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勇者「魔王封印するつもりがミスって殺してしまった。俺はもうダメかもしれない」
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15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/12/05(木) 03:12:47.60 ID:yrytASdTO
……
勇者「……」
勇者「行ったか」
勇者「まさか直で殺害予告されるとは」
勇者(神託の聖女の役目=勇者の手助け。それが終わって、お飾り=安全な仕事は刺激がなくて嫌だ)
勇者(んで国民にとっての脅威は、長年恐怖の対象だった魔王殺した勇者=俺で間違いない)
勇者(そいつらを助ける=不安を取り除く。それには勇者を生き返らせることができる教会が、勇者が本当に死んだって証明する必要がある)
勇者(そのために必要なのは…)
勇者「俺の首…」
勇者「一緒に来てくださいってのはつまり…」
勇者「晒し首…」
勇者「ヒェッ…」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/05(木) 03:14:52.35 ID:yrytASdTO
ここまで
ゆっくりやってきます
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/05(木) 03:23:35.44 ID:FEATjqswo
乙
穿ち過ぎだろと思いながら読んでたけどこうも言い重ねられると勇者が正しい気がしてきた…?
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/05(木) 09:53:04.93 ID:qdsc8zBdo
おつおつ
一人目だったんだね
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/05(木) 11:49:12.73 ID:NudQFFVoO
楽しみにしてる
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/05(木) 12:11:28.02 ID:Z2BXF3jkO
実は昔から活躍した勇者は行方不明になってる的な噂とかあるのかもな
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/05(木) 12:24:25.06 ID:ejltWdyKo
乙です
期待
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/05(木) 14:22:07.54 ID:KnIMfDecO
【酒場】
勇者「それでは魔王の死を祝して(ファック)――乾杯!」
『『『『『乾杯!!!』』』』』
勇者(戦士さんの言うささやかな歓迎とは街で一番デカい酒場を貸し切ってのパーティらしい。全然ささやかじゃねえ)
勇者(まあこれだけ人の目があるなら命の危険はないだろ。王様もこんな早く命令飛ばしはしないだろうし)
勇者(故に気をつけるのは僧侶さん。いや僧侶。奴は敵だ。気を抜いたら死ぬと思え)
勇者(奴は料理がクソほど出来ん。だというのに調理場に入るのが見えた。十中八九料理に何か混ぜたはず。手をつけるのはやめておこう)
勇者(逆にここで俺に料理を勧めてくる奴は敵の可能性が高い。いい機会だ、ここで全員炙り出してやる…!)
兵士A「あれ、勇者様。全然食べてなくないっすか?」
勇者「つい話す方に熱中してしまいまして」
兵士A「あ、ならよければ俺が取ってきますよ!勇者様は座っててください!」
勇者「それなら魔法使いさんにしてあげてください。あの人も疲れてましたから」
兵士A「任されましたっす!」
勇者(こいつはただのお人好し。とはいえ軍人だし四捨五入して敵で)
兵士B「勇者様。こちら我が家の秘蔵酒です。ぜひ一口目は勇者様に」
勇者「ありがとうございます。下戸なので、舐める程度に」
勇者(酒精で判断力を鈍らせるつもりだな?馬鹿め、ひっかかるか)
僧侶「勇者様、勇者様。これ、心を込めて作りました。食べて頂けますか…?」
勇者「二フラム」ジュッ
僧侶「え…」
僧侶「!?」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/05(木) 14:55:21.02 ID:o0zJs57IO
ニフラム効くって毒やんけ!
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/05(木) 15:44:24.52 ID:KnIMfDecO
勇者(僧侶め、まさか本当に料理で殺しに来るとは。やはり油断ならん…というか二フラム効く料理って一体…?)
勇者(とはいえ流石に暗殺は素人らしいな。盛るならもう少し上手く盛れよ。あんなゲロみたいなの魔物でも食わんぞ)
勇者(しかし…くそう。他のは普通に美味しそうだなぁ。俺も食べてえなあ。最後食ったの朝だし…)
勇者(みんなが食ってるやつだったら…大丈夫なはず…)
勇者(いや、我慢…我慢だ…誰が敵か分からないんだ。いのちをだいじに…)
勇者(よし、そろそろ抜け出してもいい頃か)
勇者「すみません。少し夜風に当たってきます。俺のことは気にせず楽しんでくださいね」
兵士A「ウェーイ!!勇者様ウェーイウェーイ!!」
勇者([
ピーーー
])
勇者「それじゃ俺はこれで」魔法使い「私も行くわ」
勇者「へ?」
魔法使い「ほら行くわよ勇者様」
勇者「アッハイ」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/05(木) 16:10:10.98 ID:KnIMfDecO
魔法使い「この街に悪いところが一つあるとしたら、それは寒さね。お酒が入ってなければ出歩く気も起きないわ…」
勇者「エルフって割りかし南方の種族ですもんねえ」
魔法使い「今度一族のババア共でも連れて来ようかしら。ふふ、まとめてあの世に送れそう」
勇者「あはははは」
魔法使い「うふふふふふ」
勇者「…はあ。で、話は?」
魔法使い「飲み直しましょ。あそこうるさい」
勇者「ああお金ですか。渡しとくので適当にどうぞ。じゃあ俺はこれで…」
魔法使い「逃げんな。金なんて一言も言ってないでしょ。何なら私が奢ってあげるから付き合いなさい」
勇者「えッ!?(銭ゲバ糞外道の)魔法使いさんが!?」
魔法使い「ええ、ええ。あなたが私をどう思ってるかよーく分かりました。これは徹底的に話し合う必要があるわねそうよね勇者様」
勇者「拒否権どこ…ここ…?」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/12/06(金) 12:47:34.68 ID:D+R53rdyO
【宿】
魔法使い「まさかどこも臨時休業だとは…」
勇者「(俺以外には)仮にもめでたい日ですからねえ」
魔法使い「そのめでたい日に宅飲みって嘘でしょ…私たち立役者なのに…?」
勇者「まあまあ。あ、何で乾杯します?」
魔法使い「私たちの永遠の愛で」
勇者「はいじゃあそれで。乾杯」
魔法使い「うっわ面白くなーい。ほんとつっまんない男ねえ。なに?隙見せたら死ぬ病気?」
勇者(そうだよクソが)
勇者「言っても魔法使いさんも隙見せてくれないでしょ。うちじゃ僧侶さんくらいじゃないですか?」
魔法使い「あの子がああなのは勇者様の前だけじゃない?他所じゃちゃんとしてるし」
勇者(畜生、最初から口封じするつもりだったってことかよ…)
勇者(魔法使いさん、もしかしてそれを伝えるために…?)
