【安価】で異世界なろう転生

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137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 21:34:04.11 ID:fToJ3SX4O
>>136
確かにそういう風に話題振れた!
字面のまま受け取りすぎて申し訳ない!次は気を付けます!
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 21:37:02.19 ID:/gbRdPPjO
長くならずに済むなら両方拾ってあげてもいいんじゃない?
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/04(火) 22:12:59.45 ID:fToJ3SX4O

男「修道服から着替えるなら、呼び方も変えた方が良いかな?」


シスター「え?なんで?」


男「だって修道服脱いだらシスターじゃ無くなるじゃん」


シスター「これ脱いだって私がシスターである事には変わらないけどー!」


男「そうだよね。会った時からシスターとしての振る舞いが出来てないから服替えても変わんないか、ははは」


シスター「ちょっとぉ!どーゆー意味なのそれー!」


男「冗談冗談。お詫びに似合いそうな服を探すの手伝うよ」



勇者様意地悪かー!という声を聞きながら俺は攻略本を取り出して、装備一覧を開く。
そこには写真付きの装備だけではなく、一般服は都事にまとめられている。



男「おー…いっぱいある」


シスター「そんなのも載ってるの?それ」


男「わりかし何でも。物なら本当になんでもあるんじゃないかな」


侍「すげぇよなぁそれ。直接目で見なくても良いなんて便利過ぎだ」



最初はなんだこれと思ってた攻略本も、何だかんだで有用性は高い。



シスター「でも私には見えないしなー…」


男「んだよね。シスターは……」



シスターの見た目は黄髪の背中くらいまであるロングヘアに碧眼。
頭巾?は着用していなくて、修道服は髪色と良く合っている。
身体の凹凸も無い訳じゃないが…まぁ普通だな。



シスター「ちょっと、今変な事考えなかった?」


男「まさか、気のせい気のせい」

140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/04(火) 22:14:26.90 ID:fToJ3SX4O

服のセンスなんて皆無だし、完全に俺の好みになりそうだな。
それに攻略本を見る限り風の都は緑基調が多い。


緑の服に黄髪も似合わない訳では無さそうだが。
涼しい服のとなると腕は出てた方が良いよな…下はスカートにするか…?


俺はしばらく本とにらめっこをし、天啓が降りた。



男「……んー、これにするか」


シスター「え?決まったの?」


男「決まった。明日を楽しみにしてて、多分似合うから」


侍「こりゃ楽しみだな。勇者様直々のお仕立てだぜ?」


シスター「う、嬉しいけど…ちょっと不安…」


男「ははは…自信は無いけど」



─────



翌日。
俺達は旅立ちの前に服飾屋に訪れ、新しい服を新調していた。


俺は昨日見た服が売っているのを確認し、集めてシスターへと手渡して試着待ちをする。



侍「で?一体どんな服にしたんだ?」


男「まぁ見てのお楽しみだよ」



そうこう言ってる間にシスターの試着が終わり、試着室のカーテンが開かれる。






シスターの服装
安価下
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 22:28:40.52 ID:qWyilzUiO
氷結晶のドレス(スキル:暑さ耐性(大))

【説明文】様々な形の氷の結晶が散りばめられたドレス。これを買うか買わないかで火の都周辺の攻略難易度が大きく変わってしまうのだが、この装備を販売している衣服店の場所がとても分かりづらく、事前の情報無しで辿り着くのは最早不可能(場所についてはマップを参照)。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 22:32:36.45 ID:51iq4V800
さすが攻略本さんだぜ!
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/05(水) 11:39:45.65 ID:Vlsi4CK2O

開かれたカーテンの先には、蒼く煌めくドレスを着たシスターが恥ずかしそうに立っていた。


様々な形の氷の結晶が散りばめられ、ウェディングドレスに近い形状をし、大きな薄青の肩ベールにより上品さが一段と増し、束ねた髪を後ろでまとめていて普段のシスターからは感じる事の無い艶やかさを醸し出す。



シスター「ど、どう…かな…」



ベールを絡めてくるりと回って魅せるシスターの動きはぎこちなく、思わず顔が綻んでしまう。



男「うん、似合ってるよ」


シスター「…!あ、ありがと!」


侍「でもよ勇者……こんなの何処で見つけてきたんだ。風の都にこんなモン売ってたか?」


男「まぁ…俺にはコレがあるからね」



攻略本を軽く叩き、侍は顎をさすって苦笑いする。



侍「ほんとに何でも知ってんなぁ…それ」


シスター「で、でもこれって…凄く高いんじゃない…?」


男「まぁ、うん…」


侍「どう見ても逸品だしな」



半年衣食住に困らない軍資金の半分の値段はするこの《氷結晶のドレス》
このドレスのスキル効果を見るに火の都で役に立ちそうだが、値は張る。



シスター「高いならだめだよ……もっと安いのにしよ」



歯切れが悪い、欲しいのかな。
買ったとしても1~2ヶ月分くらいの金は余るが、近いうちに日銭稼ぎも始めなきゃならなくなる。



侍「買うのか?」





安価下
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 11:45:29.53 ID:SGOqBjkQO
なーに攻略本さんなら資金稼ぎの裏技も知ってるさ

購入
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/05(水) 13:08:26.49 ID:Vlsi4CK2O

男「買おうか」


シスター「えっ!?い、いいの?……じゃなくて!ダメだよ、高いし…」



財布を握るのはシスターだというのに、迷いが見え見えだ。
もう一押しだな。



男「でも、欲しくない?」


侍「買っとけ買っとけ。折角勇者が嬢ちゃんの為に見繕ってくれたんだ」


シスター「欲しい……けど、この先の事考えると…」


男「なーに、この本があれば金稼ぎなんて楽勝だよ」



知らんけど。
あるでしょ、効率的な資金稼ぎ方法…みたいなの。



侍「そうそう。その辺の事は勇者がやってくれるさ」


シスター「そんな事まで……凄いね。じゃあ……か、買っちゃおうかな…?」


男「うん、良いよ」


侍「決まりだな」



まだ渋りそうなシスターにそう言うと、不安そうだったシスターの口元が緩み、本当に嬉しそうに口角が上がっていく。


痛い出費だが、ここまでシスターが喜んでくれたのなら安い買い物だ。
シスターはお会計済ませるねと、カーテンを閉めてドレスを脱ぎ始める。



侍「さて、次は勇者だが……自分の分は決まってんのか?」


男「目立たない服で薄着なら何でもいいかな。稼げるとはいえ、流石に高額なのは怖いな」


侍「そういやその稼ぎ方ってのはどんな方法なんだ?」


男「えーっと…ちょっと待って」



俺は攻略本を取りだし、そんな方法が載っているかを探す。
だが……あるんだよなぁ〜!流石攻略本だよ。



男「あったあった。えーとね───」







資金稼ぎ方法(勝手に設定作ってもOK)
安価下
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 13:38:55.72 ID:dI37QbXz0
召喚魔法でゴールデンと名のつくモンスターを繰り返し召喚し、乱獲することで手に入る換金用アイテムを売却する。ゴールデンと名のつくモンスターにもランク差があり高ければ高いほどいいものを落とすが、その分倒しづらくなる。これらのモンスターは通常のエンカウントでは相当運がよくなければまず出会えず、基本単体でしかでないので、この方法はとても効率がいい。なお経験値は雀の涙。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/05(水) 14:28:15.18 ID:Vlsi4CK2O

