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高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「七夕のカフェで」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga sage]:2019/07/07(日) 19:26:07.12 ID:tebchJYr0
……。
…………。
高森藍子(星の海が、広がってる……)
藍子(足元には、四角形のもこもことしたマットが敷かれています……)
藍子(それから、絵本に出てくるようなメルヘンなお星様がソファの形になって、向かい合うように置いてあって)
藍子(ソファの間には、銀河色のテーブル。少しだけ透けてるみたいです。触ってみたら、感じ慣れたごつごつとした感触が)
藍子(見慣れたお手拭きやボタンと、メニュー表と、小さな花瓶とが、テーブルには置いてあって)
藍子(そして――)
北条加蓮「やっほー。藍子」
藍子(向こう側のソファに座った加蓮ちゃんが、こっちに手を振っていました)
藍子(……)
藍子(あっ、これ夢だ)
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1562495166
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:26:53.05 ID:tebchJYr0
レンアイカフェテラスシリーズ第78話です。
<過去作一覧>
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「膝の上で」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「最初にカフェで会った時のこと」
〜中略〜
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「真剣勝負のカフェで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「そわそわ気分のカフェで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「のんびり勝負のカフェで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「朝涼みのカフェで」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:27:21.79 ID:tebchJYr0
――夢の中?――
藍子「…………」キョロキョロ
加蓮「どしたの? きょろきょろして。そんなに周りの様子が気になる?」
藍子「……それは、まあ……。気になりますよ」
藍子(……夢の中の、よく分からない場所で。それでも、いつもいてくれる人がいる。こんなにほっとすることなんですね)
藍子(ソファに腰掛けるのに、少し、勇気が要りました)
藍子(でも加蓮ちゃんが、「まあ座ったら?」と勧めてくれたので、自分でもびっくりするくらいいつも通りに座ることができました)
藍子(ごつごつしてるのに、ふわふわしてる……。ふふ。本当に、変な場所っ)
加蓮「ま、場所が場所だし気にはなるか。でもあんまり加蓮ちゃんを無視して周りばっかり見てたら拗ねちゃうよー? なんてねっ」
藍子「あはは……。じゃあ、加蓮ちゃんのことをじ〜っと見ちゃいますね」
加蓮「いやそれはそれで照れるんだけど」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:27:51.59 ID:tebchJYr0
藍子「じゃあ、加蓮ちゃんはどうしてほしいですか?」
加蓮「……テキトーに?」
藍子「は〜い」
藍子「あれっ?」
加蓮「?」
藍子「ここ――」
藍子(加蓮ちゃんも、ここがおかしな場所だって気付いてる……?)
藍子(ここって、私の夢? それとも、加蓮ちゃんの夢なの?)
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:28:21.70 ID:tebchJYr0
藍子(そういえば、いつかお話したことがあります。夢を伝って、遊びに行きたいな……って)
藍子(それはメルヘンな想像でしかなかったけれど……。本当のことになったのかな?)
藍子(ううん。そもそも、ここって本当に夢の中?)
藍子(う〜ん……)
藍子「加蓮ちゃん。ちょっと、聞いてみますね」
加蓮「んー?」
藍子「これって……夢の中?」
加蓮「うん。夢だよ?」
