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【BLEACH×ロンパV3】キーボ 「砕かれた先にある世界」【前編】
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487 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 09:50:51.68 ID:h3Y4QDXJO
キーボ「……もちろん、場合によっては、そうした行為に手を染めねばならない時もあるでしょう」
キーボ「……神さまの存在を盾に、誰かの人生を搾取したりーーー」
キーボ「ーーー人の首を集めまわる人物がいたのであれば、ボクは全身全霊を込めて破壊することでしょう……」
真宮寺「………」
キーボ「……しかし、アンジーさんは違う」
キーボ「アンジーさんが、それも過去と向き合い、生前のことを振り返ったアンジーさんが、そうした行為に手を染めるはずがない」
キーボ「……仮に、それをしているのならば、あの空鶴さん達に気づかれないとは思えない」
キーボ「そして、空鶴さん達に気づかれているのなら、空鶴さんの元に、未だアンジーさんがいられるはずがない。既に罪人として、死神の管理する施設に拘束されているはずです」
キーボ「それらの事実を考慮すれば、今のアンジーさんは、何もしていない」
キーボ「ならば、ボクに、ボクらに、アンジーさんの神さまを全否定する権利などない」
キーボ「そうでしょう?」
488 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 09:53:05.01 ID:h3Y4QDXJO
真宮寺「……その通りだと思うヨ」
真宮寺「その言葉は、王馬君達の主張と同じだ」
真宮寺「彼らと同じことを話してくれて、僕は本当に嬉しいヨ」
キーボ「………」
真宮寺「……彼らは、たった一つしかないとされる真実が、どういった結末を生み出すか知っている」
真宮寺「それを知っている彼らが、誰かの命がかかっているわけでもない状況でーーー」
真宮寺「ーーー誰かが傷つくわけでもない状況で、不用意に神さまを全否定するような言葉を放つはずがなかった」
真宮寺「そして、それは君もまた同じ」
キーボ「………」
真宮寺「……君が彼らと同じで、夜長さんと向き合うに足る存在で、僕は本当に嬉しいヨ」
489 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 09:54:09.03 ID:h3Y4QDXJO
キーボ「ーーーそうは言っても、まだ、どうしてもわからないことが残っているんですけどね……」
真宮寺「……?」
490 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 09:54:59.52 ID:h3Y4QDXJO
キーボ「……そもそも、なぜ、アンジーさんは瀞霊廷に住めないのでしょうか?」
491 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 09:57:52.23 ID:h3Y4QDXJO
真宮寺「………」
キーボ「……入間さんの【パワーセンサー】に反応した以上、アンジーさんには霊力があるはずです」
キーボ「しかし、瀞霊廷に住むことはできない」
キーボ「住めるのであれば、流魂街に留まっていないでしょうし……こうして空鶴さんのお世話になることもなかったでしょうから」
キーボ「ならば、瀞霊廷に住めない、相応の理由があるはずです」
真宮寺「………」
キーボ「……教えてください、真宮寺クン」
キーボ「これは、アンジーさんと向き合うために必要な情報なんです」
キーボ「不用意なことを言わないようにするためにも、知識が必要なんです」
キーボ「どうか、教えてくれませんか……?」
キーボ「真宮寺クン……!」
492 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 09:58:51.57 ID:h3Y4QDXJO
真宮寺「…………」
493 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 10:00:20.59 ID:h3Y4QDXJO
真宮寺「……わかった。教えるヨ」
キーボ「!」
真宮寺「どうして、夜長さんが瀞霊廷に住むことができないのか?」
真宮寺「その理由を、ネ」
キーボ「……お願いします!」
494 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 10:02:19.23 ID:h3Y4QDXJO
真宮寺「……実は言うと、夜長さんは瀞霊廷に住める条件を満たしている」
キーボ「!」
真宮寺「夜長さんは君の言う通り霊力を持っているし、僕と違って失われることもなく、今も保たれ続けている」
真宮寺「手続き上は、住むことが可能なはずだヨ」
495 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 10:03:02.22 ID:h3Y4QDXJO
キーボ「……それなら、どうしてーーー」
真宮寺「それは、夜長さんの霊力の形に問題があるからサ」
キーボ「……形……?」
真宮寺「……夜長さん、彼女はーーーー」
496 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 10:03:47.74 ID:h3Y4QDXJO
真宮寺「ーーー滅却師(クインシー)だ」