男「侍は知ってる?ゴールデンと名がつく魔物の事」


侍「ゴールデン…まさか、あの滅多に遭遇出来ないって言われてる魔物の事か?」


男「そうそれ。そのゴールデンから換金素材を売りまくるって方法」


侍「……いや、それが出来るなら──」
男「召喚魔法がある」


侍「…何?召喚魔法?」


男「そう。ゴールデンを無限に召喚出来る魔法がこの世には存在する」


侍「まさか…!勇者……!」


男「くく…御察しの通りだよ…!」


侍「使えるのか!?」


男「……え!?使えないけど!」


侍「何!?…んん!?今の流れは…そうだろ!」


男「違う、"覚える"んだ。俺は仮にも勇者だし、可能性はある!」



何を隠そう俺には《神託》というシステムが付いていると、スタッフインタビューに書いてあった。
つまり俺の解釈が正しければスキルを授けるのも神託というシステムの筈だ。



侍「覚えるって……ぶははは!大した奴だなおめぇさんは!楽観的にも程があるぜ!」


シスター「どうしたのー?大笑いなんかして」



お会計を済ませたシスターが大きな包み袋を持って帰ってきた。



侍「応!聞いてくれ嬢ちゃん!」


男「くくく…聞いて驚くなよ…」


シスター「うん?」



先程見つけた資金稼ぎ方法をシスターに説明した。最初のうちは凄い!とか言っていたのに、最後の方はへぇーしか言わなくなり、ゴミを見るような目はしばらく忘れられそうにない。


148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 14:28:52.16 ID:RdjYgy6wO
召喚士たすけて
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/05(水) 21:01:48.65 ID:Vlsi4CK2O


─────



3日後。
昼食を終えて数時間、遠くには砂地が見え始めた。



侍「火の都の領地にもうすぐ入る。あの辺から同じ陽の光でも体感温度が変化するから着替えておけよ」


男「あれか、火の都は砂漠に囲まれてるのか?」


侍「囲まれてるのは確かだが、都付近はそうでもない。途中からは混凝土で出来た道になる。砂や砂利には困らない所だしな」


シスター「へぇ〜おっさん詳しい」


侍「見聞を広めるのも冒険者の一環だからな……って誰がおっさんだ!」


シスター「あははは!もう慣れてよ〜」


男「飽きないね、そのやり取り。ちょっと早いけど着替えようか。今日中にはあそこで野宿するんだろうし」


シスター「うん。でもここじゃアレだよね……」


侍「なんでだ?ここで着替えれば良いだろう?」


シスター「は?何言ってんの!こんな道のど真ん中で着替えれる訳ないでしょーが!」


侍「そうかぁ?誰も見てねぇだろ」



ははは、何を言ってるんだこいつは。
良いぞ、もっと言え。
俺は無言のエールを侍に送る。

150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/05(水) 21:05:12.04 ID:Vlsi4CK2O

シスター「見るじゃん!二人とも!」


侍「別に見ないが。嬢ちゃんの着替えに興味ないしな。だろ?」



俺に振るか!?
興味あるに決まってんだろ!



男「まぁ…うん…」


シスター「ぐぬぬ…!それはそれでムカつく…!とにかく!ちょっと先に大きいな茂みあるから!そこで着替えるから!」


侍「何怒ってんだよ?着替えひとつでそんなに怒る事ねぇのになぁ…おめぇさんもそう思うだろ?」


シスター「馬鹿!バーカ!」


男「は、ははは…」



いちいち俺に同意を求めるんじゃねぇーー!!
しばらく進んだ俺達は、大きな茂みの中で服を着替え始める。


シスターはやっぱり服が汚れるからと、近くの木の裏で着替える事になり、俺も男同士とはいえ生着替えを見られるのは何かなと思い、茂みで着替える。


俺が購入したのは、黒いインナーシャツと紺色の半袖パーカーに、紺色の膝下まであるハーフパンツ。


らしき物だ。
正確には違うだろうが、近い形をしている。


生地は分からないが風通しが良く、これなら暑い所でも大丈夫そう。
風の都特有の刺繍や柄のおかげで、この世界に馴染んだ服装になっているはずだ。


俺はジーパンに手を掛けて脱ぎ、ふと近くの背の高い草むらの奥が変に空間を作っているのに気付く。


なんか変だな。
俺はハーフパンツを履くと、その空間へと近付いていく。



男「え」



そこには───




倒れていた者安価
【種族】
【職業】
【性別】
【強さ】


安価下
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 21:06:25.80 ID:RdjYgy6wO
【種族】魔族(魔王の娘)
【職業】召喚士
【性別】女
【強さ】単純な戦力比較で言えば侍より微妙に下。なお武術は全然ダメ
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 21:31:10.28 ID:dI37QbXz0
これは運命の出会いですね間違いない
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 00:48:03.86 ID:yB9IuN6o0
まぁ全く使えない手段だったら攻略本に書いてないだろうしなぁ
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 00:56:57.22 ID:5L23YPcMO
攻略本に運命を決められてるみたいでちょっと怖いな
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 12:22:10.16 ID:yB9IuN6o0
魔物使いの裏切り者枠ならキャル?魔王の娘ならロザリンド?
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/06(木) 17:53:21.93 ID:rmHWl6CGO

長い銀髪の女の子がうつ伏せに倒れていた。



男「……マジ?」



落ち着け俺。
まずこういう時はどうするんだ?とりあえず意識の確認?
とりあえず女の子の背に手を置き、揺らしてみる。



男「あ、あのー…生きてますかー…」


「んに…」



女の子は寝返りをうち、その全貌が露になる。
とりあえずは生きてるな、良かった。
それが分かると少し落ち着いて、寝息を立てる女の子を観察する。


近くに大きめのリュックと、魔法陣の描かれた本。
頭に黒いリボンを結び、膝裏まであるマント。
股下まである黒色のチュニックにサイハイブーツによって見事な絶対領域が完成している。
スカートや短パンは履いてない…だと…。


そして服の上からでもわかる。シスターよりも…でかい。


年齢はどのくらいだろうか。雰囲気は年上なんだがな、身長は俺とシスターの間くらいだけど。
俺はその場に座り込んで女の子…いや、お姉さんの事を考えていると、ふと悪魔の囁きが聞こえてきた。



この服丈が短いよ〜誰も見てないよ〜
覗けるよ〜見ていいよ〜



……ふむ。
って馬鹿か!俺はそんな変態じゃない!
俺は煩悩退散とばかりに顔を振り、とりあえずもう一度起こそうと手を伸ばす。

157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/06(木) 17:56:27.64 ID:rmHWl6CGO

