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【BLEACH×ロンパV3】キーボ 「砕かれた先にある世界」【後編】
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1 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 21:42:06.43 ID:cZTh89m1O
このSSは、キーボ 「砕かれた先にある世界」【BLEACH】【ロンパV3】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1551624206/ の修正バージョンです。
大まかな話の内容は修正前と同じですが、細かい部分が変わってたりします。
構成としては、主に前編・後編に分かれており、このスレでは後編を投下します。
ちなみに前編はこちら↓
【BLEACH×ロンパV3】キーボ 「砕かれた先にある世界」【前編】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1568030950/
BLEACHとニューダンガンロンパV3のネタバレ及び独自解釈や独自設定があるので、注意をお願いします。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1569933726
2 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 21:56:34.22 ID:cZTh89m1O
ー地獄・最下層ー
ジュウッ〜〜??
???「アッ……アアッ、アアア……」シュウウ〜
朱蓮「……驚いたよ。まさか、これほどまでに仮の死と再生を繰り返しておきながらーーーまだ心を保っていられるとは」
???「アッ、アアッ……」
朱蓮「……なぜ、これほどの痛みを味わっておきながら、心を保っていられるのか?」
朱蓮「それができるだけの精神力……強い怨念を持っているなら話は別だが、そうも見えない」
???「………」
3 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 21:59:22.73 ID:cZTh89m1O
朱蓮「……重罪を犯しているが故に、心砕けて楽になること許されず、クシャナーダの力で強制的に心を保たされていると見るべきかーーー」
朱蓮「ーーーあるいは、情状酌量や更生の余地があると判断されたが故に、心を保つことを許されているのかもしれないね」
???「………?」
朱蓮「……クシャナーダの力で強制的に心を保たせ、地獄の痛みを与え続けることでーーー反省とやらを促しているとも考えられる」
朱蓮「そうして、反省した後は、来世を “ 畜生道 ” に堕とされる代わり、めでたく尸魂界へと解放されるのかもしれない……」
4 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:00:51.34 ID:cZTh89m1O
朱蓮「……まあ、何にせよ、君の存在意義は、退屈しのぎの域を出ないのだがね」
???「………」
朱蓮「そうだろう、物熊?」
5 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:02:18.67 ID:cZTh89m1O
モノクマ?「モノ…クマ…?」
朱蓮「ああ、命無き紛い物のような熊、故に物熊(モノクマ)だ。違うかい?」
モノクマ?「………」
朱蓮「それとも、君は生前の名を覚えているのかな?」
モノクマ?「……?」
朱蓮「どうした? 答えたまえ」
6 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:17:59.36 ID:cZTh89m1O
モノクマ?「……ボクは、■■■■■■■と言ってーーー」
モノクマ?「ーーーえっ、?」
朱蓮「………」
モノクマ?「…… “ ボク ” ?」
モノクマ?「……違う、 “ ボク ” じゃなくてーーーー」
7 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:18:55.50 ID:cZTh89m1O
モノクマ?「ーーーあれ?」
モノクマ?「……ボ、ボク、は、ボクで? でも、ボクじゃ……?」
モノクマ?「?」
モノクマ?「?!?!」
モノクマ?「?!?!?!?!」
8 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:31:06.93 ID:cZTh89m1O
朱蓮「……地獄に落ち、そこで仮の死と再生を繰り返して、異形と化す」
朱蓮「さらには、生前の名を封じられ、記憶を混乱させてしまう……よくあることだ」
モノクマ?「…………」
朱蓮「……まあ、それはそれとして、君に頼みがある」
モノクマ?「たの…み…?」
朱蓮「ああ、地獄から抜け出て黒崎一護と接触する前にーーー念には念を入れて、力の準備運動をしておこうと思ってね……」
朱蓮「そんな中で、未だ仮の死と再生を繰り返し……完全な “ 死 ” を迎えることのない君は、良い準備運動の的になる」
朱蓮「……そう、私にとって、良き退屈しのぎとなるのだよ」
9 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:32:36.32 ID:cZTh89m1O
モノクマ?「………」
朱蓮「……つまりは、そういうことだ」
朱蓮「もう一度、我が炎で焼け死ね、物熊」
10 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:33:36.56 ID:cZTh89m1O
「ーーーそれは貴様の方だ、朱蓮」
11 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:34:36.45 ID:cZTh89m1O
朱蓮「……なんだ、君は? 私の邪魔をーーーー」
「ーーー卍解」
12 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:36:48.23 ID:cZTh89m1O
「【残火の太刀】」
13 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:37:47.67 ID:cZTh89m1O
ジュッッッ!!!