497 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 13:30:34.19 ID:uI7ZOlQMO
キーボ「……クインシー?」
真宮寺「……滅却師とは、種族単位で特殊な霊力を宿すに至ったーーー人間の突然変異種のことサ」
キーボ「ーーー!!?」
真宮寺「突然変異種である滅却師は、DNAレベルで特殊な霊力を宿している」
真宮寺「その霊力の強さによっては、生前の時点から、幽霊を見ることもできるしーーー」
真宮寺「ーーー霊子を操作することも可能だという話だ」
498 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 13:33:35.04 ID:uI7ZOlQMO
キーボ「……霊子を操作?」
真宮寺「……まァ、念動力のような力で霊子を集めて、弓矢のような武器を構築したりだとかーーーそういうことができると思ってくれれば良いヨ」
キーボ「えっ、いや、しかし、アンジーさんにそんな力はーーー」
真宮寺「そうだネ。夜長さんは昔も今もそんな力は一切扱えない」
キーボ「………」
真宮寺「……もっとも、夜長さんの場合は、種族としては滅却師でも、滅却師として育てられていたわけではないようだからネ」
真宮寺「滅却師としての、鍛錬もしていない」
真宮寺「それでは、霊力や霊圧の質が滅却師というだけの人間の魂魄でしかない」
真宮寺「故に、夜長さんに滅却師の力が扱えないのは当然だヨ」
499 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 13:39:09.71 ID:uI7ZOlQMO
キーボ「……鍛錬が必要なんですね」
真宮寺「そう、滅却師がその力を扱うためには、滅却師の力をコントロールする鍛錬をしなければならないんだ」
真宮寺「もっとも、純血の滅却師は、そのあまりに強い霊力のおかげか、鍛錬せずとも一部の力を行使できるみたいだけどーーー」
真宮寺「ーーー夜長さんは、通常の人間との混血のようでネ……」
キーボ「………」
真宮寺「……混血の滅却師は、通常の人間の血が混じっている分だけ、霊力の強さは抑え気味になる傾向にあるらしくてネ。そのため、鍛錬抜きで滅却師の力を扱うなんて、まず不可能」
真宮寺「そして、夜長さんが滅却師として育てられていたわけではないということは、鍛錬を一切していないことになる」
真宮寺「それは、今も同じ」
キーボ「………」
真宮寺「……夜長さんは、その鍛錬をするために、 “ どうにか瀞霊廷の図書館などを利用して鍛錬の仕方を調べられないか ” とも思ったようだけれどーーー」
真宮寺「ーーーそういった情報が記載された文献は、死神や貴族以外が閲覧することを禁止されているという話でネ。結局、鍛錬は諦めざるを得なかったのサ」
500 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 13:41:18.98 ID:uI7ZOlQMO
キーボ「……それで、アンジーさんがそのクインシーだったとして、いったい何が問題なんですか?」
真宮寺「……滅却師が、死神と相容れない種族だから、かな?」
キーボ「……どういうことですか?」
真宮寺「……滅却師はDNAレベルで霊力を宿している人間で、当然その魂魄も霊力を宿している」
真宮寺「そして、霊力ある魂魄は、悪霊に襲われやすい」
真宮寺「だから、滅却師が身を守るためには、霊子を操作する力で悪霊を倒す必要があるのだけれどーーーそれを死神が受け入れるわけにはいかないんだ」
キーボ「……?」
真宮寺「……滅却師は、その力で悪霊に攻撃すると、悪霊の魂魄が崩壊して、消滅してしまう」
キーボ「消滅……」
真宮寺「そう、昇華ではなく、消滅」
真宮寺「故に、その魂魄が、尸魂界に送られることはない……」
キーボ「なっーーー」
真宮寺「だけど、そんなことをすれば、その魂魄は救われないしーーー」
真宮寺「ーーーそれに加えて、現世と尸魂界にある魂魄の全体量が減少し、世界のバランスを崩してしまう」
キーボ「………」
真宮寺「滅却師が身を守るための行動が、魂魄の救済を妨げ、世界のバランスを崩してしまうことになるんだ」
501 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 13:45:10.54 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「故に、滅却師と死神は永きに渡り、対立を続けていた」
真宮寺「その結果、死神は滅却師と三度、戦争をすることになった」
キーボ「戦争……」
真宮寺「そう、戦争」
真宮寺「身もふたもないことを言えば、殺し合いだネ」
キーボ「………」
真宮寺「……前に、死神とは、 “ 生きている人を殺して、無理やりあの世に連れて行く ” ような存在ではないと説明したけどーーー」
真宮寺「ーーーそれはあくまでも、 “ 現在の死神が、生者を積極的に殺害することを目的とした集団ではない ” という意味で言ったこと」
真宮寺「相手が自分達にとって、害となるのであれば、例外的にその命を奪う選択をすることもある……」
真宮寺「……時には、肉体だけでなく、その魂魄ごと、ネ」
キーボ「…………」
502 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 13:51:28.93 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……そうした殺し合い、戦争は、とても残酷なものだ」