藍子「えっそれあっさり言っちゃっていいんですか!?」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:28:51.90 ID:tebchJYr0
加蓮「藍子も気付いてるっぽいから濁しても意味ないでしょ。相手が分かってることなのに必死に隠すのって、どういう意図があっても相手への不信になるだけだって思わない?」
藍子「また加蓮ちゃんらしいことを……! じ、じゃあ、……これもすごく変な質問ですけど、これは私の夢なんですか? それとも、加蓮ちゃんの……?」
加蓮「さあね。藍子かもしれないし、私のかもしれないね」
藍子「加蓮ちゃんにも、わかってない……?」
加蓮「お星様に囲まれた空間、なんで藍子の考えそうなことかな? ほら、この星のソファーとか。私だったらここまでメルヘンにしないかなー」
藍子「……」
加蓮「でも、加蓮ちゃんだってこう見えても夢見る乙女ですし? 案外、私の夢に藍子が迷いこんだのかもね。ふふっ、寝てもお散歩するなんて藍子らしいっ」
藍子「…………」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:29:21.78 ID:tebchJYr0
加蓮「……そこで何言ってんだコイツって顔するの、どういう意味かなー?」
藍子「いや、」
加蓮「んー? 私、一応藍子と同い年ってことになってる筈なんだけどなー」
藍子「……あ。どう見ても、加蓮ちゃんだ」
加蓮「それ以外の何に見えるの」
藍子「何って、加蓮ちゃん……みたいな人?」
加蓮「ひどくない? こんな子、世界に2人もいる訳ないでしょ」
藍子「……確かに、加蓮ちゃんが2人もいたら色々と大変そうっ」
加蓮「なんで今日のアンタってナチュラルに失礼なのよ……。心の声、だいたい出ちゃってるわよ?」
加蓮「ま、細かいことは今追求しても面白くなくない? 夢にある人物が出てきてその人物は本当に同じ人なのか? なんて。起きた後の現実の私にしてあげなよ。カフェでのんびりする時のネタの1つってことにしてさ」
加蓮「ほら、そういう空想話とか、もしも○○だったら的なの、藍子も嫌いじゃないでしょ?」
藍子「……」
加蓮「んー……」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:29:51.70 ID:tebchJYr0
加蓮「じゃあこう考えてみなさい。お星様に囲まれた場所になんて、もう2度と来れないかもしれない。七夕の奇跡――」
加蓮「……とまで言ったら、さすがに私のキャラじゃないかな?」アハハ
加蓮「とにかく。きっと、晴れた日の七夕だから藍子はここに来ることができたの。晴れないと、星が藍子を見つけることはできないもんね」
加蓮「七夕の日が晴れって確率、相当低いってことは藍子も知ってるでしょ?」
藍子「……そうですね。毎年、晴れればいいのにって思うのに、雨が降っちゃって」
加蓮「ねー。ホント、晴れればいいのにね」
藍子「加蓮ちゃんも、天の川を見たかったんですか?」
加蓮「ロマンだもん」
藍子「ロマンですよねっ」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:30:21.64 ID:tebchJYr0
藍子「1回だけ、お母さんにやつあたりしてしまったこともあるんです」
加蓮「……八つ当たり?」
藍子「やつあたり」
加蓮「藍子が!?」
藍子「私だって、怒る時は怒りますよ?」
加蓮「それは知ってるけど八つ当たりって……。うわ、珍しー」
藍子「お母さんに、どうして織姫様を見れないの、って詰め寄っちゃって。……お母さん、すっごく困った顔になったんです」
加蓮「それは困るよね」
藍子「……困らせたこと、帰ったら謝らなきゃっ」
加蓮「いやいや。その八つ当たりしたのがいつか知らないけど、大昔のことにごめんって言われてもポカーンってなると思うよ? あぁまた藍子が変なこと言い出したー、って」
藍子「そうかもしれませんけれど、思いついたことは言った方が――って、誰が変ですかっ。また、って何ですか〜っ」
加蓮「藍子は変な子ー♪」ヒヒッ
藍子「変じゃないです!」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:30:51.73 ID:tebchJYr0
加蓮「七夕だからってお星様の夢を見るとか、十分変だよ。6歳の女の子ならともかく16歳にもなってさー」
藍子「ま、まだ加蓮ちゃんの見る夢に私がお邪魔している可能性だってあるじゃないですか」
加蓮「ないない。私神様とか大っ嫌いだし」
藍子「神様じゃなくても、加蓮ちゃんこそっ、……えっと……」
藍子「ろ、6歳の頃に戻る気分になることだって、あるんじゃないですか?」