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/06(金) 13:11:14.17 ID:D+R53rdyO
勇者(…いや!腹減ってると考えが浅くなる。気を許しちゃダメだ…)
勇者「そういえば、どうして今日は俺を誘ってくれたんですか?ひとり酒お好きでしょ」
魔法使い「それ本気で言ってるの?自分の胸に聞いてみなさいな」
勇者「身に覚えはありませんけど…」
魔法使い「――じゃあ、どうして今日は料理どころか飲み物ひとつ口をつけてないのかしら」
勇者「お腹が減ってなくて」
魔法使い「下手な嘘はやめなさい」
勇者「ああ。じゃあアレです。魔王の呪い。今後一生人前で食べ物が食べられないとか、そんなの」
魔法使い「…ふざけてるの?」
勇者「逆に聞きますけど、俺が何も食べなくて魔法使いさんに何か不利益ありますか?」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/06(金) 13:41:13.53 ID:D+R53rdyO
魔法使い「へえ。そういうこと言うんだ。…そういうこと言うんだ!!」
勇者「……」
魔法使い「不利益!?ええそうよ不利益よ!あなたがそんな調子じゃどんな高級酒も不味くて飲めたもんじゃない!」
魔法使い「仲間が明らかにおかしくて、それを心配するのはそんなにおかしいこと!?」
魔法使い「私を助けてくれた人の力になりたいと思うのが、そんなに信じられない!?」
魔法使い「何とか言え、勇者!!」
勇者「……」
勇者「はい。すみませんでした」
勇者「魔法使いさんの心配はちゃんと受け取って――」
魔法使い「ッ!」
魔法使い「――ふざけるなぁッ!!」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/06(金) 13:55:23.45 ID:D+R53rdyO
勇者「ホイミ」
勇者「素手で仮にも勇者の頬骨折るとは。警戒解いてたら殺されてたかもしれん」
勇者「なんかゴチャゴチャいいこと言ってたが、結果だけ見れば実にシンプル」
勇者「魔法使いは俺に毒入りの料理を食わせようとして、失敗して逆上した」
勇者「わざわざ挑発して怒らせた甲斐があったってもんだ」
勇者「理由は…僧侶に金でも握らされたか?それとも最初からそのつもりで?」
勇者(考えてみたらいくらハーフとはいえあんな排斥されたりしないだろ。俺の同情を引く作戦だったのかも)
勇者「それかとりあえず俺を殺しといて、後でどこかの勢力と交渉するつもりだったのかもな。今後の展開考えたら殺しといて損はないし」
勇者「ともかく魔法使いも敵だな。今後は一層警戒して接そう」
勇者「仲間の三分の二が敵だったなんて偶然じゃ考えられん。戦士さんも危険だ。明日探ってみよう」
勇者「……」
勇者「腹減ったな。ビスケット残ってたっけ」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/12/06(金) 14:07:00.66 ID:xIyOpjquO
勇者「……」
勇者「朝か」
勇者(結局一睡も出来なかった。夜が怖くて寝られないとか僧侶を笑えねえや)
勇者「今日は午前までゆっくりして、午後に王都に戻るって話だったな」
勇者「…戦士さんに会いに行くか。どうせ敵だろうけど」
勇者(今のうちに慣れとかないとな。これから先死ぬまで続くんだから)
【戦士の家】
戦士「勇者か。出発の準備は出来ているのか?」
勇者「はい。戦士さんはやっぱりこの街に留まるんですか?」
戦士「家も家族もこの街にあるからな。離れる理由がない」
勇者「勿体ない。王都に行けば勲章や褒賞貰えるのに。一生遊んで暮らせますよ?」
戦士「不要だよ。欲しくて戦ったわけじゃない。お前もだろう?」
勇者「過ぎたるは何とやらですからね。権力闘争とか怖くて怖くて」
戦士「全くだ」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/06(金) 20:15:52.69 ID:gmlVr0Y6o
読んでる
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/06(金) 22:39:02.19 ID:w8KbyF190
戦士「ところで勇者。魔法使いと何かあったのか?」
勇者「昨夜、少し口論に。それが?」
戦士「酷く荒れていた。仲直りは出来そうか?」
勇者「うーん、どうでしょうね。彼女次第ですから、こればかりは俺じゃ何とも」.
