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【モバマス】乃々「異世界とか……むーりぃー……」【安価あり】

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/29(火) 20:09:34.06 ID:9GdlSBSA0
※のんびり更新

※安価少なめ

よろしくお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1572347373
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:12:24.03 ID:9GdlSBSA0


『……て……きて……』


乃々「……ん……」


『乃々ちゃん……起きて……』


乃々「……」


『起きて乃々ちゃん』

乃々「……あれ……ここは……?」


???『やっと目が覚めましたね』

乃々「え……ちひろ、さん……? なんですかその恰好……」

ちひろ『私はちひろじゃありません。女神様です』

乃々「女神様……?」

ちひろ『はい、女神様です』

乃々「どこからどう見ても、ちひろさんなんですけど……というか、ここは一体……? 薄暗くて周りが見えない……」

ちひろ『ここは設定の間。異世界へと旅立つ人の設定を決める空間です』

乃々「異世界……?」

ちひろ『そうです。近年ラノベで流行ってるやつです』

乃々「……あれ……? ひょっとして、もりくぼ……いつの間にか、お仕事させられてる……?」

ちひろ『これはお仕事じゃありませんよ。夢でもありません。強いて言うならバーチャルの世界』

乃々「ばーちゃる……」

ちひろ『はい』

乃々「……」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:18:38.53 ID:9GdlSBSA0
ちひろ『乃々ちゃん、自分がどういう状況に置かれてるか分からないですか?』

乃々「分かりません……」

ちひろ『自分が何をしてここに来たのかとか、思い出せません?』

乃々「……トークショーのお仕事が終わって……事務所に着いたら、プロデューサーさんの机の下に隠れて……」

乃々「読もうと思っていた絵本を開きました……そしたら、目の前が真っ白に……」

ちひろ『なんだ、結構覚えてるじゃないですか』

乃々「そ、そこからの記憶がないんですけど……まさか記憶喪失……!?」

ちひろ『違います。乃々ちゃんはその本に吸い込まれたんです』

乃々「え……?」

ちひろ『ここは晶葉ちゃんが開発した『異世界ゲーム』の中。ゲームは本の形をしていて、ページを開くことがプレイ開始の条件なんです』

乃々「ゲームの中……。で、でも、もりくぼが開いたのは、もともと持っていた絵本ですけど……」

ちひろ『なにかの拍子に入れ替わっちゃったんじゃないですか?』

乃々「あっ……そういえば、事務所の廊下で誰かとぶつかったような……」

ちひろ『やっぱり。でなければ、乃々ちゃんがここにいるはずがないので』

乃々「……」

ちひろ『信じられませんか?』

乃々「いえ……晶葉さんは、色んな発明品を開発していて……中には、現代の科学力では作れないような、すごいものもあるので……ありえる話です……」

ちひろ『よかった♪ 理解が早くて助かります』

乃々「あの……お話は信じますから、ここから出してもらえないでしょうか……もりくぼは、ゲームをやるつもりはありません……」

ちひろ『無理ですね』

乃々「なんで……!?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:23:38.49 ID:9GdlSBSA0
ちひろ『一度ここに入ったら、異世界を冒険して大きな目的をクリアするまで出られません。そういう仕様なんですよ』

乃々「そんなぁ……! そこをなんとか、お願いしますっ……!」

ちひろ『なんとかしてあげたいですけど、私にはどうにもできないですね』

乃々「うぅ……キャンセルできないなんて、開発ミスとしか言いようがない……」

タタタタッ

ちひろ『あっ、どこへ行くんです!』

乃々「どこかに出口があるはずです……! きっとどこかに……!」

ちひろ『ありませんよ』ブォン

乃々「ひゃあっ!?」

ちひろ『急に目の前に現れたら驚いちゃいますよね、ごめんなさい』

乃々「こ、これは夢……悪い夢……!」プルプル

ちひろ『だから夢じゃないですってば。受け入れたくない気持ちは分かりますけど、受け入れてください』

ちひろ『ほら、異世界の冒険って楽しいですよ? 敵をばっさばっさ倒してヒーローになったり、ハーレムを作ることも造作ないです。乃々ちゃんは女の子なので逆ハーレムですね』

乃々「興味ないです! 帰りたい、元の世界に帰りたい……!」

ちひろ『いずれにせよ、冒険するしか道は残されてません』

乃々「……冒険って、どのくらいで終わるんですか……」

ちひろ『時間ですか? そうですねぇ。早くて半年、長くて3年といったところでしょうか』

乃々「3年っ!?」ガーン

ちひろ『ご安心を。あくまでゲーム内の時間ですから。現実の世界では、ほんの30分程度です』

乃々「あ、そうなんですね……いや、でも3年も異世界を彷徨うなんて……むーりぃー……」

ちひろ『私も可能な限りサポートしますから、頑張ってください!』

乃々「はぁ……あのとき、晶葉さんとぶつからなければ……本を開かなければ、こんなことには……」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:33:35.11 ID:9GdlSBSA0
ちひろ『チャレンジする気になったら言ってくださいね。設定を行いますから』

乃々「……」

乃々「……設定させてください……」

ちひろ『あら? 意外と早かった』

乃々「ここで落ち込んでても、前に進まないので……他に方法がないのなら、やるくぼになるしか……」

乃々「ああ、でも怖い……戦いなんて、もりくぼの性に合わないんですけど……」

ちひろ『自分が戦わなくても、誰か他の人に、という手もありますね』

乃々「そうなんですか……?」

ちひろ『ええ。そういう機転を利かせていけば、きっとゴールも早まりますよ。では始めますね』

ちひろ『乃々ちゃんがこれから行くところは、魔法が存在する世界。魔物がいて、植物、食べ物、日用品、建物、全てが見たことのないものばかりです」

乃々「どういう世界に行くかは、選ばせてもらえないんですね……」

ちひろ『選べないですね。まだアップデートもない初期の段階ですし』

乃々「アップデートすれば選べるんですか……動物しかいない、平和なメルヘンの世界がよかった……」

ちひろ『魔物と仲良くすればいいじゃないですか』

乃々「こ、怖いのでやめておきます……。お話の途中にすみませんでした……続きをお願いします……」

ちひろ『了解です。魔法の世界へ行くにあたって、種族を決めたいと思います』

乃々「種族……?」

ちひろ『はい。ヒューマン、ビースト、エルフ、ドワーフの4種のうち、どれかを選んでください。それぞれについて簡単な説明をしますと』

ちひろ『ヒューマンはそのまま、人間です。他の種族よりも文明が発達してます。あと火の魔法が得意です』

ちひろ『次にビーストは、人間にケモミミとしっぽが生えたような感じです。聴覚や嗅覚が発達していて、身体能力も高いですね。風の魔法が得意です』

ちひろ『そしてエルフ。賢人とも呼ばれるほど頭の良い種族です。身体的特徴は耳が尖っていることくらいで、物腰が落ち着いています。水の魔法が得意です』

ちひろ『最後にドワーフ。基本的に体が小さな種族で、大人でも子供サイズの方が大勢います。武器や防具など、物を作らせたら右に出る者はいません。土の魔法が得意です』

乃々「……どの種族にしたらいいとか、オススメはありますか……」

ちひろ『オススメですか? うーん……乃々ちゃんがどんな目的を達成するかに寄りますね。例えば、世界一強い魔法使いを目指したい! なら、身体能力の高いビーストがオススメですし』

ちひろ『歴史的な大発見をしたい! という目的であれば、賢人とも呼ばれるエルフがいいんじゃないでしょうか』

乃々「どちらも、もりくぼには合わなそうです……」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/29(火) 20:39:15.69 ID:9GdlSBSA0
ちひろ『そうですか? 挑戦してみれば意外に楽しいかもしれませんよ』

乃々「選択肢には入れておきます……」

ちひろ『それがいいと思います。目的は途中で、いくらでも変更できますからね。さあ、どうしますか?』

乃々「うー……迷う……」

ちひろ『オススメを紹介しといてあれですけど、正直どれでもいいかと。エルフでも世界一強くなれますし、ビーストだって大発見はできますから』

ちひろ『難しいことはあまり考えず、直観で決めちゃってもいいんですよ。見た目で選ぶのもありです』

乃々「……」

乃々(直観……見た目……ヒューマン以外の見た目って、どんな感じでしょう……?)

