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ダレダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ダレナンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
228 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:33:58.53 ID:M/Q1rFbX0
『それは』

シン............

ゴクリ........................
229 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:34:56.27 ID:M/Q1rFbX0
菜々『ナナでーーーーーーーす!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛
オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛
オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛
230 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:36:13.95 ID:M/Q1rFbX0
国王「そろそろか....」

王妃「....」チラ

王妃「本当にいいの?観に行かなくても」

国王「....」

国王「....それは」

国王「死ぬほど行きたいよ!!!当たり前だろ!!!!!!!」

国王「でもなあ!私がライブを観に行ったら誰がこっちをするんだ!!!!!!!!」

国王「クソー!!!!!今すぐ誰か政権交代してくれぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ジタバタ

王妃「国王は辛いわねぇ」

国王「本当だよ....」ゲンナリ
231 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:37:10.54 ID:M/Q1rFbX0
「陛下!会場周辺の気温が急激に上がり始めています!」

「陛下!会場を震源とする地震が発生しています!」

国王「....来たか」

「まずいです!会場周辺だけではなく、星全体の気温が急激に上昇しています!」

王妃「生中継やってるから当然ねぇ....」

国王「....」

王妃「あなた?」

国王「ウサミンのライブに、星中が喜んでいる....」ウルウル

王妃「感傷に浸っている場合じゃないでしょ!!!」

国王「おぉそうだった」
232 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:41:46.11 ID:M/Q1rFbX0
「陛下!気温の上昇が止まりません!」

「時間を経るごとに揺れも増しています!」

「このままではウサミン星が持ちません!!!!!」

国王「....」

国王「....君たち」

国王「ウサミンのライブを、リアルタイムで見せてあげられなくて」

国王「すまない」ペコ

「陛下っ!?」

「やめてください!?」
233 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:42:24.14 ID:M/Q1rFbX0
国王「この借りは必ず返す」

国王「具体的にはあとで生ウサミンと合わせてあげるつもりだ」

「一生ついていきます!」

「握手はOKですか!?」

「ダメに決まってんだろ馬鹿か!?」

「写真まではセーフですよね!?」

「せめてサインなら....」

王妃「そんな適当な約束して大丈夫なの?」

国王「....」

国王「....」
234 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:43:04.08 ID:M/Q1rFbX0
国王「....改めまして」

国王「君たち」

国王「我が星の科学技術は何のために発展してきたのか」

国王「わかるかね」

「「「「「....................」」」」」

国王「....それは」

国王「今日、この日のためだ!!!!!!!」バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」
235 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:43:49.03 ID:M/Q1rFbX0
国王「ウサミン星の人々が、何の心配事もなくライブに酔いしれるために」

国王「我々でこの危機を救うんだ!!!!!!!!!!!!!」グッ

「「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」

「「「「「「「はいっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」
236 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:44:35.85 ID:M/Q1rFbX0
王妃「珍しくトップらしいことやってるじゃない」クスクス

国王「ふっ....」クスリ

国王「....娘の晴れ舞台の邪魔を許す父親なんて」

国王「宇宙中探し回ってもいないんじゃないかな?」ニヤリ

王妃「....その通りだわ」ニッコリ
237 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/21(土) 22:45:07.29 ID:M/Q1rFbX0
続きます
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/22(日) 00:29:43.57 ID:keKyIFj8O

国民の一体感で星がヤバい
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/22(日) 05:54:13.94 ID:iiHshC3a0
ちひろに星の存在がバレたら国民全員グッズで尻の毛まで抜かれるな
240 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:17:26.72 ID:GcGDrG1N0
菜々「....」ポケー

P「菜々さん」

菜々「....」ポケー

P「ダメですね」

国王「あれだけのことをやり遂げたんだ」

国王「仕方ないな」

P「誰よりも菜々さん本人が、現実感がないのかもしれません」
241 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:18:24.36 ID:GcGDrG1N0
P「あ、そういえばそっちは大丈夫でした?」

国王「大丈夫じゃないに決まってるだろうが!」

P「ですよねー」

国王「ウサミン星始まって以来の危機だったんだ」

国王「今までの科学技術の積み重ねがなかったらどうなっていたことか」

王妃「恒星になりかけてたわよ」

P「そうはならないでしょ....」
242 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:18:54.91 ID:GcGDrG1N0
菜々「ハッ!?」

