ナルメア「団長ちゃん、何かしてあげよっか?」グラン「じゃ艇を降りてくださいよ」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:03:15.40 ID:mANs7vdZO
a

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1577628195
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:07:40.73 ID:Pzgz1MEU0
>>1です、規制中なので携帯から建てました。。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:08:15.35 ID:Pzgz1MEU0
ナルメア「えっ?」

グラン「バルツに着いたら、艇を降りてくださいよ」

ナルメア「……え…」

ラカム「おーい団長ー! 目的地に着いたぞー!」

グラン「ありがとうラカムー! 今行くー!」ダッ

ナルメア「あ、」

ナルメア「……??…団長ちゃん……?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:09:44.48 ID:Pzgz1MEU0
*

イオ「結局、あんたたちがほしい物だけしか売ってなかったわね」

ラカム「原初の砂に赤熱鉱……まだまだ足りないけどな」

ルリア「でもいっぱい買えました!ね、シエテさん?」

シエテ「そうだねぇ」

シルヴァ「……イオは何が欲しかったんだ?」

イオ「んー別にこれと言ってないんだけど、自分がほしい物がないって、なんだか損した気分じゃない?」

シルヴァ「む……」

イオ「なんだっていいのよ、せっかくまたバルツに寄ったんだから師匠に会いたかったけど別の島の領主に会いに行っちゃってるし。 私も何か買いたかったんだけど、バルツの中は知り尽くしちゃってるし……」

イオ「ねぇ、これってワガママかな?」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:11:56.49 ID:Pzgz1MEU0
シルヴァ「そんな事はない。素直でいることは子供の特権だ」

イオ「ちょっとー。 私は子供じゃなくて、レディーなんですけど?」

シルヴァ「む……」

シエテ「あらら。怒っちゃったねぇ」

グラン「あちゃー。シルヴァさんだめですよ?イオに謝らないと」

シルヴァ「むっ!? す、すまない……」

ラカム「おいおい団長。ガチで謝らせてどうすんだお前は」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:13:36.34 ID:Pzgz1MEU0
グラン「あーーごめんごめん! シルヴァさん、冗談です、ごめんなさい!」

シルヴァ「じょ、冗談だったのか」

イオ「そうよ。グランはバカ言うのが大好きなんだから……ね? このバカ!」ボカッ

グラン「あだーーーーー!! 杖で殴るのは反則だよイオ!?」

イオ「あんたもよ!」

シエテ「えーーーーー!? なんで僕まで叩かれるの!? 頭目だよ、僕!?」

イオ「知らないわよー!」

*
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:15:09.44 ID:Pzgz1MEU0
シルヴァ「……冗談が好きなのだな、団長は」

ラカム「ああ。バカだけどな」

ルリア「はわわ〜」

シルヴァ「……」フッ

シルヴァ「私はあまり冗談が得意ではない……だが。あの団長は裏表がなく、不思議と悪い気分じゃないんだ」

シルヴァ「良い騎空団に入れて良かった」

ルリア「!」

ラカム「そいつぁよかったな、新入り」

シルヴァ「む」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:16:39.44 ID:Pzgz1MEU0
グラン「おーーいシルヴァさーーん! みんなでごはん行きますよーーーー!!」

シルヴァ「あ……あぁ!」

ラカム「ほれ行くぞ。ルリアも。……また飯ヒュゴるんじゃねえぞ?」

ルリア「し、しませんよぉ! ……ん?」

ナルメア「……」

ルリア(あれ。あそこの陰にいるのは、ナルメアさん……?)

*
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:18:11.58 ID:Pzgz1MEU0
ルリア「ナルメアさーん! どうしたんですか?そんなところで」

ナルメア「ルリアちゃん……。」

ナルメア「……ううん! なんでもないの、お姉さんちょっとめまいがしちゃってね」

ルリア「だ、だいじょうぶですか?」

ナルメア「うん!お姉さん頑張る! ちょっと先に艇に戻って、おそうじでもしてくるね!」

ルリア「あ、ナルメアさーーん! ごはん……」

*
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:19:52.94 ID:Pzgz1MEU0
ゴシゴシ ゴシゴシ

ナルメア(あれはどういう意味だったんだろう……)

ナルメア(私、なにかしちゃったかな……? 団長ちゃんの気に入らないこと)

ナルメア「………」ゴシゴシ

ナルメア(……そうだ、団長ちゃんの好きなおかしを作って、謝りに行こうかな)

ナルメア(お菓子……あれね、チャンクで作ったミートパイと、のみものはエリクシールハーフ)

ナルメア(そう、それだわ!)