乃々(ケモミミしっぽのもりくぼ……耳の尖ったもりくぼ……ちっちゃいもりくぼ……今でもちっちゃいですけど……)


↓1 乃々の種族は? (ヒューマン、ビースト、エルフ、ドワーフ、のうち1つ)
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:39:58.42 ID:YEBj5o5+0
ビースト
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:47:21.11 ID:9GdlSBSA0
乃々「決めました……ビーストにします……」

ちひろ『その心は?』

乃々「耳も鼻もよくて、身体能力が高い……おそろしい魔物が来たら、すぐに逃げられそうなので……」

ちひろ『逃げるためですか!?』ガーン

乃々「極力、戦わない方向でいきたいです……戦わずして勝ちます……」

ちひろ『ま、まあそのスタンスでもゴールできるかもしれませんけど……』

乃々「お願いします……」

ちひろ『了解です。転送する時にビースト化しておきますね』

ちひろ『さて、最後にもう1つ設定をしたいと思います』

乃々「えっ……も、もう最後なんですか……」

ちひろ『ここでは最後です。ゲームを進めるうちに決まる設定もあるので』

乃々「なるほど……」

ちひろ『まあこれは別に、してもしなくてもどちらでもいい設定なんですけどね。乃々ちゃんにはプレゼントを差し上げたいと思います』

乃々「プレゼント……?」

ちひろ『ええ。チート級の力を使えるとか、最強の武器をもらえるとか、よくあるあれですよ』

乃々「おお……! むてきくぼ、になれるわけですか……! じゃあそれで……」

ちひろ『残念ながらチート級の力は無理です。すぐにクリアしちゃいますし』

乃々「すぐにクリアしたいんですけどぉ……力がほしい……」

ちひろ『闇堕ち手前のキャラが言いそうなセリフ』

乃々「チートが無理なら、どんなプレゼントがもらえるんでしょう……」

ちひろ『色々ありますよ。種族を自在に変更できる能力とか、四元素すべての魔法が得意になるとか、運や魅力などのステータスを1つだけ大幅アップとか』
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/29(火) 20:50:40.72 ID:9GdlSBSA0
乃々「ステータスなんてあるんですね……」

ちひろ『あります。攻撃や命中率などの項目があって、種族ごとに高低、レベルアップ時の上がり方が違います』

乃々「それ、肝心な情報では……?」

ちひろ『このゲームではさして重要じゃありません。レベルとステータスが低くても、やりようによってはゴールできますし』

乃々「……なんというか、緩いですね……」

ちひろ『そうですね。で、どうしますか? プレゼント無しでスタートするのもアリですよ』

乃々「もらえるものは、もらっておきたいので……」

乃々(……どうしましょう……)


↓1 どんな能力をもらうか (種族変更、全魔法使いこなせる、ステータスを一項目だけ大幅アップ、などファンタジーっぽい能力)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:53:48.21 ID:utHCiIP2O
全魔法を使える
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:54:01.39 ID:RIH+eMjDO
逃走成功確率100%
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/29(火) 21:09:21.27 ID:9GdlSBSA0
乃々「……全魔法を使えるように、お願いします……」

ちひろ『お、いいですね』

乃々「ふふ……万が一、魔物に囲まれても、強い魔法さえあれば……」

ちひろ『心強いですよね。そのためにレベル上げ、頑張ってくださいね』

乃々「え……?」

ちひろ『ん?』

乃々「さ、最初から使えないんですか? 強い魔法……」

ちひろ『そりゃそうですよ。全魔法が得意になるってだけですから、そこから強力な魔法を使えるようになれるかどうかは、乃々ちゃん次第です』

乃々「うぅ……戦わずして勝つ作戦が……」

ちひろ『これで全ての設定が完了しましたね。待ちに待った異世界へ飛び込む時ですよ!』

乃々「待ちに待ってないです……というか、まだ色々と聞きたいことが……」

ちひろ『せーのっ、でワープしますからね。せーのっ』

乃々「ちょっ、ちょっと待ってくださいっ。いきなりすぎるんですけど!?」

ブォン

ちひろ『ファイトですよ、乃々ちゃん』フフ


◇◇◇◇◇◇


ブォン

乃々「ちひろさん、一度休憩をはさんでっ……」

乃々「……こ、ここは……原っぱ……?」

乃々「ち、ちひろさん、待ってって言ったのに……」

モフ

乃々「!」

乃々(お尻にもふもふ感が。これはまさか……しっぽ!)モフモフ

乃々(ケモミミもついてる……リスっぽい……)ピョコピョコ

乃々(なるほど、これがビーストですか……確かに、風の音とかよく聞こえるような気が……ん?)
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 21:32:33.87 ID:9GdlSBSA0
乃々(向こうに大きな街が見える……かなり遠いですけど、行ってみましょうか……)

乃々(こういう時はまず、街に行くのがセオリー……出発です)スタスタ

乃々(それにしても広い草原ですね……辺り一面見渡せて、眺めがいい……)

ガサガサ

乃々「!?」

乃々(な、なんですか今の……草を掻き分ける音が……!)


「ガウッ!!」

乃々「ひっ」


乃々(このオオカミみたいな動物は……魔物……!?)

魔物「グルルルルルッ」

乃々(こっちを睨んでる……! お、襲われる……!)

ちひろ『乃々ちゃん!』

乃々(はっ! この声はちひろさん!)

ちひろ『ちょうどいい機会ですから、魔物と戦ってみましょう』

乃々「すごく強そうなんですけどっ!」

ちひろ『大丈夫です。乃々ちゃんでも倒せるくらいの雑魚敵です』

乃々「ざこには見えません……! へ、蛇に睨まれたカエルならぬ、オオカミに睨まれたもりくぼなんですけどぉ……!」

魔物「ガアアアアアッ!!」シュバッ

乃々「ひぃぃぃっ!」ササッ

乃々(……あれ……? いつの間にか、攻撃を避けてる……)

ちひろ『その調子ですよ乃々ちゃん! 今の乃々ちゃんなら、その魔物の動きがゆっくりに見えてるはず! 隙を見て魔法で攻撃してください!』

魔物「グルルルル……」

乃々「た、確かにゆっくりに見えたような……」

魔物「ガウッ!!」シュバッ

乃々「!」ササッ

乃々「ホントです……よ、余裕で回避できました……」

ちひろ『でしょう? さあ、魔法で攻撃を!』
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 21:56:17.63 ID:9GdlSBSA0
乃々「魔法って、どうやれば……?」

ちひろ『手のひらを向けて、火の魔法ならファイア、水ならウォーター、風ならウィンド、土ならストーンと叫んでください』

乃々「そのまんまな技名ですね……」

ちひろ『また攻撃が来ますよ!』

魔物「ガウッ!!」

乃々「見切りました……! ファイアっ!」シュボッ

魔物「ガウッ!?」ドゴッ

魔物「グル……ル……」

シュウウウウ

ちひろ『魔物が倒れて消えていきます! やりましたね!』

乃々「一発で倒せるんですか……」

ちひろ『だから言ったじゃないですか、雑魚敵だって』

乃々「そうですね……魔物さん、ごめんなさい……もりくぼも生き延びなければならないんです……」ペコリ

乃々「あ、そういえば……ちひろさん、ひどいです。強引にもりくぼを異世界に送り込むなんて……きちく……」

ちひろ『ああでもしないと、ずっと設定の間に留まりそうですし』

乃々「……もりくぼの性格はお見通しですか……」

ちひろ『はい。では、引き続き頑張ってくださいね』

乃々「えっ、あの……これから何をすれば……」

ちひろ『街に行くんでしょう?』

乃々「とりあえずは……でも、街に着いたら何をすればいいのか……お金も無いですし……」

ちひろ『お金なら300G(ゴールド)渡しましたよ。そこに小汚いバッグが置いてありますよね』

乃々「ありますけど……なんで小汚いんですか」

ちひろ『なんか冒険者っぽいじゃないですか。あの中にお金が入ってますから、宿代にでも使って、これからどうするか考えてはいかがでしょうか』

乃々「そうします、ありがとうございます……」

ちひろ『いえいえ。では、今度こそ頑張ってくださいね』

乃々「……」

乃々(地道に向かいましょう……)スタスタ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/29(火) 22:26:42.04 ID:9GdlSBSA0


