安価とコンマで武器娘を従える

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136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 21:12:24.02 ID:9CswA11mO
『名は体を表す』というが、こうも名前そのまんまだと、些か面食らう。

シェードの名の通り、風で侵食された岩が天を隠し、巨大な影が町全体をすっぽりと覆っている。

カールした大岩に包まれ、朝と夕方以外は太陽に照らされないその町は、インフェクターに襲われないように無数の照明を点けている。

町の規模としては、面積はベリルヌスの半分。

建築物も、ベリルヌスと比べるとかなり見劣りする。

が、他の街やダンジョンを繋ぐ中継拠点としては、充分な規模なのだろう。

「それで、どうするのますたぁ様。準備って言ったって、どうしたら良いのかは分かってるの?」

「…戦力を増やすってのは、先に言うと無理だ。俺の能力じゃ、5人以上のウェポナは扱えない」

だから、仲間にしたとしてもその時は、一時的に誰かに離脱してもらう必要がある。

こればかりは、どうしようもない問題だ。

解決策の存在しない、無理難題。

「…まあ、今はそれを考えてもしょうがないわな」

今は、やれることだけを考えよう。
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 21:13:00.76 ID:9CswA11mO
アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆Time limit 《3 Days 1 Hours》
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 21:19:33.48 ID:HuzZIe60O
とりあえず休息するための宿を探す
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 21:41:25.75 ID:9CswA11mO
「…一回寝る」

「…何言ってるのよ」

「お前な…俺の役目はマナタンクだ。ウェポナの燃料なんだよ。最大効率で戦うなら、休まないとマナ不足になるんだよ」

「マナ不足になったら、長期戦になる。そうなったら、犠牲が増えるんだよ」

分かっている。

休むにせよ直接戦うにせよ、犠牲が増えることは。

どちらを選ぼうと、どれだけの犠牲が出るか、どれだけ犠牲を減らせるか、分からないことは。

でも、だからこそ。

俺は安全策を取りたい。

どれだけ強いのか知らない騎士団よりも、信頼してる仲間に任せたい。

「…やれやれ」

そんな思いを汲み取ってくれたのか、フラガラッハがフライクーゲルに耳打ちをする。

(迷惑を掛けるな、フラガラッハ…)

いつもフォローに回ってくれることに感謝しながら、アルメスは宿屋に入っていった。
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 21:54:08.01 ID:9CswA11mO
睡眠で疲れを取るには、最低でも6時間の睡眠が必要だと言う。

午後1時に就寝し、目覚めたのがその6時間後。

つまり、午後7時に起床したことになる。

「…気分は悪くない。マナも回復した。これなら、戦闘でも大丈夫なはずだ」

「…起きたわね。ほら、ご飯」

仏頂面のフライクーゲルは、出来立てのおにぎりを皿に置いていた。

形はかなり不恰好で、台形とも言えない変な形状をしている。

「ああ、ありがと」

「ふん…いざ戦いってなった時にへばられちゃ困るのよっ」

素直に感謝を述べるが、フライクーゲルは顔を背ける。

相変わらず難儀な性格をしている。

「…美味い」

形が悪いから、味も良くないと思っていたが、なるほど。

程よい塩加減が舌に合う、良い味だ。

母親の料理など滅多に食べたことは無いが、これがお袋の味と言うのだろうか。

「……あっそ…」

「…ふふっ…」

アルメスが呟いた数秒後、フライクーゲルは小さく笑った。
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 21:54:42.16 ID:9CswA11mO
アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆Time limit 《2 Days 17 Hours》
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 22:03:32.17 ID:heUQhN3YO
作戦会議をしてから準備を整えて出発
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 22:21:48.93 ID:9CswA11mO
「作戦会議、ですか」

「無策に突っ込んでも、勝機はないでござるからな」

「むー。ひたすら攻撃すれば勝てそうだけどね」

「それで済むなら、とっくに終わっておる」

軽く調べたところ、リュクスベヒーモスの特徴は主に四つ。

一つ目は、その強靭な肉体が齎す圧倒的な攻撃力と防御力。

二つ目は、肉体の変性によって得た異常な回復力。

三つ目は、白電の圧縮、放出による広範囲攻撃。

そして四つ目は、体力が著しく減少した時、角を引き抜いて形態を変え体力を最大まで回復、攻撃力を更に強化する。

「…四つ目は、ベヒーモス種特有の能力よね」

「抜いた角を剣として使うのも、ベヒーモス種に共通した特徴だね」

「剣にマナを纏わせることで威力を上げるのが、攻撃力強化のカラクリだな」

こうして特徴を並べると、とんでもない化け物なのが良く分かる。

こんなものを倒そうとしているのか、あの騎士団は。

その勇気に、素直に感嘆するアルメスだった。
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 22:22:29.28 ID:9CswA11mO
どういう対策をするかを下2まで
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 22:38:20.79 ID:HuzZIe60O
まあ、本音を言えば戦いたくないんだけど、騎士団の目的やベヒーモスを放置しておくリスクを考えると救出して終わり!閉廷!とは言い難いわな
だったら騎士団との協力も視野に入れて討伐するっていうのも悪手とは言えんでしょ

安価としては、とりあえず騎士団の捜索&合流を第一目的にして、状況次第ではベヒーモスの討伐も行う方向で
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 22:57:06.98 ID:heUQhN3YO
渓谷という地形を生かして谷間に追い込んだ後に高所から攻撃とか...それでもワンチャンあるかないかくらいかな
そのプランだとフラガラッハ+αで探知&陽動、谷間で身動きが取れない間にミストルテインの無敵殺しである程度削った後に形態変化の隙を与えないくらいの集中攻撃を浴びせるってのが理想かな
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 23:11:08.62 ID:9CswA11mO
「騎士団との合流を優先する、ね。了解」

