十咎ももこ「お〜い、調整屋」 みたま「・・・・・」

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1 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2020/01/15(水) 22:06:21.48 ID:GSx2QBTX0

ももこ「また使い魔が出たんだって?」

みたま「・・・・・」

ももこ「倒してやるからどこにいたか教えてくれよ」

みたま「・・・・・」

ももこ「調整屋? 聞こえてるだろ? どうしたんだよ。おーいってば」

みたま「・・・・イヤ」

ももこ「イヤ? 何がイヤなのさ」

みたま「わたしのこと名前で呼んでくれなきゃイヤッ」

ももこ「は、はあ〜? なんなんだよ急に・・・」





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2 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2020/01/15(水) 22:11:12.12 ID:GSx2QBTX0

みたま「前から気になってたのよぉ。なんでももこはわたしの事を調整屋って呼ぶの〜?」

ももこ「調整屋は調整屋だから調整屋って呼んでるんだろ」

みたま「確かにわたしは調整屋さんだけど、わたしにはみたまっていう名前があるのっ。知らないの〜?」

ももこ「知ってるけど・・・」

みたま「ここには色んな子が来るけど、かたくなにわたしのことを名前で呼ばないのってももこだけよ」

ももこ「うっ・・・へ、へえ、そうなんだ・・・。ま、まあ、でも、調整屋で通じるからそれでいいだろ?」

みたま「よくないっ。だから、わたしのこと “みたま” って呼んでちょーだいっ。呼んでくれるまでわたしももこに返事しないから」

ももこ「おいおいなんだよそりゃ・・・。あんまワガママ言うと、もうここらの使い魔倒してやらないぞ」

みたま「ふんっ。そんなことできるもんならやってみてよ。ももこはか弱い女の子を放っておけないって、わたし知ってるんだから」

ももこ「うぐっ・・・」

みたま「ほら、だから観念して呼んで。わたしのことを “みたまお姉ちゃん” って呼んで」

ももこ「おっおねっ?! な、な・・・」

みたま「ほらほら呼んで。さもないと罰としてわたしの手作りお昼御飯をごちそうしないわよ」

ももこ「い、いやいや・・・罰になってないし、昼飯作ってあげてるのはいつもアタシだろうが・・・・」

みたま「もうっ! なによなによさっきから文句ばっかりっ! あんまワガママ言うと、もうももこの調整してあげないんだから!」

ももこ「はあっ?! どうしてそうなるんだよっ!」

みたま「ふーんだっ。しーらない」プイッ

ももこ「お、おいっ・・・・」

みたま「・・・・・・・・・・」チラッ チラッ

ももこ「くっ・・・・・・」

ももこ「・・・・・」

ももこ「・・・・・」



ももこ「・・・・・・み、みたまっ」ボソッ



みたま「・・・・・・・・」

ももこ「・・・・・・・・」


みたま「・・・・・・・・」

ももこ「・・・・・・・・」


ももこ「・・・ほ、ほら、呼んだぞ。な、なんとか言ったらどうなんだよ」

みたま「えっ、あっ、ごめんなさい」

みたま「男勝りの腕っぷしで逞しい女子のあのももこに、いつもわたしを守ってくれるあのももこに、いきなりぶっきらぼうに呼び捨てで呼ばれたら、わたし、なんかすっごく心臓がどきんってしちゃった」

ももこ「ああもうっ!///// だから名前で呼びたくなかったんだよ!/////」

みたま「どうしてよっ。もっとどきどきしたから、いっぱい名前で呼んでっ」

ももこ「できないっ!////」

みたま「なんでっ?」

3 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2020/01/15(水) 22:14:11.29 ID:GSx2QBTX0

ももこ「だって・・・・。大事だろ、距離感とか・・・・」

みたま「距離感?」

ももこ「・・・・・調整屋は中立なんだろ」

みたま「うん。それがなに?」

ももこ「だから、あんまり特定の個人に肩入れするようになっちゃ良くないと思ってさ・・・・」

みたま「ああうん。なるほどね。だから距離感が大事なのね。分かったわ。それじゃちゅーするわね」ズイッ

ももこ「おっおいっ?!//// ま、待てって!//// 今のアタシの話聞いてたか?!」

みたま「うんうん聞いてる聞いてる」

みたま「つまり要約すると、ももこはわたしの事が大好きってことよね? それじゃちゅーするわね」ズイッ

ももこ「ちがっ、好きっておまっ・・・!/// そんなんじゃないっての! アタシはただ、お前が一人で使い魔も倒せないって聞いて、それが心配で放っておけなくて、それに調整屋が必要な皆ことも考えて―――」