◇◇◇◇◇◇


乃々(と、到着……かなり歩いたけど、あまり疲れてない……。これもビーストの力でしょうか……)

ワイワイ ガヤガヤ

乃々(すごい人の数……ここは首都? そのくらい人口密度が高い……)

乃々(ええっと、宿屋はどこでしょう……? 探すのも一苦労です……)キョロキョロ

乃々(ん……ありました。よく分からない言語で書いてありますけど、ちゃんと『宿屋』って読める……。これもビースト……いえ、ゲームの仕様ですね……)


◇◇◇◇◇◇


乃々(幸いにも一部屋空いてた……助かりました……)ホッ

乃々(……ちひろさんも言ってましたけど、この先どうするか決めないと……。世界一強い魔法使いになるか、歴史的大発見をするか)

乃々(というか、歴史的大発見とは……? この世界の歴史なんて、これっぽっちも分からないのに……)

ちひろ『到着したみたいですね』

乃々「ひゃっ!? き、急に話しかけないでくださいっ」

ちひろ『すみません。これからどうするんですか? 大きな目的を設定しておきましょうよ』

乃々「はい……私に達成できそうなのって、どういうのがあるんでしょうか……」

ちひろ『頑張れば何とでもなりますよ』

乃々「根性論は置いといてください……」

ちひろ『んー、乃々ちゃんがクリアできそうな目的ですか。財宝を探し当てて大金持ちとか』

乃々「そんなのあるんですね」

ちひろ『ありますよー。他には、巨悪の魔物を討伐するとか、世界一美味しい料理のお店を経営するとか』

乃々「ジャンルがバラバラすぎる……」

ちひろ『本当に色々ありますからねぇ。あまりに迷うなら、テキトーに『今はこれ!』と決めておくのは? あとで変更するのも全然いいんですから』

乃々「……ですね……そうします……」


↓1 乃々の現在の目標 (世界一強い魔法使い、歴史的大発見、財宝探し、巨悪の魔物討伐など)
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 22:29:03.86 ID:d2IG/tnu0
世界中の草花の収集
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/29(火) 23:10:18.53 ID:9GdlSBSA0
乃々「……世界中の草花の収集……なんていうのは……」

ちひろ『わ、乃々ちゃんらしくて素敵ですね!』

乃々「けどこれって、大きな目的なんでしょうか……」

ちひろ『大きいですよ。この世界で発見されている草花は、全部で10万種くらいなんですけど、まだ探索されていない未開の地もありますからね』

ちひろ『歴史的発見にも繋がるんじゃないですか?』

乃々「未開の地っ……怖いワードが出てきた……!」

ちひろ『見たことのない草花だけじゃなく、見たことのない魔物もいると思いますし、ある程度の力はつけておいた方がいいかもしれません』

乃々「なんにせよ、ですか……魔物とはあまり戦いたくないんですけど……」

ちひろ『……ここだけの話ですが、戦わなくてもレベルは上がります』

乃々「え?」

ちひろ『お宝を見つけて売ったり、美味しいオリジナル料理を作ったりなんかしても、経験値は溜まるんです。草花を収集するのもレベル上げに繋がります』

乃々「朗報ですけど!」

ちひろ『でも、戦うより効率は悪いですよ?』

乃々「悪くてもいいです……魔物は極力、倒したくないので……」

ちひろ『心優しいですね』フフ

乃々「もりくぼ自身、怖いというのもありますけど……どうしても避けられない時は、やるくぼになります……」

乃々「よし……そうと決まれば、さっそく収集してきます……!」ムフー

ちひろ『待ってください。その前に探して欲しい人がいます』

乃々「探して欲しい人……?」

ちひろ『世界中の魔物や植物を研究している人です。さっき私が言った10万種の草花というのは、全てその人が記録したものなんですよ』

ちひろ『その人に会えば、草花についての情報を教えてもらえて、今後に役に立つかと』

乃々「わあ、ありがとうございます。どこにいるんですか……?」

ちひろ『この街のどこかです』

乃々「大ざっぱ……。ちひろさんは、ゲームマスターですよね……? 居場所は分からないんですか……」

ちひろ『ゲームマスターの私でも予測不能な場所にいるんですよ』

乃々「なんですかそれ……バグですか……」

ちひろ『あ、発見しました! 西の方にいます。今すぐそこを出て見つけてください』

乃々「ええっ、唐突……!」

ちひろ『ここからは乃々ちゃんが自力で探してください。どんな格好をしているか教えるので』

乃々「そ、そんな……」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/29(火) 23:33:40.76 ID:9GdlSBSA0


◇◇◇◇◇◇


乃々(この辺りが、西側……? 目つきの鋭い人が多い……怖いんですけど……)

乃々(お酒とか、武器防具のお店がいっぱい……冒険者の人が集う場所ですか……)

乃々(た……確か、博士の情報は……黒のタンクトップにホットパンツ。腰に巻いたベルトに色んな薬品のビンをセットしてて、白衣を着てる、でしたっけ……)

乃々(見渡した限りでは、それらしい人はいません……となれば、聞き込みをしないと……でも……)


乃々「あ、あのう……」

男「……」ギロッ

乃々「なんでもないですごめんなさい許してください」ペコペコペコ


乃々(はあっ、はあっ、無理ですっ……! 聞き込みなんて絶対に無理っ、むりくぼですっ……!)

乃々(こうなったら、歩いて探し回るしか……)

青年「どうしたんだいお嬢ちゃん」

乃々「!」

青年「見たところ困ってるみたいだけど、力になれるなら手を貸すよ」

乃々「え……ほ、本当ですか……」

青年「ああ」

乃々(優しい人……涙が出そう……)

乃々「あ、あの、人を探してて……――――」

青年「黒のタンクトップにホットパンツ。薬品ベルトに白衣?」

乃々「見かけませんでしたか……?」

青年「ああ、その人なら向こうにいたよ」

乃々「ホントですか!」

青年「案内しよう、ついて来て」

乃々「はいっ……」

乃々(よかった。こんなに早く見つかるなんて、運が良い……。そういえば、あとでちひろさんに、ステータスの見方を教えてもらわないと)

乃々(このゲームでは重要じゃないらしいですけど、一応確認は……)


???「そこのビーストの女の子、ちょっと待ってー」

乃々「?」

19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/30(水) 00:06:10.40 ID:5pV78q7n0
乃々「わ、私……ですか……」

???「そうそう。ダメだよ、そんな簡単に知らない人について行ったら」

乃々「!!」

乃々(こ、この人……黒のタンクトップにホットパンツ、薬品ベルトに白衣……! 探してた博士……!)

乃々(というか、志希さん!? なんで……!)

志希「ここってちょっと治安悪いんだよね。今逃げてった人も、キミに悪さしようと企んでたし」

乃々「え? 逃げていった……?」

志希「うん。前を見てごらん、いないでしょ」

乃々「あ……」

志希「あの人ね、よくここで悪さしてるんだよ。ぶつかって財布を抜き取ったり、何にも知らないような女の子を騙して、裏路地に連れて行ったり」

乃々「!?」

志希「危ないところだったねぇ。アタシが通りかかってなかったら、今頃身ぐるみ剥がされてたよ」

乃々「ひぃっ!」ガタガタ

志希「にゃはは、脅かしちゃったね♪ ごめんごめん」

乃々(や、優しい人じゃなかった……やっぱりここは怖いところ……!)