その直後、背後からガサガサと茂みを掻き分ける音がした。



侍「何やってんだぁ?遅いから見に来た…が…」


男「あ、侍」



俺は身を乗り出して、お姉さんに手を伸ばしている状態なんだが、それを見た侍は大きな溜め息を吐く。



侍「…おめぇさん……いくら嬢ちゃんが好みじゃないからって…」



侍は目頭を抑え、首を振る。



男「…は?」



そのまま近寄って来た侍は俺の肩に手を置き、再び首を振る。
なんだその仕方ないよ…みたいな爽やかな顔は。



侍「俺は何も見なかった…だから手遅れになる前に戻…逃げようぜ」


男「は!?待て待て!違うから!」


「んにゃ……うるさ…ぃ…」


侍「おい起きたぞ!逃げた方が良いんじゃねぇか!?」


男「何でそっちの方向に持ってくの!?何もしてないし見つけただけだコラ!」



俺はふざける侍にヘッドロックをキメていると、いつの間にかお姉さんは上半身を起こしていて、辺りを見回した後に疑問符が見えるくらいに首を傾げて悩む仕草を取る。



「あれ、れ?」


男「あ!起きたみたいだね!」


侍「いででで!」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/06(木) 18:21:50.54 ID:rmHWl6CGO

「ふぁぁ……あなたたち、だれ?」


侍「なに、怪しい者じゃない。俺ぁこいつが淫行に走るのを止めた──」
男「その口を閉じろォ!」


侍「冗談だってぇ!」


「いんこー?」


男「え?そんな事言ったかな?HAHAHA!それよりこんな所で一人で居たけど、大丈夫?」


「大丈夫、というのは、何が、かしら?」


男「えっ」



お姉さんの発言に呆気に取られ、技をキメていた侍は抜け出し、俺の襟首をグイっと引っ張る。
俺達はお姉さんに背を向け、座り込んでコソコソと話し始めた。



侍「おい、何かこいつ変じゃねぇか?」


男「いや…こんな所で倒れてたくらいだし、ちょっと混乱してるだけじゃない…?」


侍「にしてもだろ。喋り方もなんつーか……な?」



確かに吃音症みたいな喋り方だと一瞬思ったけど、何と言うか…雰囲気は柔らかく、眠そうな声色が不思議ちゃんオーラを醸し出す。


とにかく、元々そういう喋り方みたいな感じがする。
俺に言わせるなら、おっとり系のお姉さんだ。



「…無視、しないで、ほしいわね」



後ろから…いやほぼ真後ろから俺と侍の顔の間にお姉さんが割り込んでくる。
当然、身体は俺達にくっ付く訳で。


男「あひぁ!?」

159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/06(木) 18:32:02.07 ID:mNv3zAdM0
支援
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 18:37:09.33 ID:XIrDKjhTO
シスターちゃん描いてもいいの?
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/06(木) 18:42:15.64 ID:rmHWl6CGO

平静を装いたい。おっぱい。
この二つの感情が意識の支配権を争って殴り合ってらぁ!



侍「ああ、悪ぃな。無視してた訳じゃねぇんだ」



何で侍は平然としてるの?ホモなの?
実は女慣れしてる?童貞じゃない?
…俺、許せねぇよ!



男「この…裏切り者め」


侍「…?どうした、急に」


「それより、お腹が、空いたわ」



お姉さんは俺達から離れると、フラフラと自分の手荷物であるリュックを漁り始めるが、すぐにその手は止まった。



「あら、ら?」


男「…もしかして、ご飯ないの?」


「…そうね。そうとも、言うわね」


侍「なんだそりゃ…あぁ、そうだ」

162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/06(木) 18:47:37.74 ID:rmHWl6CGO

何かを思い付いたのか、侍は着物の胸の中をまさぐる。
その中から出て来たのは揚げたイカゲソが包まれた透明な小袋。


侍「これならあるぞ、ミニクラーケンの足揚げ。食うか?」


「…あなた、へんなもの、持ってるのね」



フラフラとした足取りで、侍から小袋を受け取るお姉さん。



「でも、いただくわ、ね。ありがとう」


男「侍さぁ…何でそんな物をそんな所に忍ばせてんの?」


侍「そんな物とは酷ぇな、この足揚げ結構イケるぞ」


男「いや、そういう事じゃないんだよなぁ…」


侍「なんだなんだ、変な奴だな」



お前が言うか、と思うだけで口には出さない。
それよりこのお姉さんの事だ。このまま置いていく訳にも行かないし。



男「お姉さん。俺達これから火の都に行くんだけど、良かったら一緒に行かない?侍も良いよね?」



もぐもぐと口を動かすお姉さんは、口からゲソがはみ出したまま頭を傾げる。



侍「まぁ…放っておく訳にもいかんしな」



顎をさすりながら、若干渋りながらも同意してくれる侍。
たしかに素性の知れない人物を同行させるのは気が進まないか。


ゲソを食べ終わったお姉さんは空を見上げ、ぼけーっとしていると、ゆっくり俺達に目を向ける。



「…そうね、おねがい、しようかしら」




163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 18:55:50.87 ID:rmHWl6CGO
>>160
良い!!
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/06(木) 22:17:28.77 ID:rmHWl6CGO

謎のお姉さんの了承を得た俺達は、支度をして茂みの中からシスターが待つ道へと戻る。
お姉さんは何故か魔法陣の描かれた本だけ持ち、リュックは置いてきてしまっていた。


理由を尋ねた所、もういらない、だそうだ。
茂みを抜けると椅子を出して待ちぼうけしてるシスターを見つける。


やはりドレスを着ていると別人にしか見えないな。言動はそのままだけど。



シスター「遅かったじゃ──ん……?その人は?」


男「茂みの中で倒れてたんだ。火の都まで同行させても良い?」


シスター「あんな所に?それに同行って…」



シスターは良いの?と無言で侍と俺を交互に見る。その辺の了承は得ているからと、無言で頷き返す。



「迷惑、かしら…?」


シスター「んーん。二人が良いなら私は別に。そうだ、名前は何て言うの?」


召喚士「…召喚士、よ。魔物を、召喚したり、出来るわね」


侍「へぇ、お前召喚士だったのか。その本は召喚書だな?」


召喚士「ええ。そう、なるわね」


男「召喚士かぁ……ん?待てよ?」


シスター「どうしたの?」


男「召喚士はもしかして何だけど、ゴールデンの名がつく魔物を召喚出来たりは…?」



俺の発言に侍とシスターがハッ!と顔を見合わせ、一斉に召喚士に視線が集まる。



召喚士「ゴール、デン?…さて、どうだった、かしらね」





1 使える
2 使えない
3 自由安価
安価下
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/06(木) 22:18:56.87 ID:mNv3zAdM0
1
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 22:42:03.71 ID:yB9IuN6o0
https://i.imgur.com/mkfNMru.jpg
https://i.imgur.com/7Sr9SYT.jpg
https://i.imgur.com/YIni6DS.jpg
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 23:09:14.84 ID:72tz/qUx0
http://i.imgur.com/mkfNMru.jpg
http://i.imgur.com/7Sr9SYT.jpg
http://i.imgur.com/YIni6DS.jpg
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 23:24:40.64 ID:G6yoTG2do
ゴールデントーテムは?
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 23:26:43.59 ID:yB9IuN6o0
忘れてた……
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 23:35:04.03 ID:XIrDKjhTO
ゴールデンタイタスもいるぞ!
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 00:38:57.86 ID:VMyin9Zoo
ドラクエじゃないが俺が昔やってたゲームには金のうさぎがいたなぁ

