【BLEACH×ロンパV3】キーボ 「砕かれた先にある世界」【後編】

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497 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 16:33:07.52 ID:WKShCB+kO
>>344の内容を>>496の内容に修正します。
498 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 16:42:51.37 ID:WKShCB+kO



ーエピローグー






ー砕かれた先にある世界ー


499 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 16:45:15.17 ID:WKShCB+kO



キーボ(ーーーあれから、半世紀以上ものの時が経ちました)




キーボ(百田クン達と再会したあと、ボクら三人でみなさんに真相をお伝えしーーーみなさんは深い覚悟をもって、受け入れてくれました)




キーボ(その上で、改めてそれぞれの辿る道を考え、見出しーーー)




キーボ(ーーー歩むことになりました)


500 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 16:46:29.24 ID:WKShCB+kO






キーボ(そうして、歩み続けている)






キーボ(半世紀以上が経過した現在でも、なりたい自分を見出し……その道のままに、歩み続けているのです)





501 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:00:56.94 ID:WKShCB+kO



キーボ(その過程で、茶柱さん、ゴン太クン、東条さんの三人はーーー)




キーボ(ーーー真宮寺クンの話していた通り、護廷十三隊の死神となりました)




キーボ(それも全員が、救護部隊……【四番隊】の死神となったのです)


キーボ(それからは、医療霊術である回道や隊士への心理的ケアなどを必死に研究し、鍛錬と実践に励んでいます)


キーボ(その結果、多数の護廷隊士が、彼女達によって心と命を救われることとなりました)




キーボ(そうして、人の心と命を護り続けています)




キーボ(……これは、みなさんのたゆまぬ努力の結果ではありますがーーーそれができたことには、四番隊の虎徹隊長を中心とする先達の方達が、尊敬に足る存在だったことも大きかったと思います)


キーボ(だからこそ、先達の支えになりたいと思うことができ、その気持ちのままに、己を磨き上げることもできた)




キーボ(ボクは、そう考えています)


502 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:02:29.31 ID:WKShCB+kO



キーボ(……もちろん、通常の死神としての鍛錬も、怠ってはいません)




キーボ(茶柱さん達は、斬魄刀との “ 対話と同調 ” 、瞬歩の修得に成功し……さらにはそれぞれ白打の鍛錬に励んでいます)




キーボ(その結果として、茶柱さんは技術を中心とした、ゴン太クンは力を中心とした白打を、扱えるようになりました)




キーボ(……もっとも、 “ 千里通天掌 ” の修得は流石にまだ先の話でしょうが……)


503 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:04:33.27 ID:WKShCB+kO



キーボ(……なお、東条さんも、白打を身に付けています)


キーボ(技術や力に特化したものではありませんがーーーその二つをバランスよく合わせもった格闘スタイル、それを身に付けているのです)


キーボ(一対一の模擬戦闘では、茶柱さんとゴン太クンに、勝るとも劣らない戦いを見せていたくらいでした)


キーボ(また、東条さんは、他にも鬼道の才能などにも秀でており、基本能力の優れた死神として……多数の方から評価され続けています)




キーボ(今では、既に高い立場を得ており、霊圧は副隊長クラスです)




キーボ(もしかしたら、近いうちに副隊長に昇進するかもしれません)


504 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:08:27.00 ID:WKShCB+kO



キーボ(……もっとも、東条さん自身は、評価され、上に行くことを恐怖していますがーーー)




キーボ(ーーー東条さんには仲間がいる)




キーボ(護廷の二字の名の元に、人を護る、大勢の仲間がいる)


キーボ(四番隊の、護廷隊の、仲間がいる)


キーボ(側には、恐怖のあまり誤った判断を下すことの痛みを知る、ゴン太クンがいる。仲間に心を開いて感情を表現することの大切さを知る、茶柱さんがいる)


キーボ(今は、そうした仲間と共に、恐怖を背負うことができる)


キーボ(だから、東条さんが、どこまで上り詰めようと、どんな力や実績、称号を手に入れようとーーー)




キーボ(ーーーそれに振り回されることなく、仲間と共に、人を護り続ける)




キーボ(……そんな、隊長格に相応しい存在として、歩み続けることができる)




キーボ(ボクはそう信じています)


505 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:13:56.90 ID:WKShCB+kO



キーボ(……次に、入間さんと百田クンですがーーー)




キーボ(ーーーまたもや真宮寺クンの言っていた通り、護廷十三隊ではなく、貴族お抱えの死神となりました)




キーボ(それも、【四楓院家】という、大貴族の抱える技術開発部門ーーー)




キーボ(ーーーそこの科学者として、働くことになったのです)




キーボ(ただ、その技術開発部門は、名目上のものらしく、入間さんと百田クンしかいません)


キーボ(……どういうことなのか、人事に質問したそうですがーーーその後に四楓院家の現当主の方がやって来て、瀞霊廷の外で研究を行うよう命じられたそうです)


キーボ(瀞霊廷に在住していない、某フリー科学者の元まで行くようにと)


キーボ(そう、入間さん達は、浦原さんの元まで出向いて研究を行い、その成果を四楓院家に還元するように言われたのです)


キーボ(そのため、入間さんと百田クンは、浦原さんの元で助手をするという形で、必死に勉強し、技術開発のための研究を重ねています)


キーボ(その成果は、四楓院家もしくは浦原商店の商品となり、今でも尸魂界の役に立ち、人を支え続けている)




キーボ(……事実、そうした入間さん達の発明品を、ボクも浦原商店などから定期的に購入し、毎日の生活を支えられているのです)


506 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:18:25.35 ID:WKShCB+kO



キーボ(……このまま研究を続ければ、入間さん達の発明で尸魂界はさらなる発展を遂げていく)


キーボ(百田クンも、霊王宮の守護を任されるに足る何かを、創り出す日が、きっとやってくる)


キーボ(その後、霊王様やその守護を任される死神と出会い、そこでコミュニケーションや霊王宮の研究を行えばーーー)


キーボ(ーーー霊王様や霊王宮が、世界全体にとってどういう存在なのかを、理解することもできるでしょう)




キーボ(そうして、世界の仕組みを、より深く知ることができるはずです)




キーボ(また、霊王宮の守護を任された暁には、尸魂界にも宇宙のような場所があるか否か? 自分達の手で徹底的に確かめると話していました)


キーボ(百田クンと入間さんでロケットのようなものを開発し、霊王宮のさらに上……宇宙かもしれない場所ーーー)




キーボ(ーーーそこに敵となるような存在が潜んでいないか? 確かめるという名目で、探検するとのことでした)


507 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:21:29.23 ID:WKShCB+kO



キーボ(……そこには、まだ自分達の知らない知的生命体がいるかもしれませんしーーー)