真宮寺「中でも、十年近く前、 “ ユーハバッハ ” という滅却師の王が引き起こした戦争は、相当凄惨なものだったようでネ」
真宮寺「 “ 見えざる帝国 ” という、霊体に進化した滅却師の群勢が、瀞霊廷の中にまで侵攻しーーー護廷十三隊の死神の約半数を、殺害するに至ったそうだ」
キーボ「………!!?」
キーボ「ま、待ってください!!」
キーボ「瀞霊廷……赤松さん達は、盤石なセキュリティで守られているんじゃーーー」
真宮寺「当時は、瀞霊壁と遮魂膜の性能が現在ほど高くなかったらしい」
真宮寺「また、瀞霊廷の門番達も、まだ特殊な結界霊術を扱いきれなかったとのことだ」
キーボ「結界霊術……?」
真宮寺「……僕も詳しくは知らないんだけどーーー現在は門番達の霊圧などを媒介に、特殊な結界霊術が常時発動されているようでネ」
真宮寺「無意識に発動されし “ 見えない結界 ” が、瀞霊廷やその付近を覆い、特殊な形で守っているらしいんだ……」
キーボ「………」
503 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 13:55:10.67 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……亡くなった死神達とその関係者の名誉のためにも言っておくけどーーー別に当時のセキュリティが脆弱だったわけじゃない」
真宮寺「当時の瀞霊壁や遮魂膜だって、大概のものなら決して通さなかったしーーー」
真宮寺「ーーー瀞霊廷への不法侵入を試みる者が現れた時には、まるでそれを予知していたかのように、瀞霊壁は降り注いだ」
真宮寺「不法侵入されるより前のタイミングで、必ずと言っていいほど空から降り注ぎーーーその壁の効力で、門以外からの侵入をほとんど阻止し守ってくれた」
真宮寺「門を任された門番達だって、大概の相手ならば一撃で倒していたという話だ」
キーボ「………」
真宮寺「……ただ、滅却師が何枚か上手で、僅かな隙を突かれてしまった」
真宮寺「それだけのことに過ぎないのサ……」
504 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 13:57:14.40 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……そうして僅かな隙を突かれた結果、滅却師の群勢が瀞霊廷の中にまで侵攻してしまった」
キーボ「………」
真宮寺「……もっとも、それは、死神達によって返り討ちにしたもののーーーそれでも被害が甚大なことに変わりはない」
真宮寺「かつての護廷十三隊のトップ……総隊長を殺され、その副官を含め、最終的には約半数もの死神を殺されるに至った……」
キーボ「…………」
真宮寺「……そうした前代未聞の大被害は、人手不足など多数の問題を生み出し、今も死神達に多大な影響を与えているんだ」
505 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:02:00.39 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……もちろん、今では、多少は人手も回復しているし、セキュリティもより盤石と呼べる状態に昇華されている」
キーボ「………」
真宮寺「……ただ、どんなに頑張って外側を埋め直したとしても、人の心まで同じように直るとは限らない」
真宮寺「戦争でつけられた心の傷は未だ残っており……油断すれば、傷口から負の感情が吹き出してしまいそうになる」
506 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:04:45.77 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「そう、仲間を、大切な人を奪われる……取り返しのつかない痛み……」
真宮寺「……そうした痛みが、死神の心から強い恐怖と憎しみを生じさせることになった」
キーボ「………」
真宮寺「….…そうして生まれた感情は、今だけではなくこれからも強く残り続けるだろう」
真宮寺「死神の寿命が長い以上、そうなるのが自然だ」
真宮寺「そうしたこともあってか、夜長さんと僕、他のみんなが尸魂界に辿り着いたばかりの時、大勢の死神に囲まれた」
真宮寺「その時の僕は冷静じゃなかったから具体的には覚えていないけどーーー星君が言うには、死神から相当の憎悪を感じたそうだヨ」
キーボ「………」
507 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:06:10.85 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「そう、死神達は、それほどまでの憎悪……いや、あらゆる負の感情を、滅却師に抱いてしまっている」
真宮寺「そんな中で滅却師が瀞霊廷に住んだりしたらーーーいつ嬲り殺しにされてもおかしくはない」
キーボ「………」
真宮寺「たとえ、滅却師であることを黙っていても同じこと」
真宮寺「滅却師は存在するだけで滅却師としての霊力や霊圧を発生させてしまうし、死神はそうしたものを見分ける感知能力を有しているのだから」
キーボ「………」
真宮寺「そうした状況で、滅却師である夜長さんが瀞霊廷に住めばどうなるか?」
真宮寺「死神達の近くにいれば、何が起きてしまうか?」
真宮寺「……想像に難くない話サ」
508 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:07:48.76 ID:uI7ZOlQMO
