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【安価】騎士を夢見て
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95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/05(金) 01:29:46.78 ID:wTTvEj1K0
放課後、学生寮の大会議室にて。ひよっ子達は、パーティーを開いていた。
「このステーキ…めっちゃ高いことで有名なやつじゃん!」
「セコナオットと協力して、取り寄せたものだ。味わって食べてほしい」
「ご馳走様」
「ハハハハハ…。早いね、俺もビックリだ」
「お…お肉…。これを食べたら運動しなきゃ…」
「リアンちゃん。このハンマーをブンブン振ってたら、良い運動になるよ?」
「無理ですぅ!」
やいのやいのと大騒ぎの会議室。総勢二十名には、少々箱が大きすぎたようだ。
中央に食事や机がポツンと置かれ、ひよっ子たちは疎らに立ち、談笑をしている。
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/05(金) 01:30:45.68 ID:wTTvEj1K0
誰と会話をするかを下2に 内容も併記でお願いします
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/05(金) 01:33:37.88 ID:uoLP8Of/0
安価↓
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/05(金) 01:35:21.63 ID:4Qq1KfQQ0
セコナオット
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/05(金) 02:24:22.03 ID:wTTvEj1K0
「エナメル、少し良いかい?」
「はいはい?」
ワイングラスを片手に近付くセコナオット。未成年なので当然、中身はぶどうジュースである。
「少し訊きたいことがあってね。死の伝播者のことなんだが」
「あー、うん。どうかした?」
「何か、不審な点は無かったかな?」
「不審な点…。うーん、変な楔がいっぱいあったくらいかな」
「…うん、ありがとう。ナルシア達と同じことを言っているということは、見間違いなどでは無いわけだ」
うんうんと頷き、セコナオットは会議室を出る。
戻ってきたのは、数分後のことだった。
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/05(金) 02:25:16.91 ID:wTTvEj1K0
誰と会話をするかを下2に 内容も併記でお願いします
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/05(金) 06:20:36.40 ID:cbNkEcuDO
リアン
どうして騎士になろうと思ったのか気になる
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/05(金) 06:24:19.34 ID:KezwFJVv0
↑
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/05(金) 22:15:53.46 ID:UM/9MmV10
>>98
内容書いてないのに採用するのか
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/06(土) 22:42:18.99 ID:Z6d2nGPV0
時間も時間でしたし、一応2時まで待ったのですが、追記が無かったので進ませていただきました
「リアン…で合ってるよね」
「ひゃぁぁ!!?」
「横から声を掛けただけなのに…」
素っ頓狂な声を上げ、ビクンと身体を跳ねさせるリアン。その動きに合わせて髪が揺れ、一瞬だけ琥珀の色が見えた。
「ごごごごめんなさい…っ!なな名前は合ってますっ」
「あ、そう。んーと、ちょっと訊きたいことがあってさ」
「な、何でしょうかっ!?」
「何で騎士になろうとしたのか、気になったんだ。そんなビクビクしてるのに、目指すなんて。何か理由があるんでしょ?」
「え?あ…はい…ありますけど…」
「…笑いません?」
「いや、俺が笑える資格無いよ。流されてなったようなものだし」
エナメルの言葉を聞き、目をパチクリさせるリアン。程なくして、ポツリと言葉を漏らし始めた。
「…私、落ちこぼれなんです。といっても、相対的に、なんですけど…」
「『ヴェーダ家』…って知ってますか?」
「知らないなぁ」
「ですよね…。ずっと辺境の地ですから。えぇと」
「私、そこの三女なんです。私の一族には、ある特徴がありまして…」
「ふむふむ」
「一代に一人、未来を視ることが出来る『ルフェートゥの瞳』という眼を宿す子供が産まれるんです」
「でも、どういうわけか今代は豊作で。私以外の全員が、その眼を宿してしまって…」
「結果的に、私だけ落ちこぼれになってしまったんです…。普通なら、おかしくもないことなのに…」
「あっ…!別に扱いが悪かったわけじゃないですよ!ただ…」
「自分だけ違うって思ったら、居心地が悪くなって…」
「そう思う自分が嫌で、抜け出して。でも、こんな私でも、何か出来るはずだと思って」
「…それが理由です。こんな自分が嫌だってことと、誰かの助けになれるって証明したい。そのために、私は今、ここにいるんです…」
「いいじゃあないか。立派な理由があってさ」
「え…?」
「…俺には、そんな崇高な理念すら存在しない。ただ、全額負担してくれるっていうから、入っただけなんだ」
そう言うエナメルの表情は、どこか悲しみを湛えていた。
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/06(土) 22:42:50.52 ID:Z6d2nGPV0
誰と会話をするかを下2に 内容も併記でお願いします
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/06(土) 22:44:47.71 ID:xvLe6LHf0
↓
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/06(土) 22:48:13.43 ID:jQ2JAnhw0
アンリ
同じく騎士になろうとした理由を聞く
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/06(土) 23:12:27.21 ID:Z6d2nGPV0
「よー!エナメル!飲んでるかー!?」
「飲んでまーす」
「「ウェーイ(!)」」
歳がそれなりに近いからなのか、意気投合した二人。肩を組み、陽気にダンスを踊っている。
