【安価】禁忌の工学者

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91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/20(土) 10:43:28.04 ID:UEnbz3NOO
開発された兵器のレポートを提出してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
また、ゾロ目が出た場合は、そちらを特別枠として受理されます。
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 10:52:29.37 ID:gyGxFCEo0
《Name》戦車型バイアグラ
《Ability》火炎放射
《Appearance》普通の虎と変わらない
《Weapon》雄たけびで敵をすくませ、
      火炎放射をするのが基本
《Summary》もろこしの「三国演義」に、諸葛亮の
       秘密兵器として登場するものが原形
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 10:57:03.33 ID:hFKbbUbx0
《Name》魔術師型サラ
《Ability》魔法の行使
《Appearance》1mほどのおもちゃの兵隊
《Weapon》無し
《Summary》あらゆる魔法を扱えるように十分な出力を持つが、今はまだ教えられていないため使えない
物静か
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/20(土) 23:16:07.47 ID:UEnbz3NOO
「疲れ…た…ぁ……」

「お疲れ様です。デザートをどうぞ」

「糖分が脳に沁みるわぁ……」

アイお手製のミルクレープを味わう。最近、駄目人間化が加速している気がする。

「我もその甘味が欲しいぞ…」

「小さい物しかありませんが、それでよろしければ」

「助かる。…美味い。エクセレントだ」

そんなこんなで、新造した機械の起動が完了する。一匹の虎と、おもちゃの兵士が、ゆっくりと起き上がった。

「恒例の確認だ。名前をどうぞ」

「《魔術師型サラ》」

「《戦車型バイアグラ》でございます。主殿、よろしくお願いします」

「キェアァァァァァァシャベッタァァァァァァ!!!」

ドッグのような機械人形を造りたかったのに、何故だ。
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/20(土) 23:17:29.46 ID:UEnbz3NOO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
今回のクールタイムは2ターンです。
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 23:50:32.16 ID:agpVyo0vO
>>86
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 01:00:29.63 ID:ZMLTWLHC0
アイと新入り達とのやり取り
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/21(日) 01:35:46.53 ID:4Bl+I+nUO
「アイよ、その書物は何だ?」

「《ロミオとジュリエット》です。初めて、マスターに戴いた物です」

「ふむ。…悲しい物語だな。愛に堕ち、溺れ、惑わされ。過ちに気付いた時にはもう遅く」

「ですが、双方の一族が和解した。それだけでも、二人は救われたでしょう」

「そうですかね?自分は、結ばれることなく死した二人は、憐れな存在だと思いますが」

「わんわん」

「貴方を、私はどう呼べば良いのでしょうか。流石に、卑猥過ぎます」

機械に卑猥だと感じる心があるのか。男がいれば、そこに興味を示すだろうが、今は不在だ。

バイアグラは首を横に振り、悠然と答える。

「主殿にも考えがあるのでしょう。忌避感を感じるのでしたら《グラ》とお呼びください」

なお、男は何も考えないで付けた模様。辞書を眺めながら、適当に名前は決めているのだ。

「童謡の鼠みたいだな」

「わぅん…」

「では、これからは《グラ》と呼称させていただきます」

「ふふ。何とも面白い名前ですねぇ」

クスクス、と笑うバイアグラ。虎である必要があるのか、もう分からない。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/21(日) 01:36:52.54 ID:4Bl+I+nUO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。

土日は所用で、早朝と夜のみしか更新出来ません。ご了承ください。
本日はここまで。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 02:08:44.88 ID:ZMLTWLHC0

安価は>>90とアイとドラグの合体とか試してみよう
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 05:16:26.26 ID:0fEoN+kzO
みんなでお出かけ
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/21(日) 22:26:31.59 ID:4Bl+I+nUO
「ドッグちゃん。お肉あげるから、レーダーで広域探知よろしく」

「わんっ!!!」

ドッグの背部装甲がスライドし、アンテナが展開される。数分ほどすると、何枚かの地図が印刷された。

「お利口さん」

「わぅん」

「………」

「ジェラシーですか。落ち着いてください」

「…ヤキモチなんて、焼いてません」

「分かりやすいな」

じゃれ合う二人を見ながら、アイは?を膨らませていた。
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/21(日) 22:28:15.02 ID:4Bl+I+nUO
確認されたダンジョンの情報を解析します。↓3までにダンジョンの名前と簡単な特徴をお願いします。

どのダンジョンに向かうかは、次の安価で決定します。
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 22:31:05.84 ID:ChR629KJ0
エクイバレント
無限ループの回廊が存在
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 22:46:07.98 ID:7WjEVnec0
サンドメイズ
見た目はピラミッドのような見た目で中に入ると隠し通路がたったりと複雑な迷路になっている。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 23:45:02.61 ID:ZMLTWLHC0
スクリューパイルドライバー
螺旋式に降りていく
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/22(月) 00:03:52.73 ID:K0HxZ9ZsO
「ふむふむ。見つかったのは三つか…」