あと思ったがこれ攻略本だからゲームにとって都合の悪いバグ技とか廃人が導き出したデタラメなえげつない戦法とか載ってるはずがないよね
あくまで「攻略」本だから >>154 が言ってる通り、本作った奴らの手玉に取られてる感がある……
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 00:40:06.86 ID:VMyin9Zoo
ドラクエじゃないが俺が昔やってたゲームには金のうさぎがいたなぁ

あと思ったがこれ攻略本だからゲームにとって都合の悪いバグ技とか廃人が導き出したデタラメなえげつない戦法とか載ってるはずがないよね
あくまで「攻略」本だから >>154 が言ってる通り、本作った奴らの手玉に取られてる感がある……
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 00:41:09.12 ID:VMyin9Zoo
なんかレスが二重なってたスマソ
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 00:50:57.91 ID:+tvZ4U3W0
小数点以下の確率で(ry
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 15:29:52.19 ID:yt2sx7oYO
わくわく
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/07(金) 19:54:12.85 ID:jLI6hnV8O

召喚士「これ、かしら」



召喚士は召喚書を開いて、小声で何かを呟くと手を開いて前に出す。
その指先からは光の雫が垂れ、地面へと落ちると一筆書きの様に大きな魔法陣を描いていく。



男「…かっけぇ」



素直な感想が漏れてしまった。こういった魔法陣を使った物を見るのは初めてだったからか、少し興奮してしまう。



魔方陣が完成し、細い光柱を発しながらその中心に光の粒が集まりナニかを形成していく。



侍「こいつは…」



中から現れたのは牛頭人身の魔物。
筋骨隆々の体躯を駆ける金色の剛毛。
大きな二本の角は前を向いていて、手には巨大な戦斧を持つ。



男「うわぁ…ミノタウロスかな?」


侍「ほう、良く知ってるな。俺も聞いた事はあるが、本物は初めてだぜ」


シスター「大きいね…コレ。大丈夫なの?」


召喚士「大丈夫、よ。わたしが……召喚した、魔物だから……ね。安心…してね」



暴れ回らないとわかると一安心し、そっと胸を撫で下ろす俺に、何故か召喚士は距離を詰めて来る。



召喚士「…それで……この子を……どう、するの…かしら…」


男「ちょちょちょ近い近い」


召喚士「…殺すの…かしら?」


男「!…それは…」



…そうだよな。召喚士が召喚した魔物に対して、殺していい?と聞いて、良い返事が貰える訳が無い。


召喚士は俺の返答を待っているのか、静かに俺を見つめる。
何か言わなきゃ───。



安価下
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 19:55:42.21 ID:+tvZ4U3W0
その子からアイテムだけもらったりはできる?
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 19:58:40.15 ID:XaPJndLD0
ゴールドマンは全身が金で出来てるぞ
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/07(金) 21:09:12.23 ID:jLI6hnV8O

男「その子からアイテムだけ貰ったりは出来る?……かな」


召喚士「あいてむ…?」


男「召喚出来るか聞いたのには理由があってさ…その子から貰える素材は高値で取引されてるんだ。だからその…ちょっとでいいから、素材が欲しいなって……」


召喚士「……ふん……ふん…」



ふむふむ。と言っているつもりなのだろう。
召喚士はフラフラと金のミノタウロスの元へ行くと、その厚い胸板を触り、視線だけ俺に向けてくる。



召喚士「この子…の、何が……欲しい、の……かしら」


男「…やっぱりーーー…」



そういえば売れる素材の内訳は知らない。
俺は語尾を延ばしながら侍に助け舟を求めた。



侍「角、剛毛、戦斧。その辺だろうな、売れるのは」


召喚士「ふん……ふん…」



ミノタウロスに手を置いたまま、空いた手で召喚書を開くと小さくまた呟く。
一瞬召喚書が光ると召喚士はミノタウロスから離れて、パタンと召喚書を閉じる。



「ウォオオォォォ!!」


男「うわ!?」
シスター「わっ!?」
侍「ッ!」



ミノタウロスの耳を劈く雄叫びと共に大きく戦斧を振り上げる。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/08(土) 16:27:12.32 ID:Zy6O1yQzO

俺は身体が硬直し、振り下ろされる戦斧を見ることしかできない。
が、その振り下ろされる戦斧はミノタウロス自身の首を切り落とし、牛頭だけを綺麗に切り飛ばした。



男「なっ!」


シスター「ちょ、何?見えないよおっさん」



侍はいち早く気付いていたのか、シスターの元へ行き、振り下ろされる前に目を覆ってあげていたみたいだ。



侍「なぁに、お子ちゃまにはまだ刺激が強くて見せらんねぇだけだ…っておい、暴れんな」


シスター「何でー!」


男「召喚士……何で…?」


召喚士「何で…と、言われる……理由が、わからない…わね」



俺の問い掛けに召喚士は不思議そうに首を傾げる。



召喚士「欲しい、と……言ったのは…貴方よ」


男「…いやまぁ、それはそうなんだけど…まさか、こんな事するとは思わなくて…」



ミノタウロスの胴体は硝子の様に割れ、破片は光の粒となって宙へと消えていく。
その場に残ったのはドロップアイテムと思われる戦斧と金色の角だ。



シスター「あれっ?牛男は?」



シスターも侍から解放されたみたいだ。
俺は角を拾い上げて、シスターに見せる。



男「召喚士が何とかしてくれたんだ、これが換金素材になるみたい」


シスター「へぇ…何があったか分からなかったけど、ありがとね!召喚士!」


召喚士「大した、事じゃ、ないわ」


侍「よっ…と。結構重いな、これ」



侍はいつの間にか戦斧を拾い上げ、重いと言う割には軽々と持ち上げる。



男「ありがとう召喚士、助かったよ」


召喚士「いいの、よ……それより…見た、所……貴方達…徒歩で、向かうの…かしら?」


男「うん、そのつもりだけど」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/08(土) 16:28:59.80 ID:Zy6O1yQzO