キーボ(ーーーそうでなくともまだ見たことのない素晴らしい何かがあるかもしれない)




キーボ(そこに辿り着いて、社会全体に発表すればーーー地上にいる人達も、新たな知的生命体や素晴らしい何かの存在を知り、その価値を知ることができる)


キーボ(その人達が、百田クン達に続き、空の上まで出向いて……新たな知的生命体や素晴らしい何かと触れ合うことができるかもしれない)


キーボ(……もちろん、霊王宮の警備上の理由などもあって、大勢の人達が空の上に行くことには問題があるかもしれませんがーーー)




キーボ(ーーーそれでも、研究を続けて、己が発想力を鍛え続ければ、その発想力をもって解決できるかもしれない)




キーボ(……そうした気持ちをもって、百田クンと入間さんは、お互いの手を取り合っている)




キーボ(その上で、霊王宮という名の “ 目に見える光 ” 、その先にある “ 可能性の闇 ” ーーー)




キーボ(ーーー霊王宮のさらに上の方まで、手を伸ばす予定、とのことでした)


508 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:23:16.19 ID:WKShCB+kO






キーボ(……ボクは、そうしているお二人を想像すると、とても心があたたかくなります)








キーボ(まるで、自分のことのように、誇らしい)





509 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:26:02.51 ID:WKShCB+kO



キーボ(……なお、浦原さんは普段は現世の日本に住んでいるということなので、入間さんと百田クンも、必然的に同じ場所に住むことになりました)


キーボ(そこで、百田クン達は、現世で生き残ったみんなと会おうとも考えたようですがーーーそれは叶いませんでした)


キーボ(百田クン達に限らず、生前の記憶を封じる処置を取らずに死神になった者は、自分から生前の関係者や関係組織と接触することを、掟で固く禁じられているのです)


キーボ(偶然を頼って会おうにもーーー浦原さんからの情報によると、現世で生き残ったみんなは、日本国内に在住していないらしく、偶然会うことは不可能でした)




キーボ(……もし、会える時が来るとすればーーーー)


510 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:28:35.28 ID:WKShCB+kO



キーボ(ーーーそして、赤松さん、王馬クン、天海クン、星クンの四人は、またしても真宮寺クンの言う通り、音楽芸人となりました)


キーボ(赤松さんの演奏と王馬クン達の芸は、観客を巻き込んだショーでもありーーー)




キーボ(ーーー流魂街の住民、瀞霊廷の貴族、平民、死神に関係なく、人の心を照らし……多くの人々から絶賛されています)




キーボ(……ボクら三人も、その中に含まれています)


キーボ(【三番隊】の鳳橋隊長も、赤松さん達のファンを公言し、実際に演奏を聴いて芸を見るためにーーー何度も貴重な時間を割いてくれています)


キーボ(他にも、多数の死神が赤松さん達のファンであり……何者かが赤松さん達に危害を加えることのないよう、目を光らせたりーーー)




キーボ(ーーーある時には、赤松さん達を直接守ってくれることだってあります)




キーボ(……赤松さん達が流魂街に出向いた時、尸魂界に生息する虚に狙われることも稀にありましたからね。多くの方から守って頂けるのは本当にありがたい)


511 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:30:01.31 ID:WKShCB+kO



キーボ(……なお、赤松さん達が初めて虚に狙われた際は、死神に助けて貰った後、赤松さん達の才能の形が一風変わったものになりました)




キーボ(……それは、銀城さん曰く【因子を持つ存在が】【虚に襲われた】ことにより、起きることもある現象とのことですがーーー)








キーボ(ーーーそれはまた、別の話)


512 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:31:19.05 ID:WKShCB+kO



キーボ(……信じてますよ、王馬クン)




キーボ(キミは嘘つきでロボット差別のようなことをしますがーーー)




キーボ(ーーーその嘘の風船には、キミ達の想いが詰まっていると)




キーボ(赤松さん達と一緒に、そして観客と一緒に想い描いた夢が、風船の中で自由に泳いでいると)




キーボ(ボクは信じていますからね)


513 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:32:42.69 ID:WKShCB+kO



キーボ(……結局みんな、大まかには、真宮寺クンが話していた通りの道を辿ることになりましたね……)




キーボ(ーーーそれで良い)




キーボ(なぜなら、その道は、想うままに選択し、想うままに進んだ道なのですから)




キーボ(だからこそ、それに意味を感じ、価値を信じることができる)




キーボ(ならば、それで良い)




キーボ(そうして歩んだ道なら……どんなに痛くて苦しくても、後悔はない)




キーボ(きっと、そうなんですから……)


514 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:34:01.41 ID:WKShCB+kO



キーボ(……そして、そうした道を歩むのは、王馬クン達だけではありません)






キーボ(そう、残るボクら三人も、またーーーー)