解析結果では、近辺に確認されたダンジョンは三つ。何れも時空の歪みが激しく、相当厳しい場所であることが分かる。

一つは『エクイバレント』。無限に同じ道を進ませられる回廊が複数存在するダンジョンで、予想外の消耗をするかもしれない。

次は『サンドメイズ』。ピラミッドを模したダンジョンで、幾つもの隠し通路で構成された、迷宮だ。

最後は『スクリューパイルドライバー』。どこぞの格闘技の技の名前を冠するだけあって、螺旋状に地下へ降りて行くダンジョンだ。

変な名前であるが、一応最難関と呼ばれるだけあって、時空の歪みが激しい。

「何れも何があるのか未知数なダンジョンだ。どんな初見殺しがあっても、不思議ではなかろう」

「魔法を学びたい」

「マスターの望みの通りに戦うのが、私の役目です。命に代えてもお守りします」

「自分は火を噴くくらいしか出来ませんが」

「わんわん」

「どうしましょ」

正直言って、幾ら機械人形を連れているからといって気軽に向かえる場所ではない。

最低でも、二人は破壊される覚悟をしておいた方が良い。

設計図は残っているが、同じものを造れる保証は、出来ない。
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/22(月) 00:04:53.10 ID:K0HxZ9ZsO
向かうダンジョンを決定します。二票先取したダンジョンに向かいます。

行かない、という選択肢ももちろんありです。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 00:06:18.93 ID:ieFEBhDe0
>>105特徴の訂正

ピラミッドのような見た目で中に入ると隠し通路があったりと複雑な迷路になっている。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 00:48:37.73 ID:tGkzPo/BO
ネタ臭のするパイルドライバー
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 15:20:49.95 ID:WmxmH32MO
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/22(月) 16:40:31.41 ID:K0HxZ9ZsO
「じゃあ、探索と行こうか。いいアイテムとかがあったら、忘れずに回収しとくれよ」

「了解しました」

煉瓦造りの小部屋内にあるみすぼらしい祠に手を触れると、チキチキ、と音を立てて空間が黒く塗り潰される。

音が止み、闇が消える。すると、今までに良く見た遺跡のような光景が広がっていた。

「ほぅ…。綺麗なもんだ」

再度地図を印刷してもらい、間取りを確認する。

どうやら、無数のブロックが螺旋状に繋がり、地下に向かって延びているようだ。

一つ一つのブロックが迷宮になっており、その一つを踏破するだけでも、かなり面倒になっている。

「ドッグがいるお陰で、多少の迷路なら楽に攻略出来る。魔物にだけ注意するぞ」

「我の身体では先に進めそうにない…。仕方ない、やるぞ。アイ」

「もうですか?」

「この先に何があるか、我も見たいし。ここで留守番もつまらん」

「分かりました」

ズカズカ、と前に進む男の後ろで、二人は何やら話をしていた。
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/22(月) 16:43:01.44 ID:K0HxZ9ZsO
ダンジョンの深度と踏破階数を判定します。↓1コンマがダンジョンの深度(50以下の場合は50に書き換え)、↓2コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 16:44:03.67 ID:tGkzPo/BO
じゃあラッキースケベ
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 17:06:58.48 ID:r61JtMoE0
ドラグの重さで床が抜ける
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 18:11:38.72 ID:1dboMVopO
「では、打ち合わせ通りにいくぞ」

「…了解」

大仰なポーズを取り、アイは静止する。後ろに佇んでいたドラグの身体が光り、分離した。

「悪しき者よ、恐れ怯え、座して待て!」

「…今ここに、裁きが形を成す」

「ドッキング、開始っ!」

分離したドラグのパーツが、アイの身体を包むように装着される。

尻尾の剣は右手の銃に、腹の盾は左手の剣に。頭は、アイの頭部をすっぽり、と覆った。

「さあ!遠からんものは音に聞け!近くば寄って目にも見よ!」

「我こそはー!」

「…《龍装姫兵《ドラグアイ》》。この口上に、意味はあるのですか?」

「これがやりたかった!」

「…失敗作かもしれんわ」

こんな巫山戯た設定をしたつもりはない。帰ったらプログラムを調整する必要があるかもしれない。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 18:19:10.26 ID:1dboMVopO
「対象の撃破完了。哨戒行動に移ります」

「えげつねぇ」

事務的な殺戮を済ませたアイは、周囲の警戒を再開する。道を埋め尽くす骸からは、紅き液体が止めどなく流れ続けている。

四肢を断ち、首を刎ね。悦楽に浸ることもせず、黙々と命を刈り取った剣は、血に汚れながらも美しく輝いていた。

その所有者も、冷たい表情に赤のコントラストで彩られている。その様は、息を呑むほどに美しかった。

「なんで、オークとかオーガ、ギガンテスのようなマッチョ型の魔物しか出ないんだろうな」

「そういう特徴があるダンジョンなのでしょうね」

「マスター、足元にお気を付けください」

「そう簡単に滑ったりしないから大丈夫だっ」

「あっ」

「間抜け…」

118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 18:31:12.03 ID:1dboMVopO
一歩足を踏み入れる。そこに溜まっていた血液が摩擦を抑え、バランスを崩す。