P「菜々さんが帰ってきた」

菜々「Pさん!?今何時ですか!?」

P「20時半くらいですね」

菜々「えぇっ!?ライブが終わってからもうそんなに....」

P「ずっとボーっとしてましたからねぇ」

P「余韻に浸ってるのを邪魔するわけにもいきませんし」

菜々「余韻、余韻なんでしょうか....?」

P「?」
243 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:20:48.17 ID:GcGDrG1N0
菜々「なんだか、いくら時間が経っても」

菜々「さっきのライブのことを頭が処理しきれないんです」

菜々「何もかもが初めてで、イレギュラーで、それなのに来てくれた皆さんの歓声は温かくて」

P「もはや温かいってレベルじゃなかったと思いますけどね」

菜々「でもそのおかげで」

菜々「ライブが夢だったなんて思わせてくれないんです」

P「あんなのを目の当りにしたら、現実だと信じるしかないですもん」

菜々「今抱いている感情も全く整理できません」

菜々「こんなのも初めてですねぇ」ウフフ

P「....」
244 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:21:27.06 ID:GcGDrG1N0
P「菜々さん」

菜々「?」

P「満足できましたか?」

菜々「....ライブが終わった直後にそれ聞いちゃいます?」

P「一応これ聞いとかないと終われませんから」

菜々「もー....」
245 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:22:04.77 ID:GcGDrG1N0
菜々「....」

菜々「これで満足できなかったなんて言ったら、私一生満たされることがなくなりますよ」クスクス

P「やーでも突然ライブやるとか言い出す菜々さんですから」

菜々「その節はご迷惑をおかけしました!」ペコ

P「『満足できなかったから明日もライブやる!!!』とかなったらたまんないですし」

菜々「そんなことしたらナナの身体どうなっちゃうんでしょう....」

P「今は何ともないんですか?」

菜々「はい、今は」

P「あっ....」
246 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:23:27.87 ID:GcGDrG1N0
菜々「明日以降のことは....頼みます....」ガクッ

P「気を強く持ってください、出来る限りのサポートはしますから」

菜々「怖い....朝を迎えたくない....」ゲンナリ

P「身体との戦いは1週間くらい続きそうですね....」

菜々「1週間で済むんでしょうか....」ゲッソリ
247 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:25:57.48 ID:GcGDrG1N0
菜々「そういえば、もう明日には帰るんですよね?」

菜々「出発は何時くらいですか?」

菜々「急いで荷造りをしておかないと」

P「....」

P「その話の前に、国王が話したいことがあるそうです」

菜々「今からですか?」

P「どうしても今日中がいいと」

菜々「分かりました」

P「すみませんこんな時に」

菜々「いえいえ、今回の件では国王さんにも散々お世話になりましたから」

菜々「自分の口で報告するべきですよね!」

P「....そうかもしれません」

菜々「じゃあちょっと行ってきますね」タッ

P「....」
248 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:26:50.86 ID:GcGDrG1N0
菜々「こんばんは〜」

国王「おぉ、ウサミン!

王妃「ライブお疲れ様!」

菜々「こちらこそ、お2人にはもう数えきれないくらいお世話になりました!」ペコペコ

国王「いいんだいいんだ、このくらい親の仕事としては当然さ」ニコ

王妃「そうよ、初めて親らしいことをさせてもらえてむしろこっちが感謝したいくらいだわ」ニッコリ

菜々「そんなこと....」ウル

国王「....」
249 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:27:48.87 ID:GcGDrG1N0
国王「ぅぅっ....」ウルウル

王妃「あなたが泣く所じゃないでしょ!」

国王「しょうがないだろ....」ウルウル

国王「ウサミンのあんな顔見せられたら涙腺ガバガバおじさんには耐えられないよ....」ウルウル

菜々「ふふっ....」ポロ

250 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:29:47.98 ID:GcGDrG1N0
菜々「それで、お話というのは?」

国王「うむ....」

国王「単刀直入に言おう」

国王「ウサミン」

菜々「はい」

国王「この星に戻ってくる気はないかね」ジッ

菜々「....戻る?」
251 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:31:26.10 ID:GcGDrG1N0
王妃「この星の人たちがどれだけあなたのことを慕っているかは」

王妃「僅かな時間でも十分に伝わったと思うの」

菜々「それはもう....本当に....」

国王「もちろん、ウサミンが地球でほとんどの時間を過ごしてきて」

国王「大切なものが全てそこにあることは知っている」

国王「心の故郷がウサミン星ではないことは分かっているんだ」

菜々「....」

国王「だが、この星のことを知ってからの2日間」

国王「たくさんのものに触れて、ウサミン自身、何か感じることがあったかもしれない」

国王「もしそうだったなら、地球へ帰る以外の選択肢も頭の片隅には入れておいてほしかったんだ」

菜々「....」
252 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:31:56.73 ID:GcGDrG1N0
王妃「親が子を引き留めようとするなんて、みっともないわよねぇ」

