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須賀京太郎は静かに暮らしたい 咲「α章?いつの話?」【咲-Saki-安価】
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/06/16(日) 01:37:40.04 ID:oG3GZ2Gh0
このスレは京太郎の奇妙な冒険(1〜4章)の続編、須賀京太郎は静かに暮らしたい(現行第10章)の平行世界的な設定のスレです。
本編がインハイ期間中で麻雀漬けなので、こちらで小ネタだとかifだとかをやります。
時期も京太郎が2軍だった時だとか、宮永家の闇を解決した直後だとか、2回戦の直後だとか、色々飛ばせる感じでいきます。
このスレで起こった出来事は本編にフィードバックされるので、
本編の時間が足りない分、ここで京太郎を強化するなり、ヒロインと交流するなりできます。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1560616660
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/06/16(日) 01:38:15.92 ID:WBgBFo/S0
マジか強化できるのか
3 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/16(日) 01:51:10.87 ID:oG3GZ2Gh0
[小ネタ・ifストック]
・旧い記憶を取り戻したAislinn Wishartの襲撃
・復刻、幼児退行のどか
・やきうスレ並みの狂った自由安価モード
・六女仙+姫様による同輩・菫さんのお祓い(第8章だかの
>>1000
ボーナス)
・京太郎と遊びたがるあわあわ(第9章の
>>1000
ボーナス)
・捨てなるカッス、京太郎に拾われる(第7章の
>>1000
ボーナス曲解)
・原村家にお呼ばれ
・獅子原爽、同輩を弟子に取るの巻
・もしも明華が常識人だったら
・もしも亦野誠子さんが常識人だったら
・花田煌、すばらな男性と出会う
・愛宕ネキ、軟弱な未成年男性(16)と出会う
・凡人と天才の奇妙な邂逅
・もしも鳥谷敬が金本の代わりに虎星メンバーだったら
・もしも京太郎の性癖が「殺人・手首を愛でる」ではなく、普通に性行為をすることだったら
・白糸台麻雀番長・亦野誠子さんによる自由安価モード
他にも色々募集中です
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/16(日) 15:15:41.79 ID:TnruBt7W0
マタンゴ自由安価で動かすとイッチが書いてる時より狂気度下がりそう(こなみ)
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/16(日) 19:07:58.01 ID:TTtqkM9l0
カムイ使い入門した同輩はええな
でも男がパウチカムイは(アカン)
6 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/21(金) 01:20:22.74 ID:U1f1xEuY0
イベントチケット:3→2
[小ネタ・ifストック]
・旧い記憶を取り戻したAislinn Wishartの襲撃
・やきうスレ並みの狂った自由安価モード
・六女仙+姫様による同輩・菫さんのお祓い(第8章だかの
>>1000
ボーナス)
・京太郎と遊びたがるあわあわ(第9章の
>>1000
ボーナス)
・捨てなるカッス、京太郎に拾われる(第7章の
>>1000
ボーナス曲解)
・原村家にお呼ばれ
・獅子原爽、同輩を弟子に取るの巻
・もしも明華が常識人だったら
・もしも亦野誠子さんが常識人だったら
・花田煌、すばらな男性と出会う
・愛宕ネキ、軟弱な未成年男性(16)と出会う
・凡人と天才の奇妙な邂逅
・もしも鳥谷敬が金本の代わりに虎星メンバーだったら
・もしも京太郎の性癖が「殺人・手首を愛でる」ではなく、普通に性行為をすることだったら
・白糸台麻雀番長・亦野誠子さんによる自由安価モード
・なぜか宮守に迷い込んでしまった京太郎の脱出冒険譚
・グンマに拉致された京太郎+咲キャラ一人
・復刻、幼児退行のどか
・京太郎を好きにできるアプリを手に入れた咲キャラ
・3回戦大将戦メンバー+透華の会食
・自分がサイヤ人の王子だったことを思い出した京太郎
・どっかの高校に奴隷として売られた京太郎
・異世界転生()してキチガイエイスリンの相棒になってしまった京太郎
・記憶を失い善人と化してしまった京太郎
7 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/21(金) 01:21:26.19 ID:U1f1xEuY0
↓1〜↓5でお好みのお題を指定してください なんなら、小ネタストックにないお題でもいいです(めんどくさそうなのはやだけど
コンマが1番高いお題をやります
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/21(金) 01:37:35.38 ID:Q1AV7f7No
凡人と天才
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/21(金) 01:41:01.37 ID:eNcBELw/0
面白そうなネタが多すぎるッ
ワイも凡天で
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/21(金) 01:42:09.86 ID:eNcBELw/0
多数決かと思ったら違ったわ
下
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/21(金) 02:15:10.90 ID:n00ccWKCO
やめて!爽のフリカムイで点棒を焼き払われたら、オカルトで繋がってる同輩の精神まで燃え尽きちゃう!
お願い死なないで同輩!試合はまだ残ってる。ここで強化されれば、見せ場が持てるんだから!
次回「同輩死す」。デュエルスタンバイ!
12 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/21(金) 02:16:06.79 ID:U1f1xEuY0
じゃあ凡人と天才1枠、コンマ37ということで
残り4枠↓1〜↓4
>>1
はもう今日は更新できなさそうなので多めに枠とっときます
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/21(金) 02:21:19.76 ID:WmGO5+p50
京太郎を好き(ダブルミーニング)にできるアプリを手に入れた咲キャラ
咲キャラは
>>1
が白糸台以外で一番書いてみたいキャラで
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/21(金) 02:26:04.60 ID:9M4xyccy0
アナザーワン、パウチカムイてるてるで致すの巻
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/21(金) 02:43:19.07 ID:9X3ZEnfF0
幼児退行のどか
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/21(金) 06:17:10.46 ID:1ARXV72A0
爽と同輩
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/21(金) 13:00:53.41 ID:z1mG7L1v0
ネタ出しだけでも良いならば
・水道橋から1つ隣の飯田橋を降りた神楽坂で表通りの学生や会社員に混じって高めの店に入りディナーをとろうとしたら
偶然政治家が路地入った花街に出入りするのを目撃して彼らの弱みゲット
・水道橋から2つ隣の市ヶ谷にある釣り堀で亦野誠子さん
持ち前のスキルを活かして無双するもうっかりマタンゴと化して釣り堀へドボン
・水道橋から3つ隣の四ッ谷で上智を始めとしたキリスト教関連に触れようと積極的なシスターユキコと連れの有珠山メンバーに遭遇
四ッ谷は確か以前明華と遭遇した地だし
ひと波乱起きるには絶好の場所なのかもしれんね
18 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 17:06:55.07 ID:U5AQxdLm0
>>17
政治家の弱み握ったら逆に消されてまう……
マタンゴ・ユキコネタはストックに入れさせてもらいます、あざす!
このコンマだと、「京太郎を好き(ダブルミーニング)にできるアプリを手に入れた咲キャラ」になりますね
誰にしようかなあ……
ぱっと思いついたのはクロチャー、ヒッサ、池田、エイスリン、豊音、ネキ、末原さん、怜だけど……ここはやっぱりクロチャーで!
19 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 17:20:26.75 ID:U5AQxdLm0
8月のいつか……
京太郎・アナザーワンが「1巡前」の記憶を取り戻した後……宮永家の闇解決に奔走していた頃の話…
―赤土家―
晴絵「ふんふむ……」
晴絵「つまり、だ……」
晴絵「私がお茶の間で婚活サイト見ながら酒飲んでたとき、急にどてっ腹に風穴がブチ開いたのは小鍛治健夜のせいで……」
晴絵「気が付いたら……というか、物心ついたらがきんちょの頃に戻ってたのは……世界が「1巡」したからだったのか」
京太郎「……そういうことだ」
京太郎「もう、十分か……?家に帰してくれ、晴絵…!」
京太郎「俺には、やらねばならぬことがあるのだ…!!」
晴絵「まぁまぁ、しばらく阿知賀でゆっくりしていきなよ」
京太郎「そんな暇はッ!!」
晴絵「はい、「お前はしばらく阿知賀に滞在していたくなる」」
京太郎「!!」 ギュギュウウウン
京太郎「……そうだね。うだるように暑い東京で夏を終えるより……この片田舎で旅行気分を楽しむとするかな…」
晴絵「……よしよし、完璧だな」
晴絵「私の作ったレジェンドアプリ第4号……「須賀京太郎を好きにできるアプリ」は!!」
20 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 17:26:09.55 ID:U5AQxdLm0
〜翌日〜
―阿知賀女子・麻雀部部室―
晴絵「……さて!」
晴絵「いよいよインハイも本格的に近づいてきている……」
晴絵「基礎雀力を上げる期間はこれくらいにしておいて……」