バナナの皮を踏んだが如く、綺麗に回転して男は転ぶ。機械人形と警備をしていた魔物は、その美しさに目を奪われた。

ただ一人の機械人形を除いて。

「マスター…っ!」

高速で駆け寄ったアイは、主人の手を取り、身体を支え、抱き上げる。地面に頭を打つよりも早く、救出する。

「助かった」

「………」

「変態だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

転げた拍子で伸ばしていた手は、アイの胸部装甲に触れる。ドラグを纏っていたため、柔らかさなど微塵も感じなかったが。

「おい今何つった。おいドラグ」

「わ、我の胸を触るなど。変態にもほどがある!我は機械人形だぞ!?」

「お前まず雄だよな?女に触られたわけじゃねぇだろが」

「同性同士でも、急に触られて驚かないわけが無い!」

「主殿にはそのような趣向があったのですね。いやはや、これには自分も吃驚仰天です」

「変態、変態」

「俺にその手の趣味はねぇからな」

「マスター、機械人形に欲情するのはいかがなものかと思います。私にその類の機能はありません」

「欲求不満でしたら、娼婦を呼ぶのはどうでしょうか。それか、町に赴いて風俗に通うのも手かと」

「誤解したまま話を進めるのやめてくれない?」

男が望むのは、技術を扱うこと。ただそれだけだ。

それ以外の興味など、一切無い。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 18:36:20.70 ID:1dboMVopO
《Dungeon》スクリューパイルドライバー
《Depth》67Floor
《Achievement》8Floor

↓1コンマで損害状況を判定します。コンマ一桁が2以外の場合、随伴する機械人形に損害が発生します。
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 18:57:09.85 ID:eRyksl0l0
いやぁ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 19:47:20.08 ID:1dboMVopO
「目ぼしいアイテムは無いな。機械人形も修復不可能なやつばかりだ」

機械人形は原型を留めているものもあるが、どうしようもないほどに砕けたものもある。

いずれにしても、内部の破損や劣化が酷すぎて、技術を分捕ることは出来そうになかった。

「つまらない」

サラは不満を隠そうともせず呟く。ブリキの人形のような顔も、心なしか苛立って見える。

出没する魔物も肉体派ばかりで、魔法を使うようなものはいない。魔法を学習出来ないことは、彼女にとっては死活問題なのだろう。

「携帯食料は持ってきたが、最深部に到着するまで保つかな」

半永久的に、供給要らずで稼働する機械人形の動力とは違い、人間は燃料を必要とする。何とも不便なものだ。

「最悪、殺めた魔物の肉を食べればいいでしょう。お口に合うかは別問題ですが」

「カニバリズムみたいで嫌なんだけど。オークとか豚人間みたいじゃん」

「なら、自分のような魔獣型が出てくることを祈るべきかと」

「人間性は捨てたくねぇなぁ」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 19:48:15.86 ID:1dboMVopO
↓1コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 19:50:35.25 ID:Zd8gp+b60
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 19:52:07.84 ID:lF61aW7t0
放置されたテントを発見
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 21:02:09.07 ID:1dboMVopO
「あー疲れた」

「貴様は歩いているだけだろうが。戦っているのはアイとグラだぞ」

「人間だもん。嫌でも疲れは溜まるっつの…。技術畑生まれだから体力無いし」

更に五階層ほど先に進む。出没する魔物の系統も少し変わり、上位種が徐々に増えてきている。

「この先に広場がある。少し休憩させてくれ」

「了解しました」

「何あれ」

辿り着いた広場には、未知の財産で構成されたテントが設営されていた。ボロボロになってはいるが、まだ使えそうだ。

「この布…シルクとかじゃないな。触り心地が違う。ツルツルしてるけど、何か違うよなぁ」

「このダンジョン、私たちが最初に挑戦したはずですよね」

「いや、古代文明の奴らが先だ。朽ちた機械人形がそこら中にあっただろ」

「こいつは、大昔に入った奴らが用意した拠点の跡地だ。おそらく、戻ってくる前に全滅したんだろ…」

ダンジョンに道具を放置するのはよろしくないことだ。再利用出来る物は、可能な限り回収するのがセオリーである。

「何かあるかもしれないな。調べてみるか」

眼鏡を掛け、男はテントの布を切り取った。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 21:03:20.40 ID:1dboMVopO
↓1コンマで戦利品の判定をします。2以下で昼寝をしていたオーク軍団と遭遇、3以上6以下で道具入手、7以上で待機モードの機械人形を回収します。
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 21:05:49.72 ID:dKkg2R5H0
でやっ
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 21:19:21.39 ID:1dboMVopO
「………」