召喚士「そう……それは…少し、面倒だわ……」



召喚士は先程と同じく召喚書を開いて、魔法陣から何かを召喚し始めた。
魔法陣完成後、そこに現れたのは茶色の狼が4匹。



男「狼?」


召喚士「…乗って、行きましょう」


侍「ほう、サンドウルフか。そうか、そういう使い方もあるよな」


シスター「え、ホントに!?すっっごい助かるー!ありがと〜!」



シスターは喜びからか、召喚士に抱きついてぐらぐらと揺らす。



召喚士「喜んで……くれたのなら…良かった…わ」



シスターを引き剥がそうとする召喚士のお言葉に甘え、俺達は狼へと乗って火の都を目指した。



─────



同日、夜。



侍「ここまでにするか。どうよ、多少は筋肉もついてきただろ。少なくとも以前のおめぇさんよりかは強くなってるはずだ」


男「ひぃ……ひぃ…」



狼に乗った俺達は思ったよりも進む事ができ、混繰土の道へと入ることが出来た。
今日はここで野宿をする事になり、俺は日課の侍との筋トレ、シスターと召喚士は食事作りをしている。



侍「当初よりも大分回数も増えた。良い調子だ」


男「はぁ…疲れた〜…」


侍「そうだ、今度からはおめぇさんに"防御"を教えてやる」

182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/08(土) 16:30:00.14 ID:Zy6O1yQzO

男「…防御?」


侍「そう。防御ってわかるか?」


男「…攻撃を防ぐ事じゃないの?」


侍「正解。ただ、それだけじゃない」


男「…?」


侍「防御ってのは3つあってな。下がる、防ぐ、避ける。いずれも立派な防御だ」


男「…なるほど。でも、下がると避けるって似てない?」


侍「これがそうでもない。試しに俺に打ってみろよ」


男「え、殴れってこと?」


侍「そういう事」


男「…わかった」



俺は拳を握り締め、精一杯の力で打ち込む。
それに対し侍は一歩下がるだけで俺の拳は届かなくなってしまった。



侍「もっと打ってこい」


男「む…」



我武者羅に拳を繰り出すが、的確に下がる侍に一発たりとも届かない。



侍「単純だが、間合いから外れ、仮に当たったとしても威力は相当殺せる。間合いの見極めには練習が必要だが、これが一番簡単な防御だな」


男「な、なるほど…ね…」



普通に疲れたわ。こうも当たらないもんなのか。



侍「次は"避ける"だ。打ってこい」


男「…このっ!」



打ち込んだ拳は文字通り"避け"られた。
その瞬間顎に固いものが当たる。



侍「これが"避ける"」


男「……」



侍に顎を軽く小突かれていたのだ。
俺は生唾を飲み込む。一瞬過ぎて何が起きたか分からなかった。

183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/08(土) 16:30:37.06 ID:Zy6O1yQzO

侍「避けるってのは反撃を目的とした防御だ。だが避けるってのは実際難しい、失敗した時は間違い無く痛手を負う」


男「…なるほどね」


侍「とまぁ…おめぇさんにはこれを教えていく。毎日筋トレばっかじゃ飽きるだろ?てか俺が飽きた」


男「ははは、なんだそれ」


侍「約束だからな。強くなりたいって言うおめぇさんとの、な」


男「…そうだね。ありがとう」


シスター「ほらー!ご飯出来たよー!」



遠くからシスターのいつもの声が聞こえてきた。いつもタイミングを見計らってるのか、本当に丁度良い時に声を掛けてくれる。



侍「おし、飯だ飯!行こうぜ」


男「うん」



─────




深夜。


侍の言う通りこの地域に入ってからは体感音が上がり、涼しい格好をしていても普通に暑い。
夜は多少マシだがじめっとした暑さは変わらない。


そのせいなのか目が覚めてしまい、寝汗もびっしょりだ。
新しく購入したテントの中には侍と俺、もうひとつにシスターと召喚士という配置。


隣で普通に寝ている侍を多少羨ましく思い、散歩でもするかと外へ出る。
テントから出ると、消したはずの照明具が点灯していて、その側には召喚士が居た。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/08(土) 16:31:40.65 ID:Zy6O1yQzO

魔道具である加熱式ポットという名のティファール的な物に入ってる冷茶を飲みながら、いつもの眠たそうな目で暗闇を静かに見据えている。



男「眠れないの?」


召喚士「あら……早い、お目覚め…ね」


男「はは、あんまり寝れてないんだけどね。俺も飲んで良い?」


召喚士「…?私に…断りを、入れなくても…飲めば……良いと、思うわ」


男「そっ…か。そうだね、わかった」



特に何の考えも無しに発言し、何がそうだね、なのか。
俺は冷茶を淹れて、召喚士から3人分くらい離れた所に座る。


特に会話も無く沈黙が続き、召喚士はなんて事無さそうだが、俺が気まずい。
何か話題を振ろう。




安価下
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 16:50:36.28 ID:fhc2CISRO
君はどこから来たの?
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 19:20:39.91 ID:x+l7ZAaE0
攻略本はあくまでこの世界をゲームとしてしか見てないから、その辺で現実との食い違いが生じそうだな
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 22:40:59.39 ID:rugvj32tO
たとえ蘇生術が存在していたとしても、死人が出る前提の攻略法とかは拒絶されそう
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 18:06:16.48 ID:vLZ3uki70
召喚士に頼めば狂滅龍使役のデメリット軽減できたりしないかね
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 20:33:40.80 ID:+xchCwEbO
わくわく
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 22:08:31.94 ID:+xchCwEbO
今日はお休みか
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/10(月) 15:01:37.17 ID:rZVmqWiPO

男「あのさ、召喚士…君はさ、何処から来たの?」


召喚士「…何故……そんな事…聞くの、かしら」


男「いやほら、あんな所で寝てたし…何となく気になって」


召喚士「そう…」



召喚士は呟くと、空を見上げた。
そこには月が一つ、闇空に浮かんでいる。



召喚士「私は、あそこ……から、来たのよ」


男「え…あそこって…」



召喚士の見据える先は月でもなく、ただの暗闇。
……大陸の中心部?



男「暗くてわからないな。何があったっけ」


召喚士「…さぁ……なんだった…かしらね」



カップを置き、召喚士は立ち上がるとテントへと身体向ける。



召喚士「そろそろ…寝るわね……おやすみ、なさい」


男「えっ…あ、うん。おやすみ」



質問をはぐらかされた。答えづらいのか?
テントへ戻る召喚士の姿が見えなくなると、俺は先程召喚士が見ていた方角を見る。


都の所在地は等間隔で円を画く様に点在していて、中心部には何かあったんだけど忘れてしまった。


俺もカップを置いて再び就寝する事にした。



─────



翌日。


サンドウルフのおかげで早く火の都に到着した。正門を潜ると、此処は砂漠に囲まれた都とは思えない程に都会な作り。


192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/10(月) 15:10:48.26 ID:rZVmqWiPO