晴絵「こっからは各校の対策とかを中心にやっていきつつ、サブの目的として弱点の補強とかもやっていきたいんだけど……」
晴絵「よし、シズ!」
穏乃「はい!!」
晴絵「この大会……決勝まで勝ち上がっていけば、絶対に当たる高校が1つある。それはどこだと思う?」
穏乃「え……っと…どこだろう??」
晴絵「おいおい、何言ってんだ。そもそも何のためにインハイ目指してたんだよ」
憧「あっ、和?」
穏乃「!! そっか!!和のいる、白糸台高校だっ!!」
晴絵「正解!」
21 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 17:31:54.59 ID:U5AQxdLm0
晴絵「と、いうわけで……まずは絶対に当たる強豪、白糸台の対策から始めていく」
玄「白糸台といえば、和ちゃんもそうだけど……インハイチャンプの宮永さんがいるところだよね」
宥「怖いね…」 ブルルッ
晴絵「そんなに恐れるなって。今日からはインハイチャンプ・宮永照よりも手強い白糸台の化け物の対策をやってくんだからさ」
灼「インハイチャンプ以上……?」
憧「えっ、待って?そんなのいるの??」
晴絵「ああ。今連れてきてるよ」
穏乃「連れて……?」
晴絵「京太郎、「入ってこい」!」
ガチャッ
京太郎「……」 ツカツカ
憧「男子!!??」 ビクゥッ
22 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 17:40:24.30 ID:U5AQxdLm0
晴絵「ほら、「自己紹介しな」」
京太郎「!!」 ギュギュウウン
京太郎「俺の名は須賀京太郎……。年齢15歳」
京太郎「自宅は白糸台高校付近の住宅街にあり、彼女はいない」
京太郎「「白糸台高校」の1年生で麻雀部に所属していて、 毎日遅くとも夜8時までには帰宅する」
京太郎「タバコは吸わない。酒も嗜む程度……夜11時には床につき必ず8時間は睡眠をとるようにしている…」
京太郎「寝る前にあたたかいミルクを飲み20分ほどのストレッチで身体をほぐしてから床につくとほとんど朝まで熟睡さ……」
京太郎「赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに目を覚ませるんだ…健康診断でも異常なしと言われたよ」
晴絵「と、いうヤツだ!」
憧「え……なに、この人…」
灼「自己紹介なが…」
穏乃「この人が、インハイチャンプより手強いんですか!!??」
晴絵「ああ」
晴絵「ただ、ちょっと想定外のことがあってさ」
玄「想定外?」
23 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 17:47:13.11 ID:U5AQxdLm0
晴絵「うん。幸いっちゃ幸いな話なんだけどね」
宥「??」
晴絵「いやさ。なんかこいつ、二重人格だったみたいで」
灼「なにそれ…」
晴絵「私の知ってる方の人格なら、旧い付き合いだから対策のしようもあったんだけど……」
晴絵「対策してもどうにもならない強さだから、結局はどうしようもなかったんだよね」
穏乃「対策できない強さ!!??」
晴絵「でも、今表に出てきてるこの人格。こっちは私は全然知らなくってさー。調べないことには対策も何もできないんだ」
晴絵「試しに何回か打ってみたんだけど……こっちの人格に関しては、高校生でも上手くやれば対応できるかな…って感じ」
憧「どっちみち強いのね……」
晴絵「そういうことだ。ただ、私の知ってる方の人格なら狂った高打点を連発したり、振り込んでも『スタンド』でなかったことにしてきたりするし……」
穏乃「え?」
晴絵「時間を止めてイカサマで役満和了ったり、和了ったときに身体を爆発させてきたり、その残骸で襲ってきたりもするから」
玄「??」
晴絵「そういうのがないぶん、全然やりやすいんじゃないのかな」
灼「……意味がわからな……」
24 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 17:57:24.92 ID:U5AQxdLm0
玄「というか……インハイで戦うかもしれないのに、よく阿知賀まで来てくれましたね…」
京太郎「いや、俺は……」
晴絵「ああ、こいつは今、私に逆らえなくなってるんだ」
憧「え、なにそれ……。弱みでも握ってんの?」
晴絵「や、違う違う!私が開発したレジェンドアプリ第4号、「須賀京太郎を好きにできるアプリ」の効果さ!」
穏乃「なんですかそれ!!??」
晴絵「ふっふっふ……説明しよう!」
晴絵「こいつはスマホのアプリなんだけど……」
晴絵「アプリに自分の波紋の波長と声質を登録しておくと、アプリを介して京太郎につけてある首輪に波紋が伝わって、京太郎に何でも好きなことを命令できるようになるんだ」
憧「どういう理屈よそれ?!」
晴絵「『実現した伝説』を使ってなんやかんや試行錯誤してたらできるようになった」
灼「なんやかんやって……」
玄「発明家だね〜!」
晴絵「ま、阿知賀のレジェンドたるこの私!「できて当然と思うことで何だってできる」からな!」 ドヤァ
宥「すご〜い」
京太郎「フン……」
25 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 18:06:18.24 ID:U5AQxdLm0
玄「でも……そのアプリで無理やり連れてきたんだったら、ちょっとかわいそうですね…」
晴絵「……」 チラッ
京太郎「いえ、「阿知賀にしばらく滞在していたい」のでお気になさらず」
玄「あ、そうなんだー!それならよかったのかなっ?」
宥「そうだね〜」
灼(……これも、ハルちゃんに操られて言わされてるんじゃ……?)
晴絵「そういうわけだから、これからしばらくの間は京太郎と打って対策を練ろうか」
憧「え、アプリで「弱点を教えろ!」とか「クセがあるなら教えろ!」とかじゃダメなの?」
晴絵「いや、それは聞いたよ。でも無意味だった」
穏乃「無意味?どういうことですか?」
26 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 18:06:46.25 ID:U5AQxdLm0
晴絵「……京太郎、「クセとか弱点とかあるなら教えてくれ」」
京太郎「!!」 ギュギュウウウン
京太郎「……俺に弱点はないし、クセも自分で気づいているようなものはない。俺は天才なのでね……」
晴絵「って、具合なんだ」
穏乃「な、なるほど……」
玄「す、すごい自信だね……」
晴絵「その自信がどれほど実力に見合ったものか、ちょっと見てみるといいよ」
晴絵「京太郎、「みんなと2半荘打ってみてくれ」」
京太郎「いいだろう」 ギュギュウウン
晴絵「じゃ、まずはシズ、憧、玄!」
晴絵「次は憧と玄が抜けて灼と宥な!」
穏乃「よっし!!腕試しだーーーーっ!!!」
27 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 18:09:14.98 ID:U5AQxdLm0
2時間後……
. . :´:_: : : : : : : :`\: : : \
/: : : : : : : : ̄: : 、:/: /: :ヽ: : : \
/: : : : : : : : : : : : : : :\: : : :/: V : : : \
/: /: : : : : \/ヽ: : : : :ヽ: :/: : :ヽ: : : : : ヽ
/: :.{: : ハ: : :イVハ-、ヽ: : }-、: : : :ハ: : : : : ハ
/: : :i: : :i ヽ: :}-r⌒ヽ VV }: : : } V: : : : :ハ
/i: : : V: rく レV \::ノ ハ:} イ: : : } /: : : : :ハ}
ハ: : : V:ハ rへ ''/ i: } ヘ∠、/: : : : : ハ!
{ ヽ: :ハ: :ヽ\:) ′}: ! /://: : : : : /――-...、
八ハ:ゝゝ\,,′ っ j://::/::::/: : : : :/::::::::::::::::::::\
` ` V:} 、_ ///::::::/: i: : : V::::::::::::::::::::::::::ヽ::ヽ
ノ:ノ レ 〉:::/::::::V: : :ヽ:::::::::::::::::::::::::::';:::::ヽ
// /:::::(::::::::::::\: : :ミー::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ
( /:::::::::::::::::::::::::::`ヾミゝ:::::::::::::::::::::ヽ::::::::ヽ
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::ヽ
京太郎「……フン、他愛ないな……」
憧「ぜ、全員トバされた……つ、強すぎでしょ…!!」
灼「あ、ありえな……」
玄「ぜ、全然歯が立たないよぉ……」
宥「」 ブルブルブルブル
晴絵「ふぅー……。やっぱ25000点持ちならこんなもんか」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/22(土) 18:10:41.87 ID:BwzsPAr30
京太郎の自己紹介で、未成年飲酒に
ついて誰もとがめてないのはなぜだ?
29 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 18:17:51.94 ID:U5AQxdLm0
晴絵「打ってみて、何か掴めるものはあったか?」
憧「いや……フツーに強すぎてなんも……」
晴絵「……だよなぁ。こればっかりは仕方ない」
晴絵「何十回も何百回も打って、その様子を動画で撮りつつ……何かしら見つけ出していくしかないな」
灼「骨が折れそ……」
晴絵「頑張るしかないさ。それに、京太郎と打つのは、弱点探しだけじゃなく、みんなのレベルアップも目的でやってるわけだからな」
晴絵「京太郎。「これから毎回、打つたびに皆の打ち筋で問題があったところを指摘して、アドバイスをしてやってくれ」」
京太郎「わかった」 ギュギュウウウン
京太郎「新子憧。君は鳴きの速攻を得意としているようだが……俺には通用しない。判断力が低すぎるのだ…手牌のケアがお留守になりすぎだぞ」
憧「……っ!!むかつく〜!!……てか、なんでアタシの名前知ってるわけ?」
晴絵「あっ。……そ、それはだな。前もって教えといたんだ。「そうだよな?」京太郎」
京太郎「そういうことだよ」 ギュギュウウウン
憧「ふぅん……」
晴絵(世界が「1巡」した話とかは……私も聞いたばっかでびっくりしてるとこだし、ややこしいから話さないでおこう)