普通であればいい迷惑なのだが、パーティーの雰囲気に皆呑まれ、やいのやいのと騒ぎ立てる。
「アレクー。ちょっといい?」
「なんだー!?」
「アレクは、どうして騎士を目指したの?」
「決まってるだろぉ!立派な騎士になって、沢山の人を護ってみせるんだ!」
「俺も、騎士に命を救われてる!そうなりたい…って願うのは、おかしいかな!?」
「おかしくないよ。…俺からすれば、眩し過ぎて目が眩むくらいだ」
「何言ってんだ!?お前だって、騎士を目指してる!立派なもんだろ!」
「…だといいけどね。現実はそうじゃあないんだよ」
「…そろそろ良い時間だな。今日のパーティーはこれで終了だ!片付けを手伝ってくれる人は、残ってくれ」
エナメルの独白。それは、誰かに聞こえるでもなく、セコナオットの一声に掻き消され、虚無と変わった。
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/06(土) 23:23:54.42 ID:Z6d2nGPV0
「ウルフ先輩、こっちっす」
「おう。カルロスも飲んでるみたいだな」
「ええ。まあ」
酒場の片隅で、二人の騎士が酒を嗜む。その場に、狼が一匹乱入した。
コルクを抜き、グラスにワインを注ぐ。紅き液体がグラスを満たし、照明に照らされて宝玉のように光を湛えていた。
「聞いたぞ。また大した活躍をしたそうじゃあねえか。『氷炎の獅子』と『赫雷の断罪者』さんよ」
「…その呼び名はやめてください。あまり好んでいないのです」
「だろうなぁ。大勢の命を奪った、その証明なんだからよ」
「せ、先輩…。もうちょいオブラートに包んでやってくださいよ」
「事実だし、な。…だが、それ以上に多くの命を救った。それもまた、事実だろ」
「………」
「…ま、過去は変わらないんだ。そういうのも全部背負い込んで、進んでいくしかないだろうよ」
「…はい。その覚悟は出来ています」
「カルロス…」
「…バーンもだ。お前は、変に甘いところがある。子供だからって、心を許すな」
「気が緩んだ結果、仲間が。お前が殺されることだってあり得るんだ。そうなった時、後悔するのはお前だぜ」
「…うす」
「先輩の経験談だ。何か学んでくれたなら、幸いさね」
「…暗い話になっちまったな。今日は俺が奢ってやるから、パーッと飲みな」
「うす(分かりました)」
愁いを帯びた騎士たちは、喧騒の中で何を想う。
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/06(土) 23:26:36.00 ID:Z6d2nGPV0
お世話役の名前と特徴を下2に 双子とかでも大丈夫ですが、例によって光と闇属性は無しで
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/06(土) 23:33:06.08 ID:jQ2JAnhw0
kskst
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/06(土) 23:36:53.19 ID:DBhCR6a30
シニア 銀
銀髪でクールなメイド服の少女
色々優秀で家事全般や戦闘などこなすがどこか常識がずれている
着やせしやすいタイプで隠れ巨乳
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/06(土) 23:38:59.18 ID:DBhCR6a30
出来たら敬語口調も追加で
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 00:32:36.91 ID:1jeq6lZP0
翌日、学生寮の自室。エナメルはベッドで惰眠を貪っていた。とは言っても、まだ早朝5時である。
「むにゃむにゃ………」
誰にも起こされることなく、幸せな時間を甘受する。何と素晴らしき時だろうか。しかし。
かちゃりと音がする。かちゃりと扉が開かれる。ばさりと布団が剥ぎ取られる。
「おはようございます。エナメル様」
「…ふぁ…ぁぁ……」
「…どちら様?」
記憶を辿り、眼前の少女が誰なのか考える。そういえば、先日ウルフ先生がお世話役が付くと言っていた。
もしや、目の前の少女が。エナメルの推測は、見事的中した。
「本日付でエナメル様のお世話役を務めさせていただきます。『エルピシウス公国』より派遣されました『シニア・セイ』と申します」
「どうぞよろしくお願いいたします」
恭しく礼をするシニア。ステレオタイプのメイド服が、田舎者の眼には新鮮だった。
「あ、うん。よろしくお願いします」
「…それと、気持ちよく寝てたのを邪魔しないでください」
「休日とは、早朝から効率的に活動する日だと思ってましたが…。承知しました」
「では、次からは安眠を妨害しないよう、お部屋には近づかないようにします」
「どうしてそう極端かなぁ」
癖のあるお世話役に、エナメルは頭を悩ませた。
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 00:38:25.29 ID:1jeq6lZP0
エナメルが取る行動を下2に
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 00:39:59.57 ID:4Zw2b5SQ0
予定とかないかシニアに聞く
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 00:40:44.16 ID:9l8FmDWf0
結局眠れず朝の散歩に行く
同じく早起きしたリアンと会う
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 01:38:43.99 ID:1jeq6lZP0
「…はぁ。結局、運動する羽目になるんだから」
二度寝と洒落こもうとしたが、日が昇ってしまってはそうはいかず。睡魔と戦いながら、起き続けるしかなかった。
そんな彼が取ったのは、学校の散歩。広大な敷地を歩くだけでも、充分な運動にはなるだろうと踏んでのことだった。
事実、それだけでも運動になる。故に、早朝でも散歩している生徒がそれなりにいた。
「あ」
「あっ…」
それは、散歩組の一人であるリアンと出会うことを意味していた。
「おはようございます…」
「おはよう」
遊歩道を横並びで歩く二人。エナメルは手ぶらだが、リアンは錫杖を背中に携え、歩いていた。
戦いとは無関係な平和な時間。これがあるからこそ、失わないように人は戦うのだろう。
「………」
「………」
「…うぅ。何も言うことが出来ない…」
無言のまま、敷地内を一周した二人。内気故か、リアンは一言も発することが出来なかった。
その結果、一時間もの間、二人は黙々と歩き続けた。
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 01:39:18.09 ID:1jeq6lZP0