ーーーーーーーーーー


ーーーーーー


ーーーー


ーー



515 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:48:37.77 ID:WKShCB+kO



ー尸魂界・志波家の屋敷ー



アンジー「ーーー今日も楽しかったねー、キーボ!」

キーボ「ええ! ボクも楽しかったですよ、アンジーさん!」

アンジー「キーボとふたりで、すっごい神った絵描けたよー! にゃはははー!」

キーボ「休暇をとって正解でしたね。今日こうして時間をかけなければ、ボク達の絵はここまで昇華されなかったでしょうから……」






真宮寺「ーーーやあ、お疲れ様、夜長さん、キーボ君」


516 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:50:06.78 ID:WKShCB+kO



キーボ「あっ、真宮寺クン、お疲れ様です」

アンジー「お疲れ、是清ー! 今日の仕事と修行は終わりー?」



真宮寺「うん、今日の分はネ……」



真宮寺「ーーーククク、それにしても、花火作りは本当に奥が深いヨ!」

真宮寺「半世紀かけて未だに、学ぶことはまだまだ多い!」

真宮寺「尸魂界の花火は霊子で構成されている以上、現世のものよりも自由度が高く、難易度は高いと、弟子入りの際に覚悟していたけれどーーー」



真宮寺「ーーーまさか、これほどまでとは夢にも思わなかった! あァ、この感動を、言葉にせずにはいられないヨ!」


517 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:51:16.42 ID:WKShCB+kO



アンジー「にゃはははー! 是清は相変わらずだねー!」



キーボ「ええ、空鶴さんに弟子入りしてから今に至るまで、ずっと同じことを言い続けています」

キーボ「ボクが出した統計によれば、これでーーー」



アンジー「ーーーあー、数字はともかく、どうかな? 是清ー?」



アンジー「今日の【鰤清劇場】は、どんな感じー?」


518 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:52:11.45 ID:WKShCB+kO



真宮寺「ーーーごめんネ、夜長さん。申し訳ないけど、今日は披露できそうにないヨ」

アンジー「あれま? そうなの?」

真宮寺「休日中にいろいろと調べたんだけど、その時点で考えがまとまらなくて……」



真宮寺「……すまないネ、本当に」



アンジー「気にすることないよー! やろうとしてくれたことだけでも、アンジーは嬉しいよー!」

キーボ「そうですよ、真宮寺クン! ボク達のために貴重な休日を使って調べてくれたのでしょう?」

キーボ「それだけでも、ボク達は嬉しく思いますよ!」



真宮寺「………」


519 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:54:18.63 ID:WKShCB+kO



キーボ「……それに、キミが作る、【誓いの花火】を待っている人は、たくさんいるんでしょう?」






真宮寺「……そうだネ。確かにそうだヨ」






キーボ「それに加えて、クライアントの要望に応じて【打ち上げタイプ】【手に持つタイプ】【その他のタイプ】に分けーーー調合だって変えなくてはいけません」






キーボ「……大変、でしょう?」


520 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:57:44.41 ID:WKShCB+kO



真宮寺「……人それぞれ、込めたい『想い』の形は違う」

真宮寺「そうした違いと向き合い、その人に合ったものを考えることが、人と向き合うことでもある」



真宮寺「その事実から、目を逸らすわけにはいかないヨ」



アンジー「そうそうー! だから、今は劇場しないで、カラダ休めて、明日に備えるべきなんだよー!」



キーボ「ボクもそれに賛成です!」

キーボ「なので、ボク達だけでなく……クライアント、そしてキミ自身も大切にしてください! 真宮寺クン!」

キーボ「キミが、今すぐここで寝たとしても、ボクが守ってみせますから!」




真宮寺「ーーーありがとう」


521 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 17:58:32.28 ID:WKShCB+kO