30 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 18:19:28.54 ID:U5AQxdLm0
>>28
田舎もんは「はえ〜東京の高校生は進んでんだべなぁ」くらいにしか思ってない説
31 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 18:25:22.60 ID:U5AQxdLm0
晴絵「あっ、そうだ。京太郎、「東京に戻ってからウチの生徒の弱点とか特徴とかは話すなよ?」」
京太郎「分かった」 ギュギュウウン
穏乃「あっ!!でも、それズルくないですかー?!」
京太郎「構わないさ。真の強者は相手がどういう打ち手だとかどこが弱点だとか…そういう小賢しいところに考えを巡らせずとも強者たり得るのだ」
憧「な、なんて傲慢なヤツなの……」
晴絵「……ちなみに、こう言えっていう風には命令してない。元からこういう考え方してるってワケだな」
宥「い、色々とすごい人なんですね……」
晴絵「ま、そういうことだ」
晴絵「性格は悪いけど慣れたらかわいいもんだし、私がいない間も仲良くしとくんだぞ!」
灼「えっ?」
穏乃「え?!赤土先生、どこかに行っちゃうんですか?!」
晴絵「あれ、言ってなかったっけ」
32 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 18:34:39.57 ID:U5AQxdLm0
晴絵「明日からちょっと奈良市の教育委員会まで出張でさ」
晴絵「ついでに色々ツテを辿って、京太郎以外の白糸台の選手の対策練るためにあれこれやっとこうと思って」
晴絵「1週間くらい、部活に顔出せないんだよ。もしかして、言うの忘レジェンド?」
玄「き、聞いてなかったです……」
憧「ちょ、そういうの早めに言ってよね〜」
晴絵「あはは、ごめんごめん」
灼「……気になるんだけど、その間この人…須賀くん?はどうするの……」
晴絵「ん?ああ……」
晴絵「いや、最初はウチに置いておこうかと思ったんだけどな。「おとなしくしとけ」って命令するのも監禁してるみたいでかわいそうだし、どうしようかと思って」
憧「考えてないんだ……」
晴絵「誰か、京太郎を家に連れて帰って面倒みてあげられるやついないか?」
憧「え、ムリムリムリ!!!男子と1週間一緒に住むとかむりーっ!!」
穏乃「うーん、私んちはどうだろ……」
灼「うちは……おばあちゃんになんて説明しよ…」
穏乃「そこですよねっ!!問題はっ!!」
晴絵「むむむ」
33 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 18:39:20.32 ID:U5AQxdLm0
晴絵「京太郎、かわいそうになぁ。誰か飼い主になってくれたらいいのになぁ」
京太郎「いや、俺は別に……。ホテル暮らしでも構わないのだが」
晴絵「京太郎、「かわいそうな子犬のアピールをしてみ」」
京太郎「えっ」 ギュギュウウン
京太郎「く、クゥーン……」 シュン
穏乃「プッ」
玄「ふふっ」 クスクス
憧「ちょ、かわいそうでしょ!!やめなよハルエ〜!!」 ケラケラ
晴絵「わっはっは」
京太郎「く、屈辱だぁ……!!」 ワナワナ
宥「あっ、そうだぁ〜!うちに…お泊りすればいいんじゃないかな〜?」
玄「あ、それ!いいかもしれないね、おねーちゃん!」
憧「え、マジ?!」
34 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 18:47:52.40 ID:U5AQxdLm0
憧「マジで言ってんの?!玄、宥姉!?」
宥「うん……。ちょっとおうちのお手伝いとかしてくれるなら、お父さんもいいよって言うかなって」
玄「そうだね〜」
晴絵「おー、いいじゃん!住ませてくれるとこが見つかって良かったな、京太郎!」
京太郎「いや俺は……」
晴絵「じゃ、私がいない間は「松実館で手伝いとかしながら、ウチの麻雀部のレベルアップを助けてくれよ!」」
京太郎「分かった」 ギュギュウウン
晴絵「玄、宥。もし私の命令の効果が誤動作で切れたりしたら困るし…アプリ送っとくから、そこに声と波紋を登録しといて」
晴絵「玄たちも二重で命令かけて、ちゃんと京太郎がうちの麻雀部に協力してくれるようにしてくれな」
玄「おまかせあれ!」
宥「わかりました……」
京太郎「え……本当に1週間も協力させられるのか?」
晴絵「「頼むぞ」、京太郎!」
京太郎「はい」 ギュギュウウン
35 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/22(土) 18:57:23.17 ID:U5AQxdLm0
こうして、京太郎の奇妙な阿知賀滞在が始まった……。
ってとこで友達が襲撃してきたので一旦中断
小ネタにしては導入なげーぞ……
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/22(土) 23:32:52.70 ID:1orc8JU20
今のところハルエがアプリ堪能してるようにしか見えないが…
ここからどうやってクロチャーが京太郎ギュギュウウンにドハマリするのか期待
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/23(日) 08:26:48.37 ID:4jf+00KqO
丁度阿知賀との邂逅も兼ねることになってるのは良いな
そしてクロチャーのキャラとしての汎用性の高さよな
憧辺りは普通に一巡前でも親密になってるし違う意味で危険
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/23(日) 11:31:45.08 ID:5LHZvzgk0
クロチャーはどこまで京太郎を好きにできるんだろう
一緒に風呂に入るぐらいまでか?
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/23(日) 11:52:19.71 ID:vGANoEiF0
クロチャー悪乗り暴走しかかったところで
アナザーさんが大人の威厳で諭して
後日レジェンドにも説教…って流れがピンとくる
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2019/06/23(日) 17:56:27.88 ID:NKy5lk3A0
アナザーってレジェンドより年上なんだよな
41 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:29:30.12 ID:6Vhy22hD0
>>40
いや、レジェンドの方が年上ですよ
アナザーワンは中身41歳だけど、
レジェンドは御身所有者だから「1巡前」の時点で51歳、「1巡後」も記憶持ってるから+26で77歳……ってめっちゃババアじゃん!!
実際中身が何歳かちゃんと考えてはなかったけど、計算してみると記憶受け継いでないトシさんより年取ってんぞ……
てかこの話、超短編小ネタのつもりだったのに結構長くなりそう……
ちょっと書き溜めた分投下します
42 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:30:07.39 ID:6Vhy22hD0
―松実館―
玄「ただいま〜」 ガラララッ
松実父「おお、二人ともおかえり……って誰だ彼は」
京太郎「こんばんは」
宥「あのね、お父さん。赤土先生のお知り合いの方で……須賀くんっていうんだけど、行くところがないみたいで…」
松実父「えっ?家がないのか?」
京太郎「いえそういうわけでは――玄「だから、1週間だけうちのお手伝いしてもらう代わりに、泊らせてあげられないかなぁ…?」
松実父「ええ……?う、うーん……それはかわいそうな話だが……1週間後に家のあてはあるのか?」
玄「うん!赤土先生が何とかしてくれるそうなのです!」
松実父「まぁ、1週間くらいなら構わないが……須賀くん、と言ったね?」
京太郎「はい、須賀京太郎です」
松実父「若いのに大変だな。こんな田舎の旅館だが、ゆっくりしていきなさい」
玄「やったぁ!」
宥「よかったね、須賀くん」
京太郎「あ、はい」
松実父「夏休みシーズンでお客さんも多くてね。仕事を手伝ってくれるというならむしろありがたいよ。気兼ねせずにな」
京太郎「……ありがとうございます」
京太郎(人がいいな……)
43 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:30:37.66 ID:6Vhy22hD0
―客間―
玄「ここが須賀くんのお部屋なのです」 ガラララッ
京太郎「ふぅん……。普通に旅行客が泊まる部屋じゃあないですか」
京太郎「いいんですか?こんなところを使わせていただいても」
玄「うん!須賀くんにはうちでも部活でも助けてもらうわけだし、おもてなしできるところはしなきゃ!と思って」
京太郎「へぇ……。そいつはありがたいですね」
玄「どうかな?別のお部屋が良ければ、もう少し回ってみる?」
京太郎「いえ……ここで構いませんよ」
京太郎「味がある。滞在する上で何の不満もありません」
玄「そっかぁ!よかったぁ」 ニコッ
京太郎「ところで……旅館の業務内容というのを教えていただけませんかね」
玄「あっ、そんなにやる気出してくれてるの?」
京太郎「いや……働きたくないはずなんですが、晴絵に受けた命令のせいか働かずにはいられない気分なんです」
玄「そ、そっかぁ……なんだか申し訳ないなぁ……」
京太郎「成行き上仕方がない。お気になさらないでください」
44 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:31:16.60 ID:6Vhy22hD0
京太郎「そして、やらなくっちゃあならないことなら、完璧にこなしたいので」
玄「わ、わかったよ。じゃあ説明するね」
京太郎「ええ、お願いします」
アナザー京『なんだ、思ったよりマジメにやる気じゃあねえか。相棒』
京太郎(フン……松実館の仕事を手伝わなくてはいけない…そんな気持ちに無性に駆られているのだ)
京太郎(止める必要はないぞ、アナザーワン。俺がやりたくてやるのだからな)
アナザー京『ああ。ハナっからその気はねえよ』
アナザー京『宝くじが当たっちまってバイトの一つもする必要がなくなったことを心配してたんだがな。ちょうどいい社会経験ができそうで何よりだぜ』
アナザー京『それに、止めたくても止められねえ。晴絵のかけた催眠の効果は、別人格のおれにまで及んでるみてえだからな』
京太郎(なに?そうだったのか)
アナザー京『ああ。だからおれも、阿知賀の波紋雀士たちのレベルアップに協力しようとするてめーを止められねえし、阿知賀から去らせることもできねえ』
京太郎(……ん?それは少し…マズいんじゃあないのか?)