「もし戦うとしたら、地形と個々の能力を活かす戦術を使う」

「具体的には、谷に誘い込んで動きを制限させた上で、ミスティの『無敵殺し』を用いるんだ」

「殺せはしないだろうが、弱らせればあとは、人海戦術で押し切れる…はず」

「…現状では、それ以上の戦術は無いね。あとは、適宜調整を加えていこう」

話を纏め、馬を待機させている厩舎に向かう。

徹底的に調教されているからなのか、逃げ出す様子は微塵も見せない。

餌の野菜を与え、鐙に跨った。
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 23:11:59.74 ID:9CswA11mO
下1コンマで魔物との遭遇判定を行います
21以上で成功です
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 23:14:06.31 ID:bIytttdzO
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 23:14:23.04 ID:HuzZIe60O
はい
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 23:22:55.60 ID:9CswA11mO
アルバ渓谷に帰還したのは午後11時。

もうすぐ日が変わる時間で、空で存在を示している満月が眩しい。

「静かだな…」

「それが、本来の姿なのだろうね」

小鳥の囀りと虫の鳴き声のオーケストラが奏でられる渓谷。

動物の気配はあまりなく、心なしか植物の元気が無くなっているようにも見えた。

「…周囲にベヒーモス、ゴブリン、人間はいないね」

「まだ入ったばかりだからな…。さて、どこから探そうか…」

現時点での目ぼしい場所は主に三つ。

一つ目は、ゴブリンの巣。

二つ目は、サーラ川の上流の湖『レキシス湖』。

三つ目は、ベヒーモスが目撃された『アルバの碑』。

こうも不測の事態に襲われていては、どこにいるのかも分からない。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 23:23:37.85 ID:9CswA11mO
アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆Time limit 《2 Days 16 Hours》
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 23:31:12.42 ID:heUQhN3YO
レキシス湖に行ってみようかな
騎士団が夜営するならそこしかないと思うけど
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 23:34:10.05 ID:9CswA11mO
「騎士団ってことは、野営とかの技術もあるわけだよな」

「ならば、レキシス湖に向かってみるでござるか?」

「湖は氾濫しない時期であれば、野営地としては有用でござる。魚も取れ、水も得られる」

安定した水源の確保。

これが、拠点設営に最も重要なものだ。

ノウハウがある人なら、真っ先にそれを気にするだろう。

胴太貫の言葉に頷き、馬を走らせた。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 23:39:03.77 ID:9CswA11mO
下1コンマと下2コンマで判定をします
選択肢ボーナスで合流率アップです

下1の方

01〜05:時すでに遅し。騎士団全滅。
06〜15:ここには拠点を置いていないようだ。
16〜30:負傷者、犠牲者が半数ほど出ているが健在。
31〜99:騎士団と合流。

下2の方

01〜10:リュクスベヒーモス襲来。
11〜20:奇数でベリルヌス、偶数でシェードに向かったようだ。
21〜99:アルバ渓谷のどっかで爆睡中。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 23:39:34.37 ID:bIytttdzO
はい
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 23:42:08.50 ID:5+J6x+40o
ほいさ
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 23:42:32.25 ID:HuzZIe60O
頼む
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 23:49:10.82 ID:9CswA11mO
「綺麗なものだなぁ…」

馬を走らせ、小高い丘に到着する。

見下ろす先には、大きな湖がある。

それこそ、目指していたレキシス湖。

湖の畔では黄緑色とオレンジ色の明かりが、自身の存在を主張するように光っている。

オレンジ色は焚き火の色だとして、黄緑色はいったい。

そんな疑問は、湖に近付くと氷解した。

黄緑色の明かりの正体。

それは、蛍の生み出す光だったのだ。

蛍の輪舞曲を見届けながら、オレンジ色の明かりの下に向かう。

近付くほど、人の声が聞こえ始めてきた。
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 23:54:18.92 ID:9CswA11mO
「団長!この薬草はどうすれば良いでありますか!?」

「ふむ。随分と摘み取ってきたようだな」

「彼らに指示を仰ぎたまえ。その手の知識は、あちらの方々の方が有しているだろう」

「…ですが、彼らは…」

はあと溜め息を吐き、団長と呼ばれた男は肩を叩く。

「ミルキィ。私たちは彼らに助けられた。今もそうだ」

「過去の文献に記されていたもの…それに恐怖を覚えているのは、私にも理解出来る」

「だが、過去は過去。今は今だ。そう警戒する方ではないよ」

「もう一度言おう。彼らの指示を仰ぎ、負傷者の治療に当たれ」

「はっ!」

敬礼をし、ミルキィという名の青年は走り去っていった。

その先には、影しか見えないが小人らしきものがいた。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/22(木) 23:55:44.41 ID:9CswA11mO
アルメスたちがどんな行動をするかを下1に
合流を果たしたため、タイムリミットは消滅しました
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/23(金) 00:00:44.33 ID:qOD9tpYGO
団長と現在の状況と今後の方針について話し合う
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/23(金) 00:07:48.48 ID:DXv7O6PiO
「団長、で合ってますか?」

「君は、いったい…?」

申し遅れましたと、アルメスは依頼書を見せる。

それを読んだ団長は、苦々しい表情をした。

「…伝令を出しておくべきだったか…」

「済まない、手間を掛けさせたようだな。ソル・ブレイヴス団長として、お詫び申し上げる」

「私はソル・ブレイヴス団長『ビリー・グラハム』。ご覧の通り、ブライだ」

「キシダロ、ビリーサン」

「………!?」

突然会話に割って入ったのは、アルメスの腰ほどの身長をした緑色の小人。

これは、もしかしなくてもあの。

「…訂正しよう。私はブライではなく騎士だ。そして、彼は」

「ニンゲンニハゴブリントヨバレテイルシュゾクノモノダ」

「オレノナマエハ『ピドム』。ヨロシク」

理解が追い付かない。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/23(金) 00:13:54.38 ID:DXv7O6PiO
「…まず、何故我らが失踪したのかを説明しなければな」