高層ビルみたいなのが何個もあり、まさにコンクリートジャングルと言っても過言ではない。


青基調な建物が多く、何より極めつけはタイルによる建物の装飾だ。
もうなんて言うか…綺麗、いや美しい。


中心部に大きな円形の広場があり、中央にある巨大な噴水、設置されたベンチに人、至るとこには露店が並ぶ。



シスター「すっごーーい!きれーい!見た事ない建物ばっかりぃー!」



目を輝かせ、田舎者の如くキョロキョロと見回すシスター。
いくら着飾っても見た目と中身のギャップが激しすぎるな、全然良いけど。



侍「そうだろう。この絢爛な街並みは他の都じゃ見れないからな。ま、俺は水の都が一番好きだが」


男「へぇ、水の都…そっちも気になるね。でも、それにしたって…あっつい」


シスター「そうなの?私にこのドレスのおかげなのかな、全然暑くないよ」


男「そのドレスは特別だからね、暑さを感じないんだよ」


シスター「へぇ〜!流石良い物だけあるね!」


侍「大事にしろよ。それに最初は暑くて大変だろうが、ここは室内に冷気を送る魔道具が多く設置されてるからな、早いとこ宿とって飯だ飯」



冷気を送る魔道具…まさか冷房があるのか!
それは助かるな。いくら薄着をしてもこの暑さの中、外に居るのはキツイ。



召喚士「…私は…」


侍「ん?どうした」


召喚士「目的地に……着いた、けれど…私は…まだ、一緒に……居て、良いの…かしら?」


男「あ、そうか。火の都までの同行だったよね」




男「」


台詞安価
安価下
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 15:13:27.99 ID:KzrYz1Oz0
自分は大丈夫だけど、シスターと侍はどうかな?
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 21:14:15.66 ID:BOvtkzzdO
ドラクエ5の攻略本でビアンカとフローラの水着絵が拝めたなあ
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 12:29:14.76 ID:b0Nx6wgh0
攻略本のモンスター図鑑読むの楽しいよね
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 14:19:11.03 ID:04FoVg4DO

男「俺は大丈夫だけど、シスターと侍はどうかな?」


侍「ああ、別に構わねぇよ」


シスター「私も!ていうか一緒にまわろ!召喚士ー!」


召喚士「そう……良い、のね」



全員の承諾を得て、しばらくは召喚士と行動を共にする事にした。
流石に本来の目的に巻き込むのもアレだし、その間は観光していてもらおう。
そういった事には事欠かなさそうな都だしな。


俺達は宿でチェックインを済ませ、先ずは皆でご飯を食べる事になった。
勿論、食べる物と言ったら……



シスター「冷やし麺!」


男「異議無し!」


召喚士「ひやし……めん?」


侍「説明は要らねぇ、食えば分かる」


召喚士「そう……楽しみ、だわ」

197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 14:20:35.92 ID:04FoVg4DO

今日まで召喚士の事を見てきたが、彼女どんな時も声色一つ変わらない。
まだまだ謎が多いが、これを機に少し仲を深められたら良いな。


シスターに腕を引かれる召喚士の背をみながら、その様を見て俺は笑いながら続く。



─────



翌日。

とりあえず火姫の謁見を取り次いでもらおうと単身で王宮に向かう。
シスターの顔が効くのは風の都だけなので、ぞろぞろと行っても仕方ないという事で俺一人となった。
他の三人は今頃食べ歩きやらして楽しんでいるだろう。


大広場の奥に長く続く一本道。その先には某国に似た横に長い建物があり、そこが王宮になっている。


玄関には門番が二人。その内の一人と目が合うと門番は俺の方へ寄ってくる。



門番「待て。この先は許可のある者しか通せない。要件は?」


男「火姫様に謁見を取り次いで欲しいんですけど」



門番の眉がピクリと動いた。
品定めしているかの如く俺の容姿を見て、懐疑的な表情になる。



門番「…失礼だが、名を聞いても?」


男「男です…あ、いや勇者って伝えて貰えますか」

198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 14:21:54.77 ID:04FoVg4DO

門番「勇者…?君が?」


男「まぁ…はい一応…」


門番「ふむ…証明出来る物はあるか?」


男「証明?」



あったっけ?





安価下
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 14:23:59.91 ID:swF87PGvO
ない。むしろ狂滅龍の使役紋章を感知されて警戒される
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 14:48:43.65 ID:GYUhpQA1O
この都で足止め食らうパターンかぁ
最初の光の都かシスターとコネのある風の都から証明になるもの送ってもらったりってのが現実的ではあるけど
なろうだったらどうするパターンなのか
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 16:24:28.85 ID:b0Nx6wgh0
そりゃ警戒されるよな
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 16:58:56.12 ID:mvVDoZDQ0
スマホ太郎や賢者の孫みたいに行けばいいのに
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 17:14:40.81 ID:mvVDoZDQ0
魔法の言葉なんやかんや
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 18:56:59.52 ID:04FoVg4DO

男「いや……その…」


門番「それに、だ」



突然門番に左腕を掴まれ、俺に見せるように持ってくる。



門番「何だこれは。禍々しい紋様をしているが…まさか魔王の手の者か?」



俺の今の服装だと左手前腕に描かれた使役紋章は隠しきれない。まさかこれを怪しまれるとは。
ファッションタトゥーくらいに思ってくれよ!



男「違います!ほんとに自分は勇者で──」
門番「お帰り願おうか」



掴まれた腕ごと押され、バランスを崩して尻餅を着いてしまう。
火姫に会わなきゃならないってのに、いきなりこれって…。


門番は元の位置へと戻り、睨み付けたまま俺が去るのを待っている。
さすがに強行突破する訳にも行かない、ここは一旦退こう。



─────



俺は宿屋に帰宅し、皆が揃った所で円卓に腰掛けて今日あった事を相談する。

205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 18:59:12.25 ID:04FoVg4DO

侍「で、戻ってきたと」


男「うん……証明する物って何か無いの?シスター」


シスター「わかんない。あの本とか、黒いドラゴンは?」


男「この本が証明になるかなぁ…狂滅龍は流石に呼んだらマズいし」


召喚士「……ドラゴン?」


侍「俺も気ぃ失っててまだちゃんとは見た事ねぇんだよな。風の都で王宮ぶっ壊したのもソイツなんだろ?」


男「うん。それに気軽に呼べないしね…」


侍「確か寝ちまうんだよな、3日くらい」


召喚士「貴方…も……召喚士…なのね?」


男「いや、勇者…なんだよね」


召喚士「…そう、勇者……なのね」


シスター「光の都に手紙出して、使者でも呼ぶ方が良いかなー」


侍「それが現実的だろうな、1週間以上足止め食らうが」


召喚士「…貴女…」



召喚士はシスターを指差す。



シスター「え、な、なに?」


召喚士「…貴女なら……その、証明…とやら……出来るの…では?」


シスター「私が…?」


男「シスターが……あっ!そうか!」


侍「んん?」

206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 19:00:20.10 ID:04FoVg4DO

男「シスターあれ!風精霊!」


シスター「あー!確かに!なるほどねー!」


侍「おお、なるほどな。というか……何故気付いた?」


召喚士「…溢れて……いるもの…」


シスター「溢れてる?」


召喚士「ええ……精霊の…持つ、魔力……がね」


男「へぇ!」


侍「…詳しいな。聞かない様にはしていたが…姉ちゃん何者なんだ?」


シスター「……ちょっと気になるよね」



あれ?俺だけ浮かれてるの?空気重くない?