乃々「……あの……」

志希「ん?」

乃々「助けてくださって、ありがとうございます……!」ペコリ

志希「どういたしまして」

乃々「志希さん、ですよね……?」

志希「あれ? なんでアタシの名前知ってるの?」

乃々「え……」

志希「一度も会ったことないよね? 本には顔載せてないしなー」

乃々(志希さんじゃない……? あ、よく見たら耳が尖ってる……ということは、エルフ……!)

ちひろ『このゲームの登場人物には、346プロのアイドルたちをモデルにしてる人もいるんですよ』

乃々(ちひろさん!)

ちひろ『例えばこの博士は、ご覧の通り志希ちゃんがモデルです。姿形はもちろん、性格や仕草、癖なんかもプログラムしてるので、本人そのものに感じられると思います』

乃々(瓜二つです……すごい)

ちひろ『人工知能も搭載してるので、他のアイドルよりも動きが読めないんですよね。ちなみに本人の許可は得ています』

乃々(なるほど、だからさっき……)
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 00:15:19.73 ID:5pV78q7n0
今日はここまでで
安価ありがとうございます
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 00:24:18.28 ID:5pV78q7n0
基本こんな感じで進めますが、進め方や展開について、何か意見や要望があればよろしくお願いします
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 00:26:46.75 ID:Nz4hfL/Do
他の登場アイドルの安価はある?
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 00:36:42.33 ID:5pV78q7n0
>>22
アイドル安価はないですね
種族の設定とか、右か左かやるかやらないかみたいな簡単な安価だけで、あとはほぼ普通のssみたいなものです
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 00:55:06.62 ID:eipKutYuo
よっしゃ早耶Pが来ないから安心できる
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 01:32:29.36 ID:0n2ledLzo
おつおつ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/30(水) 20:29:21.44 ID:5pV78q7n0
志希「ま、困るもんじゃないしいっか。それよりキミ、もしよかったらあたしの研究室に来ない?」

乃々「研究室、ですか……?」

志希「この街のこと、よく分かってなさそうだし。色々教えてあげるよ」

乃々「は、はい……! 私、あなたに聞きたいことがあって、探していたところなので、願ってもないお話です……」

志希「そうなんだ! ちょうどよかったね。こっちだよー♪」


◇◇◇◇◇◇


志希「待ってて、すぐ片づけるから」

乃々(水槽やゲージがたくさん……見たことない植物ばかり……。あの毒々しいお花も、草花の一種ですよね……)

乃々(というか、散らかりすぎでは……)

志希「はい、ここ座って」ポンポン

乃々「ありがとうございます……」

志希「お茶飲む?」

乃々「お構いなく」

志希「そ。えーっと、キミの名前なんだっけ」

乃々「あ、まだ自己紹介してませんでした……森久保乃々といいます……」ペコリ

志希「モリク・ボノノ?」

乃々「いえ、森久保・乃々です……乃々と呼んでいただけたら……」

志希「乃々ちゃんね、オッケー。あたしの名前は……分かるよね」

乃々「はい……」

志希「なんで知ってるのかなー、ってのは置いといて。聞きたいことって何かな?」

乃々「……志希さん、とお呼びしても……」

志希「もちろん!」

乃々「では……志希さんは、世界中の魔物や植物を研究している方ですよね……?」

志希「うん、そうだよ」

乃々「私、草花を収集したいと思ってるんです……世界中の草花を……。だけど、この世界のことよく知らなくて……」

乃々「タダでとは言わないので、情報を教えていただけたらと思いまして……」

志希「ふーん、草花の収集ねぇ。薬師でも目指してるのかな」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 20:52:21.59 ID:tJiO0qDio
草花の安価とかあるのかな
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/30(水) 21:07:37.75 ID:5pV78q7n0
乃々「そういうわけでは……ただ、集めたいんです……」

志希「変わってるね」

乃々「それほどでも……。あの、ダメですか……?」

志希「いいよ」

乃々「……!」パァァ

志希「ただし条件がある。キミのこと研究させてくれないかな」

乃々「へ……?」

志希「今研究してる魔物なんだけど、ビーストと何らかの繋がりがありそうなんだよねー。被検体が欲しいんだけど、街で募集しても来てくれないし」

志希「ねえ、どう? 実験されてみない? 大丈夫、怖いことはしないから!」ニコニコ

乃々「け、研究……実験……」

乃々(だから私に声をかけたんでしょうか……?)

志希「情報だけじゃつり合わないんならお金も出すよ。日給3000Gでどうかな?」

乃々「!!」

乃々(情報だけでなく、お金も出してくれる……収入問題の解決にもなりそう……)

乃々(ちょっぴり、いえ、だいぶ怖いですけど……)

乃々「分かりました……お願いします……」

志希「やった♪ 交渉成立だね♪ それでは早速」

乃々「早速ですか……!?」

志希「もふもふさせて」

乃々「え」


志希「もふもふもふもふもふっ!」モフモフ

乃々「ひゃああうっ!?」ビクッ


志希「見た目以上にもふもふだね、この尻尾♪ あー気持ちいい♪」

乃々「く、くすぐったいんですけど! これはどういう研究なんですか!?」

志希「ビーストのもふもふでエルフはどれだけ満足できるのか」

乃々「研究じゃなくて、欲望では……!」

志希「バレちゃった。だってビーストの尻尾をもふもふすることなんて滅多にないんだもん」

乃々「そ、そうなんですか」

志希「親しい仲でも断られるね。恥ずかしいんだって」

乃々「恥ずかしい……」

乃々(私も恥じらいを持った方がいいんでしょうか……)
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 21:11:43.60 ID:5pV78q7n0
>>27
草花はこちらで適当に決めます、1つ1つやってたらキリがないので
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 21:21:06.72 ID:N4yzme/A0
Pが出るのかどうか気になり
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/30(水) 21:45:47.53 ID:5pV78q7n0


◇◇◇◇◇◇


志希「ふぅ……一頻りもふって満足したところで、本題に入るよ」

乃々「は、はい……」

乃々(10分くらいもふられたんですけど……毛なみを整えないと……)モフモフ

志希「世界中の草花の収集かー。かなり難しいし、遠い道のりだよ? まだ開拓されてない土地もあるからね」

乃々「難しくても、達成したいんです……達成しなければ帰れない……」

志希「帰れない?」

乃々「いえ、なんでも……。とりあえず、今発見されてる草花を全て収集することにします……。闇雲に探すと時間の無駄ですし、どの草花がどこにあるかとか、教えていただけたら……」

志希「それはいいんだけどさ。草花って人から貰うのはダメなの?」

乃々「え……」

志希「10万種も集めるの面倒じゃない? なんだったら、あたしが集めた草花をあげるけど」

乃々「……」

志希「あー、でも何かに使うわけじゃないんだよね。集めるのが目的ということは、1つ1つ自分の力で集めて達成感を得たいのかな」

乃々「……」

乃々(ちひろさん。今のお話聞いてましたか……)

ちひろ『ええ』

乃々(人から譲り受けるのはカウントされますか……?)

ちひろ『されますよ』

乃々「よしっ……!」グッ

志希「いきなりガッツポーズしてどしたの」

乃々「気にしないでください……あの、草花もらってもいいでしょうか……」

志希「自分で集めないの?」

乃々「人からもらってもいいことになりました……」

志希「へー。よく分かんないけど、欲しいなら渡すね。確か机の引き出しにー」ガサゴソ

乃々(引き出し……?)

志希「あったあった。はいこれ」スッ

乃々「これは……なんですか……?」

志希「草花だよ」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 21:49:13.38 ID:5pV78q7n0
>>30
Pは出すかどうか迷っているところです、進めていくうちに出るかもしれません
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/30(水) 22:32:49.03 ID:5pV78q7n0
乃々「シルバーの長細い棒にしか見えませんけど……」

志希「てっぺんにあるボタン押してみて」

乃々「これですか……」ポチッ

シュイン

乃々「!!」

乃々(ボタンを押したら、目の前にバーチャルな画面が……! 近未来的です……!)