菜々「....そんなこと、ナナは思いません」

王妃「ありがとう、そう言ってもらえると私たちも少し報われるわ」ニコ

王妃「....」

王妃「もしもあなたが残ってくれるなら」

王妃「ゆくゆくはこの星を治めて欲しいと思っているの」

菜々「え゛っ!?」

国王「というか、もし残ったなら国民が黙っていないと思う」

王妃「私たちなんてすぐにポイでしょうね」クスクス

菜々「えぇ....」
253 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:32:48.11 ID:GcGDrG1N0
国王「もちろんウサミンには地球の生活があるから、今すぐにという話じゃないんだ」

王妃「向こうで一区切り付けてから、こっちに戻ってきてくれてもいいの」

菜々「....」

国王「....明日の昼に出発するんだろう?」

国王「そんなに時間はないが、少しだけ考えてみてくれないかい」

菜々「....」

菜々「....いえ」

菜々「今ここで、お答えします」

2人「....」
254 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:35:20.19 ID:GcGDrG1N0
菜々「....」

菜々「....ごめんなさい」ペコ

菜々「とっても有り難いお話なんですが、ナナはウサミン星には戻れません」

2人「....」

菜々「何があっても、あの星で、あの場所で」

菜々「アイドルを続けます」

国王「....」

国王「....そうか」
255 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:36:38.54 ID:GcGDrG1N0
国王「まぁ、当たり前だよなぁ」

王妃「ダメ元だったものね」

菜々「本当にすみません....」

国王「いやいや、ウサミンが謝ることじゃないよ」

王妃「こちらこそ、答えづらいことを聞いちゃってごめんなさい」

国王「....」

国王「地球、消しちゃおっかな」ボソ

菜々「!!?!?!?!?!?」
256 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:38:12.68 ID:GcGDrG1N0
菜々「ナナナナナナナはウサミン星に残りますからそれだけは!!!!」

国王「ごめんごめん!冗談だよ冗談!」

菜々「冗談に聞こえませんよ!?」

国王「....」

国王「娘を奪った地球が憎い....」ボソボソ

菜々「」

王妃「奪ったも何も原因は私たちの不注意じゃない」

国王「それもそうか」

菜々「心臓と腰に悪いのでやめてください....」
257 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/03/29(日) 07:46:07.30 ID:GcGDrG1N0
続きます
258 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/06(月) 22:29:50.69 ID:emVx5D530
ガチャ

菜々「....」

P「....おかえりなさい」

P「....」

P「まあ色々と思うところはあるでしょうけど」

P「とりあえず明日までゆっくりと考えてみてください」

P「菜々さんが出した答えなら俺はどちらでも....」

菜々「もうお断りしたので大丈夫です」ニコニコ

P「あ、そうですか....へぇ....」
259 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/06(月) 22:31:07.47 ID:emVx5D530
P「....」

P「意外と即決だったんですね」

菜々「そうですねぇ....」

P「....」

P「俺としては」

P「菜々さん、結構この星を気に入ってる感じがしたんで」

P「どっちの選択肢もあり得るのかなって思ってましたよ」

菜々「....」
260 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/06(月) 22:32:12.93 ID:emVx5D530
菜々「私にとっては、今地球で応援してくれている人たちも」

菜々「ウサミン星で応援してくれている人たちも」

菜々「どちらも等しく、大切な存在です」

菜々「もちろん事務所にいる他のアイドルの子たちやスタッフの方々もそうですし」

菜々「地球とウサミン星、どちらにもいる親もそうです」

菜々「完全に同じなんですよ」

菜々「だから私は、今までどおりを選んだ、それだけなんです」

P「....」
261 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/06(月) 22:33:11.81 ID:emVx5D530
菜々「....」

菜々「Pさんは即決って言ってくれましたけど」

菜々「....」

菜々「....決めてなんかいませんよ」

菜々「決められなかったから、地球を選んだ....」

菜々「....」

菜々「これでよかったんでしょうか....」ニコ

P「....」
262 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/06(月) 22:33:47.47 ID:emVx5D530
P「別にどっちでもいいじゃないですか」