朱蓮「がっ、!??!」
ボオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッ!!!!
14 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 22:39:43.66 ID:cZTh89m1O
「…………」
モノクマ?「……あ、ああ……!!」
「遅くなったな、■■■、よ……」
モノクマ?「そんな、どうして、あなたがここに……?」
「…………」
モノクマ?「お答えください!」
モノクマ?「ユーハバッハ陛下!」
ユーハバッハ「…………」
15 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 21:51:26.09 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「……知れたことだ」
ユーハバッハ「【幸運によって救われた命は、同量の不運によって取り払われる】」
モノクマ?「………」
ユーハバッハ「故に、あの三人は、処刑を免れ、現世へ旅立ちーーー」
モノクマ?「………!!?」
ユーハバッハ「ーーー私は死に絶え、こうして地獄の鎖に囚われることになった」ジャラッ…
ユーハバッハ「……それだけのことに過ぎぬ」
16 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 21:52:37.72 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「そう…なんですか…」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「詳しい事情はわかりませんがーーー陛下も死んでしまったんですね……」
ユーハバッハ「……そうだ」
17 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 21:54:06.86 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……申し訳ありませんでした! ユーハバッハ陛下!」ペコッ!
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「ボクは! こともあろうに! 陛下から任された、偉大なる『プロジェクト』を!!」
モノクマ?「この手で、ぶっ潰してしまいましたあああああああ!!!」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「全てこちらの不手際が原因です!!!」
モノクマ?「本当に、申し訳ありませんでしたああああああああああああああ!!!!」
18 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 21:54:57.22 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「………」スッ
モノクマ?「………」ビクッ
……ポンッ
モノクマ?「……へ?」キョトン
ユーハバッハ「……よくやった、我が腹心よ」ナデナデ
モノクマ?「!?」
ユーハバッハ「お前の働きに感謝しよう」
19 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 21:55:57.71 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「えっ、?」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「えっ、えっ、えっ、?」
モノクマ?「ええっ??」
20 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 21:57:05.81 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?(嘘でしょ…そんな…)
モノクマ?(あの陛下が、ボクに……こんな、こんなーーー)
ユーハバッハ「……不思議か? 私のやることとは思えんか?」
21 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 21:58:28.32 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「えっ、あっ……」
ユーハバッハ「確かに、私は今まで、犠牲をもって、恐怖を与え続けてきた」
ユーハバッハ「……そうして、お前が住んでいた世界の『在り方』を、歪め続けていた」
モノクマ?「………」
ユーハバッハ「……しかし、それは、恐怖で『人』を育てーーー我が理想の実現を早めるためだ」
ユーハバッハ「世には、恐怖から逃れるため、飛躍的な成長を遂げることのできる、『選ばれし者』が存在する」
ユーハバッハ「……恐怖から逃げきれず、身を滅ぼしてしまう者ばかりでは無いのだ」
ユーハバッハ「だからこそ、『選ばれし者』の見る夢は、悪夢ほど素晴らしい」
22 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 21:59:47.94 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「だが、それはもう、必要無い」
ユーハバッハ「……我が理想が実現したからでは無い」
ユーハバッハ「もはや、理想を実現すること叶わぬからだ」
モノクマ?「………」
ユーハバッハ「……地獄に落ちた者は、尸魂界には行けぬ運命にある」
ユーハバッハ「己が魂の『在り方』を貫く限り、決して、な」
ユーハバッハ「……理想を叶えることはもはや【不可能】、ならば、恐怖を与える意味は無い」
ユーハバッハ「お前は、思うがままに、休んで良いのだ」
モノクマ?「陛下……」