志希「草花はこの中に、新鮮な状態で保存されてるの。スティックを指でぐりぐりやると操作できて……ほら、草花って書いてあるでしょ? そこ覗いてみて」

乃々「……わあ……!」

志希「項目がたくさんあるよね、全部草花の名前だよ。明るく光ってるのが収集済みで、光ってないのは収集してないやつ」

志希「10万種全てとはいかないけど、それでも大体は揃ってると思う」

乃々「そ、そんなにもらえるんですか……!?」

志希「どうぞどうぞ。ただし目的を果たしたら、そのスティックは返して欲しいな」

乃々「必ず返しますっ。ありがとうございます……!」

志希「お礼なんていいよ、ギブ&テイクだもん♪」

乃々「テイクが大きすぎるんですけど……! 本当に嬉しいです……!」

志希「喜んでもらえてなにより♪ でも、この中に入ってないやつは収集の難易度が高いのばっかだからね。気をつけてね」

乃々「……例えば、どんな場所に生えてるんですか……?」

志希「そうだねぇ。この『ドラコニフス』は、ドラゴンが好んで食べる草花でね? ドラゴンの住み家にしか生えてないの」

乃々「ど、ドラゴンっ……!?」

志希「あの子たち五感が研ぎ澄まされてるからね。収集は至難の業じゃないかな。あとこれ、『海雪草』。海の奥底にあるんだけど、魔物がうようよいてポイントに辿り着くの難しいかも」

乃々「海の奥底っ……!」

志希「今言ったのは比較的難しいやつだから、これ以上はないよ。未開の土地を含めたら分かんないけど」

乃々(や……やる気がみるみる減っていきます……草花の収集も一筋縄ではいかないようです……)

乃々(けど、やるしか……魔物を倒すよりはずっと優しいですし……)

志希「不安?」

乃々「はい、それはもう……魔物に食べられないよう、気をつけます……」

志希「どうしても不安なら、仲間を集めたら?」

乃々「仲間……ですか……?」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/30(水) 23:21:56.55 ID:5pV78q7n0
志希「自分の力をつけるのも大事だけど、仲間がいれば相談できるし心強いでしょ」

乃々「た、確かに……! ナイスあいでぃあ、です……!」

志希「うんうん♪ この街の西側じゃなくて、東側にも酒場があるんだよね。そこなら治安は良いし、協力してくれる冒険者もいるかもね」

乃々「東側ですか……分かりましたっ。志希さん、何回頭を下げたらいいか……このご恩は忘れません……」ペコリ

志希「お礼はいいってば。そうだ! 仲間が見つかっても見つからなくても、もう一度ここに来てくれる? ある薬品を飲んでもらいたいんだー♪」

乃々「……ヤバいやつですか……?」

志希「にゃはは、大げさだよ♪ 失敗しても、せいぜい呂律が回らなくなる程度だよ」

乃々「失敗とかあるんですか……成功したらどうなるんですか……」

志希「細かいことは気にせず行ってらっしゃーい!」


◇◇◇◇◇◇


乃々(ということなので、東側に向かっている最中なんですけど……志希さんにこの世界のこと聞いておけばよかった……社会情勢とか、何も分からない……)

ちひろ『私が教えましょうか』

乃々(ちひろさん、いいんですか……?)

ちひろ『ええ。この世界では戦争とか起きたことがなくて、種族と種族の仲は良好です。強いて言うなら魔物VS種族の構図でしょうか』

ちひろ『未開の土地からどんどん魔物が出てくるんですよね。それを魔法で食い止めてるという状況が、ずっと続いています』

乃々(それ、戦争では……)

ちひろ『まあそうですね。でも昔よりは魔物の進出が減ったので、争いの激しさを感じられず、みんな平和に暮らしてますよ』

ちひろ『説明は以上です』

乃々(終わりですか? もっと色々聞きたいんですけど……)

ちひろ『ノリノリですね。ゲーム楽しくなってきました?』

乃々(知っておかないと不安なだけです……。そういえば、もし体力がなくなってゲームオーバーになったら、どうなるんですか……? 最初からやり直しですか……?)

ちひろ『いえ、状況はそのままで、近くの復活ポイントからリスタートになります。主に街です』

乃々(よかった……やり直しとか、ネガティブにしかならない……)

ちひろ『ただ全裸になっちゃいますけど』

乃々(全裸!?)ガーン
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 23:25:46.96 ID:N4yzme/A0
仲間ふえてから全滅フラグかな?
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/31(木) 00:25:47.13 ID:4LyDGcGC0
乃々(ま、負けたら全裸ですか……!?)

ちひろ『全裸でリスタートですね』

乃々(なぜ……)

ちひろ『敗者にはそれなりのマイナスがあるということです』

乃々(装備がリセットされるマイナスですか……シルバースティックが消えたら、ほぼ最初からやり直しでは……)

ちひろ『ご安心を。消えた装備は、ゲームオーバーになった場所に取り残されます。またその場所に戻れば回収できますよ』

乃々(そんな仕様のゲームがあったような……)

ちひろ『乃々ちゃん、脳内で会話しているうちに酒場に着いたみたいですよ。仲間を見つけましょう』

乃々(そ、そうですね……。志希さんの言ったとおり、この辺には怖い人がいません……みなさん、穏やかで優しそう……)

乃々「……」

ちひろ『入らないんですか?』

乃々(子供が入っていいんでしょうか……)

ちひろ『大丈夫ですよ。この世界では12歳からお酒が飲めますから』

乃々(えっ……じゃあもりくぼ、お酒飲めるんですか……?)

ちひろ『飲めますし酔います。ただ酔った状態になるというだけで、実際に酔うわけではありません』

乃々(ややこしい……と、とにかく入れるなら入ります……)

乃々「……お邪魔します……」ガチャ


ワイワイ ガヤガヤ


乃々(中も人でいっぱい……楽しそうに話してる人もいれば、ご飯を食べてる人もいる……)

乃々(一体誰に話しかければ……)

「あははっ、なにそれ〜☆」

乃々「……」

「ここの店の飲み物はどれも美味しいね」

乃々「……」

「だから大人ですよ〜!」

乃々(……知ってる人が何人かいる……)


1、カウンターで騒いでいるビースト

2、隅の方で静かにワインを飲むエルフ

3、他種族にからかわれているドワーフ


↓1 誰に話しかけるか (ルート分岐ですが結局どのルートにも行きます)
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 00:28:03.71 ID:1RgqIB8So
3
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 00:36:00.38 ID:4LyDGcGC0
今日はここまでで、安価ありがとうございます
このような投稿ペースなので安価まで時間がかかります
気ままにお願いします
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 00:50:43.49 ID:TygzWH9BO
おつ
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 01:33:05.61 ID:Vc9eLrWMo
おつー
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 19:03:27.86 ID:FcDdG10fo
早耶P出てくるから仕方ないけど、どのルートも行きますみたいな安価の意味がないようなのばっかり
手元でサイコロでも振るなり投稿のコンマで決めるなりにすればいいのに
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 19:46:32.58 ID:iKYcZTnxO
>>41
うっぜ
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 20:00:26.81 ID:4LyDGcGC0
>>41
書いている側からしても安価にする意味あるのかこれ、と思いました
破天荒なレスで予想外の展開に行ったりするのが安価の面白さの1つですしね
安価でなく「このキャラをこの種族で出して欲しい」みたいなリクエストにするのはどうですかね?
44 :とりあえずいつも通り始めていきます [saga]:2019/10/31(木) 20:57:32.43 ID:4LyDGcGC0
乃々(あそこにいるの、若葉さんですよね……? なにやら怒ってるみたいですけど……)

中年男「はははっ、本当かあ? そうは見えねえけどな」

若葉「ドワーフは大人でもこのくらいのサイズなんですっ!」

中年男「おお、お嬢ちゃんドワーフなのかい。それは失礼した」

若葉「分かってもらえばいいんですよっ」プンプン

乃々(……ヒューマンではなかったんですね……)

???「若葉殿ー!」

乃々(あ……。あれは珠美さん……)

珠美「お酒いただいてきました! これだけあれば半年は飲み放題です!」

若葉「ふふっ、飲み放題したら1カ月くらいで切れちゃうでしょ? 計画的に飲まなきゃ、めっ、ですよ」

乃々(樽がいくつも……まさかあれを運ぶんですか……。他にもお仲間がいるんでしょうか……)

珠美「いやー、ついはしゃいでしまいました。もちろん少しずつ飲みますよ」エヘヘ

乃々「その気持ちも分かるけどね。じゃ、帰ろっか」ヒョイッ

珠美「はいっ!」ヒョイッ

乃々「!?」

乃々(あの数を、2人で軽々と……!?)

