城ヶ崎美嘉「いつまでも」

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102 : ◆WO7BVrJPw2 [saga]:2019/10/05(土) 13:02:43.06 ID:wPVlBLwf0

P「えっ? ……ああ……わかった。いいぞ」

美嘉「じゃあ……キツいのいくよ。目つぶって」

P「……」グッ

美嘉「……」

美嘉「ん……」スッ

P「……え?」

美嘉「……ほっぺだから大したことじゃないっしょ?」

P「そうじゃなくて……えっ、何の真似だよ」

美嘉「んー。素直なキス、ってとこかな★」

P「素直なって……どういうつもりだ?」

美嘉「どういうって。アタシ、別にフラれたわけじゃないし?」

P「……ん?」

美嘉「プロデューサーが担当じゃなくなるだけ、でしょ」

美嘉「プロデュースしてもらえなくなるのは残念だけど……」

美嘉「……それはアタシが自分に嘘をついた罰、かな」

美嘉「そこは、受け入れる。でもね」

美嘉「そっちだって、振ったわけじゃないんだよ?」

P「……」

美嘉「むしろ火つけたかも」
103 : ◆WO7BVrJPw2 [saga]:2019/10/05(土) 13:03:14.03 ID:wPVlBLwf0

P「一度、はっきり言ったと思ったんだけど」

美嘉「無理とか、応えられない、とか?」

P「……」

美嘉「まぁそれ自体はね。……でも、前に同じようなことあったなって」

P「前に?」

美嘉「いつか、アタシが手を繋ぎたいって言った時のこと」

P「はぁ」

美嘉「莉嘉だったらすんなりOKしてたでしょ、ってハナシ」

P「ああ」

美嘉「莉嘉には抱きつかせたけど、アタシにはさせなかった」

P「……」

美嘉「同じことかなって」

美嘉「アタシを遠ざけたい理由があるんじゃないかな、って」

P「いや……そっちだって顔合わせづらいだろ」

美嘉「うん。もっともらしい理由だよね」

P「……」

美嘉「ちょっとは、自分で考えたよ」

美嘉「なんでアタシの担当を外れたかったのかな……とか」

美嘉「莉嘉なら……そのまま担当から外れなかったんじゃないかな」

美嘉「まっ、莉嘉にはゴメンな話かもしんないけどね」

美嘉「全部アタシのためで、それでいて全部自分のため」

美嘉「アタシを遠ざけないといけなかった」

美嘉「アタシがダメになる前に」

美嘉「プロデューサーが、できなくなる前に」

美嘉「それってさ。アタシのこと」

P「まて」

P「それ以上言うな」

美嘉「……にひっ」
104 : ◆WO7BVrJPw2 [saga]:2019/10/05(土) 13:03:40.30 ID:wPVlBLwf0

美嘉「ね、担当やめるのやめない?」

P「は?」

美嘉「アタシの輝くところ、一番近くで見ててって言ったでしょ」

美嘉「いまでも、アタシのプロデュースしたい……でしょ?」

美嘉「後悔するよ? 一番近くでって特権、逃しちゃダメだと思うな」

P「……」

P「あっ……」

ドサッ

美嘉「どしたの? 急に座って」

P「……ここまで見越して……いや……」ブツブツ

美嘉「な、なに?」

P「さっき電話していただろ」

美嘉「うん」

P「ちひろさん」

美嘉「うん」

P「…………俺の異動願いまだ出してないって」

美嘉「え」

P「預かってくれと言ったが、出してくれって頼まれていませんとかなんとか」

美嘉「……やるぅー……」
105 : ◆WO7BVrJPw2 [saga]:2019/10/05(土) 13:04:06.76 ID:wPVlBLwf0

美嘉「……」

美嘉「うん、やっぱり言わないといけないね」

P「?」

美嘉「ちひろさん」

P「え、ああ」

美嘉「ちひろさんに問い詰められた時の会話」

P「…………は?」

美嘉「ほとんど聞いてた。ごめん!」

P「…………」

美嘉「…………」

P「ほとんど、って……」

美嘉「プロデューサーの感情でアタシを振り回せない、とか」

P「……」

美嘉「俺が一番近くで見てきた、とか」

P「あ……」

美嘉「アイドルやめて俺と一緒になれ、とか」

P「え」

美嘉「城ヶ崎美嘉をプロデュースできるのは俺だけだ?」

P「まって、後半ほとんど俺が言ったんじゃない!」
106 : ◆WO7BVrJPw2 [saga]:2019/10/05(土) 13:04:33.37 ID:wPVlBLwf0

