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サイタマ「お前って普段、パンツ穿いてないのか?」タツマキ「おやすみ」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/10/20(日) 20:58:34.28 ID:01arW23NO
「……ただいま」
無人の部屋に自分の声が虚しく響く。
それなりに広いマンションに一人暮らし。
とはいえ、ここには寝に帰るだけだ。
ここが自分の家だという感覚は薄い。
なにせヒーローは忙しい。
昼夜問わず、怪人は現れる。
その度に西へ東へ北へ南へと奔走する毎日。
何の為にと問われれば、自分の為だ。
表向きはストレス発散と言い張っている。
だけど、本当は。
「……お風呂が沸いたわね」
ワンピースを脱いで、湯船に浸かる。
このひとときが唯一、心安らぐ瞬間だ。
怪人共の薄汚い返り血を綺麗に洗い流す。
気まぐれに能力でお湯を中空に浮かしてみた。
球体となって浴室に漂う、お風呂の水。
そこに貧相な自分の姿が映り込んでいた。
超能力のせいか、この身体は老化しない。
子供の頃のまま、成長が止まっている。
今となっては知らぬ者が居ない程、ヒーローとしての知名度を誇る私だが、何も知らない者からしたらただの子供にしか見えないだろう。
「フブキが羨ましいわ」
この時だけは、能力に劣る妹が羨ましかった。
妹のフブキは年相応に成長を遂げている。
そして最近は、精神的にも変わり始めていた。
あの子は目に見えて成長し、強くなっている。
「それに比べて私は……はあ」
溜息と共に超能力を解除する。ちゃぽん。
浮かんだお湯は落下して再び湯船を満たした。
何も変わらない自分が、酷く惨めだった。
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