ちひろ『ドワーフは力持ちですからね』

乃々(すごいぱわー……! 味方だったら頼もしいです……)

ちひろ『勧誘しますか?』

乃々「はいっ……行ってきます……」

乃々「……す、すみません……」

若葉「?」

珠美「珠美たちですか?」

乃々「はい……私、ビーストの乃々といいます……実はお2人にお願いがありまして……」

若葉「あー、依頼なら向こうにあるクエスト板に貼ってもらえると。あとでもう一度ここに来るので、その時に……」

乃々「パーティーを組んでくれませんかっ」

若葉「えっ」

乃々「私と、パーティーを組んでくれませんか」

珠美「いきなりですね」

乃々「すみません……お2人のぱわーを見て、びびっと来て……」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 21:11:10.59 ID:eReKX18A0
イッチー、誤植誤植!
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 21:26:09.93 ID:q9izFLODO
若葉が乃々になっとるわさ
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 21:26:26.69 ID:Rl/P0Vin0
>>43
絶対うるさくなるからやめてくれ。安価なしの方がマシ
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/31(木) 21:55:46.07 ID:4LyDGcGC0
珠美「ふむ、なにやら深刻そうです。事情を話していただけませんか」

乃々「いえ、深刻というわけでは……もりくぼにとっては深刻ですけど……。お急ぎでしたら、他の方に声をかけるので……」

珠美「時間なら気にしないでください! ね、若葉さん」

若葉「はいっ。そこの席が空いてるので座りましょうか」

乃々「なんて優しい……ありがとうございます……!」


◇◇◇◇◇◇


若葉「へー! 世界中の草花を!」

乃々「集めてるところなんです……それで、私だけでは心細いので、仲間になってくれる方を探そうと……」

珠美「なぜ草花の収集を?」

乃々「帰るためです……」

珠美「帰るため……?」

乃々「あっ、いえ……えっと……とにかく草花が必要なんです……すごく必要です……」

若葉・珠美「……」

乃々(あう、こんなぼんやりした理由じゃ……何でもいいから、それっぽい理由を作らないと……)

珠美「若葉さん」

若葉「うん、ちょうどいいかも」

乃々「……?」

若葉「乃々ちゃん、だっけ。そのお話乗ってもいいです。いえ、乗らせてください!」

乃々「ええっ!? い、いいんですか……!?」

若葉「うん。というのもね? 私たちドワーフのじいさま……長老が、原因不明の熱とぎっくり腰と両足骨折で寝込んでるの」

乃々「うわあ……泣きっ面にハチ……」

珠美「ぎっくり腰と骨折は何とかなりますが、問題は熱の方で。何人ものお医者様に診てもらっても、一向に治る気配がなく……」

若葉「治療法が分からないんだって。頭を抱えた末に、お医者様が口々に言ったのが」

珠美「『シシラヌがあれば治るかも』というセリフでした」

乃々「……シシラヌ……?」

珠美「ドワーフ族に伝わる、飲めばどんな難病でも一発で治ると言われている伝説の花です。伝説なので存在するかどうか分かりません」

珠美「ですが、じいさまの苦しむ姿を見るのはもう嫌で……藁にもすがる思いで、今度シシラヌを探しに行こうかと考えていたところなんです」

乃々「……ちょっと待ってください……」スッ

若葉「何ですかそれ?」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 22:03:22.29 ID:4LyDGcGC0
乃々が力持ちになっとる…
>>44の上から13段目、乃々じゃなくて若葉のセリフでした
指摘感謝です

>>47
となると今のスタイルでいった方がいいですかね
この先まだ種族を決める安価を出すので、それまでは今のスタイルを継続します
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/31(木) 22:43:33.72 ID:4LyDGcGC0
乃々「これは、ある人から譲り受けたものです……この中に色んな草花や、その情報がインプットされてます……」

若葉「えっ!?」

珠美「すごいアイテムですね! も、もしかしてその中にシシラヌが……!」

乃々「あるかもしれません……確認してみますね……」ポチッ

シュイン

若葉・珠美「!!」

若葉「すごい、スクリーンが浮かんでる……!」

珠美「綺麗ですなぁ……!」キラキラ

ザワザワ

乃々(ちゅ、注目されてる……スルースキルを発動しましょう……)クイクイ

乃々(……現物が無くても、シシラヌという名前が表示されていれば……空想でなく、この世に存在するということ……)

乃々(ええっと、サ行サ行……あった。サ、シ……)

若葉・珠美「……」ドキドキ

乃々「……」

乃々「……無いです……」

若葉・珠美「!」

乃々「シシラヌの名前がありません……」

若葉「そ、それってつまり」

乃々「この機械には、世界中の草花についての情報が入ってます……その中にシシラヌが無いということは……」

珠美「シシラヌは、伝説でしかなかったということですか……」

若葉「ウソ! その機械、本当に全部の情報が入ってるの?」

乃々「はい……志希さんが持っていたものなので、間違いありません……」

若葉「ええ!? 志希さんって、あの魔物植物研究の第一人者の!?」

乃々(第一人者なんですね……なんとなく予想はつきましたけど)

乃々「そうです……」

珠美「す、すごい交友関係ですね」

乃々「……あ……本人に直接聞いてみますか……?」

若葉・珠美「?」

乃々「志希さん、この街にいるんです……シシラヌについて耳よりな情報が聞けるかも……」

珠美「なんとっ……!」

若葉「ぜひお願いっ! 志希さんのところに連れて行ってっ!」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/31(木) 23:28:44.76 ID:4LyDGcGC0
乃々「分かりました……では、ついて来てください……」

若葉「ありがとうっ!」ヒョイッ

珠美「参りましょう!」ヒョイッ

乃々「……それ、どのくらいの重さなんですか……?」

珠美「1つ持ってみますか?」

乃々「い、いえ……遠慮しておきます……」

乃々(潰れそうですし……)


◇◇◇◇◇◇


乃々「志希さん、お邪魔します……」

志希「お、来た来た♪ はいこれ飲んで」スッ

乃々「唐突にもほどがある……」

志希「唐突じゃないよー。戻って来たら飲んで欲しいって、ちゃんと言ったもーん」

乃々「それはそうですけど……」

志希「ところで、後ろのドワーフさんたちは誰かな?」

若葉「間違えられなかった……! あっ、初めまして。若葉といいます」ペコリ

珠美「珠美と申します!」ペコリ

乃々「志希さん……このお2人は、シシラヌという花を探しているそうなんです。心当たりはありませんか……?」

志希「シシラヌ? 誰か重い病気にでもなってるの?」

若葉「えっ! は、はい、そうなんです! シシラヌを知ってるんですか!?」

志希「まあね」

珠美「おお……! 若葉さん、よかったですね!」

若葉「うん、本当によかった!」

乃々「シシラヌって、存在するんですか……? このスティックには、情報が乗ってませんでした……」

志希「名前が違うからね。シシラヌってドワーフ族がつけた名前でしょ? ホントの名前は『ナンデモナオール』だから」

若葉「ナンデモナオール!?」

乃々「な、なんの捻りもない名前ですね……一体誰がつけたんですか……」

志希「シキちゃんだよ♪」

珠美「シシラヌに変な名前をつけないでください!」

志希「仕方ないじゃん、パッと思いついたんだもん。ってゆーか、ナンデモナオールに勝手な名前つけたのそっちじゃん」

乃々「ナンデモナオールが先なんですか……?」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/01(金) 00:17:20.02 ID:3ubOC2pw0
志希「うん」

