Helleborus Observation Diary 

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/22(火) 03:23:37.04 ID:ShxRzgitO

 砂利道を歩き、堤防の傍ら水の流れが堰き止められ、小さな草むらが出来ているところに目を向けると、今日もいた。

 一匹の白鳥。仲間の飛来を待っているのだろう、十月に姿を確認してからずっとこの場所に留まっている。
 いつも「おーい」と声をかけると近くまで寄ってくる。寂しいのか、単に近付いてくるものが珍しくてなのか。分からないけれど、他の白鳥と比べれば人懐っこい気はする。
 でも今日は羽繕いに夢中らしく、声をかけても気付いてくれない。一度駄目なら引き下がるのがマイルールなので引き返す。

 もしかしたら好きで一匹だけでいるのかな。だとしたら、私が声をかけるのも考えなきゃいけない。
 勝手に気持ちを推し量ってしまうのは、私の悪い癖だと思う。体が冷えてきたのでもう一度走り始めながら、そんなことを思う。

 秋が終われば、当然のように冬が来る。艶やかな草木も徐々に次の春に向け色を落としていく。
 今は中途半端で、冬になりかけてはいるけれど、まだ冬ではない。
 昨年は十二月半ば頃に多くの白鳥を見たので、それまでは私が影ながら見守っていようと思うのだった。

409.69 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)