「Zzz………」

そこまで大きくないテントの中で、数体のオークが体操座りで仮眠を取っていた。

起こしては不味い、とこっそり逃げ出そうとする男たちだが。

「……誰ですか?」

衣摺れの音が耳障りだったのか、一体のオークが目を覚ます。質問にどう答えるか考える男だが、とりあえず無言を貫く。

「道に迷ったのです。お気になさらず」

「なるほど。ここは強大な魔物が多いのでお気をつけて」

バイアグラがすかさずフォローに入る。うんうん、と頷き、オークは目を閉じた。

「…じゃねぇよ!敵襲!敵襲ー!」

「あれま、誤魔化しきれませんでしたか」

「はいアイさん!やっちまえ!」

「了解、マスター」

両手の剣を敵に向けるアイ。銃口から凶弾が放たれる。
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 21:19:59.30 ID:1dboMVopO
↓1コンマで戦闘を判定します。3以上だと無傷で勝利します。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 21:49:06.96 ID:lF61aW7t0
はい
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 22:05:13.88 ID:1dboMVopO
斉射で討ち取れたのは、先頭の一体だけ。残りのオークは、槍と斧を携え接近する。

「ゴアアアアッッッ!!!」

「………!?」

突然のバイアグラの咆哮に、ほんの一瞬身体が竦む。その一瞬を、アイが的確に突いた。

「龍尾剣《レーヴァテイン》、殺戮剣《カリブルヌス》最大稼働。目標を駆逐します」

右手で薙ぎ、左手で斬り上げる。そのまま天井まで飛び上がり、天を蹴って心の臓を穿つ。

剣を引き抜き、バックステップ。その直後、アイがいた位置を斧が通る。

「グラ、頼みます」

「合点承知」

バク宙して後ろに下がるアイの下から、バイアグラが前進。その口蓋からは、赤い炎が漏れている。

「煉獄砲《ペテルギウス》!」

叫んだ刹那、開かれた口からは、熱線が放射される。長物でそれを防げるはずもなく。

悲鳴を上げることすら許されず、灰燼に帰した。

「さて、行きましょうか」

「テントまで消えた…。サンプルを採取したかったんだけどな…」

「…それはすみません。初お披露目でしたので、出力を上げてしまいました」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/25(木) 22:06:38.76 ID:1dboMVopO
《Dungeon》スクリューパイルドライバー
《Depth》67Floor
《Achievement》13Floor

↓1コンマで損害状況を判定します。コンマ一桁が2以外の場合、随伴する機械人形に損害が発生します。
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 23:14:17.40 ID:LoU1ODmcO
うりゃ
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 01:58:11.99 ID:BDsD7yUVO
0は基本的にクリティカル、または最大値となります。↓2までに戦利品を記載してください。

本日はここまで。
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 08:54:40.37 ID:cmAI5Day0
不思議なペンダント
着けていると射撃系の攻撃の威力が増幅される。しかし使っていく度に精神汚染が進む
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 09:20:12.87 ID:OsYehicGO
ぬいぐるみ
誰かが大切にしていたであろうただの犬のぬいぐるみ
どことなくドッグに似ている
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 14:37:12.03 ID:BDsD7yUVO
「戦闘終了」

幾度となく敵を殺めるアイ。両手の剣は、尚も美しく輝いている。血で錆びる気配は無い。

「だいぶ降りてきたな。そろそろ、精鋭が増えてくる頃か」

「…おっ、戦利品みっけ」

通路の傍らに、丁重に弔われた白骨が。昔の子供服らしき布に包まれ、眠っていた。

抱き締めるようにあったぬいぐるみと、首に掛けられていたペンダントを回収する。紫色の水晶が妖しく光る。

ぬいぐるみの方は、ドッグと似ているような印象を受けた。が、どちらも旧時代の遺物。同じ犬をモチーフにした可能性も考えられた。

「こんなちっこいのに、可哀想なこった」

欠伸をしながら、男はぼそり、と呟いた。
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 14:38:38.40 ID:BDsD7yUVO
↓1コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
今回から、撤退の選択肢も出現します。同時に、今回から損害判定の範囲が拡大します。
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 16:38:29.64 ID:3ltDMAO2O
ペンダントはアイに着けてもらう
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 17:32:40.39 ID:5WYGfu+hO
階層が進むに連れて漢のむさ苦しい臭いが漂う
ドラグアイ不快
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 19:05:00.02 ID:BDsD7yUVO
「ほれ、プレゼントだ」

「ありがとう、ございます」

どんな効果があるのか、そもそも、何で作られているのか。さっぱり分からないが、アクセサリーの類であるなら、身に付けるべきだ。

かと言って、野郎や獣、玩具が自身を着飾るわけにもいかず。一番適切であろう少女に、それを贈った。

胸元を飾るコサージュと対を成すように光る、紫色のペンダント。

「………?」

一瞬首を傾げながらも、アイはペンダントを服の中に仕舞い込んだ。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 19:05:59.80 ID:BDsD7yUVO
《Dungeon》スクリューパイルドライバー
《Depth》67Floor
《Achievement》17Floor

↓1コンマで損害状況を判定します。コンマ一桁が2以外の場合、随伴する機械人形に損害が発生します。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 19:07:15.13 ID:BDsD7yUVO
訂正です。損害が発生するのはコンマ一桁が4以下の場合です。判定先はこのレスから↓1です。
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 19:40:28.14 ID:ekvSEItU0
せいや
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 00:41:13.33 ID:nAElFruqO
「チッ…!」