召喚士「私が……何者、なのかは……重要、なの…かしら?」


シスター「……」


侍「…いや、話したくないのなら良いさ。詮索するような真似して悪かった」


召喚士「…別に……当然、と言えば……当然」



沈黙が訪れる。
確かに召喚士の正体は気になるけど、突破口が見つかったから良しとしよう?



男「と、とにかく!明日はシスターと一緒に王宮に行く!もう夜だしね!はぁー!寝るかー!」

207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 19:01:19.35 ID:04FoVg4DO


再び沈黙。視線だけが集まる。やめてくれ。



シスター「ぷ…あはは!」


男「なっ…」


侍「くくく……そうだな、そうしよう」


男「顔背けてもわかるよ、めっちゃ笑ってるじゃん」


召喚士「…おかしな…人」


男「何で!?」



─────



翌日。

今度はシスターを連れて再び王宮へと赴く。
昨日と門番は同じ奴だ、今度こそ取り次いで貰うぞ。



門番「また君か。今度は誰を連れてきたか知らないが無駄だぞ」


男「見て欲しい物があります。これが僕が勇者たる証拠です」



シスターへ目配せをして、頷く。
風姫がやった動作をシスターも真似すると風も吹かないこの都に風が吹き、シスターの手の中に集まっていく。



門番「な、何が起きている!?」


シスター「…起きて」

208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 19:01:45.22 ID:04FoVg4DO

両手で風の塊を潰すと、シスターの上で風が破裂し、横になって寝ている風精霊が現れる。



門番「こ、これは…!?」


風精霊「んん………え、何?呼んだ?」



横になった体勢から起き上がり、目を擦って起き上がる。



シスター「ごめんね、ちょっとこの人に説明してほしくて」


風精霊「説明?……てかどうしたの、その格好」


シスター「えへへ、似合う?」


風精霊「微妙」


シスター「ガーン!」



シスターは俺を見てくるが、似合ってるから大丈夫と何度も宥める。



風精霊「で?説明って?」


門番「あ、貴女様は…もしかして…!」


男「えーと、この人に俺が勇者って事を…」


風精霊「…あー、何となく事情は把握したよ。そこのキミさ、あたしは風精霊なんだけど……これ以上説明がいるかい?」


門番「ほ、本物…?」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 19:02:22.29 ID:04FoVg4DO

風精霊「ここの姫様が出してるの見た事あるでしょ?クソア……じゃない火精霊。安心しなよ、この子達は本物の勇者一行だよ」


門番「そう……だったのか…」



門番はその場に片膝を着き、頭を垂れる。



門番「勇者殿。先日の私の振る舞い、大変失礼致しました」


男「い、いや!大丈夫ですよ!流石に怪しかったですし…」


門番「…有難う御座います。火姫様へのお取り次ぎ、しばし時間をもらっても?」


男「はい、大丈夫です」


門番「では、失礼致します」



立ち上がった門番は駆け足で王宮へと入って行く。もう一人の門番も緊張した面持ちになって俺達を見ていた。



風精霊「これで良い?」


シスター「うん!ありがと!」


男「助かったよ風精霊、ありがとう」


風精霊「別にー。これくらいお安い御用だよ。それよりさ」


男「ん?」


風精霊「どう?シスターちゃん。代償の具合は」


シスター「あ、うん…少しは慣れたよ」


男「そういえば…」



シスターは代償の内容を俺達に教えていない。
特に支障の出ない代償だからラッキーだった、だから安心して、と言っていたので気には留めていなかったが…



男「…大丈夫なの?」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 19:03:06.29 ID:04FoVg4DO

シスター「もー!大丈夫だってばー!…心配しないでね?」


男「う、うん…」


風精霊「ふーん…ま、いいや。じゃああたしは戻るね、また何かあったら呼んで」


シスター「うん、バイバイ」


男「あ、またね」



手を振って見送り、風精霊は消えていく。



シスター「ふー…良かったね、何とかなりそうで。火姫様ってどんな人なんだろうね?」


男「確かに。風姫様は凄いアレだったね」


シスター「もー、良い子なんだからアレって言っちゃ駄目でしょ」


男「ごめんごめん」



軽く火姫について雑談をしていると、先程の門番が帰ってきた。



門番「お待たせ致しました。ご案内します」


男「え?今からですか?」


門番「はい、すぐに会わせろ…との事です」


男「な、なるほど…」


シスター「良かったんじゃない?早く会える分には良いでしょ」

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 19:04:50.95 ID:04FoVg4DO

男「って事は更新もあるし、シスターも行く事になるかな」


シスター「あ、そうだね。うんうん」


門番「いえ……それが…」



門番はシスターを少し見た後に俺を見る。



門番「勇者殿一人で、との事です」


男「え?俺だけ?」


シスター「私が居なくちゃ更新出来ないけど……どうしよう?」


男「一人で…」




1 従う
2 従わない、シスターも連れていく
3 自由安価

安価下
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 19:05:37.53 ID:b0Nx6wgh0
3 攻略本の攻略チャート見る
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 21:24:51.74 ID:04FoVg4DO


ここで火姫の機嫌を損ねて謁見が遠のくのは避けたい。
だがシスターを連れていかなければ意味も無い。


一人で行くのが無難だが、次の機会がいつになるとも分からない。この選択は重要だ。



門番「勇者殿…?」


男「あ、ちょっと待ってください」



俺はおもむろに攻略本を取り出し、何かヒントが無いかを探す。



シスター「え?今見るの?」


男「うん、ちょっとだけね」



この世界をゲームみたいに書くこの攻略本ならば、これは所謂イベント。
それなら攻略チャートがあってもおかしくない。


何処だ?本編1章…この辺か?
数枚捲ると火の都の事が書かれたページを見つける。


3章…火の都イベントフローチャート。
……何?



https://imgur.com/gallery/PEspjM7





貼れて無かったらごめん
この後の行動
安価下
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 21:31:26.05 ID:F/pVhRTtO
携帯からだと画像が粗くて見えないなぁ……

安価下
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 21:34:50.99 ID:ingnQzf50
火の騎士との戦闘…?ここでドレスが役立つのか?
じゃあシスターも連れて行こう
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 21:37:06.67 ID:rN4zqAYi0
http://imgur.com/gallery/PEspjM7
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 22:09:48.33 ID:3sERUrGF0
まさかの魔王軍のエントリーである
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 22:16:40.33 ID:1oJm+RNmO
魔王の軍勢といえど有象無象なら市街戦になる前に狂滅龍出せば終わるよね
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 22:22:23.37 ID:b0Nx6wgh0
ドラゴン呼んでも呼ばなくてもチャート自体は変わらなそうだしここは召喚しちゃっていいのかな?
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 14:06:47.76 ID:Wuk7To2pO
序盤の比較的平和なうちに呼び出して性能の確認をしておきたいのはあるな
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 17:20:58.31 ID:6s7C5XJHO
竜の性別は実は雌で後々擬人化する奴
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 21:17:52.35 ID:d0HXePO10
攻略本に反逆してみたい
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/13(木) 21:29:25.05 ID:Tl/AsqC60

魔王の軍勢来襲、ヤバくないかこれ?
見た所召喚士が居ない場合、使者を出した時の謁見が後ろの方って事は少し時間はあるのか?