真宮寺「ーーーと言って綺麗に終わらせたいところだったけどーーー」



キーボ「?」






真宮寺「ーーーキーボ君、 “ その刀(ひと) ” は大丈夫なのかい?」


522 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:00:12.77 ID:WKShCB+kO



キーボ「……それは、どういった意味なのでしょうか?」



真宮寺「いや、君がつい最近、名を教えて貰ったという “ その刀(ひと) ” はーーーどうにも呟きが多いという話だったからネ」



真宮寺「実際、他の人は、君がそうした呟きに反応していると話していた」

アンジー「あー、確かにー!」



キーボ「………」



真宮寺「だけど、今の君はそうした反応をしていない」

真宮寺「だとすれば、説得して御しきれるようになったと思いたいところだけどーーー」






真宮寺「ーーー大丈夫だよネ?」


523 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:01:11.23 ID:WKShCB+kO



真宮寺「……戦闘中に喧嘩とかしないよね?」



キーボ「………」



真宮寺「……何か言ってヨ」






真宮寺「……【黒き死覇鎧を纏った】【白の鉄神】ーーー」






真宮寺「ーーー “ 超始解級の死神ロボット ” 、キーボ君?」


524 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:03:11.97 ID:WKShCB+kO



キーボ(死神ver)「ーーー大丈夫ですよ。喧嘩なんてしません」



キーボ「この斬魄刀(ひと)が、浅打だったこれまでと同じようにーーー共に戦いますよ、虚と」



真宮寺「………」



キーボ「ーーーただ、この斬魄刀(ひと)、口をひらけばあまりにも理解しがたいことばかり呟くんですよ」


525 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:05:02.08 ID:WKShCB+kO



真宮寺「……どんな感じなんだい、それは?」



キーボ「……少なくとも、この斬魄刀(ひと)と比べればーーー」



キーボ「ーーー周りに、親しい人しかいない時の入間さんの方が、遥かに常識的な言動を取っていると思います」



アンジー「……自重しない美兎の方がマシって……」



真宮寺「それは凄まじいネ……」



キーボ「ええ……なので、ボクは思考を重ねた結果、この斬魄刀(ひと)の言葉は普段は心に留めるだけにしてーーー返答は夜の対話の時に行うことにしたんです」


526 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:06:07.22 ID:WKShCB+kO



真宮寺「……ちなみに、今は何て言ってるんだい?」



アンジー「アンジーも気になるー!」



キーボ「……いや、ちょっと、人に伝えるには、いささか以上に気が引ける内容でーーー」







キーボ「ーーー申し訳ありませんが、あまり気にしない方針でお願いします」


527 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:07:00.10 ID:WKShCB+kO



真宮寺「……わかったヨ。そこまで言うなら気にしないヨ」



アンジー「アンジーもねー! アンジーは日本語だけじゃなくて、空気も読めるのだー!」



キーボ「……ありがとうございます」


528 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:09:02.41 ID:WKShCB+kO



アンジー「……あー、そうそうー」



アンジー「アンジーねー、気になることがあるんだけどーーー」



キーボ「……?」






アンジー「ーーーキーボは、次いつアンジーと “ 一日 ” 一緒にいられるー?」


529 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:10:49.31 ID:WKShCB+kO



キーボ「……そうですね。スケジュールを再計算してみたところ、二週間後の同じ曜日が妥当かと」

キーボ「この日ならば、一日近く一緒にいられますよ! アンジーさん!」

アンジー「……あれ? キーボ、来週はダメなの?」

キーボ「すみません、その日は眠八號さんとの先約が入ってまして」



アンジー「……んー?」



キーボ「……ありがたいことに、彼女から付きっきりで、斬魄刀との対話に関する指南を頂けるとのことでーーーー」


530 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:13:27.16 ID:WKShCB+kO



アンジー「………」



キーボ「……アンジーさん?」



アンジー「主とアンジーは言いました。女心を弄ぶ屑鉄は自爆しろ、と」



キーボ「ちょっ!? 縁起でもないこと言わないでください!!」

キーボ「というか、“ 女心を弄ぶ ” !?」

キーボ「真っ赤な誤解ですよ! ボクと眠八號さんはそんな関係じゃありません!」



アンジー「……本当、キーボ?」



キーボ「本当ですよ! 信じてください!」



アンジー「……そっかー、なら良いけどー」



真宮寺「まァ、誤解じゃなかったら、涅隊長の手でネジ一本まで分解されることになるだろうけどネ」



キーボ「恐ろしいことを言わないでください! そして、蒸し返さないでください!」



真宮寺「ククク……ごめんヨ。ちょっと気になってネ」



キーボ「いや、蒸し返すのは、本気で勘弁してください!」

キーボ「ただでさえ普段から、涅隊長と大前田副隊長のお二人に、 ただならぬ目で睨まれているんですから!」


531 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:14:53.36 ID:WKShCB+kO



アンジー「ーーーえっ……」



キーボ「誤解を招くような発言はくれぐれもーーー」



真宮寺「……大前田副隊長ってーーー」



アンジー「ーーー何かなー?」


532 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:15:41.89 ID:WKShCB+kO



キーボ「……?」キョトン



真宮寺「……いや、涅隊長はわかるヨ? 眠八號さんの父親だからネ」



アンジー「だけど、そこでー、どうして、まれち……あの人が出てくるのかなー?」


533 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:16:52.10 ID:WKShCB+kO



キーボ「……ああ、実はこの前、茶柱さん達と合同任務をした際、同じく四番隊の希代さん……大前田副隊長の妹さんと仲良くなりましてね」



アンジー「………」



キーボ「ですが、それ以降、大前田副隊長のボクを見る目がさらに厳しくなってーーー」



アンジー「屑鉄自爆しろ」



キーボ「ーーーええっ、!?」ガガーンッ


534 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:18:22.40 ID:WKShCB+kO



アンジー「………」



キーボ「ち、ちょっと、違うんですよ! 確かに希代さんにも付きっきりで、斬魄刀との対話に関する指南をして頂ける予定はありますが、決してそんなーーー」



キーボ「ーーー【屑鉄爆発しろ☆】!? キミまで何を言っているんですか?」



真宮寺「ククク……どうやら、自分の斬魄刀にまで批難を受けたようだネ」

アンジー「……今回ばかりは刀が正しいみたいだねー」

アンジー「うんうん、女心のわからない屑鉄だからねー、しょうがないねー」



キーボ「うっ……」



真宮寺「まったく、これでは卍解修得まで何千年かかることやら。先が思いやられるようだヨ」


535 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:21:09.37 ID:WKShCB+kO



キーボ「ぐぬぬ……確かにボクにもまだわからない心があるようですが、決してこのままでは終わりませんよ!」



アンジー「………」



キーボ「そうでもなければ、この理解しがたい斬魄刀と……もう一人のボクと一生付き合っていくなんて不可能ですから!」



真宮寺「………」



キーボ「絶対にわかってみせますよ! 刀心も! 女心も!」

キーボ「そうやって人の心と向き合い、対話して理解して、いつか卍解を修得してーーー」



キーボ「ーーー様々な心と想いを、大切にできる『歯車』にーーー」



キーボ「ーーーそう、隊長になってみせます!」






キーボ「それが、ボクの歩み続ける、 “ 道 ” です!」


536 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:26:25.64 ID:WKShCB+kO



アンジー「……うんうん、わかろうとしてくれるなら大丈夫だよー!」

アンジー「それなら後で、お菓子、また食べさせてあげるねー!」



キーボ「……えっ、?」

真宮寺「………」



キーボ「……待ってください、今日の分は既に頂いてーーー」



アンジー「……今日、キーボは、アンジーに、一日ずっと付き合ってくれた……」



キーボ「………」



アンジー「それに加えて、ずっと心に、その斬魄刀(ひと)の言葉受け止めて、大変だったよね?」


537 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:27:20.47 ID:WKShCB+kO



キーボ「……この斬魄刀(ひと)の相手が大変なのは、確かですね」



アンジー「でしょでしょー?」



キーボ「………」



アンジー「……だから、アンジーが作った、お菓子、キーボに、また食べさせてあげるんだー」


538 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:28:34.63 ID:WKShCB+kO



キーボ「……良いんですか?」

キーボ「また、作らなくてはいけなくなりますよ?」



アンジー「うんうん、問題ナッシングだよー!」

アンジー「キーボだったら、いくら食べてもデブデブにはならないしーーー」



キーボ「………」



アンジー「ーーー何より、美味しく食べてくれる人がいる」



アンジー「それなら、アンジーは、いくらでも作れちゃうよー!」


539 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:29:54.45 ID:WKShCB+kO



キーボ「……ありがとうございます、アンジーさん」

キーボ「アンジーさんのお菓子、楽しみにしています!」



アンジー「ふっふー、期待しててねー、キーボ!」

アンジー「アンジーたちだったら、デブデブになっちゃうくらい、甘くてトロトロなのをーーー」






アンジー「ーーーいっぱい、いっぱい、食べさせて、あげる」






アンジー「……満足するまで、ね?」


540 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:30:49.46 ID:WKShCB+kO









キーボ「……はい!」








541 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:33:28.20 ID:WKShCB+kO



真宮寺「……アー、ちょっと良いかな?」



キーボ&アンジー「「?」」



真宮寺「いや、無粋なことを言うようでなんだけれどもネ……?」



キーボ「………」



真宮寺「……卍解修得は、あくまでも、隊長になるための基本条件の一つであって、それで隊長になれるとは限らない、ということーーー」



真宮寺「ーーーそこは、わかっておいて欲しいかな……」


542 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:37:53.20 ID:WKShCB+kO



キーボ「ーーーわかってますよ! だからこそ、様々な人の心と想いを、大切にできる存在になるんです!」

キーボ「その結果こそが隊長なんです! それは、ボクら【十三番隊】の教えが、朽木隊長の教えが証明していることです!」エッヘン

アンジー「……んー? でもでもー、隊長の椅子って、もう空きゼロだよねー?」

真宮寺「そうだネ、空きがゼロである以上は隊長になれないはずだヨ」



真宮寺「……それでも隊長になるのであれば、隊士二百名以上の立会いのもとで、現隊長と一対一で斬り合うしかなくなるけどーーー」



キーボ「そんなことするはずがないでしょう! そんなことしたら、朽木隊長に恩を仇で返すことになりますし! 何より、生き残れたとしても、絶対に茶柱さん達と苺花さん達から処されますよ!」



キーボ「……ボクが隊長になる時は、ボクがその器を持った上で、誰かが引退したその時です!」


543 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:39:02.92 ID:WKShCB+kO



真宮寺「ククク……そうかい。ならば、その斬魄刀(ひと)に夜長さん……共に生きる誰かとのコミュニケーションに、いっそう励むことだヨ、キーボ君」



キーボ「……!」

アンジー「………」



真宮寺「その斬魄刀(ひと)にも、夜長さんにも、誰にも恥じることのないようーーー」



真宮寺「ーーーしっかりと、生きないと、ネ?」


544 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:40:03.45 ID:WKShCB+kO



キーボ「……もちろんですよ、真宮寺クン!」



真宮寺「………」



キーボ「ボクだって、これからも、しっかりと生き抜いてみせます!」



キーボ「キミにも、負けませんからね!」


545 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:40:46.03 ID:WKShCB+kO









真宮寺(……その意気だヨ、キーボ君)








546 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 18:42:13.81 ID:WKShCB+kO



カランカラン……!