キーボ「……戦争をしたのは、そのクインシーの人達でアンジーさんではないでしょうに……」
真宮寺「……そうだネ」
キーボ「それに、クインシーとしての力を扱えないアンジーさんに、悪霊を消滅させたり、死神を殺したりなんて、できるはずがないのに……」
真宮寺「……君の言う通りだと思うヨ」
真宮寺「夜長さんは、そういったことはしていない」
真宮寺「だから、死神が夜長さんに危害を加えるような真似をすれば、その死神は自分達の法で厳重に罰せられるというリスクを背負うことになるはずだ」
真宮寺「きっと、いや間違いなく、死神の力と称号を剥奪され、名実共に死神でいられなくなるだろうネ」
キーボ「………」
509 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:09:17.10 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「夜長さんに危害を加えるだなんて、大間違いも良いところだと思うけどーーー」
真宮寺「ーーー死神の全てが、己が恐怖や憎しみを御しきれるとは限らないしーーー」
真宮寺「ーーーなにより、人は、間違いを犯す存在だ」
真宮寺「時には、間違いをも超える……大間違いに手を染めることもある……」
キーボ「………」
真宮寺「……どんなにルールで縛り付けられてもそれを破り……程度の差はあれ、人を傷つける者がいるように、ネ」
キーボ「…………その通りですね」
510 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:10:15.91 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……人によっては、死神であることを捨ててでも、大間違いに手を染めるかもしれない……」
真宮寺「……目の前に恐怖、憎しみの対象が存在するとなれば、尚更……」
キーボ「………」
真宮寺「……よほどの人格者、あるいは、 “ 間違わないよう、支えてくれる誰か ” を持つ者であれば、目の前の恐怖や憎しみにも対抗できるかもしれない」
真宮寺「だけど、世界は必ずしも、そんな存在ばかりではない……」
キーボ「………」
511 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:12:28.82 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……もちろん、夜長さんは、種族が滅却師というだけで、恐怖や憎しみの対象となるようなことはしていない」
真宮寺「だけど、人は、対象と同一性があるというだけで、関係のない誰かに対しても同様の感情を抱いてしまうこともある」
真宮寺「故に、人によっては、滅却師である夜長さんは恐怖や憎しみの対象となってしまうかもしれない」
キーボ「………」
真宮寺「……人が罪を犯せば、その当人だけでなく、その家族まで恐怖され、憎まれることがあるように」
真宮寺「一つの種族が殺人などの罪を犯せばーーーそれと同じ種族の全てが、まるで同罪かのように扱われてしまいかねないんだ」
キーボ「………」
512 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:14:03.07 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「そして、恐怖や憎しみ……負の感情は、人を苦しめる」
真宮寺「そうした苦しみから目を逸らし、苦しみを感じることから逃げ出したくもなる」
真宮寺「そうやって逃げ出したい気持ちに駆られておかしくなってしまえばーーー恐怖や憎しみの対象となる存在に、暴言を吐くこともあり得る」
キーボ「………」
真宮寺「【暴言を吐いて追い詰めて】【対象を “ 死 ” に近づければ】ーーー」
真宮寺「ーーー【そうやって近づけた分だけ】【自分の気持ちは晴れるだろう】……」
真宮寺「……【我が身の安全は保障され】【苦しみは消えるだろう】….…」
真宮寺「……そんな間違った認識をしてーーーその認識のままに、大間違いを犯してしまうこともあり得る」
真宮寺「それが、人という存在でもあるんだヨ」
キーボ「………」
513 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:15:50.72 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……あァ、断っておくけど、夜長さんは、これまで死神から危害を加えられたことはないからネ?」
キーボ「……わかってます」
キーボ「キミがアンジーさんの前で死神の話をしていたことから考えるにーーーアンジーさんは、死神から感情のままに暴言を吐かれたりなど、危害を加えられたことはないのでしょう」
キーボ「そうでもなければ、キミは、アンジーさんの前で、死神の話をするだなんて、できなかったでしょうから」
真宮寺「………」
キーボ「それに、ボクらが再会したばかりの時、アンジーさんが外を出歩いていたことから考えてーーーアンジーさんの行動範囲に出向いている死神は、人格者ばかりなのでしょう」
キーボ「ただ、それでも、アンジーさんはクインシーであり、その事実は、アンジーさんの心に不満を生じさせてしまう」
キーボ「……瀞霊廷に住めないという、不満を」
真宮寺「………」
キーボ「……そういうこと、なのでしょう」