戦士「そうか。しかし、お前がそこまでの喧嘩をするとは少し意外だな」
勇者「意外って。別に魔法使いさんは普通の女の子ですよ。喧嘩くらいするでしょう」
戦士「そうじゃない。俺が言っているのは勇者、お前のことだ」
勇者「俺…?」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/07(土) 00:06:21.80 ID:n8vtZH6yo
期待
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/07(土) 01:52:37.46 ID:NydvVfLEO
戦士「俺の見てきた限り、お前は一度も敬語を崩さなかった」
勇者「そりゃそれが素ですし。そのせいで結構砕けちゃってますけど」
戦士「…すまない。今のは言葉が悪かった」
戦士「そういう表面的な話でなくて、だ」
戦士「お前は一度だって俺にも、魔法使いにも、僧侶にも。どころか他の誰にだって気を許したことがない。違うか?」
勇者「…は?いえ、そんなことありませんが」
戦士「お前はお前自身を最高の役者とでも思っているのかもしれないがそれは違う」
勇者「いや話聞いてます?」
戦士「どんなに大人びていても所詮は子供だ。壁を張っていることなんて簡単に分かるとも」
勇者「あの話…」
戦士「どうにか崩してやろうと俺なりに頑張ってみたんだがな。だが、お前は俺の想像以上に人間を信じていなかった。おかげで俺の試みは魔王を倒してなお道半ばだよ」
勇者「キアラル!マヌーハ!…効かん。あれえ?」
戦士「そんなお前が喧嘩とは…いや、それだけ魔法使いを怒らせたか。余程深く傷つけたのか」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/07(土) 01:53:09.46 ID:NydvVfLEO
ここまで
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/07(土) 02:12:07.48 ID:2WFJoHxFo
勇者テンパりすぎだろ
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/07(土) 04:56:49.83 ID:V6M3BFLxo
乙ー
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/07(土) 14:36:59.29 ID:ZkrO53Xo0
勇者「…戦士さん。さては話す内容めっちゃ事前に考えてたでしょ」
戦士「バレたか」
勇者「口下手がそれっぽいことそんなに上手く言えるわけありませんもん」
戦士「勇者に説教できる機会など今日を逃したらもうないだろうからな」
戦士「まあ、何か困ったらいつでも頼れ。可能な限り力になろう」
勇者「いいですって。戦士さんは俺たちのことなんか忘れてこの街とご家族を守っていてください」
戦士「そうはいかない。お前達はこの街を救った英雄だ。恩返しくらいさせてくれ」
勇者「はあ。そこまで言うなら貸しときますけど…」
勇者(信用しなきゃいいだけだし)
戦士「ああ。そうしておくといい」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/07(土) 16:17:22.88 ID:33HkszR3O
さては転生者だなオメー(暴言)
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/07(土) 22:11:20.45 ID:5U+Sf3ZhO
乙ー
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/08(日) 01:10:35.16 ID:ubPLslYJ0
ここまで人間を信用していないのにどうして勇者として立ち上がったのか。
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/08(日) 01:23:35.10 ID:FNlhXcI4O
平凡な一般人の俺なんて侵略しにきた魔王に一瞬で殺されちゃうぅぅ
クソ!やられる前にやってやる!
みたいな感じだったんじゃね?
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/08(日) 02:02:10.20 ID:kJj7BlsDo
王宮から使者でも来たのかもしれない
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/08(日) 08:13:30.65 ID:Bb6bczC40
魔法とか完全にドラクエだけどこれドラクエの世界観でいいの?
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/08(日) 16:11:57.04 ID:ba+gmM7UO
勇者(可能な限りってのがミソだな。最初にそんな縛りつける辺り破る気満々だろ)
勇者(つまりこいつも敵。これでめでたく仲間が全員敵だったことが判明しました。フゥ〜〜〜!)
勇者([
ピーーー
]よ)
勇者「じゃあ俺達そろそろ行きますんで。機会があったらまた」
戦士「そうだな。また会おう」
勇者(二度と会いたくねえわボケ皮肉かコラ)
【王都】
勇者(ついに戻ってきてしまった)
魔法使い「ルーラだとどうにも呆気ないわね」
僧侶「一瞬ですものね。それでも私は感慨深いですけど…」
勇者(あっちにも建前がある。謁見が終わるまでは殺されないはず)
魔法使い「僧侶はここで暮らしてたんでしょ?私何なら来るの初めてだもの」
僧侶「私もこうして城下町を歩くのは初めてです。ふふ、勇者パーティの特権ですね」
魔法使い「やっすい特権ねえ…」
勇者(謁見が終わったら…まずルーラで田舎まで飛んで…そこからはダッシュで…)
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/08(日) 16:13:53.01 ID:ba+gmM7UO
魔法使い「…あー、勇者様も何か言ってやったら?」
勇者(どこに逃げ込んでも僧侶と魔法使い、特に僧侶には目星がつく。初動でどれだけ距離を作れるかが肝心だ)
勇者(やっぱり戦士に会いに行ったのは正解だったな。ああやって家と家族の顔知ってるアピールしとけば家を空けようとは思わねえだろ)
僧侶「あの、勇者様?」
魔法使い「…そ。私とは口もききたくないってわけ」
魔法使い「先行ってるから」スタスタ
僧侶「あっ、魔法使い様…!?」
勇者(とにかくスピード勝負だ。昨日寝れてないせいでMPに余裕がない。一秒でも早く謁見終わらせねえと)スタスタ
僧侶「ゆ、勇者様も…!?待ってください、早いです、早いです…!」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/08(日) 17:05:01.19 ID:lBwiz8xQO
乙ー
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/09(月) 01:16:02.31 ID:bwEF0QEt0
全然更新できてないけどここまで
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/09(月) 04:21:05.11 ID:pbHXUqKmo
待ってる
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/09(月) 13:12:12.19 ID:ETpYaF3gO
【王宮】
王「よくぞ生きて戻った、勇者」
王「戦争が終わったことよりも、魔王を討ち滅ぼしたことよりも、余はそれが一番嬉しく思う」
勇者「はっ。これも陛下の手厚い支援のおかげでございます」
王「ほう?1000Gと鉄の剣、薬草袋数個程度が魔王を滅ぼす鍵となったと?」
勇者「はっ。何もかも厳しい中、歴代勇者と比しても充実した支援を充てて頂いたと理解しております」
王「そう言われて悪い気はしないが、やはり余が受け取る資格はないな。世界を救ったのは他の誰でもない勇者、貴様の力だよ」
勇者「…はっ。身に余る光栄でございます」
王「僧侶殿、魔法使い殿も誠に大儀であった」
王「よくぞ、よくぞ我が息子にも等しいこの者の助けとなり、支えとなり、戦い抜いてくれた。この通り礼を言わせてくれ」
魔法使い「…どうも」僧侶「それが私の使命ですから」
魔法使い(ふうん。随分人格者なのね)
僧侶(…まあ、そうですね。普通はそう思うのでしょうね)
魔法使い(え…?)