真宮寺「……おや、これはーーー」

キーボ「誰か来たみたいですね」スッ…

真宮寺「……僕が行くヨ。キーボ君は、そこでゆっくりしてて」

キーボ「……そうですか?」

アンジー「そうだよー、キーボはお客様なんだから、そこにドッシリだよー」

アンジー「アンジーはここの居候だから、行くけどねー!」

アンジー「ゆっくりマッタリ待っててねー、キーボ!」

キーボ「……わかりました。お願いします」



スタスタ……



ーーーーーーーーーー


ーーーーーー


ーーーー


ーー


547 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 20:32:56.22 ID:UKb+9Q+UO



キーボ「………」


キーボ(……二人とも、客人との話に時間がかかっているようですね)


キーボ(……いや、アンジーさんの霊圧がこちらに近づいていることからみて、もう終わってはいるのでしょうがーーーそれでも時間がかかり過ぎている)




キーボ(どうかしたんでしょうか?)




キーボ(……まあ、玄関近くで空鶴さんの元気な霊圧が感じられますしーーーそれ以前に、アンジーさんは、ずっと “ あの霊的グッズ ” で、守られている)


キーボ(それらを考えれば、危険はないとは思いますが……)


キーボ(……ですが一応、集音器の精度を上げて、アンジーさん達の状態を確認するべきでしょうか? 一応現在は非常時以外は禁止されていることですがーーー)




キーボ(ーーーいや、それなら、普通に、アンジーさん達の元まで出向いた方がーーーー)



548 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 20:35:07.18 ID:UKb+9Q+UO



ガララッ……!



真宮寺「キーボ君……」

アンジー「……キーボ」

キーボ「あっ、アンジーさん! 真宮寺クン!」

キーボ「どうかされたんですか? かなり時間がかかっているようでしたがーーー」



アンジー「ーーーあー、ちょっとねー」



真宮寺「ーーーごめんヨ。確認のために話し込んでしまってネ……」


549 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 20:52:31.99 ID:UKb+9Q+UO



キーボ「……確認?」



アンジー「……そうだよー、神さまカードにも必要な本人確認だよー」



真宮寺「目の前にいる相手が、誰であるか、をネ……」


550 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 20:53:36.14 ID:UKb+9Q+UO



キーボ「……?」



アンジー「………」



真宮寺「………」



キーボ「それは、どういうーーー」




……スタスタ……




……スウッ……


551 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 20:54:34.85 ID:UKb+9Q+UO









「…………」








552 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:01:59.83 ID:UKb+9Q+UO



キーボ「……え、えーと……?」




「…………」




キーボ「……あー、その、初めまして。ボクは、護廷十三隊、十三番隊の死神ロボット、キーボと申します」




「…………」




キーボ「……すみませんーーー」




キーボ「ーーーお手数ですが、あなたが、どなたなのかーーー」




キーボ「ーーーそれで、こちらにどのようなご用件か、お聞かせて頂いても、よろしいでしょうか?」


553 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:06:03.15 ID:UKb+9Q+UO



アンジー「……キーボなら、わかるんじゃない?」



キーボ「……はい?」



アンジー「名前、聞かなくてもさ」



キーボ「??」



真宮寺「……もし、僕達からヒントを出せるとすればーーー」



真宮寺「ーーーこの『人』は、『死神の名を冠する者達』によって、価値を見出され、ここまで辿り着いた魂であることーーー」









真宮寺「ーーーただ、それだけだヨ」


554 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:10:25.89 ID:UKb+9Q+UO



キーボ「……『死神の名を冠する者達』……?」




キーボ(まさか、それってーーー)




「ーーー久しぶり」




キーボ「ーーーえっ、?」




「ーーーそして、ありがとう」




キーボ「ーーー!?」


555 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:11:29.52 ID:UKb+9Q+UO




「……決して忘れない」




「 “ あの暗闇 ” を空の光で照らし、道を見出してくれたのは、誰だったかーーー」




「ーーー決して忘れることはない」




「この心に、今も残っているーーーー」



556 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:12:09.02 ID:UKb+9Q+UO









キーボ「ーーーーーーーーーーーーーーー」








557 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:13:22.90 ID:UKb+9Q+UO




「ーーーあの時、暗闇を照らして、道を見出してくれたからーーー」




「ーーーその道を歩んで、人の世を生き抜くことができた」




「夢を、叶えることができたんだ」




キーボ「ーーーーーーーーーーーーーーー」




「……だけど、夢は、いずれ終わりを迎える」




「その果てに、黒崎さんによって新たな道が見出されーーー」




「ーーー歩みを続け、探し出し、こうして、ここに辿り着いた」



558 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:14:23.42 ID:UKb+9Q+UO






キーボ「ーーーキミ、はーーーー」






「……改めて、言うよーーーー」





559 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:15:08.40 ID:UKb+9Q+UO






「ーーー道を、見出してくれてーーー」








「ーーー本当にありがとう」





560 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:16:17.16 ID:UKb+9Q+UO



アンジー「………」



真宮寺「………」



キーボ「あ、ああ……!!」




キーボ(ーーー間違いない! この『人』は、紛れもなくーーー)




「…………」


561 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:18:36.26 ID:UKb+9Q+UO




(ーーー其れは花火)






(血を糧とした鉄の刃で振り下ろされる光と、眼前に広がる可能性の闇が想い描いた、夜空の輝き)






(そのかけがえのない価値は、時に代償として、我が身を別れの業火で焼き焦がす)






(それでも、恐怖を退け、心が見出した輝きはーーー)






(ーーーきっと、 “ 勇気 ” となって、胸に刻まれる)



562 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:19:44.56 ID:UKb+9Q+UO









「ーーーただいま!」








563 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:20:40.75 ID:UKb+9Q+UO



キーボ「……おかえりなさい!」

キーボ「そして、こちらこそ、ありがとうございました!」




「…………」




キーボ「最後まで、生き抜いてくれて!」



アンジー「………」

真宮寺「………」



キーボ「ボクは、それがとても嬉しい」


564 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:21:40.71 ID:UKb+9Q+UO



キーボ(……死者(こちらがわ)となってしまった、悲しみはあれどーーー)




「…………」




キーボ(ーーーそれでも、嬉しい)




キーボ(また、会えて!)