彼ら曰く、突然襲撃してきたリュクスベヒーモスによって、崖崩れに遭ったらしい。

岩場の頂点に立ったベヒーモスが、岩を片っ端から砕いて投げつけたそうだ。

崖崩れから皆を守ったビリー団長だが、流石に全ての岩を破壊することは叶わず、何十名か負傷したらしい。

そこに現れたのが、彼らゴブリン集団。

負傷者問わず騎士団全員を巣に避難させ、治療に当たってくれたそうだ。

そして昨日。

突然の轟音の後、リュクスベヒーモスに巣は襲撃され全壊。

ゴブリンと騎士団も、命からがらレキシス湖まで逃げてきた。

これが、今までに起きたことだそうだ。

「今後の方針だが、ある程度の治療が終わり次第、リュクスベヒーモスの討伐に向かう」

「…それが、私たちの受けた命令だ。背くわけにはいかんよ」

険しい表情で、はっきりとビリー団長はそう告げた。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/23(金) 00:14:28.83 ID:DXv7O6PiO
質問、提案があれば下2まで
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/23(金) 00:20:10.66 ID:qOD9tpYGO
討伐への加勢と戦術の提案
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/23(金) 00:27:32.28 ID:xyrJrHQEO
ブライについて詳しいんですか?
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/23(金) 00:55:41.12 ID:DXv7O6PiO
「…その討伐、俺たちも加勢して良いでしょうか?」

「何故だ?君たちの任務は、我々の無事を確認することだろう」

わざとらしく問うビリー団長。

余計な犠牲は生みたくないという感情が、こちらを見つめる視線から感じ取れた。

「俺たちの任務は、騎士団の救出です。それを達成するには、脅威であるリュクスベヒーモスの討伐が必要不可欠です」

「それを出来るだけの力はあるのか?」

「あります」

即答。

それだけが、彼を説得する手段だと、アルメスは判断した。

下手に言い淀んだり、流暢に説明するのは、却って悪手な予感がしたのだ。

有無を言わさず言い切る方が、押し切れそうな気がした。

「…では、君の戦術を聞こうか」

「はい。まずは…」

リュクスベヒーモス討伐に向けた会議は、太陽が顔を見せるまで続いた。
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/23(金) 01:08:47.36 ID:DXv7O6PiO
「良い朝だな。この光景を見るだけで、心が安らぐ」

「ビリー団長は、ブライについて詳しいんですか?」

「いえ、説明の際にブライだと一度嘘を言っていたので、気になって…」

「詳しくない、と言えば嘘になるな。それに、ブライというのも嘘ではない」

「私は、親友の叔父上に教授を受け、ブライとして認められている」

何故だ、急に胡散臭くなってきたぞ。

「…では、ブライのどこに感銘を受けたのか、教えてもらえるでござるか?」

「その語尾…もしや、貴殿もブライで?」

「いかにも。拙者は拝 一刃。ジパンギアのブライでござる」

「…カチウに身を包んではおられない様子だが…」

「…リュクスベヒーモスと交戦する前に、諸事情で脱いだのでござる。後ほど回収する予定でござる故、お気になさらず」

今の胴太貫の格好は、かなり破廉恥である。

機動性のみを考慮した黒い半袖と、スパッツのようなインナーしか着用していない。

ヘソは丸見え、太腿も思いっきり露出していると、痴女と思われても仕方のない格好をしている。

黒い襤褸切れで隠してはいるが、それが逆に破廉恥度を引き上げている可能性も否めない。

「…それより、拙者の質問にお答えしていただきたい」

「ああ、そうでしたな。私が感銘を受けたのは『ブライの道は死ぬことと見つけたり』ですな」

「『死』こそが、ブライの道の終着点。その終末の時を如何にして迎えるか…」

「それこそがブライの真髄だと、そう思いました」

「…ただのブライ被れでござったか」

「なんとっ!?!」

どうやら、ビリー団長のブライ観は大間違いのようだ。
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/23(金) 01:16:56.48 ID:DXv7O6PiO
「皆、ちょっと聞いてくれ。騎士団の団長と話をして、ベヒーモスとの決戦は翌日に行うことに決定した」

「勝算は?」

「あるに決まってるだろ?」

ニヤリと笑い、アルメスはフライクーゲルを見やる。

フライクーゲルも同じように笑い、紅茶を嗜んだ。

「じゃ、それまでは自由行動ってこと?」

「そうなるけど、消耗するような行動は避けろよ。明日は殺し合いをするんだから」

「綺麗な湖だから、泳いだりしたいんだけどなぁ」

「服乾かすのに時間掛かるじゃん」

パタパタと足をばたつかせる天之尾羽張を宥めると、ゴブリンのピドムが木皿を持ってきた。

「サカナノスープ、ウマイゾ」

「…ご丁寧にどうも」

礼をして受け取ると、ピドムも礼を返す。

「オレタチモ、ニンゲンニハタスケラレテバカリダッタ」

「ダカラ、キニシナクテイイ」

何というか、文献と全然違うな。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/23(金) 01:17:48.03 ID:DXv7O6PiO
アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆決戦まで 24 Hours
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/23(金) 06:59:29.29 ID:EbJ/AfycO
ウェポナや騎士団の面々と共に討伐作戦のシミュレーションをしておく
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/23(金) 16:18:19.60 ID:DXv7O6PiO
「フラガラッハとビリー団長の話を擦り合わせて分かったことがある」

「ふむ、言ってみたまえ」

ウェポナしかこの場にいなかったはずだが、まあいい。

「…あのベヒーモス、強い奴を積極的に狙ってますね」

ウェポナのマナは普通の人間と然程変わらないがその体質上、普段から凡百の人間よりも身体能力が高い。

マナを行使すると、その身体能力は跳ね上がる。

だが今回充てていたマナは、非常に短い間、8割程度の力を引き出す量のマナだった。

故に、一撃を浴びせてそこで能力強化が終わってしまった。

自身に傷を負わせた者が逃げれば、それを追うのが野生の獣の本能。

しかし、ベヒーモスは追わなかった。

それは何故か。

その原因は、ビリー・グラハムの存在だ。

彼の戦闘能力を嗅ぎ取り、惹かれ、屠りに向かったのだ。

自分こそが頂点だと示すために。

「そこにつけ込めば、誘き寄せるのは容易でしょう」

「…問題は、攻撃のタイミングだな」

話し合いと予行演習は、数時間続いた。
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/23(金) 16:19:00.76 ID:DXv7O6PiO
アルメスたちがどんな行動をするかを下1に
ベヒーモス戦に補正が僅かに掛かります