P「人間みんなそんなもんですよ」

菜々「....」

菜々「でもナナ、人間じゃありませんし....」

P「え?」

菜々「というか、Pさんだって人間じゃないですよ」

P「俺たち人間じゃないんですか?」

菜々「ナナたちってウサミン星人ですよね」

菜々「人間って地球にいる人のことを言うんじゃないですか?」

P「....」
263 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/06(月) 22:34:39.16 ID:emVx5D530
P「確かに言われてみればそうかもしれませんね」

P「地球にいる人間とウサミン星人はほぼ変わりませんけど」

P「住んでいる場所からして、ホモ・サピエンスとは全く別の種っぽいですし」

P「ウサミン星人の始祖が地球からの移住者だったらホモ・サピエンスと同種になるんですかね」

P「地球に住む人間とはほぼ変わらないとしても」

P「そもそも人間という言葉自体がウサミン星人のような存在の可能性を考えずに作られているような気がするんですよね」

P「地球から見たら我々は当然宇宙人ですし」

菜々「むむむ....」
264 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/06(月) 22:38:25.55 ID:emVx5D530
P「まあ難しい話は置いといて」

P「菜々さんは人間でありウサミン星人でもあるってことでいいじゃないですか」

菜々「....」

P「二重国籍の星版みたいな感じですよ」

菜々「分かりやすい表現」

P「菜々さんの気持ちはわかります」

P「誰もその選択を責める人がいなくても」

P「菜々さん自身の心だけがずっと、責め続けるのかもしれません」

菜々「....」
265 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/06(月) 22:41:21.16 ID:emVx5D530
P「菜々さんはこれまで、地球のファンたちのために頑張ってきました」

P「ウサミン星のことを知ったこれからは」

P「2倍頑張る、これでどうでしょう」

菜々「....」

P「ウサミン星のために!」

菜々「!」

菜々「....そうするしかないですね!」

菜々「いえ、2倍と言わず100倍!1000倍!!10000倍!!!」

菜々「遠く離れたこの星まで、ウサミンパワーを届けます!!!」

P「その意気です!」
266 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/06(月) 22:43:25.52 ID:emVx5D530
P「今回、菜々さん1人で2時間ライブが出来るってことがわかりましたから」

P「今後はそういう仕事もバンバン入れていきます」

菜々「え゛っ!?」

P「次は2時間ライブを昼夜2公演、3会場を1か月で回るツアーでもしましょうか」

菜々「ナ、ナナ、体力が持つのは1時間だって歌の中で言ってるのでそれはちょっと....」

菜々「ファンの方に嘘はつけませんし....」

P「頑張りましょう!オー!」

菜々「....」

菜々「....お、お〜」
267 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/06(月) 22:44:13.07 ID:emVx5D530
続きます
次かその次で終わりです
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/07(火) 01:14:20.72 ID:wvPJj7lIO
おつ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/07(火) 22:36:06.35 ID:EJ2pPLMuo

人間(地球人)とウサミン星人はアルマジロとセンザンコウみたいな関係なのだろうか
270 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:12:55.46 ID:qHdWWdNN0
菜々「....」

菜々「Pさんは」

P「?」

菜々「Pさんは、このまま残ったりとか」

菜々「しないんですか?」

P「へ?」

P「なんでそういう話になるんですか」
271 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:13:55.13 ID:qHdWWdNN0
菜々「だって、ナナが産まれたのはこの星でも」

菜々「育ったのは地球ですし、過ごした時間も地球の方がずっと長いです」

菜々「だけどPさんは違うじゃないですか」

P「まあそれはそうですけど....」

菜々「ナナは地球へ戻ることを選びました」

菜々「じゃあPさんは?」

P「....」
272 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:14:59.33 ID:qHdWWdNN0
菜々「このままナナのために、Pさんを付き合わせていいのかなって」

P「....どうしてそんなこと」

菜々「今まで、あまりPさんのプライベートなところを見たことがなかったからでしょうか」

菜々「この星で過ごすPさんの表情や、言葉、一つ一つが普段と違って見えました」

菜々「それで思ったんです」

菜々「やっぱりここは、Pさんの故郷なんだって」

P「....」
273 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:16:08.47 ID:qHdWWdNN0
菜々「....」

菜々「もしPさんにとって、地球よりウサミン星の方が良いなら」

菜々「そっちを選んでもらってかまいません」

P「菜々さん....」

菜々「さっきのライブ見てもらえたので分かりますよね」

菜々「ナナはもう大丈夫だって」ニッコリ

P「....」

P「菜々さんは勘違いしてますよ」

菜々「....?」
274 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:21:39.81 ID:qHdWWdNN0
P「言わせてもらいますけど」