565 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:22:46.24 ID:UKb+9Q+UO









キーボ「本当に、おかえりなさい! そしてーーーー」








566 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:26:20.38 ID:UKb+9Q+UO









キーボ「ーーーようこそ、尸魂界(しごのせかい)へ!」








567 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:28:04.55 ID:UKb+9Q+UO




「ーーー輝きとは、重なり」









「或る時は刀、或る時は弾丸、或る時はふたつ混じる一夜の夢となって、世に現れる」









「最後に名乗り上げるは、 “ 機械仕掛けの死神 ” 」









「祈るように重なり、愛しあうように輝き、心中のように壊れあう、夢夜の歯車」









「この世の全ては、終わりを迎え砕かれる、黒の棺にある」



568 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:29:16.81 ID:UKb+9Q+UO




「砕かれた先に、ある世界ーーー」













「ーーー想い描くは、胸の痛み」



569 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:31:15.98 ID:UKb+9Q+UO



いったんここまで。


そして、ここから先は、

キーボ 「砕かれた先にある世界」おまけ編
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1554039386/

の修正バージョンを投下します。


追加のおまけもあるので、よろしければお読みください。


570 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:36:54.04 ID:UKb+9Q+UO
おまけの前に、このスレで投下したものを少しだけ修正します。
571 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:45:44.09 ID:UKb+9Q+UO



アンジー「……『物』だと思っている、だから、アンジーはみんなに黙って、キーボを独り占めしてーーー」



アンジー「ーーー是清の劇場を、聞き続けた……」



真宮寺「……!」



アンジー「……あの時、アンジーは、是清の劇場が嬉しかった」

アンジー「だけど、それは、 “ わかりやすく説明しようしてくれてるから ” ……だけじゃなかった」



アンジー「……『超高校級の民俗学者』は、短い時間で、これだけの知識を持てる、劇場もできる。そんな是清を思い通りにできる自分は『すごい』ーーー」



キーボ「!」

真宮寺「………」



アンジー「ーーーそんな風に思うことも、できたから」


572 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:47:45.87 ID:UKb+9Q+UO
>>454の内容を>>571の内容に修正します。
573 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:54:47.69 ID:UKb+9Q+UO



キーボ「………」


キーボ(……客人との話に時間がかかっているようですね、二人とも)


キーボ(……いや、アンジーさんの霊圧がこちらに近づいていることからみて、もう終わってはいるのでしょうがーーーそれでも時間がかかり過ぎているように思えます)




キーボ(どうかしたんでしょうか?)




キーボ(……まあ、玄関近くには空鶴さんの元気な霊圧が感じられますしーーー特に、アンジーさんは、ずっと “ あの霊的グッズ ” で、守られている)


キーボ(…… “ あの霊的グッズ ” は、貴重かつ扱える場所が限られるもののーーー故に、その効力は強大)


キーボ(そう、近くで意識を保つ一定の有機生命体ーーー真宮寺クンにまで、効力が及ぶくらいには)




キーボ(それらを考えれば、危険はないとは思いますが……)




キーボ(……ですが一応、集音器の精度を上げてアンジーさん達の状態を確認するべきでしょうか? 一応現在は非常時以外は禁止されていることですがーーー)




キーボ(ーーーいや、それなら、普通に、アンジーさん達の元まで出向いた方がーーーー)


574 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/27(日) 21:56:52.73 ID:UKb+9Q+UO
>>547の内容を>>573の内容に修正します。
575 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 00:37:29.60 ID:/l1W7lqoO



ーおまけ0ー



コンニャク型ホロウ(以下コンニャクン)「なんだ、この名前はーー!!」



プルプル……



東条(死神ver)「くっ……!」



コンニャクン「……ぬるっぷっぷっぷ!」プルプル



東条(あの虚……どうしても斬れない……!)




東条(まさか、あんな虚がいるだなんて……!)




東条(ううっ、コンニャク……! コンニャク……!)


576 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 00:39:24.72 ID:/l1W7lqoO









『力が、欲しいか……』








577 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 00:41:41.09 ID:/l1W7lqoO



東条「!?」



『欲しければ、くれてやろう』



東条(……この声、まさか私の斬魄刀からーーー)




『さあ、呼ぶのだ、キルミー……』




『我が名は、【ーーーーーー】』


578 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 00:43:08.46 ID:/l1W7lqoO



東条「……ついに、自分から語りかけてくれたのね」



『………』



東条「……ありがとう」


東条「……ようやく、わかったわ。斬魄刀(あなた)の名前ーーー」



『そうだ! 我の名はーーーー』


579 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 00:44:40.32 ID:/l1W7lqoO









東条「【斬・鉄・剣】!」








580 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 00:46:32.42 ID:/l1W7lqoO



東条「………」



コンニャクン「………」



東条「破道の九十、【黒棺】」ゴオオッ!



コンニャクン「るぱんっ、!?」ドゴオンッ


581 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 00:47:42.04 ID:/l1W7lqoO




「硬い鉄さえも斬り伏せる、美しい貴女は、まるで剣のよう」






「そんな貴女を前にして、決して斬れない柔らかな貴方は」






「今晩のおかずの、コンニャクに似ている」






〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜

〜〜



ー四番隊隊舎・東条の寝室ー



東条「……夢!?」ガバァッ


浅打『………』



582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/28(月) 00:54:21.53 ID:/l1W7lqoO



ーおまけ1ー



ユーハバッハ「ーーーリューダース・フリーゲン、今、私の前に居るお前は、預言者か?」

リューダース「は……え……あの……?」

ユーハバッハ「答えろ、私は今、 “ お前は預言者か? ” と問うている」



リューダース「……ひ……いえ……違います……」

ユーハバッハ「ならば、なぜ、遠い未来の話などする?」



ユーハバッハ「私は “ 今 ” の話がーーー」



リューダース「す、すべては、彼の預言を信頼したまでです!」

葉隠「そうだべ、社長! 俺の占いは3割当たる!」



ユーハバッハ「ーーー良かろう、許す」



ハッシュ「なん…だと…?」

イーバーン「ーーーというか、誰だね君は!?」ガビーンッ



葉隠「10万」

ユーハバッハ「立て替えよう」



イーバーン「陛下ーーー!??」ガガーンッ


583 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 00:58:38.13 ID:/l1W7lqoO



ーおまけ2ー



苗木「くっ……!」

霧切「そこまでよ、苗木くん」

苗木「……霧切さん! どうして、こんなことをするの!?」

霧切「こんなこと、とは?」

苗木「こうやって、未来機関にクーデターを起こしてることについてだよ!?」

霧切「………」

苗木「何で、キミがこんなことーーー」

霧切「すべては、世界を、正しい形に戻すためよ」

霧切「そう、『彼』が、天に立つ、正しい世界へと」

苗木「正しい世界!? 『彼』!?」

苗木「何を言っているんだよ?! 霧切さん!!」

霧切「……苗木くん、あなたも忘れてしまっているのね」

霧切「きっと、あなたも、おかしなアニメを見過ぎたんだわ」

苗木「だから! 何の話をーーー」

霧切「思い出して、苗木くん」

苗木「!」

霧切「人類史上最大最悪の絶望的事件を解決に導けたのもーーー」

霧切「ーーー塔和タワーやジャバウォック島での事件を収束させられたのもーーー」

霧切「ーーー未来機関の同士討ちをくい止め、おかしなアニメから世界を守ることができたのも全部ーーー」



霧切「ーーー葉隠くんのおかげじゃない……!!」



〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜

〜〜




月島「占い料金の支払いについては、こんな感じで良いかな?」

葉隠「いや、流石にそれは……」(世界滅ぶべ)



