【BLEACH×ロンパV3】キーボ 「砕かれた先にある世界」【前編】

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1 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:09:10.91 ID:Jp5iERLWO



このSSは、キーボ 「砕かれた先にある世界」【BLEACH】【ロンパV3】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1551624206/ の修正バージョンです。

大まかな話の内容は修正前と同じですが、細かい部分が変わってたりします。

構成としては、主に前編・後編に分かれており、このスレでは前編を投下します。

BLEACHとニューダンガンロンパV3のネタバレ及び独自解釈や独自設定があるので、注意をお願いします。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1568030950
2 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:14:35.55 ID:Jp5iERLWO



ー尸魂界・流魂街ー



キーボ「………」




ガヤガヤ……ワイワイ……




キーボ「…………」




ガヤガヤ……ワイワイ……




キーボ「……なんなんですか、ここは?」



3 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:17:10.90 ID:Jp5iERLWO



キーボ(……落ち着きましょう。まずは現状の把握からです)




ガヤガヤッ……ザワッ……




キーボ(……周囲の建造物や人の服装から見るに、ここは平安もしくは江戸時代の日本を再現したテーマパークか何かでしょうか?)




ザワザワッ……




キーボ(……ですが、なぜ、そのようなところに、ボクがいるのでしょう)




ヒソヒソッ……ヒソヒソ……




キーボ(そもそも、ボクは確かーーーー)



4 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:19:11.76 ID:Jp5iERLWO




「……あれれ? そこにいるの、ひょっとして、キーボ?」




キーボ「………っ、!?」




「……うん、キーボ君で間違いなさそうだネ」




キーボ「!??」




キーボ「……え? え? え?」




キーボ「ち、ちょっと待ってください! まさかキミ達はーーーー」



5 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:21:47.37 ID:Jp5iERLWO



アンジー(和服ver)「キーボ! 久しぶりー!」ダキッ

キーボ「アンジーさん!?」



真宮寺(和服ver)「……まさか、ここで、それも君と再会することになるとはネ……」



キーボ「真宮寺クン!?」



アンジー「……うんうん! このゴテゴテヒヤヒヤした鉄のカラダと服ーーーやっぱり、キーボだー!」ナデナデ



6 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:26:05.83 ID:mqKwt4SvO



キーボ(……ま、間違いない! 服装は浴衣のような着物に変わっているもののーーー紛れもなくボクの知るアンジーさんと真宮寺クン!)




キーボ「……で、ですが、どうして、キミ達が……!?」



アンジー「………」

真宮寺「………」



キーボ「キミ達は、何日以上も前に、既に……!」


7 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:28:13.85 ID:mqKwt4SvO



真宮寺「……それはーーー」



アンジー「……あのよー、あの世ー、ここが死後の世界だからなのだー!」



キーボ「……し、死後の世界!?」



真宮寺「……そういうことになるネ」



アンジー「………」



真宮寺「……ようこそ、尸魂界(ソウル・ソサエティ)へ」


8 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:31:06.02 ID:mqKwt4SvO



キーボ「……そ、ソウル・ソサエティ?」

真宮寺「この死後の世界は、そう呼ばれているヨ」

キーボ「……そ、そもそも、死後の世界だなんて、そんなーーー」

真宮寺「そうでもなければ、僕達が再会するなんてあり得ない話だと思うけどネ」

真宮寺「というか、君もここに来ている以上、死後の世界に来る心当たりくらいあるんじゃないかな?」

キーボ「……あっ、いや、それは……」

真宮寺「……それが、ここが死後の世界であるという証拠だヨ」

キーボ「っ、」


9 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:32:56.68 ID:mqKwt4SvO



アンジー「……ところでー、キーボ、整理券はー?」

キーボ「……はい?」

アンジー「だからー、しにがみから貰った整理券はー、どこー?」

キーボ「……死神? 整理券? アンジーさんは何を言っているんですか?」



真宮寺「……一応確認しておくけど、君は死神から何も説明を受けていないーーー」



真宮寺「ーーーそういうことで、良いのかな?」


10 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:36:10.54 ID:mqKwt4SvO



キーボ「……いや、説明も何もボクは気づいたらここにいてーーーそれに、死神って、いったい何の話をーーー」

真宮寺「……仕方がないネ。代わりに僕から説明させて貰うとするヨ」

キーボ「えっ、?」

真宮寺「本来なら死神に任せる話ではあるけれど、君には借りがあるし……それに君が死神と接触するとややこしくなりそうだからネ」

キーボ「はっ、? いや、でも……」

アンジー「キーボ? ここは、是清の言う通りにするべきだよー? 神さまもきっとそう言ってるよー?」

キーボ「あっ、えっと、その……」

アンジー「とりあえず、家までレッツゴーだよー!」

真宮寺「そうだネ。それにこの流魂街(ルコンがい)だと君は目立つし、こっちに来た方が良いヨ」

キーボ「うっ、あっーーーー」



ーーーーーーーーーー


ーーーーーー


ーーーー


ーー



11 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:40:54.03 ID:mqKwt4SvO



ー流魂街・志波家の屋敷ー



スタスタ……



キーボ(……言われるがまま、引かれるがままについてきてしまいました……)


