夕立「ボ、ボコフェス連れてってっぽい!!!!!!!」

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102 : ◆L6OaR8HKlk [sage saga]:2019/08/27(火) 22:18:06.87 ID:8agroj4w0
(,,゚Д゚)「行くか」

(´・_・`)「そうだな。腹減ったし」グルルルルオナカペッコペコォン!!!!!!!!!!!

(,,゚Д゚)「えっ何その腹の音」


膝を叩いて立ち上がり、喫煙所の扉を開ける。スピーカーからは、ボコのテーマソングが流れていた
現実のありがたみをしみじみと噛み締めながら売店へと向かう。チミチャンガとか食いたい


「おじさん!!猫山さん!!」


(,,;⁻Д⁻)「……」

(;´・_・`)「……行くかちゃうかったな」ボソリヌス

(,,;⁻Д⁻)「悪い……」ヒソリヌス


直前まで話してた会話の内容直ぐ忘れるあたり、頭が大分オッサン化してるかもしれない
背後から駆け寄って来た女の子の小さな手が、俺のジャケットの裾を引っ張っている
いやまぁ今日一日遊園地おったら多分確実にエンカウントしてしまうだろうから、遅かれ早かれだっただろうが


愛里寿「ねぇ、おじさんなんでしょ!?マスクはどうしたの!?」

「愛里寿ちゃん、ダメだよ!!」

愛里寿ちゃん「みほさん!!この人、この人が助けてくれたんだよ!!」


ああ、ハッキリと覚えているか。そりゃ、悪夢で終わらせるには濃厚な恐怖体験だったものな。ゲーム版呪怨かよ


(´・_・`)「あの、誰かと間違えてやしないかい?」

愛里寿「え……?」


だったら、こっちが忘れた振りをしてしまおう
103 : ◆L6OaR8HKlk [sage saga]:2019/08/27(火) 22:19:56.98 ID:8agroj4w0
愛里寿「お、覚えてないの……?」

(;´・_・`)「その、あー……お前なんかやったか?」

(,,゚Д゚)「覚えがないな。アンタこそ余計な真似しちまったんじゃないか?」

(´・_・`)「まさか」


初対面のように振舞い、確信を疑惑へと変えてしまおう。現実離れした体験は、それだけ誤魔化しが効く


「ごめんなさい!!すみません!!愛里寿ちゃん、行こう?」

愛里寿「や、約束したじゃない!!嘘ついたら、17ポンド砲放つって言ったよね!?」

「ひ、人に向けて撃っちゃダメだよ!?」


ボロボロと涙を流す彼女の姿に、胸が締め付けられる。『これが最善か?』とも、自問自答を始めてしまう


「どうされました?何か、問題でも?」

「いえ、なんでもありません!!こ、この方たちは何も悪くありませんので!!」

愛里寿「こんなお別れなんて嫌だ!!と、友達だって、言ってくれたのに!!」


愛里寿ちゃんを抑えつけながらも、西住さんとやらは駆け寄って来た警備員に断りを入れる
まぁ、このシチュエーションならデカい男二人が悪者だよな。周りの視線も痛くなってきたし、任せて去ろう


(,,゚Д゚)「……本当に良いのか?」

(´⁻_⁻`)「良いさ、良いに決まっている」


一歩、また一歩と彼女から離れていく。『これで良い』。そう言い聞かせて


愛里寿「おじさん、猫山さん!!」
104 : ◆L6OaR8HKlk [sage saga]:2019/08/27(火) 22:21:06.69 ID:8agroj4w0






愛里寿「助けてくれて、ありがとう!!」





105 : ◆L6OaR8HKlk [sage saga]:2019/08/27(火) 22:22:47.08 ID:8agroj4w0
(;´⁻_⁻`)「っ……」


ここに来て二度目のミスを犯してしまった。感極まって立ち止まるとは、俺もまだまだ青い
ギコは呆れたように鼻で笑い、『観念しろ』と言いたげに俺の背中を強く叩いた。痛ぇなクソが後で腰骨砕こう


(,,゚Д゚)「誰に対しても過保護なんだよアンタは。あの子が忘れたくねえってんなら、その想いを汲んでやるのも大切なんじゃねえか?」

(;´・_・`)「……ハァー、ったく、お前に道徳を説かれるとはな……」


彼女と交わした約束を反故にする気は当然無い。だが、俺達との関係を忘れた方がいいという判断も、結局はただのエゴか
それに、夕立と加賀にも新しい友人が出来た。その繋がりを断つのも酷だろう。言い訳がましいが、そういう事にしておくか