584 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 01:01:50.00 ID:/l1W7lqoO



ーおまけ3ー



東仙(蝿)「ーーーそして、それがお前か、狛村ーーー」



狛村「………」



東仙(蝿)「ーーーふむ、思っていたよりーーー」



東仙(蝿)「ーーー醜いな」



ゴン太「その言葉はムシできないよ!」



東仙(蝿)&狛村「「………」」



東仙(蝿)&狛村「「………え?」」



ゴン太「ダメだよ虫さん! “ 醜い ” って言葉は、人に向けたら悪口になるんだよ!? 悪口を言うだなんて、紳士として見過ごせないよ!」

田中「その通りだ、剛腕なる蟲の賢者よ! かの人狼は、畜生道に堕ちながらも! 常人と隔たりし我が身を、衆目に晒す存在へと進化を遂げたのだ!」

田中「それも、恐怖に満ちし外界の中で、覇王である我の、破壊神暗黒四天王がごとく!」

田中「ベルゼバブよ! どうして貴様は、人の過去生を持ちながら、かの人狼の勇気ありし心の美しさに気づかぬのだ!?」



東仙(蝿)「………」

狛村「………」



東仙(蝿)「……すまなかったな、狛村、どうやら私は己が言葉に恐怖を宿らせることを怠っていたようだ」

狛村「……あ、ああ、貴公が再び人の心を見れるようになれたのならば、儂はーーー」



檜佐木(ーーーつーか誰だ!? あの二人!?)ガビーンッ



田中「鉄拳断風!」フッ



檜佐木(しかも、消えた!?)ガガーンッ


585 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 01:03:57.98 ID:/l1W7lqoO



ーおまけ4ー



藍染(詐欺師)「やあ、また会えて嬉しいよ、雛森くん」

雛森「藍染隊長! 生きてたんですね!」ダキッ

藍染(詐欺師)「ははっ、急に抱きつかれるとはね」

雛森「ああ、この包容力……! 間違いなく、藍染隊長……!」ポニョポニョ

藍染(詐欺師)「甘えん坊さんだね、雛森くんは……」ナデナデ




…………………………………………………………………………




藍染「……覚えておくと良い、ギン」

ギン「………」



藍染「憧れは、理解から最も遠い感情だよ」



ギン(乱菊は間違えへん、乱菊は間違えへん、乱菊は間違えへん、乱菊は間違えへん、乱菊は間違えへん)ブツブツ


586 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 01:08:02.09 ID:/l1W7lqoO



ーおまけ5ー



一護「……兄貴ってのが、どうして一番最初に生まれてくるか知ってるか……?」

一護「後から生まれてくる……弟や妹を守るためだ!!」




…………………………………………………………………………




TV『兄貴が妹に向かって “ 殺してやる ” なんて……死んでも言うんじゃねェよ!!』



苗木「………」

九頭龍「………」

天海「………」



苗木&九頭龍&天海「「「…………」」」



ガシィッ……!



〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜

〜〜




苗木(あの日、ボクら三人は、希望ヶ峰学園で、黒崎一護ファンクラブを結成した)



苗木(なお、そのあと、朽木白哉のアンチとなり、それから手の平返してファンに転向したりーーー)



苗木(ーーーあの大前田稀千代のファンになったりすることもーーー)



苗木(ーーーあの時のボクらは、まだ知らない)



山田「苗木殿! とうとうオークションに出ましたぞ! 稀千代フィギュア!」

苗木「なんだって!? 今すぐ落札だ!」


587 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 12:28:26.01 ID:1XHrZrSMO
【おまけ・ファイナル】を投下する前に、>>55を修正します。
588 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 12:31:14.24 ID:1XHrZrSMO



モノクマ?「改めて申し上げますが、【奇跡】は、傷を負ったものを神の尺度に交換できる」

モノクマ?「必要量の『想い』を溜め込んだ上で傷つけば、必ず発動します」

モノクマ?「……もちろん、封印された場合では、基本的に【奇跡】が発動することはありません」

モノクマ?「封印は基本的に、『傷つくこと』しては扱われませんから」

モノクマ?「故に、封印は【奇跡】を発動するトリガーとはならないはずでした」

モノクマ?「……しかし、初代霊王は、死神に全身を封印されて世界の楔にされた後に、散々傷つけられました」

モノクマ?「そう、霊王を恐れた死神が、霊王が封印状態にあるのを良いことにーーー」



モノクマ?「ーーー心臓、左腕、右腕などを、えぐって、もいで、切り落とした」



モノクマ?「それらは、全身を封印されたが故に起きたこと」

モノクマ?「そのため、『全身を封印されること』と『傷つくこと』に強い因果関係が結ばれ、双方がほぼ同義であるという風に、霊王の魂の『在り方』そのものに強く刻まれてしまったです」

モノクマ?「そして、その霊王は陛下によって殺され、奪い尽くされ、陛下と一つとなった」

モノクマ?「故に、陛下は『全身を封印されること』をトリガーに【奇跡】を発動することが可能となった」

モノクマ?「その後、実際に『全身を封印されること』をトリガーに【奇跡】が発動してしまったのです」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「……ただし、それでも『全身を封印されること』と『傷つくこと』が完全に同義という扱いではなかったため、【奇跡】は中途半端な形で発動することになった」

モノクマ?「その結果が、『想像』を実現する、 【夢想家】を利用した復活だったわけです」


589 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/28(月) 12:32:52.51 ID:1XHrZrSMO
>>55の内容を>>588の内容に修正します。
590 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/31(木) 02:25:09.24 ID:l+mAL6VyO



ーおまけ・ファイナルー



茶柱(死神ver)「ーーー縛道の四【這縄】!」



ヒュルヒュル……!



ジジ「あははっ、無駄だよーーッ」ヒュンッヒュンッ



茶柱「くっ……!」ザッ



ジジ「基礎スペックが違いすぎーーッ、ボクから斬魄刀を奪い返すなんてムリムリ!」



茶柱(ーーーどうして、こんなことに、なってしまったのでしょう……!)


茶柱(仕事を終えて現世に来たらーーーこの、滅却師に、襲われました……!)


茶柱(それで、突然この人が転子に血をかけようとして来たので、とっさに避けました……)


茶柱(……しかし、少しだけ血が、斬魄刀にかかってしまいーーーそれからどういうわけか、言うこと聞いてくれなくなってしまい、奪われてしまった……!)


茶柱(義魂丸(あの子)は、浦原さんに義骸に入れて貰い、現世の旅館の予約に向かわせたのでここには居らずーーー伝令神機も破壊されたせいで、尸魂界に助けを求めることもできない……!)