514 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:18:25.04 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……そうだネ」
真宮寺「夜長さんは、滅却師だった」
真宮寺「そしてそれは、死神の管理する尸魂界において、デメリットの塊だった」
真宮寺「この辺りでは、まともな扱いをされてはいるけれどーーーそれ以外の場所では、どう扱われるかわからない」
キーボ「………」
真宮寺「滅却師であることのメリット……特別な力を持っているということを活かし、その力を鍛えて自らを誇ることもできない」
真宮寺「それに加えて、霊力ある身でありながら、死神全体の感情の問題から、瀞霊廷に住むこともできない」
真宮寺「どんな力も、それを御しきれないのならば、本人にとっては何の意味もない」
真宮寺「夜長さんが置かれている状況は、その証明であるとも言える」
真宮寺「……たとえ、自分がどんなにすごい超能力を持っているかもしれなくても、実際に超能力を扱えなければ、その超能力はないも同然ーーー」
真宮寺「ーーーいや、夜長さんの場合、完全になかった方がまだメリットがある」
真宮寺「完全になければ、瀞霊廷に出入りするくらいは普通にできただろうからネ……」
515 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:20:12.40 ID:uI7ZOlQMO
キーボ「……だからこそ、アンジーさんは、ああなってしまったわけですね」
真宮寺「……そうだネ」
真宮寺「滅却師という、自分にはよくわからないことを理由に、世界の管理者である死神から睨まれるという現実」
真宮寺「そのせいで、瀞霊廷に住めず、輪廻転生から逃れられないという現実」
真宮寺「神さまの声を生前のように聞くことが叶わず、才能を行使できないという現実」
真宮寺「そんな残酷な状況下で、いつ転生を迎えるかわからないという現実」
真宮寺「そうして、いずれ、今の自分が終わり、 “ 死 ” を迎えることになるという現実」
真宮寺「……それらの現実は、夜長さんにとって、あまりにあまりだった」
516 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:21:39.65 ID:uI7ZOlQMO
キーボ「……故に、アンジーさんは、死の恐怖を抑えるために、深く繋がれる誰かを求めーーー」
キーボ「ーーーそれが叶わなくなったと感じ、ああなってしまった……」
517 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:23:09.77 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……解決し難い、根深い問題だヨ」
真宮寺「生前の……今までの常識が通用しない世界に突如として放り込まれ、上手く適応することができない……」
真宮寺「さらには、瀞霊廷という誰もが憧れる世界に住むことも叶わず……生まれ変わりを待って生きるしかない」
真宮寺「そうして、 “ 死 ” に、怯え続けることになる」
真宮寺「それも、生前に抱いていた信仰を揺るがされ、生前に最も信頼していた相手(神さま)と語らうこともできずに、ネ….…」
キーボ「………」
518 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:24:39.17 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……そうした一面を切り取ってみれば、程度の差はあれ、この尸魂界では当たり前のように起きていることでもあるけれどーーー」
真宮寺「ーーーだからこそ、解決の目処が立たない、根深い問題でもあるのサ」
真宮寺「決して、目を逸らしてはいけない程に、ネ」
キーボ「………」
519 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:25:52.52 ID:uI7ZOlQMO
真宮寺「……ねェ、キーボ君?」
キーボ「………」
真宮寺「君はこの問題とーーー」
真宮寺「ーーー夜長さんと、どう向き合うつもりなんだい?」
520 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/09/30(月) 14:26:59.65 ID:uI7ZOlQMO
キーボ「………」
キーボ「…………」
キーボ「………………」
キーボ「……………………」
ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー
521 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 21:46:18.41 ID:cZTh89m1O
これで前編は終了です。下記の次スレから後編に突入します。
【BLEACH×ロンパV3】キーボ 「砕かれた先にある世界」【後編】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1569933726/
よろしければお読みください。
522 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 21:52:48.00 ID:cZTh89m1O
真宮寺「……あァ、断っておくけど、夜長さんは、これまで死神から危害を加えられたことはないからネ?」
キーボ「……わかっています」