アナザー京『なんでだ?』
京太郎(……いや。何か、俺たちにはやらなくてはならないことがあった気がするのだが……)
アナザー京『……ああ。おれも何か大切なことを忘れている気はするぜ』
京太郎(……参ったな。何だったかまるで思い出せん)
京太郎(アナザーワン。晴絵が俺にアプリを使用しようとしたとき、お前が阻止してくれればよかったものを……)
アナザー京『いや……それもできたが、敢えてやらなかった』
京太郎(なに?何故だ)
アナザー京『そりゃあ……晴絵には負い目があるからな』
45 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:31:45.81 ID:6Vhy22hD0
アナザー京『「1巡前」にスコヤを倒す旅を続けている時……須賀京太郎はあいつのおかげでスコヤを倒せるところまで成長できた』
アナザー京『しかし……最終決戦の時によ…。スコヤをビビらせるついでに晴絵を助けようと、ヤツの腸を引きちぎって晴絵に移植しちまったばっかりに……』
アナザー京『「1巡」する直前にスコヤは復活しちまって、晴絵はまたしても腹に風穴ブチ開けられて死んじまったわけだからな』
京太郎「……」
アナザー京『それを思うと、おれは晴絵に何をされても文句は言えねえ。今回のことだって、晴絵の気が済むまで操られてやるつもりだぜ』
京太郎(……そうか)
アナザー京『相棒。てめえにもちっとはそういう気持ちがあったんじゃあねえのか?』
アナザー京『じゃなきゃ、晴絵がアプリを使う素振りを見せたところでスマホを破壊しちまえばよかったわけだからな。違うか?』
京太郎(……俺はただ、「1巡」ぶりにあった晴絵との間でトラブルを起こしたくなかっただけだが……そういう気持ちもあったかもしれんな)
アナザー京『だろ。なに、心配はいらねーさ』
アナザー京『晴絵だって鬼じゃあねえ。1週間もすりゃ催眠を解除して元の生活に戻らせてくれるぜ』
アナザー京『それまでは阿知賀の波紋雀士たちのレベルアップに協力するなり、旅館の手伝いなり、なんでもしてやろうぜ』
京太郎(……ああ。元よりそのつもりだよ)
京太郎(それに、逆らおうと思ったところで既に逆らえない段階にきているからな)
アナザー京『ハハハ。違いねえ』
こうして須賀京太郎の奇妙な阿知賀滞在が始まった……。
46 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:32:13.91 ID:6Vhy22hD0
住み込みで仕事を手伝うことになった京太郎の朝は早い
〜AM5:30〜
京太郎「おはようございます、玄さん」
玄「須賀くんもおはようございます!」
玄「あれっ、身支度はもう済んでるんだ?」
京太郎「ええ。いつも6時には起きているのでね。1時間ほど起床時間をズラせば身だしなみくらいは整えられます」
玄「そっかぁ……。じゃあ、早速お仕事をお願いしてもいいかな?」
京太郎「ええ。ただ、今朝到着予定の3組の部屋については、既に掃除を済ませておきました」
玄「え?!ほ、ほんと?」
京太郎「ええ。ですが素人の仕事なのでね。念のため、後からチェックをしておいてください」
玄「わ、分かったよ」
玄「そ、そっかぁ……。じゃあ、お願いしようと思ってたお仕事もそれで済んじゃったし……あっ、おねーちゃんを起こしてもらってきてもいい?」
京太郎「分かりました。……ですが、女性の部屋に男の俺が立ち入ってもいいんでしょうか?」
玄「え?あ……でも、須賀くんならいいんじゃないかな?おねーちゃん、ちょっと恥ずかしがるかもだけど」
京太郎「そういうものですか」
47 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:32:47.00 ID:6Vhy22hD0
―宥の部屋―
京太郎「宥さん、起きてください。宥さん」 コンコンコン
京太郎「……」
京太郎「……仕方がないな」 ガララララッ
宥「むにゃ……あと30分…」 ゴロン
京太郎「強欲だな」
京太郎「そんなことを言っていないで、起きてくださいよ。宥さん」 ユサユサ
宥「んぅ……玄ちゃん、もうちょっとだけぇ……」 ムニャムニャ
京太郎「俺は玄さんじゃあない。須賀京太郎ですよ」 ユサユサ
宥「うぇっ?!」 ガバッ
京太郎「おっ…やっとお目覚めですか」
宥「す、須賀くん……?な、なんでここに……」 カァッ
京太郎「玄さんに頼まれたんですよ。宥さんを起こしてくるようにと」
/: : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : |: : : : : : : : : : : : : : ヘ
. /. : : : : : :/: /: : : : : : /: : : : :',: : : : : : : : : |ヘ : : : : : : : : : : : : : ヘ
l : : : : : : :{: :|: : : : : : /: : : : : : l: : : : : : : : |ヘ : : : : : : : : : : : : : :ヘ
. { : : : : : : :|: :|: : : : : : l: : : : : : :.}: : : : : : : : :.l | : : : : : : : : : : : : : : ヘ
i: : : : : : : :|: :|: : : : : : |: : : : : : /: : : : : : : : : } |: : : : : : |: : : : : : : |ハ
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京太郎「低血圧なんですか?なら、早く日光を浴びた方がいいでしょう」
京太郎「あとはヨーグルトだのチェダーチーズだのを食事に取り入れるだとか……」
宥「わ、分かったよ〜……と、とりあえず…お着替えするから…」
京太郎「ああ、失礼しました」 スタコラサッサ
48 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:33:17.76 ID:6Vhy22hD0
朝の仕事を終えれば、松実姉妹と共に麻雀部へ向かう
―阿知賀女子・麻雀部―
憧「チィッ!!」 カシャッ
京太郎「遅いな……。門前の俺の方が……ずっと速いッ!!」
憧「むっ」
穏乃「え、えー?も、もう聴牌してたり……?」 タンッ
京太郎「ご名答……。ロン、16000……」
穏乃「うぎゃー!!」
玄「うーん……須賀くんはいい牌ばっかり引いてくるね……」
宥「聴牌速度がすごく速い……」
京太郎「俺は基本的に有効牌しか引かないので」
憧「ズルすぎでしょっ!!」
京太郎「……それより、ずっと撮影するのはやめていただきたいものですが……」
灼「ハルちゃんの指示だから……」 ジーッ
京太郎「……」
玄「須賀くん、「がまんしてもらえる」……?ごめんねっ!!」
京太郎「仕方がないですね」 ギュギュウウン
憧(人権蹂躙じゃないのこれ)
49 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:33:47.38 ID:6Vhy22hD0
夕方、松実館に帰ってからは忙しい仕事に追われる
玄「わ〜、忙し忙し!」 バタバタ
京太郎「玄さん」
玄「あ、す、須賀くん!」
玄「えっとね、素泊まりのお客さんが2名いて――京太郎「部屋は掃除してお茶・お菓子の補充もしておきました」
玄「ほ、ほんと?!それと、食材が足りなくなっちゃってて――京太郎「すみません。俺のポケットマネーで間に合わせの量なら買ってきました」
玄「えっ?!そ、そこまでしなくても――京太郎「いえ、俺が急に滞在することになったので消費が増えたんでしょう。俺の宿代分ということで、ここは」
玄「え、いやそれは――京太郎「玄さんは仕入れの確認をお願いします。俺は調理場に届けてそのまま料理のお手伝いをするので」
玄「え?でもお父さんがいるから大丈夫――京太郎「ああ、客に出す分は素人の俺は何もできませんが、ご家族の分を俺がやっておきます」
京太郎「それじゃ……」 スタスタ
玄「す、須賀くん……。初日で私よりそつなく仕事をこなしてる……」 アゼン
50 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:34:17.66 ID:6Vhy22hD0
そして……
―食卓―
松実父「うぅーん、須賀くんの作った料理は美味いなぁ!」 モグモグ
宥「ほんとだ〜!私よりお上手…」 モグ
玄「す、すごいね……」
京太郎「ありがとうございます」
松実父「やれやれ……普段より2倍早く仕事が終わったぞ」
松実父「どうだ、須賀くんも一杯」 グイッ
玄「あっ!おとーさん!ダメだよ〜!須賀くんは高校生なんだから〜」
京太郎「そうですね……遠慮しておきますよ」
松実父「まぁまぁ、そう言わずに」 スッ
京太郎「そうおっしゃるなら……」 グビッ
宥「あぁ〜!飲んじゃった……大丈夫?お酒飲んでも…」
京太郎「このくらいはなんとも……」
松実父「ワッハッハ!どうだ、仕事終わりのビールは格別だろ?!」
京太郎「ええ。全くですね」 ゴクゴク
51 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:34:46.47 ID:6Vhy22hD0
松実父「うぅーん、須賀くんはまっこといい男だなぁ!」
松実父「若い頃のボウイ似のハンサムで、仕事もデキるし料理も上手い!」
松実父「どうだ、玄か宥をもらってくれんかね?」
宥「えっ」 ポッ
玄「お、おとーさん!やめてよ〜!」 カァッ
京太郎「ははは……。俺のような若輩者ではとても分不相応ですよ」
京太郎「見目麗しい旅館の看板娘を貰ってしまってはお客さんの嫉妬を買ってしまうんじゃあないでしょうか」
宥「須賀くん、お上手……」 カァッ
玄「も、も〜!須賀くんもやめてよ〜!」 テレッ
松実父「はっはっは!謙虚なのはいいが、君は最近流行の草食系なのか?それはいかんなぁ〜」
松実父「どうだ、玄。宥。1週間のうちに須賀くんをモノにしてしまっては」
宥「え、えぇ〜……」 カァッ
玄「へ、変なこと言わないでよ〜!」 ポカッ
松実父「わはは!須賀くんになら、ウチの娘をくれてやっても構わんのだぞー!」
京太郎「ふふ……少しお酒が回ってきたんじゃあないですか」
松実父「ヒック……そ、そんあことはないぞ〜」
玄「もう……弱いのに、調子に乗るからだよ〜」
52 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:36:08.83 ID:6Vhy22hD0
宥「ごめんね、須賀くん…。だる絡みしちゃって〜……」
京太郎「いえ……お気になさらず。それにお二人とももらえるものならもらいたいくらい美しいですしね」
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ヽ:|: : : : :|: : ヽ: : ::|.ゝ、 ゝ-------'__ -- ' /: : /: : ヽ、
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京太郎「いえ、本当のことを言ったまでですよ…」
京太郎(本当に……「手」はもらいたいと思うね…嫁にはいらんが…)
53 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:36:47.65 ID:6Vhy22hD0
玄「も、もう……や、やめてよ〜」 ドキドキ…
京太郎(特に松実玄……。彼女の手は……「強さ」があるッ)
京太郎(皿洗いやら掃除やらで酷使してもなお、美しさを保つ白魚のようなきめ細かい肌…)
京太郎(きっとどこか……精神的に強いところがあって、それが「肌の強さ・美しさ」に現れているのだ……)
京太郎(是非とも……お持ち帰りしたいところだな…)
京太郎(……持ち帰り?)
京太郎(…………どこへ、持ち帰るつもりだったのかな……?)
京太郎(……あれ?俺は今……何故阿知賀に……)
京太郎(ん…?俺が滞在したいと思っていたからじゃあなかったか……?)
京太郎(あれ……。だが、俺にはやるべきことが……)
京太郎(ああ、そうだ……。やるべきことがあったが、晴絵に命令されて旅館の手伝いなんかをしているのだったな……)
京太郎(やるべきこと……?……やるべきこととは…なんだったかな……)
京太郎(……まぁ、いいか……)
京太郎「玄さん、宥さん……。俺も少し酒が回ってきたようです。お先に床に就いても構いませんかね」
玄「う、うん。お、おやすみなさい」
宥「お、おやすみ〜」
京太郎(……何か大切なことを忘れている気がするが……なんだったろうか…本当に思い出せん…) フラフラ…
54 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:37:17.14 ID:6Vhy22hD0
〜翌日〜
―阿知賀女子・麻雀部―
玄「それでね〜!須賀くんって、お料理まで上手で!」
宥「お仕事もすっごくてきぱきとしてて、大助かりなんだ〜」
穏乃「へぇ〜!!麻雀以外もそんなにすごいんですね!!須賀さんって!!」
憧「完璧超人じゃない」
灼「いるんだ…そういう人…」
京太郎「……」
京太郎(……しまったな……)
京太郎(旅館の仕事を「そつなく」こなしたつもりだったが……)
京太郎(何故か「松実館での手伝い」を頑張らねばならないような強迫観念に駆られて……「そつなくこなす」という以上の仕事ぶりを見せてしまった……)
京太郎(こんなつもりじゃあなかったのだが……俺としたことが、どうしたのだ?)