真宮寺「………」



アンジー「えっほー、ほいさー」トテトテ



ガチャッ……ギイイッ……



キーボ「……どこなんですか、ここは? 屋敷の地下のようですが」

真宮寺「……ここは、【志波家】の屋敷。僕と夜長さんが世話になっているところだヨ」バタンッ

キーボ「志波家? 世話?」

アンジー「そうだよー! アンジーと是清は、この家に居候させて貰っているのだー!」


12 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:43:17.54 ID:mqKwt4SvO



キーボ「……えっ……」

真宮寺「………」

アンジー「……どうしたー、キーボ?」

キーボ「……あっ、いや、その……」



アンジー「………」







キーボ「……平気、なんですか?」



13 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:44:58.25 ID:mqKwt4SvO



アンジー「……にゃはははー、大丈夫だよー」



キーボ「………」



真宮寺「………」



アンジー「……ここは、死後の世界なんだよー?」

アンジー「…… “ もう意味はない ” 、そうでしょー?」



キーボ「……それは、そうですがーーー」



真宮寺「……それに、この世界の住民から聞いたのサ」



14 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:47:17.50 ID:mqKwt4SvO



キーボ「……何をですか?」

真宮寺「僕が執心していた “ あの人 ” のことを……」



キーボ「……その人が、どうかしたんですか?」



真宮寺「…… “ あの人 ” は、とうの昔に生まれ変わっていたそうだヨ」



キーボ「………!?!」



真宮寺「……あれは、幻だった」

真宮寺「そういうこと、だったんだろうネ……」



キーボ「………」

アンジー「………」



真宮寺「今では何も、聞こえはしないヨ……」



15 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:48:55.90 ID:mqKwt4SvO



真宮寺「……たとえ、このマスクの、チャックを開いたとしてもーーー」スッ



キーボ「………」



真宮寺「ーーーもはや何も、聞こえはしないんだヨ」


16 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:51:01.37 ID:mqKwt4SvO



キーボ(…… “ あの人 ” は、実在していた?)


キーボ(……いや、絶対に、あり得ない話とは言いきれませんね)


キーボ(そう、“ 元々 ” 有していた血縁関係ーーー)




真宮寺「………」




キーボ(ーーーそうです。 “ 元々 ” 有していた血縁関係だとすれば、あり得ない話ではない……)



17 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:52:59.22 ID:mqKwt4SvO



アンジー「ーーーとにかく、もう大丈夫だからー」

キーボ「……ですがーーー」

アンジー「ーーーそれに、何かあったら、空鶴(くうかく)と岩鷲(ガンジュ)達が黙ってないからねー!」

キーボ「……?」

キーボ「それは、ひょっとして、人の名前ですか?」

真宮寺「……そうだネ。この屋敷の主とその弟さんの名前だヨ」

キーボ「………」

真宮寺「もし、妙な真似をすれば、彼女達が黙っていない」

真宮寺「彼女達は抑止力……その力の前では、何もできない……」



18 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:54:46.71 ID:mqKwt4SvO



キーボ「………」



真宮寺「……それに、そんなに心配なら、君の目で確かめて見れば良いんじゃないかな?」

真宮寺「空鶴さん達が帰ってきた、その時に」

真宮寺「抑止力になり得るかどうかを」



キーボ「……そうですね」

キーボ「……とりあえず、今は、ボクがキミを見ていることにしますよ」



真宮寺「……うん、それがいいネ……」



アンジー「………」



19 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 21:56:51.72 ID:mqKwt4SvO



真宮寺「ーーーそれで話を戻すけど、僕達のいるこの部屋は、志波家の屋敷の一室、僕の部屋として使わせて貰っている空間サ」

キーボ「………」

真宮寺「……キーボ君、いろいろと混乱しているとは思うけど、まずは僕達のいるこの世界が死後の世界であるということーーー」



真宮寺「ーーーそのことを、しっかりと受け入れて貰うヨ」



キーボ「……死後の世界……」

真宮寺「そう、この世界は、尸魂界と言ってネ。紛れもない、正真正銘の、死後の世界なんだヨ」

キーボ「………」

真宮寺「現世……あァ、僕達がいた世界のことだけどーーーそこで死んだ人の魂が尸魂界に送られてくるのサ」

アンジー「一部を除いてねー!」



キーボ「……にわかには信じがたい話ですがーーーこうして、お二人と会ってしまうと、信じざるを得ませんね」



20 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 22:00:00.32 ID:mqKwt4SvO



アンジー「……アンジーねー! キーボには、本当にビックリしたよー!」

キーボ「……ビックリですか」

真宮寺「まァ、回覧板を渡しに行ったら、帰り際に生前の知り合いと……それもキーボ君と再会したわけだからネ……」

アンジー「本当の本当にビックリー!」

アンジー「どわー、って! おわー、って!」

キーボ「いや、そんなリアクションはしていなかったはずですが」

真宮寺「……夜長さんの反応はともかく、機械文明の産物が死後の世界に迎えられるという事実ーーー」







真宮寺「ーーーそれには、僕としても、驚愕せざるを得ないヨ」



21 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 22:02:42.19 ID:mqKwt4SvO



