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「ポケモンを診るということ」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/08(月) 11:00:44.22 ID:h7Kh27Mi0
その日の救急外来は随分と忙しかった。
あらかた患者がいなくなったタイミングで、僕はついうとうとと眠ってしまっていたようだった。
「……先生、サツキ先生!」
「ぅあ、はい!」
僕を呼ぶ声に、乾いた喉であわてて返事をする。
焦点の合わない目を開けると、ピンクの髪を後ろで結んだ、すっきりした目鼻立ちの女性が立っていた。
僕が務めているポケモンセンターのジョーイさんだ。
僕が寝落ちしていたのは宿直室のソファーの上だ。
僕のお腹には読みかけの新薬の資料が散乱していて、起き上がると同時にそれらがパラパラと床に落ちた。
「先生。お疲れのところ申し訳ありませんけど、5分後に急患ですよ」
「や、すみません、自分だけ勝手に寝ちゃって……すぐ行きます!」
「ふふ、慌てなくてもいいですよ。問診だけ先にやっておきますから」
いつもと変わらない笑顔のジョーイさんは、そう言って宿直室を後にした。
ピンクの後ろ髪を見送って、僕はようやくソファーから立ち上がる。
「ん゛ー……、」
伸びをすると幾分か目が覚めた。
胸元のポケットに入っているポケベルで時間を確認すると、深夜の2時30分。
ジョーイさんからの着信が2件ほど入っていて、なるほどそれで起こしに来てくれたのか、と納得した。
脱ぎ捨てていた白衣を手に取って、僕は宿直室のドアを開けた。
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