みたま「はいはい。最初は心配で少し守ってあげるだけのつもりが、その心配な気持ちが大きくなってきて、そのうちその心配が愛おしさにだんだん変わってきてわたしが好きになっちゃったんでしょ分かってる分かってる」

ももこ「ああもうっ!/// 調整の時に見たなっ! 全部知っててからかってるのか・・・?!」

みたま「からかってなんかないわよ〜。ちゃんと真剣よ。だからももこも誤魔化さないで真剣になってほしいわ〜」

ももこ「はあ、もう・・・・。分かったよ、アタシの気持ちを知ってるんなら、もう誤魔化すのはやめる。お前の言う通りだ。もちろん、調整屋が傷付いたら皆が困るからってのはあるが・・・」

ももこ「それ以上に・・・アタシは・・・その・・・ま、まあ・・・特別に思ってるよ・・・調整屋の事・・・・・・////」

みたま「あら〜、意外と早く素直になったわね〜。それじゃわたしと結婚する?」

ももこ「でもだからと言って、今の距離感を変えるのはだめだ。よく考えてくれ。アタシとあんまり親密になったらお前が色々と困るだろ」

みたま「困る? わたしが? どうして?」

ももこ「例えばだけど、アタシと仲の悪い人・・・やちよさんみたいな人だ。そんな人相手と商売がやりにくくなったらどうなる? 商売がやりにくくなってグリーフシードが十分に手に入らなくなったりしたらまずいだろ」

みたま「それは考えすぎよ。それに、もしそうなったとして、困るのはむしろももこの方だと思うんだけど」

ももこ「アタシが? なんでだよ?」

みたま「それはぁ・・・。ひーみつっ♪」

ももこ「そうかよ・・・。はあっ・・・。なんでアタシは、掴みどころのないこんなやつのことが気になって仕方ないんだ・・・」

みたま「うっふふっ♪ きゃぴきゃぴぷりっぷりチョベリグコギャルの八雲みたまちゃんは罪な女なのよ〜♪」



4 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2020/01/15(水) 22:18:12.03 ID:GSx2QBTX0



みたま(・・・・あのね、ももこ。貴女がわたしのことを特別に想ってくれるのは嬉しいわ)

みたま(この世の何もかもが憎くて塞ぎ込んでいたわたしの心に向けられた、その純粋で真っすぐで素直な好意は、わたしに人の優しさを思い出させてくれたから)

みたま(ももこの側は居心地がいい。わたしも優しいももこが好き)

みたま(だけどね、ももこの心の中を覗いてみると、その心を一番大きく占めているのはわたしじゃないのよ)


みたま(ももこにとっての一番が誰なのか、ももこ自身は知らないみたいだけど。・・・いや、知っているけど認めたくないのかしら)

みたま(もしわたしがその人と同じくらい、ももこにとって大きな存在になれたら、きっとももこはすごく困るわ。だってももこはどっちも放っておけない性格だもの)

みたま(その時ももこがどういう選択をするかは分からないけど・・・)

みたま(でもせめてその時が来るまでは、いっぱいわたしの側に居てねっ♪)



みたま「ももこっ、だーいすきっ!」ダキッ

ももこ「うわっ?!//// だ、だからそういうのは・・・////」タジタジ....



やちよ「・・・・・魔力の強化をお願いに来たんだけど」

ももこ「やちよさんっ?!」ドキッ

やちよ「お邪魔だったかしら?」

ももこ「こ、これはちがっ・・・! ほ、ほらっ、客だぞ調整屋、離れ―――」

みたま「んーっ」


 ちゅっ


ももこ「・・・うぇへえっ?!////」

みたま「んっふふ〜」チラッ


やちよ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

やちよ「・・・日を改めるわ」

ももこ「あっ・・・! ちょっ、まっ・・・!」


みたま(興味がないフリをしているけど、貴女も ももこが気になってしょうがないこと知ってるんだからね)

みたま(そうやって意地張ってももこと距離を取り続けていたら、わたしがももこを取っちゃうんだからっ)






おわり
5 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2020/01/15(水) 22:18:55.85 ID:GSx2QBTX0

ありがとうございました。
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