加蓮「無いわよ」
藍子「……あはは、ですよね」
加蓮「あ、でも普通の女の子になりたいって思う時はなくもないかな……」
藍子「……」
加蓮「藍子といると私にまで変人エキスが伝染っちゃうから、ノスタルジーごっこは1人でやらなきゃ」
藍子「だから変人って呼ぶのをやめてください! いいですよっ、そんなこと言うなら、加蓮ちゃんがその"ノスタルジーごっこ"をやろうとしたら、絶対ぎゅ〜ってひっつきますからっ」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:31:25.12 ID:tebchJYr0
藍子「それから、加蓮ちゃんのやりたいことを全部聞いて、1つ1つやるんです。どんなことでも、時間がかかることでも……」
藍子「それで、加蓮ちゃんが楽しいって思ってくれるならっ」
加蓮「……、いきなりどしたの藍子。変人以上に"いきなりシリアスを始める超変人"って称号でもつけてあげようか?」
藍子「あっ。……あはは。ちょっぴり、熱くなってしまいいました」
加蓮「ホントだよ。私の顔まで熱くなって来るんだけどー?」
藍子「加蓮ちゃん、照れてる?」
加蓮「アンタの無駄なパッションが伝染しただけだってば」
藍子「前向きになれるのなら、無駄じゃありませんよ?」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:31:52.05 ID:tebchJYr0
藍子「……」
加蓮「……、」
藍子「……」キョロキョロ
藍子「……星が、やっぱりすごい……。これって、天の川なのかな……」
藍子「わぁ……!」
加蓮「あはは……。今更感動するんだ」
藍子「あれから、ずっと天の川を見ることはできなかったから……。それでも毎年、わくわくしてしまうんです。今年こそは、今年こそは……って! その夢が、夢の中で叶っちゃいました!」
加蓮「あははっ。夢見る乙女だ」
藍子「ふふ。加蓮ちゃんより、私の方が夢を見てしまう女の子なのかもしれませんね」
加蓮「私だって夢見がちだよ? いや6歳の気持ちになったりはしないけどさ……。1人でごろごろしてる時、たまに藍子のことも考えちゃって」
藍子「私?」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:32:21.70 ID:tebchJYr0
加蓮「暇な時、藍子といたいなーのんびりしたいなー、とかつい考えて」
藍子「ふんふん」
加蓮「すぐ我に返って舌打ちするけど」
藍子「舌打ち!?」
加蓮「なんかむかつくし」
藍子「えぇ……」
藍子「ずっと言い続けていますけれど、いいんですよ? そういう時は、電話でも、メッセージでも、連絡をしてきて。私も……いつも返事できるか、絶対って言うことはできませんけれど、ちゃんと応えますよ?」
加蓮「やだ」
藍子「……くすっ。そうですよね。加蓮ちゃんは、そう言いますよね」
加蓮「お。ついに諦めてくれた感じ?」
藍子「諦めませんっ」
加蓮「頑張れー」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:32:51.71 ID:tebchJYr0
加蓮「藍子は天の川を見たいと思ってて……。だからこんな夢に招待されたのかな」
藍子「かもしれませんね――」
藍子「あっ。私が招待されたってことは、やっぱりこれは加蓮ちゃんの夢なんですねっ」
加蓮「げっ」
藍子「そうなんですね〜。加蓮ちゃん、七夕になる度に、こんな場所に来たいなって思ってたんですね」
加蓮「そ、その温かい目を今すぐやめなさいよ。子供扱いするなっ」
藍子「いいじゃないですか。夢見る乙女なんですよね?」
加蓮「人から言われるとそれすごい腹立つ!」
藍子「くすっ」
加蓮「ぐぬぬ……」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:33:21.92 ID:tebchJYr0
藍子「そういえば……。周りは、星の海で……天の川だとして。この四角い空間は、カフェ?」キョロキョロ
加蓮「そうじゃない? ソファがあって、テーブルもあって。ほら、そこにメニューもあるし」
藍子「う〜ん。カフェって言うには、内装が寂しすぎるような……」
加蓮「じゃあ欲しいものでも思い浮かべてみたら? 夢の世界なんだし。ぽんって出てくるかもしれないよ?」
藍子「それなら、まず欲しいものは……。そうですね〜。時計っ」
……。
藍子「……出てきませんよ?」
加蓮「あれ、おっかしーなー」
藍子「やっぱりこれって加蓮ちゃんの夢だから――」
加蓮「違うってば! いいよ、私がやって出てこなかったら私の夢じゃないってことだからね。出てきなさい、時計!」
ぽんっ!