リアンとどういうコミュを取るかを下2に
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 06:14:39.55 ID:hGFYuwPp0
お茶に誘う
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 07:10:06.26 ID:4Zw2b5SQ0
↑
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 12:21:57.49 ID:Y2F6kqWPO
「…うわぁ。日がもう高いとこまで。本来なら、今起きるくらいなんだけどなぁ」
「…何かあったんですか?」
「なんか、お世話役に叩き起こされた。初対面で」
「えぇ…。凄い胆力のある方ですね」
「ふわぁ……」
欠伸をして、学生寮の扉を開けるエナメル。その後ろをリアンが続く。
微睡むエナメルと覚醒しているリアン。同じくらいの体格なのに、様子は対照的だ。
「お、お疲れ様でした、エナメルさん。では、私はこれで失礼します…」
踵を返し、そそくさと逃げようとするリアン。だが、エナメルの一言でピタリと足を止める。
「ちょっと待って」
「ひゃいぃっ!?」
「また驚いた。昨日より酷いんじゃないかな」
“そこにいる”と解っているのに、声を掛けられただけで驚くとは。そもそもの耐性が無いのか。
「ご、ごめんなさい。視界の外から声が聞こえると、びっくりしちゃうんです…」
「そ、それよりも。何か用ですか…?わ、私、何かやらかしちゃいました?」
「いや、そんな文句を言おうとか思ってないんだけど」
「ただ、これから暇だったら朝食とかどうかなって思って」
「え、私ですか??」
「うん」
「あ、はい。分かりました」
「……んん?」
思いのほか、あっさりとした返事が来た。てっきり、また狼狽えるとばかり思っていたのだが。
普段の言動と僅かに異なる違和感。それもすぐにエナメルの頭の中で、霧散していった。
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 12:46:15.43 ID:Y2F6kqWPO
リアンとの話題を下2に
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 12:46:58.09 ID:sEB3JrXc0
他の女子とは仲良くしてるのか
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 12:57:19.96 ID:t/4HSNkDO
上+可能ならこの前の任務についてどうだったか聞いてみる
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/07/07(日) 13:46:05.16 ID:Y2F6kqWPO
学校内に併設されたカフェの中。まだ朝っぱらというのに、客でごった返している。
「よいしょっと。二人分空いてて良かった」
「安いですからね。それに24時間営業ですし、美味しいですし」
「王家がバックにいるから成せる業だね」
カップケーキやモンブランを味わいながら、コーヒーを啜る。
コーヒーの美味さなど微塵も理解出来ない子供舌だが、カルロスたち大人が飲んでいるのを見て、若干の憧れを持っていた。
試しに飲んでみたが、なるほど。これは、甘い物とセットでなければ到底飲めない。
「はふぅ…」
苦味に苦心するエナメルをよそに、心を落ち着けるようにコーヒーを口に含むリアン。
三つあったはずのデザートが、既に消滅していた。何という食欲か。
「そういや、リアンって他の女子と仲良く出来てるの?」
「はい?」
「いや、俺はアンリとかがいるから大丈夫なんだけどさ。リアンってなんだか引っ込み思案っぽくて」
「…凄い偏見の目で見られてる気がします…。まあ、間違ってないですけど…」
「…でも、私はエナメルさんよりも歳上なので。心配されるほどではありませんっ」
「実際、仲は悪くないと思ってますし…。ほら、騎士って女性の比率が低いので」
「結束とか強くなりがち、らしいです。私は良く分からないですけど…」
「男は馬鹿やってれば、すぐ仲良くなるけどね」
「複雑なんですよ、女の子って」
「へぇ。良く分からないや、同い年の人誰もいなかったし」
嘗ての惨劇が原因で、エナメルの対人スキル(同年代)は非常に低い。
本人はそれほど気にしているわけではないのが、せめてもの救いなのかもしれない。
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 13:58:08.83 ID:Y2F6kqWPO
「追い出された…」
「行列がいっぱいでしたし、しょうがないですよ…」
「それに、私達はまだ一年生ですから…。上級生を優先されても、おかしくないです…」
お詫びのクレープを頬張りながら、トボトボと歩く二人。手に持つ紙袋には、間食用のビスケットが入っている。
「リアンって『巨躯なる白骨(ガシャドクロ)』とかいう奴の始末だったよね、任務」
「はい」
「今生きてるってことは成功してるわけだけど、実際どうだったの?」
「…私なんてまだまだです。アンリさんとセコナオットさんが前衛で活躍してくれたから、私の魔法が当たったんですし」
「その最後の魔法だって、セコナオットさんと協力したからこそ、有効打になったんです。一番未熟ですよぅ…」
「でも、二人じゃあ勝てなかったかもしれないでしょ。三人で力を合わせたから、勝つことが出来た」
「何があったか知らないけどさ。二人だって『リアンがいたから勝てた』って言ってたよ」
「つまり”結果”はそういうことなんだよ。自分を卑下しようと、変わらない」
「自信を持つべきだよ。カルロスさんから聞いたけど、ここに入れただけでも相当優秀らしいから」
「…そう、ですかね」
髪で隠れて見えないが、リアンの表情からは戸惑いの感情が見られた。
それから、何も言葉を掛けることが出来ずに、二人は別れることとなった。
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 13:58:37.69 ID:Y2F6kqWPO
エナメルが取る行動を下2に
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 14:12:19.61 ID:Pvqdqyuno
鍛えよう(自主トレ)
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 14:12:27.26 ID:fiVVFLgX0
寮に戻って、とりあえずシニアと色々と話しをする
内容も必要ならここに来る前のシニアの経歴について
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 14:14:09.82 ID:t/4HSNkDO