京太郎(今までなら、目立たないようにバランスを考えて手を抜くことができたのに……)
京太郎(こうなったら、どこかで失敗をして釣り合いをとらねば……)
憧「そういえばさー、須賀くんに他にどんな命令してんの?」
憧「お客さんの前で宴会芸させたりとか?」
玄「し、しないよ〜!そ、そんなかわいそうなことー!」
穏乃「え、でも面白そう!!私もやってみたいかも、宴会芸!!」
憧「シズは勝手にやってなさい」
穏乃「え〜」
京太郎「……」
55 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:37:45.41 ID:6Vhy22hD0
憧「せっかく人に好きな命令できるなんて面白いことになってるんだし、もっと色々使ってみたらいいんじゃないの?」
玄「え〜……でも、須賀くんはお仕事も頑張ってくれてるし、私たちの練習にも付き合ってくれてるし……ちょっと悪いよぉ」
憧「んー……そうだ!」 ピコーン
憧「ねぇ、シズの夏休みの宿題手伝ってあげてよ」
穏乃「えっ!!」
京太郎「宿題?」
京太郎「なに……?8月のアタマなのに、まだ終わっていないのか」
穏乃「そ、そりゃそうだよ〜!だってまだ8月のアタマだしっ!!インハイもあるしっ!!」
京太郎「大会があるのなら、なおさら7月中に終わらせておけばよかったものを」
憧「おっ、話が分かる人発見〜やっぱそうだよねフツー」
穏乃「そりゃ、憧は頭いいからそう思うだけでさー」
穏乃「フツーは夏休みの最終日に全部やるよ〜……」
灼「それはだらしな……」
玄「う〜ん……7月中に、とは言わなくてもコツコツ終わらせておかなきゃだと思うよ〜」
宥「そうだね〜」
穏乃「えぇー……みんなマジメタイプですか……」 ガクッ
56 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:38:17.31 ID:6Vhy22hD0
憧「でさ、チームメイトとしてもシズ心配だしー。玄、須賀くんに命令して手伝わせてみてよー」
玄「えー」
京太郎「……!」 ピコーン
京太郎(……これはチャンスなんじゃあないのかッ?)
京太郎(脳足りんのフリを装って評価を下げ……上がり過ぎてしまった評価との釣り合いをとる……ッ!)
京太郎(バカだと思われるのは癪だが……万能のイメージを崩しておく方が優先だッ!!)
京太郎「よし、いいだろう。高鴨穏乃、宿題を一部寄越してくれ」
穏乃「えっ!!??ほ、ほんとにいいのっ?!」
憧「おー!よかったね、シズ〜」
玄「えっ、私そんな命令出してないよ?」 アセアセ
京太郎「いや、これは命令を受けてやるんじゃあなく……自分の意志でやろうとしているだけですよ」
穏乃「やさしー!!須賀さん、マジで感謝ですっ!!」 ペコペコ
京太郎「……」
灼「普通にいい人…」
57 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:38:46.63 ID:6Vhy22hD0
玄「じゃあ、今からちょっとお勉強の時間にしようよ〜!」
宥「そうだね〜……私たちも、宿題を進めちゃお……」
憧「じゃ、あたしは自分の終わってるし……シズ、あたしも手伝ってあげるわよ」
穏乃「おおー!!憧、信じてたぞー!!」
憧「ジュース2本ね。あたしと須賀くんに、1本ずつ」
穏乃「なー?!ぐ、ぐぐぐ……しょ、しょうがないっ!!もちろん相応の対価は払おうっ!!」
憧「まいどあり〜!」
京太郎(呑気な奴らめ……)
京太郎(ま……高校の勉強くらい、古文・漢文以外はそつなくこなせるが……無能のフリをしてやるとするか…)
穏乃「じゃあ、須賀さん!!古典の問題集のこっからここまで、ノートにお願いします!!」
京太郎「え」
58 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:39:15.03 ID:6Vhy22hD0
〜30分後〜
穏乃「む、むむむむむむ〜〜!!!」
_ ,. .‐:´: : : : : : : : : : :`: : . 、
/:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ
/:/: : : : : : : : : : : : : :;ヽ: : : : : : : : : :\
/ : /: : : /: : : : : : /: :/: :' ヽ: : : : : : : : : : ヽ
/: : / : :、:/: : : : :/: ! : ハ: :{ '; :、: ヽ: : ヽ: :ヽヽ
/: : : ': : : :/:/: :\: :ハ: :ハ: { ';.ハ: ハレ: :i : :ヽ:',
l/: : :!:、: : :{:/ : : ハ`ト'、:{ V }:レiイ }: : }: : :ハ:.!
/: : : ハ: :\:iハ: : :{ ,z==ミゞー' 彡zzx ハ :ノ: : :ハj
/: : : : ∧: : : i: :ヽ:i〃 ゙{イ !:ノ
/: : : : : : : ヽ/´!: : ハ! ヽヽ ` ヽヽi: ヽレ
/: :/: : : : : : : { { : { ト; :.ヘ
. /: :/: : : : : : :/: ヽ{: :{__ /ニー ―‐_ァ ノ ヽ: } あ〜!!二次関数ってなんなんだよ〜!!
/: :/i: : : : : : :ハ: :{ ヽ: ! ヽ,  ̄ ̄  ̄ ̄ イ ヽ:!
{: / {: : /: : : ハ: :{ ヽ:! 「::::::エ=--、zz彡} i:}
i: { ヽ: !: : : :{ /⌒TV::::く:`===:::zl゚}:::=〈__ i!
. V ヽヽ: :/ ヽ::::::::::`::-:::_::《::_:ノ:::::::::', \
/つ/ノ/ 7 r, }::::::::::::::::::::::::::::》:::::::::::::::::::::i ヽ
ハ 〈 / / / / ハ j:::::::::::::::::::::::::::::{{::::::::::::::::::::::i ヽ
〈ヽ ´ Lノ / ノ ノ /::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::::::i ヽ
. \` / / /::::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::::::ト \
憧「えーそこからー?」 ガクッ
憧「どの問題でつまずいてるわけ?……え、なによ。普通に因数分解してから解けばいいだけじゃない」
穏乃「因数分解ってなに!!なんで分解するのさっ!!」
憧「は〜?」
穏乃「分解なんてしなくていいよ〜!こんな山なりの曲線、山と同じで自然のままがいいに決まってるっ!!」
憧「じゃあ一生解けないわね」
穏乃「うぅ〜」
59 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:39:50.02 ID:6Vhy22hD0
憧「まったく、あたしはあんたの英語の課題もう4割くらい終わってるってのに……」
憧「須賀くんも……」 チラッ
京太郎「…………」 アセアセ…
憧「……え?……最初のページから進んでなくない?」
京太郎「……」 コクリ
穏乃「えっ!!??ほんと?!!」
京太郎「……古典は、苦手なのだ……」
憧「……マジ?文法も1問も解けないレベルで?」
灼「え……なんか意外…」
穏乃「おぉー!!私の宿題が進んでないってのに、仲間が見つかったことの喜びの方が大きいぞーーーっ!!」
京太郎「こ、古典世界はッ!!この須賀京太郎にとって理解したくもない不衛生な時代だからだッ!!」
京太郎「ゴミだめに吐き捨てられたタンカスのように不潔できったない身体で過ごしている人間の言葉など、分かりたくもないからできないだけだッ!!」
憧「プッ……な、なによ、その言い訳……」 クスクス
60 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:40:39.13 ID:6Vhy22hD0
宥「へぇ〜……須賀くんにも、苦手なものはあるんだね〜」 フフッ
玄「なんだかかわいいね〜」 フフフ
灼「そういうところもある方が、よっぽど人間らしいと思…」
京太郎「な……」
穏乃「」 ポン
京太郎「?」
_. .―. .. . . 、
lヽ , . :´: : : : : : : : : : : :`: .、
_| } /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/ ニ⌒) /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
/  ̄ヽ) /:/: : : : : : : : : : : : :ハ: : : : : : : : : : : :ヽ
/ 、\ノ /:/: : : : : /: : : : : /:/ !:}: : : : : : : : : : : :',
_,' イノ /:/: : : : /:/: : : : : :// !:ハ: : : : : !: : : : : :ヘ
ィ::ー..._ノ /i/: /: : :`ト/:{: : : :// }:i }: : : : : }: : : : : : ハ
__/::\.二..::フ /:/:从: : : ハハ`ト:、_ハ !ハ: : : レi: : ノ: : : :ハ
/::::\::_:::ィ /:/: !: :ハ: :/ ヾx、\:!` ノ__レイ ノノ: :/: : : : ハ!
/::::::::::::::::::::::} /:/: : i :/: V _,z≧ ´__,z レイ: : : //:ノ
ノ:::::::::::::::::::::::ノ /:/: : : Vi: : ! " ̄ ≦, ̄ /: :/:ノノ
/:::::::::::::::::::::/ /:/: : : : V: ハ "" ゙ヾ /:イ
/:::::::::::::::::::::::/ /:/: : : : : l :ハ 、 "" /: :/
/:::::::::::::::::::::::/ /:/: : : : : :i :i : ヽ  ̄´`ー一 //:/ 大丈夫!ひとりじゃない!