キーボ「……死後の世界でもロボット差別を受けるとは……そっちの方が驚きですよ」

真宮寺「……ンー、差別する意図はなかったんだけどネ」

キーボ「どういう意味ですか?」

真宮寺「君は機械文明の産物でありながら、死後の世界に逝けるだけの器……魂魄を持っていた」

真宮寺「それだけ人に近いロボットもそうはいない。むしろ貴重な存在であることを誇るべきだと思うヨ」



アンジー「……うんうん! 是清の言う通りだよー、キーボ!」

キーボ「アンジーさん……」

アンジー「キーボは、『人』に近い、『すごいもの』だった……」

アンジー「……もっと、そのことを喜んでも罰は当たらないよー! にゃはははー!」



キーボ「………」



真宮寺「ーーーそう、君は尸魂界の迷いを振り切って、こうしてやってくることができた存在だ」



真宮寺「それは、充分に誇るに値することだと思うヨ」



22 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 22:04:21.77 ID:mqKwt4SvO



キーボ「……はい?」



アンジー「………」



キーボ「迷う?」



真宮寺「………」



キーボ「それは、どういう意味ですか?」



23 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 22:07:27.52 ID:mqKwt4SvO



真宮寺「……それを話す前に、一応確認しておくけどサ」

真宮寺「さっき会ったばかりの君の発言から推測するにーーー君の認識では、僕達と何ヶ月かぶりに再会したわけではない……」



真宮寺「……そうだよネ?」



キーボ「? え、ええ……そうですけど……?」



キーボ「それが、何かーーー」



アンジー「うーん、不思議ミラクルだねー?」



アンジー「……アンジーたちは、二ヶ月ぶり、なのにー!」



24 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 22:09:09.50 ID:mqKwt4SvO



キーボ「ーーーなっ、二ヶ月!?」

真宮寺「そう、今日は、夜長さんと僕が尸魂界に来てから約二ヶ月となる」

真宮寺「その時に、君は来たんだ」

キーボ「そんな……あれから二ヶ月も経っているはずが……」

真宮寺「でも、実際に二ヶ月という時間が経過している」

真宮寺「それは確かな事実だ」

キーボ「……!」

真宮寺「そして、君はこの世界の管理者から、この世界の説明を受けていない」

真宮寺「つまり、夜長さんと僕のように、魂魄を説明会場に送られたわけではないことになる」

真宮寺「……事実として、君の認識では、死んだ後は、さっきのあの場所に直接魂魄を送られたんでしョ?」

真宮寺「気づいた時には、さっきの、あの場所にいたんだよネ?」



キーボ「………」



アンジー「なんでだろー? なんでだろー?」



25 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 22:11:02.27 ID:mqKwt4SvO



真宮寺「……死後の世界も迷っていた、ということなんだろうネ」

真宮寺「キーボ君を受け入れるべきかどうかを」



キーボ「………」



真宮寺「だから、魂魄の移動に時間がかかり、死者が住む街にいきなり送られることになった」

真宮寺「そうした不具合が起きてしまったんだろうネ」



26 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 22:12:44.62 ID:mqKwt4SvO



キーボ「……世界が迷うだなんて、そんなことがあり得るんですか?」

真宮寺「……世界が、ある意味での生物だとすれば、あり得ない話ではないと思うヨ」

真宮寺「生物の免疫機能が、受け入れても良い菌と悪い菌の判断に迷うなんて、よく言われる話だからネ」

キーボ「ちょっと! ボクを菌と一緒にしないでください!」

真宮寺「……ごめんネ。菌は生物と無機物の中間って言うから、つい、ネ……」

キーボ「王馬クンみたいなこと言わないでください! 流石にロボット差別でーーー」







キーボ「ーーーえっ、?」



27 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 22:14:08.37 ID:mqKwt4SvO



真宮寺「……どうしたんだい、キーボ君? 急に止まってしまって?」

アンジー「ひょっとしてー、ガソリンが切れちゃったりー?」

キーボ「……違いますよ! そもそもボクのエネルギー源はガソリンじゃありません!」

キーボ「ーーーって、そんなことより、ここが死後の世界ってことはーーー」







キーボ「ーーー王馬クン達、他のみなさんもいるんですか!?」


28 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/09/09(月) 22:17:53.23 ID:mqKwt4SvO



真宮寺「………」



アンジー「……そうだねー。キーボの言う通りだよー」



キーボ「!?」



アンジー「……いるのは、小吉だけじゃないよー?」



アンジー「蘭太郎も、転子も、解斗も、ゴン太も、楓も、斬美も、竜馬も、美兎もーーー」



アンジー「ーーーみんな、尸魂界(こっち)にーーー」



キーボ「どこですか!?」



アンジー「えっ、?」



キーボ「みなさんは、どこにいるんですか!?」



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