☆決戦まで 《24 Hours》
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/23(金) 16:25:09.20 ID:DXv7O6PiO
あ、決戦までは18時間です
安価は下ずらし
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/23(金) 19:07:44.65 ID:xyrJrHQEO
十分な食事と休息を取って万全を期す
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 01:15:40.75 ID:mpq9Ck8WO
決戦前とはいえ、四六時中気を張り詰めていたら疲弊してしまう。

その辺りは全員解っているのか、釣りや談笑をして時間を潰している。

「よっ」

釣竿を振り、針を飛ばす。

水音が立ち、水紋が広がる。

待てども待てども、魚が掛かる様子は無かった。

「エサガワルイ。コノ『デブミミズ』をツカッテミロ」

「うぇ…。気持ち悪い見た目してるなぁ」

ピドムが握っているのは、直径5センチ、全長10センチの気色悪いミミズ。

デブと言われるだけあって、長さはそのままにブクブクと太っている。

「フンッ」

それを一切の躊躇なく、針に通す。

頭を貫く異物に悶え、跳ね回るミミズ。

見た目はよろしくないが、活きが良いのは伝わってくる。

「ソレヲ…ソウダナァ。アソコノミズクサフキンニトバセ」

「こう、かな?」

少し強めに竿を振る。

放物線を描いて飛んで行った針は、綺麗に指定ポイントに落ちた。

「オォ、ウマイジャナイカ」

「どうも」

「あっ、ますたぁ様が釣りしてるー!」

「灯之夏っ!早く次のカードを引きなさーい!」

「ごめーん!後で続きしようねー!」

皆、自分なりに決戦に備えているようだ。
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 01:16:08.79 ID:mpq9Ck8WO
休養中にやることがあれば下2まで
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/24(土) 01:27:39.95 ID:J/QMjLJk0
フラガラッハとビリー団長とコミュ
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/24(土) 01:28:08.59 ID:806cAZVcO
ウェポナ達の生い立ちとかを聞く
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 02:02:54.10 ID:mpq9Ck8WO
「………!」

「ほう…なかなかやるようだな」

模擬戦に興じていたフラガラッハとビリー団長。

当然と言うべきか、やはりと言うべきか。

ビリー団長の方が圧倒的に上手で、フラガラッハは首元に刀を添えられていた。

「…参ったね。それなりには戦れるんだけど」

「私も驚いたさ。二振り目を抜かせられるとは思わなんだ」

そんなことを言うビリー団長だが、汗の一つもかいていない。

世辞を受け流し、フラガラッハは剣を仕舞った。

「何と…!武器が消滅するとは。空間魔法か、それとも錬成魔法か」

「そんな大層なものじゃない」

全力は出していないとはいえ、ウェポナをこうも簡単に打ち負かすとは。

彼は本当に人間なのか。
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 02:03:20.38 ID:mpq9Ck8WO
二人に聞きたいこととかあれば下2まで
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/24(土) 02:18:35.97 ID:zTkvcorAO
それって刀ですよね
打ってもらったんですか?
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/24(土) 02:33:18.39 ID:806cAZVcO
今回の作戦では二人に危険な役目を引き受けってもらっているので、できるだけ無茶はせず場合によっては退く勇気を持って欲しいと伝える
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 04:00:01.51 ID:mpq9Ck8WO
そういえば、彼は騎士なのにどうして刀を武器として使っているのだろう。

胴太貫が言うにはブライに憧れているだけで、きちんとした知識は全く無いらしいが。

「それ、刀ですよね。どうして、騎士なのに刀を持っているのですか?」

「これは…そうだな。親友の残した餞別、とでも言おうか」

「名は『不知火』と『雲龍』。この世に二つと無い、名刀だ」

「…その、親友の方はお亡くなりに?」

「はは、言い方が悪かったな。彼はまだ死んではいないよ」

「ただ、長い休暇を取っているだけ、さ…」

悲しげに微笑み、ビリー団長は空を見上げた。

太陽は照らす。

貴族も、貧民も、動物も、植物も、建物も、命も、亡骸も、信念も、怨念も。

平等に、照らすのだ。
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 04:02:04.05 ID:mpq9Ck8WO
「…今回の討伐作戦、二人には『リュクスベヒーモスの誘引』に当たってもらいます」

最前線で、ひたすらに攻撃を受けながら誘い込む、最も危険な役目。

それを、彼らに託した。

彼らにしか託せなかった。

「危険な役目を任せた分際で烏滸がましくて、矛盾していることですが、無茶だけはしないでほしいんです」

死ぬことは、勇敢なこととは限らない。

逃げることは、愚かなこととは限らない。

逃げることを選ぶのもまた、勇気ある行動だ。

名誉と未来を秤に掛け、未来を選び取る勇気があるから、逃げることが出来るのだから。
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 04:02:53.82 ID:mpq9Ck8WO
「…少し、蘊蓄を語らせてもらおうか」

「我が騎士団『ソル・ブレイヴス』…。何故、そのような名前が付けられたと思う?」

その問いに、アルメスは答えられない。

何があって設立されたのか、その一切を知らないが故に。

「ソル・ブレイヴス。又の名を『太陽の勇者』と言う」

「『命を脅かし、民を虐げるものに立ち向かう勇気を持ち、太陽のように人々を、未来を照らす存在として在り続ける』」

「…それこそが、初代団長殿の掲げた『ソル・ブレイヴス』の理念だ」

「その理念に沿い、民を守るのが我々だ。そのような命の危険など、百も承知」

「疾うに、命を捨てる覚悟など出来ている。民を守れ、希望を未来に繋ぎ逝けるなら、本望だ」

曇りなき微笑みを浮かべるビリー団長。

アルメスは口を噤み、沈黙しているしかなかった。

「…だから、君が気にする必要は無い。遠慮なく私を使うといいさ」

気遣いのつもりか、そんな言葉が投げ掛けられる。

答えることなど、出来るはずもなかった。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 04:03:25.16 ID:mpq9Ck8WO
それから時間が経過し、太陽は地平線に沈み始める。