美嘉「あ、そうだっけ」

P「……え、ちょっと待ってくれよ……全員グルかよ!」

美嘉「アタシもいきなりだったけど……うん、共犯だね」

P「だからちひろさん、あれだけ炊きつけたのか……」

美嘉「うん……あ、やば。やっぱこれ、だいぶマズいよね。嫌われるレベルで」

P「……」ジロ

美嘉「う……ご、ごめんなさい……」

P「はぁ…… ……あー、いい、身から出た錆だ」

美嘉「……ほっ…… さっすがプロデューサー、懐が広い」

P「あぁー、もう!」

美嘉「な、なに?」

P「切り替えらんねえの。全部覚悟決めて、蓋開けたら元通りなんて」

P「元通りならまだマシだ。美嘉は吹っ切れてるし、周りは囲ってくるし」

P「俺にどうさせたいんだよ」

美嘉「仕方ないよ。女の子は恋バナ好きだもん」

P「言ってろ」
107 : ◆WO7BVrJPw2 [saga]:2019/10/05(土) 13:05:00.23 ID:wPVlBLwf0

美嘉「あんな嫌われ役引き受けてくれるなんて、ちひろさん、最高のアシスタントじゃない?」

P「……」

美嘉「アタシだったら惚れちゃうけどな」

P「……惚れない」

美嘉「どうして?」

P「……」

P「……目の前に、もっと夢中になれるアイドルがいる」

美嘉「……あ」ドキッ

P「全部無駄だったなぁ、異動願いもレコーディング日変更も、無駄に突っぱねたことも……」

美嘉「プロデューサー」

P「うん?」

グイッ

美嘉「んっ」

P「ん……!?」

美嘉「……ふ」

P「はぁ……」

美嘉「……へへ、ごめん。止まんなかった」

P「……俺も止めなかった」

美嘉「そっかぁ。ふふ」
108 : ◆WO7BVrJPw2 [saga]:2019/10/05(土) 13:05:28.78 ID:wPVlBLwf0

P「断っておくけど……恋人関係とか、そういうのにはならないぞ」

美嘉「えっ、なんで」

P「あくまでアイドルとプロデューサー。そこの線引きが俺の最終防衛線だ」

美嘉「じゃあいまのは?」

P「…………手だされたの俺だし」

美嘉「そういうスタンスにするの?」

P「……」

美嘉「え、なにそれ。攻め放題じゃん。いいの?」

P「いや、なんていうか……」

P「応えるのは、せめて成人してからとかにしてくれないかって」

美嘉「えー。JKのうちに手ぇだしちゃわない? もったいなくない?」

P「もったいないとかさ……いやちょっとはあるけど」

美嘉「あ、でもあと1年かぁ」

P「そっちで数えるのか」

美嘉「ねー、どうせなら後も今も一緒じゃん?」

P「一緒じゃねえよ」

美嘉「そっか……」
109 : ◆WO7BVrJPw2 [saga]:2019/10/05(土) 13:06:02.06 ID:wPVlBLwf0

P「せめて1年。すぐだよ」

美嘉「……わかった」

美嘉「ホントはつらいケド……」

P「こっちも同じ気持ちだって言ったら、わかるか」

美嘉「! ……うん!」

美嘉「まぁ、攻めるところは攻めるけどね」

P「おい」

美嘉「だって、アタシの輝くところ、一番近くで見ててって言ったでしょ」

P「……ん? ああ……」

美嘉「女の子は恋をするの」

美嘉「恋を諦めて、アイドルが……女の子が輝くと思う?」

美嘉「我慢しなくていいって言うんだったら、どこまでも頑張るから」

美嘉「だから」

美嘉「アタシが輝くの、一番近くで見せてあげる」

P「……わかった。楽しみにしてる」

美嘉「にひっ」

美嘉「パッションでしょ」

P「そうだな……」

P「本当に、最高だよ」

美嘉「プロデューサー……!」

ギュッ

美嘉「アタシらしく愛してあげる」

美嘉「いつまでも」





おわり

110 : ◆WO7BVrJPw2 [saga]:2019/10/05(土) 13:06:38.24 ID:wPVlBLwf0

なんだよ……結構純愛似合うじゃねえか……
やっぱすげぇよ美嘉は……

セクギャルの新曲ネタを入れたかったから時間軸とかもういいやってなった。
新曲おめでとうございます。

次はサクッと短めにニュージェネでコメディとか書こうと思います。
よければこちらもどうぞ。

速水奏「はー……」モバP「はー……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1546751465/

渋谷凛「連れていってほしい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1547822704/

一ノ瀬志希「失踪しちゃおうか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1552181742/

速水奏「とびきりの、キスをあげる」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1555420447/

塩見周子「どっちがいーい?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1559372967/

速水奏「特別な、プレゼント」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1561907176/
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/05(土) 13:31:05.37 ID:pl0xGQUc0
最高だった
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/05(土) 16:19:04.11 ID:R+K1ltoDO




ハイファイの後のあれは正直戸惑ったけどね(当方、美嘉莉嘉よりはL.M.B.G好き)
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 07:05:29.77 ID:yZMZjL6b0
言葉足らずで子供みたいな未熟思考のPの何処に惚れんだろ
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 11:28:47.15 ID:TipJOm0DO
ただ、この事務所にプロデューサーとして働きたくないのはたしかだな



(某裏一子の薄い本状態になったら)最後の一兵に至るまで、全員敵になりかねない
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/14(月) 07:54:24.96 ID:EFXIxvUw0
乙、よかった
やっぱすげぇよ美嘉は
こういう恋愛感情を自覚してからどう行動するか、みたいな話好き
好きな雰囲気だったから過去作も読ませてもらった
全部よかったけど志希のやつが特に好き
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