今度はアンリやセコナオッドに会って一緒にトレーニングをすることに
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 14:36:40.35 ID:Y2F6kqWPO
「散歩からお帰りですか、エナメル様」
「…剣が…量産品の鉄剣が芸術品に…」
昨日砥石で研磨した鉄剣が、目を塞ぎたくなるほどの輝きを放っていた。何をやったんだ。
「少し手入れをさせていただきました」
シニアの服の裾から、銀色の液体が姿を見せ、隠れる。金属にしては、かなり光沢があった。
「…ですが、エナメル様は不満なご様子。元に戻させていただきましょう」
「『回帰(リターン)』」
そうシニアが呟くと、剣の表面が融け、シニアの手へと還っていく。
作業が終わると、昨日の手入れ直後と変わらない剣が残っていた。
「朝食はリアン様とお取りになられたので、必要はありませんよね」
「今から就寝なさるのでしたら、鎮魂歌(レクイエム)をお流ししますが」
「普通子守唄でしょ。そもそも俺、そんな歳じゃあないんだけど」
誰か、この人に一般常識を教えてください。
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 14:49:57.46 ID:Y2F6kqWPO
「うーん、胃が痛い」
「それは大変です。飲み薬をご用意いたしましょう」
「誰の所為だと…」
お腹を摩りながら、救急箱から薬を取り出そうとするシニア。だから子供扱いをやめろと。
「………」
ちょこんと正座をさせられるシニア。こうでもしないと、また何かをしかねない。
「…手持ち無沙汰ですので、何かをさせてくださいませ」
「じゃあお話しましょう。毎度毎度暴走されちゃ、俺も困るし」
「どうぞ何なりと」
「シニアさん、ここに来る前は何をしてたの?」
「『エルピシウス公国』の特務隊に配属されておりました」
「おい」
当たり前のように漏らしていい情報かと、エナメルは頭を抱える。普通の配属なら兎も角、特務隊。
本来なら秘密にするべきものなのではないだろうか。
「許諾は受けておりますのでご安心を。その前は、ウルフ教官よりご指導を受けておりました」
「ウルフ先生…」
あの人でも矯正出来なかったのか、それとも元凶なのか。どちらかは定かではないが、何となく不憫だと感じた。
それよりも気になるのが、この歳でそんな経歴を持つことだ。
彼女はいったい何者なのか。謎が更に深まった気がした。
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 14:50:26.82 ID:Y2F6kqWPO
エナメルが取る行動を下2に
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 14:56:02.53 ID:t/4HSNkDO
>>131
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 15:03:01.91 ID:kGNO1NFO0
アンリやセコナオッドに一緒に自主練しようと誘われる
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 15:19:51.19 ID:Y2F6kqWPO
「…ところで、いつまで正座すれば良いのでしょう」
「あー…うん。もうやめていいんじゃないかな」
その言葉を聞いて即座に正座を解くシニア。流石に、もう余計なことはしないだろう。
「シッ」
「………!?」
突如窓ガラスを突き破り飛んできた一振りの剣。瞬時に反応したシニアが、それを受け止めた。
指から伸びた、無数の糸を用いて。
「どこの輩ですか。このような稚拙な奇襲を仕掛けるなど」
「ごめーん!エナメルー!剣取ってくれー!」
「危ないから気をつけなよ」
宙に浮かんだままの剣を掴み、アンリの横に放り投げる。綺麗な放物線を描き、地面に突き刺さった。
「悪い悪い!ちょっとすっぽ抜けてさ」
「うーん、そこまで強く返したつもりは無いんだけど」
「暇なら、エナメルも一緒に自主練しようぜー!」
「…ってことで行ってきます。”絶対に”変なことはしないで」
「かしこまりました」
その後、エナメルの部屋は勉強道具で溢れかえることとなるのだが、それを部屋の主が知る由もなかった。
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 15:28:00.00 ID:Y2F6kqWPO
「自主練って言っても、何をするのさ」
「純粋に武器の扱いに慣れたり、魔法の練習をしたり。色々だよ」
「俺はもうちょい武器を上手く扱えるようになりたいなー。すぐ落としちまうから」
「最早芸術の域に達していたけどね。どうやったらあんな飛び方するんだい」
「うっせー!力を込め過ぎただけだい!」
「…魔法…ね………」
模造勇者であることを考えれば、使えるのは光魔法で間違いないだろう。
だが、何故か、不純物が混ざっている感覚がするのだ。魔力という内なる力が、自分のものではないようにも感じる。
自分のものなのに、自分のものではない。そんな、歪な感覚。考えれば考えるほど、思考の泥沼に嵌っていく。
「識るべき、なのかな」
自分のことを。もっと理解する必要があるかもしれない。
そうすれば、もっと高みに行けるのかもしれない。力に呑まれなければ、の話だが。
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 15:28:29.56 ID:Y2F6kqWPO
自主練の内容を下2に
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 15:29:00.78 ID:Pvqdqyuno
踏み台
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 15:51:48.95 ID:0ud3dfdF0
魔法の訓練
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 16:29:36.69 ID:4haRgAzRO
「エナメルは光魔法だろ?じゃあ、俺達がアドバイスとか出来ないよな」
「俺が言えることは、ひたすらに魔法を唱えることだけだね。回数がそのまま経験となり、蓄積していくんだ」
「習うより慣れろってことか」
「…でも、使える魔法は『聖勁(ディヴァインド・イオナイズ)』ってやつだけなんだろ。練習もクソもないじゃん」
「殺傷力が高すぎるからね。光を流し込んで浄化させるなんて、下手に触れるだけで御陀仏だよ」
「…うん。取り敢えず、魔力自体の扱いに慣れていこう。それだけでも何か変わるはずだ」
セコナオットとアンリのアドバイスを受けながら、ただひたすらに魔力を操作する。
