少年「アヤカシノート」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/18(火) 23:54:51.92 ID:Yxrt9fKO0





『9月13日  眩しいくらい、夏晴れ

少女さんが案外、ずるい一面を持っていることを知った。包帯を着けていた頃の彼女は何となく大人しかったけど、今日は大分はしゃいでたのかな?でもそんなとこもひっくるめて、僕は……』





パタン

少年「………」

少年「………」

少年「………」

少年「……」フ...




403 : ◆7jwTcAQqF.Dj [saga]:2020/02/19(水) 00:13:49.37 ID:qYbXnGr+0
ーーーーーーー

「C、帰ろうぜ……ってなんでそんなに菓子ばっか持ってきてんだ?」

同級生C「あれ…本当だいつの間に」

「どんだけ腹減ってたんだよ」

「ちょっと俺にもくれない?」

同級生C「おぉ、いいよ。あんま取り過ぎんなよ?」

「わーってるって。これとか懐いな〜。俺こっちのやつ好きな──…?お前、泣いてんのか?」

同級生C「え…?」ツー...

同級生C「は?え?なんだこりゃ…」ポロポロ

「お、おいおい…悪かったよそんなにお気に入りの菓子だと思わなくて…」

「馬鹿か、そうじゃねぇだろ絶対。どうしたんだよ?」

同級生C「分っかんね。なんだろうな」ポロポロ

同級生C「…あ、これあれだ。何となくだけどさ」ポロポロ

同級生C「──すっごい好きなものを、失くした気分、だ…」ポロポロ

同級生C「なん、だろうな…ほんと……」ポロポロ...

「何があったか知らんけどさ、元気出せよ」ポンポン

「話くらいなら聞いてやるぜ」

同級生C「……サンキューな……」




404 : ◆7jwTcAQqF.Dj [saga]:2020/02/19(水) 00:15:02.09 ID:qYbXnGr+0
ーーーーーーー

二つ編み「お二人に話があります」

二つ編み父「おー、どうした?」

二つ編み母「あんまり暇じゃないから手短にね」

二つ編み「わたし、祖母の家で暮らします」

二つ編み母「……は?」

二つ編み父「…本気か?」

二つ編み「諸々の手続きはこちらの方で進めておきました。後はお二人の承諾と印鑑だけです」スッ

二つ編み「金銭のことでも一切あなた方に迷惑をかけないので安心して下さい」



ーーーーー

少女「──それ、あなたが我慢する必要ないよ」

少女「──おばあちゃんにお話してみたら?」



老婆「──ばあちゃんの家でかい?」

老婆「──…長いこと面倒見てあげられないかもしれんけども、それでいいならうちに来なさい」ニコ

ーーーーー



二つ編み(…ありがとう)

二つ編み「今までお世話になりました」ペコリ




405 : ◆7jwTcAQqF.Dj [saga]:2020/02/19(水) 00:17:47.30 ID:qYbXnGr+0
ーーー神社ーーー



……………。



スッ...



幼女「………」

幼女「……」ジッ



(長い石段)



幼女「………」

幼女(心とは誠、関心の尽きぬ代物よ)

幼女(どれ程小さき存在であろうと、その在り様で如何様にも魅せる事が出来る)

幼女(…そして其れは、人のみが持つ特権に非ず)

幼女(碧のケモノ)

幼女(彼の者も又、今際の際己が心を強く鳴らし、自らの生涯と番の影を遺していった)

幼女(前者は彼等の子へ)

幼女(後者は猫又へ。……そして彼の書物へも)

幼女(なればこそ、あの書物は創造主の強き心に惹かれ、共鳴したのであろう)

幼女「……世界は、共に在る事を選択したのかもしれぬ」

幼女(そなた達が其の可能性を魅せた様に)

幼女(…住む世界異なれど、心を通わせた二つの命が在った様に)



ーーーーー

少年「──友達に、なってくれませんか?」

ーーーーー



幼女「勇む心を持つ者よ」

幼女「人と妖禍子、共存の道を示した其の所業」

幼女「礼を言う」

幼女(…ふむ、そなた達の言葉を借りるならば)





幼女「──ありがとう」





ー終わりー
406 : ◆7jwTcAQqF.Dj [sage saga]:2020/02/19(水) 00:26:07.52 ID:qYbXnGr+0
以上で完結となります。

元にさせていただいたのは、sasakure.UKさんが出しているアルバム「摩訶摩謌モノモノシー」と「不謌思戯モノユカシー」に収録された楽曲たちです。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
407 : ◆7jwTcAQqF.Dj [saga]:2020/02/19(水) 00:53:54.71 ID:qYbXnGr+0
長編を書くのは本当に難しいですね…。
五か月もかかるとは思いもしませんでした。
書ける人は尊敬します。

次回からはまた百数レスほどのSSに戻ります。
次回は以前書いた、

  少女「お兄、すき」男「そうか」

の続編を投稿していこうと思います。
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/30(土) 15:25:48.80 ID:yAByYbc8O
執筆お疲れ様でした。
私も3年程前にsasakure.ukさんのア(マ)ヤカシシリーズに魅せられて何回も曲を聞き、様々な人の考察を探し、sasakure.ukさんのインタビューなども読み漁りました。
そのなかで自分なりの解釈や物語の展開を思い描いたものですが、こうして同じように曲を考察されて、それを文章にされている貴方の作品を読んでみて、納得が行っていなかった点やぼやかされて分からなかった点が鮮明になった気がします。
恐らく、所々は予想に基づいて書かれているのだと思いますが、それにしても本筋としては、ちゃんと辻褄があっており、元の曲(原作)の歌詞なども踏襲されており、素晴らしいと感じました。

正直、ここまでしっかりと考察と本筋が形にされている文章に出会えて感動しています。
一人のsasakureファンとして、貴方の事を尊敬します。

二度目になりますが、執筆本当にお疲れ様でした。
409 : ◆7jwTcAQqF.Dj [sage saga]:2020/05/31(日) 18:31:53.44 ID:lJpQZ0d80
>>408

感想ありがとうございます。
正直なことを言うと、各登場人物の心理や価値観はもっと深く分かりやすく表現出来るはずだろうなとは思っています。自分なりに書いてはみましたが、sasakureさんのア(マ)ヤカシシリーズを描写し切れたとは言い難いですね…。
ですがやりたいことはやれました。元々このシリーズをSS化しようと思ったのは、猫又娘(サト)ちゃんに救われた結末をあげたかったからなんですよね。
長くなってしまいましたが、このシリーズを知っている方に読んでもらって、感想まで頂けるのはとても嬉しいです。
あなたの考察がSSになるのも待ってますよ。
508.86 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)