「ドラグ、まだ保ちますか?」

「無論だ…っ!」

ダイヤモンドで構成されたゴーレムと、龍を纏った乙女が鎬を削る。剣が弾かれ、オイルが漏れる。

「ぐ…ぅっ!?」

強烈な一撃を防ぎ損じたアイは、廊下の彼方に消えていった。

「燃え尽きろ」

悉くを焼き尽くす獄炎が、狭い道を塗り潰す。それでも尚、ゴーレムには傷一つ付かない。

「殺戮銃《ガーンディーヴァ》起動。一斉射射射射射射射…」

暗闇から帰還してきたアイは、壁を走りながら銃を乱射する。それと同時に、狂ったように言葉を吐く。

威力が増幅された弾丸が、ゴーレムの装甲を傷付けていく。

「不味い…!」

怯んだ様子も見せないゴーレムは、顎門を開く。

喉から顔を見せた歪な形の銃口に光が集まり、迸り。

姿を隠そうとした刹那、視界を閃光が埋め尽くした。
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 00:43:20.22 ID:nAElFruqO
↓1コンマ一桁で損害を出す対象を決定します。

1で男、2、3でドッグ、4、5でサラ、6、7でバイアグラ、8、9でアイ&ドラグ、0はノーダメージです。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 01:37:55.89 ID:y1K+ULjx0
しゃけ
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 01:54:58.34 ID:nAElFruqO
アイ&ドラグに決定しました。↓1コンマで被害状況を確定します。

1が両者完全破壊、2がアイ、3がドラグの完全破壊、4から6が重傷、7から9が軽傷、0がノーダメージです。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 02:25:46.88 ID:pd+OcjOkO
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 02:30:46.40 ID:nAElFruqO
ゾロ目ですね。2人が軽傷を負う結果は変わりませんが、今回の戦闘で戦利品を獲得出来ます。
↓2までに、戦利品を記載してください。

本日はここまで。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 03:17:30.88 ID:ZTakvnKdO
それでは追いペンダントで
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 14:21:22.83 ID:e+w2eInHO
またゾロ目出てる
戦利品は黄金のバケツ
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 22:24:59.82 ID:nAElFruqO
「龍腹盾《アイギス》展開」

「あちちちち…!流石に我も堪えるぞ…!」

通路のど真ん中で仁王立ちしたアイが、左手の盾で魔力の奔流を受け止める。

紫電が走り、壁が抉れる。攻撃を一身に受けるアイたちも例外ではなく、合成皮膚が剥がれ落ち、金属の肉体がちらほらと露出していた。


「損傷軽微。まだ戦闘は続行出来ます」

「撤退!あれを黙らせるのに、どれだけ犠牲が出るか分からねぇからな。ここは安パイを取る」

「了解」

「………」

ゴーレムは追撃するでもなく、視界から男たちが消えるまで、見送っていた。対象をロストすると、また同じフロア内の巡回に戻っていった。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 22:31:14.69 ID:nAElFruqO
「死ぬかと思った」

「マスターが無事で良かったです」

ゴーレムの砲撃の余波で吹き飛んだ、大部屋の一角。その奥に隠されていた部屋の中で、皆は会議をしていた。

「主殿、戦利品がこんなところにも」

「バケツ…めっちゃ眩しいな」

「これも」

「さっきのと同型のペンダントか。嫌な予感しかしねぇ」

バイアグラとサラが回収した戦利品を鞄に仕舞い、瓦礫に腰を下ろす。

さっ、と待機している機械人形に目を通す。アイとドラグ以外は無傷で、2人も大したダメージは受けていない。

「だが、困ったな。こんな浅いとこから、あんな大物が出てくるとは」

もし先に進むなら、先程のゴーレムと鉢合わせするのだけは避けたい。あれには、今の戦力では勝てそうにない。

もしや、あれに挑戦した人たちは皆殺されたのか、と疑問が浮かぶ。しかし、証拠が無いので意識の片隅に、その疑問を追いやった。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/27(土) 22:33:29.50 ID:nAElFruqO
ゾロ目で特典が貰えるのは、コンマで判定を行なっている場合のみです。
何が貰えるか、どんな行動をするか、等の安価をしている際は00のみでしか特典を獲得出来ません。

↓1コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 22:35:58.50 ID:6Cjk6gas0
一旦撤退
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 01:27:31.88 ID:o/2H1zwdO
アイちゃんちょっと精神汚染
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/30(火) 23:07:20.00 ID:bFnYQ80wO
「殺戮杭《スヴィティ》起動。対象を破壊します」