あと数時間で決戦が開始される。

「…皆、どんな感じで暮らしてたのかな」

無意識のうちに口から出た疑問。

それに怪訝な表情で、フライクーゲルは問い詰める。

「なにそれ。これから死ぬから、最期に知っておこう〜みたいに言わないでくれる?」

「あ…ごめん」

もしかすると、本能が察知したのかもしれない。

この戦いで、誰かが犠牲になる、もう二度と言葉を交わすことすら出来なくなると。

「んー…。まあ、仲良くなるなら色々と知っておいた方が良いよねっ」

「これからも旅をするわけだからね」

「…まあ、私の優雅な暮らしとか言ってなかったものね。いいわ」

思いのほか、皆乗り気のようだ。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/24(土) 04:04:00.87 ID:mpq9Ck8WO
生い立ちを聞きたいウェポナを下2まで
一レスにつき一人しか選べません
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/24(土) 05:40:57.66 ID:CM4ZR/VoO
フライクーゲルで
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/24(土) 06:44:47.21 ID:UKS23AnVO
天之尾羽張
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 02:01:35.98 ID:/isAR1o8O
「私の名前はロクサーヌ・アーテリンデ…皆知ってるわよね」

「ああ。どっかの国の『アーテリンデ家』の御令嬢だろ」

「…『ヴァジュラ共和国』よ。ちゃんと勉強しなさいよ」

「つってもなぁ…。俺はそんな、外の知識に触れることなんか無かったし」

ヴァジュラ共和国。

アガスティア連邦に加盟している小国で、国力自体は大したことない。

彼女と出会ったのは、そのヴァジュラ共和国議会の議員『ユリウス・アーテリンデ』の娘としての公務に携わっていた時のことだ。

ウェポナ捜しに奔走していた時に『顔も名前も知らない男の家に嫁ぐのはまっぴら御免だ』と愚痴を吐かれ、色々あって。

一騒動あった結果、彼女とこうして旅をしている。

何を隠そう、彼女『フライクーゲル』こそが、初めて仲間になったウェポナなのだ。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 02:02:09.80 ID:/isAR1o8O
「『アーテリンデ家』に生まれて、まあ愛されてたわね。肩車もしてくれたし、誕生日ケーキもいっぱい貰ったし」

「それに酬いる義務があるのは分かるわ。親孝行をするのは、当然のこと」

「でも…親に決められた結婚は嫌よ。お父様やお母様の事情も解る。けど、それだけは譲れなかった」

「私の人生を決めるのは、私。他人が好き勝手に敷いたレールの上を進むなんて、絶対に嫌だった」

「私は人間である前にウェポナなの。『ロクサーヌ・アーテリンデ』でもあるけど、私は『死銃・フライクーゲル』なんだから」

だから、両親と袂を分かった。

元より、この縁談は『アーテリンデ家』の地位を上げるための手段としての政略結婚だった。

それを拒んだところで、悪化するわけではない。

そもそもの話、フライクーゲルが拒んだ縁談自体は『そういう話が出た』だけで、結婚する前提で進んでいたものでは無いのだ。

当の本人は知る由も無いが。

「…はあ。優雅も何もないわね。こんな話」

落ち込む気分を誤魔化すように、フライクーゲルは紅茶を飲んだ。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 02:02:50.26 ID:/isAR1o8O
私には、過去が無い。

正確に言えば、過去を知らない、憶えていない。

どこで産まれたのか、何をしていたのか。

全てが箱に詰められ、鍵を閉めているように、何も浮かばない。

ただ一つ、憶えているものは。

私が、ウェポナだということだけ。

ますたぁ様と出会う前を思い出そうとすると、頭が割れるように痛くなる。

まるで、嫌な記憶ばかりだから心が拒んでいるようで、怖い。

他人の過去に興味があるのに、自分の過去を提示出来ないのは、卑怯だけど。










『私』が嫌がっているなら、仕方ないよね?
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 02:03:27.18 ID:/isAR1o8O
「………」

「天之尾羽張?」

「あはは…ごめんね、忘れちゃってるみたい」

「ますたぁ様と出会ってから、楽しいことがいっぱいあったからかなぁ。全然出てこないや」

「ごめんねっ」

「…まあ、絶対に言わなきゃいけないわけじゃないしいいよ。嫌な記憶だってあるだろうし」

コップの水を掛け、焚き火の火を消す。

チラリと視線を景色に移す。

遠くの山で、白電が躍っていた。
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 02:04:41.88 ID:/isAR1o8O
アルメスたちがどんな行動をするかを下1に

☆決戦まで 《6 Hours》
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 06:00:06.27 ID:eBAOqJC6O
入念に準備を行う
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 19:52:14.16 ID:/isAR1o8O
「ここがこうなって、この広場を寝床としてるなら…」

「私たちはここで待ち構えてたら良いんだね」

「…私は、この高台で狙撃の準備をするんですね」

作戦前にもう一度、地形の確認をしておく。

チャンスは一度しかない以上、失敗は許されない。

陽動、封鎖、狙撃、総攻撃。

何れが失敗すると、そこから総崩れになる可能性がある。

「フラガラッハ、実際ベヒーモスの探知は出来るのか?」

「このエリアの魔物が弱いお陰でね。あれだけ強烈なマナを放っているのは、奴だけさ」

今回ばかりは、簡単に破壊される脆弱な生態系が有利に働くようだ。

「…ただ、君の支援無しで後退するのは、些か厳しいね」

「…悪いな。作戦上、俺はミストルテインにマナを供給しなきゃならない」

そして、狙撃が済み次第、攻撃隊に合流して再度マナ供給をする必要がある。

死ぬことは無いだろうが、何だかんだで一番負担が大きいのだ。

「…ま、やるしかねぇわな」

それが、今回の任務なのだから。

せいぜい、果たすべきは果たさせていただくさ。
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 19:53:13.23 ID:/isAR1o8O
「ビリーサン、コレヲ」