(;´・_・`)「やっぱ、泣く子にゃ勝てねえ」

(,,゚Д゚)「だったらサッサと詫びいれようぜ」

(´・_・`)「言われなくともそうするさ……」


自論だが、男が勝てない女の要素は大きく分けて三つある。一つは『母親』、二つは『涙』、そして三つめが


愛里寿「あ、あはは……おじさん!!」


満面の『笑顔』だ


(´^_^`)「ハハ……」


さて、頭を下げたら休暇を再開しよう。小さな友人とのひと時は、きっと格別に違いないだろうから―――――






おわり
106 : ◆L6OaR8HKlk [sage saga]:2019/08/27(火) 22:23:30.12 ID:8agroj4w0



















107 : ◆L6OaR8HKlk [sage saga]:2019/08/27(火) 22:24:05.62 ID:8agroj4w0




















深海棲艦による大洗女子学園襲撃及び、『学園艦棲姫』侵攻。【列島事変】発生から数時間後
時刻、一六三八。オスプレイ機内にて―――――
108 : ◆L6OaR8HKlk [sage saga]:2019/08/27(火) 22:27:08.96 ID:8agroj4w0
時雨「全く、いい加減“海軍”司令部は僕の扱いを考え直した方がいいと思うね!僕ほどの美少女なら空調の効いたリムジンにテレビとフルコース料理付きで送迎すべきさ!」


時雨ほどの優遇は望まないが、やはりオスプレイの乗り心地はお世辞にも良いとは言えない
悪態が吐けるならまだマシだ。夕立なんか別のもんまで吐きそうな顔色になってる。酔い止めを飲ませときゃ良かった


(,,#゚Д゚)「なるほど貴重な意見だ!俺からも上層部に掛け合ってやるよ!そしたら邪神も真っ青の性格してるクソガキのお守りなんて二度と任されなくて済むからな!!」


こいつらホント仲悪いな。いつもなら頭一発ドツいて黙らせるか、泣いちゃうくらいまで罵倒をしてやるかのどっちかなんだが、今日はどうもその気になれない
よりにもよって、『大洗』だ。叢雲の安否は勿論だが、あの場所にはつい最近出来た友人の『親友』がいる
面倒を避けるために、あの関係は夕立と加賀を含む三人だけの秘密にしていたが、こんなことになるなら叢雲に伝えときゃ良かったと今更後悔してしまう


時雨「死ね!!」

(,,#゚Д゚)「てめえが死ね!!」


この空飛ぶ鉄の棺桶に乗り込む直前、彼女から電話があった。泣き腫らして、枯れた声で、あの子は俺にこう言ったのだ


『みほさんを助けて。大洗の皆を助けて』


喧噪とプロペラの駆動音の中でも、悲痛な願いは確かに俺の耳と心に届いた


古鷹「………あのっ、t!」

《Stork-01より全搭乗員に通達、後20秒で着陸する!総員戦闘用意!繰り返す、総員戦闘用意!》

古鷹「あう………」


俺達は……まぁ鷹さんとか比較的良い子は除いて、ロクデナシの集団だ。戦場へ、遊び半分で乗り込むようなクズだ
だが、一度関わりを持ってしまった以上……『約束』を交わしてしまった以上、今回ばかりは『ガチ』にならなきゃいけない
109 : ◆L6OaR8HKlk [sage saga]:2019/08/27(火) 22:27:52.94 ID:8agroj4w0
(,,#゚Д゚)「よし、戦闘用意だ!!敵は手強いぞ、心してかかれ!!」


奴らは、忌々しい事に奴らは、あの子が最も恐れていた事態を、事もあろうに『大洗女子学園』で引き起こしやがった
クソが、クソが、クソが!!一報を貰った瞬間から、腸は煮えくり返っている!!叢雲の休暇を台無しにした事も含めてだ!!



《Shit, Stork-01 One hit!! One hit!!》

《Stork-01より管制機、敵高角砲弾頭が至近で起爆!右翼に甚大な損害、ローターが
脱落した!》

《姿勢制御……クソッ》



必ず成し遂げてやる。勝報を待っていろ愛里寿ちゃん
君との友情と、底なしの怒りに懸けて必ず



( T)「……」



奴らを、皆殺しにしてやる――――
110 : ◆L6OaR8HKlk [sage saga]:2019/08/27(火) 22:36:14.44 ID:8agroj4w0
終わりです。お疲れさまでした

この話書くにあたって手あたり次第に島田愛里寿ちゃんの資料を閲覧しました。映画も見たし愛里寿・ウォーも見たしらぶらぶ作戦も読んだし二次創作も漁りました
結果、島田愛里寿ちゃんがものすごく可愛いって事だけわかりました。このシリーズは艦これSSです。よろしくお願いします
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 22:38:12.77 ID:GMlNlLId0
乙。力作でした。
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 22:39:02.52 ID:evKTYSb20
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 03:17:56.45 ID:sDu29+Ago
おつかーれ
まってた
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2024/02/06(火) 00:55:06.44 ID:rEeD9fE10
乙です 早起きを犠牲にしてまで読み切る価値がある一作
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