珠美「シシラヌは遡ること1000年以上も前から語り継がれているのですが」

若葉「エルフは何千年も生きる種族だからね」

珠美「そういえば……。変な名前などと失礼なことを言いました、ごめんなさい」ペコリ

志希「いいよいいよ、気にしてないから」

乃々「……志希さんって、何歳なんですか……」

志希「ヒミツ♪ それより、早くこれ飲んでよー」

乃々「ま、待ってください。シシラヌ……いえ、ナンデモナオールがあるということは」

志希「シシラヌのが短いし、シシラヌでいいよ」

乃々「シシラヌが存在するということは、若葉さんと珠美さんは仲間になってくれる、ということでしょうか……?」

若葉「もちろん! 利害が一致したし!」

珠美「シシラヌを入手した後も、お手伝いしますよ!」グッ

乃々「ありがとうございます……! では、一息にこの液体を……何ですかこれ!? 紫色なんですけど!?」

志希「気にしない気にしない」

乃々「気にするんですけど! さっきは飲みやすそうなオレンジだったのに……! 色が変わった……!?」

志希「ほらほら、早く飲んじゃって! ぐいっと!」

乃々「うう……! や、やけくぼですけどぉぉぉっ」グイッ


◇◇◇◇◇◇


志希「じゃ、シシラヌの入手場所について説明するね」

若葉「お願いします!」

乃々「……」

珠美「乃々ちゃん、大丈夫ですか? あの液体を飲んでからぼーっとしてますが」

乃々「はい……何も起こらないので拍子抜けしているというか……。グレープジュースの味がして美味しかったですし……」

志希「実験成功だね」

乃々「これが成功って、一体何の目的で何を飲ませたんですか……怖い……」

志希「マイナスにはならないから安心して。えーっと、シシラヌの生えてる場所だけど、キミたちドワーフが住んでる街の近くなんだよね」

若葉「ドワーフ族に言い伝えられているということは、そうですよね」

珠美「どこにあるんです?」

志希「確か洞窟がなかったっけ。入ることを禁止されてる洞窟」

若葉・珠美「!!」

若葉「あ、あの中ですか……?」

志希「あの中です」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/01(金) 00:43:37.85 ID:3ubOC2pw0
今日はここまでで
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/01(金) 01:21:13.28 ID:Avmdl0Cto
おつ
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/01(金) 02:34:22.16 ID:8y0DaKJA0
なぜ禁じられた洞窟なのか…
ワタシキニナリマス
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/01(金) 23:05:31.91 ID:3ubOC2pw0
すみません、遅れましたが始めます
序盤にちひろさんが「ステータスは重要じゃない」と言いましたがこのままだとあっさり進んでいきそうなので
ステを使ったバトルとか取り入れてみます
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/01(金) 23:14:52.00 ID:8y0DaKJA0
コンマ要素が導入されるのかな?
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/01(金) 23:21:33.25 ID:3ubOC2pw0
>>57
コンマが必要不可欠になってきますね
やり方が分からないので上手くできるか分かりませんが
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/01(金) 23:46:17.89 ID:3ubOC2pw0
珠美「そんな……」

乃々「こ、怖いところなんですか……?」

珠美「禁止されているので入ったことはないのですが、長老に『絶対入るな』と釘を刺されている場所です」

珠美「ドワーフの間では恐ろしい魔物がいるとか、魔界に繋がっているとか、色んな噂が囁かれています」

志希「魔界には繋がってないよ。強い魔物はいた気がする。あたしが行った時の話だから、今はどうなってるか分かんないけどね」

乃々「ひぃ……! 行きたくない……!」

若葉「でもシシラヌをゲットするには入るしかないよ! 頑張ろう!」

乃々「志希さん、他に方法はないんですか」

志希「無いよ」

乃々「……」

珠美「乃々ちゃん、正直に言って珠美も怖いです。けど3人で力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられますっ」

乃々「!」

若葉「そうそう。助け合うために私たちパーティーを組んだんだから。なにかあれば頼って!」ニコッ

乃々「若葉さん……珠美さん……! そうですね。3人の力を合わせれば、きっと……」

乃々「……行きましょう……私たちの目的を達成するために……!」

若葉「うん、行こう!」

珠美「そうと決まれば、まずは珠美たちの住む街へ向かわねば」

志希「ここからだとまあまあ遠いね。大体100キロくらいかな?」

乃々「え”。100キロ……もしかして、徒歩だったり……?」

若葉「まさか!」

珠美「この街から出ている馬車に乗って行くんですよ」

乃々「で、ですよね……安心しました……」

志希「ただ最近魔物の動きが活発だから、それには気をつけないといけないけどね」

乃々「!?」

珠美「あ、そういえば珠美たちも、ここに来る途中に何度か戦いましたね」

乃々「!?!?」

乃々「うう……どうしてそんな不安になる情報を……!」

志希「何にも知らずいきなり襲われるより、準備して身構えておいた方がいいじゃん」

乃々「その通りですけど……」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/01(金) 23:51:45.30 ID:dLFOaPIvO
下位魔法でも弱点ならいけるはず
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/02(土) 00:02:53.73 ID:lg79n1py0
志希「それに、洞窟へ行くなら多少は力をつけとくべきだよ。キミ戦い慣れてないでしょ?」

乃々「わ、分かりますか……」

志希「うん、明らかに弱そう。あたしが魔物ならガブっ! といっちゃうよ」

乃々「一応、オオカミっぽい魔物は倒したことあるんですけど……1匹だけ……」

珠美「ううむ、それは鍛え上げなければなりませんなぁ」

若葉「ちょうどいいね。到着するまでに色々教えてあげる!」

乃々「お願いします……」

乃々(やっぱり、戦わずして勝つというのは、この世界では無理そうです……早くもやるくぼになる時が……)


◇◇◇◇◇◇


志希「じゃ、気をつけてねー!」ヒラヒラ

珠美「お見送り感謝いたします!」

若葉「行ってきまーす!」

乃々「……志希さん、一緒に来ませんか……?」

志希「あたし?」

乃々「1人より3人、3人より4人の方が……」

志希「うーん、ごめんね。やることがあるから」

乃々「そうですか……」

志希「できればついて行きたいんだけどねぇ。まだまだキミを研究したいし」

乃々「あ……研究にお付き合いする約束、どうすれば……」

志希「帰って来たらでいいよー。シシラヌの収集、頑張ってね♪」

乃々「は、はいっ……!」

若葉「御者さん、お願いします!」

御者「分かりました。出発しますね」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/02(土) 00:26:42.79 ID:lg79n1py0


◇◇◇◇◇◇


乃々(……ちひろさん……)

ちひろ『はい、なんでしょう』

乃々(魔物と戦う可能性が高くなってしまったのですが……やっぱりステータスは重要では……)

ちひろ『私もそう思って仕様の変更をしました』

乃々(仕様の変更……?)

ちひろ『これからはステータスを元に魔物と戦闘を繰り広げていただきます。今から様々なステータスを決めましょう』

乃々(い、今からですか……)

ちひろ『今しかないでしょう。ちょっと待ってくださいね、サイコロを振るので』

乃々(サイコロ!? そんな適当な!)