茶柱(……現世旅行を楽しむはずが、どうして、こんなことにーーーー)


591 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/31(木) 02:29:27.83 ID:l+mAL6VyO



ジジ「ねえーーッ、どうして、ボクの側に来てくれないのかなーー?」

茶柱「そんなこと、できるはず、ありません! 近づいたら、あなたの血を浴びせるつもりでしょう!」

ジジ「え〜〜? 別に良いじゃん、腕章見るにお姉さん四番隊でしょ? 血なんてケガ人から浴びまくりじゃない?」

茶柱「斬魄刀(その子)は、あなたの血を浴びてからおかしくなりました! その血に何か秘密があるんでしょう!?」



ジジ「……うん、そうだよ」ケロッ



ジジ「ボクの血を浴びるとね、みーんな、ボクのゾンビ、操り人形になっちゃうのーーッ!」



茶柱「!?」



ジジ「だからぁーーッ、死神のお姉さんもーーー」







ジジ「ーーーボクの血を呑んで、ゾンビになって欲しいんだ!」


592 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/31(木) 02:32:48.58 ID:l+mAL6VyO



茶柱「……ふざけないください! そんなバカなことやめて、さっさと斬魄刀を戻して、返してください! そして、二度と転子たちの前に現れないでください!」

ジジ「もーーッ、そんなこと言わないで、お姉さんもボクのゾンビになろうよぉ! バンビちゃんみたいにさ!」

茶柱「ば、ばんび!? 斬魄刀(その子)は、そんな名前じゃありません!」

ジジ「ーーああっ、違うよぉ! バンビちゃんってのは、この斬魄刀のことじゃなくて、ボクの大切なゾンビちゃんナンバーワンなの!」



ジジ「ちなみに、今は、ボクの影の中でスタンバッてる真っ最中ーーッ!」



茶柱「なっ、他にも被害者が……!? というか、影の中や “ ばんび ” って、まさかーーー」

ジジ「バンビちゃんはねー? 能力的に目立つし何よりバカだから、現世じゃ滅多に戦わせられなくってね! 今は影の中で、お腹とお胸に穴を空けて! ボクの血と命令を待ってるんだよぉ!」

茶柱「あ、穴……?」

ジジ「ああっ、バンビちゃん! そんな健気なところも、だい好きだよ! 早くお姉さんと一緒に抱きしめたぁーい!」キュンキュン

茶柱「……っ、!?」

ジジ「お姉さんも、今ここでゾンビになれば、ジジだけじゃなくてバンビちゃんのお友だちになれるよぉ! これは受けるしかないね、うん!」


593 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/31(木) 02:38:08.43 ID:l+mAL6VyO



茶柱「な、なんで、そんなに人をゾンビにしたがるんですか!?」

ジジ「ん〜〜? 今日に関してだけ言うならーーー病気のせいかな〜〜?」

茶柱「はあ!?」

ジジ「あのねー? 実は、なんか地獄から来たっていうマント付けたオチビちゃんがいてさーーッ、ボクにお姉さんの写った写真を渡してきたんだよ〜〜!」

茶柱「……地獄!? 写真!?」

ジジ「そして、そいつが言うには、今日のボクは病気になっていて、それも【今日、渡された写真に写った女死神にイタズラしたくなっちゃう病】なんだって〜〜!」



茶柱「……な、何を言っているんですか!? そんなピンポイント過ぎるバカな病気あるわけないでしょう!」



ジジ「でもねでもね! 実際にイタズラしたくなっちゃったんだよぉ! 何やったのか、いろいろと聞き出そうとしたけどーーーお姉さんの情報が書かれた紙を置いてった後、どっかにドロンしちゃった!」



ジジ「ホント、ムカつくよねーーッ!!」


594 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/31(木) 02:42:42.28 ID:l+mAL6VyO



茶柱「………!」



ジジ「ーーーボクだってムカつくの我慢してるんだから、お姉さんもゾンビになるくらい我慢してよ〜〜?」



茶柱「ふ、ふざけーーー」



ジジ「それにさ〜、ボクがお姉さんをこんなにもゾンビにしたいのは、お姉さんのせいでもあると思うよ〜〜?」

茶柱「なっ、!? 今度は、転子に責任転嫁ですか!?」

ジジ「ボクだってー、誰でもゾンビにしたいわけじゃないんだよ〜? プライベートでゾンビにするなら、お姉さんみたいな、かわいい女の子限定だからね〜〜!」



茶柱「!?!」



ジジ「ーーーかわいい女の子のカラダに、ボクの血が宿って、ボクのコトしか考えられない身重のカラダに変わっちゃう……!」



ジジ「ああ、想像するだけで、ボク濡れちゃうよお……っ!!」ゾクゾクゾクッ



茶柱「〜〜〜〜!?!?」ゾワアーッ…


595 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/31(木) 02:47:26.88 ID:l+mAL6VyO



ジジ「……だからさ、お姉さんもーーー」



茶柱「近寄らないでください! そして、斬魄刀(その子)を返してください!」

茶柱「でなければ、転子は、転子はーーー!」ジワッ



ジジ(……あれー? ひょっとして、これ、なんか時代劇とかでやってる、ベロ噛んで死ぬってやつ?)


ジジ(……う〜ん、このお姉さん死神がガチ死にしたら、いろいろ面倒ゴトになって、リル達に怒られそうなんだよねーーー)


ジジ(ーーーあーあ、せっかくかわいい女の子なのに、もったいないな!)


ジジ(……ホント、どうしよっかなーーー)




茶柱「うっ……ううっ……っ、!!」ウルウル…




ジジ(ーーーもうちょっとだけなら、良いよね〜、うんうん!)キラキラ…




ジジ「ーーーあっ、そうだ!」


596 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/10/31(木) 02:53:11.45 ID:l+mAL6VyO



茶柱「!?」

ジジ「この、ボクの血で濡れたお姉さんの斬魄刀を、神聖滅矢の代わりに、神聖弓で打ち出すってのはどうかな!」ギュイーンッ

茶柱「ゆ、弓……?」

ジジ「お姉さんが大切にしているこの斬魄刀で、お姉さんの大事なトコ、優しく貫いてあげるぅーーッ!」

茶柱「ひっ、!?」ビクッ

ジジ「これならお姉さんの言う通り近づかないし、斬魄刀だって返せちゃう! イッセキニチョーだね!」



ジジ「……これで貫かれたら、お姉さんはめでたくボクのゾンビだよ? あっはぁっ……!」



茶柱「ぐっ……!!」ギリギリッ



ジジ(ああっ、やっぱり、かわいい子だなぁ! よし、あとちょっとだけ遊んでーーーー)


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