P「俺が地球にいるのが菜々さんのためなんておこがましいにも程がありますよ」

菜々「!?」

P「そりゃ最初の頃は、生まれ育った故郷から突然見ず知らずの星に飛ばされて」

P「しかも縁もゆかりもない女の子を見守れなんて、ふざけんなって思いましたよ」

P「この時は完全に菜々さんのためでした」

P「でもね、俺だって何年も地球にいて」

P「ずっと生きてきたんです」

P「そしたら」

P「色々と、大事なものができすぎちゃいました」

菜々「....」

P「今、俺が地球にいるのは」

P「紛れもなく自分のためですよ」

菜々「Pさん....」
275 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:22:38.55 ID:qHdWWdNN0
P「要するに俺はウサミン星に戻る気ゼロです」ペカー

P「というか」

P「めちゃくちゃ気を使ってもらって申し訳ないんですけど」

P「俺この星に帰りたいって思ったことないんで」

菜々「えぇっ!?」

菜々「そ、それはちょっと冷たすぎませんか!?」

P「日本人だって故郷を捨てて東京に一極集中してるじゃないですか」

P「誰だってあんなもんですよ」

菜々「」
276 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:24:19.42 ID:qHdWWdNN0
菜々「この星に来てからあんなに楽しそうにしてたのに!?」

P「いつもの帰省じゃああはなりませんよ」

P「菜々さんとこの星に帰る」

P「俺の夢が叶ったから嬉しかったし、楽しかったんです」

菜々「ぅ゛ぅ゛............////」ボッ

P「それに、時間がかかるとはいえ交通手段もありますからね」

P「どうしてもウサミン星に残る必要性がありません」

菜々「そうですか....」
277 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:25:36.77 ID:qHdWWdNN0
P「さ、こんなくだらないことはなしてる暇あったらさっさと寝ましょ」

菜々「くだらないって....」

P「ハードなライブをした上に明日も長旅なんですから、体休めとかないと」

菜々「なんか色々ありすぎて忘れかけてましたけどそうでした....」

P「出発時間までに荷造り済ませといてくださいね!」

P「それじゃ、おやすみなさい!」

菜々「おやすみなさ〜い」フリフリ

タッタッ
278 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:28:09.74 ID:qHdWWdNN0
菜々「....」

菜々「....」

菜々「....よかったぁ」ヘナヘナ
279 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:49:52.80 ID:qHdWWdNN0
国王「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!」グズグズ

王妃「ちょっとあなた!もっと国王らしくしてください!」

国王「だっで゛....ウ゛サ゛ミ゛ン゛カ゛....」

国王「....」

国王「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!」ズビズバ

王妃「もう....」

P「やばいっすね」

菜々「首長がやっていい顔じゃないですよ....」
280 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:51:01.81 ID:qHdWWdNN0
国王「ウ゛ッ....ウサミン....」

菜々「はい!」

国王「また、来てくれるかな?」

P「なんでいいともの聞き方なんですか」

菜々「もちろんです!」

王妃「ごめんなさいね、騒々しいお別れになっちゃって」アキレ

菜々「いえ、私のために人目も憚らず泣いて頂けるなんて」

菜々「すごくうれしいです」ニコニコ

王妃「....」
281 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:52:00.02 ID:qHdWWdNN0
王妃「....」

王妃「っ....」ギュッ

菜々「!?」

王妃「あなたはピンと来ないかもしれないけど」

王妃「私にとっては大切な娘よ」

王妃「応援してるわ」ウルウル

菜々「....」

菜々「....見ていてください」

国王「ヴアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」ドタドタ

国王「ウサミンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!」ギュゥッ

菜々「グェグルジイ」
282 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:52:51.90 ID:qHdWWdNN0
P「それじゃあ、失礼します」

国王「いつでも帰ってきていいんだよ」

王妃「あなたが帰ってきてほしいだけでしょ」

菜々「絶対にまた来ます」

菜々「....」

菜々「....」

菜々「....その時は」

菜々「お父さん、お母さんと呼べるようになって戻ってきます」ニコッ

国王「」

王妃「....楽しみに待ってる」ウフフ
283 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:53:59.11 ID:qHdWWdNN0
ドアガ シマリマス

プシュー

ガタンゴトン

ガタ ゴト

スゥ

王妃「....」

王妃「....」ペシペシ

国王「ハッ!?」

国王「気絶してた」

王妃「もう行っちゃったわよ」

国王「ふむ....」
284 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/12(日) 23:54:53.87 ID:qHdWWdNN0
国王「たぶん別れの瞬間を見てたら心が耐えられなかっただろうから丁度良かったよ」