./:::::::::::::::::::::::::ヘ /:/: : : : : : :V: : : : \ ノ´l:/
'::::::::::::::::::::::::ノ:::\:⌒\/⌒i:⌒\: : : /:`:エヽ _ ´ 〃
::::::::::::::::::::/::::::::::::ヽ::::::::ヽ::::::::}::::::::::\/ニ ー:::: ̄r:::┴┐ /
、:::::::::: ̄::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::}:::::::::::::::::\:::::ヽコ_〉ニ'┤ ´
`ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::j::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::}}::::::::::}`ヽ、 ___
`ヽ、::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::j::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}:: ̄:::::::::::::::::\ ,< ___ >,
`ヽ、::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}:::::::::::::::::::::::::/:ヽ ! !
`ヽ、:::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::::::/:::::ヽ | (´ ) !
`ヽ、::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::i::/::::::::::', | ,L_|_ │
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::}:/::::::::::::ヽ | (`Y、__ } |
|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}}::::::::::::::::::}'::::::::::::::::::l ! (`(___ ) !
京太郎「な…慰めはいらんッ!!」
阿知賀女子一同「あははははっ!」
61 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:41:05.03 ID:6Vhy22hD0
京太郎「ぐ、ぐぐぐ……!!」
京太郎(おのれ……!わざとできないところを見せるつもりが、本当にダメなところを見せてしまった……!)
京太郎(これにはプライドが傷ついたぞ……)
京太郎(それに、美点と欠点で釣り合いをとるつもりが……そこまで馬鹿にされもしない特徴のひとつとして捉えられてしまった…!)
京太郎(お人よしどもめ……!そんなに甘っちょろい性格をしていると、将来苦労するぞ……!)
アナザー京『アットホームな部活だな。なんだか随分昔……清澄高校に通ってた頃を思い出すぜ』
京太郎(ん……。ああ、そういえばそんなこともあったな……)
アナザー京『こういういい子たちを相手にしてると、催眠なんざかけられなくったって色々と助けになってやりたい気がしてこねえか?』
京太郎(いや、それはない。……が、居心地が悪いわけじゃあないな)
アナザー京『いいことだぜ』
京太郎(ふん、やれやれ、だがね…)
62 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/23(日) 21:41:59.99 ID:6Vhy22hD0
ではちょっと書き溜めタイムに戻ります
多分ヒッサなら自分にしかジュース奢らせてない
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/23(日) 21:59:04.84 ID:PGglyTsd0
乙
まだアットホームだけどここからクロチャーが暴走する予定なんだよな…
どちらかというと松実父の方が暴走しそうな気配だけど。いずれ和も出てくるのかな?
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/23(日) 23:13:31.00 ID:4G07NI/jO
古文赤点野郎で草
65 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:20:59.61 ID:BugKwq/a0
その夜……
―松実館―
京太郎「……ふぅ」
京太郎(さて、と……。今日の業務も終わったことだ。床に就いて身体を休めるかな……)
「キャーーーーーーーーーーーー!!!!ゴキブリー!!!」
「きもいいいいい!!追い出してよパパーーーー!!」
「お、俺は触れねえーーーーーッ!!!!おい、仲居さぁーん!!」
京太郎(……なんだ?ゴキブリが客の部屋に現れたのか…)
京太郎(……仕方ない。少し様子を見に行くか…) ツカツカ
玄「は、はーい!!今行きますのだっ!!」 ドタドタ
京太郎(ん、玄さんが気づいた……。俺は特に助ける必要はないか…?)
京太郎(まぁいい、見に行くだけ行くか…) ツカツカ
66 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:21:29.17 ID:BugKwq/a0
―客間―
玄「ど、どうされましたかっ?!」 ガラララッ
妻「ご、ゴキブリが出たのよぉ!!」
夫「そこの布団の下に潜り込んでるっ!!早く処理してくれっ!!あと部屋を変えてくれっ!!」
息子「うぉえええーーーーん!!!気持ち悪いよーーーー!!」 ビエーン
玄「えっ、えっ、は、はい!」 アタフタ
玄(あ、ど、どうしよう?私も虫は苦手なんだけど、おとーさんを呼びに行くわけにもいかないし……)
玄(というか、今夜は満室だから替えの部屋がないよー!!ど、どうしよう…) アセアセ
京太郎「……」 チラッ
京太郎(なるほど……少しばかり面倒なトラブルだな)
京太郎(ゴキブリを始末したところで、確か俺の確認した限りだと、部屋の空きはなかったはず……)
京太郎「……」
京太郎(やれやれ……もう一仕事しなくてはね……)
67 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:21:56.16 ID:BugKwq/a0
京太郎(アナザーワン。君にも手伝ってもらう)
アナザー京『なに?ゴキブリの処理はともかく、相手は客だ』
アナザー京『虫が出て気持ちワリイって言ってるヤツをブチのめすのも言い負かすのも、得策じゃあねえぜ』
京太郎(君は荒っぽすぎる……。俺はもっとスマートに解決するよ)
アナザー京『ふぅん…?どうやって』
京太郎「〜〜〜〜〜〜〜」
アナザー京『……なるほどな。分かったぜ』
アナザー京『トラブルを穏便に処理することにかけては、てめーの右に出る者はいねえな!相棒!』
京太郎(減らず口を叩いていないで、早く手伝ってくれ)
アナザー京「おうよ」 ドン☆
68 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:22:25.89 ID:BugKwq/a0
1秒後……
―客間―
京太郎「……何かお困りのようですが、どうなされましたか?」 ガラララッ
玄「あっ、す、須賀くん!」
妻「ゴキブリが出たのよぉ!!もう気持ち悪くってぇ!!」
夫「は、早く処理してくれー!!あと、部屋も変えてくれよー!!」
息子「ぼくゴキブリやだあああああああああああああ!!!!!」
__ __ _ __
/::ヽ. 「::::l /} /:::/ /´::::/ /´::::> ,.-.、_ __,,..、
〈:::::::ハ |:::::j '´ |:::::/ /:::::::/./! /:::::/ /:::::/ /::::::::j__
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V:::::l /::::}. l:::::!ヽ一' l/ /::::::< └-' 〈_:/ /::::://:::::::/,.ヘ. /:::::/
V:::レ::::::::r' .l:::::l /:::;へ::::\ /:::::< ー-'<:://::::::://:ヽ
.';:::::::::/ ;:::::└‐:::ァ ∨ 丶;::::>. ,'::::;ヘ::丶、 ´ /::::::::/':::::::/
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ヽ::::〉 |::/  ̄ /::::;::::::::\ ヽ'
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レ': :_ : : : :_: : :}
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(ノー':{\\ : : : : : ///:::‘ー'ヽ)
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,__|Vレく(、トヘハ:::彡三入: : : 〈三o\::r'/
/ト、ヽ==ミ、} l 〉〉}ノ):::::(_\:/:):::l\oV⌒7ヽ
/ N二Y⌒ソリノノ//ィ\:::::\:/:/::::/l/`::/://
. /::<_/./从_(`"'''"´V{\:\/`:<::::/ |::|\:l :l/ : :
. ;: : : /イV.ヒjト、 }) _,ノjn: : /`ヽ o V jノ: : '⌒ヽ :
. i: : : : :〈ト{、 ftゥぅ ftァラ{リ:´: : : : : ∨∧/: : : : : : : : \
. 人: : /: :ーl ヽ j リ //: : : : : : : : ∨:/ : ヽ:_:_: : : : : :
ヽ{: : : :「\ ー= ‐ / :__ : : : : : : : V: : : : : : : : ̄ : __
\:./|\ ヽ_/ト、: : :`ヽ: : : : /\: : : : : : : : /:::::
_x≦/│ >==<。j ≧- _: / : : : `: <: : : :{::::::: なるほど、承知しました。直ちに駆除いたします……。
r─‐ァ≦ / |/ \__/ヽハ ∧  ̄ ̄∧: : : : :`: ーヽ-
/ / / |、 | | l _∧ / 〉: : : : : : : : /
V ', `フ | ヽ |「 | , |  ̄| {/7 : : : : : /
V ヽ 〈 ! \ lr‐| / l | l /、: : : : :./
∧ { V∧ ゙|\| |. |二二}/|/ ∧: : : :/
. 〈 | V∧ |/,! | l / j /: : :∧
) \ ヽ. V∧ノ|┌_| l | / /|: : : : : ヽ
/ ヽ 〉\ l\V|└_」 | │ { / : : : : : : 〉
69 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:23:00.09 ID:BugKwq/a0
妻「そこに敷いてあるお布団の下に逃げ込んだわっ!!」
京太郎「かしこまりました」 スッ
屈んだ京太郎は……敷布団の下に手を突っ込んだッ!!
玄「わわっ!!??」
夫「げぇっ!!??す、素手でぇっ!!??」
妻「うぇー……」
息子「よく触れるね……お兄ちゃん……」
京太郎「……」
京太郎「……捕まえました」 スッ…
玄・妻「」 ホッ
夫「ふぅー……良かった…。じゃ、さっさとどっか持ってって殺してくれ…で、部屋の交換も頼む」
京太郎「ええ……かしこまりました」
70 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:23:28.94 ID:BugKwq/a0
京太郎「しかし……お客様、どうやらこれはゴキブリではありませんね……」
妻「えっ?」
玄「???」
夫「何言ってんだ。不衛生なのを誤魔化そうったってそうはいかんぞ」
京太郎「いえ……。そうではありません」
京太郎「当旅館は衛生面には殊に気を遣っておりますので……時節柄、もしや…とは思ったのですが」 パッ
京太郎は、ゴキブリを捕らえているという右手を開いて見せたッ!!
夫「うおっ!!??」
玄「えっ!!??」
妻「に、逃げるでしょっ!!なにしてんのっ!!??」
京太郎「いえ……よくご覧ください」
息子「あ……!」
,.、 ,.、
ヽ'::':/
}:::{
l:::|
i:yァ|:::l
l:(.ノ:::l
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. 〃ゝ〈_:::;;;:::ノ .l:l ヽ、
_〃 l:!