キーボ「キミがアンジーさんの前で死神の話をしていたことから考えるにーーーアンジーさんは、死神から感情のままに暴言を吐かれたりなど、危害を加えられたことはないのでしょう」
キーボ「そうでもなければ、キミは、アンジーさんの前で、死神の話をするだなんて、できなかったでしょうから」
真宮寺「………」
キーボ「それに、ボクらが再会したばかりの時、アンジーさんが外を出歩いていましたからね」
キーボ「そのことから考えて……アンジーさんの行動範囲に出向いている死神は、よほど負の感情を抑えるのに長けた人達かーーー」
キーボ「ーーーあるいは、アンジーさんと十年前のクインシーを完全に区別できる、そんなサッパリした人達ばかりなのでしょう」
真宮寺「………」
キーボ「ただ、それでも、アンジーさんはクインシーであり、その事実はアンジーさんの心に不安や不満を生じさせてしまう」
キーボ「……クインシーというイレギュラーな身の上で、死神の世界を生きるしかないという不安を」
キーボ「……霊力があるのに瀞霊廷に住むこと叶わず、いつ生まれ変わることになるか、わからないという不満を」
キーボ「生じさせて、しまう」
真宮寺「………」
キーボ「……そういうこと、なのでしょう」
523 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/01(火) 21:54:20.12 ID:cZTh89m1O
>>513
を
>>522
に差し替えます。
また、後で同じように、他の部分を差し替えるかもしれません。なので、このスレは埋め立てないようにお願いします。
それでは次スレで。
524 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/03(木) 18:07:57.46 ID:mG1LC3nJO
キーボ「……なんですか、それらは?」
真宮寺「まず、瀞霊壁についてだけどーーー瀞霊廷の外側を取り囲む巨大な壁のことサ」
真宮寺「その壁は、本来、霊王宮を取り囲んでいるんだけどーーー」
真宮寺「ーーー瀞霊廷への不法侵入を試みる者が現れた場合などに限り、地上まで降って瀞霊廷を囲み、侵入を防いでくれるんだ」
キーボ「!?」
真宮寺「……たとえ、空間転移を悪用して不法侵入を試みようとも、光の速度で不法侵入を試みようともーーー」
真宮寺「ーーー瀞霊壁はそれらを何らかの方法で察知し、自らを地上へと降り注がせるそうだ」
真宮寺「……不思議なことに、侵入が完了する前に地上に到達する」
真宮寺「そして、その壁の機能によって、瀞霊廷外部からの空間転移などは阻害されーーー超スピードなどによる侵入さえも不可能にしてくれるんだ」
キーボ「?!?!?」
真宮寺「……あァ、もちろん、不法侵入以外の場合でも、瀞霊壁は降り注ぐ」
真宮寺「瀞霊廷に危機が迫っている時ーーーあるいは、ここしばらくのように、瀞霊壁が地上でも機能するか、入念な定期チェックを行う場合などに限りーーー」
真宮寺「ーーー必ず降って、瀞霊廷を取り囲んでくれるんだヨ」
キーボ「…………ち、ちょ、ちょっと待ってください!?!」
キーボ「……た、確か、霊王宮の下には、七十二以上の障壁があるのではーーー」
真宮寺「大丈夫。瀞霊壁が降る場合、霊王様の御力で自動的に障壁などを透過するようになっているから」
キーボ「……!!?」
真宮寺「……もっとも、障壁を破壊することなく地上まで届けられるかは、体調次第らしいけどーーー」
真宮寺「ーーー現在、霊王様の体調が急激に悪化することはないらしくてネ。それ故に、どんな時もオートで可能とされている」
真宮寺「まァ、いくらか制限はあるようだけどーーーそれに引っかからなければ、万物を透過する力を一時的に付与するくらいは、可能らしい」
525 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/03(木) 18:11:18.46 ID:mG1LC3nJO
>>286
を
>>524
に差し替えます。
……もう、あまり差し替えはしたくないのですが、個人的にどうしても許容できない部分があったので。差し替えさせて頂きます。
すみません。
526 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/22(火) 23:11:42.44 ID:Lvdsr++LO
真宮寺「……いや、まァ、正確には、現世でも多かれ少なかれ超常現象は起こり得るんだけどネ。霊子は現世にもあるわけだからサ」
真宮寺「だけど、それらのものを、現世に生きる大多数が見て記憶することは “ 基本的に ” 無理だ」
真宮寺「霊子やそれによって引き起こされる超常現象を、認識しきれないのが現状なんだヨ」
アンジー「………」
真宮寺「……もちろん、【生前の時点から相応の霊力を持ち】【その影響で霊子などを】【ある程度知覚可能になっている】などといった状況にあれば話は別だ」
真宮寺「でも、そういうケースはとても少ないしーーー」
真宮寺「ーーーもしも、【なんらかの理由で】【本来霊力を持たない人達でも】【霊子などを知覚できる状況にあった】としても、それらを記憶し続けることはできないだろうネ」
キーボ「!?」
真宮寺「……死神が、混乱防止のため、別の記憶に書き換えてしまうだろうからサ」
真宮寺「記換神機(きかんしんき)と呼ばれる記憶操作技術を使って、ネ」
キーボ「………!」
真宮寺「だから、現世では、霊子やそれによる超常現象を、当たり前のものとされていない」
真宮寺「……もちろん、知らないもの、目に見えないものに対して、想像を働かせることはできるだろうけどーーー」