23 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:01:16.54 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「故に、お前を称えよう」
モノクマ?「………」
ユーハバッハ「お前の働きとその存在に、心から感謝する」
ユーハバッハ「本当に、よくやった」
24 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:02:45.37 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……で、でも、ボクはーーー」
ユーハバッハ「ーーーお前は、人の遊戯に疎い私を、懸命に支えてくれたではないか」
モノクマ?「………」
ユーハバッハ「……それに加え、 “ 最後の計画 ” の途中、私は眠りについていた」
モノクマ?「……え、ええ、まあ……」
ユーハバッハ「それは、私の中の『有り余る力』を制御するため……月に一度、平均して約九日間の眠りにつく必要があったからだ」
25 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:06:16.79 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「……我が半身(ハッシュヴァルト)が存命ならば、違う道もあっただろう」
ユーハバッハ「定期的に『力』を入れ替え、負担を減らし、短時間での制御も可能だったろうがーーー」
ユーハバッハ「ーーーその『未来』は、斬り刻まれた」
ユーハバッハ「……我が半身に【聖別】による “ 死 ” を与えーーーあり得たはずの『未来』を黒く塗り潰し、斬り刻んだのだ」
モノクマ?「………」
ユーハバッハ「未来は姿を無くし……闇に消えた」
ユーハバッハ「それは、結果として、お前にいらぬ負担をかけることになった」
ユーハバッハ「……私にお前を責めることなど、できるはずが無い」
26 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:06:55.30 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「……もう一度言おう」
モノクマ?「………」
ユーハバッハ「よくやった」
27 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:12:30.76 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「陛下……本当に、申し訳ありませんでした!」
モノクマ?「そして、ありがとうございます! 本当に光栄です……!」
ユーハバッハ「……それは何よりだ」
モノクマ?「ううっ……!」グスッ
ユーハバッハ「ーーーだが、もう一つ、果たさねばならぬことがある」
28 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:13:13.93 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……?」
ユーハバッハ「お前は常々言っていたな、私のことを詳しく知りたいと」
モノクマ?「………」
ユーハバッハ「今こそ、お前の『願い』、叶えよう」
モノクマ?「陛下ーーー」
ユーハバッハ「ーーーゆくぞ」
29 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:13:56.50 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「【残火の太刀】【南】」
ユーハバッハ「【火火十万億死大葬陣】」
30 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:15:50.00 ID:o7i7C/xYO
ズズズズズズズズズズズズズズズズ……
モノクマ?「……え?」キョトン
ユーハバッハ「………」
ズズズズズズズズズズズズズズズズ……ユラアッ
ザイドリッツ「………」
アルゴラ「………」
ヒューベルト「………」
ドリスコール「………」
モノクマ?「……ええっ、!?」ガビーンッ
31 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:16:37.89 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……な、なんなんですか!? この人たちーーー」
朱蓮「………」ユラアッ
モノクマ?「ーーー!?」
モノクマ?「こ、この人、まさか、さっきの人……!?」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「何が、どうなってーーーー」
32 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:17:49.21 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「……そう、怖れずとも良い。この亡者の群れがお前に危害を加えることは無いのだからな」
モノクマ?「は、はあ……?」
ユーハバッハ「そして、今回、用があるのは二人だけだ」
モノクマ?「……二人?」
ユラアッ……
ザエルアポロ「………」
アーロニーロ「………」
ユーハバッハ「眼を欺け、ザエルアポロ・グランツ」
33 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:18:43.34 ID:o7i7C/xYO
ザエルアポロ「………」コクンッ
バサァッ……
モノクマ?「……?」
モノクマ?(……何、アレ? パッと見、黒い布みたいだけど……)
ザエルアポロ「………」スッ…
ズザザッ……ドロッ……
……ドババッ……!!