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/09(月) 13:29:33.42 ID:ETpYaF3gO
王「さて、老いぼれの話などこの辺りでいいだろう」
王「勇者、僧侶殿、魔法使い殿。この場にいない戦士殿も。魔王討伐の功績を称えて、そなたらの望みを叶えよう」
王「一つなどとケチなことは言わない。思うままに言うがよい」
勇者「私は何も。魔法使いさんどうぞ」
魔法使い「…じゃあ、王都に私専用の研究室と当座の資金をください」
王「あい分かった。叶えよう」
王「勇者も、何か思いついたらいつでも言うがよいぞ」
勇者「はっ」
僧侶「…すみません。私も保留ということでよろしいでしょうか?」
王「無論いいとも。何しろ余は叶えさせて貰う側の人間なのだからな」
王「実を言うと、魔法使い殿のための研究室はもう着工している。どのみち無駄にはならんと思ってな。まだ途上だが、よければ後で見て行くといい」
魔法使い「…!ありがとうございます」
王「さて、では…姫!」
勇者「!」
僧侶「っ!!」
魔法使い「…?」
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/09(月) 13:50:31.07 ID:ETpYaF3gO
姫「ここに」
勇者(まさか出てくるとは…)
勇者(例の婚約を破りたいなら黙ったままでいればいい。そうしなかったってことは…なるほど、姫本人による暗殺か)
勇者(姫を警戒する奴なんて普通いない。婚約者なら尚更だ。一人娘とはいえ所詮は女、失っても痛手は少ない)
勇者(仮にも魔王殺した勇者だ。馬鹿正直に武力ぶつけてもコスパが悪いって考えるのも当然)
勇者(そしてここにいるのは目撃者は王の手が掛かった者ばかり。風聞も勇者が無礼を働いた、野心が見えたとでも言えばどうとでもなる)
勇者(不確定要素だった魔法使いも、今の研究室云々の話で抱き込めたみたいだしな。ケッ)
王「勇者。あれだ、あの話…いや、やはり後は若い者のみで…」
姫「お父様、逃げないでくださいませ」
王「逃げてなんぞおらぬ。だが、こう、心臓がキュッとしたのだ。これは病気に違いない。うむ、うむ」
姫「お父様」
王「うむ…」
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/09(月) 14:24:07.04 ID:ETpYaF3gO
ひとまずここまで
夜に再開します
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/09(月) 14:46:11.31 ID:TrXliCyv0
勇者に見える人間世界はどこまでも酷く極悪なようだww
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/10(火) 01:06:30.35 ID:NdH9I63wo
乙ー
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/10(火) 01:24:35.30 ID:dhO4mV+UO
姫「勇者様。こうしてお会いできる日を心より待ち望んでおりました」
勇者「はい。私もです」
姫「単刀直入に聞きます。私との婚約のお話、覚えていらっしゃいますか?」
勇者「無論口約束だとわきまえております」
姫「いいえ勇者様、私は本気です。非力な私ですが、冗談で婚姻を持ち出すほどに心まで堕としたことはございません」
勇者「…心得ております」
勇者(やばいなやばいぞとてもやばい。姫に非礼な受け答えは出来ない。断りの文句が酷く限られる)
勇者(どうする、どう切り抜ける…うん?)
僧侶「――」
魔法使い「そ、僧侶…?」
勇者(僧侶が能面みたいになってる。あれはどえりゃあ機嫌が悪い時の…)
勇者(…そうか、そうかそうか!なるほど、使えるぞこれは!)
勇者「申し訳ございませんが姫様、やはり私はあなたと身を結ぶことは出来ません」
姫「その…理由は?」
勇者「私はこの旅を通して多くの人々を救いました。しかし同時に多くの人々を見捨てもしました。ひとえに魔王を討つという目的があったからでございます」
姫「…それは勇者様の咎ではございません。全て我ら王家の無力によるものです」
勇者(ったり前だ本気でそんなの俺のせいにされたら堪らんわボケが)
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/10(火) 01:48:29.09 ID:dnF5EHQtO
勇者「そう言って頂けるだけでも救われる思いですが、私がいくら救われたところで亡くなった方々が帰ってくるわけではありません」
勇者「故に私はその償いとして、人々の助けとなるため再び旅に出ようと考えておりました」
勇者「――僧侶さん。そうですよね」
僧侶「…」
僧侶「え」
勇者(僧侶は姫が出てきてから、正確には姫が出てくることを知ってから不機嫌になった)
勇者(姫が俺を[
ピーーー
]のが我慢ならない。それが意味するのは一つ、大なり小なり教会は国王と対立しているってことだ)
勇者(俺が王宮に縛られれば教会が俺を[
ピーーー
]のは格段に難しくなる。勇者を[
ピーーー
]ことで得られる権益があるんだろうな)
勇者(敵の本拠地に軟禁されるよりはまだ自由が利く旅路の方が生存率は高い。敵の敵は味方って話だ)
勇者(…しかし今まで一切気付かなかった。この土壇場で気付けたのは幸運だったな)
僧侶「……!」
僧侶「ゆ、勇者様。それって…!」
勇者(とっとと口裏合わせろノータリン!お前だって困るんだろうが!)