真宮寺「ーーー全容を知り、記憶する術を持たない以上、自分達の想像が実状と一致しているかどうか、死ぬまで確かめることはできない……」
真宮寺「……そう、実際に死を迎えて魂だけの状態になり、死の側の存在とならない限り、確かめることは不可能」
キーボ「………」
真宮寺「……多くの人達は、霊子やそれによる現象を、死ぬまで当たり前のものとして認識できない運命にあるのサ……」
527 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/22(火) 23:14:14.32 ID:Lvdsr++LO
>>251
の内容を
>>526
の内容に修正します。
528 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/25(金) 16:54:05.57 ID:mgyLMstaO
キーボ「……もちろん、場合によっては、そうした行為に手を染めねばならない時もあるでしょう」
キーボ「……もしも現在、神さまの存在を盾に、誰かの人生を搾取したりーーー」
キーボ「ーーー人の首を集めまわる、とんでもない人物がいるのであれば、ボクは全身全霊を込めて破壊することでしょう……」
真宮寺「………」
キーボ「……しかし、アンジーさんは違う」
キーボ「アンジーさんが、それも過去と向き合い、生前のことを振り返ったアンジーさんが、神さまを盾に、とんでもないことをするはずがない」
キーボ「……仮に、それをしているのならば、あの空鶴さん達に気づかれないとは思えない」
キーボ「そして、空鶴さん達に気づかれているのなら、この家に、未だアンジーさんがいられるはずがない。既に罪人として、死神の管理する施設に拘束されているはずです」
キーボ「それらの事実を考慮すれば、今のアンジーさんは、何もしていない」
キーボ「ならば、ボクに、ボクらに、アンジーさんの神さまを全否定する権利などない」
キーボ「そうでしょう?」
529 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/10/25(金) 16:56:38.36 ID:mgyLMstaO
>>487
を
>>528
の内容に修正します。
530 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/03(日) 13:08:10.96 ID:D/3mEdeRO
真宮寺「……その通りだと思うヨ」
真宮寺「その言葉は、王馬君達の主張と同じだ」
真宮寺「彼らと同じことを話してくれて、僕は本当に嬉しいヨ」
キーボ「………」
真宮寺「……彼らは、たった一つしかないとされる真実が、どういった結末を生み出すか知っている」
真宮寺「それを知っている彼らが、神さまを全否定するはずがなかった」
真宮寺「……自分や他の誰かの命がかかっているような状況であれば、話も変わるだろうけどーーー少なくとも、現在はそうじゃない……」
真宮寺「……もちろん、個人の主義主張、心情的な理由などもあり、【神さまには従えない】【神さまに頼ることはできない】などと述べてはいたけどーーー」
キーボ「……っ、!!」
真宮寺「ーーーだけど、それでも、夜長さん本人を見守っている神さま……その存在を丸ごと否定することはなかったんだ」
真宮寺「……そんな彼らは、【キーボ君達がここに来たら】【自分達と同じように考え】【決して神さまを、全否定することはないだろう】とも言っていた」
キーボ「!」
真宮寺「彼らが、キーボ君に向けた信頼……やはりそれは間違いじゃなかった……」
真宮寺「君が彼らと同じで、夜長さんと向き合うに足る存在で……僕は本当に嬉しいヨ」
531 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/03(日) 13:10:10.98 ID:D/3mEdeRO
>>488
を
>>530
の内容に修正します。
532 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/03(日) 13:19:34.04 ID:D/3mEdeRO
キーボ「……そうは言っても、まだ、どうしてもわからないことが、二つ残っているんですけどね……」
真宮寺「……?」
キーボ「……まず、一つ目ですがーーーそれはキミの言動についてです」
真宮寺「!」
キーボ「……この世界でのキミの言動ーーーそれは、生前に暴露した “ あれ ” と比較して……信頼できるものではあります」
キーボ「ですが、それでも、思い返してみるとーーーいくらか無神経な部分が見受けられたように思います」
真宮寺「………」
キーボ「……いや、ボクもあまり、とやかく言えた身ではありませんがーーーそれでも、この世界でのキミの言動には、どこかおかしなところがあった」
キーボ「キミは当時のボクと違って、アンジーさんの精神が不安定な状態にあることを知っていたはずで……その理由も理解していたはずです」
キーボ「しかし、それにしては、言動にいくらか無神経な部分があったように思えるのですがーーー」
真宮寺「ーーーそれは、僕のミスだネ」
キーボ「………」
真宮寺「……それ以外に、答えようがない」
真宮寺「……どこがどういけなかったのか? 後で教えてくれると、助かるヨ……」
キーボ「…………わかりました。後でお教えします。これからは、ボクと一緒に、気をつけあっていきましょう」
真宮寺「………」
キーボ「……そして、最後、二つ目にわからない部分についてですがーーーー」
533 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/03(日) 13:22:31.99 ID:D/3mEdeRO