´ ヽ、
息子「カブトムシだぁーーーーっ!!!」 キラキラ
玄・妻・夫「!!???」
71 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:24:01.75 ID:BugKwq/a0
京太郎「どうやらお客様……虫が部屋に現れたことで動揺するあまり、見間違えてしまったご様子…」
妻「え、えぇっ!!??そ、そんなはずないわよぉ!!」
夫「だ、だってあんなに速く動き回ってたんだぞ!あんな速度で移動するカブトムシがいるかっ!!」
京太郎「よほど腹が空いていたのかもしれません……布団の下にゼリーのカップが押し込められていたので、それに反応していたんじゃあないでしょうか」 スッ
妻「あっ!!このごみは……息子がさっき食べていたッ!?」
夫「コラ!!ごみはゴミ箱に捨てろっていつも言ってるだろ!」 ガツン
息子「いてっ!!え、えー?!ちゃんと捨てたはずなんだけどなぁ……」
京太郎「夏も真っ盛りです。甘い匂いにつられて、開いていた襖から入り込む……ということも…滅多にはないことですが、あるのかもしれません」
玄「」 ポカーン
妻「いや、あはは……すみません、お騒がせしました…」 ペコリ
京太郎「いえ、お気になさらず……」
72 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:24:34.89 ID:BugKwq/a0
京太郎「カブトムシとは言え、虫が出た部屋では寛げませんでしょう。お部屋替えを致しましょうか?」
玄「あっ!す、須賀くん!今、空きのお部屋は……」
京太郎「一室だけありますが……いかがいたしましょうか」
夫「あー……ど、どうする?」
息子「えー、ぼく別にこの部屋でいいよぉ」
妻「え、う、うぅん……そうね。ゴキブリだったら気持ち悪いけど、カブトムシくらいなら追い出せば良かっただけだし……」
夫「だ、だよな。……そういうことなんで、大丈夫です…。すみません、カブトムシぐらいで大騒ぎして…」
京太郎「いえいえ……お気持ちはよく分かります。色も大きさもゴキブリとそっくりですからね……」
京太郎「それでは、ごゆっくり……。……いきましょう、玄さん」
玄「あ、う、うん!」
玄「ごゆっくりどうぞ!また何かありましたら、お気軽にお声掛けください!」 ペコリ
夫「あ、はい……」
73 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:25:50.44 ID:BugKwq/a0
―廊下―
京太郎「……」 ツカツカ
玄「ね、ねぇ須賀くん?」
京太郎「なんです?」
玄「かぶとむし、捕まえてくれてありがとうね……。庭先から虫が入ってきちゃうトラブルってたまにあるんだけど、私も焦っちゃってたから助かったのです…」
京太郎「どういたしまして……」
玄「でも、お部屋に空きはなかったはずだよ〜?それは私の確認不足だったかなぁ」
京太郎「いいえ。その通りです。空室なんてありませんよ」
玄「えっ?」
京太郎「向こうは害虫のゴキブリが出たと騒ぎ立てたのに、実際に出てきたのはカブトムシに過ぎなかった」
京太郎「それも、息子さんが布団の下に捨てたゼリーのゴミが原因だった可能性が高い……」
京太郎「と、なれば……罪悪感で部屋を替えろなどとは言わないと踏んでいたんです」
玄「えぇっ?!」
京太郎「こちらも客商売ですから…「本当は部屋を替えるつもりはなくても」……「建前上は部屋を替える意思がある」ことくらいは示しておかなくっちゃあならない」
京太郎「何から何まで誠意を持って接してくる相手に、それ以上の傲慢は発揮できないものと思いましてね」
京太郎「むろん、それでも「部屋を替えろ」と言い張るのなら……俺のお借りしている部屋を片付けて提供していましたがね」
玄「そ、そこまで考えてたんだ……」
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:.:.:/.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:人:.:.:.:.:.:.:.:./ だ な な そ
:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.(___):.:. |:.:.: ′ ね か .か れ
:.:i:.:.:.:.: :/:. 斗‐/┼‐- イ : |:.:.:.: | |:.|:.|:.:.:| : .な な は
:.:|:.:.:.:.:.: :':.:.:.|:/ :|:././/|:.:.:.: |_|人|:.:.:| : .か か
:.:l:./⌒i:.:.:.:斗芋示ミ/ |:.:.:抖弌ミ:.:八 の
:.o{ |:.爪 んノ::::ハ :|/んハ 犲:.:,ト 、
//: ヽ_|: :|:|弋:::::::ソ V:ソ.ノノ:./|:|. \ /
:.i:.:.:.:.: |: :|:| :::::::::: , ::::::/:.:.:/ :|:| ノノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
人: : :.:|: :|:| /:.:.:/ |:| ∧
ヽ:.八:.|:| ` ° イ:.:.:./ :|:| (__)
/. \: ヽ{ ̄\ /‐--<:.:.:.:.|:.:./ ;リ
\:.:\ .}}_ /}} .}ヽ:.: |:/| /
74 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:26:32.67 ID:BugKwq/a0
玄「須賀くんって、そんなにやり手だったんだ〜!すごいなぁ〜!」
京太郎「いえ、それほどでも……」
玄「それにしても、かぶとむしで良かったね〜!ゴキブリだったらどうしようかと思ったよ〜!」
京太郎「え?ああ……フフフ」
__
┌┐.┌i ┌┐ __ ┌┐ | | [][]
|└[][]L.ロロ | [][] | | ロロ |.[][] l└─┐
|┌┤.r‐┘│┌┘ | └┐└─┐l ̄ ̄
└┘..凵 └┘ | l ̄__l ̄ ̄.┘
└┘
二 `丶、`丶、_\__\〉-<⌒
`‐-、 二. `ヽ、 ミ ̄ /⌒シ \
二‐/,ィ┐|=ミ=| /|_,/l_イ| \ \_
‐ニ| i< i ,.{ | }/__ 从 、 |` ̄ ̄
二‐ヽ ┘ | lヾ. } } /从}
ニ ‐'"/ / |_{;)} レ' ∧{
' / / '" ` `゙ / `
/ , F'′
ヽ. \、 L`___l
_\ ヽ._>┘ そうですね……。布団の下から出てきたのがイメージの良いカブトムシで本当に良かった……。
/了\_ノ
◆(
門|
____
,, :´ : : : : : `: ..
≦: : : : : : : : : : :\
. .ク:.:::.: : : : : : : : : : : :.ヽ
/::.::.::.:. : : : : /: : : : : |: : : : : : : : い
./. __.ヾ:. :.ィ: /!: : : : :.ハ : : : : :‘:,: ‘, ゚.
.,/..../::.!.―:{ |: i |: : : : : | ∨:.:|: : : |: : : :|: ゚
′::::i::..丁¨{丁{│:.:..: : i| ¨v:丁¨`:|: : : :|: :
|:: '::: i:. : :{,x≠ミ: :{\: : vr≠ミ.}::.:.|: : : :|: :.゚
|::|l:::::i:.:.:〃んrハ^\ ーんrハ |::...|: : : :|: : i
|::|l::::ハ.:.:.} 乂_ノ 乂_ノ. ,i::: : : : :|: : |
|::|l::/.::::...|. ,_ 、 __ : :.|: : : |: : |
|::|l:{.i:::::.:八 ,ハ}: :..:.: :...|: : |
`O′:::.(: 介o。, ‘` イ : /: :..|: : : |: : | …………?
/::j |:::::_≧=ー : 〕 { j:.:/: : :.イ: : :.l: : |
.{:::/ |::::.:.:广.../レ 〃ヽ /: : :/:.:|: : :。.: : !
.|::{ .从:..:|....┴ヘ. イー|. :/: : :/^`ア⌒ヽ:,
.Y /::::ヾ/../ >..={_}=ー 〉...: : :/::/
この京太郎の意味深な笑みに……松実玄はひとつの疑問を抱いた
75 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:27:35.79 ID:BugKwq/a0
玄「……ねぇ、須賀くん?」
京太郎「はい?」
玄「私、やっぱりちょっと気になったんだけど……ゴキブリとかぶとむしを見間違えるなんてこと…あるのかなぁ?」
京太郎「……フッフッフ」
京太郎「あるんじゃあないですか…?」
京太郎「現に、布団の下から出てきたのはカブトムシだった…。ならば布団に潜り込んだ俊足の害虫もカブトムシだ」
玄「えっ?」
京太郎「しかし…同じようなトラブルが発生しないよう、対策を講じておく必要はある……」
京太郎「ちょっと外出して、ゴキブリホイホイをいくつか買ってきますよ…」
玄「え……」
京太郎「それと……ごみ処理はきちんとしているから発生源がこの松実館じゃあないとは思いたいが、念のため館内を粗方探してみましょう」
京太郎「買い物のついでに、旅館周辺も見回ってきます」
京太郎「隣家が夜だというのにゴミを捨てていたりしたら、そこから湧いているのかもしれませんしね……」
玄「!!」
玄「じゃ、じゃあ……や、やっぱり、お部屋に出てきたのはゴキブリだったの?!」
京太郎「いいえ、違いますよ。「カブトムシ」です」
玄「え?で、でも……」
京太郎「箱の中の猫も、開けてみれば虎に化けていることだってあるかもしれない。となれば、箱に入れたのは虎の子だったも同然…」
76 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:28:03.39 ID:BugKwq/a0
京太郎「ゴキブリも同じ……。嫌われ者が布団の中で人気者へと生まれ変わったのかもしれない……」
京太郎「だったら最初からそれは昆虫の王様…。子供も大人もなじみ深い、カブトムシだったのだ」
/:、
/i:i:i:〉
/:i:i:i/ Λ
/:i:i:i:i:i:、 〈//〉 /:i:i〉 Λ
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ク:.:::.:::.::: : :: i: :: :: :: :: :: :: :: : : :ヾ: : :.::.::.ハ
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i:ハ:::::::::| xx , xx .,i:::::::ヒ」:::::::::::::::|
o .i:::::::::i u |::::::::|:::::::::::::::::::|
i::| ト::::::ヽ. _ i::::::::|:::::::::::::::::::::| …………!!