……ビキーンッ!!
モノクマ?「え?」
ビキーンッ……ビキビキ……!!
モノクマ?「……!?」
ユーハバッハ「……私は、いま【結界】を構築した」
34 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:20:48.58 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……はい?」
ユーハバッハ「……地獄の底に満ちた、哀れな『砂粒』ーーー」
ユーハバッハ「ーーーそれらを、ザエルアポロの『発明品』で溶かし、【結界】として再構築した」
モノクマ?「………!」
ザエルアポロ「………」
ユーハバッハ「……『黒衣』を媒介とすれば、簡単なことだ」
ユーハバッハ「【結界】は『黒衣』と同様、限定的な迷彩機能があり、内部の我等は周囲の景色に紛れることになる」
ユーハバッハ「しばらくの間ーーーこれで誰も我等を見ることはできぬ」
モノクマ?「あっ、なるほど、そういう……」
35 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:22:39.07 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「……次はお前だ、アーロニーロ・アルルエリ」
アーロニーロ「………」
モノクマ?(……ん? よく見たらこの人、頭がカプセルみたいにーーー)
ユーハバッハ「【認識同期】」
アーロニーロ「」コクンッ
モノクマ?「え?」
アーロニーロ「………」スッ
……キュイーンッッ!!!
36 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:23:46.56 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……がっ、!?」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「ごげが、!? がぎぐげ?! がっ、ががっ、!!??」
モノクマ?「ごぐがー!!?? ぎげぎごが、が、が、がーーー!???」
ユーハバッハ「………」スッ
アーロニーロ「………」
ザエルアポロ「………」
ザイドリッツ「………」
アルゴラ「………」
ヒューベルト「………」
ドリスコール「………」
朱蓮「………」
……ヒュウンッ
37 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:24:38.20 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「私が、霊王より生まれ落ち……一護に殺されるまでの記憶を渡した」
ユーハバッハ「……気分はどうだ」
モノクマ?「……そんなの、そんなのーーー」
モノクマ?「ーーー最高に、『絶望的』ですよ!!」
ユーハバッハ「………」
38 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:26:31.69 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……【霊王】!? 【全知全能】!? 【未来改変】!?」
モノクマ?「どれもこれも、未知で、予想もつかなかったことばかり! どこぞのライトもビックリです!」
モノクマ?「ありがとうございます、陛下! こんな、すごいことを教えて頂いて!」
ユーハバッハ「……それは何よりだ」
39 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:27:13.82 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「ーーーですが、気になったことがあります」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「なぜ、死神代行……黒崎一護に殺された後の記憶を、植え付けて頂けなかったのでしょうか?」
モノクマ?「殺された後から、地獄に落ちるまでの情報がありませんけど」
40 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:28:40.93 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「……【認識同期】で伝達できる情報量には限りがある」
モノクマ?「………」
ユーハバッハ「連続で伝達することも困難だ」
ユーハバッハ「故に、後は私の口から直接伝えるとしよう」
41 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:30:44.26 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……いえ、陛下のお手、いや、お口を煩わせるまでもありません」
ユーハバッハ「……まさか、お前はーーー」
モノクマ?「ーーーはい、陛下からの “ 情報 ” で、だいたい何があったかは推理できました」
ユーハバッハ「…………ほう、この一瞬でか」
モノクマ?「ええ……そして、それは、さっき陛下がボクに『元気』をくれたからです」
モノクマ?「そう……『感謝の御言葉』と『頭ナデナデ』さえあればーーーボクはなんだってできちゃいますよ!」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「ーーーただ、正しいかどうか答え合わせがしたいので、どうかボクの推理を聞いては頂けないでしょうか、陛下?」
