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阿良々木暦「神原、何か飲むか?」神原駿河「私は阿良々木先輩の汗でいい」
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/07/05(金) 22:56:09.18 ID:vXBrfRKkO
春と夏の間にある、梅雨の時期。
この季節が訪れる度に、僕は身構えてしまう。
振り返ると、そこに黄色い雨合羽を着た少女が立っているのではないかと、不安になる。
「他ならぬ阿良々木先輩の望みとあらば、私としては当然、全裸に雨合羽を着て登場し直すのもやぶさかではない。むしろ、大歓迎だ!」
「シリアスなモノローグを台無しにするな!」
とはいえ、不安は不安でしかなく、心配は杞憂となるのが物語の常であり、僕が再び雨合羽を着た少女に襲われることはなかった。
「本当にお前は全裸が好きだよな」
「阿良々木先輩は全裸が好きではないのか?」
「ああ、好きだよ! 僕だって全裸が好きだ! 大好きだとも! 当たり前だろうが!」
全裸好きな後輩に呆れ果てた僕に対して、神原駿河は分かり切った質問を返してきたので、半ばやけになりながら正直にそう答えると。
「ならば何も問題はなかろう」
「問題が発生する前振りにしか聞こえないぞ」
「しかし、私としては、前振りよりも前触れの方が語感が良いと思う。主に性的な意味で!」
「ああ、僕もお前と全く同感だよ!」
前振りよりも、前触れの方が語感が良い。
何故そう感じたのか。その理由は簡単だ。
目の前で思わせぶりに尻を振られるのと直に前を触られるのとでは、誰だって後者が嬉しい。
とはいえ、そこまでのスキンシップは後輩とするものではないこともまた、明白であり。
「ふむ。それでは遠慮なく」
「お前はもっと遠慮と躊躇いを身につけろ!」
「あっ! こら、阿良々木先輩! 暴れるな! イチモツを目の前で思わせぶりに振り乱すな!」
「振り乱してなんかねぇよ!」
雨合羽を着ていない神原駿河とじゃれ合いながら、ふと見上げた空の雲行きは怪しく、まさに嵐の前振りならぬ、前触れになりそうだと、この時、僕はそんな予感を漠然と抱いた。
やれやれ、これも日頃の行いのせいだろうか。
せっかくの後輩とのデートなのに、雨なんて。
じゃのめの傘など、持ち合わせていないのに。
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