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/10(火) 01:52:30.49 ID:dnF5EHQtO
姫「僧侶様。そうなのですか?」
僧侶「…は、はい。私から勇者様をお誘いしました」
勇者(いいぞ百点の回答だ!もう黙れ!)
姫「…そうでしたか」
勇者「どこの世界に結婚してすぐ家を空け、挙句別の女性と二人歩く夫がいましょうか。役目こそ終えましたがこの身は勇者の端くれ。そんな不貞には耐えられません」
勇者「陛下。魔王討伐の私への褒美は、これから旅に出ることへのお許しとさせて頂きたく存じます」
王「…そうか。あい分かった。貴様がそう願うのであれば叶えないわけにはいくまいて」
王「姫も、それでよいな?」
姫「……はい」
勇者(よし!よし!!よし!!!)
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/10(火) 02:09:08.28 ID:dnF5EHQtO
王「…旅に出るにしても今日明日の話ではないだろう?宴の準備もしてしまっているのだ。主賓がいないのでは格好がつかない」
王「しばらく休み、疲れを取り、準備を整えてからでも遅くはあるまい?」
勇者「お心遣い痛み入ります。是非そうさせて頂きます」
勇者(よーしこれでいつでも逃げられる。ぶっちゃけ僧侶置いて行ってもいいしな!)
勇者(ああ…麗しの一人旅…!誰に怯えることなく生きていける理想の生活…!)
勇者(いや、逸るな、逸るな。最後までボロは出さないようにした方がいい。指名手配されるにしても早さが違うからな)
勇者(予定変更になるが少しの間耐えればいいんだ。それくらい何とかなんだろ多分)
勇者「では、これにて失礼致します」
王「ああ…」
王「…姫。その、気を落とさないように…」
王「…姫?」
勇者「ふう。緊張しましたねえ」
僧侶「私も…勇者様が突然あんなこと仰るから」
勇者「いつまでも引き延ばしにするのも悪いと思いまして。あ、もちろん気が変わったならそう言ってくださいね」
僧侶「そんなことは絶対に言いません。もう勇者様が嫌だって言っても一緒に行きますからね?」
勇者(チッ)
魔法使い「…私、知らなかった…」
魔法使い「私だけ…」
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/10(火) 02:09:46.80 ID:dnF5EHQtO
ここまで
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/10(火) 02:18:43.49 ID:ZWQ/mN46o
乙です
棚ぼた僧侶
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/10(火) 04:00:32.92 ID:jAAUp7x1o
石橋を叩き壊して川を埋め立てる系勇者
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/10(火) 15:57:05.24 ID:luMfPf0Io
魔法使いカワイソス
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/10(火) 18:18:56.61 ID:CsPhRYk/O
乙ー
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/11(水) 23:36:04.79 ID:7EkewBRv0
続きはよ
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/16(月) 01:33:32.52 ID:XgH/4jxa0
まだか?
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/19(木) 01:52:48.21 ID:/W8NR26qO
勇者「じゃ夕食まで自由行動で。今日は会話メインになるので先にどこかで食べてきた方がいいですよ」
勇者「俺はちょっと用事があるのでこれで。飯も済ませてくるんでお気になさらず」スタスタ
僧侶「あっ、勇者様…行っちゃいました」
魔法使い「…研究室見てくるから。ちょっと一人にして」
僧侶「あ、はい…いってらっしゃいませ」
僧侶「…」ポツン
僧侶「…もしかして私嫌われてます…?」
勇者(ああ言っときゃ今日は飯食わなくても何も言われねえだろ)
勇者(しかし二日連続でパーティって…戦争で金ないだろうに馬鹿なのかね)
勇者(てかそんな金残ってるんなら旅立ちの時にもっと寄越せや。1000Gなんぞ三日で溶けたわ。宿代の相場も知らねえとかこれだから王族は)
勇者(そうやって死んでこいって送り出したくせに今は褒美だ婚約だって媚び売ってきやがる。馬鹿にしてんのか?)
勇者「…やめだやめ。もう関わりもなくなるんだ、あんなクズ共どうでもいいだろ」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/19(木) 02:03:39.64 ID:/W8NR26qO
「クズ、というのは誰のことでしょうか?」
勇者「!?」
勇者(しまった気ぃ抜いてた!)
姫「勇者様がそこまで言われるとは、その方々はよほど醜悪な心根をしているのでしょうね」
勇者(姫!?何でこんなところに…!)
勇者「…何故こんな裏路地にいらっしゃるんですか?」
姫「王宮では勇者様が本心で話して下さらないようでしたので」
勇者(護衛は…いるな。そうか。密偵につけさせて自分は先回りを…)
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/19(木) 02:05:34.29 ID:/W8NR26qO
「クズ、というのは誰のことでしょうか?」
勇者「!?」
勇者(しまった気ぃ抜いてた!)
姫「勇者様がそこまで言われるとは、その方々はよほど醜悪な心根をしているのでしょうね」
勇者(姫!?何でこんなところに…!)
勇者「…何故こんな裏路地にいらっしゃるんですか?」
姫「王宮では勇者様が本心で話して下さらないようでしたので」
勇者(護衛は…いるな。そうか。密偵につけさせて自分は先回りを…)
勇者「ええと、仰る意味が良く…?」
勇者(何が目的だ…?)