>>489
を
>>532
の内容に修正します。
534 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/06(水) 22:27:28.64 ID:MBqHbLacO
アンジー「……転子なら大丈夫だと思うよー?」
キーボ「……アンジーさん?」
アンジー「……転子は、すごい子だからねー」
アンジー「そんな転子なら……守りたい女の子のため、どんなことだってできちゃうよー!」
535 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/06(水) 22:28:11.27 ID:MBqHbLacO
>>334
を
>>534
の内容に修正します。
536 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/06(水) 22:49:17.33 ID:MBqHbLacO
キーボ「…………そう、でしたか…………」
アンジー(……あー、やっぱり、謝らないんだねー、キーボ。きのうやおととい、言ったこと……)
アンジー(……もう、神さまに頼る気はない。従う主がいないーーー)
アンジー(ーーーそうした言葉を……キーボは謝らない)
キーボ「………」
アンジー(……まあ、そうなるよねー……)
アンジー(…… “ キーボたちは ” 、アンジーの神さまに頼ってーーーそのために、アンジーを、止められなかった)
アンジー(……だから、アンジーは、こうしてーーー)
アンジー(ーーーそれを思えば、キーボは、もう神さまにーーー)
アンジー(ーーーその選択を、謝るなんて……キーボには、できなかったんだ……)
アンジー(……だって、そんなことをしたら、アンジーはーーー)
キーボ「………」
アンジー(ーーーうん、この話、これ以上はヤメだね。イヤな気持ちが、酷くなる)
アンジー(……それに、いまはもっと前向きでいかないとー……!)
アンジー(……そうだよ。せっかく、キーボがアンジーのところまで来てくれたんだからさー!)
アンジー(……だったら、アンジーは、もっともっと、キーボにーーー)
アンジー(ーーーアンジーの、気持ちをーーーー)
537 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/06(水) 22:50:53.68 ID:MBqHbLacO
>>411
を
>>536
の内容に修正します。
538 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/07(木) 20:26:00.81 ID:N3Dty6MdO
キーボ「……別の、神さまーーー」
キーボ「ーーーその存在を、ボクが頼りにすることは、ないでしょう……」
アンジー「………」
キーボ「……なぜなら、ボクはーーー」
キーボ「ーーー神さまに、頼ることが……できません、から……」
539 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/07(木) 20:26:47.61 ID:N3Dty6MdO
>>393
を
>>538
の内容に修正します。
540 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/07(木) 23:03:56.80 ID:N3Dty6MdO
ごめんなさい。
>>530
と
>>531
はミスでした。なかったことにしてください。
541 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/07(木) 23:08:46.85 ID:N3Dty6MdO
真宮寺「……その通りだと思うヨ」
真宮寺「その言葉は、王馬君達の主張と同じだ」
真宮寺「彼らと同じことを話してくれて、僕は本当に嬉しいヨ」
キーボ「………」
真宮寺「……彼らは、たった一つしかないとされる真実が、どういった結末を生み出すか知っている」
真宮寺「それを知っている彼らが、神さまを全否定するはずがなかった」
真宮寺「……誰かの命がかかっている状況なら、話も変わるだろうけどーーー少なくとも、現在はそうじゃない……」
真宮寺「……無論、個人の主義主張……あるいは、経験上の…………理由によりーーー」
真宮寺「ーーー【神さまには従えない】【神さまに頼ることはできない】ーーー」
キーボ「!」
真宮寺「ーーー彼らもまた、そう述べざるを、得なかった…………」
キーボ「っ、!!」
真宮寺「……だけど、それでも、夜長さん本人を見守っている神さま……その存在を丸ごと否定することはなかったんだ」
真宮寺「……そんな彼らは、【キーボ君達がここに来たら】【自分達と同じように考え】【決して神さまを、全否定することはないだろう】とも言っていた」
キーボ「!!!」
真宮寺「彼らが、キーボ君に向けた信頼……やはりそれは間違いじゃなかった……」
真宮寺「君が彼らと同じで、夜長さんと向き合うに足る存在で……僕は本当に嬉しいヨ」
542 :
◆02/1zAmSVg
[saga]:2019/11/07(木) 23:11:07.38 ID:N3Dty6MdO
>>488
の内容を
>>541
の内容に改めて修正します。
こっちが正しい修正内容です。
>>530
と
>>531
はミスなので、なかったことにしてください。
本当に申し訳ありません。
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