42 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:31:55.10 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「ーーー面白い」
ユーハバッハ「面白いぞ」
ユーハバッハ「流石は私が腹心に選んだだけはある」
モノクマ?「それではーーー」パアッー
ユーハバッハ「ああ、許可しよう」
ユーハバッハ「私の過去を推理してみせよ」
43 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:32:46.02 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……よっしゃあ! 陛下からのお墨付きキター!」
モノクマ?「さっそく、推理パートに入らせて頂きます!」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「ーーーただ、ここは、わかりやすく、三つののステージに分けて、推理させて頂きますね」
44 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:34:02.75 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「……三つか」
モノクマ?「ええ、今回、推理しなければならない謎は、以下の三つとなります」
モノクマ?「一つ、【なぜ黒崎一護に殺されたはずの陛下が生きているのか?】」
モノクマ?「二つ、【生き延びてから何をしていたのか?】」
モノクマ?「三つ、【なぜ地獄に落ちたのか?】」
モノクマ?「これらについて推理させて頂きます」ババンッ
45 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 22:36:25.38 ID:o7i7C/xYO
ーーーーーー地獄推理・開始!ーーーーーー
46 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 23:01:34.36 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「えー、それでは、まずは一つ目の謎について推理させて頂きますね」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「一つ目の謎、【なぜ黒崎一護に殺されたはずの陛下が生きているか】についてですがーーー」
モノクマ?「ーーー【奇跡】のおかげですね?」
ユーハバッハ「………」
47 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 23:03:32.28 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「陛下は、『霊王を奪い尽くす能力』を持っていました」
モノクマ?「事実として、陛下は霊王宮を攻め落とした後、初代霊王を奪い尽くしました」
モノクマ?「……【霊王の心臓】である【奇跡】さえも、部下であるジェラルド・ヴァルキリーから奪い尽くしました」
モノクマ?「故に、陛下は【奇跡】を扱えたはずです」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「【奇跡】は、傷を負ったものを、神の尺度(サイズ)に交換ーーー」
モノクマ?「ーーーすなわち、『どんなにボロボロでもパワーアップした状態で復活できる力』です」
モノクマ?「死後でも、傷ついたのなら、復活することが可能でしょう」
モノクマ?「……というか、それ以前に、死んだ状態でも扱えた『力』なんて【奇跡】くらいのものですから」
モノクマ?「他は、石田雨竜の【静止の銀】による弱体化の影響が残留して、使用が困難な状態にありましたからね」
モノクマ?「不可能を可能にする【奇跡】以外に、復活する方法はなかったってわけです」
ユーハバッハ「………」
48 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 23:04:46.35 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「もちろん、【奇跡】発動のためには、民衆の『想い』を集める必要がありますがーーー」
モノクマ?「ーーー陛下は、戦争を起こしたことによって、あらゆる負の感情を、死神達から向けられていました」
モノクマ?「それを思えば、黒崎一護に斬られた直後に急いで、負の感情……すなわち『想い』を、集めること自体はできたはずです」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「……まあ、理想を言えば、部下から【奇跡】を奪った後、すぐにでも『想い』を集めるべきだったのでしょうがーーー」
モノクマ?「ーーー【奇跡】は【霊王の心臓】でもある以上、【全知全能】との併用は困難ですからね。基本的にどちらか片方しか使用できません……」
モノクマ?「……それを思えば、すぐに『想い』を集めることはできなかったってわけです」
ユーハバッハ「………」