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/19(木) 02:20:42.60 ID:/W8NR26qO
姫「勇者様が戦われている間、私とて城で暇を持て余していたわけではありません」
勇者「顔色を読むのは得意だ、と?」
姫「ええ。唯一の取り柄と自負しております」
勇者(ハッ、温室育ちの穀潰しが吹くなぁオイ)
勇者「…では、姫様から見えた私はなんと?」
姫「僧侶様との約束を口実に、私たちから逃れようとしているように見えました」
勇者( )
姫「…やはり間違いなかったようですね」
勇者「それはですね、気高き王家の純血を私如きが穢すわけにはいかないと思いまして…」
姫「それ以上嘘を並べ立てるようでしたら、王家への謀叛の意思ありとしてこの場で捕らえます。気は進みませんが」
勇者「ざっ(け)…!!」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/19(木) 02:27:46.16 ID:/W8NR26qO
ここまで
凛世引けたので再開していきます
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/19(木) 03:22:07.69 ID:Urj1EhlYo
乙ー
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/19(木) 07:20:49.95 ID:0orisap0o
乙
姫強い
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/19(木) 11:55:22.28 ID:q94wu0cLO
乙
いつ処分されるのか?
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/19(木) 12:16:48.46 ID:hF1GtsQPo
おかえりー
おつおつ
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/19(木) 22:50:16.20 ID:YjxJYeVm0
いっそ考えてる事全部話した方が幻滅されて開放して貰えるまである
多分このssではそんな展開にはならないと思うけど
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/19(木) 23:06:40.67 ID:wpVHbD2X0
かといって何だ杞憂だったのか〜で大団円はつまらんからオチに期待してる
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/19(木) 23:46:56.74 ID:zbA4gRxG0
杞憂というか実際王様が初期投資ケチって魔王討伐に追いやったのは事実だしな
これで勇者があっさり全滅してたら責任重大だったぞ
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/19(木) 23:59:13.56 ID:TK34Z3Mfo
あれでも歴代に比べてマシだったらしいし
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/20(金) 21:39:11.32 ID:hvJwMYc+o
いや勇者を捕らえられるなら勇者いらんだろ……
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/23(月) 01:43:13.73 ID:mJJctcWGO
姫「勇者様。私は勇者様を愛しております」
姫「だから、手に入れます。どんな手を使ってでも」
勇者「一体何があなたをそこまで…」
姫「王家のため、そして私のためです」
姫「歴代勇者の誰も成し得なかった魔王殺しを遂げた初の勇者なんて、聞くだけで使い道などいくらでも考えられるでしょう?」
勇者(ハッ、道具扱いかよ)
姫「何より、今日お顔を見て確信致しました。あなた以上の殿方がこの世にいるとは思えません」
姫「優れた血を容れることこそ王家の娘の幸せですから」
姫「今日お顔を見て確信致しました。あなた以上の殿方がこの世にいるとは思えません」
姫「だから、手に入れます。どんな手を使ってでも。僧侶様にも魔法使い様にも渡しません」
姫「勇者様。受けてくださいますね?」
勇者「…あの、国民には人権ってのが存在するって最近知ったんですが」
姫「それを決めるのは私たちですので」
勇者「ああそう…」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/12/23(月) 02:10:28.75 ID:mJJctcWGO
勇者(理解した。こりゃハッタリだな)
勇者(姫なんかにそんな権力はない。平時ならともかくこの余裕ない時なら尚更だ)
勇者(ついでに王族が犯罪者を婿に取るわけがない。王家の格が落ちるようなのは流石にご法度だろ)
勇者(だとしても安心はできない)
勇者(血が欲しい云々はこいつの気持ち悪さ的に事実。んで俺の血が欲しいなら種馬にでもすりゃいい)
勇者(いずれ勇者の名は尾ひれが付きまくってえらいことになる。最初はそうなったら邪魔だろうから殺しに来るかと思ったが)
勇者(どうせなら生かさず殺さず管理下において張子の虎にする方がよほど便利だ)
勇者(そんで僧侶と姫が敵対してるのも確実。僧侶のいない時を狙って接触してきたのがその証拠だ)
勇者(女神の影響力を脅かしかねない以上、僧侶たち教会が俺を殺したがってるのは間違いない。逆に言えばあいつらは最低俺が死にさえすれば何だっていいんだ)
勇者(そんな奴ら敵対する=王族は俺を殺せないようにするってこと。今の考えに見事に合致する)
勇者(つまり、結局のところ拒否一択なわけだが…)
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/23(月) 02:36:23.11 ID:mJJctcWGO
勇者「仮にですけど、俺がここで拒んだり逃げたりしたらどうなりますか?」
姫「姫の意に従わなかった…狼藉を働いたということで連行します」
勇者(…種馬にする気なら犯罪者にしようが問題ないか)
勇者「俺が抵抗したら?」
姫「それは…困りますね。どうしましょうか」
勇者「ふざけてます?」
姫「ではこうしましょう。まず王国内全ての街に手配を行います。勇者様の顔を知らない人はいないでしょうしね」
勇者「他国と連合軍組んでなお魔王程度に苦戦していた連中が、随分な啖呵ですね」.