加蓮「」
藍子「壁際に大きな時計が……! これ、いつかの謎解きのカフェにあった古時計と、そっくりですっ」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:33:51.79 ID:tebchJYr0
藍子「あっ、でも長針や短針の先のところが星型になってる。あの古時計は、普通の針でしたよね」
藍子「細かいところまで、七夕を意識してるの、真面目な加蓮ちゃんらしいですっ」
加蓮「……藍子」
藍子「はい」
加蓮「今すぐ私に殴られて痛みで現世に戻りなさい!」
藍子「ふぇっ? ……わ、わあっ!? いきなりパンチしてこないで〜〜〜っ」
藍子「こっ、ここが加蓮ちゃんの夢だっていうのは私のせいじゃないですよ――って聞いてください! 左手を振りかぶらないでください!!」
加蓮「……、」
藍子「はあっ、はあっ……」
加蓮「……もうこれ以上は何も出さないからね」
藍子「はい。あの、からかったりしませんから。加蓮ちゃん、座って、落ち着いて?」
加蓮「…………」スッ
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:34:21.77 ID:tebchJYr0
藍子「ほっ。でも、いつか加蓮ちゃんの作ったカフェにも行ってみたいなぁ……」
加蓮「夢の世界の?」
藍子「夢の世界の、加蓮ちゃんが店長さんのカフェっ」
藍子「どんな感じになるのかな……。やっぱり、メニューにポテトがいっぱいあったりするのかな?」
加蓮「案外サンドイッチだらけになったりして。ほら、私ってよくカフェでサンドイッチを頼んでるじゃん」
藍子「確かに……。あとは、コーヒーもですね」
藍子「あっ。そうだっ。このメニュー表を見れば、それが分かるかも!」スッ
加蓮「……って、だからここは私の夢じゃないし、私が作った場所でもないんだからね?」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:34:52.09 ID:tebchJYr0
藍子「メニューは……。あれ、いつものメニュー? 定食も期間限定メニューもあるっ」
藍子「あっ。期間限定メニューが、七夕のお子様ランチになってる! わぁ、可愛い……♪ これ、織姫さんと彦星さんの人形がついてくる、って書いてありますよ! 手縫いの編みぐるみかな?」
藍子「加蓮ちゃんの作った編みぐるみ、見てみたいなぁ……。でもお子様ランチを注文するのは……ちょっと恥ずかしいかも?」
加蓮「藍子ちゃーん? だからそもそもここは私の夢じゃなくて、その編みぐるみとやらを作ったのも私じゃなくて――」
藍子「?」
加蓮「話を聞こ?」
藍子「でも、どうしてお子様ランチなのでしょうか。それも、期間限定メニューに」
藍子「いつものカフェには、お子様ランチはありませんよね」
加蓮「子供の来る場所じゃないもんね。ちびっこの喜びそうな物とかなんにもないし、大人な雰囲気って感じの場所だし」
藍子「う〜ん……」
藍子「あ!」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:35:21.77 ID:tebchJYr0
藍子「加蓮ちゃん、もしかして最近ジャンクフードのお店に行きましたか? そこで、ちいさい子ども用のメニューを見たから、この世界にも混ざって出てきちゃったとかっ」ドヤッ
藍子「ほら、夢って、直前に見たものとか、やったことに影響されるって言いますよね」ドヤッ
加蓮「……」ペシ
藍子「痛いっ」
加蓮「ドヤ顔がムカついた」
藍子「む〜。……あれ? 夢なのに、痛い?」
加蓮「?」
藍子「えっ。普通、夢の世界って、ほっぺたをつねっても痛くなかったりして、それで夢って気付いて――」ムギュ
藍子「普通に痛いです……」
加蓮「アホ」
藍子「えうっ」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:35:51.91 ID:tebchJYr0
加蓮「ソファに座ってる感触も、何なら今どついた時に藍子の感触だって伝わったんだし、夢でも痛くていいんじゃない?」
藍子「そうでしょうか……。でも、うんっ。そうですよね。あんまり細かいことを気にしても、仕方がありませんよねっ」
加蓮「そーそー。それよりさー、せっかくメニューがあるんだから注文してみない?」
藍子「いいですね。加蓮ちゃんは、何にしますか?」
加蓮「そうだね。……どうせ誰も見てないんだし、ここの出来事は私と藍子しか覚えてないんだし」
藍子「ってことは――」
加蓮「注文しちゃおっか。お子様ランチ」
藍子「はいっ♪ すみませ〜んっ」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/07(日) 19:36:21.91 ID:tebchJYr0
加蓮「来た来た。……えーっと?」
藍子「あれっ、いつもの店員さんじゃない……」
加蓮「まあここはあのカフェじゃないからそれはいいんだけど」
藍子「頭の上に……ウサミミ?」
加蓮「……あ、注文。注文だよね。お子様ランチを2人――思ったんだけど2人で食べる必要はなくない?」
藍子「それもそうですね。でも、編みぐるみ……」
加蓮「藍子。ここ夢の世界だから。ここでもらっても現世にはたぶん持ち帰れないよ?」
藍子「あっ。……そう考えると、なんだか勿体無いですね。織姫さんと彦星さんの可愛い編みぐるみ、ほしかったなぁ……」
加蓮「はいはい。帰ったら作ってあげるから。私でいいなら」
藍子「ほんとっ!? それなら一緒に作りましょうね。私、こういうのを編んだことあるから、加蓮ちゃんに教えてあげますっ」
加蓮「……余計なこと言っちゃったな? ま、いっかっ」
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