49 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 23:06:37.37 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「【全知全能】は、未来を視て、それをだいたい『望んだ通りのもの』に改変することが、可能であるもののーーー」
モノクマ?「ーーー【全知全能】以外の “ 霊王の力 ” が使用されている状況の未来を視る場合、その精度が落ちてしまうという弱点がある」
モノクマ?「故に、【霊王の心臓】で『想い』を集めてしまったら、そうしている間の未来映像の質が落ちる」
モノクマ?「また、そうしている間の未来……他者が “ 霊王の力 ” を使用していれば、未来視の精度がさらに落ちることになる」
モノクマ?「それでは、【霊王の心臓】で必要量の『想い』を集めている途中のタイミングで殺されることになった場合ーーーそれを改変できない可能性が高い」
モノクマ?「だからこそ陛下は、黒崎一護に斬られて致命傷を負い、【全知全能】が使えなくなった後……唯一使える【奇跡】で『想い』を集め、死後に形にした」
モノクマ?「そうでしょう、陛下ーーー」
ユーハバッハ「ーーーそれには異議があるな」
50 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 23:07:58.09 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「ーーーえっ、?」
ユーハバッハ「……お前の言う通りだったとすれば、なぜ世界は今の形を保っている?」
ユーハバッハ「霊王を吸収した私を、新たな霊王……世界の楔としなければ、次元の壁が破壊されてしまう」
ユーハバッハ「そうなれば、今頃は、死と生の混じり合った世界となっているはずだ」
モノクマ?「あー……」
ユーハバッハ「その上で、どうやって世界を、今の形に保たせているというのだ?」
51 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 23:09:39.52 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……えー、はい。それは、【奇跡】だけで復活したわけではないからですね」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「……陛下は【奇跡】で、『死んだ状態でも【夢想家】を発動できる御体』に進化したんです」
52 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 23:12:16.33 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「【夢想家】は、グレミィ・トゥミューの『能力』であり、陛下の『魂のカケラ』を与えられたことで、目覚めさせたもの」
モノクマ?「グレミィは死神に敗北して死にましたがーーーグレミィに与えられた『魂のカケラ』は自動的に陛下の元まで戻り、回収される仕組みです」
モノクマ?「そうやって、回収された『魂のカケラ』を通じて、グレミィが目覚めさせた【夢想家】は陛下のものとなった」
モノクマ?「故に、陛下は【夢想家】を扱えたはずです」
モノクマ?「……【夢想家】は、『想像した大抵の物質や事象を、現実にできる力』」
モノクマ?「それを用いて、もう一人の陛下を創造する形で、復活することにした」
ユーハバッハ「………」
53 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 23:14:15.09 ID:o7i7C/xYO
モノクマ?「……そのために、【奇跡】で、『死んだ状態でも【夢想家】を発動できる御体』に進化した」
モノクマ?「【夢想家】の発動には、『想像』が必要となりますがーーーそれは死の間際に抱いていた『無念』の一部を、『想像』の代わりとして使用すれば済むことです」
モノクマ?「その『無念』には、【もし自分が勝って生き残っていたら】【自分の手で理想の世界を創造できたのに】という『想い』が込められていたはずですし、実際にそうしている自分の御姿だって『想像』していたことでしょう」
モノクマ?「そうした『想像』……残留思念の一部を糧にすれば、死後であっても【夢想家】を発動し、もう一人の自分を創造することも可能なはず」
モノクマ?「【奇跡】でブースト発動されている状態にあるのであれば、尚更」
ユーハバッハ「………」
モノクマ?「……何はともあれ、【夢想家】を【奇跡】でブースト発動したことによって、陛下をもう一人だけ存在させることが可能となった」
モノクマ?「それが今の陛下であり、かつての陛下は霊王となり、世界を支えることになった」
モノクマ?「違い、ますか?」
54 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/21(月) 23:15:46.57 ID:o7i7C/xYO
ユーハバッハ「……なぜ、そのような遠回りをする必要がある?」
ユーハバッハ「【奇跡】だけで復活すれば済む話ではないか」
モノクマ?「それは、【奇跡】の発動の仕方が普通ではなかったからですよ」
モノクマ?「今回のケースでは、零番隊の和尚によって、『全身を封印されること』をトリガーに【奇跡】が発動した」
モノクマ?「そのため、遠回りな復活になってしまったんです」
ユーハバッハ「………」
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