「ピドム殿。これは…ポーションですか」

「アア。オシエテモラッタトオリニツクッタダケダカラ、コウカハホショウデキナイガ…」

「…いえ、助かります」

数本の小瓶を受け取り、ポーチに収納する。

「…タノンダゾ。コノチニ、フタタビヘイワヲモタラシテホシイ…」

「ええ。必ず」

刀と石剣が、甲高い音を立てた。
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 19:54:03.34 ID:/isAR1o8O
深夜の渓谷を、二人の戦士が駆ける。

一人は金色の髪を靡かせ、一人は黒い鎧に身を包む。

「アンサラー殿、もうじきアルバの碑に到着するが」

「…分かっています。もう少し近付かないと、感知出来ませんよ」

フラガラッハの能力はアルメスの支援が無ければ、そこまで広範囲をカバーすることは出来ない。

結局はウェポナなので、真価を発揮するには、マスターであるアルメスがサポートするのが必須だ。

だが、今回はそれを望めない。

だから、リスクを冒してでも接近しなければならない。

元より、陽動をするなら姿を見せる必要があるのだから。

「いました」

フラガラッハの指差す先には、5メートル程度の石碑が建っている。

その根元に丸まるように、奴は眠っていた。

「…では、作戦を開始する。閃光弾と馬を出すの準備を」

「了解」

馬を降りたビリー団長は、二刀を抜く。

紅を纏い、それは爆ぜた。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 19:54:37.59 ID:/isAR1o8O
「グ…オォォォォォオンン!!!」

一刀必滅。

そう念じたビリー団長の一閃は、遠く離れたベヒーモスを斬り伏せる。

だが、その肉を両断するまでは行かず、直ちに傷が癒えてしまう。

「よし、これで注意はこちらに向いた。このまま作戦ポイントまで誘引する!」

「っ!」

素早く馬に乗り、走り出したビリー団長。

続けて、フラガラッハも馬を出す。

同時に放った閃光弾は、空で太陽と変わる。

賽は既に投げられた。

後は、運を手繰り寄せるだけだ。
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 19:55:48.33 ID:/isAR1o8O
下1でコンマ判定です

01〜20:ベヒーモスくん何かに気付く。
21〜99:誘引に成功。
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 19:58:59.31 ID:pNwFSOS2O
はい
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 21:31:48.73 ID:/isAR1o8O
「フッ!」

「ゴアァァァッッッ!!!」

凶悪な一撃を、跳躍することで回避する。

何度攻撃を避けても追ってきていることから、作戦に感付かれてはいないようだ。

こうして今もなお、涎を垂らしながら地面を砕き、走っている。

「…あと10秒で作戦ポイントに到達する。手筈通り、回避するようにな」

「ええ、分かってますよ」

仲間の攻撃で死んでは敵わない。

『爆撃』だけは、絶対に回避しなければ。

「………!」

待機していた騎士と目が合った。

「今だッ!ミルキィッ!」

「了解…ッ!」

ミルキィ・ウェイは直剣を抜き、天に掲げる。

地面に一筋の光が刻まれ、裂け目から光が溢れ出す。

その上を二人が駆け抜け、その直後に怪物が線の上に乗る。

同時に、光は奔流となり空へと伸び、弾けた。
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 21:47:46.64 ID:/isAR1o8O
「光が…!」

高台からでも確認出来るほど、眩い光が弾け飛ぶ。

合図があった。

ならば、次に打つ手は。

「マナは充分に送った…!やれ、ミストルテイン!」

「はい!」

髪を一本引き抜き、マナを込める。

髪は木の枝へと形を変え、サイズが小さくなる。

掌サイズの小さな枝は、ミストルテインの手の中で弱々しく光っていた。

それを小型ボウガンに装填し、狙いを付ける。

魔法に類似する攻撃のため、風力や風向を気にする必要は、無い。

重要なのは、コントロールだ。

この一撃が、全てを決める。

「弱きに宿り、強きを穿て…。汝は、最弱にして最強の一矢!」

「『無敵殺しの矢(ミストルテイン)』!!!」

小さな枝は、強きを喰らいに空を駆けた。
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 21:52:48.07 ID:/isAR1o8O
特性と作戦ボーナスと準備ボーナスで成功率アップです
下1コンマで判定です

01〜05:回避された。
06〜45:直撃。ある程度のダメージ。
46〜85:クリティカルヒット。痛烈な一撃。
86〜99:その枝は、絶死の矢と変わる。
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 21:53:30.96 ID:pNwFSOS2O
はい
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 22:17:28.10 ID:/isAR1o8O
(ミルキィの魔法で、ほんの一瞬だが奴は怯んだ。さて、狙撃の方は…)

ベヒーモスは魔法に警戒し、足を止めた。

今は、何から仕留めるか考えているのだろう。

(ッ!来たか…だが、この微弱なマナで奴を…?)

小動物にも劣る、僅かなマナが接近する。

あまりにも弱いそれは、歴戦の勇士でなければ気付けない。

しかし、怪物は手練れとはいえ所詮は獣。

弱者の存在など、眼中にも無い。

故に、その一撃に気付くことは出来ず。

「ゴ………ァッ………!?」

「なんっ…という……ッ!!!」

ヤドリギの枝は、心の臓を撃ち抜き、実った。
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 22:19:24.85 ID:/isAR1o8O
最終判定です
下1コンマで判定します

01〜20:特異個体の本領発揮。
21〜99:流石に死ぬ。
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 22:20:58.84 ID:HqyWi7FXo
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 22:39:46.36 ID:/isAR1o8O
「オ…ギ……ゥゥゥゥッ………」

痛みに悶え身動ぎするベヒーモス。

その身を、ヤドリギは蝕み続ける。

血を吸い、栄養を奪い、成長を続けるヤドリギは。

全身を食い破り、か弱い花を咲かせた。

「…上手くいったか。良くやった、マスター、ミストルテイン」

「まあ、皆無事で終わったならそれで良いわ」

「拙者たちは何もしていないでござるが…」

「ア、ソコノブライノヒト。コレ」

「これは、拙者が置きっ放しにしていたカチウ!」

「………」

ビリー団長はベヒーモスの遺体に寄り、枝を折る。

何の変哲も無い、ただのヤドリギだ。

(…そこらに生えてる植物と変わらない。マナを微かに帯びているだけだ)

(どんな魔法を使えば、あのような芸当が出来るのだ…?)