ナルメア(あれ、はじめてご馳走したときの団長ちゃん、すっごくうれしそうだったなぁ)

ナルメア(あんな顔されちゃったらお姉さん、それはもうすごく頑張って、がんばって練習しちゃうじゃない)

ナルメア(だからあのお料理だけは、すっごく自信あるんだよ? 団長ちゃん)
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:20:51.56 ID:Pzgz1MEU0
ナルメア(あれから何回もごちそうして、何回もおかわりしてくれたよね、団長ちゃん)

ナルメア(取り分けるときとか、ナイフ危ないからって、私なんかに気遣ってくれたよね?)

ナルメア(やらせてって言っても、ナルメアさんの分は僕がって、聞いてくれなかったよね……)

ナルメア(すっごくおいしそうに食べてくれて……、これで夜まで走れるって……言ってくれたよね……)

ナルメア(お姉さん…………すっごく、うれしかったよ、団長ちゃん)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:22:06.93 ID:Pzgz1MEU0
ナルメア(……また、食べてくれるよね……?)

ナルメア(……食べてくれるわ、団長ちゃんは)

ナルメア(じゃあ、おいしいって言ってくれるかな……?)

ナルメア(おいしいって、言ってくれるかな……? ごめんね、団長ちゃん……)

ナルメア(ごめんね、私、なにか怒らせちゃったから……)

ナルメア(嫌わないで……きらわないでよぉ……許して、団長ちゃん……!)

ナルメア(う、う、ごめんね…… 団長ちゃん……)

*
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:23:51.30 ID:Pzgz1MEU0
グラン「ただいまーグランサイファーのみんなー! ……ふぅ、おいしかったね」

ラカム「お前食べすぎだこのバカ、ルリア並みに食いやがって」

シエテ「1000ルピのランチを10セットも食べるとはね!見たかいあの店員さんの顔、ひきつってたねぇ!」

グラン「や、なんかおなかがめっちゃ空いてたんだよね。まだイケるよ!」

イオ「いけるよじゃないわよバカ!」

シルヴァ「……男らしくて良いと思うが……」ボソ

イオ「なんですってえぇ!!?」ギロッ

シルヴァ「!?」ビクッ
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:25:19.27 ID:Pzgz1MEU0
ルリア「グラン……最近特に頭が悪いですけど、大丈夫ですか?」

グラン「ル、ルリア……(苦笑)」

ミリン「おやみなさん。帰ってきたでござるか!おかえりなさいでござる!」

ラカム「おう。これ、お前の弁当な。団長チョイスだ」

ミリン「わー!おいしそうなからあげ!ハンバーグ!あ、これがごまだんごでござるか!!」

ミリン「……漢のサムライ弁当でござる!」

グラン「ごめんね、茶色ばっかで! それが一番人気で、いろいろ入ってたから……」

ミリン「いえ、おいしそうでござるよ! かたじけない!」

グラン「ほんと? はは、よかったよ」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:26:11.35 ID:Pzgz1MEU0
イオ「これをこのバカは10個も食べてたのよ、信じられる?」

ミリン「ルリアどのではなく、でござるか?」

ルリア「わ、私はそんなに食べませんよー!」

ラカム(嘘つけ……)

グラン「ホントおなか空いちゃっててさ、ミリンはそれひとつで足りる?」

ミリン「拙者は大満足でござる!」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:27:17.04 ID:Pzgz1MEU0
グラン「よかった。じゃあイオ、僕は艇のみんなにお弁当渡してくるからね」

イオ「うん、いってらっしゃーい」

ミリン「せ、拙者も手伝うでござるよ!」

グラン「いい、いい!」

ラカム「お前、ちゃんと配れよ!? もう食うなよ!わかってるな!」

グラン「わかってるよ!(笑)」

*
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:28:23.91 ID:Pzgz1MEU0
ミリン「……。」

ラカム「あ? なにやってんだよお前。団長の後ろ姿なんかじっと見て」

ミリン「はっ! ラカムどのラカムどの」

ラカム「あ?なんだ?」

ミリン「団長どのは良い人でありますなー」

ラカム「はぁ??」

ミリン「や。拙者、思い出したでござる。シルヴァどのと同じように、この艇に乗せてもらった時のことを」

ミリン「拙者、異国の情緒や文化を知りたいゆえ、いろんな研鑽を積みたいというのが入団のきっかけでござる」

ミリン「だからもちろん、こういう食の文化も同じでござりて」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:29:52.14 ID:Pzgz1MEU0
ラカム「団長の話か?」

ミリン「ござる。団長どのは、寄港した時はかならず拙者を連れ出して、お買いものとか食事処とか、なるべく拙者に外の新しい文化を見せてくれようとしてくれるのでござる」

ミリン「今日みたいに見張り番の時は、いつもおもしろいお土産とかお弁当を持ってきてくれるでござるよ」

ミリン「頭の片隅のほんの少しでも、拙者をお傍において頂けている……その気遣いが、たまらなくうれしいのでござる……」

ラカム「……」

ミリン「だから拙者……」

ミリン「団長どのがだいすきでござ……」ボソッ

ラカム「おいおい、口が滑りすぎじゃ……」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:31:09.85 ID:Pzgz1MEU0
ミリン「!!!」ハッ!