バキン、と音を立て、アイの踵から20cm程度の希少金属(レアメタル)製の杭が突き出る。

踏み付けられていたオークの頭は、ザクロのように砕けて散る。脳漿と血液が飛散し、惨たらしい光景が広がる。

銃口から煙の出ている右腕を、元の形に戻す。実弾の弾薬は底を突いたようで、魔力弾の方のカートリッジが稼働していた。

「…レポートもこれくらいで良いか。次に行くぞ」

「…アイ?」

先行するように指示を出す。が、本来なら返ってくるはずの返事が無い。不審に思い、表情を伺うが。

「お?」

「ふふ、うふふふふ。ますたぁ…?」

恍惚とした表情のアイに押し倒され、組み敷かれた。膂力では機械人形に勝てないので、為されるがままだ。

尤も、対処法を用意していないはずがない。どんな状況でも使えるものがあるが、それを使うのは今じゃない。

こんな状況は滅多にない。何か良いデータが得られるチャンスなのだ。

欠伸を一度して、男はアイに問うた。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/30(火) 23:15:04.50 ID:bFnYQ80wO
「どうした?アイ。お前に発情するような思考プログラムは無かったはずだが」

「アイ?違うわぁ。もしかして、忘れちゃったの?あたしの名前」

「お前は『I型アイ』だ。それ以外の名前はねぇだろうに」

あくまで冷静に、アイに対して男は問い詰める。準備は済んでいるのだから、焦ることはない。

「むー。またしらばっくれちゃって…いいわ。なら、ますたぁの身体に直接解らせてア・ゲ・ル?」

徐に手を伸ばし、白衣のボタンを外す。上から3番目、つまり1番下のボタンを外したところで、アイの動きが止まった。

「…マスター?何を、しているのですか」

「そりゃこっちの台詞だ。良かったな。あと数秒遅かったらお前、機能停止させてたぞ」

「何があったのですか。私のデータに、直近の記録が残っていないのです」

「あー、うん。知らないままの方が良い」

あのような、アイデンティティがクライシスしたような彼女を、彼女自身が知ってしまったら。

羞恥心で何をしでかすか分からない。羞恥を感じる心すら、無いかもしれないが。
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/30(火) 23:16:25.87 ID:bFnYQ80wO
《Dungeon》スクリューパイルドライバー
《Depth》67Floor
《Achievement》27Floor

↓1コンマで損害状況を判定します。コンマ一桁が4以外の場合、随伴する機械人形に損害が発生します。
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/30(火) 23:18:38.85 ID:OgA6uE1p0
でやっ
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/30(火) 23:28:00.43 ID:bFnYQ80wO
「我、もう帰りたいのだが」

「そろそろやべぇな。まだまだ、俺の技術力が足りないか…」

損傷こそ無いが、苦戦する状況が増えてきた。戦闘用なのに、戦闘に参加出来ない機械人形が1人いるのも原因かもしれないが。

「つまらない。…本当に、つまらない」

完全にやる気を無くしているサラは、バイアグラに乗っかったまま動かない。

本人の得意なことは知っているので、同情はしている。だが、どうにも出来ないのが現実だ。しょうがないことなのだ。

「だってさ、ここまでマッチョとかしか出ないとは、夢にも思わねぇだろ」

「魔法を使うような魔物は、1匹たりとも出ていませんね」

出てくる魔物が悉く、パワータイプだ。テクニカルな戦い方をする魔物は、一切出ていない。

先程のゴーレムだって、やっていることは殴る、蹴る、砲撃の3点だけだ。魔法の類は使用しなかった。

「あー、もう怠い」

最深部に何があるのかも分からないのにここまで来れた自分を褒めたいくらい、男も消耗していた。
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/30(火) 23:29:34.87 ID:bFnYQ80wO
今見たら、4以下が4以外になってましたね。申し訳ありません。

↓1コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
今回から、更に損害判定の範囲が拡大されます。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 23:50:30.59 ID:OgA6uE1p0
二つめのペンダントは着けてないのかな?
ダブルペンダントならその影響で、アイのプロテクトされていた過去の記憶がちょっとこんにちは
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 00:06:28.88 ID:wFJYTUQ3O
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 00:28:04.59 ID:cjjdon6lO
「はぁっ。はぁっ」

理解出来ない。私の身体は、完全に機械と化している。故に、疲労など一切溜まらない。それなのに。

「………!?」

明らかに、この身体は疲れを感じている。生きていた時と同じ感覚がある。

何故、そんな感覚があるのか分からない。もっと踏み込んで言えば。

何故、私は生きていた時の感覚を知っている。

「づ…ぐ…ぁぁあっ…!」

嫌な感覚。厭な記憶。奥底に封じ込め、鍵を掛けた悪夢が。ギシリ、ギシリ、と音を立て、箱を少しずつ破っていく。

箱が崩れ、破片が散り。僅かに生まれた隙間から、行き場を求めて『あるはずのない記憶』が溢れ出す。

「嫌…嫌ぁぁっ………!!?!」

それは、あるはずのないもの。それは、あってはならないもの。

世界から消えたはずの少女の魂。それは、歪な形で呼び戻されていた。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 00:36:34.56 ID:cjjdon6lO
暗い、暗い、夜の中。少女はただただ、泣いていた。