疑念が一つ、ビリー団長の中で沸いた。
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 22:54:42.54 ID:/isAR1o8O
「今回は本当に助かった。国を代表して、感謝を申し上げよう」

「…それと、ロクサーヌ様。父上が嘆いておりましたよ」

「…ふんっ。『早く娘離れしろ』って伝えておきなさい」

「かしこまりました」

ビリー団長はベヒーモスの皮を少しだけ剥ぎ取る。

彼が言うには、討伐の証拠として対象の一部を提出する必要があるそうだ。

これは依頼でも変わらないみたいなので、憶えておいて損はないだろう。

今回は救出が目的であって、討伐することは考えられていないので、こちらが提出する必要は無いはずだ。

「残りは好きに使って良い。それが、今出来るせめてもの礼だ」

「君たちのことは上の者にも伝達しておくよ。もし我が国を訪ねることがあれば、丁重にもてなそう」

「あはは。どうも…」

「では失礼!吉報を早急に届けねばならないのでなっ!」

敬礼をし、騎士団とゴブリンは足早に去っていった。

「…それで、どうするの?これ、?ぎ取っちゃう?」

ベヒーモス種自体、素材として優秀だと聞く。

その亜種ともなれば、価値は桁違いだろう。
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 22:55:17.42 ID:/isAR1o8O
剥ぎ取るかを下1に
報酬はこちらで決めたもので固定です
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 22:58:38.08 ID:HqyWi7FXo
はぎとる
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 23:05:34.87 ID:/isAR1o8O
「剥ぎ取りじゃー。良い武器とか防具を作るには、良い素材が必要だからな」

純粋な戦力強化が望める上、ウェポナであることを隠すことも可能だ。

その上、新しい武器が生み出されたら、ウェポナに覚醒する人が出てくることもあり得る。

武器よりもウェポナが先に存在するのはそうなのだが、それはその武器が人為的に生み出されていない場合だ。

そうでなければ、人が作り出した物なら、その限りではない。

「というわけで、頼んだわよ」

「はーい。剣じゃないと皮とか剥ぐの無理だもんね」

天之尾羽張が、手際良くベヒーモスの解体を行う。

元々大きな魔物だからか、相当数の素材が入手出来た。
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 23:21:27.30 ID:/isAR1o8O
☆以下のアイテムを入手しました

『断罪の聖剣角』

リュクスベヒーモスの頭部に生えている一歩の大角。
ピンチの時にはこれを引き抜き、命を刈り取る剣として扱う。
亜種のためか一般的な物に比べて大きく、白電を纏っているため持つとピリピリする。

『断罪の滅爪』×2

リュクスベヒーモスの前脚から獲れる、荒々しい爪。
見かけの割に非常に軽く、硬い。
例によって白電を纏っており、加工すれば強力な短剣と変わるだろう。

『白電纏う聖毛』×8

リュクスベヒーモスを守る、手触りの良いふわふわな毛。
白電が常に放出されており、雷属性に強い耐性を持つ。
これのお陰で、物理攻撃にも耐性を持っているようだ。

『命喰む大牙』×3

リュクスベヒーモスの口から獲れる大きな牙。
その鋭利な牙で肉を裂き、命を喰らう。

『大きな純白骨』×4

大型の魔物から獲れる骨…よりも白く、軽い。
軽量化が施された肉体をしているなら、あの素早さも頷ける。

『穢れを映す眼』×2

リュクスベヒーモスの目玉。
凶暴な顔をしているが、結構目はクリクリしてて可愛い。
磨り潰して薬として用いることが出来る、かもしれない。

『麗しき白尾』

図体の割に細い尻尾。
薬として使えるかもしれないが、防具のアクセントにも使えるも!
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 23:56:49.24 ID:/isAR1o8O
「はい…。はい!確認しました!」

ビリー団長が既に伝令を出していたようで、任務達成の確認はスムーズに終わった。

また、リュクスベヒーモスを討伐したことも伝わっていたらしく、証拠となる素材を見せるようにも言われた。

「本当にありがとうございました!これで、アルバ渓谷も少しずつ元に戻るはずです!」

結局、特異個体とは何だったのか。

何があってベヒーモスが出没したのか。

謎は幾つか残っているが、恙無く終わったなら気にすることはないだろう。

そう思いながら、任務達成を示す印鑑が押されるのを眺めていた。
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/27(火) 23:57:42.13 ID:/isAR1o8O
アルメスたちの行動を下1に
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 00:09:08.37 ID:slwCuZ9Z0
うちあげ
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 00:25:23.47 ID:fuHW02CNO
「打ち上げ…って…。確かに大仕事が終わったけど、浮かれ過ぎじゃないの…?」

「まあ、良いんじゃないかな?働いてばかりでは疲れるだろう」

「偶には、自身を労って休養を取るのも必要だよ」

「…拙者は主殿の命に従おう」

「私はますたぁ様が楽しいならそれで!」

「…ノーコメント、です」

何故だ、思ったよりも好意的じゃないな。

「み、皆のお陰で勝てたんだからさ!皆を労うためなんだよ!」

それが本質であって、馬鹿騒ぎしたいわけではないのだ。

ホントですよ?
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 00:39:42.40 ID:fuHW02CNO
「それじゃ、乾杯!」