何にせよ、これは火姫に知らせなければならないな。
シスターを連れていくと火の騎士と戦闘とあるし、一人で行くのが無難だな。



男「よし、じゃ──」
「おーい!」


門番「む?」



正門の奥から鎧を着た衛兵が見える。門番と違って装備は立派な物で、ガチャガチャと音を立てて走ってくる。



門番「どうした?」


衛兵「いやそれが…精霊を召喚した女も連れて来いと姫様が…」


男「なに?」



おい、それはマズくないか。攻略本の通りならこのルートは余計な戦闘があるんですけど。



シスター「お呼ばれしてるならしょうがないよね。行こっか」

224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/13(木) 21:30:56.58 ID:Tl/AsqC60

男「いやちょっと待って」


シスター「え?どうしたの?」


男「この本に書いてあるんだけど、このままシスターが行くとめんど…大変な事になる」


シスター「大変な事?」


男「そう、余計な人と戦いになったり…」


シスター「あ、そうなんだ。そっかー……」


衛兵「何の事かは分かりませんが…あまり火姫様の意向に逆らうのは……良くないと言いますか…」


男「え」


門番「そうですね。気分を害すと謁見もよりむずかしくなると思われます」


男「ええ?」



でも攻略本見た感じそんな風にはならないと思うんだけど……直接話してるから事務的に処理しづらいな。



シスター「だって。どうする?」


男「いやでもなぁ…」


シスター「んーでも、困った時はソレあるでしょ?大丈夫じゃない?」



シスターに使役紋章を指される。

225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/13(木) 21:31:23.82 ID:Tl/AsqC60

男「……まぁ、確かに」



フローチャート的にも敗北は書いてなかった。つまり穏便に事が運ぶ可能性もある。
門番達の様子からも得策では無いみたいだし、いざとなれば使役紋章があるし……大丈夫かな。



男「じゃあ…行こっか、シスター」


シスター「やった。火姫様に会えるー♪」



それが本音だな。
俺達は衛兵に案内され王宮の中へと入っていく。


というより、面と向かって断れない。
これは俺の精神的弱さか。


衛兵に案内され、玉座の間というより社長室みたいな部屋に案内された。
中に人は居らず、豪華な装飾と机とがあるだけだった。


中へ入り、俺達を残して衛兵が退出すると正面の机の後ろに一瞬だけ炎柱が立ち、そこから火姫が現れた。



火姫「やあ。遅かったじゃないか」

226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 21:36:15.76 ID:d0HXePO10
お、きてる
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 12:39:14.89 ID:58EpzxevO
>>214
アプリ使って見ると良いぞ
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/15(土) 14:33:32.52 ID:MUX2fq8lO

燃えるような赤い髪色をしたポニーテールの女性。
侍くらいの高身長、身体を見なければ中性的な男性にも見える。
綺麗、或いは、格好良い。と表現するのが正しいだろう。


それにしたって…なんつー露出。
踊り子みたいな服だな。



シスター「ね、ね、綺麗だね」



コソコソと話しかけてくるシスターに無言で頷く。本人の前で内緒話も何なのでとりあえずお辞儀をして挨拶をしよう。



男「初めまして。勇者の男です」


火姫「ああ、宜しく。そして君が…」


シスター「あっ!シスターって言います!」


火姫「ふふ、見た目と違って元気が良いね。好きだよ、そういうの」


シスター「ふぁっ!?」



微笑む火姫の格好良さも相まってか、シスターは顔を赤らめてモジモジとしてる。
クソイケメンの風騎士にもそんな反応してないよね?相手は女性ですぞ?

229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/15(土) 14:34:29.41 ID:MUX2fq8lO

男「ゴホン……それで、急な謁見になりましたけど…何かお話ですか?」


火姫「ん?早い方が君達は良いんじゃないのかな?」


男「……まぁそうなんですけど…」



良く言う。こちとらフローチャートで契約更新しないのはお見通しじゃい。



火姫「ふふ、なんてね。見抜かれているなら話は早い」



火姫が手を2度鳴らす火姫の傍に一瞬だけ炎柱が立ち、中年の男性が現れる。



火姫「紹介しよう。我が剣であり四騎士が一人、火騎士だ」



静かに頭を下げる火騎士。この男と俺は戦う──顔怖っ。
強面だし無愛想だし無口…強者のオーラが滲み出てるよ。



男「…ん、四騎士って?」


火姫「…知らないのかい?」


シスター「各都の一番強い人達の事だよ。風騎士さんもその一人」


男「へぇ、そうだったのか」



でも都は全部で6個あるけど、四騎士なんだ。
四大精霊が居る都を基準にしてるのかな。

230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/15(土) 14:38:18.94 ID:MUX2fq8lO

火姫「話は簡単、彼と戦って」


シスター「え」


男「……」


シスター「ちょちょちょ、待って勇者様こっち来て」



腕を引かれて部屋の隅に行き、火姫達に背を向ける。
小声でシスターが火騎士様と戦うの?と聞いてくるので、そうだよと答える。



シスター「大変な事ってこれの事?流石に火騎士様は危なくない…?」



いくら強かろうが、この"イベント"は通過点だ、何とかなるだろう。内緒話を終えて火姫達に向き直る。



男「話はわかりました。火騎士さんとの戦い、受けさせてもらいます」


火姫「…随分と物分りが良いね。勇者殿はこの事までも知っていたのかな」


男「まあ……あ、それと一つ報告が」


火姫「報告?」


男「はい。恐らくですが、近日中に魔王軍による襲撃があります」


火姫「…なんだって?それは本当なのかな?」


男「はい、本当です」


火姫「……本当なら、これから人とお金が動くけど、間違いでしたとは言えないよ?」


男「確実に来ます」



語尾に「多分」って付けたくなるが、攻略本に間違いはないはずだ。

231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 17:23:08.53 ID:zleWkCqbO
大丈夫?ファミ通の攻略本だったりしない?
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 16:41:39.05 ID:b63a/PtFO
今って攻略目当てで攻略本買うこと殆ど無いよな
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 21:01:57.24 ID:QmRou30v0
いそがしいのかな
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/20(木) 14:27:33.24 ID:kyp4iqOtO
はよ
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 11:34:23.01 ID:AQuH3RQTO
打ち切る事自体は全然構わないけどやめるならやめるで宣言してほしい
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/27(木) 21:23:11.09 ID:lR5g5NgNO
まだ?
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