怖い。真っ暗闇が、恐ろしい。

怖い。どこかから聞こえてくる犬の鳴き声が、悍ましい。

怖い。私を追いかけていた男の顔が、形容出来ないほどに歪んでいて、嗤っていて。とにかく恐ろしい。

「ひっ………!!!」

声が、聞こえた。私を捜しているような、怒号が聞こえた。

私は必死に声を押し殺した。口を押さえ、身動ぎ1つしないで、ゴミ箱の中に身を潜めた。

鼻を突く生ゴミの悪臭も、何とも思わなかった。今を乗り越えることに比べれば、臭い程度は然したる問題ではなかった。

だが、少女に明日は来なかった。最後の記憶は、暴漢の顔で塗り潰されていた。
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 00:47:31.91 ID:cjjdon6lO
「…どーすんだこれ。アイ、もう駄目じゃねぇのか」

壁に埋もれているアイの身体に触れる。僅かに振動して、機械の動作音が聞こえることから、まだ壊れてはいないことが分かる。

だが、どうする。100kgを超える彼女を運べる人はいない。完全体のドラグなら可能だろうが、リスクがある。

「主殿。そのペンダント、外した方が良いかと」

「まぁ、流石にな。これ以上悪化するとしたら、自壊する可能性もある」

恐る恐る、胸元のペンダントに手を伸ばす。ナイフで紐を斬り落とすと、鋭い音が響く。

「………」

「……ます…たー…?」

虚ろな視線を向けるアイ。男は態度を変えず、普通に答える。

「ん。俺が誰か分かってるなら、問題は無いだろう。もう少し進むぞ」

「はい…」

よろめきながらも、アイは立ち上がって歩き始めた。
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 00:49:06.90 ID:cjjdon6lO
《Dungeon》スクリューパイルドライバー
《Depth》67Floor
《Achievement》36Floor

↓1コンマで損害状況を判定します。コンマ一桁が6以下の場合、随伴する機械人形に損害が発生します。
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 00:52:21.99 ID:KG3JX/CjO
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 00:57:48.46 ID:cjjdon6lO
ゾロ目ですね。それも、99。特典は特殊な兵器の出土です。
回収された兵器のレポートを提出してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
コンマが奇数の場合は、無条件で回収されます。

今回は男が製造していないので、名前に○○型は無くても大丈夫です。また、多少性能を盛っても問題ありません。珍しいゾロ目なので。

本日はここまで。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 01:15:20.87 ID:KG3JX/CjO
《Name》八島
《Ability》世界に干渉できる能力
《Appearance》ゴスロリ風の服装。かなり動きにくそう
《Weapon》本体は世界を滅ぼすと言われた荷電粒子を放つ大型兵器。その器として少女の姿を使っている
《Summary》兵器状態と少女の姿は自由に切り替えられるが、兵器の姿になるには広い場所があるのがベスト。世界に干渉する力は第四の壁を認識して利用したり自分の都合の良いように展開を書き換えることができるらしい。元の世界ではこの力を使い過ぎ作者から追い出されたので、なるべく大人しくしているつもりだそう
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 08:30:43.17 ID:hQX7t+fsO
《Name》超掘削型探査機モグオン
《Ability》どんなに硬い物質でも掘り進める
《Appearance》ぱっと見はファンシーな茶色いライオン。掘削時には顔が変形しドリルになる
《Weapon》補助ドリルとして前脚も変形し、後脚はキャタピラになる
《Summary》モグラとライオンを足すとどうなるのかそんなコンセプトから生まれたロボ。なぜモグラとライオンだったのか、なぜ掘削探査機として造られたのかは一切分かっていない
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 11:47:06.82 ID:cjjdon6lO
「…ん?この壁だけ、他のところと比べて少しだけ新しいな。皹の入り方も不自然だ」

ナイフの柄で、壁を数回ノックする。他の場所とは違い、空箱を叩く音に似たものが聴こえてくる。

「アイ、ここを斬れ」

「了解」

双剣で分厚い石の壁を斬り裂く。ガラガラ、と音を立てて壁は崩れ去り、空洞が姿を現す。

「また隠し部屋か。どんだけあるんだよ」

「む、何か転がっているぞ」

ドラグの声に反応し、周囲を見回す。ドラグの言う通り、乱雑に機械人形が放置されていた。

「2体か。…いい収穫だが、こいつらを持って深層には向かえないな」

単純にお荷物が増えるのに加えて、ここから先は更に敵が強くなる。今でさえ苦しんでいるのに、負担が増えては敵わない。

そろそろ、潮時なのかもしれない。
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 11:48:59.67 ID:cjjdon6lO
↓1コンマ一桁が踏破した階数となります。

↓2までに発生したイベント、アクシデントのレポートを提出してください。コンマが大きい方が採用されます。
前にも書いていましたが、撤退することも可能です。
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 12:05:39.85 ID:1SHGZHNP0
アイちゃん可哀想だし撤退
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 12:20:36.89 ID:n39rBM3YO
サラの機嫌も最悪なので今回はここで帰ろう
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 16:00:33.17 ID:cjjdon6lO
「収穫は充分あった。帰投する」