好みの飲み物を片手に乾杯をする。

アルメスと天之尾羽張、ミストルテインは未成年なのでジュース、他の三人は成人済みなので、ワインやジパンギア酒をチョイスしている。

「…少し質が悪いでござるな。輸送中に発酵が進んだか、粗悪な模造品か」

「ジパンギアは遠いから、しょうがない部分もあるでしょ」

「………」

「せっかくの宴なんだから、そういうのは言わないでほしいなぁ」

「マスター、この煮込みは美味だよ」

「むぐぐ。あ、ホントだ」

「…このミルク、美味しい…」

女性ばかりだからか、馬鹿騒ぎとはいかないようだ。

仲間の痴態など見たくもないので、それで良いのだが。
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 00:40:08.65 ID:fuHW02CNO
何があったとかどんな話をしたとかを下2まで
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 00:46:15.85 ID:r2ukHk8fO
いつの間にか参加していたソピアーがアルメスに興味(意味深)を持つ
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 00:52:51.59 ID:wPb3selqO
今後の活動について
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 01:02:03.86 ID:fuHW02CNO
「アルメス!もっとお野菜も食べなさい!」

「お前は俺の母親かぁ!?」

「マスター、デザートのプリンは如何かな?」

「ください」

「アルメスくん、私とお話ししましょお?」

「はいはい。ちょっと待って…」

ふと、思う。

こんな色っぽい声を、仲間が出せただろうか。

そもそも、俺を『アルメスくん』と呼ぶ人などいたのだろうか。

声のした方を見ると、いた。

知らない人が。

「…あんた、誰です?」

「通りすがりの物知りお姉さんよ〜」

手をヒラヒラと振る女性。

ローブからチラリと見える唇が艶めかしい。
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 01:09:57.00 ID:fuHW02CNO
「アルメスくん、君のことは聞いてるわぁ」

「…誰からです?」

「さて、誰でしょうね」

指を唇に当て、妖艶に笑う女性。

仲間の誰かが漏らしたとは考えにくい。

だが、幾ら追及しようと情報を吐きそうにない。

諦めて、話を続けることにする。

「…で、あんたは何用ですか?」

「興味があるのよぉ。君に、ね♪」

そう言って、女性はペロリと舌舐めずりをする。

背筋がゾワっとした。

「その能力…凄いわよねぇ。血統によるものかしら?それとも、その身体に何か秘密が…」

「ああ…想像するだけでゾクゾクしちゃう…?」

「ヒェ…」

「…メーティス。貴女はここから立ち去ってくれないかな」

「水入らずで過ごしたい時間だ。だから…」

「…ね?」

フラガラッハの目が開いた。

瞼の奥に隠されていた、蒼い瞳が女性を射抜く。

「はぁい。アルメスくん、また逢いましょ?」

チュッと頬に口付けをして、女性は去っていった。

女性の唇って柔らかいんすね。
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 01:17:03.03 ID:fuHW02CNO
「…はあ。何を話してたっけ」

「…何も話してないわよ」

えらく不機嫌なフライクーゲル。

少し不穏な空気だったので、それを変えるべく話題を提供する。

「これからどうする?」

「どうするも何も、ウェポナを増やすとしたら拠点が必要じゃないかな?」

アルメスにはどうしようも出来ない問題として、6人以上のウェポナは直接使役出来ない問題がある。

マナの限界量によるものかは定かではないが、これはおそらく成長しようと変わりそうにない。

これを解決するには、有事の際に集まることが可能な拠点を持つ必要がある。

特定の場所に瞬時に移動する道具は存在するので、それを使えばいい。

かなり値は張るが、それを持っていれば利便性は相当向上する。

また、拠点があるなら使役出来ないウェポナに指示を出し、集合するのも容易となる。

「私は色々な場所を旅したいわね」

この世には、まだまだ未知の領域が沢山ある。

それを解き明かすのもまた、一興だ。

「ふむ…」

目的を決めるというのも、悩ましいものだ。
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 01:17:47.21 ID:fuHW02CNO
ハートに変換出来ない、何故じゃ

下2までに今後の目標とかを
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 01:28:53.65 ID:r2ukHk8fO
とりあえず今はこのメンバーで旅を続ける
新しいウェポナや拠点については旅の状況次第ということで保留
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 01:34:37.82 ID:RhM9cbxqO
上に同じく
追加メンバー候補のウェポナと拠点も旅をしてれば自然と見つかるでしょ(適当)
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 02:30:29.72 ID:fuHW02CNO
「…仮定の話をしてもしょうがない。その時になったら、改めて話をすりゃいいさ」

「じゃ、今まで通りに旅をするってことね」

「ああ」

実際に起こるかどうかも分からない話だ。

一々気にすることもないだろう。

それより、剥ぎ取った素材をどう使うかの方が気になってたりする。

俺でも使える武器とか作れるのかな。

「…マスターにその手の心得は無いから、あまり期待は出来ないよ」

「うるせぃ」

夢くらいは見たっていいじゃないか。
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 02:31:02.30 ID:fuHW02CNO
アルメスたちの行動を下1に
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 07:29:32.07 ID:oYIZNTohO
武具屋に寄って新しい装備が作れないかどうか訊ねてみる
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 07:47:54.48 ID:fuHW02CNO
ベリルヌスは、商業の盛んな街。

他国と他国を繋ぐ要衝にして、祈りの集う聖地であるこの街に、人が集まらないはずがない。

人が集まれば、商いが始まる。

商いが始まれば、人が集う。

集まり、交わり、集まり、交わり。

いつしか、ベリルヌスは世界有数の大都市となっていた。

その根幹には、メチアロイフ大聖堂の存在があった。

「こんだけ人が集まりゃ、嫌でも産業が発展するよな」

旅人で大繁盛のメインストリート。

そこには、旅人や冒険者たちを引き入れようと、無数の店が軒を連ねている。

ここは、ベリルヌスの中でも選りすぐりの店しか出店出来ない一等地。

「ここなら、例の素材も加工出来るでござろう」

「なら良いけどねぇ」

金は掛かるが、こういう店でないとマトモな対応をしてもらえなそうだ。
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/08/28(水) 07:54:20.07 ID:fuHW02CNO
店の名前を下1、店員などを下3まで募集します
店名と店員は併記可能です
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