扱いに慣れていく中で、違和感がみるみるうちに大きくなっていった。
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/07(日) 16:30:50.89 ID:4haRgAzRO
エナメルの行動を下2に コンマが8以上の場合はある行動に書き換えられます
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 16:35:19.47 ID:0ud3dfdF0
↓
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 17:23:20.52 ID:MjkPbTGi0
大きくなっていく違和感について話す
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/10(水) 12:13:58.90 ID:xOAL31nXO
「「違和感がある?」」
「うん」
扱っている魔力が自分のものではないように感じること。そして、何か不純物のようなものが混じっているような感覚があることを伝える。
アンリは首を傾げて意味が理解出来ていないような表情をする。
それに対して、セコナオットは黙考していた。
「…言葉通りに受け取るなら、エナメルの中に”もう一人”いるかもしれないね」
「それも独自の魔力を持っているのなら、異物感を覚えても不思議じゃない」
「それか、ただ単に第二属性を持っていることを知覚していなかっただけかも。魔力を扱い始めてから分かるってのも、ままあることらしいからね」
「一人が複数の魔力を持つってあり得るのか?」
「先日いた騎士の目付きが悪い方。彼は、『氷』と『炎』の二属性持ちだよ」
「マジかよっ!じゃあ、あのお堅い感じの騎士は?」
「あの方は『赫雷』と呼ばれる特異属性を持つんだよ。一度お目にかかったが、感嘆の声しか上げられなかったね」
「へぇ。色々あるんだなぁ」
「まぁ、属性がいっぱいあるってのは悪いことじゃあないさ。ひたすら特訓をして、自覚するしかない」
「それか、先生に相談だなー。クリスタルで診てもらえるかも」
「ん、ありがとう」
原因が何なのかまでは分からなかったが、仕方のない部分もあるだろう。
これは、エナメル個人の問題。他人にどうこう出来ない領域もあるのだ。
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/10(水) 12:14:25.15 ID:xOAL31nXO
エナメルの行動を下2に
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/10(水) 12:17:33.16 ID:Q43w1HrJo
先生に相談だ
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/10(水) 12:22:22.51 ID:JVw3p4Pa0
↑
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/10(水) 12:32:23.95 ID:xOAL31nXO
「今はオフなんだが…」
眼鏡を掛けて、書類を作成しているウルフ。筋骨隆々な体格にはアンバランスにも思えるが、不思議とマッチしていた。
野生的なのに、どこか知的な印象を受ける。本人が意外とインテリ系だからなのか。
「…用は何だったっけな。ああ、魔法のことか」
「あと5分で仕事が終わる。それまで待ってろ」
「オフなのに仕事してるんですね」
「サービス休日出勤だ。手間の掛かる奴が多いからな、しょうがなく時間を削ってるんだよ」
「手間掛けてすみません」
「その分、誰かの助けになりゃチャラだ。精々頑張るこったな」
手を止めず、エナメルに応対するウルフ。スピーディに仕上げられる書類。
まるで、教科書そのもののような綺麗な文字が、びっしりと書類を埋め尽くしていた。
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/10(水) 13:01:28.18 ID:xOAL31nXO
「で、魔法のことで何を相談したいんだ?」
水晶玉を片手に指導室に入ってきたウルフ。眼鏡は外したらしい。
「魔力を扱ってると、違和感を覚えるんです。自分のものじゃあないような。変なものが混じっているような」
「他には?思い当たるものを片っ端から言え」
ウルフはこちらを見ながら、カリカリとメモを取っていく。
「…それと、偶に眠気を感じるような気がします」
「眠気…な。これで全部だな」
「はい」
ならばと、徐に取り出したのは真っ黒な瓶。コルクを抜いて、中の液体を水晶玉に掛けていく。
机から零れると思ったそれは、ピタリと動きを止め、綺麗な円形を保っている。
「これでよし…と。ほれ、魔力を流してみな。やり方は分かるだろ」
「えっと、はい」
水晶玉に両手を翳し、魔力を込める。中心で淡い光が瞬いた。
「もっとだ。最後の一滴まで絞り出せ」
「ぐ…ぐぐ………!!!」
筋肉が震え、汗が流れる。それに呼応して、光は更に眩く輝く。
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/10(水) 13:02:05.94 ID:xOAL31nXO
エナメルの属性を下2に 光と闇は除外です
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/10(水) 13:02:36.19 ID:FFQ+N9so0
kskst
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/10(水) 13:12:28.23 ID:9b3oV/3DO
幻
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/10(水) 18:25:40.19 ID:xOAL31nXO
「はあぁぁぁ……!」
魔力を込めて早数分。流石に、そろそろ限界が見えてくる。
ウルフの視線は水晶玉に釘付けで、光が消えかけた瞬間に、叫んだ。
「何かイメージしろ!生き物でも道具でも何でもいい!物体を思い浮かべるんだ!」
「は…はい……っ!」
エナメルが咄嗟に記憶から取り出したのは、死の伝播者。直近で殺し合った相手故に、強く印象に残っていた。
ふと見ると、水晶玉の下の液体がどす黒く濁っていた。ウルフの視線はそちらへと向けられているようだ。
「…なるほど。もう充分だから休め」
「はぁ……はぁ………」
全身が脱力し、椅子にだらしなく倒れるエナメル。それを見ても、ウルフは咎めるようなことはしなかった。
まだ夕方にもなっていないが、瞼が重くてしょうがない。肉体を酷使したからなのか。
「…ふむ。単純に診た限りだと、お前の属性は3…いや、二つだ」
「一つはご存知の通り、模造勇者の証たる『光』。もう一つは…そうだな。『幻』と言えるか」
