真姫「初恋」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/06(金) 20:49:23.47 ID:1ybxVNRI0
ゴーン ゴーンとウェディングベルが鳴り響く。

慣れないドレスを着ているから転ばない様に慎重に歩いている。

私は今日、結婚する。

もちろん、最愛の人と。

そう言えば、あの告白から何年経ったのだろうか。もう遠い昔。とても懐かしく感じる。






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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/06(金) 20:57:02.82 ID:1ybxVNRI0
私の初恋は高校生の時だった。

真姫「好きなの」

にこ「は?」

真姫「にこちゃんの事が好きなの」

皮肉屋な私がストレートに気持ちを伝えた。

にこ「えっと…。それは友達としてって事?」

真姫「違う」

にこ「あっ!部活の仲間として!」

真姫「それも違う」

にこ「先輩として?」

真姫「そう言う事じゃない。恋愛対象として。にこちゃんと恋人同士になりたいって。そう言う好きよ」

誤魔化さずにちゃんと私は思いを伝えた。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/06(金) 21:06:50.01 ID:1ybxVNRI0
にこ「あの…からかってんの?」

真姫「ううん」

にこ「いや…からかってるんでしょ?あっ!分かった!希でしょ!希のしょーもないイタズラに付き合って」

真姫「違う。希は関係ないわ」

にこ「じゃあ何なのよ?」

真姫「何度も言ってるじゃない。好きだって」

にこ「だって…今までそんな素振り見せた事ないじゃない。だいたい、私は女で…あんたも女の子で…このご時世で別にそう言うのに理解がないって訳では…真姫は…そう言う事なの?」

真姫「違う。そんなのどうだっていいの。同性だからどうとか…そんなのはどうでもいいの。私はにこちゃんだから好きなの。にこちゃんだから…」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/06(金) 21:30:35.22 ID:1ybxVNRI0
にこ「そんな…だって…」

真姫「気づかれない様にしてたわ。告白してもしダメだったらもう友達同士には戻れないでしょ?なんて…告白のタイミングでそんな事を言うのは卑怯よね」

にこ「どうして…今なのよ?」

真姫「にこちゃんが卒業して一年目。ただ寂しいだけだと思った。いつも一緒に居たからって。でも、それは違うとすぐに気がついたの。だって、日を追う事に胸の痛みは増すばかりなんだもん」

にこちゃんは俯いたまま何も喋らない。

真姫「経験のない私でも流石に気がつくわ。この感情は普通じゃないって。だから二年目、にこちゃんに告白するって決めたの。けど、なかなか勇気が出なかった」

にこ「だから…今日なのね」

真姫「うん。明日、私は卒業するから」

にこ「気持ちにケジメをつけ様って」

真姫「違う。ケジメとかそんなカッコいい事じゃない。ただ、好きな人と恋人になりたい。それだけ」

にこ「そう」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/06(金) 21:42:07.39 ID:1ybxVNRI0
真姫「にこちゃんの笑顔が好き。夢に一生懸命に所もカッコよくて好き。たまに優しい所も好き。声も顔も全部。ちょっとズルイ所も見栄っ張りな所も。にこちゃんの全てが好き」

にこ「真姫…」

真姫「好きよ、にこちゃん。世界で一番大好きです。私と結婚を前提にお付き合いして下さい」

にこ「ありがとう。凄く嬉しいわ」

真姫「じゃあ」

にこ「私も真姫の事は好きよ。けど、私が好きな真姫は友達の真姫で。恋人としての真姫じゃないの。だから……ごめんなさい」

真姫「うん。何となく分かってた」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/06(金) 21:57:09.56 ID:1ybxVNRI0
一人きりで歩く道すがら。偶然なのか友人と出くわした。彼女は何かを察したのか、何も言わず寄り添う様に歩いてくれた。

真姫「いつだか…何かの本で読んだ事があるの。初恋は実らないものだって。けど、それは決して無駄なんかではなくて…人生を豊かにしてくれるんだって…だから、これは…悲しい事なんかじゃないのよ」

私の言葉に優しく頷く。

真姫「あ〜あ〜振られちゃったな。………うわぁぁぁぁん」

私の初恋はこうして幕を下ろした。

7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/06(金) 22:07:51.56 ID:1ybxVNRI0
ゴーン ゴーン

ウェディングベルが鳴り響く。

私はヴァージンロード元へ歩く。

「真姫!綺麗ですよ!」

「真姫ちゃん。幸せになってね!」

「二人の幸せを祝ってるわ!」

友人達の祝福の言葉に顔を向けるとそこには彼女が居た。

「綺麗よ、真姫。幸せになりなさいよ」

私は小さく頷いてから祭壇で待つ最愛の彼の元へと向かった。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/06(金) 22:08:20.95 ID:1ybxVNRI0
おわり
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/07(土) 02:37:56.20 ID:Pc+nZR9Y0
それは違くない?
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