ミリン「ち、ちがうでござる! 好きというのは、そういう意味ではなくてでござって!」

ミリン「つ、ついうれしくて……口が勝手に……ござる……」

ラカム(バカしかいねえのか、この団は……)

ミリン「忘れるでござる、ラカムどのーーーーーっ!」

*
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:32:16.54 ID:Pzgz1MEU0
コンコン コンコン

ナルメア「!」ビクッ

ナルメア「は、はい、どなたですか?」

シーン

ナルメア「……?」

ナルメア「はい……?」ガチャ

グラン「あぁ、ナルメアさん」

ナルメア「だ、団長ちゃん!?」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:33:45.76 ID:Pzgz1MEU0
(グラン『艇を降りてくださいよ』)

ナルメア「っ………」

グラン「はい。これ今日のお昼」

ナルメア「え、あ……っ、ありがとう団長ちゃん、ごめんねもってきてもらっちゃって」

グラン「……。 入っていいですか?」

ナルメア「! あ、う、うん、どうぞ……! あ、で、でも、わたしの部屋、ちょっと散らかっててね、ごめんね、いい? 団長ちゃん……」

グラン「……ベッド座っていいですか?」スタスタ

ナルメア「あ、ぅ、うん! あ、おしりにクッション敷く? あの、ね? ベッド、わたしさっきまで使ってたから……、お姉さんちょっと恥ずかしいなー…――」

グラン「」ドスン

ナルメア「なん、て……」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:34:55.48 ID:Pzgz1MEU0
グラン「……。なんかちょっと枕湿ってません? なんでです?」サワサワ

ナルメア「あ!? そ、それは……そ、み、水を」

グラン「それに……このにおい」チラ

グラン「何か作ったんですか? なんかを焼いた匂いだ」

ナルメア「あっうん、これね……! 団長ちゃんの好きな」

グラン「ちょっと」サッ

ナルメア「え」

グラン「ゲホ…………!」(煙たそうな仕草)

ナルメア「……っ…!」ピタッ
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:35:59.56 ID:Pzgz1MEU0
グラン「ごめんなさい、少し気分が悪くなって。 何ていいました?」

ナルメア「う……ううん! ごめんね、くさかったよね! ごめんね……すぐ窓開けるから!」

グラン「ナルメアさん、その前に! なに作ったのか、聞いてるんですけど」

グラン「それとも、僕を無視するつもりですか?」ジト

ナルメア「…………、ぇ、と……!」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:37:13.22 ID:Pzgz1MEU0
ナルメア「な、なにも……」

グラン「ゲホッ!! ゴホッ!!!」

ナルメア「っ……」ビクッ

グラン「……」

ナルメア「…………、っ、っ、っ、ぉ」

ナルメア「お、“おねえちゃん、とくせいの”……」

*
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:38:33.09 ID:Pzgz1MEU0
*

(グラン『ナルメアさん、このパイめっちゃウマイですね! シェフですよシェフ!!』)

(ルリア『はわわァァァアアアアアアアアアア!!! すッごくおいしいです〜〜〜!!!』ヒュゴゴゴゴゴゴ)

(グラン『ってルリア!ヒュゴるな!! このパイは絶対あげないからな!!』)

(グラン『だ、駄目だ。食べるのに夢中で聞く耳持ってない……』)

(ナルメア『お、大げさだよ団長ちゃん……! 恥ずかしいから……』)

(グラン『いや!何度でも言うよ、ナルメアさんのミートパイは全空一だ!おいしい!!』)

(グラン『ナルメアさん、刀の腕前もすごいけど料理もこんなにすごいなんて。こんな小さい団なのに、ナルメアさんが入団してくれて本当にうれしいです!』)
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/29(日) 23:39:40.46 ID:Pzgz1MEU0
(ナルメア『だっ団長ちゃん褒めすぎだよっ!? ごめんね、気持ちはすっごいうれしいよ!? 本当だよ!? で、でも、だって、あまりもののグラッチチャンクで作ったから……、その、ほんとはすっごく大味なんじゃないかな……?』)

(ナルメア『……無理しないでいいよ……? 団長ちゃん優しいんだもん……あまりもので作って、そんなおいしいわけ、ないし……』)

(グラン『………』)

(グラン『ナルメアさん、自分で味見はしました?』)

(ナルメア『えっ? し、したよ、もちろん! だって、団長ちゃんが食べてくれるんだから……!』)

(グラン『おいしかった?』)

(ナルメア『……、お、おいし、かったかな?』)

(グラン『自分でもわかってるじゃないですか、おいしいって!』)

(ナルメア『!』)
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