「『幻』ですか…あふ…」
ウルフは頷き、説明を始める。先生が言うには、黒く染まった液体の奥で、死の伝播者が見えたらしい。
エナメルもそれをイメージしたと伝えると、ウルフは一人で納得した。説明を求む。
「つまり、だ。お前が想像した虚像を、他者に押し付けるんだよ。幻覚を見せるって言う方が分かりやすいか」
「上手く使えば、相当やれる属性だ。五感すらも思いのままに操れるかもな」
「そうですか…ふぁぁぁ……」
大欠伸をするエナメル。ウルフは溜め息を一つ吐き、席を立つ。
「今日はもう寝ろ。明日から、本格的に講義が始まるからな」
「ありがとうこざいましたー……」
ふらふらと揺れながら、エナメルは指導室を出る。狭い部屋の中で一人、面倒そうに呟いた。
「…三属性持ち、か。困ったものだぜ…」
そして、くしゃくしゃにしたメモをゴミ箱に投げ捨てる。チラリと見えた部分には、『光』、『幻』、『闇』の三文字が書かれていた。
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 15:00:20.38 ID:CL2kHXE+O
「…ってわけで、どの『冥徒(ノスフェラトゥ)』も闇属性を持っている。場合によっちゃ、他の属性も追加で持つがな」
「先生、冥徒は『四裂戦役(クアッド・ウォー)』の前にも確認されてたのですか?」
「ああ。最古の文献である『ヨハネの聖典』に冥徒に該当する存在が記されていた」
「聖典が書かれたのが、今から2000年くらい昔の話だ。それよりも前からいたんだろうな」
「発生機序は判明してないのかなぁ?」
「捕獲が難しいから、研究が進んでねぇんだよ。お前らだって知ってるはずだ」
「冥徒は光の下での生存が不可能…だから、光魔法が有効だってことを。だから、夜は灯りを点けるってことを」
ウルフの講義を受ける生徒たち。今回の内容は『冥徒』についてのことで、基本的な性質を学んでいる。
「また、一部の冥徒は『再誕(リバース)』という性質を持つ。これは、光属性でトドメを刺さなかった場合、世界のどこかで復活するって性質だ」
「知られている範囲では『ヨハネの四冥獣』が、この性質を持ってる。他にもいるんだが、まぁ、それは放っておく。カテゴライズされてねぇし」
「四冥獣はそれぞれ能力が異なってて、第一の獣『絶望の蹂躙者(ホワイトライダー)は…」
そこで、講義終了を告げる鐘が鳴る。話の腰を折られたウルフは、チョークを片付けた。
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 15:13:17.70 ID:CL2kHXE+O
「魔物学の講義はこれで終わりだ。質問とかあれば、次回の講義までに来い」
「次は選択科目だ。遅れたりして、先生方に迷惑掛けんなよ」
「意味分からん」
「俺も」
「男二人は…」
「そ、そんなこと言ったら駄目ですよ…。ナルシアさん…」
「いや、俺は流石にヤバいと思うね」
「名家出身のお二方には分かるまい!俺達民間人の苦悩は!」
「何言ってるのアンリくん」
「マジトーンで返された!?」
休憩時間を過ごす六人。アンリとエナメルは椅子に座っており、他の四人はその近くで立ち話をしている。
「今日の科目、私は『魔術』にしよう」
「俺は『模擬戦』かな。どれだけ戦えるか知っておきたい」
「俺は『武術』!実戦でやらかさないようにならないと不味いからな…」
「事故で味方が死ぬかもしれないからね」
「おう…」
「私は『カウンセリング』です…。色々とはっきりさせたいものがあるので…」
「私は不参加かなぁ。絶対参加ってわけじゃないし」
「俺は…どうしよう。そこまで考えてなかった」
荷物を用意し始める皆をよそに、エナメルは天井を見上げて思考する。
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 15:19:38.68 ID:CL2kHXE+O
どの科目を選ぶか下2に
魔術…魔力を用いるもの全般を学び、修練する。新魔法の習得も可能。『魔導』と呼ばれるものとは別物である。
武術…武器の扱いや体術など、戦闘に関わる技術を磨く。必殺技的なものを開発出来る。
模擬戦…実際に他キャラと戦う。経験を積む他、何かを識ることや仲を深めることが出来るかも。
カウンセリング…教師やカウンセリングの先生と話をする。アドバイスをもらえたり問題解決の一助になる。
フリー…自由時間。好きな行動を一回出来る。
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 15:21:45.04 ID:S7s+OcNd0
魔術
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2019/07/12(金) 15:22:01.33 ID:DMqJjn9d0
魔術
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 15:22:07.06 ID:iJo9vVhDO
カウンセリング
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 15:23:31.05 ID:CL2kHXE+O
魔術専門の先生が必要なので、教師の設定を下2に
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 15:31:45.65 ID:1dbBXigr0
怪しげな魔女風の教師、口数は多くない
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 15:33:01.01 ID:S7s+OcNd0
ksk
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 15:51:49.03 ID:iJo9vVhDO
>>163
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 16:36:56.75 ID:CL2kHXE+O
「では、講義を始める…」
漆黒のローブ、如何にもといった三角帽子。傍目で見れば、魔女以外の感想が出ないほどに、魔女魔女していた。
一方で、こちらから両目を確認することは出来なかった。前髪や影が遮っているわけではなく、物理的に覆われ、隠されていた。
ローブと同じ色の包帯が巻かれており、その上で奇妙な紋様が描かれている。何か、悍ましい印象さえ受ける。
「…我は『ミーク』。別に憶えなくても構わん」
「手元のプリント通りに進めよ。我は寝る…」
それだけ言ったミーク先生は、穏やかな寝息を立てる。職務放棄だこれ。
そう思ったエナメル達だが、プリントを確認すると、講義中は寝ていることを堂々と書いてあった。
また、用があれば叩き起こせとも併記されている。機嫌を悪くしたりはしないだろうか。