王妃「そう....」

王妃「(さっきの醜態よりさらに下があるのね....)」

国王「....さて」

国王「とりあえずウサミン星-東京間の所要時間を30分短縮するのを目標にするか!」

王妃「そうなったら歌の歌詞も変えなきゃいけなくなるじゃない」

国王「ウサミン星限定バージョンってことにしよう」

王妃「まったく....」
285 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/13(月) 00:02:47.85 ID:li8cFsE40
菜々「....」ボー

P「....」

P「名残惜しいですか?」

菜々「いえ....」

菜々「何度見てもウサミン星って酷い見た目だな〜って」

P「それは言わないであげてください」

菜々「冗談です」クスクス

菜々「旅行の後って、少なからず喪失感があるものですけど」

菜々「今感じているこれは、また別かもしれません」

P「....」
286 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/13(月) 00:03:15.83 ID:li8cFsE40
菜々「....」

菜々「....」ポロ

菜々「....これじゃ国王さんのこと笑えませんね」ポロポロ

P「....」ゴソゴソ

P「....ハンカチ使います?」

菜々「....」ポロポロ

菜々「....いえ」ポロッ

P「....」コクリ

菜々「....」ポロポロ
287 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/13(月) 00:20:29.24 ID:li8cFsE40
P「いよいよこれがツアーファイナルですかー」

P「俺もそこそこの間プロデューサー業やってますけど」

P「こんなにデカイ規模をやるのは初めてでしたからねぇ」

P「なんというか、感無量ですよ」

菜々「大変なご迷惑と無茶をさせてしまってすみません」ペコ

P「確かに無茶はしましたけど、迷惑だなんてそんなことないですよ」

P「これが俺の仕事なんで」

菜々「....ありがとうございます」ペコペコ
288 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/13(月) 00:21:00.46 ID:li8cFsE40
P「まぁ、47都道府県を全制覇するソロツアーをやるって言いだした時は」

P「ついに脳にも衰えが来たかと思いましたけど」

菜々「『にも』ってなんですか!?」

P「クマノミじゃないですよ?」

菜々「分かってます!!!」

P「菜々さんって、身体の至る所が衰えてるから」

菜々「ぐぐぐ...」

P「とりあえずここまで菜々さんが五体満足で来られてよかったですよ」

菜々「....」

菜々「....それはこの公演が終わってからです」

P「....それもそうですね」
289 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/13(月) 00:21:35.38 ID:li8cFsE40
P「菜々さん、スタンバイお願いします」

菜々「....」スゥ

菜々「....」ハァ

菜々「よし!」

P「....」グッ
290 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/13(月) 00:24:45.73 ID:li8cFsE40
菜々『皆さん〜!こんにちは〜』

菜々『ウサミン星からやってきました!歌って踊れる声優アイドル、安部菜々です!』

ワァァァァァァァァァァァァ

菜々『んん?声が小さいですねぇ』

菜々『もう一度行っときましょうか!』

菜々『こんにちは〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!』

ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!

菜々『おぉ!いいですよ〜!』

菜々『それでは、ライブビューイング会場の皆さんも!』

菜々『こんにちは〜〜〜!!!』

菜々『....』

菜々『ありがとうございます〜』

菜々『それじゃあ最後に』

菜々『....』

菜々『ウサミン星の皆さん〜〜〜〜〜!!!!!』

菜々『こんにちは〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

【完】
291 : ◆bL5b7ovQmQ :2020/04/13(月) 00:28:52.95 ID:li8cFsE40
最後までお付き合いいただきありがとうございました
予定ではもっと短いはずだったんですが、書きたいことが多すぎて時間も分量も増えてしまいました
しかしその分、書きつくすことが出来たので良かったです
長編の割にめちゃくちゃな話になってしまいましたが、とても楽しかったので後悔はありません

過去作次回作ともども、これからもよろしくお願いします

このSSが読者の方の人生の糧に少しでもなれば幸いです
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/13(月) 00:31:53.55 ID:QM3TKU/DO
おつ
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/13(月) 00:46:11.20 ID:4BYh1rpCO
乙ミン
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/29(水) 23:05:46.36 ID:yu5btr8A0
       ニ ̄ニ‐- .
       _/           \_
 =二 ̄ /               ',  ̄二=
     ̄7'' ―― ___ ―― 戈 ̄
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