姫「私たちが苦戦していたのは魔王軍ですよ、勇者様」
姫「無論その根源たる魔王を滅したのは敬服に値します。ですが魔王単騎の力は所詮は個。王国軍だけでも対処出来たでしょうね」
勇者(…確かにそうかも。この国の騎士超強いし)
姫「勇者様がどれほど強くとも同じことです。軍総出で、休息の暇を与えず、昼夜問わず攻撃を続ければ…どちらの限界が先かなど考えるまでもありません」
勇者「…」
勇者(うん。反論ねえわ。舌戦強いな姫様)
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/23(月) 02:43:20.82 ID:mJJctcWGO
勇者「…そうですか。あなた方に強制されて、死ぬ思いをして世界救って、その返礼がこれですか」
姫「どんな手を使ってでも、と言ったでしょう。私は勇者様に付いていくことすら叶わなかった弱者ですから、どんな手でも使います」
勇者「愛が聞いて呆れますね。教会に怒られますよ」
姫「私は確かに抱いておりますから。残りは形を定めてしまえば時間が満たしてくれるでしょう」
勇者(…あークソ。躱すのは無理か)
勇者(しゃーない。遅いか早いかの違いだ。切り替えてけ)
勇者「…すみません。その話、やっぱりお断り――」
僧侶「何の話をしているんですか勇者様」
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/23(月) 02:45:47.58 ID:mJJctcWGO
ここまで
安価忘れたけど世界観はよくあるファンタジーです。
呪文だけ分かりやすくドラクエから拝借しております。
フィーリングでお願いします。
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/23(月) 03:15:04.22 ID:EEQYX4OBo
乙
よくあるファンタジー(修羅場)
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/23(月) 05:02:39.87 ID:uMVfgoq6o
乙ー
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/24(火) 02:03:33.79 ID:ZoYLEqSDO
乙
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/24(火) 02:05:34.57 ID:Gs0fdtH+O
勇者「!」
勇者(助かっ)
僧侶「こちらから勇者様の気配がすると思って来てみれば…あろうことか勇者様を捕まえる、なんて」
僧侶「――まさか本気で言っていないですよね?」
勇者(…てないですねハイ。目ぇ据わってらっしゃる)
姫「私はそのような悪趣味な冗談は口にしませんよ」
僧侶「ならば女神様に代わって神罰を下します。そこに直りなさい」
姫「ふふ、聖女ともあろうお方がそんな真似をしてよろしいのですか?」
姫「最悪の場合…そうですね。王国と教国で戦争で戦争になるかもしれないのに」
僧侶「そうはなりませんよ。国王陛下はこの状況で戦争を起こす愚は犯さないでしょうし、姫様はこれから神の教えに目覚めるのですから」
姫「まぁ怖い。今日は随分威勢がよろしいのですね。消去法で偶然選ばれて、もしかして舞い上がってらっしゃいますか?」
僧侶「…姫様こそ、よく吠えますね。選ばれなかった負け犬の分際で」
姫「弱い仔犬ですので。わんわんっ」
僧侶「…」
姫「…」
勇者「ルーラ」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/24(火) 04:50:55.58 ID:6lCKmBiuo
乙ー
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/24(火) 06:13:10.07 ID:h49br0rSo
おつおつ
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/26(木) 18:24:26.89 ID:8nGlxu0Y0
この姫様って知能やプライドは高そうだけど
胸の大きさは僧侶に負けてそうだよな。それも気の毒なぐらい
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/27(金) 00:00:49.39 ID:4bbNfzha0
それ貴方の感想ですよね?
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/27(金) 01:57:00.67 ID:jO3i+Tp7O
勇者「……」
勇者「そりゃ逃げるよ」
勇者「悪手?ビビった?知ってんだよそんなことはよ」
勇者「恐怖ってのは理屈じゃねえんだよ」
勇者「……」
勇者「…で、久しぶりに故郷に帰って来たわけだけども」
勇者「…」
勇者「家の表札に知らん名前が増えてるんだけど」
勇者「母親の他に三つ」
勇者「家も豪邸…ってほどじゃないけど高級住宅くらいになってるし」
勇者「これは…」
勇者(まぁ、そういうことだよな)
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/27(金) 10:34:50.02 ID:egLo6ylGO
にげよう
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/27(金) 16:50:17.39 ID:+06VEwgT0
もう勇者の居場所はどこにもないんだね
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/28(土) 01:08:11.07 ID:MPvDUH/QO
乙ー
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/31(火) 00:39:58.28 ID:hJTav3QAO
勇者「…」
勇者「ごめんください」コンコン
母「はい…!?」
勇者「お久しぶりです母さん。すみませんね、連絡もなしに突然訪ねて」
母「勇者…」
勇者「病気、良くなったんですね」
母「…腕のいいお医者様が王都から来てくれましたから。国王陛下の計らいで…」
勇者(あ、ちゃんと約束守ってたんだ王様。意外)
母「…とにかく、よく帰ってきました。何も準備は出来ていないけど、上がって行きなさい」
勇者「それじゃお言葉に甘えて」
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/12/31(火) 01:01:59.03 ID:hJTav3QAO
母「改めて、よく魔王を倒しおおせました」
母「これであの人も安らかに眠れると思います。本当に、よくやり遂げましたね」
勇者(どこかで聞いたような台詞に壁を感じる物腰。まるで他人だな)
勇者「そんな話より…母さん再婚したんですね」
母「ええ。とても優しい人なのですよ。私の病気が治った後も親身になって相談に乗ってくれて…」
勇者(相手そのお医者様かよ)
勇者(そりゃまぁ金持ってるわな。家建て替えるくらい余裕か)
勇者「表札の下二つの名前は…」
母「連れ子のようです。戦災孤児を引き取ったのだと」
勇者(そりゃなんとも高潔なことで)
母「もう少ししたらみんな戻ってくるでしょう。今日は泊まって行くのですよね?」
勇者「…」
勇者「いえ。ちょっと王都の方に呼ばれいて。ここには荷物を取りに来ただけですから」
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/31(火) 01:32:21.64 ID:zHPk3x0DO
はさまれ?
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/31(火) 05:06:18.16 ID:ck3lsk8qo
乙ー
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/08(水) 03:28:31.86 ID:0+s3DQD60
歴代の勇者達もこの勇者ぐらい猜疑心の塊だったのかもしれない...
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/08(水) 20:46:40.67 ID:AvgLCaTIo
母「(この子はこれから王様なんだから、私もピシッとしなきゃ)」
勇者「(俺は邪魔者ですかそーですか。)」
こんくらいの温度差かな?
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/09(木) 17:34:18.49 ID:HRgvFWP/0
久方振りに家に帰ってきたらいつの間にか親が再婚して兄弟が増えてるとかこの勇者じゃなくても「えぇ・・・(ドン引き)」ってなるんじゃない?