男は鞄から緑色の結晶を取り出し、地面に置いた。表面がボロボロ、と崩れていくと、球状にエネルギーが広がっていく。

「ほれ、入った入った」

「何でしたっけ、これ」

「『脱出結晶』。科学が生み出した便利アイテムだ」

「…これ、魔法で再現出来る」

「それは有難い。毎回買うのも面倒だからな」

結晶は8割ほど崩壊している。パリパリ、と電撃が走り始めた。

「ちゃんと入ってろよ。外にいたら、置いてけぼりを食うからな」

「わんっ」

ドッグの鳴き声を合図に、一行は姿を消した。
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 16:25:00.32 ID:cjjdon6lO
「さてさて、今回の機械人形はどんな技術が使われてるのかなっと」

上機嫌で整備をしていく男。アイとドラグの損傷は、しっかりと直している。

装甲を取り外し、コアを確認する。破損は見受けられず、そのまま元に戻した。

「この女性型は…謎の貯蔵タンクが内蔵されてるな。燃料か?」

「こっちのライオン…ライオンで合ってるの?これは、ドリルが内蔵されてるから、掘削用か。何故にライオンの姿を」

もう慣れっこだからか、いつもに増して修理時間が短縮される。

昔の人がどれほど手早く済ませていたのかは分からないが、近づけているのだろうか。
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 16:26:34.12 ID:cjjdon6lO
行動を決定してください。↓2までの中でコンマが高い方が受理されます。
開発はまだクールタイム中なので不可能です。
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 16:46:23.74 ID:o1nbWRp10
直った新入りと会話だ!
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 17:02:19.00 ID:h4IRBhdTO
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 18:33:30.40 ID:cjjdon6lO
「こうして見ると、どんな反応をすれば良いのか分からんな」

「グルル?」

ちょこんと座っているライオンもとい『モグオン』。どこぞのドーナツショップのマスコットを彷彿させる外見をしている。

というか、そのマスコットの基となった機械人形なのではないか?そんな疑問が浮かぶ。

「Zzz…」

こちらを見たと思ったら、寝た。ライオンの雄はかなりぐうたらしているらしいが。

「面白い漫画は無いの?」

「マンガ?…何だっけ、聞いたことはあるような、無いような」

「えぇ〜人生の半分は損してるわよ」

「んなこと言われてもな。俺はこうやって機械人形を弄れりゃ、それで良いんだし」

「復讐したくないの?あの、あなたの土手っ腹に大穴を開けた女に」

「…何で、あいつのことを知ってるんだ?」

「なーいーしょ」

クスクス、と笑い、『八雲』は煙に巻く。彼女から嫌な感覚がするのは気のせいなのだろうか。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 18:34:17.00 ID:cjjdon6lO
イベントを決定してください。↓2までに来たものを全て実行します。00の特典なので、コンマで判定はいたしません。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 19:27:06.96 ID:h4IRBhdTO
男以外にも色々と覗き見る八雲
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/31(水) 19:31:07.45 ID:kAPmKyys0
改めてアイとコミュ
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 20:05:03.24 ID:cjjdon6lO
「うぅん、他の子はそこまで面白い記憶は無いのね」

「はい?」

「は?」

「我らは出来立てホヤホヤだ。大した記憶など無い」

「よねぇ。ドッグちゃんは…ペットね、うん。それ以外に形容しようが無いわ」

「わうん?」

腹を見せるドッグを撫で、視線をモグオンとアイに向ける。虹彩の中で、幾何学模様が形を変えた。

「モグオンちゃんは、鉱山で働いてばかりだし…」

「…へぇ、面白い記憶持ってるじゃないの。アイちゃん」

「何を言っているか、理解出来ません」

「理解したくないだけでしょ?あんな地獄を、認めたくないだけでしょぉ?」

「…そんなこと」

「恨みがあるなら晴らしなさいよ。それくらいの力、あるのは知ってるはず」

「私は《I型アイ》です。私が望むのは、マスターの無事だけです」

「それだけ…なんです…」

悲痛な面持ちのまま、アイは部屋を出て行った。それを見送りながら、八島はつまらなそうに頬を膨らませた。

「復讐、楽しいことなんだけどなぁ」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 20:11:13.31 ID:cjjdon6lO
「………」

深夜。男の私室を訪ねたアイは、男の後ろで待っていた。

「こんな夜更けに何だよ。何かお強請りでもしに来たか?」

「いえ、そのつもりはありません。ただ…」

「…ただ、マスターの傍にいたい。そう思ったのです」

「邪魔しないなら、好きにしろ」

男は開発作業を進めながら、平坦な声色でそう答える。形だけでも受け入れてもらえた。

それだけでも、良かった。ここなら、私が私でいられる。《I型アイ》でいられる。

壊された少女を、この時だけは忘れられる。

「…私は、アイですか?」

「急に何言ってんだ?お前はお前…それ以外の何者でもねぇ。前にも言っただろうに」

いつもと変わらない物言いが、心地良く感じた。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/31(水) 20:12:30.54 ID:cjjdon6lO
名前間違え、申し訳ございませんでした。

↓2までに、アイとのコミュニケーション時の男の行動レポートを提出してください。
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/31(水) 20:27:00.79 ID:h4IRBhdTO
抱き上げるには重過ぎるので抱き締める
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