ちひろ『ステータスの項目は全部で7つ。乃々ちゃんはビーストですから、そのうち3つがプラス補正されますね』

ちひろ『何が出るかな♪ 何が出るかな♪』コロコロ

乃々(本当にサイコロで決めるんですね……)

ちひろ『決めますよ。それっ!』ポイッ

コロコロコロ…

乃々(いい数字が出ますように……)


↓1〜7 乃々のステータス 複数安価、連取りあり (1から順に、HP、攻撃、防御、命中、敏捷性、知力、精神)
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 00:27:40.77 ID:Cg7tP/DhO
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/02(土) 00:27:55.94 ID:lg79n1py0
追記
HPはコンマ二桁で、残りはコンマ一桁です
このレスも安価に含みます
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 00:28:46.47 ID:xKogh5AYO
ヘーイ
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 00:28:55.37 ID:lFAgs8HNo
ぼの
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 00:29:15.11 ID:Cg7tP/DhO
もいっちょ
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 00:31:01.46 ID:xKogh5AYO
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 00:33:46.34 ID:lFAgs8HNo
はい
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/02(土) 01:10:29.64 ID:lg79n1py0

名前:乃々
種族&性別:ビースト♀
称号:かけだしビースト
ライフ:77
攻撃:4(+10)=14
防御:7(+10)=17
命中:7
敏捷:1(+10)=11
知力:6
精神:4
運:ふつー


ちひろ『じゃんっ! こんな感じですね』

乃々(おお……これは、強い方なんでしょうか……)

ちひろ『初期値としてはなかなかですよ』

乃々(+10されてるのは、ビーストのプラス補正ですか……?)

ちひろ『はい。攻撃、防御、敏捷性がプラスされます。エルフやドワーフは違う項目がプラスされて、ヒューマンはそれぞれ5ずつ上昇です』

乃々(……称号と運ってなんですか……? 勝手にステータス化されたんですけど……)

ちひろ『称号はいわばレベルみたいなものですね。強くなればなるほど変わっていきます。運は状況によって移り変わります』

ちひろ『運が良いと天気が晴れになったり、アイスのオマケが当たったりしますよ』

乃々(このゲームではあまり必要なさそうですね)

ちひろ『そんなことありません。魔物との戦闘で一命を取りとめたりすることもありますから』

乃々(先にそれを言うべきでは……)

ちひろ『あとこの他に、使える魔法の種類や使用回数、スキルなどありますけど、これは魔物との戦闘になったら説明しますね』

乃々(分かりました……)

ちひろ『ちなみにこのステータス画面は、見たいと思った時に自動的に現れますし、もういいと思えば消えますから覚えておいてください』
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 01:12:43.77 ID:lg79n1py0
夜遅いのでここまでにします、協力ありがとうございます
明日は昼ごろから始める予定です
ステータスコンマはWEBサイコロで振って決めてもいいかもしれない…
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 01:13:11.76 ID:0yrx96rpo
おつ
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 01:31:30.82 ID:xKogh5AYO
おつつ
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/02(土) 16:27:38.15 ID:lg79n1py0
珠美「乃々ちゃん、ぼーっとしてますが、具合が悪いのですか?」

乃々「えっ……あ、いえ、ちょっと考え事を……ドワーフの住む街とは、どんなところなのかなと……」

若葉「素敵な街だよ。みんな温かい笑顔で迎えてくれるよ」

珠美「観光名所や名物もいくつかあります。シシラヌを収集した後、ぜひ紹介させてください!」

乃々「それは楽しみです……」

乃々(……ふと思ったんですけど、若葉さんと珠美さんにもステータスはあるんでしょうか……)

ちひろ『もちろんです。表示しますか?』

乃々(お願いします……知っておきたいです……)

ちひろ『了解です。まずこれが若葉さんのステータスです』


↓1〜7 若葉のステータス 複数安価、連取りあり (1から順に、HP、攻撃、防御、命中、敏捷性、知力、精神)
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 16:34:01.13 ID:lg79n1py0
人いないようなので、WEBサイコロを使ってステ決めます
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 16:34:20.83 ID:N7gBAPxBO
若葉だ
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 16:36:02.70 ID:r+8kxTHd0
うりゃ
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 16:37:39.23 ID:N7gBAPxBO
間が悪い…間が悪くない?
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 16:37:44.74 ID:jiBp3IkU0
流石にせっかちでは
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 16:40:31.72 ID:jiBp3IkU0
踏んでおくべきか
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 16:41:51.72 ID:r+8kxTHd0
はあっ
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 16:41:53.44 ID:BOFVoPfrO
はい
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 16:42:08.94 ID:lg79n1py0
うお、レスありがとうございます
判断早すぎた…やっぱりレス使わせていただきます
このレスも含みます
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/02(土) 17:16:00.40 ID:lg79n1py0

名前:若葉
種族&性別:ドワーフ♀
称号:ドワーフ
HP:13(+5)= 18
攻撃:3(+3+10)= 16
防御:10(+3)= 13
命中:3(+3)= 6
敏捷:4(+3)= 7
知力:2(+3+10)= 15
精神:2(+3)= 5
運勢:いい


乃々(た、体力低い……というか、全てのステータスがプラス補正されてるのはどういう……)

ちひろ『この2人は乃々ちゃんより経験を積んでますからね。体力は+5、その他は全て+3されます』

ちひろ『ちなみに、ご覧のようにドワーフは攻撃、知力に補正が入り+10です。そして運が悪くなることがありません』

乃々(運が悪くならない……いいですねそれ……)

ちひろ『アイスとか当たりますしね』

乃々(いえ、注目すべきはそこじゃないですけど……。次は珠美さんのステータスを見せてもらえますか)

ちひろ『少々お待ちください。珠美ちゃんのステータスは、っと』


↓1〜7 珠美のステータス 複数安価、連取りあり (1から順に、HP、攻撃、防御、命中、敏捷性、知力、精神)
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 17:19:47.89 ID:r+8kxTHd0
たあっ
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 17:19:51.34 ID:3tpIk2iGO
小さな
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 17:20:14.12 ID:N7gBAPxBO
剣士、再び…
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 17:20:36.21 ID:3tpIk2iGO
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 17:22:12.72 ID:BOFVoPfrO
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 17:22:22.71 ID:3tpIk2iGO
lose
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 17:22:53.36 ID:N7gBAPxBO
よわい
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 17:25:42.85 ID:xKogh5AYO
体力バカだコレ
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/02(土) 17:48:37.99 ID:lg79n1py0

名前:珠美
種族&性別:ドワーフ♀
称号:かけだしドワーフ
HP:89(+5)=94
攻撃:4(+3+10)=17
防御:2(+3)=5
命中:1(+3)=4
敏捷:2(+3)=5
知力:1(+3+10)=14
精神:6(+3)=6
運:いい


乃々(珠美さんは逆に体力がたか……あれ……?)

ちひろ『どうしました?』

乃々(いえ……珠美さんの称号、私と同じ『かけだし』なんですけど……)

ちひろ『そうですね、大体乃々ちゃんと同じくらいの強さです。若葉さんも少し上くらいですよ』

乃々(洞窟、攻略できるんでしょうか……?)

ちひろ『頑張るしかないです。ドワーフの街への道中、魔物が出てくるので、倒していけばそれなりに強くなるのでは?』

乃々(だといいんですけど)

ちひろ『みなさんのステータス、まとめて表示してみますね』

名前:乃々
種族&性別:ビースト♀
称号:かけだしビースト
ライフ:77
攻撃:14
防御:17
命中:7
敏捷:11
知力:6
精神:4
運:ふつー

名前:若葉
種族&性別:ドワーフ♀
称号:ドワーフ
HP:18
攻撃:16
防御:13
命中:6
敏捷:7
知力:15
精神:5
運勢:いい

名前:珠美
種族&性別:ドワーフ♀
称号:かけだしドワーフ
HP:94
攻撃:17
防御:5
命中:4
敏捷:5
知力:14
精神:6
運:いい

乃々(……若葉さんの体力が心配です……)

ちひろ『倒されないよう気をつけなければいけませんね。では、私は一旦引っ込みます。魔物が出てきたらまた声をかけるので』

乃々(は、はい……いえ、今説明してもらうのはダメなんですか……?)

…………。

乃々(有無を言わさず、ですか)
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