「大丈夫なのかな。あの先生で」
「私達が口を言える立場じゃあないさ。…それに、彼女もまた、天才だ」
「『滅魔の聖賢』…それが、彼女の異名。ミーク女史によって滅ぼされた魔物の数は計り知れない」
「なんでそんな人が教師なんかやってるんだろう」
『…疲れただけだ。命を奪うことにな』
「うぇっ!?」
突然耳元で囁かれ、喫驚して思わず振り向いたエナメル。だが、そこには誰もいない。
「何か聞こえたのか?」
「…気のせい…なのかな?」
首を傾げるエナメルだが、時間が過ぎていることを気にして、練習台になる人形を取りに行く。
あの声は、ミークのものに似ていた。
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 16:37:48.67 ID:CL2kHXE+O
魔法関係の特訓内容、または先生に尋ねたいことを下2に
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 17:04:26.67 ID:1dbBXigr0
先生の分身と魔法対決
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 17:59:46.29 ID:Wyuj5Hxu0
>>168
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 18:49:00.26 ID:CL2kHXE+O
人形に向けて、魔力の塊をぶん投げる。触れた途端に弾けたそれは、人形を壁まで吹き飛ばした。
魔法を受けることを想定しているからか、人形には傷一つ付いていない。
「うーん、しょぼい」
「ただぶつけるだけじゃあ、威力は出ない。形を変えたり、試行錯誤するべきだ」
そう言うナルシアの周りには、10個ほどの水の棘がある。ふわふわと浮いているそれには、一つずつ人形が刺さっている。
「とは言っても、こればかりは個人の問題だ。私が出来るアドバイスは無いだろうな」
「じゃあ、先生に頼むか。すみません」
「ん…。あ…ふぁ…ぁ……」
「…何の用だ」
見るからに不機嫌そうなミーク先生。叩き起こせと書いていたじゃあないか。
「俺、マトモに撃てる魔法を知らないので。だから、ヒントを掴むために…」
「…傀儡を作る。それと戦り合え」
そして、ミークはまた眠りにつく。その横では、黒い液体が集まっていた。
形を変え、カタチを持ち。目の前の先生と何ら変わらない人間が作り出された。
「好きな魔法を撃て。それに我が対応する」
「だから、その魔法を知らないんですけど…。まぁ、いっか」
ぽりぽりと頭を掻いた後、徐に投擲のポーズを取る。
「いきまーす。そらっ!」
エナメルの右手から、人の頭部と同じ程度の光球が放たれた。
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 18:50:22.11 ID:CL2kHXE+O
下1のコンマが5以上でヒントを掴みます 8以上だと、魔法を一つ覚えます
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 18:55:41.74 ID:XMCzmVKMo
あ
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 19:03:08.81 ID:CL2kHXE+O
「ふん」
何の小細工もしていないものが、何かを起こすはずもなく。ミークの手前で、光の球は塵と消えた。
お返しと言わんばかりに、ミークは同じものを撃ち出す。が、形は酷く歪だった。
例えるならと言うより、たらいそのものが飛んでいく。それは綺麗に、エナメルの顔面を直撃した。
「いったぁぁぁぁぁぁ!!?!?」
「ミーク女史、それは光魔法では…?」
「…真似事に過ぎんよ。そういう属性と思え」
「馬鹿げたことには、我がお灸を据える可能性があること、憶えておけ」
「…我は還る。貴様らも、真面目にするようにな」
この時、生徒全員がお前が言えることか。そう心の中で叫んだらしい。
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 19:16:57.33 ID:CL2kHXE+O
「鼻が痛い」
「…そりゃあ、そんな真っ赤っかになってたらな」
「何をされたの?魔術を受けて、そんなことになるかな」
「光属性のたらいを食らいました」
「ギャグじゃあるまいし…」
昼休み。着替えを済ませ、教室に戻ってきたエナメル達。
エナメルはプチサイズのシュークリームを口に運んでいる。他の全員も、当然のようにそれをつまんでいた。
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 19:17:25.59 ID:CL2kHXE+O
エナメルの行動を下2に
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 19:30:43.01 ID:1dbBXigr0
お昼寝中のレイラを発見
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 19:35:48.79 ID:zwDhyQOf0
屋上で一休みしようとしたら
>>176
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 19:56:03.55 ID:CL2kHXE+O
「偶には一人でゆっくりしたいよね…」
屋上行きの階段を登るエナメル。本人は気付いていないが、シニアが絶賛尾行中だ。
と言っても、本人がしているわけではないのだが。
「…よし、誰もいないな」
エナメルは落下防止用のフェンスに腰を掛ける。激しく吹き抜ける風が心地良い。
「んぅ…はふぅ…♪」
「………」
何か声がしたので、振り返ってみる。そこには誰もいない。
「ん………ぁ…………」
また声がした。今度は、音源の方に向かう。
向かった先は昇降口。その上にも、人が居られるスペースがある。
梯子をよじ登った先にいたのは。
「………♪」
「………」
自身の槌を抱き枕にして寝ていたレイラだった。
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 19:56:49.78 ID:CL2kHXE+O
どんな行動を取るか、またはどんなアクシデントが起きるかを下2に
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 19:58:59.76 ID:YhZpwZz40
なんとなく彼女の寝言に合わせて会話
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 20:04:04.76 ID:XCctGKOX0
ひたすら真横で観察