まあ連絡手段があまり発達してないのと「ルーラ」 があるのに家に帰らなかった勇者にも問題あるのかも知れないけど...
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/13(月) 16:00:31.92 ID:i/UWdF9B0
息子の凱旋待たずに籍入れは勇者じゃ無くても引くわな
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/13(月) 17:41:22.27 ID:zB2SV/pjO
勇者「…」
勇者(まあ、さ)
勇者(わざわざ幸せそうな家族を邪魔することもないだろ)
勇者(そもそも一箇所に留まるわけにはいかないんだし)
勇者(口封じもできないガキが二人もいるんだろ?危なくて仕方ねえじゃん)
勇者(母親は王様に恩義もある。板挟みになったら、そりゃ何年も会ってなかったガキなんざ取らんわ)
勇者(まぁ子供なんて親からしたら幾らでも作れるうちの一人だしな。他に二人もいるなら別に一人くらい不義理しても構わんだろ)
勇者(では、魔王殺しちゃったご褒美に俺の名前の表札を頂戴しまして)
勇者「えーと、次の街の方角はどっちだったっけ?」
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/13(月) 17:44:17.74 ID:sXqqDCb+0
録でもない母親というのはよくわかった
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/13(月) 18:07:22.06 ID:p6lg8s6Co
普通の親だろ
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/13(月) 18:23:01.09 ID:zB2SV/pjO
勇者(本気で国から逃げるなら相応の準備がいる)
勇者(とりあえず当座の食料、予備の武器、服の替え、薬、テントは最低限必須だろう)
勇者(パーティの財布は俺が預かってたからな。金はある)
勇者(そしてこの街は国一番の貿易街。一通りのものは揃うし、街が大き過ぎるから何買っても足はつかない。船も出ていて他所の国まで一気に逃げられる)
勇者(幸い今は祝勝ブームで警戒もザルだ。事実買い物も問題なく終わった)
勇者「あとは知り合いにさえ会わなければ…」
勇者「…」
勇者「そう思ってたんですけどね」
盗賊「そう思うならさっさと逃げればいいじゃねえか。あのルーラとかいう呪文なら楽勝だろ?」
勇者「あれ出現場所固定なんで待ち伏せが超簡単なんですよ。どこに手配が飛んでるかも分からない今はもう使えません」
勇者「お久しぶりですね盗賊さん。いつからバレてたんです?」
盗賊「お前が街に入った時からだ。商人の旦那から依頼されてな」
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/13(月) 19:52:37.14 ID:eTUD5k2Bo
やヴぁい
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/13(月) 22:08:22.03 ID:zB2SV/pjO
勇者(…あいつも絡んでやがるのか)
勇者「警備緩いのもワザとですか」
盗賊「お前だけの為じゃねえけどな。魔王が死んだのはもう昨日だ。いろいろ怪しい動きする連中も多いんだよ」
盗賊「さて、そんで我らが勇者様がどうして手配なんざされてんだ?何やらかしたよ」
勇者「愛憎のもつれを少々」
盗賊「ああ、お姫様を振ったのか。通りで手配が姫様名義な訳だ。はは、あのチビ助がやるようになったもんだ」
勇者「こちらこそ、そのクソチビごときに捕まった犯罪者が今やこの街一番の商人のお抱えとは。時間は過ぎるものでさね」
盗賊「待て待て待て待て。剣を構えるな、勘弁だ勘弁。これでも俺はお前には感謝してるんだよ。穏便に行こうぜ」
勇者「じゃあ言いますけど、知り合いのよしみで見逃してくれません?」
盗賊「それを決めるのは俺じゃねえなあ。ほら、ちょうど来たようだから話してみろ」
商人「――ああ、いたいた。ご苦労様です盗賊さん。ご無沙汰しとります勇者様」
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/13(月) 22:21:26.14 ID:zB2SV/pjO
勇者「…商人さん。随分出世されたようで」
商人「勇者様との冒険の賜物です。僧侶様もお元気ですかな?」
勇者「(姫様に殺されていなければ)元気でしょうね」
商人「それは良かった。お二人がいなければ海路を取り返すことは出来ませんでしたからな。英雄譚の一端にでもこの身を刻めたこと、今でも光栄に思っとります」
勇者「商人さん。早速ですが見逃してください。この国に迷惑は掛けませんから」
商人「ふむ。戦争が終わった今こそ、何が次の戦争に繋がるか分からないものです」
勇者(糞が)
商人「…とはいえ、短い間とはいえ戦友であった縁。また魔王を討ち果たしたことを除いても勇者様はこの街の恩人です」
商人「しかしこの街にも王国から指令が下されております。『勇者様を見つけ、可能であれば拘束せよ』と。私はこの街の長としてそれに逆らわないつもりです」
商人「我々も王国民である以上、出来ることと出来ないことがあります。理解して頂けますかな?」
勇者(要は場所ゲロるけど逆恨みして復讐するなよ?ってことだろ。いちいち回りくどいんだよ)
勇者「その程度のことで復讐なんてしませんよ」
商人「結構。ふふ、以前にも増して聡明になられましたな」
勇者「それはもう。どちら様かの薫陶を受けてますから」
商人「これからはどちらへ行かれるつもりですかな」
勇者「南へ。あちらは隠れるにはうってつけですから」
商人「承りました。個人用の船を港に用意しております。急ぎ出発されるがよろしい」
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/13(月) 22:37:21.44 ID:E0YmSYkdo
魔王戦パーティーの面々よりもこっちの悪い面持ってる・出してる奴らの方がこの勇者とは折り合い良さそう
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/13(月) 23:09:00.12 ID:LDkpxT3U0
正直この勇者は無人島や人類未開の地で人と関わらずに生きていくのが一番じゃ...
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