ノ:|:| |.:.ヾ::::::::ゝ 、 .,孑≦|::::::::|;;;;;;::::::::::::::::|
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|ゞ:::::i::::::::/ ゝ仆' i:::ソi|/|.:.:.:.:.:.i:::::::::::::|
|:.:.:ヾ、:广 レへ /ヽ .i:// ノ.:.:.:.:./::/ヽ、::|
|.:.:.:i:::::| 尸ヽ一イ ̄刀 /.:.:.:.:./:::/ .ヽ|
|.:.:.:i::::::| > ,卅 / ノ.:.:.:.:/:::::/ /`.i
|.:.:.i:::::::/. <ヽ イ ト-匕ヽ/.:.:.:.:/:::::/ / .|
この問答を経てようやく……!松実玄は確信したッ!!
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/06/24(月) 00:28:41.64 ID:BV24LWlC0
誰だこのイケメン
78 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:28:55.66 ID:BugKwq/a0
玄(やっぱり……!お部屋に出たのは、かぶとむしじゃなくて……ゴキブリだったんだ…!!)
玄(それを……どうやったのかわからないけど、かぶとむしにすり替えた…!!!???)
玄(でも、どうやって……?!手品なのかな…?!それとも、本当に魔法…!?)
その結論は正しかった……。が、京太郎の取った手法は手品でも魔法でもない
京太郎(俺の『キラークイーン』とアナザーワンの『ザ・ユニバース』の合わせ技さ……)
アナザー京『おれが時を止め……その間に、ゴキブリと似た昆虫を探しに行く……』
アナザー京『これはともすればゴキブリと見間違えるような虫ならなんでも良かった……』
アナザー京『茶色いカナブンだとか…そういう虫でも良かったんだが、イメージを考慮すりゃあやはりカブトムシが最適解だったな』
京太郎(コオロギだとかじゃあ少し気持ちが悪いし……カナブンも微妙。結局、昆虫の王様が飛び回ってるこの季節に助けられたというわけだな……)
アナザー京『そしてカブトムシを回収したら……問題の部屋に突入して、カブト虫が好きそうな甘いお菓子のゴミを探す……』
京太郎(ここで見つかったのが「ゼリーのゴミ」というのがツイていた)
京太郎(ゼリーだったからこそ…「昆虫ゼリーを食すカブトムシ」のイメージが定着しているおかげで、不自然さを緩和できた…)
京太郎(やはりこの須賀京太郎に運は味方しているというのがよく分かる一幕だったな……)
アナザー京『全くだな……。そして、ゴミを布団に突っ込んだところで時間停止のタイムリミットが来たから廊下に戻って相棒と交代し……』
京太郎(俺は何食わぬ顔で部屋に入り、布団の下に手を突っ込んで……)
京太郎(『キラークイーン』でゴキブリに触れると同時に爆破……。触覚1本残らず消し飛ばしてやった……)
京太郎(そして「カブトムシ」と「ゼリーのゴミ」を布団の下で見つけたかのように取り出してオワリ……)
アナザー京『トコトン戦闘に向いたおれたちの『スタンド』を…よくもまぁ、こうも上手くトラブル解決に使ったもんだぜ』
京太郎(どんなトラブルも切り抜けてきたこの須賀京太郎にとっては容易いことさ……)
しかし……
流石の京太郎も、この一件が新たな波乱…彼にとってはちょっぴり厄介な事態を招くことまでは予見していなかった
79 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:29:30.65 ID:BugKwq/a0
そう……
松実玄は……恋をしたッ!!
_ _,-、 /| ./^!
_ / / 〈 ‘,_,〉 /\ ||||
,/ /_,∧∧/ / /ヽ.∨ /\_/\/| \/ /〉 ||||
/ // /∨∨` ´/ .r' ⌒ヽ_/\_/ // / , `´
`7¨_、 〈 //} } / ̄/ ⌒ /7
. `'´ } ! レ′ `¨´ /⌒> レ′
,'_/ `¨´
'' _.―― ....
/ ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、..
. ' .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:.. :/ } ヽ
/::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}...... ',
/::.:′. .: }: ヽ ,斗‐|- .::| :ト.、 | |.!
. /::. |:...:.:/|:. ..:l\ ! ヽヽ .::l /! ..l | | l
. {: /.! :|.:.:..::|:.. ...:|〒弐オ`\.l/〒テト.|./|.:i
...rぅ' ,|::.|::.:.|:;{. ,.::| ト'::ィ;リ トィリr::ノl:ノ
./:{ V:|::.|::.:.|´ii ..:::| `ー' .゙-'l |/
.|:.|/::.:,::.:.::. l :|.i ',.:::| ゙゙゙゙ ` ゙゙',!.:}
.{i:{:: :ハ::.: 込{.::l :'.,l. (_`チ _,ノ./|. (か…かっこいい〜……!!)
.乂:/:.:∧::.:.V.i::ヽ_.::!ヾ=<>‐、‐ T´|..小{
/ .:: :::::::: ル´}::.从`⌒H⌒´}.丿. }:.{
. / .::: .:;へ/` '、l::..<__/八_,>.l. .}:.{
/ .:::::::///;;`ヽ',`..〈 ./ .| } | }:.{
玄(須賀くん……。お仕事もできて、俳優さんみたいな顔立ちで、お上品で、でもお勉強が苦手な一面もあって、なんかいいな〜って思ってたけど…)
玄(いま……すっごく胸にズキューン!ってきたよっ!!)
玄(なんだかとってもミステリアスなところが…たまらないのです!!) ドキドキ
80 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:30:15.09 ID:BugKwq/a0
玄(すごく胸がドキドキするよ……こんな気持ち、初めてかも…)
玄(だって、阿知賀は女子高だから……男の子とこんな風にたくさん接する機会なんてなかったし……)
玄(でも……なんとなくわかる…っ)
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/:::::::::::::::::::/´ `、 |:::',、 \:|_ γ' (/ / ヽ
,....:´::::::::::::::::::/ -- 、 `、 乂| ト、 j {/_/ソ (私……須賀くんのことが……好きになっちゃった?!)
/:::::::::::::::::::::/ / ヽ f⌒ヽノ_!_ i /{ /
/::::::::::::::::::::::::,' / } |-_-_j_)-/| j \ _入
,.:´::::::::::::::::::::::::::/ / U乂_シ、_-}:レ′ /
/:::::::::::::::::::::::::::::/ y , /-_-_| |Y ,′ /
/:::::::::::::::::::::::::::::::, ' | ‖ ``〜' ヾ/ ,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::/ l / U /
::::::::::::::::::::::::::::::::/ ! 、 , } /
:::::::::::::::::::::::::::::, j :'、 ‖ : : :ハ ,
:::::::::::::::::::::::::, ' ; ',. ‖ : :_; : :イ /
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:::::::::::::::::::/ | ', j/ | j! /
::::::::::::::::/ {``〜;、、 | ', { 八 /
::::::::::/ ``〜;、、:} | j ` ー ´
::::/ | /
81 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:30:44.23 ID:BugKwq/a0
京太郎「さて、と……」
京太郎「それじゃあ、寝る前に買い物に行ってきますね」
京太郎「あ……百均はまだ開いているかな…?」
玄「う、うん。もう少しで閉まっちゃうけど、急げば間に合うと思うよっ」
京太郎「そうですか。じゃあ行ってきます」
玄「あっ、待って!」
京太郎「?」
玄「そ、その……私もついていくねっ」 ドキドキ
京太郎「? いえ、俺一人で十分ですよ」
玄「でも、須賀くんにばっかりお任せするの悪いし……」
京太郎「……ふっ。変わってますね、玄さん。命令できる立場なのだから、こき使えば良いものを」
玄「そ、そんなことしないよ〜」
京太郎「それじゃ……急ぎましょうか」
玄「うんっ!」
82 :
◆Rcg5z0T7ZfzG
[saga]:2019/06/24(月) 00:31:13.01 ID:BugKwq/a0
―夜道―
玄「あ、そうだ……。あのね、須賀くん……」
京太郎「なんですか?」
玄「その……す、須賀くんのこと……下のお名前でお呼びしてもよろしいでしょうかっ」 ドキドキ
玄「あっ、こ、これは命令とかじゃなくってね?!」
京太郎「え?構いませんが」
玄「!! やったぁ!」
( )
i ニlニ○ _L/、 / (⌒ ⌒)
{ cト ´ | ノ ⌒ ーノ{__ノ て人_)
. ―― ..
/ ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: `:..、
' .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ /
/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}::.:}:.. :/ } ハ
/::.:′. .: }::斗/L/!::.:.:. /::、i:.:.:.}......:.  ̄
/::. |:...:.:/|::.:/ j/ |::.:.:/}:/リ|\|::.:.}.‘ ―
{: /.! :|.:.:..::|:/ -- _}:/ノ' /十/,「:..ハ:.i
rぅ' ,|::.|::.:.|:;{z≦三 三ミメ.|:/|:.ト{ \
/:{ V:|::.|::.:.|´i `|:: |:.|
|:.|/::.:,::.:.::. l :|/// 、__ /// |::.i!:.!
{i:{:: :ハ::.: 込{. __ (__ ノ .ィ}:リ|: それじゃあ、明日からもよろしくねっ!京太郎くんっ!
乂:/:.:∧::.:.V/⌒ヽ.--r >ォ抓/:./ |′
/:/.:.:.:.:/\:ハ´  ̄`V ´  ̄`∨:/| ( )
イ.:/::.:.:.:. / /\ { {:小{ (⌒ ⌒)
://::.:.:.:.:.:.:{ fノ |! 人.}:.{ て人_)
./::.:.:.:.:.:. 人 ,八 ノト{
'::.:.:.:.:./:.:.:.:ト、 / 乂 /:.:|
二 `丶、`丶、_\__\〉-<⌒
`‐-、 二. `ヽ、 ミ ̄ /⌒シ \
二‐/,ィ┐|=ミ=| /|_,/l_イ| \ \_
‐ニ| i< i ,.{ | }/__ 从 、 |` ̄ ̄
二‐ヽ ┘ | lヾ. } } /从}
ニ ‐'"/ / |_{;)} レ' ∧{
' / / '" ` `゙ / `
/ , F'′
ヽ. \、 L`___l
_\ ヽ._>┘ ええ……。…………ん?
/了\_ノ
◆(
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