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 20:11:16.44 ID:CL2kHXE+O
「………」
「んーふふー……」
槌をぎゅっと抱きしめたまま、ホワホワとした笑顔を浮かべるレイラ。どうやら、楽しい夢でも見てるらしい。
「ナルシアちゃん…ぬいぐるみ…」
「ぬいぐるみ」
『ナルシア』と『ぬいぐるみ』。水と油や光と闇といったように、決して共存しないであろう言葉。
エナメルの興味はその言葉に惹かれ、無為に時間だけが過ぎていく。
その後、二人は仲良く次の講義に遅刻した。
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 20:24:43.14 ID:CL2kHXE+O
「話を纏めると、魔導ってのは魔力を用いた科学技術のことだ。今だと、魔導弓とか魔導炉心ってのがそれに該当する」
「魔力自体、かなりの力を秘めてるからな。それを用いる以上、相応の性能は保証されている」
「特に魔導弓については、魔力さえ持っていれば誰でも扱える上、威力も充分だ。尤も、消費も激しいからすぐに疲れるが…」
「まだ研究中の技術だが、頭の片隅に入れておいて損はねぇ。興味がある奴は、専門書を読んでおけよ」
「これで今日の講義は終わり。夜遊びとかしないようにな」
「終わったー!もう座学嫌!」
「そう言うなよ。騎士には必要なことだよ?」
「「………」」
「正座、そろそろ解いていいだろうな。ウルフ先生も、そんな目線を送っていた」
「足が痺れた…」
「あーうー………。助けてぇ……」
「回復魔法とか効かないですもん…。我慢してください…」
「やー……」
項垂れるレイラだが、足を動したらビクンと跳ね起き、蹲る。
スカートとかを無視してそうやっているのだから、相当堪えたのだろう。
かくいうエナメルも、1ミリも足を動かさずにいた。これで何か衝撃が来たら、死ぬ。
「あっ、ごめん!」
「ああああああああああああ!!!!!!!」
アンリが落とした水筒が、エナメルの足裏を直撃する。
痛みに堪えかねたエナメルは、芋虫のように地べたを転げ回った。
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/12(金) 20:25:12.12 ID:CL2kHXE+O
エナメルの行動を下2に
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 20:29:19.16 ID:YhZpwZz40
寮に戻る途中に買い物中のシニアと会い一緒に買い物することに
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/12(金) 20:29:21.76 ID:iJo9vVhDO
図書室に寄って見たらリアンがいた
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/16(火) 22:38:21.61 ID:5I0V4WeYO
「いったぁ…まだ痺れてるや…」
ヨタヨタと廊下を歩くエナメル。シニアに助けてもらおうかと思ったが、絶対何かやらかすので自粛する。
最低でもお米様抱っこ、最悪の場合、お姫様抱っこを敢行するだろう。もしかしたら、もっと酷い運び方をするやもしれない。
「わっ…と」
手を突いた先にあったのは、施錠のされていない扉。体重を乗せるエナメルを受け止めることなく、音を立てて開いた。
すんでのところで踏み止まるが、更に足に負荷が掛かり、苦い思いをすることになった。
「何してるんですか…」
「足がまだ痛いんだよ…」
蹲るエナメルの傍で、リアンが足を止める。幾つもの書物を抱え、眼鏡を掛けていた。
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/16(火) 22:39:17.09 ID:5I0V4WeYO
リアンとの話題やイベント、アクシデントなどを下2に
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/16(火) 22:41:31.00 ID:GI0ipWG80
リアンにラキスケ
安価↓
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/16(火) 22:44:21.11 ID:g+oMLeQ90
高い棚にあった本を片付けようとして脚立にのぼったらバランスを崩したリアン
とっさにかばって下敷きになるエナメル(ラキスケ風)
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/16(火) 23:02:08.06 ID:5I0V4WeYO
「その本は何なのさ?」
痺れが治ったため、本棚に寄り掛かりながらエナメルは問う。
「魔術書です。もっと、魔法のことを知りたいと思ったので…」
「へぇ」
理論的なことなど全く分からないエナメルは、感嘆の声を上げることしか出来ない。
馬鹿にしているような意図などは一切無く、真面目にやっていることへの賞賛、それをエナメルなりに表しているだけに過ぎない。
捻じ曲がった性格をしていないことは周知の事実と化しているので、リアンも特に気に留めない。
「よいしょ……」
「危なくないかな。手伝おうか?」
「大丈夫で…すぅ…!」
「ひゃぁ!?」
脚立に乗り、棚の最上部に本を戻そうとする。が、その途中でバランスを崩し、落下してしまう。
「ちょっ…!」
咄嗟に身体が動いたエナメル。落下地点に滑り込み、落ちるリアンを受け止めるのだが。
「ぶぼっ」
「ひゃぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
不幸にも、エナメルの顔面が控えめな山で押し潰されてしまう。
僅かに主張する柔らかさ。それを感じながら、エナメルは意識を失った。
人の落下エネルギーまでを受け止めることは叶わず、後頭部を強打したエナメルは、あっさりと気絶してしまったのだ。
そして、数分後。模造勇者故か、何事も無かったかのように目を覚ました。しかし、その数分の記憶は抜け落ちていた。
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/16(火) 23:02:44.24 ID:5I0V4WeYO
エナメルの行動を下2に
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/16(火) 23:04:34.79 ID:wmp2elKS0
ksk
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/16(火) 23:09:37.24 ID:Oz4lK96J0
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